2026年6月議会 森尾嘉昭 一般質問(6月17日)

金沢市議会(2026年6月17日)森尾よしあき市議の質問と答弁

-森尾議員

 私は、日本共産党市議員団の一人として、以下質問いたします。

 最初に、市営住宅の環境改善と老朽化対策についてです。今予算に「市営住宅あり方検討費」が計上されました。金沢市には160棟、3300戸余りの市営住宅があります。老朽化が進み、社会環境の変化の中、今後の整備・管理方針を検討するとしています。

 二つの点について伺います。

 市営住宅の管理戸数についてです。金沢市は、建て替えを通じて戸数の縮減を進め、平成27年4月に3477戸だったものが、令和8年4月には3328戸と11年間で149戸・4.3%縮減しています。必要な住宅戸数を維持する考えが求められますが、今後、市営住宅の管理戸数をどの程度と考えているのか伺います。

-村山市長

 本市の市営住宅につきましては、建物の老朽化による修繕等の維持管理費や、空き住戸が増加している状況であります。こうしたことを受けまして、今後の少子高齢化・人口減少社会を踏まえ、将来の需要を見据えた適正な管理戸数について、国が示す手法を用いて推計を行うとともに、単身高齢世帯の増加や住宅確保要配慮者の状況も考慮し、学識者や福祉関係団体等で構成されるあり方検討会の委員のご意見も伺いながら、検討を行っていきたいと存じます。

-森尾議員

 市営住宅の管理運営について伺います。平成28年3月の「高齢化等に対応した市営住宅のあり方検討会・報告書」の中では、市は指定管理者制度について導入しない。と明記されました。当然、この点は今後も堅持していかなければならないと考えます。市長から良好な市営住宅を金沢市が責任を持って市民に提供していく決意を伺います。

-村山市長

 指定管理者制度につきましては、公営住宅の公共性・非営利性を保つために、入居者の個人情報の厳格な管理が必要であるほか、入居決定、家賃や減免の決定などの公営住宅業務の一部は法令によって指定管理者に移管できないなど解決すべき課題が多いことから、前回のあり方検討におきましては導入しないという結論になりました。一方その後、県営住宅ほか全国の他都市や県内市町でも指定管理者制度の導入が進んでおりますことから、今回改めて他都市の状況を調査したうえで、本市における導入の可能性を検討していくこととしております。

-森尾議員

 市営住宅の環境改善について伺います。今予算の中に、金石新本町住宅における照明器具のLED化が計上され、当初予算には、金石あけぼの住宅における照明器具のLED化予算が計上されています。市内の市営住宅の照明器具のLED化について、現状と今後の方策について明らかにしていただきたいと思います。

-高木都市整備局長

 本市の市営住宅159棟における照明のLED化につきましては、昨年度までにすべての共用部分について整備を終えております。また住戸内については国の補助金を活用して進めているところでありまして、今回補正予算でお諮りする金石新本町住宅を含め、今年度末までに42棟の整備を終える予定でございます。LED照明につきましては、入居者の宅内工事への負担軽減を考慮し、住棟の全面的改善工事や建て替え工事に合わせて整備を行っているところでもありまして、引き続き財源確保に努め、計画的に進めていきたいと考えています。

-森尾議員

 次に、市営住宅におけるエレベーターの設置、浴槽・給湯器設置について、現況の到達と今後の改善方針について伺います。

-高木都市整備局長

 市営住宅159棟のうち、37棟は共用廊下の片側に住戸が並ぶ片廊下型で、うち25棟でエレベーターの利用が可能となっております。一方、残りの122棟は、共用廊下がなく、階段の両側に住戸が配置された階段室型で、エレベーターは設置しておりません。片廊下型、階段室型、いずれの場合もエレベーターや共用廊下を新たに設ける敷地が確保できないことや、住戸の玄関位置を変更する大規模な改造が必要となるなど課題が多く、改修による設置は難しいと考えておりますが、これまでも建て替えに際してはエレベーターを設置してきておりまして、今後も建て替え時に整備を図っていきたいと考えております。

