-森尾議員
私は、日本共産党市議員団の一人として以下、質問いたします。
最初の質問は、本市平和都市宣言と核兵器廃絶への取り組みについてです。本市平和都市宣言は、昭和60年(1985年)に議決されました。その中で、「核兵器の全面禁止・廃絶は人類すべての願いであり、われわれはその実現に向けて不断の努力をしていかなければならない」と明記されました。市長は、この本市平和都市宣言をどのように受け止めておられますか。そして、核兵器の全面禁止・廃絶に向けての決意を伺います。
-村山市長
平和都市宣言(昭和60年)、そしてこの中では核兵器を禁止・なくしていくために姉妹都市との交流なども含めて議決をされております。核兵器の廃絶、そして世界の恒久平和の実現、さらには戦争はあってはならないということについて、これは先般G7サミットが広島で開かれ、各国首脳が平和記念資料館などを訪れたということもありましたが、恒久平和への願いというのは世界共通のものであるというように思っております。
-森尾議員
去る6月12日、スウェーデンにあるストックホルム平和研究所が世界の核弾頭について明らかにしました。世界が保有する核弾頭は1万2512発あり、使用可能なものは9576発だとしています。研究所のダンス所長は、「人類史上、最も危険な時代に知らず知らずに入ろうとしている」と指摘しました。一方、先に開かれた主要7か国首脳会議で「広島ビジョン」がまとめられ、核兵器による「核抑止力」を公然と宣言しました。これに対し、被爆者団体などから批判が相次いで表明されました。2017年国連総会で採択された核兵器禁止条約は、今年1月現在92か国が署名し、68か国・地域が批准しています。今年11月、国連で第2回締約国会議が予定されています。核兵器全面禁止・廃絶への取り組みは世界規模に広がり、力強く前進しています。市長。本市平和都市宣言は、核兵器の全面禁止・廃絶に向けて不断の努力をしていかなければならない、としています。本市の具体的取り組みについて明らかにしてください。
-村山市長
本市では平和都市宣言に基づきまして、毎年夏に「原爆と人間」展を開催しておりますほか、姉妹都市交流、それも若年層からの姉妹都市交流、さらには自治体国際化協会(クレア)等を通した自治体間交流、さらに民間での海外交流なども行っておりまして、今後も継続して実施することで広く市民に平和の尊さと戦争の悲惨さを伝えていきたいと考えています。
-森尾議員
本市は、平和首長会議に参加しています。この会議は、1982年に設立され、世界165か国・地域から8002の都市が加盟し、核兵器廃絶に向けた取り組みが行われています。昨年10月、加盟都市会議が開かれ、会長である広島市長と副会長の長崎市長による要請文が政府に提出されました。内容は、政府に対して一刻も早く核兵器禁止条約に署名・批准すること。核兵器禁止条約会議にオブザーバーで参加するよう要請いたしました。市長は、平和首長会議による国への要請について、どのように受け止めますか。そして、自らも具体的行動が求められると思いますが、見解を伺います。
-村山市長
核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現については人類共通の悲願であります。今後とも平和の尊さ・戦争の悲惨さを後世に伝えていかなければならないというように思っております。国への要請につきましては、平和首長会議としてすでに行ってございます。改めて市として個別に直接要請する考えはありません。
-森尾議員
本市平和都市宣言に基づいて、核兵器廃絶と全面禁止に向けて取り組んでいかれるよう強く求めておきたいというふうに思います。
質問の第二に、市民生活と営業をどのように守っていくか。補正予算と関連して伺います。北陸電力は、電力料金をこの6月から39.7%の値上げを実施しました。これによって、平均家庭では1か月あたり2500円余りの電気料金が増加することとなりました。この5月の消費者物価指数が昨年同月比4.3%上昇し、12か月連続となりました。物価高騰が市民の暮らしを直撃しています。給料はなかなか上がりません。厚生労働省の発表によると実質賃金は13か月連続のマイナスとなっています。給与総額をベースにすると一人当たり約8万円が減少したことになります。さらに、医療・介護分野の保険料や負担が増加し、市民の暮らしは一層厳しい事態に追い込まれています。市内の事業所では、電気料金や資材等の値上げが経営の困難に拍車をかけています。商品価格への転嫁もできず、事業継続の危機を迎えています。市長は、こうした実情をどのように受け止めておられますか。見解を伺います。
