2026年6月議会 連合審査会 山下議員(6月23日)

-山下委員

質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として質問いたします。

ジェンダー平等社会について

本市では今年度、男女共同参画推進行動計画の改定に向けた取り組みが予定されています。日本では、男女雇用機会均等法や男女共同参画社会基本法など法整備が進められてきましたが、ジェンダーギャップ指数は148か国中118位と未だに低位で、とりわけ政治や経済分野での格差が指摘されています。

市長は、20年先、30年先を見据えたまちづくりをすすめるため、未来共創計画を策定しています。そこで、充実期において、ジェンダー平等の視点からどのような施策の充実を図っていくのでしょうか。市長が描く男女共同参画社会とは、どのような社会なのか、お聞かせください。

-村山市長

未来共創計画の充実期におきましては、働きたい女性への職場復帰の支援や、家事についての適切な役割分担の啓発など、仕事と家庭の両立を促進し、性別に関わらず活躍できる環境の整備を図ることとしております。本市では、金沢市男女共同参画推進条例におきまして、すべての人が性別に関わりなく個人として尊重され、家庭生活、地域活動、職場や学校などあらゆる分野において対等な立場で参画し、責任を分かち合う社会を目指すことを掲げておりまして、この実現に向けて各施策を着実に推進していきたいと存じます。

-山下委員

政府は今年3月、第6次男女共同参画基本計画を閣議決定しました。国の基本計画は、自治体が取り組みを進める上での方向性にも影響するものです。その基本計画は、国連女性差別撤廃委員会が日本に対して再三改善を求めてきた、選択的夫婦別姓の導入や長時間労働、男女賃金格差の改善、ハラスメント対策などの課題が十分反映されていないとの指摘もあります。こうした国の計画を、市長はどのように受け止めているか伺います。

-村山市長

国の第6次男女共同参画基本計画では、意思決定過程への女性の参画拡大や、固定的な性別役割分担意識の解消などを取り組むべき事項として掲げております。国際的な流れや社会構造の変化、国民の意識・価値観の動向等も踏まえながら策定されたものと捉えています。なお、この基本計画では、夫婦の氏に関する具体的な制度のあり方については、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえ、さらなる検討を進めるとされております。引き続き注視したいと考えております。

-山下委員

やはり国連から指摘されている課題について、国任せではなくて市民の実態から市が今後どういう計画を作っていくかということが問われるというふうに思います。

男女雇用機会均等法施行から40年が経ちました。女性の就労は、非正規雇用や低賃金などからみられるように未熟な労働者、家計の補助的な担い手というふうに扱われてきました。しかし本来は、一人ひとりが希望する働き方を選択し、経済的に自立できる環境の整備が求められています。 そこで、補正予算の「働きたい女性復帰サポート事業」についてうかがいます。どのような課題を踏まえて実施されるのか、具体的な内容についてもお聞かせください。

-布島商工労働課長

本事業は、子育て中の女性や再度の就業を希望している女性などを対象に、情報不足や時間的制約などにより就業に対して行動に移せていない女性の背中を後押しし、新たな就業機会の創出に繋げることを目的としております。事業の内容といたしましては、女性社員が実際に働いている職場の見学会や、働く女性の生の声を聞く座談会を実施することとしております。

-山下委員

実際に働いている方のお話を伺えることは、貴重な機会だと考えます。ただ、参加する企業が限られてしまうということで、一部の企業だけが注目されてしまうというような可能性もあるのかなと思いますが、そこで、事業の効果をどのように検証し、今後の女性の就労支援策につなげていくのかお聞かせください。

-布島商工労働課長

本事業におきましては、参加者数や就業に至った件数の把握はもちろんのこと、参加者や協力企業に対してアンケートを実施し、これまで業種に持っていたイメージや参加者の業種に対する理解の深まり、就職に対しての気持ちの変化などを調査したいと考えております。これらをもとに企業の女性採用に向けた課題などを整理することで、今後の施策に生かしていきたいと考えております。

-山下委員

就労を希望しながら働くことができない背景には、家事や育児、介護負担の偏りや、保育・学童保育の不足、職場環境など、個人の努力だけでは解決できない課題があります。先日も「小1の壁」に悩む保護者の声を聞きました。下校時間や学童保育の利用時間の制約により、正社員を続けられないかもしれないとの悲痛の声です。退職や非正規労働を選ばざるを得ないケースは少なくありません。そして多くの場合、女性がその対応を迫られます。働く保護者が仕事と子育てを両立できるよう、時短勤務を導入する企業に対して支援を行っている自治体もあります。本市においても、女性が安心して働き続けられる環境づくりに、企業への支援も含めた施策の充実が必要だと考えますが、見解をうかがいます。

