2023年6月議会 一般質問 広田議員(6月27日)

マイナンバー制度について

 まずは、マイナンバー制度について伺います。先週の金曜日、突然金沢市のこれまでのトラブルが公表されました。市長。まずは、一連のトラブルをこの場でもご報告いただき、どう受け止めておられるのかお答えください。

-村山市長

 今回、マイナンバーカードに関する事務誤りがあったことにつきましては、当事者ご本人にご迷惑をおかけするとともに、市民の方々にはご心配をおかけいたしました。誠に申し訳なく思っております。令和4年7月から本年5月までの間に、別人へのマイナポイント付与が1件、マイナンバーカードの顔写真の取り違いが3件、マイナンバー、いわゆる個人番号の誤更新が1件、本人の同意のない健康保険証機能の登録が1件、合わせて6件の事務誤りがございました。いずれも本人からの申し出により把握したもので、速やかに本人に謝罪をし、ご了解を得ております。全国で同様の事案が多発する中、国において本格的な対策に乗り出すということを踏まえまして、本市としてもそれに則り市民に不安を抱かせることがないよう、適切に事務執行に努めてまいりたいと考えています。

-広田議員

 私が気になるのは、昨年から起こっていたのに、なぜこれまで公表しなかったのかということです。私も何度もこの間確認をしてきました。金曜日に発表されたトラブルの件で、これまでの市の説明や報道では「個人情報の漏洩はない」からとしていますが、今ご説明のあった「顔写真」、これは個人情報に該当しますよね?確認です。そして、市民が郵便で届いたカードを開封したら別人の顔写真だった、これは個人情報漏洩に当たるのではないですか。

-紙谷市民局長

 一般的には、顔写真も個人情報になります。今回の事案は、誤交付した本人への聞き取りから、知らない人の写真であり、特定の個人を識別することは難しく、また速やかに回収をしていることから、個人情報の漏洩による実質的な被害は生じてはおりません。

-広田議員

 本人が知らない人だ、ということは関係がありません。個人情報であることは間違いない。そしてそれが別のことに利用されるということも、現代ではすでに画像検索という機能もあり、その顔写真でそれが誰なのか、何をしているのかもわかってしまう時代でありますことから、不正利用の可能性もあります。そこは次の話ですけれども、あくまで今ご説明があった通り、個人情報が第三者に漏洩したということで間違いないですか。

-紙谷市民局長

 個人情報の漏洩に当たると考えております。

-広田議員

 そうすると、次にどのように公表されるかが問題になります。さきほど配布された常任委員会の資料ではすでに「個人情報」という言葉が訂正をされて「特定個人情報(マイナンバーを含む情報のこと)」という言葉だけになっていましたけれども、しっかり「個人情報漏洩」があった事実を書かなければならないと思いますがいかがですか。そして次にこのような事案があったら、きちんとその度に公表するのかどうか、明らかにしてください。

-紙谷市民局長

 今度の委員会の報告については、そこも含めて報告をしたいと思っております。今後同じようなミスが発生したらということでございますけれども、本市の事案につきましては今ほどの顔写真も含めまして個人番号など特定個人情報の漏洩したものではなく、国が定める重大事案の基準にも該当しないことから、これまで公表をしてきませんでした。全国でマイナンバー制度を巡るトラブルが多発をし、国が総点検を行い、本格的な対応に乗り出すということでございますので、本市として今回公表したものでございます。今後同様の事態が発生した場合は、その事案内容を十分に精査して適切に対応してまいります。

※国が定める重大な事案・・今後広田がいう「個人情報保護委員会への報告基準」と同じ

-広田議員

 確認しますが、市民福祉常任委員会の資料には個人情報漏洩があったと書き足すのかどうか、重大事案の基準に該当せず公表しなかったと言いますけど、それは重大事案でなければ公表しては駄目だということなのか。そして個人情報保護委員会というものがあります。その報告基準は明確化されていますけれども、私はその中でも規則第43条の(2)とか(4)は、その事態を否定しうると思いますが、その点はいかがですか。

