日本共産党市議員団を代表して、議会議案 第33号 ジェンダーの視点での災害支援の強化を求める意見書について、提案理由説明を行います。
能登半島地震は、未曽有の大災害となり、発災当初は避難者数が3万人にのぼりました。発災からまもなく3カ月となる今も、1次、1.5次、2次避難所の各避難所のほか、避難所に指定されていない自主避難や車中泊など、多くの方が避難生活を余儀なくされています。
自然災害は、年齢や性別を問わず、全ての人に突然おそいかかってきますが、ジェンダー格差の大きな国ほど女性の被害が甚大になるという研究報告もあります。災害に遭った時、被災者が性別に関わらず、安全と安心を確保できる環境を整備するためにも、自治体においては、普段から男女共同参画の視点が不可欠です。
内閣府の男女共同参画局が2020年に策定した「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~」では、平常時からの男女共同参画の推進が防災・復興の基盤となると明記されています。また、女性の視点から、女性と男性が災害から受ける影響の違いなどに十分に配慮された災害対応が行われることが、防災や減災、災害に強い社会の実現にとって必須だとし、「男女の人権を尊重して安全・安心を確保する」といった7つの基本方針が掲げられました。このように、女性の視点が大事であると強調されてきたにも関わらず、能登半島地震の避難所においても、「仕切りがなく着替えができない」「下着を干せない」「配布担当が男性なので生理用品をもらいに行きづらい」「食事づくりは女性が担当している」など、避難所生活において女性に対する配慮に欠ける実態があります。
全国の自治体を対象とした調査によると、2023年、防災・危機管理部局に女性職員が配置されている割合は、都道府県平均で12.8%、石川県はその半分以下の4.3%にとどまっています。全国1741の市区町村でみると、女性職員がまったくいない自治体は900を超え半数以上にのぼっています。本市もそのひとつです。自治体の防災会議においては、女性委員の比率を30%にすると目標を定めましたが、30%を超えたのはわずか8都県にとどまりました。災害時の多様なニーズやリスクに対し適切に対応するためにも、防災現場や意思決定の場に女性を増やすことが重要です。
この意見書は、国に対して、防災分野のジェンダーギャップの解消と、性別によって災害時にさらなる弱者を生まない環境づくりのために、ジェンダーの視点での災害支援の強化を国に求めるものです。議員各位のご賛同をお願いしまして、提案理由説明といたします。