2026年9月議会 森尾嘉昭 一般質問(9月9日)

-森尾議員

質問に先立ち、熊本地震や水害による被害を受けた方々をはじめ、関係者にこころよりお見舞い申し上げます。

私は、日本共産党市議員団の最初の質問者として以下の質問を行います。

最初に、市民生活と営業をめぐる状況についてです。9月から値上げされた飲食料品が4923品目に上り、市民生活を直撃しています。資材高騰や石油関連製品などの値上がりが地域経済と営業に深刻な影響をもたらしています。市長は、こうした状況をどのように受け止めておられるのか、対策を打ち出されたのか、伺います。

-村山市長

中東情勢の不安定化、またエネルギー価格をはじめとする物価高騰の影響などから、景気の先行きに不透明な状況が続いております。このことが市民生活、また地域経済にも影響を及ぼしているものと認識しております。そのため本市といたしましては、地域経済や市民生活に支障が生じないよう、先の6月補正予算では国の交付金を活用いたしまして、エネルギー価格等の高騰による影響を強く受ける中小企業や福祉施設、低所得世帯への支援を盛り込んだ緊急所要の経費を追加いたしましたほか、今議会におきましても、中小事業者等への仕事出しに繋がる公共事業費を追加するなど、地域経済の活性化になし得る最善を尽くしております。

-森尾議員

物価高騰対策について伺います。羽咋市が全市民に1人当たり5千円の商品券を配布するとの方針を打ち出しました。国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用して、昨年1人当たり1万円の支給に続く対応です。小松市では5千円相当の独自のマイナポイントを市民に付与するなど支援が行われています。市長は、全市民に対する物価高騰対策を行う考えはありませんか。具体的には、今年3月から8月まで実施した水道基本料金無料化を再度実施する考えはないか、伺います。

-村山市長

物価高騰対策に対する各市町の対応の状況というのはそれぞれ、その自治体の事情を判断した中で行われているものというように判断をしております。そして今、具体的なご提案がございました水道基本料金の減免につきましては、国の重点支援地方交付金に加えまして、県から市町向けの支援金を活用してこれまで実施したものであります。財源に限りがある中で多額の財政需要が見込まれるすべての市民に対する水道基本料金の減免、これを市独自で延長することは難しいと考えておりますが、先の6月補正予算で措置をいたしました、低所得世帯向けの夏季光熱費の一部を支援する現金給付の長期実施について、進めていきたいと存じます。

-森尾議員

中小企業に対する支援について伺います。緊急の対策として、家賃やリース料金への支援、さらには電気・ガス料金に対する補助を行うなど、市内の中小企業の現状を把握し、要望をお聞きするアンケートを実施する考えはないか伺います。

-村山市長

現在、中東情勢の影響を受ける中小企業等の資金繰り支援、これに加えまして人材確保に向けた若年労働者の賃金引上げ、また生産性向上に資する先端設備の導入に対する助成金の交付に、鋭意取り組んでいるところであります。また加えまして、県と歩調を合わせまして中小企業等に対する夏季の電気料金等の助成についても、速やかに手続きを進めることとしておりまして、まずは6月議会でお認めいただきましたこの予算の執行に万全を期してまいりたいと存じます。市内の中小企業者等の経営状況につきましては、商工会議所をはじめとする経済団体からの意見聴取、また本庁舎に設置しております中小企業向けの特別相談窓口などを通じまして、現状把握に努めているところでありまして、現時点でアンケート調査を実施するまでは考えておりませんけれども、引き続きあらゆる機会をとらえて、地域経済の動向を注視していきたいと考えております。

-森尾議員

高市内閣が打ち出した消費税減税について伺います。来年4月から消費税の食料品8%を1%へ、2年間限定で実施するとしています。物価高騰対策にはならない、2年後には8%へ戻るとしたら大幅な増税となってしまう、実施するための財源をどうするのか、さまざまな問題が指摘されています。そして地方自治体にとっても、消費税減税に伴う財源の減収が予想されます。金沢市への影響額はどの程度か。その確保について見解を伺います。

-村山市長

県が公表した数値をもとに、飲食料品にかかる消費税率引き下げの影響額を試算いたしましたところ、通年ベースですが、地方消費税交付金が約19億円、地方交付税も約5億円の減収見込みとなりまして、本市の財政運営にも大きな影響を及ぼすものと捉えています。国に対しましては、地方の行財政運営に支障を来すことがないよう、国の責任において代替となる財源を確実に確保してもらうことを、市長会などを通じて強く要望してまいります。

-森尾議員

この項の最後に、高市内閣の暴走する政治にどう向き合うのか伺います。高市首相は、憲法9条の改正を掲げ、非核三原則をも見直そうとしています。すでに海外への武器輸出禁止を投げ捨て、戦争する国づくりへと突き進んでいます。来年度国の概算要求において、防衛費が過去最大の8兆8908億円にのぼっています。さらに、年末の安保3文書改定をにらみ、金額を示さない「事項決定」が盛り込まれ、防衛費は10兆円を超えるとされています。アメリカ・トランプ大統領は日本に対し、国民総生産・GDP比3.5%の防衛費を求めており、その規模は24兆円にも急増することになります。高市政権が進める戦争する国づくりに対し、戦争反対・平和と国民生活守れの声が全国に広がっています。市長は、高市内閣の暴走する政治にどう向き合うのか。見解を伺います。