-紙谷市民局長

 繰り返しになりますが、今回の事案は議員が仰せの通り、個人情報の漏洩には当たるかと思います。ただ今回のケースで言いますと、誤交付した本人への聞き取りから、知らない人の写真であり、特定の個人を識別することは難しく、また速やかに回収しておることから、個人情報の漏洩による実質的な被害はないということでございます。また個人情報保護委員会の方でございますけれども、これは個人番号などの特定個人情報が漏洩したものがなくて、国が定めるところの重大事案の基準にも今回該当しないことから、これまで公表もしておりませんし、国の方にも届け出はしていない状況でございます。

※個人情報の漏洩は認めたが、顔写真のデータなどは残っていないため、誰のものなのか判別はできず、情報漏洩された人物の特定はされていない。

-広田議員

 実質的被害があったかないかは、個人情報漏洩とは関係がないと思います。あくまでも個人情報漏洩だという事実をちゃんと認めて、委員会資料に書いてほしいという点、もう一度確認です。そして重大事案ではない、個人情報保護委員会への報告義務に達していないとおっしゃいますけれど、報告ガイドライン規則第43条(2)は「不正に利用されることによりいろいろな問題が起きる恐れがある事態」とか、(4)は「100人を超える漏洩」というふうに書いてありますけれども、今発表も何もしていない、本市がチェックもできないのに、何人いるかわからない状況で、100人には満たないとどうやって推定しているのか。そして不正利用がされないかどうか、その根拠はあるのですか。

-紙谷市民局長

 顔写真の漏洩につきましては、委員会の方でしっかりと説明させていただきたいというふうに考えております。また国の方の重大事案につきましては、100人以上の漏洩があった場合というような記載はございますけれども、そこにつきましては市の方で把握はできません。あくまでも本人からの申し出に基づいて把握するしか市としては手段がございません。そういった中で、顔写真の漏洩というのが実際ございました。ただ繰り返しになりますけれども、誤交付した本人等への聞き取りから、今回被害がなかったと市として判断いたしましたので、これまでは特に報告もしておりませんし、これからもこのような状態が続きましたらその事案内容を十分精査し、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

-広田議員

 公表するべきなんですね。先ほどから繰り返しますけれども、市としては確認のしようがないんです。マイナポータルを見られるのはあくまでも個人だけです。交付以降は、市は確認ができない状況です。つまり同じミスが100人いるのか200人いるのかもわからない。規則では「100人いる恐れがある」ということでも報告ができるんです。報告するべきだと私は思いますし、不正利用については「不正利用しない」という根拠はどこにもないですよね。もちろん、届けてくださった市民の方を私は信じていますけれども、どういうふうに根拠づけるかということは、これは根拠がないというふうに思うんです。ですので、公表を今後はしっかりするべきだというふうに思いますけれどもいかがですか。

-紙谷市民局長

 議員仰せの通り、100人いるか200人いるかということは市では判断できません。基本的には本人からの申し出ということになりますけれども、ひとつひとつ事案が発生した場合は、その事案内容を十分精査したうえで、公表するかどうか判断したいというふうに考えております。

-広田議員

 あくまでも公表を何故かしたがらないというふうに捉えます。みなさん、今起きた事案は、市民の大事な個人情報が漏洩したという問題なんですよ。そしてその同じような事例が金沢市としてチェックできるか、洗い出せるかというとできない状況であれば、ちゃんと金沢市民に「こういう事例があった、みなさんは大丈夫ですか」ということを少なくとも知らせなければ、公表しなければ、未だにマイナポータルを見られない人たちは知らずに、もしかしたらそのカードを使っているかもしれない。ポイントをもらえていないかもしれないということなんです。すでに不利益が生じているのかもしれないのですから、私は公表を真摯に行うべきだと思うのですが、市長いかがですか。

