議会議案第3号「緊急事態条項に関する国会審議を求める意見書」反対討論 大桑議員(6月21日)

私は、日本共産党市議員団を代表して、議会議案第3号「緊急事態条項に関する国会審議を求める意見書」について、反対であることを表明して討論を行います。

本案は、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、医療提供体制の崩壊の危機を招く事態が発生したこと、自然災害等による地方自治体の行政機能が、停止したことなどを理由にあげ、緊急事態に強い社会をつくることが必要であるとしたものです。その上で、国会で議論を行う事や、国民的な議論を喚起することを求めているものです。

まず、新型コロナウイルス感染症や自然災害等への対応については、憲法の下での法制度と体制が整備されています。現行の法律で対応できるものであり、憲法に緊急事態条項を置く必要などは全くありません。仮にいまの法律で十分に対応できないことが明確になった場合には、法律を改正すれば良いことです。

また、神戸や東日本大震災、並びに、新型コロナウイルス感染拡大などの経験から言われていることは、せっかく高度に整備された法制度があるにもかかわらず、平時から災害やパンデミックに備えた事前の準備が不十分であったため、それをうまく運用できなかったという事です。その点の検証と改善こそが、緊急に必要であり、改憲議論に結びつけるような緊急事態条項は、不要であるばかりか、災害やパンデミックから国民の命を守るために、真に必要な議論ができるのか疑問です。

さらに、被災経験のある福島県弁護士会は「被災地の復興のために何より必要なのは、政府に権力を集中させるための法制度を新設することよりも、事前の災害・事故対策を十分行うとともに、既存の法制度を最大限活用することである」と意見を表明しています。

これらのことから、中央政府に権限を集中させるのではなく、被災者に一番近い自治体である市町村に主導的な役割を与えることが重要なことは明らかです。

憲法の「緊急事態条項」が乱用され、人権を侵害し、言論抑圧につながる危険は、世界の歴史からも明らかです。第2次世界大戦前のドイツでは、ワイマール憲法48条の「大統領非常権限」が乱発された結果、ナチス・ヒトラーの独裁政権に道を開きました。日本でも明治憲法下の1923年の関東大震災の際、戦時に軍隊に権限を集中する戒厳令の一部を緊急勅令によって施行した結果、朝鮮半島から日本に移り住んでいた人々への虐殺といった事件が引き起こされました。戦後制定された日本国憲法で「緊急事態条項」を設けなかったのは、こうした痛苦の経験を踏まえたものです。

私たちはこうした歴史の教訓に学び、立憲主義や三権分立、そして人権を尊重する現行法体系の下で、国 民の命暮らしを守る政治の実現をはかることこそ重要であるということを強調したいと思います

以上の理由から本意見書に、反対することを表明致しまして、討論を終わります。

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