-村山市長

外交や防衛面を含めた安全保障体制の強化については、我が国の安全と、国民の生命・財産を守るため、政府が責任を持って国会の場で十分な議論を尽くすべきものと考えております。一方で人口減少、少子高齢化や地球温暖化への対応、国土強靭化や長引く物価高騰の対策、地方創生の推進など、国・地方が抱える共通の課題であります。こちらについては本市としては国と歩調を合わせまして、地域の実情に即した施策を積極的に展開していくことが重要であると考えております。

-森尾議員

質問の第2に、水道料金の引き上げについて伺います。市長はこの議会の提案説明の中で、水道事業について「明年度より赤字に転じる見通し」だとして、「水道料金の引き上げについて判断」との表明がありました。市民からは「値上げラッシュで生活が大変なのに、水道料金まで引き上げなのか」と驚きと悲鳴の声があがっています。「赤字だから、料金引き上げ」これでは政治の責任は果たせません。やるべきことがあります。安くておいしい自己水を基本とする水道行政に転換することです。料金の値上げどころか、料金を引き下げることができます。市長。水道料金の引き上げはやめるべきです。見解を伺います。

-村山市長

地方公営企業であります水道事業につきましては、経済性の観点から、経営の効率化を十分行ったうえで、料金改定について検討することが基本であると考えています。企業局ではこの4年間で、2億7千万円の経費を削減し、経営の効率化に努めてまいりましたが、それでもなお物価や人件費、支払い利率の上昇などによって、来年度の赤字が避けられないという状況になりました。そうしたことから今回の、企業局経営審議会への諮問に至ったと報告を受けております。審議会の委員の皆さま方には、市民生活への影響にも十分配慮しながら、将来にわたり水道事業を維持していくため、広範かつ専門的見地からご審議をお願いしたいと考えています。

-森尾議員

公営企業管理者に伺います。年間の県水受水費は24億5472万円にも上り、年間総費用の3割となっています。一方、安くておいしい自己水が20万5千トン配水可能であるにもかかわらず、3割程度しか利用していません。自己水の単価に比べ3倍も高い県水を受け入れ、安くておいしい自己水を利用しないのか。市民にどのように説明されるのか伺います。

-松田公営企業管理者

夏季の渇水対策や災害発生時のことを考えますと、県水は水道の安定供給に必要だと考えております。その一方で、責任水量制が自己水の柔軟な活用に影響を及ぼすとともに、財政の硬直化を招きかねない構造的な課題を有しておりますことから、これまでも受水単価と責任水量の引き下げを、県水を受水している他の市町とともに要望しておりますほか、石川県市長会を通じても要望するなど、様々な機会をとらえて県に要望しているところでございます。その結果これまでに受水単価の引き下げを2回、責任水量の引き下げを1回、協定水量の段階的な引き上げの凍結を6回実現しております。

-森尾議員

令和7年度決算において、監査委員の意見書の中で県水受水費について次のように述べています。「費用に占める割合が高いことから、引き続き様々な機会を通じて県に対して受水単価及び責任水量の引き下げを働きかけられたい」と述べています。公営企業管理者はどのように受け止められ、解決に向けた取り組みをされるのか伺います。

-松田公営企業管理者

繰り返しになりますが、これまでも県水を受水している他の市町とともに要望しておりますほか、石川県市長会を通じても要望するなど、様々な機会をとらえて県に受水単価と責任水量の引き下げを要望しております。引き続き様々な機会を通じて県に要望してまいります。

-森尾議員

では伺います。去る8月4日第1回金沢市企業局経営審議会が開かれました。その諮問事項は「持続可能な水道事業運営と適正な料金水準について」としています。報告の中に水道事業における課題と題して資料が作られています。ところが、県水受水については全く触れられていません。公営企業管理者に伺いますが、県水受水問題は水道事業における課題とはならない、こう考えていらっしゃるのですか。

-松田公営企業管理者

水道事業では、主に高度経済成長期に整備された管路の更新や、令和6年能登半島地震の被害状況を踏まえた地震対策のさらなる強化に加え、中長期的には浄水場の改築工事も必要となってまいります。こうした課題に適切に対応し、持続可能な水道事業運営を実現していくうえで、不断の経営効率化に努めることが企業局の責務であり、水道事業においてこの4年間で2億7千万円の経費を削減してまいりました。引き続き、持続可能な事業運営の実現に向けた取り組みを進めてまいります。

