2020年度金沢市公営企業会計決算認定について討論 森尾議員

2021年12月15日 金沢市議会議員 森尾 嘉昭

 私は、日本共産党市議員団を代表して、認定第2号令和2年度 金沢市公営企業特別会計決算認定について、認定できないことを表明し、その主な理由について以下述べます。

第一は、本市ガス事業・発電事業譲渡方針に基づく予算執行と具体化がすすめられてきたことです。
 この二つの事業は、100年余にわたって、本市公営事業として運営されてきました。
2016年、本市企業局が打ち出した今後10年間の経営戦略方針の中でも、ガス、発電など5つの市営事業を継続していくことを打ち出しながら、市民と議会との約束を破り、強引にガス事業・発電事業譲渡方針へと突き進んできました。
 令和2年度決算の主なものは、この二つの事業譲渡アドバイザリー業務委託として令和2年度1億4千万円、令和3年度6千万円、合計2億円でPwCアドバイザリー合同会社に委託されたこと。譲渡選定委員会が設置され、最優秀提案者が選定され、優先交渉権者が決定されたことです。
 決算審議を通じて明らかとなったことは、第一に、この二つの事業譲渡を進めるためにPwCアドバイザリー合同会社に業務委託し、2年度1億4千万円、令和3年度6千万円、合計2億円で契約を交わしました。その選考過程は、本市が定めた委託業務公募型プロポーザル方式の実施に関する手引きで定めた標準処理日数70日から90日が、今回44日と2分の1に短縮され選定されました。これは、令和2年2月にPwCアドバイザリー合同会社がまとめた報告書の中で、2020年度公募開始し、2022年4月に新会社による経営を開始するスケジュールが示され、公募プロセスの短縮した案が報告されていたことが明らかになりました。

第二に、譲渡選定委員会が設置され、最優秀提案者が選定されましたが、黒塗りの資料が示されたまま、提案内容や選考過程は全くベールに包まれたままでした。
 よって、市民の理解と合意のないまま強引に進められてきた本市ガス事業・発電事業譲渡方針には、同意できません。

次に、工業用水道事業についてです。
 先端産業を立地するとして造成された工業用地・金沢テクノパークは、平成4年着工・造成が始まって、29年が経過しています。用地はいまだ2割が立地されないままとなっています。その用地は、3区画・6.1haです。これは、東京ドーム1.3個に相当します。
 参入した企業への工業用水道事業は、実質3社が利用していますが、毎年赤字。その赤字を一般会計で補填し続けています。令和2年度決算では、3000万円に上っています。
 市政の失敗ともいうべき事業に対して、市民の税金をもって補填し続けることは許されることではありません。
 なお、新型コロナ感染対策として水道料金と下水道使用料金の基本料金を減免しました。令和2年8月から11月までの4か月分を減免したもので、総額16億6千万円となりました。市民生活を支えていく上で、その要望に応えるものとなりました。

 最後に、本市ガス事業・発電事業譲渡方針に基づく決算審査の過程で、黒塗りの資料が提出されたことです。
 地方自治法第96条第1項で、普通公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。とし、その第三号で、決算を認定すること。と明記しています。
 100年余にわたって本市公営事業として運営されてきたガス事業・発電事業を譲渡するにあたって、その過程や結果について、審議・議論する決算委員会に対して、黒塗りの資料を提出したことは、重大です。
 法に基づき設置された決算委員会が、適切な審議と議決ができないことにつながりかねません。議会を軽視することは、市民を無視することとなり、市民の負託にこたえ、行政執行すべき立場をかなぐり捨てることにほかなりません。
 このことを述べ、討論とします。

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