私は、日本共産党市議員団を代表して、反対討論を行います。
わが党は、提出された議案63件のうち、議案第58号、議案第60号、議案第61号、議案第63号、議案第64号、議案第66号、議案第68号、議案第70号、議案第71号、議案第74号、議案第76号、議案第79号、議案第83号、議案第84号、議案第86号、議案第88号、議案第97号、議案第103号、議案第106号の以上19件の議案に反対であります。
その主な理由を述べます。
市民生活と営業をめぐる状況は、一段と厳しい状況を迎えています。「生活が苦しい」「節約にも限界です。暮らしていけない」など多くの家庭から物価高騰による悲痛な声が上がっています。スーパーなど小売業者で構成される日本チェーンストアー協会によると食料品の平均価格が過去3年間で約15%上昇しているとのことです。食料品だけでなく、電気・ガス・水道などの公共料金が値上がりし、物価高騰が続いています。小規模事業者は、こうした物価高騰分を商品や製品の価格に転嫁できず、消費不況で物が売れず事業継続が困難となっています。
新年度国の予算において、9兆円にも上る防衛費計上や、大企業など一部企業への様々な支援策が計上されています。まさに暮らしと平和を壊す政治そのものとなっています。
こうした中、令和7年度金沢市一般会計補正予算と令和8年度金沢市一般会計予算などが提案されました。
わが党は、市民生活と営業を守ることを最優先とする予算と内容に転換することを求めるものです。以下反対する主な理由を述べます。
第1に、新たな市民負担を増やすことに反対です。
子ども・子育て支援法に基づいて医療保険の保険料に新たに子ども・子育て支援分が増えることとなります。問題は、この法に基づいて打ち出された3兆6千億円の財源を医療保険制度に上乗せ徴収する支援金制度と社会保障制度削減によって確保することです。
金沢市の国民健康保険料では、子ども・子育て支援分として、総額1億9520万円が増額されます。加入者一人当たりでは月額248円、年額2976円が増えます。
後期高齢者保険料では、子ども・子育て支援分として、総額1億7645万円が増額され、県内の加入者一人当たりでは、月額183円、年額2196円が増えます。
また、ふれあい入浴券の利用者負担額や、卯辰山公園健康交流センター千寿閣の健康温浴施設の使用料が160円から170円に増額されます。
入浴料金の改定に伴うとのことですが、160円で維持するよう求めます。
第2に、議案第84号 介護保険条例の一部改正について反対です。
税制改正によって、所得税が減額となります。しかし、介護保険料はこれを反映せず、令和8年度は従来通りするとして今回の条例改正が提案されました。所得税の減額を反映しないこの条例改正に反対です。
第3に、巨額を投ずる大型開発事業に反対です。
金沢港湾建設事業です。大手企業のコマツが進出し、大型機械を輸出するために、大浜ふ頭を大水深岸壁に改良する事業が続いています。また、クルーズ船を金沢港に呼びこむとして無量寺岸壁などの改良事業が進められてきました。その結果、金沢港湾建設事業の全体事業費は、2006年から2036年の30年間で、622億円となり、そのうち、金沢市負担が115億円にのぼります。今回の最終補正予算に4億3140万円を前倒し、令和8年度予算では、4億9252万円と合計9億2392万円が計上されています。一部大手企業のために巨額の税金を投入することには反対です。
都市再生緊急整備地域指定された金沢駅東地域での開発事業です。
金沢駅周辺から武蔵地区、香林坊、片町地区の都心軸にそった大型の開発事業が進められようとしています。金沢駅前の旧都ホテル跡地では、160mの高さを伴う官民複合ビル建設構想が打ち出されています。この地域では市民とともに作り上げてきたまちづくりの方針によって、建物の高さを60mまでとする制限があります。しかし、こうした景観方針を覆し、市民の税金を投入する官民複合ビル建設構想が進められようとしています。さらに、武蔵地区と片町地区では、再開発によるビル建設事業が始まろうとしています。旧日本銀行の跡地利用についてです。
今回用地取得費として45億円が計上されました。21世紀美術館のリニュアルに伴い、仮の施設活用などを含め、7億7千万円が予算化され、さらに周辺用地取得をすすめるとしています。市民の理解と合意のないまま進められようとするこうした開発事業には反対です。
第4に、市民の理解と合意なしに進められている事業について反対です。
マイナンバー制度を国民に押し付け、次々に制度の拡大が進められています。マイナ保険証は、従来の保険証が廃止され、国民に押し付けられてきています。しかし、医療機関からも批判が続き、その利用は、3割程度となっています。従来の保険証の継続使用、資格確認書の継続した発行が求められます。
次に、こども誰でも通園事業です。
昨年の6月施設基準に関する条例が制定され、今回運営基準に関する条例提案と本格実施に向けた予算が計上されました。
この制度は、保護者が就労しておらず、保育所などに通っていない0歳6か月から満3歳未満の子どもを対象に、時間単位で保育所に預け、月10時間までの利用とする制度です。
保育所に預けたくても定員の空きがなく預けられない、保育士の賃金が低くて成り手がいないなど、保育行政の改善を強く求める声が上がっています。そうした現状にもかかわらず、今回の制度は様々な問題をはらんでいます。人見知りの時期である乳幼児を、時間単位で預けることは、子どもにとって大きなストレスになるだけではなく、保育現場においても事故が起こるリスクが大きいという指摘があります。同時に、保護者と事業者との直接契約になっており、公的な責任が後退することにつながらないかとの指摘もあります。したがって、保育士の処遇改善や配置基準の抜本的改善、公的保育の拡充こそ今やるべきであり、この条例および本格実施に向けた予算に反対です。
