議会議案第11号 北陸新幹線の大阪までの早期全線整備を求める決議に対し反対討論 森尾議員

 私は、日本共産党市議員団を代表して、議会議案第11号 北陸新幹線の大阪までの早期全線整備を求める決議に対し、反対討論を行います。

 北陸新幹線延伸計画は、政府が、敦賀から大阪間の小浜・京都ルートを打ち出し、その実現をめざしてきたものです。しかし、いまだ見通しすらたっていません。

この計画には、大きな問題が明らかとなってきています。

 第1に、莫大な建設事業費と工期が長期間にわたることです。

 最大5兆3千億円と、当初の2.5倍となっています。これにより、費用対効果は、1を下回ることが予想されます。これによって、新幹線建設の着工条件の一つがクリアーできなくなります。

 工期は最長で28年と当初より13年長くなります。来年着工したとしても完成は2050年代となります。

 第2に、京都のまちと自然環境を壊す恐れがあることです。計画案では、敦賀から新大阪まで140キロの8割がトンネルとなっています。京都市内を深さ20mから50mにトンネルが縦断することなり、地下水や河川への影響、発生する土砂の処理対策など環境への影響です。

京都府民からは、「再検討、中止すべき」との声が世論調査で6割にも達しています。

 第3に、大都市への一極集中により、地方との格差を一掃広げることです。大きな電力を消費する高速鉄道網は、再エネルギー・省エネにも逆行します。

 以上の点から、政府が進めている北陸新幹線延伸計画は破綻し、中止する以外ありません。

 ところが、別のルートを模索するよう主張があります。米原ルートと言われるものです。国の方針ではないうえに、関係する自治体での検討すらされていないもので、実行性を伴う計画にもなっていません。

 この決議は、すでに実行性が問われる事態となっている小浜・京都ルートを推し進めるわけにもいかず、かといって、政府が進めている小浜・京都ルートとは全く異なる米原ルートを提唱するものでもなく、結局「一日も早い北陸新幹線の大阪までの全線整備を強く求める」としています。

北陸新幹線は敦賀まで建設されましたが、サンダーバードの運行区間が縮小され、利便性が大きく後退しています。新幹線建設を優先し、住民の足となる在来線を切り捨てるという財界優先の鉄道運営を進めてきた政治に厳しい批判の声が広がっています。

もはや北陸新幹線延伸計画は見通しすら立たず、やめるべきです。

わが党は、鉄道を地域経済と住民生活を支える大切な基盤と位置づけ、その再生を目指します。在来線の強化や南海トラフ大地震が懸念される中、既存の新幹線、在来線などの耐震化を行うこと。そして、地域公共交通の整備・充実こそすべきです。  よって、この決議案に反対であることを明らかにし、討論を終わります。

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