-村山市長
エネルギー価格を始めとした物価高騰、また実質賃金の減少についても市民生活や市内事業所の方に大きな影響を与えているというように思っております。またその影響が長期化しているということに大変危惧しております。
-森尾議員
電気料金の値上げ、物価高騰が続く中、すべての市民と事業所を対象とする支援策が求められていると考えます。国や県の支援策の対象とならない方々や、支援の強化が求められる事業所などへの具体策が必要です。わが党市議員団は去る5月26日、市長に対して6項目の緊急支援策の提言・申し入れを行いました。今回提案された補正予算では、本市独自の子どもを育てる世帯への支援策や、事業所に対する本市独自の支援策が提案されています。すべての市民と事業所を対象とする支援策について、どのように考えられ、今回の補正予算を組まれたのか伺います。
-村山市長
昨今の物価の高騰について広く市民に影響していることは認識しておりますけれども、予算が限られているという中で、その影響を特に強く受けている市民や事業者等を優先的に支援する必要があると考えております。すでに当初予算の方ではプレミアム商品券事業等させていただきましたが、今回の補正予算の中ではこれまでの低所得者世帯や福祉施設、学校給食費等への広い支援を行ってきたことに加え、そして今回の補正予算につきましては国の交付金を使用して多子世帯、あるいは高圧電力契約を行っている中小企業等への助成を追加するなど、対応策を講じてきておりますことをご理解いただければと思います。
-森尾議員
では今回の補正予算の財源の問題について、その角度から見てみたいと思います。国の交付金によって本市が使える財源として10億円あります。さらに7億円の交付金が残っています。今回、こうした財源を活用し、市民生活と営業を守るために全力を挙げなければならないと考えます。今回の補正予算では、交付金の活用は7億7600万円にとどまりました。補正予算の規模が全体で24億円です。本市が全力で財政出動を行い、市民生活と営業を守る施策を打ち出したと言えますか。見解をうかがいます。
-村山市長
本市では国に先んじて当初予算で財政調整基金を10億円取り崩しております。その中で、本市独自の物価高騰対策を盛り込んでおります。さらに4月の専決処分と今回の補正予算を合わせまして、国が本市に配分した地方創生臨時交付金10億円のうち、約9億4000万円を活用することとしており、市民生活の安定と地域経済の活性化に全力を尽くしているところであります。なお、国からの地方創生臨時交付金の余剰分である約7億円につきましては、今年度の事業で活用することとしております。今後の物価の推移、また国の同行を注視しつつ、時勢をとらえた必要な対策を講じてまいりたいと考えています。
-森尾議員
国からの交付金についてはまだ残っていると。7億円もあると。全力で財源投入を行って市民生活・営業に本市が取り組まなければならないと考えます。具体的に3つの点について、伺います。まず、上下水道料金の減免についてです。小松市では、水道料金をこの9月から7か月間、ひと月の契約あたり毎月1000円を減免するとの方針を打ち出しました。本市において上下水道料金の減免実施ができないのか。まず公営企業管理者に伺います。
-松田公営企業管理者
小松市では物価高騰対策として国の地方創生臨時交付金を充当して水道料金の減免を実施するとお聞きしております。本市におきましては市長部局において交付金を活用した様々な物価高騰対策が講じられておりますことから、ご提案のあった減免は考えておりません。
-森尾議員
では市長に伺います。交付金、一般会計で使っちゃったというような発言でした。市長はどう考えますか。できない理由は一体何なのですか。
-村山市長
予算が限られているという中で、効果的な物価高騰対策を講じたいという思いから、今回の補正予算の中ではとりわけ物価高騰の影響を強く受けている市民や事業者等を対象とした支援策をお諮りしているところであります。