金沢駅武蔵北地区再開発事業によって、5つの再開発ビルが建設されました。ところが再開発ビルへの入居が完了せず、再開発ビルの管理運営に一般会計から予算を投入し続けています。到底市民の理解を得られるものではありません。
第5に、金沢中央卸市場再整備事業は、関係者などの理解と合意が図られることなく進められており、同意することはできません。
基本計画の中で、青果と水産を一体的総合市場として再整備するとしてきました。ところが、青果は、現在の市場がある場所から3.5キロ離れた金沢港周辺の県有地に移転新築する。水産は現在ある市場の場所で新築するという方針に変更し、水産と青果は分離され整備されることになります。
青果と水産の両方から仕入れる小売り業者からはこれでは商売がやっていけない。どうして分離することになったのか。など訴えが続いています。市場関係者あっての市場です。十分な理解と合意がないままこうした市場再整備事業を進めてはなりません。
第6に、工業用水道事業と下水道事業です。
工業用水道事業は、森本にあるテクノパーク工業用地に立地した企業に供給するものです。発足以来、給水料金で賄えず、赤字額を一般会計から補填し続けています。令和8年度予算では、3852万円にのぼります。市民の理解を得られるものなく、反対です。
下水道事業についてです。
国は下水道事業について、官民で下水道施設等の維持管理、運営等を連携して行うウォーターPPP導入を進めてきました。そして、令和9年度以降、この導入を汚水管改築事業に対する交付金の要件としました。
金沢市は、この間に下水道事業ウォーターPPP導入検討調査を行い、令和8年度予算では、事業者の選定に着手する方針です。
国が打ち出した交付金の要件となるウォーターPPPの導入は、下水道事業の民営化を段階的に進めるものであり、市民のいのちと生活に直結するインフラを利益追求の対象にすることに反対です。
第7に、職員の定数条例の改正に反対です。
57人が増員され、52人が減員される内容となっています。その減員は、学校給食調理業務の民間委託化などによる職員の削減が18人にのぼります。また、技能労務職員の定年による退職者不補充など行われ、西部環境エネルギーセンターでは、外部委託化が進められます。よって、この条例改正に反対です。
金沢スタジアムの指定管理について、指定管理者となる金沢スタジアム共同事業体に新たに地元新聞社が加わっています。公正公平の観点から同意できません。
議案第79号金沢市税賦課徴収条例及び金沢市行政手続条例の一部改正について反対です。これまで金沢市の掲示板に書面による掲示が行われていた公示送達について、インターネット上でも閲覧可能とするものです。
公示送達は、本人に通達したものとみなすための制度であり、一般公開することが目的ではありません。インターネット公開によって、氏名や公示送達の対象者であるなどの情報が安易に拡散される側面があり、プライバシー保護の観点から反対です。
議案第88号金沢市における美しい景観のまちづくりに関する条例の一部改正について反対です。金沢港周辺について、新たな景観創出区域を指定するものでものですが、伝統環境保存区域指定がされている地区の一部変更が含まれており反対です。
次に、陳情についてです。
陳情第30号『コンプライアンス指針』の制定と『コンプライアンス委員会』の設置を求める陳情は、上島張靖(うえしま はるやす)氏から提出されました。
この陳情は、1 『コンプライアンス指針』の制定と『コンプライアンス委員会』の設置を要望し、2 「原則として、文書での問い合わせには、文書で返答する。それができない場合は、理由をしっかりと説明する」このような規定をつくること。
この二つが陳情されました。公正公平で市民に納得いく行政運営を行う上で、この二つの陳情内容に賛成です。
陳情第31号「金沢方式」の廃止に向けた議論の加速を求める陳情書は、生活者目線で金沢方式を考える会の湯谷 増男氏から提出されました。
金沢方式あり方検討懇話会が設置され、審議を経て令和7年1月市長に対し、報告書が提出されました。この中で、次のように述べています。
「今後取り組むべき施策の方向性」と題して、(2)地元負担の軽減と題する項目があります。この中で、「地域による一定の負担」について大きな役割を明記すると共に、この文書の最後に「施設整備の地元負担を可能な限り軽減する方策を検討することが求められている」と記載しています。
人口減少や地域住民の意識の変化が進む中、物価高騰による資材や諸経費などの引き上げが続き、施設整備の地元負担は限界に来ています。
よって、「金沢方式」の廃止に向けた議論の加速を求めるこの陳情に賛成です。
陳情第32号民主主義の健全な発展のため、議会・委員会を傍聴する金沢市民の金沢市役所・美術館駐車場及び第二庁舎地下駐車場の利用料金の減免の措置及び期日前投票・不在者投票のために市庁舎を訪れる者が同駐車場を利用する際、投票に要する時間に応じた駐車料金の完全無料化措置を講ずることを求める陳情は、生活者目線で金沢方式を考える会の湯谷 増男氏から提出されました。
議会・委員会への傍聴や、選挙の期日前投票・不在者投票のために市庁舎を訪れる際に、駐車場の利用料金の減免の措置を求めるもので賛成です。この3つの陳情は、各常任委員会においでいずれも不採択となりました。この不採択に反対するものです。
以上で討論を終わります。