-村山市長

 今回マイナンバーカードを巡るこうした問題が全国的に多発したということで、個人情報保護委員会への報告あるいは100人を超える事態と、そういったことではないと推察される中で、こういった全国的な多発する事例がありましたので、公表するという決断をさせていただきました。迅速な回収、そして本人からの聞き取りによる被害もないということなので、今回同様な対応ということになると思っております。

-広田議員

 公表しなければ市民の不利益が広がる可能性があるのです。市長も公表のガイドラインはあくまでも推察でしか捉えられないわけですよね、100人いるかどうか、それもわからないという中であれば、公表すべきです。そして全国で多発していると言いますけれども、それはほかの自治体がちゃんと同じような事例でも公表をしてきたから私たちが知り得ているわけですよね。同じ事案でもちゃんと自治体はこれまで公表してきているんです。ただデジタル庁が隠してきたということはありましたけれども、公表しているんです。ですので公表を繰り返し求めますけれども、少なくともマイナポータルを見られない市民の相談窓口は開設すべきではないですか。

-村山市長

 マイナンバーカードの関係の窓口としては市民課の窓口を始め、第一本庁舎4階のマイナポイント申請支援窓口、さらに土曜日・日曜日に3か所の商業施設で開設しているマイナポイント申請支援窓口のほか、今年3月に開設したコールセンターにおいて、これまで以上に市民からの相談や問い合わせに丁寧に対応してまいりたいと考えておりまして、個別の専用窓口については開設までは考えておりません。

答弁する村山市長

-広田議員

 個人情報漏洩があったとお認めになっても、丁寧な説明をすると言いながら、その専門の相談窓口は作らない。矛盾しているのではないのでしょうか。土日も開いているんですよ、マイナンバーカードの交付申請とか。平日も相談窓口として利用してほしいという窓口へ行っても、何十分待ちですよね。だから、カードを作り終わってマイナポイントをもらっても、今回の事例で心配で相談へ行きたいという人でも何十分も待たないと調べることができないんですよ。なので、早急にそうした情報漏洩の可能性がないかという専用の相談窓口が必要だと改めて言っておきたいと思います。

 そして、市長。今回起きたトラブルは、人為的ミスだと県知事までもが言ってしまっていますけれど、私は制度やシステムの欠陥だと思っています。特に現場では政府から制度の追加や変更が次々に指示され、その業務量や変更に体制が追い付かないという点が指摘されてきました。

具体的に伺いますが、まず業務量と体制について、これは政府のマイナポイント政策によって連日市民が押し寄せている状況の中、私たちも市民課の業務量については大変心配をして、これまでも体制拡充を求めてきましたが、その後十分だったのでしょうか。また外部職員も多い中で、ちゃんと指導や相談ができる体制であったのか、伺います。

-川畑総務局長

 これまでの体制につきましてですが、カードの申請件数等の増加に伴いまして市民課でありますとか市民センターを始めとして商業施設での出張相談窓口でありますとか第一本庁舎4階の総合窓口の設置など、受付体制を拡充してまいりました。また正規職員や会計年度任用職員の増員配置、そして各局職員による全庁的な応援体制の構築、そしてコールセンターや庁内案内業務の委託化など、体制を整えてきました。こうした多くの職員等が従事する中で、業務の遂行にあたりましては共通の認識を持っていく必要がございますことから、それぞれ定期的なミーティング等の実施を通じまして適宜指導を行い、また相談に応じてきたところでございます。

-広田議員

 そうした中でもこうしたミスが起きてしまったというのは、もはや国が現場の状況を見据えて制度を作っていないということにもなりますし、第一、体制を増やしても、国のシステムにアクセスできる端末が全国的に足りないという悲鳴も聞こえているんですね。しっかり国にも求めていただきたいと思います。