-森尾議員
2つ目に、医療機関等に対する支援策について伺います。県は今回の補正予算で、病院に対しては1床あたり3万円、無床診療所に対しては1施設当たり10万円の支援を打ち出しました。本市としても、独自の支援策を行う考えはありませんか。見解を伺います。
-村山市長
石川県からは、県医師会からの要望を受けて医療機関などの病床数や施設類型に応じて光熱費上昇による影響等を算定して、本市を含む県内全域の医療機関等に対して必要な支援を実施することとしたと聞いておりますが、医療提供体制の確保は地域の実情に応じて県が行うということとなっております。本市として支援することは考えてはおりません。
-森尾議員
3つ目に、学校給食費の無償化について伺います。県内では、小中学校を対象に完全無償化を実施している自治体は6つ、一部無償化実施している自治体が2つと、19ある県内自治体のうち4割が無償化を実施するに至っています。本市と友好都市である東京・板橋区は、今年9月から小中学校での学校給食費無償化の実施を打ち出しました。市長。こうした状況を踏まえ、本市での学校給食費無償化を実施する考えはありませんか。伺います。
-村山市長
本市では、教育費の負担軽減や子育て支援の観点から、経済的な理由で就学が困難な場合、就学援助制度によりこれまで給食費の全額を支援してきておりますが、これに加え、昨年度に引き続き食材費の不足分を全額市で補填する学校給食費物価高騰特別対策費を今年度当初予算に計上し、保護者の経済的負担の軽減を図っているところであります。県内自治体や板橋区等の状況も承知はしておりますけれども、本市で給食無償化ということになると約19億円の恒久的な財源が必要ということで、現時点では給食費の無償化は考えておりません。
-森尾議員
教育長に伺います。全国で広がり、県内でも広がっている学校給食費の無償化は、都市間競争の様相だという認識ですか、教育委員会は。子どもたちをめぐる生活環境や義務教育は無償との考え方に立ち、財源確保など通じて各地方自治体が学校給食費無償化に取り組んでいることについて、どのような見解でしょうか。
-野口教育長
学校給食法におきましては、給食の実施に必要な経費のうち、保護者は人件費や施設整備費以外の費用を負担することになっておりますけれども、本市におきましてはこのうち光熱費についても負担しており、保護者のご負担は食材費のみとなっております。また経済的な理由で就学が困難な場合には、就学援助制度によりまして学校給食費の全額を支援しており、現時点で無償化については考えておりません。
-森尾議員
学校給食法を理由に食材費の一部を保護者に負担をお願いしていると述べた問題については、先の議会でもその説明をし、教育委員会もその認識に立ったというふうに考えています。すなわち、国連教育科学文化機関であるユネスコが世界に向けて、学校給食は無償で実施するという要請をしました。しかし69年前に学校給食法が制定された当時は、国の財政事情から食材費の一部を保護者に負担をお願いしたとの歴史的経緯がありました。すでに69年経過しているんです。現在、文部科学省は学校給食費の無償化は、各自治体の判断との見解を示しています。国からも交付金活用による教育分野の負担軽減策だとしています。改めて教育長、子どもたちの健やかな成長を願う立場から、学校給食費無償化へのご努力を求めます。見解を伺います。
-野口教育長
政府は先般閣議決定いたしましたこども未来戦略方針におきまして、学校給食費の無償化の実現に向け、取組実態や成果・課題の調査、全国ベースでの学校給食での実態調査の結果を1年以内に公表し、給食実施状況の違いや法制面等も含め課題の整理を丁寧に行い、具体的方策を検討することといたしておりますことから、その動向を今後注視してまいりたいと思います。なお、来月全国都市教育長協議会の理事会が開催されます。その会議の中では国に対しての次年度要望を審議することとなっておりますので、いくつかの自治体から学校給食費の無償化をぜひ要望に加えてほしいとの意見が出されておりますので、そうした声を聞きながら役員の一人として意見交換をしっかりやっていきたいと思っております。
-森尾議員