-森尾議員

 市営住宅の浴槽・給湯器の設置は非常に不十分です。早急にすべての市営住宅での浴槽・給湯器設置に向けて取り組んでいただきたいと、強く求めておきたいと思います。

 この質問の最後に、市営住宅の耐震対策について伺います。

 先に示した「高齢化等に対応した市営住宅のあり方検討会・報告書」の中では、耐震化していない住宅が14棟あるとして、安全安心の確保が重要課題という内容となっています。その後、どのような対策が行われたのか、伺います。昭和56年の建築指導法の改正で耐震化が明記されましたが、それ以前の市営住宅は光が丘、額新町、緑、大桑町にあります。対策について伺います。

-高木都市整備局長

 昭和56年以前に建築し、耐震性が不足するとされた市営住宅34棟のうち、20棟につきましては鉄骨ブレースによる耐震補強を行いました。残りの14棟につきましては、建て替えによる耐震化を順次進めてきたところでありまして、令和7年度末時点で耐震化されていない市営住宅は4棟残っておりますが、引き続き計画的に建て替え等による耐震化を図ってまいります。

-森尾議員

 緑には、高層の住宅があります。耐震診断は30年前のものです。能登半島地震を経験したことから、最新の耐震診断が必要だと考えます。その実施について、見解を伺います。

-高木都市整備局長

 平成25年11月に施行された建築物の耐震改修の促進に関する法律の改正に際しまして、国土交通省は、過去に実施した耐震診断の有効性を認めております。加えまして、建物の適切な維持管理として計画的な外壁改修工事や、防水改良工事を実施することで、コンクリートの劣化を防止し、構造耐力の維持に努めておりますことから、耐用年数までは躯体の健全性が維持されるものと認識しておりまして、耐震診断を行う必要はないととらえております。

-森尾議員

 市長に見解を伺っておきたいと思います。今指摘したように、緑H棟は昭和49年に建築されたもので、昭和56年に打ち出された耐震基準以前に建てられたものです。平成8年の耐震診断が行われました。別に有効性を否定したいわけじゃないんです。あれから30年が経過しているんです。その間に建物の劣化が進んでいます。能登半島地震を経験しています。 30年前の耐震診断はH棟1棟を抽出して行われたものです。住民からは、地震が発生した場合、この建物は大丈夫なのかと不安の声が出されているんです。私はしっかりこれに市は応えなきゃいけないと思います。市長からの見解を求めておきたいと思います。

-村山市長

 ただ今、都市整備局長が答弁したとおりであります。

-森尾議員

 では市長は、市のこの住宅が安心安全だと、住民にしっかり述べられるんですか。伺います。

-村山市長

 局長の答弁を繰り返しますけれども、基本的には耐用年数までコンクリート強度は設計基準強度以下になることは考えにくいということです。コンクリートの劣化を防止するために計画的な外壁改修工事等の建物の適正な維持管理を行っているということで、耐用年数までは構造耐力が維持されるものと認識しておりまして、耐震性は保たれていると考えております。

-森尾議員

 市長、私はちょっと調べてみたんです。これまでの耐震診断は、一般的外形等の状況を見たうえで対応すると。しかし最近の耐震診断は、建物の構造物を抽出して診断を行うという手法に大きく変わっているんです。より精度を増した耐震診断が行われていると、私は認識しました。住民の不安にしっかり応えるように求めておきたいというふうに思っています。

 質問の第2に、環境エネルギーセンター再整備について伺います。

 現在、西部と東部の2ヵ所にある環境エネルギーセンターによって市内のごみ焼却処理が行われています。これを西部1ヵ所体制とし、新しい施設を建設するという方向を打ち出しました。これは、どのような検討によるものなのか。市長からの説明を求めたいと思います。

