2022年12月議会 一般質問 広田議員(12月12日)

広田美代議員

〇物価高騰から市民を守る施策について

-広田議員

物価高が市民のくらし、中小業者の経営を直撃する中、今月2日「総合経済対策」の裏付けとなる第2次補正予算案が成立しました。わが党の反対理由は、最も急がれる物価高騰から暮らしを守る点で全く不十分な一方、緊急性がない多額の予備費や基金、軍事費などを計上しており、暮らしの実態からも財政法に照らしても認められないというものです。この経済対策やこの間の情勢について、数点市長のお考えを伺います。

インボイス制度について

-広田議員

 まず、政府の物価高騰対策は、大手石油元売りや電力・ガスの独占企業を救済する、部分的な価格抑制策であり、不十分です。全ての物価を引き下げる消費税の減税こそ最も効果的です。小規模事業者やフリーランスの方々に深刻な負担増をもたらすインボイス制度は中止すべきです。このインボイス制度ですが、全国免税事業者のうち161万業者が新たに課税事業者になり、平均15万4千円、合計で2480億円もの増税になると財務省は試算しています。課税事業者を選べば負担が増え、免税事業者を選べば仕事がなくなる。この制度は、小規模事業者やフリーランスの方々に増税か廃業かという地獄の選択を迫るものです。本市の地域経済のためにも、インボイス制度の中止を国に求めるべきですがいかがですか?

-村山市長

 インボイス制度は消費税の複数税率下において適正な課税を行うことを目的として、平成28年に導入の決定が行われたもので、国が令和5年10月の開始に向けてすでにインボイス発行事業者の登録を開始するなど、全国で導入準備が進められております。現在、全国市長会においても国に対し中小企業への配慮などの必要な措置を講じるよう要望を行っておりまして、今後の動向も注視しながら適切に対応してまいりたいと考えております。なお、制度の中止を要望することは考えておりません。

賃上げについて

-広田議員

賃上げについてです。雇用の7割を支える中小企業全体の賃上げ支援策が必要です。中小企業への社会保険料・税負担軽減策の要望に応え、最低賃金の引き上げ、非正規雇用拡大政策の転換を行うことが必要です。その財源は、アベノミクス以降積みあがってきた大企業の内部留保への課税です。その課税には賃上げ分を控除して賃上げを促進する。こうした、中小企業全体を支援する「構造的な賃上げ」が必要です。市長は、提案理由説明の中で、「政府の構造的な賃上げ」にお触れでしたが、どのようにお考えでしょうか。

-村山市長

 物価高に対しましては、国は総合経済対策において、経済の持続的な成長と分配の好循環を達成するため、中小企業や小規模事業者の生産性向上の支援等により、賃上げの促進に全力で取り組むこととしており、本市としても地域経済の活性化には継続的な賃上げの実現が必要であると考えております。一方、賃上げ対策につきましては一義的に国が行うべきものであり、本市としては中小企業の資金繰りや雇用の確保等に対する支援を通じて、国の対策に呼応してまいりたいと考えております。

電気代の値上げについて

-広田議員

光熱費の高騰に関してですが、先月末には北陸電力が記者会見を行い、来年4月に家庭向け電気料金を平均45.84%値上げする計画を経済産業省に提出したとしています。これは標準的家庭でおよそ2700円もの値上がりになるとされており、市民からは不安の声が相次いでいます。しかも本市の優良な水力発電を譲渡したばかりです。この件について、市長に北陸電力からはご相談などはあったのでしょうか。市民生活に配慮を求めるつもりはありませんか。

-村山市長

 電気料金の値上げにつきましては、国の電力・ガス取引監視等委員会等で値上げについての妥当性が審査されることから、改めて本市として配慮を求めることまでは考えておりません。なお、報道内容につきましては説明を受けてございます。

軍拡と負担増について

-広田議員

政府はまともな外交努力も行わずに、敵基地攻撃能力の保有を自民党、公明党が合意したとのことです。これまで憲法上持てないとしてきた攻撃型の兵器の保有解禁の説明もなく、集団的自衛権の行使としての発動も排除しないとします。さらにアメリカへのトマホーク購入打診などすでに結論を先取りしています。際限のない軍拡競争に突き進む危険な大転換は絶対に許されません。さらに岸田首相は来年度から5年間で43兆円の軍事費増額を指示し、増税もさけられないとしています。市長は軍拡と国民への負担増の議論についてどのようにお考えですか?