質問の第三に、本市中央卸売市場の再整備事業について伺います。今年1月、再整備計画が示されました。その内容は、現施設の8割規模で現在地建て替えとし、完成・開業まで約10年という長期にわたるものです。そこで、どのような市場を新たに建設するのかという点についてまず伺います。一番の問題は安全・安心な市場機能を持つということだと思います。今日、市場全体を冷蔵庫とし、屋根が低く、コンパクトな施設。そして閉鎖型施設と温度管理施設というのが、今の市場の基本となっていると思いますが、本市の場合、どのように新しい市場の機能を考えていらっしゃるか、まず伺いたいと思います。
-山森農林水産局長
新しい市場では、閉鎖型の施設内で商品を流通させるコールドチェーン方式を基本とし、温度管理を行いたいと考えています。しかし閉鎖型施設の内部全体の空調を行うことは整備コストやランニングコストの上昇にも繋がりますから、先進市場での事例や、市場内事業者の意見を踏まえて、品目ごとに適した温度管理をするために空間をわけるなど、より効率的な機能を検討してまいりたいと思っております。
-森尾議員
新しく再整備する市場建設の整備スケジュールについて明らかにしてください。
-山森農林水産局長
具体的な整備スケジュールは、今年度発注する基本設計にて検討することとしております。基本および実施設計の完了までに3年程度を要しますが、概ね令和8年度から青果棟・水産物棟・関連棟に分けて整備を行い、完成したものから順次供用開始する予定であり、できるかぎり工期を正しくできるよう努めてまいります。
-森尾議員
新しい市場での運用開始は、青果が令和11年度、水産が令和15年度とのことです。6年後、10年後となります。事業者は、それまで経営が継続できるのか、大きな不安を抱えることとなります。一定期間、仮設での営業を余儀なくされます。この点にどのような対策を考えているのか伺います。
-山森農林水産局長
具体的な整備スケジュールは、基本設計において検討することとしておりますが、仮設店舗での営業は、入居する事業者だけでなく買い出し人等の利用者にもご不便をおかけすることになるため、建設・引越し・取り壊しのローリング計画を綿密に立ててまいります。できる限り仮設店舗での営業機関の短縮に努め、物流動線や商品の保管場所の確保等を含めて通常の営業活動に支障が生じないよう十分に配慮してまいります。
-森尾議員
先だって、場外関係者のアンケートは実施されたそうです。場内の事業者へのアンケートを実施する考えはないか。伺います。
-山森農林水産局長
加工業者や飲食店等の関連棟入居者に対しまして、再整備後の入居意向について今年2月に調査を実施し、仲卸業者に対しても今年3月末に同様の調査を実施したところでございます。再整備が完了した他の市場では、合併や廃業した事業者もいると聞いています。本市場でも動向を注視する必要があると考えており、定期的に事業者に対する意向調査を実施していきたいと考えております。
-森尾議員
この項の最後に、使用料金の問題です。新しい市場建設の事業費は約300億円との見通しが示されました。したがって、市場の利用料は数倍に跳ね上がることが考えられます。事業者にとっては、死活問題となります。本年3月に開設された姫路市の市場では、10年間の激変緩和措置が導入されました。本市はどのような対策を取られるのか。使用料の見通しとも合わせて見解を伺います。
-村山市長
再整備後の使用料でありますけれども、まずは再整備の費用をできる限り抑えていくということ、そして維持管理費を削減する、そういったことも必要だと思います。可能な限り使用料の抑制に努めていきたいと考えております。また市場関係者からは使用料の算定に当たって据え置き期間なども設定してほしいという要望を受けております。他の市場の例も参考にしながら、今後検討してまいりたいと考えています。
-森尾議員
他の経験からみると、新しい市場を作ってもこれまでの事業者が参入せず廃業される方が相次いでいると聞いています。場合によっては半分になると。したがって、事業者の要望や事業者が新しい市場になっても生き残れる施策を全力をあげなければならない、この認識にたって市長、ことを進めていただきたいというふうに思います。