-布島商工労働課長

女性社員にとりまして、子どもの小学校進学を機に生じる、いわゆる「小1の壁」や、育児だけに限らず各々の事情に伴い、家庭と仕事の両立のために勤務形態や雇用形態を変更せざるを得ないという問題があることは、十分に承知しているところであります。本市におきましては、子連れ出勤スペースの設置など女性が働きやすい職場環境の整備や、テレワークや時差出勤の導入に対する支援を行っているほか、中小企業が必要な際には専門的知識を持つアドバイザーを派遣し、業務改善や働き方改革を進めており、引き続き女性が働きやすい職場づくりに取り組んでまいります。

-山下委員

女性が安心して働き続けるためには、長時間労働や低賃金の改善、保育園や学童保育・介護サービスの充実など、社会全体の構造的課題の対応も欠かせません。引き続き市として積極的に取り組むことを求めて、つぎの質問に移ります。

包括的性教育について

-山下委員

市職員による性暴力、性犯罪事案が相次ぎ、市長は「高い倫理観を持って公務を遂行し、綱紀粛正を徹底していく」と述べられました。規律も大切ですが、さらに予防も大事だというふうにも思います。性加害については、個人の倫理観だけの問題ではなく、性別による差別意識や権力関係を背景とした支配構造の中で生じる人権侵害だと、専門家は指摘しています。そのうえで、加害者にさせないために、他者の尊厳や対等な人間関係、性的同意の重要性などを学ぶ包括的性教育が重要だと言われています。

今議会で、かがやき発信講座において包括的性教育をテーマにできないか検討するとの方向が示されました。大切なことだと思います。子どもや大切な人を守るためにも、まずは大人が継続的に性と人権について学ぶ機会が必要です。性暴力、性犯罪の予防、そして人権尊重のまちづくりの観点から、包括的性教育の必要性をどのように認識しているのか、市長に伺います。

-南市民局長

市長にお尋ねということでございましたが、まずは私の方から現状についてお話をさせていただきます。まずは委員ご指摘の包括的性教育につきましては、性と生殖に関する知識のみならず、ジェンダー平等や暴力と安全確保等の幅広い内容を含んでおるものでございまして、人権尊重の観点からも大変重要なテーマであると捉えております。本市では性教育に関するオンライン講座などで啓発を行っているところでもございますし、ご指摘のかがやき発信講座などでの普及啓発も検討していきたいと思っております。

-村山市長

ただいま局長から答弁したとおり、重要なテーマだと考えております。

-山下委員

重要なテーマだというふうに答弁いただきましたので、ぜひこの市役所の組織の中でも、社会の中でも、加害者を生まないという社会を作るために、大人が学べる機会を市としても充実させていただきたいと思います。

しかし日本では包括的性教育がなかなか進まず、プレコンセプションケアが推進されている現状です。プレコンセプションケアは、米国疾病管理予防センターが提唱し、WHOが、「妊娠前の女性とカップルに対し、医学的・行動的・社会的な保健介入を行うこと」と定義しました。将来の妊娠の有無にかかわらず、一人ひとりが自分の身体や健康について正しい知識を持ち、主体的な人生の選択ができるよう支援する取り組みとして位置付けられています。一方日本では、こども家庭庁がプレコンセプションケアを所管し、少子化対策との関連の中で推進されています。若い世代に対して、妊娠や出産を前提とした価値観の押しつけにつながるとの懸念も指摘されています。実際に、一部の自治体が啓発冊子のなかで「卵子の老化」を強調したり、男性には肉食化を勧めるような不適切な表現が用いられ、物議をかもしました。本市においては、こどもまんなか未来プランの基本施策「こどもを持ちたい家庭への支援」のなかでプレコンセプションケアが計画されています。国の推進5か年計画では、人権的アプローチや包括的性教育を踏まえた取り組みが重要だとあります。こうした点を踏まえ、本市は、プレコンセプションケアの目的をどのように位置づけているのか伺います。

-山口福祉健康局長

国のプレコンセプションケア推進5か年計画の中に、包括的性教育の仕組みを参考とすることと記述があることは承知しております。従いまして、プレコンセプションケアは、身体や生殖の仕組みだけではなく、性の多様性など様々な価値観があることを踏まえて推進すべきものというふうに認識しております。そのうえで、性別を問わず若い世代から性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠・出産を含めた健康管理を通して、生涯に渡る健康な暮らしの実現に繋げていくことを目的としております。