 次に、政府からの度重なるシステムの変更や追加についての対応です。特に今回マイナポイント業務におきまして、第一弾のときはログイン・ログアウト時両方で本人と共にチェックしていたのに、政府からの変更によって第二弾のときからはログイン時のみで良いとされてしまったことが私はミスを誘発したと考えます。これはただの人為的ミスではありません。システム変更がミスをもたらしたと考えますがいかがでしょうか。

-紙谷市民局長

 今回の事案が本人確認の回数によるものとは断言はできませんが、人為的ミスはあってはならないものと考えております。マイナポイントシステムにつきましては国が管理をしておりまして、全国で同様の誤りが多発したことを受けて、再び2回確認する仕様に変更されたことから、本市におきましても今月からこれに沿って対応しているところでございます。

-広田議員

 政府が2回に戻したということは、1回ではシステムの不備だったということを認めたということに他なりません。そして保険証の紐付けを希望しないのにされたというミスについてですが、マイナポイント関係の業務は、実はこれは市が事務を行う法的根拠はないんですね。政府から求められているのはあくまで「支援」なわけです。よって本人の意思確認をする市と市民との契約というか、そういう書面等もないというふうに伺っています。私はこれは制度の問題ではないかと思いますがいかがですか。

-紙谷市民局長

 制度の問題というご指摘がございましたけれども、マイナポイントの制度そのものには瑕疵がないと思います。今後、今まで以上に申請者との意思疎通を図るとともに、複数職員によるチェックに加え、新たなチェックシートでの確認作業を行うなど、再発防止に努めていく所存でございます。

-広田議員

 チェックシートは法的根拠で残せるものなんですか、サインや判子などをついて。

-紙谷市民局長

 本市独自のチェックシートでございます。

-広田議員

 あくまでもそれは作業上、自分たちで確認するためにつけていくものであって、本人が納得した、紐付けして良いと言ったという証拠にはなり得ないと。それは法的根拠がないので、そういう書類すら作れないということになるんですね。これも、これから総点検する上でぜひ現場の苦悩を政府に伝えてほしいと思います。さらに、これはシステムの関係ですが、マイナンバーに紐付けした公金口座の利用、これも各地でトラブルが起きていますけれど、本市でも一部業務で活用しています。しかしマイナンバーのシステムを直接使えないので、データを移し替えたり、振込のたびに目視で点検するなど、私は業務がデジタル化と言いながら逆に複雑・煩雑になっていると思いますが、その点はいかがですか。

-川畑総務局長

 一部の業務で公金受取口座による振込事務は行っております。これは誤った振込を防止する観点から、いずれの業務においても振込の都度、支給対象者と振込口座名義が一致していることを目視により確認しているところでございます。

-広田議員

 マイナンバーで公金を受け取りたい口座というのを紐付ければ、そのままデータとして使えるのかなと私は思っていたら、そのシステムは現場では直接使えずに、結局目視で確認も行わなければいけないという、なんともアナログなことが起きているということが明らかとなりました。

 市長。私はこうした現場の実態があるのに、政府は人為的ミスという言葉で喧伝していますけれども、それでは片付けられないと思うんです。全国でのトラブルについても同様に、制度やシステムの欠陥です。例えばコンビニの証明書交付はシステムのエラーですし、保険証の紐付けミスなども手入力でやらざるを得ない制度設計であったこと、公金口座についても本人名義でなくても紐付けできてしまうシステムの問題です。市長、まずは人為的ミスでは片付けられないという、その点は共通認識かどうか、お答えください。

-村山市長

 本市で発生した事案についてお答えさせていただきますが、こちらについては人為的ミスであるというように考えております。また全国的な課題について、またシステム上のトラブルというのがコンビニ交付については全国で散見されたというようには聞いておりますけれども、そちらについては個人情報の漏洩にあたるものではないというようにも承知をしております。いずれにしても適正な運用を市としても図ってまいりたいと考えています。