最後に、サッカー専用施設として建設中の金沢スタジアムについてです。今議会に建設事業費が2億4千万円追加する提案がされています。全体の事業費はどの程度なるのか明らかにしていただきたいと思います。
-坪田都市整備局長
金沢スタジアムの建設事業費は、当初79億8千万円でございましたが、急激な資材高騰等に伴いまして2億4千万円増加し、82億2千万円となる予定でございます。なお、工事請負契約の一部変更につきましては今議会の議案として提出しているところでございます。
-森尾議員
そうすると、金沢スタジアムの建設とともに1700台の駐車場建設事業、周辺の整備事業、現在ある市民サッカー場の解体工事、その場所に本田圭佑クライフコートとジュニアスポーツコートの移転・新築と相次ぐ建設事業が続きます。したがって、金沢スタジアムに関係する事業費は、110億円から120億円の規模が予想されます。次々に事業費が膨らんでいきます。市長、どのように市民に説明されますか。
-村山市長
必要となる整備費につきまして、毎回議会に議案としてお諮りさせていただく予定であります。今回2.4億円増加したことについては、急激な資材高騰等によるものでございました。今後必要となるものについても、今後は駐車場や周辺整備、解体事業等が予測をされておりますので、また議会の方にお諮りさせていただく予定であります。
-森尾議員
改めて金沢スタジアムの建設に至った経緯について伺っておきたいと思います。現在ある市民サッカー場が3000人規模、なぜ1万人規模の新たなサッカー場建設に至ったのか。県立陸上競技場が2万人規模に改修され、なぜ新たなサッカー専用スタジアムを作らなければならなかったのか。敷地内にあったジュニア用のサッカーコートを壊し、その場所に金沢スタジアムを新築するに至った経緯など、説明を求めます。
-村山市長
J2リーグの公式戦を開催できる基準が1万人でございますので、1万人規模のスタジアムといたしました。また県の陸上競技場については、Jリーグ基準を満たしていないということ、またサッカー専用スタジアムではないということでありましたので、今回市の方でこのような整備をさせていただきました。また運動公園の中でスタジアムの建設規模を確保できる適地が現在建設中の場所でございましたので、そちらでの建設ということになりました。
-森尾議員
敷地内にあったジュニア用のサッカーコートは4年以上使用できません。現在の市民サッカー場のある場所に移転・新築するとの方針ですが、そのスケジュールを示していただきたいと思います。
-坪田都市整備局長
跡地におけますクライフコート等の整備の方向性につきましては、今年度基本計画を策定することとしておりまして、今後のスケジュールにつきましてはその中で明らかにしたいというふうに考えております。
-森尾議員
新しい金沢スタジアムが果たしてサッカーファンの期待に応えた施設となるでしょうか。いくつか伺います。まず観客席は1万人で、将来には1万5千人規模を想定しているとのことです。そのため、2つあるゴールポストのうち、1つにはゴールポストの後ろ側には、観客席がありません。予定では、ここに将来5千人規模の観客席を設置するとしていますが、このことが観客の一体感を奪うことになりませんか。サッカーグラウンドを取り囲んだ観客席がスタジアムとしての一体感を作り出すのです。建設計画の際、この点での指摘もありました。見解を伺います。
-村山市長
確かに今回の建設では、特にアウェー側のチームのゴールポストの裏のところ、そちらの観客席がありません。ただ一方で、金沢スタジアムの特徴のひとつとして、スタンドの最前列からピッチまでの距離が7~9メートルと大変近いということで、選手にとっては応援を力に変える、そのような競技環境、観客にとっては臨場感あふれる観戦環境が共存するということで、こちらによってスタジアム一体となった、あるいは選手と観客が一体となった応援ができるのではないかというように思っています。
-森尾議員
この観客席がない場所に、大型映像音響システムを設置するとしています。しかし他の施設ではほとんど観客席の上部にこのシステムを設置します。しかも2か所設置しているスタジアムもあります。音響効果を上げるという視点だと思います。金沢スタジアムでは、仮の施設なのかしれませんが、県立競技場の2分の1と小さいうえに、観客席のない場所に設置されるため、音響効果は大きく削がれるのではないかという指摘があります。説明を求めたいと思います。