-村山市長

 我が国の安全保障に関する問題についてでありますが、国民の安全や暮らしを守る観点からも、国において十分な議論を重ねたうえで適切に対応されるものと認識しております。

〇本市独自の取り組みについて

住民税非課税世帯等緊急支援給付金について

-広田議員

 つぎに、このような中で本市独自の取り組みを求め、数点伺います。

現在、住民税非課税世帯等に5万円の給付が行われていますが、もっと幅広い市民に給付すべきと考えます。住民税非課税世帯であっても扶養控除をされている方や、均等割りのみの方などぎりぎりでもらえない方が多くいます。単身の場合で総所得が45万円以下という均等割りのみ課税世帯などにも、対象拡大を行う考えはありませんか。

-村山市長

 住民税非課税世帯等に対する緊急支援給付金の対象につきましては、令和4年度に住民税が課税されている世帯であっても、本年1月以降に家計が急変し非課税世帯と同様の状態にあると認められる場合には支給対象となることから、市独自に対象を拡大することは考えておりません。なお、家計急変世帯に対する支給については申請が必要でございますので、引き続き市民に対する周知に努めていきたいと考えております。

上下水道料金の減額について

-広田議員

本市が以前行った上下水道料金の減額は市民のみなさんに大変好評でした。水道事業は令和3年度の決算で、7億9600万円もの黒字が確認されています。これは本来市民に還元すべきものです。上下水道料金の減額を検討すべきですがいかがですか。

-平嶋公営企業管理者

 上下水道料金の減額についてお答えいたします。今回お諮りしております補正予算案におきまして、エネルギー価格高騰に伴います上下水道施設の光熱費などの経費の増額をお諮りしており、水道事業また下水道事業におけます当年度予定利益も減少する見込みとなるなど厳しい経営環境にございます。現時点におきまして基本料金の減額等を行うことは考えておりませんが、これまでも療養援護を受けている方を対象に基本料金相当額の減免制度を適用しておりますほか、上下水道料金の支払いが困難な方には事由の把握に努め、分割納付や支払い期限を延長するなどきめ細やかに対応しております。なおご指摘がありました令和3年度決算にかかる黒字、いわゆる未処分利益剰余金でございますが、将来の老朽管更新対策や企業債償還の財源として積み立てることをお諮りしているところであり、ご理解願いたいと思います。

子どもの医療費助成18歳まで対象拡大について

-広田議員

そして、市民のみなさんと長年取り組んできた、子どもの医療費助成制度。私たちは18歳までの対象拡大と窓口無料化を求めています。この2か月あまりで1374筆もの署名が市長に届けられ、今も署名は続いています。このくらしが大変なとき、早急に実施を決断するよう求めますがいかがですか?

-村山市長

 こども医療費につきましては、県では来年度からこども医療費助成の市町に対する補助を拡大することとしておりますが、これに伴う本市の負担減少分の使途については、県から子育て施策に活用するよう要請がきていることを踏まえ、どのような施策に活用するか、明年度の当初予算の編成作業の中で検討してまいりたいと考えています。

