議会議案第4号「我が国の平和と安全を確保するための防衛力の充実強化を求める意見書」 反対討論 森尾議員(6月21日)

金沢市議会議員 森尾 嘉昭

私は、日本共産党市議員団を代表して、

議会議案第4号「我が国の平和と安全を確保するための防衛力の充実強化を求める意見書」に対して、反対討論を行います。

ロシアによるウクライナへの軍事侵略は、国連憲章に違反し、他国へ軍事力をもって侵略するという許しがたい暴挙です。国際世論でロシアを包囲し、一刻も早く軍事侵略をやめさせなければなりません。

 こうした中、自民党は、敵基地攻撃。その後、反撃能力としましたが、相手の基地を攻撃できる能力の保有が必要で、日本が保有すべきと述べています。さらに、安倍元首相や日本維新の会からは、日本も核兵器を共有するという核共有について、主張や提言まで行われています。さらに、国会の議論では、防衛費をGDP比2%に強化すべきという防衛費予算の増強に関する主張が始まっています。そうした方向に沿ったのが、この意見書です。

明らかに、日本を戦争しない国づくりから戦争する国づくりへと導くものとなっています。

20日ウィーンで「核兵器の非人道性に関する国際会議」が開かれ、日本から参加した被爆者が「原爆は非人道的絶対悪」と述べすみやかな核兵器廃絶を訴えました。

「軍事対軍事」による軍事同盟の強化と軍事ブロック的対応では、さらなる軍事衝突へと導くものです。そうした方向ではなく、すべての国々を包括した平和の枠組みをつくり、対話を通じて戦争を回避していくという外交を通じた政治の力こそ発揮しなければなりません。

6月28日発売の雑誌「女性自身」は「防衛費5兆円増しで苦しい生活」と題する特集が組まれました。

その中で、「軍備増強で国民の暮らしはどうなるの」と問いかけ、「2022年度の防衛費はGDP比約1%で約5兆4千億円。これを2%にした場合、新たに5兆円が必要となる。

各国の軍事支出の総額を比較すると、日本は現在9位の位置にいるが、これを2倍するとアメリカ、中国に次ぐ世界第3位となる。資料を示すと共に防衛費5兆円を増やすとしたら、国民のくらしが大変になることを提示し、関心を集めています。

国会でも、財源として考えられるのは、消費税増税するのか。社会保障制度の国民負担を増やすのか。国債などの借金でまかなうのか。との議論がされました。これに対して、岸田首相は「具体的数字については差しひかえる」と発言し明確にはしませんでした。

この意見書は「平和と安全」を守るためには、防衛力の強化こそ重要であるとして、防衛予算の対GDP比2%を念頭に必要な予算を講ずることを求めています。

この道は、日本の平和と安全を守る方向ではなく国民の暮らしをこわし、戦争へと国民を導く危険なものです。

私どもは「軍事対軍事」ではなく、外交で東アジアに平和をつくる友好協力条約を提唱し、「対抗でなく、対話と協力の地域」とすることが平和への道につながると考えています。

この意見書はこうした点から国民の平和への願いとは全くかけ離れたものであり、我が党は反対であります。

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