議案第43号、議案第50号、議案第57号反対討論 森尾議員(12月15日)

私は、日本共産党市議員団を代表して、今議会に提出された諸議案の内、反対の議案及び提出された陳情について態度の表明を行います。
わが党は、上程された議案20件のうち、議案第43号、議案第50号、議案第57号の3件について、反対であります。
その主な理由について述べます。
 日本銀行が今年10月「生活意識に関するアンケート調査」の結果を発表しました。今年8月に全国の20歳以上4千人を対象に行い、2016人から回答を得たものです。
 その中で、現在の物価に対する実感として1年前に比べ「上がった」と答えた人の割合は、9割に達しています。現在の暮らし向きについて、1年前に比べ「ゆとりがなくなってきた」との回答は6割近くとなっています。
 暮らし向きの悪化が急速に進んでいることがこの調査からも明らかです。賃金の引き上げ実施、消費税減税実施、中小企業への抜本的な支援策など経済対策が求められています。
 こうした中、公務員に対する給与など引き上げることを求めた人事院勧告が行われました。これを受けて、本市職員と会計年度任用職員の給与・報酬の引き上げと会計年度任用職員の勤勉手当の規定が追加されることとなりました。
こうした対応には賛成ですが、特別職に関しては市民の理解と合意は得られないもので、議案第43号に反対であります。
 議案第50号 金沢市都市像の策定について反対です。
 「未来を拓く共創文化都市 金沢」と題し、今後10年間の金沢市の方向を盛り込んだものです。
 市長が都市像と共に、真っ先に打ち出したのが、金沢の都心軸エリアを集中して行う大型開発事業計画です。
市長は、今月中に都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域の候補地とするよう国の内閣府に申請すると表明しています。その候補区域は金沢駅、武蔵、香林坊、片町としています。
 この方針は、金沢駅前の旧都ホテル跡地での開発、武蔵ヶ辻での再開発、そして、旧日銀跡地での開発、片町での再開発、この4つの区域での開発事業を進めるというものです。金沢市が進めた都心軸中心の大型再開事業には、2500億円にも及ぶ財政投資で進められました。したがって、これから進めようとする開発事業には、数千億円ともいえる事業費の投入が予想される大型開発事業計画です。
 この間の経緯の中で、旧都ホテル跡地をめぐる開発問題を入口に、特措法の適用を掲げて、都心軸エリアでの開発事業にまで拡大したことが明らかとなりました。
 その手法が問題です。市民参加と合意づくりがありません。
 候補地域に指定されると国、県、経済界で構成される準備協議会が設置され、ここで、開発事業内容が検討され、素案を経て国が都市再生緊急整備地域に指定することになります。まさに、国と県、経済界が主導で開発事業が進められていくこととなります。また、特措法の適用によって、高さ制限など規制緩和を可能とするもので、これまで金沢市が市民と共につくり上げてきたまちづくりを根底から覆しかねないものです。
 さらに、提案された都市像には、大切な課題が盛り込まれていません。
一つは、平和の課題です。
 金沢市平和都市宣言は、世界の恒久平和と核兵器の全面禁止・廃絶の実現への決意を述べ、金沢市が永遠の平和都市となることを宣言しています。
 二つに、ジェンダー平等です。
 人類がこの地球で暮らし続けていくために、2030年までに達成すべき目標・SDGs目標の5つ目が、ジェンダー平等を実現しよう。です。セクハラ、パワハラをなくし、誰もが尊重され、自由に生きていくことの大切さ。男女の格差をなくし、誰もが尊重される社会の実現に向け取り組んでいくことが求められます。
 三つに、気候変動への取り組みです。
  現状では、パリ協定で掲げられた「今世紀の気温上昇を1.5度抑える」目標の達成が難しく、今世紀の気温は、2.1度~2.8度上昇が予想される事態を迎えています。したがって、CO₂排出の削減と実行が求められるとして、国連気候変動枠組み条約第28回締結国会議・COP28が世界に発信しました。金沢市としてのCO₂排出の削減の取り組みについて、新たな都市像の中で明記することが求められます。
 なお、本会議での質問で明らかにしましたが、市民が主人公の立場から、くらしと営業、地域経済を守り、発展させていくことを柱とすること。
 もう一つは、100年にわたる百姓が持ちる国づくりから500年にわたって培かわれてきた金沢市の文化と伝統を継承し、次の世代に引きつくことが求められていることを指摘しておきたいと思います。
 議案第57号金沢市手数料条例の一部改正について反対です。
 戸籍法の一部改正により、来年3月より本籍地以外の市区町村に於いて戸籍証明書の交付が可能となるなど複数の交付手続きが追加されることとなり、その手数料に関する条例改正です。
 令和元年5月に戸籍法の一部改正が行われ、来年3月より、施行が行われます。その内容は、(1)行政手続きにおける戸籍証明書の添付省略(2)戸籍届における戸籍証明書の添付省略(3)本籍地以外での戸籍証明書、電子証明書提供用識別符号の発行等(4)戸籍記載事項にふり仮名を追加
というものです。
 戸籍は究極の個人情報です。
東日本大震災での被災を契機に法務省に戸籍副本データー管理システムが導入され、この間、国民のあらゆる戸籍情報が国の法務省にデーター管理・運用が行われてきました。マイナンバー制度のためにつくられた情報提供ネットワークシステムを通じて戸籍関係情報を確認することが可能となったものです。したがって、全国、すべての戸籍情報が管理・蓄積され、国民が知らないうちに検索され、処理されることとなりました。
国民一人一人の個人情報が保護され、人権尊重がされるのか重大な問題を含んでいます。さらに、マイナンバーカードとひも付きされると情報漏洩、流出等のリスクは高まります。こうした点から反対です。
 次に、陳情について態度表明を行います。
  陳情第5号は、「政務活動費条例の改正についての陳情」です。
これは、市民オンブズマン石川の代表幹事から提出されおり、政務活動費をめぐって、透明化をすすめ、市民の理解を進めていく上で求められる対応だと考え、この陳情に賛成です。
 陳情第6号は、「金沢市におけるコミュニティーバスの導入促進に関する陳情」で金沢市にコミュニティーバスを走らせる会の代表から提出されました。
 市民から市内中心部の4つのルートで走る「ふらっとバス」を拡充してほしい。市の郊外地域で、コミュニティーバスを走らせてほしいとの要望が高まっています。この陳情は、こうした市民の声にこたえたもので、賛成です。よって、付託された委員会での否決に対し、反対を表明いたします。
  以上をもって、討論を終わります。

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