〇歌劇座の建て替えについて

-広田議員

こんなに市民生活が大変なときに、歌劇座の建て替え検討が進められてきました。さらに先月22日の報道では、日銀跡地での建て替えがむずかしいので、歌劇座はそのままにして、日銀跡地にあらたな演劇施設をつくる提言が経済同友会から出され、市長は「ニーズを調査し、検討する」と発言。来年度、県も含む検討組織を立ち上げるともしています。大変驚きました。現在、市のほうで歌劇座について現地か日銀跡地かで建て替えの検討が行われている段階であり、まだ議会としては結論のご報告も受けていません。にもかかわらず、あらたな検討組織の立ち上げをおっしゃられたのでしょうか?市民と議会軽視であり問題ではないですか?そもそも、歌劇座の建て替えは市民が求めたものではなく、山野前市長が経済同友会の要望に応え、検討をはじめたものです。それが破綻したら「次は日銀跡地に別の施設を」とはとんでもありません。一度、歌劇座の建て替えも含め白紙に戻すよう求めますがいかがですか。

-村山市長

 日本銀行金沢支店の跡地につきましては、市の主体的な関わり方を早期にお示しすることが肝要との思いから、明年度にも活用の方向性を検討する組織を立ち上げたいと考えております。歌劇座の建て替えにつきましても、建物の機能向上を含めた検討を重ねているところであります。いずれも都心の風格や賑わいに関わる必要な施策であり、引き続き検討を進めてまいりたいと思います。なお、施策の推進に当たりましては議会に対する説明の重要性は十分に認識しておりまして、これからも留意してまいりたいと考えております。

〇除雪について

-広田議員

 除雪についてです。気象庁によれば、今冬の気温は全国的に平年より低く、西日本の日本海側の雪は平年並か多くなる予想です。これまで、わが党は市道に対し市が行う除雪範囲をもっと広げるよう求めてきました。それに対し、本市は「必要な路線については、計画路線の指定を検討していく」としていましたが、今シーズンの計画でも市道の4割を超えていません。この4割は平成17年から17年間ずっと変わらないままですが、なぜなのか、あきらかにしてください。

一方で、道路法第42条で、『道路管理者は、道路を常時良好な状態に保つ義務』が定められています。この法律のもと、近隣市町、たとえば富山市は8割、福井市は85%、小松市85%、白山市は73%の除雪計画を立て除雪を行っています。本市の4割は低すぎます。まずは、今冬の対策をどうするのか。そして、来年度に向けて大幅に除雪基準、予算を見直し、計画路線の拡大検討を行うよう求めますがいかがですか。

-坂本土木局長

 除雪につきまして2点ご質問がございました。最初に除雪計画についてでありますが、毎年通学路など新規除雪路線の追加や除雪委託業者並びにオペレーターの確保を図るなど見直しを行いながら、金沢市道路除雪計画を策定してきております。今年度も除雪委託業者は微増減があるものの5社の増で、昨年並みの除雪体制となりますことから、市道における除雪作業を迅速かつ的確に行うことは限界があります。市道の除雪延長は海側幹線など約6.5kmの微増となりますが、除雪路線の現状に大きな変化はございません。

 次に今冬の対策、除雪範囲の拡大についてであります。除雪委託業者やオペレーターなどには限りがあります。現状では大幅に除雪路線を拡大することは困難であると考えております。今後も除雪委託業者やオペレーターの確保に努めるほか、道路状況に応じて優先順位を見極め、必要な路線を選定しており、ご理解願います。市民生活の安全安心を確保すべく、今冬の除排雪体制も職員とともに一丸となって全力で取り組んでいきます。

〇コロナウイルスとインフルエンザウイルス感染症対策について

-広田議員

コロナウイルスとインフルエンザ感染症対策について伺います。県内では、10月下旬以降、コロナ感染症の増加が顕著であり、病床使用率も増加しています。さらに、今シーズンはインフルエンザの同時流行も懸念されている状況です。まずは、コロナウイルスに関しては、9/26を皮切りに、全数届け出はやめ、報告についても、年齢だけであり、市町村別や所属など詳細な感染情報が少なく、医療機関などでも感染傾向がつかめず大変苦労しているとのことです。現在、本市では予測も含め、どのような感染傾向があるのか、そして対策を考えているのかあきらかにしてください。