-村山市長

 これまでごみ処理基本計画に基づいて、本市のごみ量の推移やごみ質の変化に加えて、近年全国で建設された焼却施設の現状や最新のごみ処理技術の動向等を調査しまして、今後の適正で効率的なごみ処理体制の確保のためには、環境エネルギーセンターの再整備について、このごみ処理体制の構築のために検討を行ってまいりました。その中で、廃棄物処理技術に関する有識者からなる検討会で議論を重ねまして、ごみ量が大幅に減少していること、ごみ処理技術が進歩していることなどを踏まえ、ごみ処理規模に大きな差がある2施設での処理体制によると安定的なごみ処理が困難であるということから、将来的に現在の2施設を集約し、新たな施設を整備することが最適な手法と判断したところであります。

-森尾議員

 今年4月28日、経済環境常任委員会に提出された資料によると「将来を見据えた環境エネルギーセンターの再整備について、これまで廃棄物処理技術に関する学識経験者等のご意見をいただきながら検討」との報告が行われました。いつ、どのような会合でどんな検討がされたのか伺います。

-川端環境局長

 令和6年度から廃棄物処理技術や廃棄物行政について高い専門性を有する学識経験者などで構成する検討会を5回に渡り開催してまいりました。検討会では、環境エネルギーセンターの現状と課題等を踏まえ、今後も安全かつ安定にごみを処理できる施設とすることを最優先に、処理体制や処理方式、建設候補地について検討してまいりました。

-森尾議員

 市長、これは内部の検討会なんですよ。一切内容は知らされておりません。我々も報告を聞いておりません。そこで、8年前、家庭ごみの指定ごみ袋収集制度が導入された際に、金沢市は市民にどんな説明をされたのか。ごみの量を減らし、東部環境エネルギーセンターの施設を新しくする際に規模を小さくできると。だから今からごみの量を減らす取り組みをしないと間に合わない。こう言って、家庭ごみの指定ごみ袋収集制度を導入したんですよ、市民に、我々にも。一体、この説明は何だったのでしょう。市長、説明を求めます。

-村山市長

 8年前の家庭ごみの指定ごみ袋収集制度を導入した当時、東部環境エネルギーセンターの建て替えにつきましては、指定ごみ袋収集制度の導入以降、ごみ量の推移等を十分に見極めたうえで、必要となる施設の規模等を決定するということとしておりました。現在の燃やすごみの量は、市民のごみ減量意識が向上し、制度導入時見込んでいた平均削減率14%を大きく上回る26%と大幅な削減効果が表れてきております。施設規模はかなり縮小できることとなりましたが、現状の2施設での処理体制では処理規模に大きな差が生じるため、安定的なごみ処理を行うには施設の集約化が最適であると判断いたしました。

-森尾議員

 今度は東部環境エネルギーセンターの延命化を打ち出しました。47億8800万円を投じて、令和7年度から10年度の4年間をかけて三度目の基幹的改良を行っています。50年間の延命だと、あと15年間この施設を維持したいと、こう言ってきたんです。3回に及ぶ基幹的改良に投じた費用は、85億3000万円です。今回、東部環境エネルギーセンターを廃止し、西部1ヵ所体制で新しい施設を建設すると、今度はこういう方針を打ち出したんです。市の方針転換というのは一体どうなっているんですか。説明を求めたいと思います。

-村山市長

 燃やすごみ量が大幅に減少したことに伴って、東部環境エネルギーセンターの焼却炉の運転負荷が軽減されましたため、今ある施設を少しでも長く大切に使ったうえで再整備を検討することは、将来世代の負担軽減につながるものでありますことから、延命化の方針を決定したところであります。新たな環境エネルギーセンターの整備にも基本構想環境影響評価などに10年以上の相当の期間を要します。新たな施設が稼働するまでの間も、東部環境エネルギーセンターが安定的に稼働するためには延命化は必要でありまして、整合性は取れていると考えています。

-森尾議員

 ごみの減量化に取り組み、東部環境エネルギーセンターのリニューアルにおいては規模の縮小に取り組むと、こう打ち出したんです、8年前。次にこの東部環境エネルギーセンターの延命化方針を打ち出したんです。そして今度は、東部環境エネルギーセンターを廃止して、西部1か所に新しい施設建設を打ち出しました。市長。議会での議論も行われてきませんでした。もちろん、市民への内容の説明も合意もありません。重要な施設である環境エネルギーセンターの再整備について、一体今後どう取り組んでいかれるのか伺います。

