わたしは、提出者を代表し、議会議案第29号「企業・団体献金の禁止を明記するよう政治資金規正法の改正を求める意見書」の提案理由を述べます。
現在、政治資金規正法について国会で議論が行われています。昨日、政策活動費の全面廃止については与野党の一致をみたとのことです。政策活動費を抜け道なく全面廃止するのは当然です。しかし、肝心の「企業・団体献金」については来春まで結論を持ち越すとされていますが、こちらこそ国民の最大の関心事です。
ことしの新語・流行語大賞でトップテン入りした裏金問題は、政治資金パーティー券収入について政治資金規正法上の会計処理をせず、政治家が自分のポケットに入れて非課税かつ使途非公開の資金として流用していた問題です。自民党の主要派閥がパーティーを利用して約9億7千万円を裏金にし、少なくとも約100人の国会議員が5億8千万円以上の裏金を手にした組織ぐるみの政治資金規正法違反です。
それなのに、なぜ政治家が起訴されないのかという怒り、あわせて、企業と自民党政治家が、パーティ券購入を巡って癒着し、それによって政治が歪められているのではないかという国民の疑念が広がりました。その結果が総選挙での自公過半数割れという厳しい国民からの審判です。
先月の共同通信の世論調査でも、「企業団体献金を禁止すべき」は67.3%にのぼっています。
かつてリクルート事件、ゼネコン汚職事件、東京佐川急便事件など汚職事件が相次ぎ、1994年に成立した政治改革関連法で、政治家個人への企業・団体献金は禁止されました。ところが、政党本部、政党支部への献金と政治資金パーティー券の購入という2つの抜け穴がつくられ、企業・団体献金が温存されてきました。
現在、総務省に届けられている各党の支部は9,000以上にのぼり、この党支部を受け皿に、企業・団体献金を受け取っています。さらに、パーティー券は、その大半を企業・団体が購入しているのが実態であり、形を変えた企業・団体献金にほかなりません。
企業・団体からの政治献金は、本質的に政治を買収する賄賂であり、ただちに全面禁止すべきです。
営利を目的とする企業が、個人をはるかに超える強大な財力で、カネの力で政治に影響をあたえ自己の利益をはかれば、政治は大企業、財界に向けたものになってしまうことは明らかです。
政治のゆがみをただし、国民主権を貫くためにも、企業・団体献金の禁止がどうしても必要です。そして、わたしたち政治家が自ら襟を正すためにも、各議員にご賛同をお願いし提案理由説明といたします。