-村山市長

 新型コロナウイルス感染症につきましては、市内の医療機関からの患者数の報告は10月下旬から増加傾向が続いております。またインフルエンザにつきましては、定点把握による発生動向調査によると、現時点で市内における流行の兆しは見えておりません。今後年末年始にかけて人と人との交流の機会が増えることから、新型コロナ感染者の増加とインフルエンザの流行が懸念されます。このため本市では、感染者が発生した高齢者入所施設等に対して早期に保健師を派遣し、感染拡大防止対策を指導・助言する体制を整えたところであります。また市民の皆様に対しては引き続き3つの密の回避、こまめな手洗い、効率的な換気など、基本的な感染防止対策の徹底と新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの積極的な接種をお願いしていきたいと思っております。

-広田議員

つぎに、コロナ第8波の到来とインフルエンザの同時流行に備え、医療機関では、両ウイルスを同時に検査できるキットを用い対応をしていると聞いていますが、2種類の感染対応が必要となります。現在、スタッフにも感染が広がり、人手不足の中必死の医療が行われています。このような医療現場に経費面など経済的支援が必要ですがいかがですか。

-村山市長

 本市では現在、発熱外来を設置する休日当番医に対して、通常より委託料を上乗せして支援するとともに、金沢広域急病センターで発熱外来を臨時的に日中開設し、医療機関の負担軽減に努めているところであります。医療機関の強化や財政的支援については全国的な課題であり、一義的には国が対応すべきものだと考えております。医療機関の経営の安定化に資する財政措置など、引き続き全国市長会を通じて要望してまいりたいと考えております。

〇保育・学童保育の人員拡充について

-広田議員

 保育園や学童保育の人員拡充についてです。

 本予算案では、保育園や認定こども園の送迎バスの安全装置導入について国補助が予算化されています。これは、園児が通園バス車内に置き去りにされる事故が相次いだことから創設されたものです。わが党は他党とともに、法案を共同提出しており、その中の安全装置の全額補助が実現したものです。しかし、これらの事故は、通園バスでの置き去りだけではなく、散歩中やプール、午睡中の事故、災害時の避難についても現場では大変心配されています。その大本には、職員の配置基準が低すぎる問題があり、現場からは改善が強く求められてきました。今回のバスの件でも、保育士の同乗が余裕をもって可能となるように、現場での配置基準の引き上げを行うお考えはありませんか?

-村山市長

 市内の保育所等が運行する送迎バスにつきましてはすでに複数人の職員が同乗しております。なお保育士の配置基準につきましては、本市独自ですでに国基準を上回る配置を行っておりますことから、今のところ見直すことまでは考えておりません。今後国から安全対策にかかるガイドラインが示されることから、その内容を注視してまいりたいと考えております。

-広田議員

 学童保育についても、人員体制の拡充は切実な要望です。10月に金沢市学童保育連絡協議会のみなさんから市長へ要望が提出されました。待機児解消の整備計画も必要ですし、現場の実務的なご苦労として会計や労務管理を指導員や保護者が担っている実態が報告され強く改善が求められました。この点については、国の補助事業を活用して改善できないでしょうか、伺います。

-藤木こども未来局長

 放課後児童クラブの会計労務等の職員につきまして配置のご質問がございました。本市では令和2年度に放課後児童クラブが専門家に会計や労務管理の指導・助言を受ける場合の支援制度を創設いたしまして、これまで令和2年度に19件、令和3年度に2件、本年度は11月末現在で12件のクラブが制度を活用しております。会計・労務管理が放課後児童クラブの運営にとりまして負担となっていることは承知をいたしておりまして、支援員が児童と接する時間を十分確保するためにも、どのような方策がよいか研究してまいりたいと考えております。