-東文化スポーツ局長
大型映像音響装置は、利用者の高揚感、臨場感を高めるとともに、Jリーグの試合だけではなく大規模イベントにも対応可能な快適性、利便性、経済性に優れたものでございます。また大きさや高さの仕様、規格につきましても、近年整備された専用スタジアムの中では最大級でございまして、最新機能を有しており、その役割を十分に果たすものと考えてございます。
-森尾議員
市長、県立陸上競技場が2万人規模の収容の新しい競技場に改修され、現在ホームグラウンドとして活用されています。そうした状況を踏まえて何故金沢市が金沢スタジアムを作らなければならなかったのか、これは二重行政ではないかという指摘がありますが、どうお答えされるでしょうか。
-村山市長
県立の陸上競技場とともに市の陸上競技場があるということが前提であると思いますけれども、サッカースタジアムについては、県の方は陸上競技場で市の方はサッカー専用スタジアムということで、本来の施設の用途は異なるということであります。また県や関係団体等と情報共有を図りまして、県・市それぞれの役割について十分に協議を進めてきたところでありまして、二重行政には当たらないと考えています。
-森尾議員
本市は、去る3月15日、金沢スタジアムの駐車場建設用地について、2筆を土地収用法に基づき、県の収用委員会に土地の補償金額について裁決請求を行いました。市民の理解を得て、公共事業を進めなければなりませんし、とりわけ土地の所有者には特段の理解とご協力をお願いしなければならないと考えます。本市はこれまでに、道路等の建設にあたって、土地収用法によって用地を取得したことはありますか。担当局長に伺います。
-坂本土木局長
本市の道路整備における土地収用法による収用実績は2件でございます。1件目は昭和40年代に増泉地内において実施しております。また2件目は、昭和50年代に暁町地内において所有者不明の土地を取得するために実施しております。
-森尾議員
今回は道路ではなく駐車場建設です。公共事業を進めていくといううえで、今回の対応は異例だと考えます。3月19日、県の収用委員会に裁決申請書を本市は提出しました。同時に、明渡裁決申立書を提出しました。この中で、権利取得裁決のあった日から起算して30日目としました。すなわち、裁決が行われれば用地を取得する強権的な対応を行うと。市長はなぜ、もっと話し合いによる土地取得を指示しなかったのか、伺います。
-村山市長
この土地について、この関連でありますけれども平成10年度に当該公園が都市計画決定されたあと順次、用地買収を行ってきておりました。未買収地の今回の2筆につきましても、これまで土地所有者と交渉を重ねてきたところであります。今回は令和6年2月に予定している金沢スタジアムオープンに向けて、必要な土地であるということで、権利者に正当な補償をしたうえで土地を取得させていただくということを目的に、石川県収用委員会へ土地使用法に基づく手続きを行わせていただきました。
-森尾議員
本市の市民運動公園の基本計画を策定し、具体的な施設建設を行ったのは令和3年3月です。それに伴って駐車場建設ということが歩みだしました。したがって、本格的にこの事業を推進するうえで、令和3年以降、地権者との話し合いが必要だったというふうに考えます。ではなぜ今の時期に土地収用法に基づいて行ったのか。これが問われるんです。歴史的にも2件しかない。そのうち1件は所有者不明だったからやったという答弁でした。一体なぜ、今回の事業にこの土地収用法まで持ち出して用地取得に及んだのか、このことが問われるんです。市長は親和力ということを打ち出しているのに、なぜ土地収用法という強権的な法の下で土地収用に至ったのですか。伺います。
-村山市長
今、土地収用法に基づく手続きを進めているところではありますけれども、ここに至るまでの間に土地所有者と交渉を重ねてきておりました。一方で、正当な補償額からの乖離があるというところでなかなか和解まで結び付けられなかったという事情がございます。
-森尾議員
地権者と十分話し合いを行って解決するよう求めて、終わります。