-村山市長

 先般、廃棄物処理技術に関する有識者のご意見をいただきながら、将来のごみ量に応じた処理体制や処理方式等について本市が検討した再整備の方向性をお示しさせていただきました。今後は新たな施設の建設候補地周辺地域のみなさまへ丁寧に説明するとともに、新たな施設の整備方針や熱利用のあり方、整備スケジュールなどを盛り込んだ基本構想を策定することとしております。議会への報告のほか、学識経験者や町会・婦人会・関係団体等の代表者で構成される金沢市廃棄物総合対策審議会における議論、またパブリックコメントの実施など、広くご意見をお聞きしながら、環境エネルギーセンターの再整備に取り組んでいきたいと考えています。

-森尾議員

 質問の第3に、浅野町公民館・児童館の移転整備について伺います。

 地元では、この移転整備事業をめぐって苦悩と不安が拭い去れません。当初計画段階では地元が用意した負担額は9300万円でした。ところが、建設段階を迎えるとその額は1.8倍に跳ね上がり、1億6700万円準備しなければならなくなりました。公費負担額が75%から80%となったにも関わらず、物価高騰、資材費の値上がりによる建設事業費が跳ね上がったためです。そのため、建物の規模を当初から約7割にまで縮小せざるを得ませんでした。それでも地元が準備しなければならない額は、9600万円にのぼり、300万円を追加して準備しなければなりません。市長。「地元からの要望」ということで済まされるのですか。見解を伺います。

-村山市長

 昨年の秋、ご地元からの建設要望をお受けいたしました。その後、地元建設期成同盟会の方々と協議検討を重ねた結果、地元負担の見込み額を含めた建設概要に同意をいただきまして、今補正予算の計上に至ったものであります。建築資材の高騰など、昨今の社会経済情勢を受けまして、地元関係者が不安を抱かれることも理解はしております。これから実施設計を進めることとなりますけれども、引き続き丁寧な協議を続けながら、事業を進めていきたいと考えています。

-森尾議員

 イラン戦争に起因する物価高騰、資材費用の値上がりなどによる建設事業費が増額しました。これは、金沢市が全額を負担し、責任を果たすべきじゃないでしょうか。市長の見解を伺います。

-村山市長

 現時点での資材価格等を元に積算した概算額に基づいて、地元の同意をいただき、今補正予算に実施設計費を計上した次第であります。

-森尾議員

 浅野町公民館も浅野町児童館も金沢市立の施設なんです。したがって、その移転整備について金沢市が責任を持って進める事業です。地元は苦悩し不安がつきません。建設事業費がさらに引きあがった場合どうなるのか。地元が準備する金額が300万円の追加にとどまらないのではないか、そうなったらどうするのか。さらに建物の規模を縮小しなければならなくなるのかなど、深刻な事態に直面しています。市長。「地域が一定の負担をしてでも公民館を建ててほしいということから始まった金沢方式によるもの」との説明で市の責任を免れることはできません。少なくとも、物価高騰、資材費用の値上がりなどによる建設事業費の増額は、金沢市が全額を負担し、責任を果たすべきではないかと考えますが、市長の見解を伺います。

-村山市長

 建設事業費が未確定の現段階で、今後の物価高騰等による増額分を想定するということは難しいですが、本事業を進めていくにあたっては建築資材等の物価高騰など、社会経済の変化について注視していく必要があるというように思っております。引き続き、地域の方々と協議を行っていきたいと思います。

-森尾議員

 社会教育法第21条は「公民館は市町村が設置する」と明記されています。この法律に基づいて行政を進めていく責任が市長にあると思います。振り返ってみると、金沢市は公設公営で新たに8ヵ所の公民館建設を打ち出し、野町公民館だけを建設しただけでこの方針を中止しました。これに代わって、地区公民館の建設に当たって公費負担を導入しました。最初は約5割でしたが、毎年公費負担を増額し、9年後には75%まで改善しました。ところが、その後48年間増額が行われてきませんでした。仮に、同じテンポで増額が進めたならば、すでに20年前には公費負担100%が実現されていたはずです。社会教育法に基づき公費負担100%実現を早期に行い、行政としての責任を果たされる決断が必要だと考えます。市長の見解を伺います。