※コンビでの別人の住民票が出てきたというのは、個人情報の漏洩です。

-広田議員

 市長、私各局とのやり取りをしていたんですけれども聞いていました?人為的ミスじゃないという現場の実態を明らかにしたと思うんですけれども。この前までその仕組み作りにいらっしゃったから、なかなか言えないのかもしれませんけれども、ここはもう、金沢市長の立場として、現場の安全な業務と市民の安心なシステム構築のため、しっかり本音でやっていただきたいと思います。各県の首長さんたちも、結構政府に対して厳しく言い出していますから、ぜひお願いしたいと思います。

 その点で今後、総点検を行うと言っています。ただ聞くところによると、現場が全部チェックするんですか、みたいな声も聞こえていますが、それはちょっと無理だと思いますし、しっかり声をあげていただきたいんですが、私は今言った制度設計の欠陥を見直すよう政府に求めるということと、本市独自でも今たくさんあきらかになりましたけど、現場の業務やシステムについて点検をすべきだと思いますが、いかがですか。そして合わせまして、今年度予定しているコンビニでの利用拡大だとか職員の出退勤管理などマイナンバー業務の拡大、これは中止を含め見直すよう求めますがいかがでしょうか。

-川畑総務局長

 今報、道等で国が総点検を行うということが言われております。その国が行う総点検につきましては、現時点では詳細は不明でございますが、総理大臣がお話しておりますので、早晩、そういったものの方針が示されるのかなと思っております。市としては国からの具体的な指示・要請を踏まえまして、適切に対応していきたいというふうに思っております。証明書のコンビニ交付につきましては、5月総務省からの通知がございまして、そちらで市から指示した作業内容を委託業者に行いまして、結果について問題ないということを確認したことでございます。証明書誤交付の懸念は、今はそれで解消されておりますことから、マイナンバーカードを利用した出退勤も含めまして、これから十分に確認を行いながらシステム開発等進めていきまして、それぞれ適切な時期に運用を開始してまいりたいと考えております。

-広田議員

 これだけ世論でも一旦中止や見直しが必要ではないかという声が多い中でも、金沢市はどんどん進めていくということなんですね。先週金曜日に個人情報漏洩を、そして今個人情報漏洩だと認めましたけれども、ちょっとしっかり市民の方を向いて考え直していただきたいと思います。市長、本当に少しの懸念もないんでしょうか。

-村山市長

 先ほどから申し上げている通り、人為的ミスにより今回起こったものというふうに把握しております。証明書のコンビニ交付につきましては、総務省から5月に点検の通知に基づいて作業をしたところであります。またこれは委託業者の方でも作業を行いましたけれども、その結果については問題がないことを確認しております。また証明書の誤交付の懸念は解消されておりますから、これに伴って職員のマイナンバーカードを利用した出退勤につきましても、これは個人情報漏洩の恐れがないものというように考えております。十分確認を行いながら開発を進めて、適切な時期に運用してまいりたいと考えております。

※その2日後に、コンビニ証明書発行でまた別人のものが発行された。

-広田議員

 デジタル庁の河野大臣も「問題は起こりません」と言ってから新たな問題が起きているんですよね。でも本市の場合はもう公表するかもわからないんですから、市民は何が起きているかもわからないまま進めていくという仕組みなわけですよ。本当にとんでもないなと思います。私はこのマイナンバー制度が始まってから、皆さん方ともやり取りをして、皆さん方は情報漏洩も起こらない、そう信じてがんばってきたと思うんです。それが土台から問題だらけだったということなのであれば、しっかり政府に根本的な見直しを求めるべきだと訴えて、次にうつります。

保険証の廃止は中止を

 保険証の廃止についてです。市民の命と健康を守る国民健康保険の保険者として、金沢市がどう対応するのか伺います。まず本市の国民健康保険において、いわゆるマイナ保険証がある方とない方について、今現在どのような状況か教えてください。 

-山口福祉健康局長

 令和5年4月末現在の数字ですけれども、本市の国民健康保険の被保険者は7万8471人でございまして、そのうちマイナンバーカードと保険証との紐付けが完了している方は3万5567人でございます。

-広田議員

 ということは4万3000(細かくは4万2904人)の方が、今マイナ保険証としては利用ができないという状況だということです。

まず市長に認識を伺いたいと思います。政府は資格確認書を発行すればそれで良いだろうというように話を進めていますけれども、あくまで保険証としてのマイナ保険証を申請できない方がいるということ、そしてマイナンバーカードの取得は任意であるということで、保険証の廃止はマイナンバーカードありきの制度設計ではないのか、これはおかしいんじゃないのかという点で、どのように思いますか?

