議案第21号、議案第22号、議案第23号、議案第24号、議案第25号、議案第29号、議案第31号、議案第32号、議案第33号、議案第34号、議案第35号、議案第36号、議案第37号、議案第41号反対討論 森尾議員

私は、日本共産党市議員団を代表して討論を行います。

わが党は、上程された議案22件のうち、議案第21号、議案第22号、議案第23号、議案第24号、議案第25号、議案第29号、議案第31号、議案第32号、議案第33号、議案第34号、議案第35号、議案第36号、議案第37号、議案第41号の議案14件について、反対であります。

100年余にわたって、本市が運営してきたガス事業・発電事業を北陸電力、東邦ガスなどから構成された金沢ガス・電気株式会社に売却してよいのか。議会として判断することになります。まさに、歴史に残る採決が行われようとしています。

二元代表制といわれる議会が、市民を代表して、そのチェック機能を発揮するうえで、その決断が求められていると考えます。

議会は、本会議、委員会、さらに特別委員会を通じて、本市ガス事業・発電事業譲渡めぐる経過と内容を審議する中で、重大な問題が明らかにされてきました。

第一に、本市企業局が、2016年経営戦略方針の中で、今後10年間ガス、発電など5つの市営事業を継続していくことを打ち出しながら、これを反故にし、強引にガス事業・発電事業譲渡方針へと突き進んできたことです。これは、市民と議会との約束を破った点から許せないものです。
第二に、譲渡方針に都合の悪い調査資料は、当時の議会にも報告せず、「あり方検討委員会」にも提出されませんでした。市民から意見をお聞きするパブリックコメントでは、あたかも譲渡方針が受け入れたかのように調査結果を報告する。「あり方検討委員会」「選定委員会」は本市企業局の提案に沿って、結論ありきの形で進められてきたことも明らかとなりました。
第三に、今回の譲渡方針の中で、再譲渡禁止10年間は実質効力なし。募集要項で、譲渡価格186億円以上としたのは、一番安い価格ということで決められた。市の出資比率3%以上は、企業からの要望を受け、本市企業局からの提案で決められた。本市職員の派遣は、退職派遣であり、初年度81名に上る計画であること。3年が経過して、戻ってきても職場はありません。まさに片道キップそのものです。
新会社でのガス保安体制は、合理化する方向であること。など問題点が明らかにされてきました。そして、一番の問題は、市民の理解と合意が得られていないことです。
市民説明会が開かれましたが、参加された市民からは、次々に声があがりました。
ガス事業・発電事業とも黒字経営なのになぜ。譲渡するのか。発電事業は、100年にわたって、市営事業として運営されてきた市民の財産であり、簡単に手ばなさないでほしい。譲渡先の主要なオーナーともいえる東邦ガスに対して、公正取引委員会が調査に入った。譲渡方針をストップするべきだ。など今回の譲渡方針について厳しい批判と危惧する意見が相次ぎました。市民の理解と合意はありません。

ところが、本市当局は、あくまでも、二つの事業譲渡に固執してきました。
残された議会としての判断は『ノー』という結論を出すことです。

もう一つ重大な点は、発電事業譲渡にあたって、河川法に違反している事実が明らかとなったことです。違法状態であることを県に報告したのは、本市企業局であり、今回の譲渡を進める中で、問題が明らかにされたのです。