-山下委員

今、局長から答弁があったように、本来プレコンセプションケアは、性と生殖に関する健康と権利の視点に基づく取り組みです。しかしその内容が「健康な妊娠、出産」や「リスクの回避」といった啓発になれば、結果として障害や疾患のある方への価値判断や選別につながりかねません。さらに、妊娠や出産に関する結果を、個人の努力や準備不足として捉えられ、自己責任を強める危険性もあります。こうした懸念をどのように認識し事業を行うのか伺います。

-山口福祉健康局長

プレコンセプションケアですけれども、今ほど答弁しましたけれども、あくまでも性別を問わず若い世代から性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠・出産を含めた健康管理を通して、生涯に渡る健康な暮らしの実現に繋げていくことを目的としております。一方で、ご指摘されたような様々な懸念が示されていることも承知しております。多様な意見があることを踏まえまして、事業を推進していきたいと考えております。

-山下委員

性教育に携わる助産師からは「妊娠や出産を前提とした話ではなく、あなた自身の人生と健康について考える機会であることを伝えたい」「自治体には包括的性教育を推進してほしい」という声をうかがっています。プレコンセプションケアは少子化対策のためではなく、一人ひとりがありのままの自分で人生を選択し、幸せに生きていくための人権施策として位置づけるべきだと考えますが、見解をうかがいます。

-村山市長

当然、個人それぞれが持つ価値観については尊重されるべきであると考えております。そのうえで、性別を問わず若い世代から性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠・出産を含めた健康管理を通して、生涯に渡る健康な暮らしの実現に繋げていくということを目的として、プレコンセプションケアを推進していきたいと考えております。

-山下委員

ぜひ、そのことを守っていただきたいと思います。行政が行う事業がやはりこの結婚や出産を押し付けるようなことがあってはならないというふうに思います。多様な性のあり方、多様な人生の選択を尊重するものであることを、改めて強く求めて次に移ります。

空き家対策について

-山下委員

能登半島地震では、管理不全の空き家が倒壊し道路をふさぐなど、地域の安全確保や復旧活動にも影響を及ぼしました。空き家対策は防災・減災の観点からも重要な課題です。私も地域を歩きながら困りごとや気になることなど伺っていますが、除排雪や道路問題に続いて多いのが、空き家に関する相談です。「隣の空き家の草木が伸びて困っている」「動物が出入りしている」「所有者がわからない」など、すでに町会から市へ相談を出しているケースもあれば、どこへ相談してよいかわからないまま不安を抱えている住民も少なくありません。

空き家は突然発生するものではなく、住んでいた方の施設入所や転居、相続、家族間の調整など、さまざまな事情があり、結果として管理が難しい状態になるという複雑な経過があります。危険な状態になってから対応するのではなく、早期の把握と予防的な支援が重要だと考えます。今年度、危険空き家の現状を調査する事業が盛り込まれました。今回の調査はどのような内容で実施するのか、また調査結果を今後どのように活かしていくのか、お聞かせください。

-高木都市整備局長

今年度は、市が主体となって危険な空き家を把握するため、空き家等管理・活用計画の中で空き家対策を優先的に取り組む区域として位置付けているまちなか区域におきまして、管理が行き届いていない空き家の状態を把握することとしております。現在、個別の空き家調査を行っている金沢市シルバー人材センターに委託をして、約1,000軒を対象に、外観から建物の劣化や草木の繁茂等の状況を目視で確認をして、写真撮影や調査票の記入を行うものでございます。この調査結果を元に、屋根の破損や外壁の剥落、建物の傾き等に応じて空き家の危険度を点数化していきます。このうち、管理不全空き家または特定空き家の基準に達した建物につきましては、金沢市空き家等管理・活用推進協議会の特定空家専門部会における協議を経て認定する予定でございまして、所有者に対して改善に向けた助言や指導を行ってまいります。またこの調査を通して、保安・衛生・景観・生活環境など、様々な観点から確認した現況を庁内関係部局と共有することで、引き続き危険な空き家の解消に努めていきたいと考えております。

-山下委員

今補正予算には、空き家の管理費に対する助成支援が盛り込まれました。市が発行する空き家パンフレットにも、適切な管理の重要性が示されています。この制度を設けた理由と、どのような目的ですすめられるのか伺います。