-村山市長

 保険証の廃止とされても、資格確認書の規定が設けられたこと、そして代理申請あるいは本人からの申請によらず職権での交付など様々な対応がとられるというように考えております。これら国の通知に基づきながら適切に対応すべきと考えております。

-広田議員

 あの、資格確認書が欲しいわけじゃないんです。従来通りの健康保険証という普通の正式なもの、それが欲しい。マイナンバーカード制度が始まったらそれはマイナ保険証だと政府がおっしゃるのであれば、少なくとも取りたいという方はマイナ保険証を取れなければ、今までの皆保険制度上はおかしいわけですよね。その法律自体が変えられてしまっているんですけど。そういう点で言っているんです。マイナンバーカードすら取りたくても取れないという方がいるし、取得は任意だと、そういう人たちを除外する制度だという認識があるのかということを問うています。お願いします。

-村山市長

 先ほど申し上げた通り、保険証ということではなくても資格確認書、それの代わりになるものを取得することができる、あるいは代理申請、職権交付などもありますので、それ以外の支障がどういったところにあるのかというところを潰していく必要があるというように思います。いずれにしてもこれから国の通知が示されてまいりますので、それに基づいて対応してまいりたいと考えています。

-広田議員

 今までこの日本が世界に先駆けて誇ってきた皆保険制度を根本的に踏みにじる制度だと私は思うんです。ぜひ本市の良識ある見解を今後お示しいただきたいと思います。

 次に、一方でマイナ保険証自体にも問題が起きているんですね。まずは別人の紐付けです。現場では薬剤の誤投与など命の危険が一番心配です。またシステムエラーも多発しているんです。カードの顔写真が誰の顔でも認証されるという事象がいくつかの医療機関で起きているそうです。また「無効」と表示されたり読み取れない場合は患者さんから10割負担を求めざるを得ないケースも多発ということで、とある調査(全国保険医団体連合会)では全国で65%の医療機関、石川県ではほぼ7割と本日報道もされました。市長はこうした医療機関でのトラブルについてどう認識しておられますか。

-村山市長

 マイナ保険証の誤登録によって市民の信頼を傷つける、あるいは場合によって健康を脅かす恐れがあるということ、これは重大な事案であるというように思います。10割負担のお話もいただきました。国において医療機関等と調整してできるかぎり混乱が生じないように対応すると聞いております。その動向を注視したいと考えています。

-広田議員

 命の危険については感じていただいているようですけれども、それであるならば私は保険証廃止は中止を求めるよう求めておきたいと思います。

子どもの医療費助成の拡充について

 次に子どもの医療費助成についてです。本市ではこの10月から、入院について18歳まで窓口負担ゼロとなります。何十年と市民のみなさんと取り組んできたことがさらに前進しました。そして、過去にも質問しましたが、2021年の本市の生活実態調査では、16-17歳の世帯は困窮層がどの年代世帯よりも多く、生活が苦しいという実態が明らかになっているんです。そして自立への旅立ちのとき、貧困の連鎖をなくす大事なタイミングなんです。本市はあらたに16歳以上へも医療証を交付するわけですが、一歩踏み出す16歳以上への支援は大変意義があると考えます。市長はこの点どのように認識しているのか、であるならば早急に外来でも18歳までの窓口負担ゼロの実現をするよう求めますがいかがでしょうか。