〇加齢性難聴に対する補聴器購入公費補助について

-広田議員

つぎに、9月議会でも取り上げました加齢性難聴に対する補聴器購入の公費補助についてです。市長が質問に対し、高齢者の生活の質の改善に言及し、「研究する」と踏み込んだ答弁をしていただき、大きな反響と期待の声が寄せられています。また、署名も取り組まれ、10日分の第1次分で891筆が市長のもとへ届けられました。そこで、「研究する」とされた後、なにか進展はありますか。期待の声と同時に、補聴器をご利用の方やご家族から、改めてその負担の大きさが寄せられています。たとえば、「補聴器がほんとうに高く、片耳で数十万円。それも、基本5年の保証期間だが、湿気などで3年で買い替えが必要な場合もある。電池の交換も必要で負担。毎月定期チェックにお店に行くが、その交通費もかかり、生活が圧迫されている。補聴器の購入補助だけでも本当に助かる」というお声です。ぜひとも早めに研究を進め、実施に向けて取り組むよう求めますがいかがですか。

-村山市長

 加齢性難聴者を対象とした補聴器購入補助制度について、中核市の状況を調査したところ、補助制度を持っているのは62市中5市と少ない状況であります。高齢者が補聴器を利用することは社会参加の促進や生活の質の向上に資するものと理解しております。一方で、本来は国の補装具の給付で対応すべきものであると思っておりまして、引き続き国や他都市の状況を注視しながら研究してまいりたいと思っております。

〇聴力検診の拡充について

-広田議員

つぎに、聴力検診についてです。わたしの質問を通じて、初めて聴力検診を受けた方から、「耳鼻咽喉科でとても丁寧に調べてもらえた。難聴ではなかったが、毎年変化も確認できるし、予防もしていこうと思え、受けて本当によかった」とご報告がありました。しかしながら、対象が65から74歳までであり、来年は受けられないというお声もお聴きします。検診開始当初とは、高齢者の社会参加も変化しています。また、受診もせず、あわない機械を買ってしまった事例もあります。専門医らによってフォローする仕組みもある本市のすこやか検診の聴力検査対象を、75歳以上へも拡大すべきではないでしょうか。見解を伺います。

-村山市長

 加齢性の難聴は一般的に65歳を超えると増加すると言われており、早期に発見し難聴による認知症予防などに取り組むことが重要であると考えております。まずは現在の対象年齢の方に対する受診率の向上に努めてまいりたいと考えております。

〇マイナンバー制度について

健康保険証廃止について

-広田議員

マイナンバー制度について伺います。

 まずは健康保険証の廃止についてです。10月中旬、「健康保険証を2024年秋に廃止し、マイナンバーカードに一体化させる」と河野デジタル大臣が表明しました。一方、国会で岸田首相は「カードを取得しない人には、別の制度を用意する」と述べるなど、「保険証廃止」は政府内の議論も法的根拠も全く不十分であり、市民も現場も混乱をしています。しかし、病院にかかれなくなる心配から、カードを取得するつもりのなかった方が慌てて窓口へ来られる姿もあります。マイナポイントなど3兆円もつぎこんでそれでも交付が伸びないからといって、次は保険証を人質にして交付率を伸ばそうなどとは行政がやるべきことではありません。まず伺いますが、マイナンバーカードの取得については、マイナンバー法上なんの規定もなく「取得は任意」とされています。健康保険証を廃止してマイナンバーカードに統合することは事実上の強制であり法律に反します。カード交付者である市長としては、市民にはどのようにご説明するのか伺います。健康保険証廃止は誰も望んでいません。保険証はたとえば国民健康保険証ですと、期日が切れる前に自動であたらしい保険証が届き、紛失しても即日発行が可能です。一方、マイナ保険証だと、5年に1度窓口での更新が必要です。急病で病院に行ったら未更新で使えない、紛失しても1か月以上発行にかかるとすれば安心して受診ができるでしょうか。しかも、マイナ保険証の使える医療機関も少なく、本市では身近な医科の診療所では28%に過ぎないのです。