-新保建築指導課長

令和5年に行われた住宅土地統計調査の結果によると、本市の空家数は前回の調査より増加に転じており、今後さらに増加が見込まれ、適正な管理が行われない管理不全空き家や、特定空き家の増加も懸念されております。そのため、空き家の所有者に対して点検・除草などを業者に委託する費用の一部を支援し、適正な管理を促す補助制度を今議会にお諮りしているものでございます。また、空き家の管理を通じて売却や賃貸、解体など空き家を今後どうするか、所有者の方に考えていただくことも期待するものでございます。

-山下委員

制度を設けるだけでなく、実際に必要な方に活用してもらうことが重要です。所有者や地域住民に対して、どのような周知や働きかけを行っていくのか伺います。

-新保建築指導課長

周知の方法は、市ホームページやSNSでの発信や町会を通じた班回覧、かがやき発信講座の受講者や福祉関係団体への説明のほか、空き家の相談を受けることの多い空家等管理活用支援法人や不動産業界団体を通じた周知を予定しております。

-山下委員

支援制度が積極的に活用されて、管理不全空き家の予防に繋がることを期待しています。

公共交通について

-山下議員

近年、人口減少や高齢化に加え、運転手不足の深刻化などにより、地域公共交通をとりまく環境は厳しさを増しています。一方で、市民にとって通学や通勤、通院、買い物などの日常的な移動手段を確保することは、行政の重要な責務であり、国においても「交通空白」の解消に向けた取り組みが進められているところです。

そこでふらっとバスについて伺います。ふらっとバスは運行開始以来、市民の身近な移動手段として利用されてきました。当時、どのような課題や市民ニーズがあり、どのような役割を担う交通手段として導入されたのか、改めてお聞かせください。

-高田交通政策課長

本市のまちなかには細街路や坂道が多く、大型の路線バスが通行できない公共交通不便地域が存在していたことから、こうした地域の高齢者をはじめとした市民の移動手段を確保するとともに、中心市街地の活性化を図ることを目的として運行を開始したものでございます。

-山下委員

当時と比べて高齢化は進み、移動に不安を抱える市民は増えています。こうしたなかで、ふらっとバスのような福祉的な役割を担う移動手段を求める声は、市内各地で高まっています。策定を進める第4次交通戦略においても、交通空白の解消や移動困難者への対応を重要な柱として位置づける必要があると考えます。今年度、菊川、材木ルートについては、地域住民とともに今後のあり方を検討していくということです。やはり公共交通の利用と利便性を高めるためには、住民とともに取り組みを進めていくということが重要だと考えます。第4次交通戦略において、こうした市民ニーズをどのように反映していくのか伺います。

-高田交通政策課長

次期金沢交通戦略の策定にあたりましては、分科会を設置いたしまして検討を進めることとしております。委員には交通事業者や観光の関係者のほか、各種市民団体からも参画をいただく予定といたしております。加えて、これまでと同様に戦略策定時にはパブリックコメントの方を実施いたしまして、広く市民の意見を伺いたいというふうに思っております。

-山下委員

各地域によって公共交通の要望というのはかなり差があるというふうに思います。今このふらっとバスの件で、地域にかなり丁寧に入って検討するということがありますから、戦略を立てるうえでもやはりもう少しコンパクトな地域に絞ってニーズを汲み取っていただきたいというふうに思います。

今年度から次期石川中央都市圏地域公共交通計画の策定に着手するとのことです。現計画では、広域的公共交通網の構築に、コミュニティバスの相互乗り入れが位置付けられ、白山市と野々市市では相互乗り入れが継続されています。こうした広域連携の取り組みが進められるなか、地域の生活圏の実態に目を向けると、額・四十万地域では、買い物や通院などで野々市市方面へ移動する市民も多く、地域からは「のっティ」の乗り入れを求める声も寄せられています。現行の運行形態では、周回時間や費用負担などの課題があるとも聞いていますが、生活圏の実態をふまえ、「のっティ」の南部地域への乗り入れについて、野々市市と改めて協議を進めてはどうか、見解を伺います。

-本島都市政策局長

現計画におきましては、石川中央都市圏内をスムーズに移動できる公共交通サービスの実現や、広域的な公共交通網の構築を目指し、4市2町が連携して様々な交通課題の解決に取り組んでいるところでございます。お尋ねの野々市市のコミュニティバスである「のっティ」の本市への乗り入れにつきましては、ルートを延伸した場合、今委員ご指摘の通り、1周当たりの所要時間が長くなることや、利便性の低下に繋がるなど課題も多いと認識しております。次期計画の策定にあたりましては、コミュニティバスを含めた各種交通課題について関係市町と協議していきたいと考えております。