-村山市長

 この度、子育て支援医療費助成制度を拡大させていただくということになりました。今回は県が補助金の対象年齢を拡大したことを踏まえて、医療費以外にも費用がかかるということに対して、入院分に対して対象年齢を拡大し、自己負担分を無料化するということにしております。子どもの医療費助成以外にも子育て支援施策は、福祉・保健・教育・文化スポーツ、様々ございます。こういったところの取り組みも強化してまいりたいと考えています。

-広田議員

 今言った、16-17歳のお子さんのいる世帯はどの他の年代の世帯よりも苦しいという調査結果が本市でも明らかになっている、その点について今回踏み出す意義、それをお願いします。

-村山市長

 今ほど申し上げました通り、順次拡大していくというように考えております。財政にも限りがあり、また恒久的な財源も必要になってまいります。議員のご指摘はおっしゃる通りのところはあるとは思いますけれども、財政に限りがあるところをご理解いただければと思います。

-広田議員

 意義があるというふうには思うということと受け止めておきます。

※質問準備をしていたが時間の関係で割愛していた部分↓

 全国では今年の5月時点で、18歳、高校卒業までとする自治体がこの10年間で急速に広がり、通院が全自治体の822自治体、約47%に、入院も900自治体、約52%となりました。各自治体が、子どもの命、健康守るため、動きを加速させています。

本市は中核市と比較をしてきました。

昨年2月の本会議で市長職務代理者は、「中核市2/3が本市と同じ15歳まで、(中略)すべての中核市が同じような姿が望ましい」としています。そこで、1年ちょっと経った現在を調べると、今年度中の変更含め、62市中28市の45%が通院も入院も15歳以上18歳まで、入院のみ18歳までもしくは以上は5市であり、あわせると53%が18歳までもしくは以上に広げています。

市長、中核市でもこれだけ広がりました。本市も外来についても18歳まで拡大するよう求めますがいかがですか。

ごみステーションの環境改善について

 さいごに、ごみステーションの環境改善ということで、本市の燃えるごみのステーションは9000か所あり、地域や市民のみなさんのご協力で成り立っている状況です。ステーションの形態は地域によってさまざまであり、市が貸し出しているネット型(2種類)ほか、折り畳み式や固定式のゲージなどです。これらの役割は、ごみ袋が散らばらないようにすることはもちろん、カラスから守るという役割も大変大きいのではないでしょうか。それもそのはずで本市が貸し出すネットの名前は「カラスネット」です。この利用も実態としては多いと思われます。しかし実際は残念ながら、このカラスネットの隙間から、カラスがごみを漁っている姿をよく見かけます。町会では立ち番などご苦労され、最近ではゲージ型のバリエーションも増え、ネットからゲージ型に変更する場所が増えています。そこで、本市のカラス対策の一環として、このゲージ型の貸与、設置場所の関係もあるので折り畳み型のものなどを、ネット同様に貸与という形にしてはいかがでしょうか。

-村山市長

 ごみステーションの整備につきまして、物品の貸与と補助と、二種類させていただいているというように思います。折り畳み式のごみ収納ゲージの器材については、片付けが不要となる、あるいはカラス被害の防止にも一定の効果があるというようにメリットも感じております。一方で、折り畳み式のごみ収納ゲージ等の器材については設置場所が限られているという中で、各地域の実情に応じた様々な形態のごみ収納器材が設置されております。本市では整備費用の3/4の補助という形で支援に努めております。現状では汎用的に使えるというものではございませんので、貸与することは考えてはおりません。

-広田議員

 私は折り畳み式だけを貸与というのではなく、今ネットも貸し出していますから、それと合わせて設置が可能なところはそれでどうかという、あくまでカラス対策としての提案をしております。もちろん補助制度は3/4に拡充をされましたけれども、それでも財政負担が厳しいとか、業者さんとのやりとりや市への申請作業が困難な町会もあると聞いております。ぜひ検討するように求めて終わりたいと思います。

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