議案第23号から26号、議案第28号および議案第29号の6件に反対討論 広田議員(9月15日)

9月議会最終討論

私は、日本共産党市議員団を代表して、今議会に提出されました議案および、請願、陳情についての討論を行います。
議案については全部で17件ありますが、そのうち議案第23号から26号、議案第28号および議案第29号の6件に反対です。

その主な理由です。
まず、議案第23号から26号、議案第28号については、金沢市南部共同調理場の新築工事に関わる費用です。
あらたな南部共同調理場は、市内泉本町地内で8000食規模の共同調理場として整備され令和7年8月に完成予定としています。事業費は土地代も入れ総額56億7千万円にのぼりました。
開設されますと、3400食の鞍月共同調理場、2000食の扇台共同調理場、そして4か所残っていた単独校調理場が吸収され、金沢市の学校給食はすべて共同調理場となります。

さらに今後の計画では、駅西・臨海地区に1万1千食の大規模共同調理場を新たに建設し、これにより8つある学校併設の小中規模の調理場を廃止するとしています。単独校調理場がなく、巨大な共同調理場ばかりの自治体は全国でもまれとなります。

食育や労働環境、地産地消、災害時の対応など、単独校調理場を増やすことがのぞましいと考え、これらの議案については反対です。

次に、議案第29号は、金沢スタジアムの指定管理者を金沢スタジアム共同事業体に指定するという議案です。指定管理料は今年度は半年で4700万円計上され、来年はおよそ2倍になるとのことです。

わが会派は、金沢スタジアムへの移転再整備にはかねてから問題点を指摘してきました。
まず、もともとこの計画は、現在の市民サッカー場を1万席に現地で改修すると打ち出されていたものが、Jリーグ基準にあわないとのことで議会に報告もなく、改修ではなく移転再整備にとスポーツ推進審議会での承認を得た経過があります。
現在の市民サッカー場は2040年まで使えた施設であり、市民のための施設でした。それが、移転再整備により、ツエーゲン金沢のホームスタジアムとなり、年間30日ほどしか一般利用できない施設になります。ジュニア用サッカーコートも解体移転となり、4年間ほど使えないことが判明しました。
さらに、金沢スタジアムだけで82億4千万円に事業費は膨れあがり、南駐車場建設費や周辺整備費、現在の市民サッカー場とジュニア用コートの移転・新築費用で総事業費はおよそ120億円に膨らもうとしています。コロナ禍、物価高騰で大変なときに、およそ市民のための整備とは言えず、理解も得られていません。

そして今回、その金沢スタジアムの指定管理者に、金沢スタジアム共同事業体を指定するというものです。しかし、その共同体の中には金沢スタジアムをホームスタジアムとするツエーゲンを運営する株式会社石川ツエーゲンが入っています。この会社は以前からわが会派が追及したように、石川県知事はじめ、金沢市の村山市長が取締役になっていました。この指定管理者の公募の直前に村山市長は取締役を降りたとのことですが、これまでの経緯から市民の理解が得られるものではありません。また、公共施設の運営は指定管理ではなく直営を基本にし、市民のための運営をすべきです。ネーミングライツも含め、金沢スタジアムが本当に市民のための施設なのか問われています。よって、この指定管理には反対です。

請願、陳情についてです。
請願第3号、請願第5号、陳情第4号に賛成であり、付託された各常任委員会での不採択に反対するものです。
主な理由を述べます。

請願第5号「健康保険証の中止・延期を求める意見書の提出を求める請願」は、石川県社会保障推進協議会の代表委員から出されたものです。
政府がマイナンバーカードと保険証を一体化し、来年秋には健康保険証を廃止するとしていますが、現場では問題が相次いでいます。別人へのひもづけは、あらたに増え8441件となりました。これは情報漏洩であり、かつ患者さんの命に係わる重大事案です。また、紐づけなどが間に合わず71万件がマイナ保険証として利用できないということも明らかとなりました。そして、医療現場ではあらたに患者さん本人の負担割合が間違って表示されるトラブルもここ石川県でも起きており、それらの解明も解決もできていない状況です。
当然のごとく、国民からは信頼を失い、健康保険証の延期や撤回を求める声が7割以上にのぼっています。それでも岸田内閣は健康保険証の廃止方針を変えず、あらたな代替案として「資格確認証」を発行するという方針を打ち出しています。しかし、具体的な対象者や運用方針など詳細はなにも示されていませんし、現場にしてみればあらたな健康保険証を発行するのと同じことであり、さらなる負担です。さらに、マイナンバーカードのオンライン資格確認が使えない医療機関向けに、「資格情報のお知らせ」というものを発行する方針も出されました。つまり、来年の秋からは、マイナ保険証とさいごに発行する既存の健康保険証、そして資格確認証、さらに「資格情報のお知らせ」などが各保険者ごとに発行され各医療機関で運用されることになります。保険者はおよそ3,300にのぼります。現場の混乱と負担はあきらかです。
また、高齢者施設等への影響調査では、9割以上の施設で利用者のマイナンバーカード、すなわちマイナ保険証の管理ができないとしています。
健康保険証の廃止は、医療機関や行政の負担と混乱を招き、ひいては患者さんの命や健康をおびやかします。そして国民皆保険制度の根幹を破壊する重大な問題に発展しかねません。従来の健康保険証を残すことがいちばんの解決策と言えます。よって、この請願に賛成です。

陳情第4号「政務活動費の金沢市条例改正について」の陳情に賛成です。
これは市民オンブズマン石川の代表幹事から出されたものです。
政務活動費をめぐっては、透明化を図り、市民の理解をすすめていくうえで求められる対応だと考え、この陳情に賛成です。討論は以上です。

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