昨年11月のしんぶん赤旗のスクープが契機となり、自民党の主要5派閥の政治資金パーティー券・裏金問題が政界を揺るがす、大問題に発展しています。
今回の問題は、政治家の政治資金収支報告書と、政治団体の政治資金収支報告書を照らし合わせた結果、発覚したものです。
2018年から2021年までの政治資金パーティーにおける収入合計 5千万円を、政治資金収支報告書に記載していなかった疑惑について、東京地検特捜部が捜査をしていることが明らかになりました。この問題をめぐり、パーティー券収入によるキックバック、巨額の裏金づくりが組織的に行われていたことも明らかとなり、安倍派の閣僚も含め15人が更迭、辞職との報道もあったところです。国民には負担を押しつける一方で、こうした私欲の政治腐敗に、国民の怒りが広がっています。
政治資金規正法は、1回につき20万円超のパーティー券購入者の名前と金額を、政治資金収支報告書に記載することを義務付けています。ところが、自民党の主要5派閥は大口購入者の名前を記載していませんでした。
企業・団体献金は、政治家個人に対するものだけは禁止になりましたが、「2つの大きな抜け穴」が残されました。ひとつは、政党や政党支部への企業・団体献金は容認されました。ふたつは、企業・団体によるパーティー券購入という事実上の企業・団体献金の大穴が残されました。この大穴によって底知れない腐敗の構造がつくりだされています。こうした抜け道をなくすことが不可欠です。
世論調査では、81%の方が「政治資金のルールを厳しくすべき」だと答えています。そして、収支報告書への不記載には重い刑罰があり、「事務的なミス」と訂正して済む話ではありません。
国民一人ひとりが、自ら支持する政党に寄附することは、主権者として政治に参加する「国民固有の権利」です。選挙権を持たない企業が献金することは国民主権と相いれず、国民の参政権を侵害するものです。営利を目的とする企業が、個人をはるかに超える強大な財力、カネの力で政治に影響をあたえ自己の利益をはかれば、政治は大企業、財界に向けたものになってしまうことは明らかです。政党は本来、国民の中で活動し、国民の支持を得て活動資金をつくるのが基本です。
この意見書は、国に対して、「カネの力」で政治の腐敗を許さず、国民の政治不信を回復し、国民主権を貫くためにも、政治資金パーティー、企業・団体献金の禁止を強く要望するものです。議員各位のご賛同をお願いしまして、提案理由説明といたします。