-山下委員

課題が多いのは十分承知をしております。ただ、公共交通は市民の暮らしを支える基盤ですので、ぜひこの知見を結集して取り組むようお願いいたします。

教育プラザ富樫の分離移転整備について

-山下委員

次の質問です。私たち会派はこれまでも、教育プラザ富樫の整備について、市民や利用者への十分な説明や合意がないまま、移転ありきで進めることは重大な問題だと指摘をしてきました。4月に報告された、庁内横断プロジェクトチームによる必要な機能等に係る検討調査結果では、教育プラザ富樫は、学校教育センター、幼児教育センターは三馬小跡地に移転し、こども相談センターは現状のまま活用する分離移転が示されました。まずは、この理由を明らかにしてください。

-佐野企画調整課長

昨年度、教育プラザ富樫の移転を見据えまして、改めて教育プラザ富樫の有する機能や各建物の現状などをより詳細に調査・分類するとともに、それぞれの事務を所管する担当課と意見を交わし検討した結果、児童相談所機能が入る5号館6号館はいずれも建物の建築年次が浅いということから移転せず、現状の建物を活用することが望ましいと結論付けたものであります。

-山下委員

昨年12月議会で教育次長は、再整備事業について「学校教育センター、こども相談センター、幼児教育センターの3つの部署が密接に連携し、新たな研修や相談体制の強化を図ること、施設利用者の目線から利便性を確保することなど、再整備にあたって意見を述べた」と答弁しています。教育プラザ富樫を利用する保護者からは「育児や教育で困ったときの拠り所になっている、子育ての拠点施設として現地で一体的にあり続けてほしい、自然豊かな環境なので気持ちも落ち着く」などの声が寄せられています。分離移転という調査結果は、これまでの教育委員会の意見や利用者の声を踏まえたときに、整合性のあるものと言えますか。見解をうかがいます。

-熊谷教育プラザ総括施設長

昨年度開催されました庁内横断プロジェクトチームにおきまして、不登校や不適応、発達障害への対応に関してあくまでも機能面で学校教育センター、こども相談センター、幼児教育センターの連携が引き続き重要であると、教育委員会としての意見を述べたものでございます。児童相談所機能を残し、他の機能が移転したといたしましても、これまで同様に教育委員会とこども未来局、福祉健康局が連携し、ひとりの子どもの成長を見守るために、合同でのケース会議や症例検討等を行っていくことは重要でありまして、3つのセンターの密接な連携は必要不可欠なことから、昨年12月の答弁との整合性は保たれていると考えております。

-山下委員

教育プラザ富樫は「金沢こども条例」の理念のもと、子どもの育ちを支える拠点として設置された施設です。補正予算には「こども未来拠点施設整備基本構想策定費」が計上され、多世代交流機能を付加した施設整備が示されています。この多世代交流機能とは、どのような考え方に基づき整備されるのか伺います。

-佐野企画調整課長

先程も答弁いたしましたけれども、昨年度の機能検討調査におきまして、教育プラザ富樫で現在行われている活動のうち、子どもの健全な育成を図るための各種団体の活動の場、それから子どもの遊び場としての機能、こちらにつきましては新たな拠点施設においても必要と結論付けたところであります。また、地元からの多世代が集える施設の要望も踏まえまして、これらの機能の複合を見据えながら、新たに子どもからお年寄りまで交流できる多世代交流機能の付加を検討すべきということとしたところであります。詳細につきましては今年度策定いたします基本構想の中で検討していくこととしております。

-山下委員

「金沢こども条例」には、子どもの育成に関わる市の責務が定められています。「市は、策定する施策に市民の意見を十分に反映させるよう努め、市民の理解と協力を得るよう努めなければならない」とあります。しかしこの間の南部地区教育・福祉施設再整備事業において、幅広い市民の意見、とりわけ教育プラザ富樫を利用する市民の意見が、十分に反映されてきたとは言えません。今後、基本構想を策定するにあたり、年間10万人をこえる利用者や市民の意見をどのように反映していくのか、明らかにしてください。あわせて市民・利用者アンケートの実施、公募委員を含めた検討体制を求めますが、見解をうかがいます。