-村山市長

 本市の地区公民館は、多少の地元負担を伴っても校下ごとに公民館がほしいという地域住民の強い要望を受けて設置してまいりました。地域主導、ボランティア、地域による一定の負担といった、金沢の地域コミュニティの特徴と一体となって、地域の自主性や連帯意識の醸成に大きな役割を果たしてきた公民館の設置運営方式、これを本市のまちづくりの文化として継承していくことも行政の責任であると考えております。

-森尾議員

 令和7年11月、市長に提出された「金沢方式あり方懇話会・報告書」の中で、地元負担軽減について次のように述べています。「約40年以上前から大きな変化がない」と指摘し、「過去20年と比較し多額の地元負担が発生する見込みであることから、地元負担を軽減することが必要である」と、こう述べています。市長、昨年公費負担を80%にしました。これをもって金沢市の責任は果たされたという見解ですか。公費負担100%、地元負担ゼロに向けて、その方針を示してこそ、先の指摘を実施したことになるのではありませんか。市長の見解を伺います。

-村山市長

 今ほど申し上げたとおり、地元が費用の一部を負担してでも各地区に設置を望む地域住民の要望を受けて地区公民館を設置した、このことによって現在金沢市では、61の地区公民館が身近なコミュニティ活動の拠点として運営をされております。一方で、地域コミュニティを取り巻く環境の変化を踏まえて、昨年度47年ぶりに施設整備や運営にかかる地元負担の見直しを行ったというところであります。今後もさらなる社会環境の変化等に対応するため、地域の声をお聞きしながら、持続可能なコミュニティを支える基盤の強化に向けて、議論検討を続けていきたいと考えています。

-森尾議員

 物価高騰など社会的な状況が大きな負担を強いることになっています。この事実と現状をしっかり見据えたうえで、市長、これから新たな負担を地元には負わせないように、市として万全の対策をとっていくと約束できませんか。伺います。

-村山市長

 中東情勢に伴う物価高騰について、これは市の方の責務であるということにはならないというように思っています。ただ社会経済情勢を踏まえて対応を考えていくということは、必要なことというように理解しております。補助基準額あるいはその見直しといったところは、鋭意進めていかなければならないというように思っております。

-森尾議員

 沖縄辺野古沖での小型船転覆事故をめぐる文部科学省の見解と平和教育について伺います。今回の事故によって、研修旅行中の高校生と船長がなくなり、高校生たちがけがをされるという重大事故となりました。ご遺族をはじめ関係者の皆様に心から哀悼の意を表し質問いたします。

 今回の事故を受け、去る5月22日、文部科学省は研修旅行の学習内容が教育基本法第14条2項に反するとして学校側を指導しました。教育基本法が禁じているのは、特定政党を支持、または反対するための政治教育や政治的活動であり、極めて限定されるものです。学校で政治教育を行ってはならないというものではありません。この点での教育委員会の見解を伺います。

-野口教育長

 沖縄県辺野古沖での事案に対して、今回国として初めて教育基本法第14条第2項違反との見解を示したことにつきましては、教育行政に携わる者としてこれを真摯に受け止めたいと思っております。なぜ真摯に受け止めたいということに至ったのかということを自分なりに整理してみましたけれども、私事で恐縮ですが、私はこの3月末で教育という仕事に携わって50年という節目を迎えました。この間でありますけれども、教育基本法違反というこうしたものに接したことはなく、今回の事案を教訓にして、同じ悲劇が繰り返されることのないように、安全管理、安全確保の取り組みを徹底することの大切さや、教育基本法、学校指導要領の関係法令に則り、平和に関する学習を行うことの重要性を、教育行政に携わるものとして改めて強く認識したかたちでございます。今お触れになられました、教育基本法第14条第2項の規定につきましては、それをもって政治教育を禁止しているのではないと私も認識しております。