さらに昨今、医療機関でのランサムウェア、市内医療機関でも不正アクセスの被害などセキュリティ上の問題が起きており、今後マイナンバーとの連携を本格化することに課題があります。個人情報保護委員会の年次報告でも21年度までの5年間で5万6千人ものマイナンバー情報が紛失し、不正アクセスの被害もあったとのことです。石川県保険医協会からは、「保険証廃止とオンライン資格確認体制整備の義務化の撤回を求める」声明が出されました。医療機関では来年4月から同カードによる資格確認の整備が義務化されますが、整備にかかるコストやスタッフの問題、情報漏洩など不安が出されている、とのことです。さらに、整備が義務化によって、廃業せざるを得ない医療機関もあるなど、地域医療に大きな影響を及ぼすとし、保険証廃止の撤回を求めています。市長は、健康保険証の廃止をこのまま進めてよいとお考えですか。金沢市の医療と市民の受診権を守るために国に中止を求めていただきたいと思いますがいかがですか。

-村山市長

 マイナンバーカードと健康保険証の一体化の制度設計につきましては、国において関係府省による検討会が設置される等、今後十分な検討が行われていくと認識しておりまして、国の動向を注視していきたいと考えております。またマイナンバーカードの保険証利用により、診療時に過去の検診結果や薬剤情報が共有でき適切な医療に繋がるといった市民の利便性が非常に高まるということが考えられます。国においてはこうしたメリットなどを考慮して健康保険証を廃止していく方針が出されたものと認識しております。本市として中止を求めることは考えておりません。なお、全国市長会から国に対し、健康保険証の廃止にあたっては国民への十分な周知徹底を図るとともに医療関係者等の理解や協力が得られるよう必要な支援を行うことなどについて要望しているところであります。

政府のねらいについて

-広田議員

さいごに、マイナンバー制度は、運転免許証、銀行預金、学業成績まで紐づけるという話もされ、経団連が望む、国に個人情報を一元化して社会保障給付の見直しという可能性も否定できません。市民にとっては便利どころか、よくわからぬまま、強引に進められ、国への不信は募るいっぽうです。マイナポイント取得について今回、さらに相談窓口が予算化されていますが、これは原則本人が行うものとされています。マイナンバーカードは第3者に安易に見せてはいけないし、暗証番号なども必要だからです。しかし、高齢者をはじめ、できない方が多いため、相談窓口まで予算をかけて必要となっています。マイナポイント取得が困難な段階の方が、マイナポータルやマイナ保険証の利用は可能だという制度設計なのでしょうか、大変疑問です。このような状況でも、自治体はカード交付率を競わされ、デジタル化交付金を申請するには、カード申請率が全国平均以上でないとダメなど、ムチを用いるやり方を強いられているのは問題です。自治体は国の下請け機関ではありません。あくまでも市民のための機関です。撤回を求めるべきではないでしょうか?

-村山市長

 マイナンバーカードはデジタル社会を形成する上で必要となるツールのひとつであり、できるだけ多くの市民の方々にカードを所有していただきたいと考えております。交付金の交付要件に限らず、引き続き市民の方々へのカードの交付に万全を期してまいりたいと考えております。なお、デジタル田園都市国家構想交付金の要件につきましては、国から示された通り対応していきたいと考えております。

~~追加質疑~~

-広田議員

 まず歌劇座の建て替えについてですけれども、新聞報道ではもう歌劇座を日銀跡地で建て替えることが難しいから日銀跡地には新たな施設を、そして市長が検討組織をという流れで見受けられたんですね。ところが議会ではまだ歌劇座が現地で建て替え可能なのか日銀跡地でどうするのかという結論も全く報告は受けていないんですね。なので議会の外でそうやって勝手に決めている印象を持ったから、今回議会を軽視しているんじゃないかという質問をしたわけです。その点についてやっぱりそこは順序がおかしいんじゃないでしょうか。改めて見解を求めます。