平成19年国土交通省が全国の水力発電所における河川法違反の事実をあきらかにし、運営していた電力会社に対して処分を行いました。
これをうけて、5つの発電所を運営する本市は、石川県から調査・報告を求められ、平成20年3月再調査報告書を県に提出しました。
この中で、第一に、河川法第23条に基づく許可に係わる違反について有りとし、届出以外の水利用があったこと。第二に、河川法第26条に係わって、許可工作物の申請内容と現状の相違について、有りとし、13か所の施設を列挙しました。「機器冷却水等の取水に係る是正報告書」を提出しました。しかし、河川法第26条に基づき、工作物について、法的な届出を行い、許可を受けることなく、事実上放置されました。県と本市の責任が問われることなく、経過しましたが、この施設を譲渡し、新たな会社が法に基づき認可をえて、発電所を運用するとした場合、法的に問題となります。
本市が、工作物設置にあたって、河川法第26条に基づき、申請し、許可を受けた事実もありません。県は、本市から許可工作物の申請内容と現状の相違について、有りとし、13か所の施設について、回答は受けたものの、法的に問題はないとする文書も、議事録も協議メモもありません。
県当局は、平成20年当時のやりとりでは、「法的に問題なし」との認識を表明していますが、これを裏付ける文書などはありません。行政の許認可権限にかかわることを口頭で済ますことはあり得ません。この間の経過について、説明したにすぎません。
本市公営企業管理者は、「許可手続きが必要かどうか。協議中」としています。
市民に対して、書類による申請や、許認可を証明する書類を求める行政が、行政間では口頭で済ますなんてことはあってはなりません。
現状は、河川法第26条に基づき、許可を得ていない工作物が13か所もあり、そのままこうした施設を譲渡することはできません。
公序良俗に反する。民法第90条に基づき、社会的妥当性を欠く法律行為は無効となります。
従って、本市が新会社と交わしした仮契約は、無効となります。
このまま譲渡を進めると、ことによっては、損害賠償のリスクを負うことになりかねません。
譲渡日である来年4月1日までに法律的な問題を解決すればよいとし、現時点で、法律に触れる内容をともなう議案を議会に上程することは、市民と議会を軽視する傲慢な対応と言わざるを得ません。

法的な問題を解決することが先決ではありませんか。
あくまでも、譲渡方針を変更しないとするなら、残された議会としての判断は『ノー』という結論を出すことです。
議員各位の賢明な判断をお願いいたします。

以上を申し上げ、関連する議案について、反対を表明いたします。

議案第21号については、マイナンバーカードの普及促進に係わる予算であります。

個人情報が漏洩されないか。国による個人情報の管理とならないのか。国民の不安と疑問は解決されていません。こうした点から、この制度には反対です。

議案第29号は、特定地域型保育事業の利用終了にあたって、3歳以上の子どもを連携する施設に引き続き入所できるようにしなければならない規定を規制緩和するもので反対です。

議案第31号についてです。
これは、県が、金沢港クルーズターミナルを中心とする港湾区域について、「分区」を打ち出しました。この分区の中に、本市が定めた地区計画区域が2か所あります。その地区計画では、物販や飲食を用途とする施設などを禁じており、それを解除するものです。県が打ち出した港湾区域の「分区」方針について十分検討することなく、そうした方針を是認する今回の措置には同意できません。なお、対象となる地区計画区域の一つは金沢港大浜に工場を持つ大手企業のコマツが所有する用地です。この用地は、もともと粟崎地区の防風林でした。コマツの要請にこたえ、本市は防風林の指定を解除し、工場用地として造成し、平成19年、コマツに売却したものです。当時、本市の対応が問題となったことを指摘しておきたいと思います。工業用地であるはずが、いつのまにか異なる活用へとつながりかねないだけに今後の経緯に重大な関心を寄せるものです。

議案第34号ないし、議案第37号は、城北市民運動公園にある市民サッカー場を敷地内に移転し、再整備するとして、その建設工事にかわる工事請負契約の締結に関するものです。

 当初現在地改築との方針が、移転・新築となりました。さらに、建設事業費が75億円から80億円に増額されました。今後、ジュニアサッカー場等の移転費用などで合わせると100億円規模となろうとしています。コロナ禍の下で市民生活、地場産業の状況から考えても、この事業に同意することはできません。

 次に、陳情についてです。

 陳情第12号は、「政務活動費の金沢市条例改正についての陳情書」で、市民オンブズマン石川の代表幹事から提出されました。政務活動費が、本来の目的に沿って、運用されるとともに、その透明性を確保し、市民からの理解を得ていくことは何より大切です。

したがって、さらなる情報公開による透明性の確保や必要な改善が求められています。こ陳情の趣旨を理解するものです。

よって、この陳情が付託された議会運営委員会で、不採択となり、その決定に反対するものです。なお、陳情第10号は、「金沢市企業局ガス・発電事業の事業譲渡について慎重な審議を求める陳情」で、金沢市のガス・発電の民営化を考える市民連絡会の代表から提出されました。付託された建設企業常任委員会で、継続審議となってきましたが、ガス事業・発電事業譲渡関連議案が採択されたことから、一事不再議をもって議決を要しないとしたものです。わが党は、この陳情には賛成であり、市民から提出された陳情について、審議・議決することが議会としておこなうべきであり、今回の対応には同意できません。

 以上で反対討論を終わります。

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