-木谷こども未来局長

基本構想策定に向けた検討懇話会のメンバーとして、保育や教育の分野における有識者や地元関係者に加えまして、施設を利用する子育て支援関係者や学生等の参画も予定しております。幅広い分野からご意見をいただくことといたしております。また教育プラザ富樫では、日頃から不登校支援を行っている「そだち」教室であったり、また子育て広場などの利用者と接する中で様々なご意見をお聞きしておりまして、こうした声についても基本構想の中に反映させてまいります。

-山下委員

ぜひ市民や利用者のアンケートを行っていただきたいと思います。

これまでの議事録を確認すると、地域住民の要望は、旧郵政跡地を活用した、三馬小学校、三馬保育所、三馬公民館の整備でした。しかしその後の議論の中で、教育プラザ富樫が再整備に組み込まれ、市民の声も聞かずに事業が進んでいます。新たな施設をつくるために既存施設を壊すのではなく、その施設の価値を生かしながら機能を高めていくことが求められる時代です。教育プラザ富樫については、分離移転ではなく、現地での再整備に方向転換するよう改めて求めますが、見解をうかがいます。

-本島都市政策局長

教育プラザ富樫の施設全般が老朽化しておりまして、将来的な更新が避けられない中で、不登校や不適応、発達障害な細心の配慮が必要な児童・生徒の通所ケアを行っております。現地で建て替える場合はこれらの児童・生徒が毎日過ごす環境への影響を配慮いたしますと、現地建て替えは困難であると判断し、令和7年2月に策定をいたしました南部地区教育・福祉施設再整備基本構想において三馬小学校移転後の跡地に移転整備することとしたものでございます。今後地元の方はもとより、子育て世代や教育関係者等の意見もお聞きしながら、年度内に新たな施設の基本構想を取りまとめたいと思っておりまして、三馬保育所と教育プラザ富樫の移転とともに、子育て支援や幼保小連携等の機能強化を図りつつ、多世代交流の機能も兼ね備えた拠点施設の整備を目指してまいります。

-山下委員

意見を聞くということはこの間も答弁の中にありましたけれども、本当に利用者は何も聞かれていない状況です。基本構想の中でしっかり聞くように求めます。

生活保護費引き下げ訴訟にかかる追加給付について

-山下委員

最後の質問です。2013年から開始された生活保護費基準引き下げについて、最高裁が違法であると判決を出しました。国は違法に減額された分について追加支給をするということで、本市においても先日の市民福祉常任委員会で報告がありました。なにより重要なのは、対象となるすべての方に確実に給付が届くことです。制度を知らないまま取り残される方が生じないよう、本市としてどのような姿勢で取り組むのか伺います。

-太田福祉健康局次長

生活保護費引き下げ訴訟にかかる追加給付につきましては、生活保護受給中の世帯は今月よりプッシュ型で支給を行い、生活保護廃止済みの世帯は、今後国から示されるスケジュールにより申請受付を行い、支給することとしております。給付対象世帯に確実に支給するためには、広報による幅広い周知が必要であると考えており、本市として国と連携しながら丁寧な情報提供に努め、法定受託者として適切に給付手続きを進めてまいりたいと考えております。

-山下委員

そのうえで、今回は単なる給付事務ではなく、生活保護利用者の権利回復に関わる重要な問題です。生活保護は、憲法が保障する生存権に基づく権利であって、基準引き下げは違法と判断されたわけです。しかし今回の給付は、違法とされた減額分の全額回復には至っていません。市長は今回の国の対応について、生活保護利用者の権利回復がなされていると考えているのか、伺います。

-村山市長

追加給付につきましては国に権限があります。本市は法定受託者として国の決定に基づいて、必要な支給手続きを執行する立場であると考えています。

-山下委員

権利回復がされているのかというふうにお聞きをしています。

追加給付の内容に対して今、全国で審査請求が行われています。石川県の原告も提出しています。しかし審査請求や裁判が続けば、権利回復は一層遅れることになります。長年にわたり苦しい生活を強いられてきた方々の生活再建と権利回復のためにも、市として国に対し全額補償を強く求めるべきではないでしょうか。見解をうかがいます。

-村山市長

今回の追加給付につきましては、原告にのみ追加給付とは別に特別給付金を支給すると国が判断したところであります。国に対し、すべての受給者に全額補償を求めることは考えてはおりません。本市としては、対象の方々へ追加給付が確実に支給されるよう努めてまいります。

-山下委員

人間らしく生きたいという原告の声に対して、ぜひ市としても全額補償を強く求めると答弁してほしかったです。

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