 もうひとつ、こどもの医療費助成制度ですけれども、午前中も答弁ありましたが、私はあとは市長の決断だと思います。6月議会で粟森議員の質問に対して、市長はこの対象年齢を引き上げたくないという話ではないとはっきりおっしゃったわけですよね。予算の面の話をされていましたけれども、今本当に物価高騰で大変な中、そして子育て世帯が特に苦しんでいるという、国もそういう見解をもって大きな施策方針を出しているわけですけれども、金沢市が躊躇していて良いのかと思うわけです。3月を前に、私は早く市長が決断をすることで金沢市民、子育て世帯が安心して子育てができると思いますけれども、決断を求めたいと思います。

-村山市長

 2件ご質問をいただきました。初めに日銀の跡地あるいは歌劇座の建て替えということについてであります。現在歌劇座の候補地として現地の建て替えあるいは日銀跡地での建て替えと、それぞれでどのようなものだったら建設できるのかということを検討しております。元々歌劇座がどのようにあるべきかというような検討をした中で、それのサイズでははまりきらない、あるいは工法として難しいというところが出てきたので、その2か所での検討ということをしております。一方で、金沢経済同友会での議論があった中で、日銀跡地をどうするかということ、これに対して県に対しての問いかけが、私のときとは別のときに県知事との懇談会でありました。その中で県知事の方から、要請があれば県の方も議論に関わっていくということをおっしゃっていただいていたわけですけれども、それに対してどう答えるのかということの質問がありました。今後、日銀跡地でどう作るかとかできるかということの結論は私の中ではまだ出ておりません。ですので報告はできませんけれども、日銀跡地をどうするのかということに県が加わるのかどうかということに対して、そこについては今後これは歌劇座のホールとして使うこともあると思うんですけれども、その中でどのようにしていったらいいかというときに、県が議論に加わっていただくということについてお答えを申し上げた、これが記事に載ったということであります。

 もう一点、こども医療費の助成についてです。県の方で今回市町に対する補助の拡大ということを行っていただくというように発表されました。これについては全国平均でみて進んでいるという状況の県の補助ではないというように思っています。いずれにしてもこども施策の充実に対しては用いていきたいと考えておりますけれども、それをどのように浮いた分の財源を使っていくかということについて、財源の規模もかなり議員にご提案いただいたものとは大きくかけ離れていますので、そういったところも検討しながらどうあるべきかということは明年度の予算編成の中で検討していきたいと考えております。

-広田議員

 歌劇座ですけど、今はっきり現地で建て替えるのか日銀跡地で建てるのかの検討は終わっていないと、まだ報告も市長も受けていないという段階なのに、記事によるともう日銀での建て替えが難しいので新たな別の施設を日銀跡地で建てるための検討を始めるという流れになっちゃっているわけですよね。それが誤解だというならしっかり言っていただきたいと思いますし、もし本当であれば日銀は今歌劇座にとっての一連の話のひとつであって、別の施設を建てるなんていうのは寝耳に水なんですよ。どっちが目的なのって疑いたくなっちゃうくらいです。なのでそこの話の順序がおかしいんであればしっかり、まだ結論を見ていないのであればそう言っていただきたいですし、日銀跡地に手を付けるのであればちゃんと歌劇座の話を整理してからではないかと思います。そもそも私たちは歌劇座の数百億円もするかもしれない建て替えには反対ですけれども。その点しっかり整理していただきたいと思います。

 そしてこどもの医療費は、県の基準をこどもの医療費で上げて市の負担分が減ったんですから、当然その分は金沢市のこどもの医療費の助成制度に使うべきなんです。その方向性だけでも明らかにすべきです。お願いします。

-村山市長

 歌劇座についてでありますが、もう使用を始めてから50数年経っております。耐用年数は65年という建物ですので、建て替えについては考えなければいけない。それをどこの土地で建てるかということの結論を今検討しているところであります。その中で新聞報道があったわけですけれども…(時間切れ)

 2つご質問いただきましたけれども、適切に対応を考えていきたいと思います。

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