-森尾議員

 教育基本法は、戦前の教育が軍国主義のもとで戦争へ子どもたちを送り出していったことへの深い反省のもとで、自主的で自由闊達な主権者を育てることを目的に制度化されたものです。したがって、現在の教育基本法第1条では「平和で民主的な国家及び社会の形成者として育成する」ことを明記しています。教育長は、教育基本法に基づく教育の目的についてどのような見解か伺います。

-野口教育長

 教育基本法第1条には「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」と記されています。この第1条が示しております人格の完成、また平和で民主的な国家および社会の形成者として必要な資質の育成、心身ともに健康な国民の育成といった教育の目的は、私は戦後教育の原点であると考えておりまして、この考えにつきましては今も全く変わっておりません。

-森尾議員

 そこで、教育内容に対する行政の介入について伺います。歴史を紐解くと、1976年最高裁学力テスト判決では「教育内容に対する国家的介入はできるだけ抑制的であることが要請される」という判決内容が下されました。2006年5月26日、衆議院教育基本法特別委員会において、当時の小坂文部科学大臣は次のように述べています。「私は教育内容に対し国家的な介入については、政党政治ということでありますから、これは抑制的であるべきだというふうに思っております」こう答弁しています。教育基本法第16条は「教育は不当な支配に服することなく、この法律および他の法律の定めるところにより行われるべきもの」と明記しています。教育長は、教育行政にあたって、この点についてどのような見解をもっておられますか。

-野口教育長

 私は、教育の中立性や独立性を定めた教育基本法はもとより、日本国憲法や学校教育法等を遵守し、国や県ならびに市町との適切な役割分担および相互の協力のもとで、地方教育行政の組織および運営に関する法律に則り、公正かつ適正に教育行政を進めてまいりましたし、これからも進めてまいります。

-森尾議員

 そこで、金沢市の平和教育について伺います。8月6日と9日ヒロシマ・ナガサキ原爆投下の日です。8月15日終戦の日です。この日の取り組みを含め、金沢市での平和教育の取り組みについて現状を伺います。

-野口教育長

 私は毎年4月の定例校長会議におきまして、広島や長崎に原爆が投下された日や、終戦を迎えた日、東京や富山に大空襲が行われた日などの節目をきっかけとして、平和や命の尊さについて学ぶ機会を確実に設けるように求めております。各学校におきましては、教科等の学習や学校行事など教育活動全般において、国際社会の平和と発展に貢献する態度が身に付くよう、平和教育を行っております。

-森尾議員

 文部科学省の松本洋平大臣は、去る5月22日記者会見の中で、全国の学校を対象に近く校外活動の安全確保や教育活動の状況についてフォローアップ調査を実施する考えを示しました。元文部科学省事務次官の前川喜平氏は、「文部科学省が個別の学校の、個別の教育活動に直接指導するのは越権行為だ」と指摘をされています。「教育権の独立」は戦後民主教育にとって大切だと、こう述べています。先に紹介したように、文部科学省は教育内容に対し国家的な介入は抑制的であるべきだとの見解を示しています。今回の調査に対し、教育委員会はどのように対応されるか伺います。

-安宅教育委員会事務局長

 現時点では、そのような調査にかかる通知は本市の方に届いておらず、内容についても承知しておりませんが、通知が届き次第、適切に対応してまいりたいと存じます。

-森尾議員

 憲法と教育基本法が掲げる「平和主義」に基づき、教育の実践が行われるよう期待を述べて、質問を終わります。

▲ このページの先頭にもどる

日本共産党中央委員会
「しんぶん赤旗」のご案内
日本共産党石川県委員会
井上さとし(日本共産党参議院議員)
たけだ良介(日本共産党参議院議員)
藤野やすふみ(日本共産党衆議院比例北陸信越ブロック)
金沢市議会のページへ
サイトポリシー
© 2010 - 2026 日本共産党 金沢市議員団