-森尾議員

答えていません!金沢市は県水受水契約を昭和54年11月に交わし、翌年度から10年間で19万5千トンの県水を受け入れることとなりました。あまりにも膨大な契約水量であることから、この間8回の変更をしてきました。責任水量制について、当初契約水量の7割でしたが現在6割となりました。しかし、この責任水量制が金沢市の水道行政に重くのしかかり、安くておいしい自己水をどんどん減らさざるを得なくなりました。年間の県水受水費は24億5472万円、県に支払っています。これが会計上大きな負担となっています。公営企業管理者はどのように受け止めていますか。水道行政を進めていくうえで、この県水問題は避けて通れないと考えますがいかがですか。

-松田公営企業管理者

繰り返しになりますけれども、これまでも県水を受水している他の市町とともに要望しております。石川県市長会を通じても要望するなど、様々な機会をとらえて県に受水単価と責任水量の引き下げを要望しております。

-森尾議員

現在の県水受水量は1日最大11万3220㎥であり、その契約水量が10年間延長されました。では、責任水量制によって膨大な県水を受け入れ、安くておいしい自己水を3割程度しか使わない現状は変わりません。これからも10年間、県水受水費として年間約24.5億円を支払い続けるというおつもりですか。見解を伺います。

-村山市長

県水の方との契約というところは確かにあるというように思います。そうした中で今回の審議会の中では、県との間の関係ということでお諮りがなされなかったものかというように思いますけれども、市としてはこのことを大きな課題だというように捉えております。県に対しては要望を続けていきたいと考えています。

-森尾議員

公営企業管理者に伺って市長が答弁されたようですが、じゃあ市長に最後に伺います。私の問いに、水道料金の引き上げはやめるべきだという質問にはまともに答えない。私は、自己水を基本とする水道行政に転換する必要がある、こう指摘をしました。自己水の3倍も高い県水を膨大に受け入れて、安くておいしい自己水を3割しか使わない。あまりにも不合理です。この問題を解決せずして、市民に水道料金の引き上げを押し付けるのは理解しがたいです。市民は納得しません。改めて、水道料金の引き上げはやらないと、市長の見解を求めたいと思います。

-村山市長

県水については、県内の市町村の水の需要の高まりと、地盤沈下あるいは地下水枯渇への不安から、昭和47年、本市を含めた13市町村から県に対して水源確保を要望して整備されてきた、そうした経緯があります。これによって夏季の渇水による給水制限が解消されることなど、県水を含めた3つの水源を確保することで、本市水道の安定供給が確保されているというように考えております。こちらから要望して整備をしていただいたものについて、要らなくなったから要りませんということ、それは責任水量という制度が設けられることの発端になったことなのかなというようにも想定しております。この責任水量については、自己水の柔軟な活用に影響を及ぼす、また財政の硬直化を招きかねない構造的な課題があるともとらえております。そうしたことから、安定的な3つの水源を確保していく中で、この責任水量の割合が高くなってきた、そうしたことを課題ととらえて、先月の石川県市長会で私から直接山野知事に対して受水負担の軽減を求めたところであります。水道料金につきましては現在、水道局経営審議会におきまして持続可能な水道事業運営と適正な料金水準についてということで審議が進められているところであります。今後その答申を踏まえて、適切に判断していきたいと考えております。

-森尾議員

市長は46万市民を代表する市長なんですから、市民の利益にとっていかなる対策をとるべきかっていうのを考えなきゃいけないんですよ。自己水の3倍も高い県水を膨大に受け入れて、安くておいしい自己水を3割しか使わない。そして、会計上に赤字が生じる可能性があるからと言って市民に水道料金の引き上げを押し付ける。到底、理解できないですよ。値上げをしない方策と対策をとるのが、あなたの責任じゃないですか。もう一度答弁をお願いします。

-村山市長

先程申し上げた通り、夏の渇水による給水制限が解消されることなどの、県水を用いることの利点もあるというところはご承知おきいただきたいというように思っております。その中で、責任水量が指定されているということが過度な負担になっている、そのことについては県知事に対して要望しているということであります。これから価格改定については審議会の方で検討されておりますので、それを踏まえて判断していきたいと考えております。

-森尾議員

質問の第3に、熊本地震から金沢市としていかすべき点について伺います。小中学校体育館におけるエアコン整備について、早急に進める対策と方針をとるよう求めたいと思います。今回の補正予算において、PFI手法、いわゆる民間企業を活用して整備する方針を打ち出しました。その内容は、3年間で整備し、維持管理を含めて16年間の契約で、その費用は186億円との内容です。果たして学校施設整備にPFI手法がふさわしいのか、伺いたいと思います。第1は、学校施設が将来にわたって固定化されるのか。契約期間である16年間変わることなく施設が存在されるのですか。施設の改善や建て替えもありえます。教育委員会は統廃合を進めて来ていることから、学校そのものがなくなるということも予想されます。この点について、見解を伺います。

-安宅教育委員会事務局長

本事業にかかります実施方針、および同時に公表しました要求水準書におきましては、施設の改修や建て替えなどを想定した空調設備の移設業務も記載しておりまして、本市が指定する保管場所に一旦移設し、適切に維持管理を行うことで、改修や建て替え後の体育館で引き続き、今回設置した空調設備を活用することを想定しております。なお、学校の統廃合によりまして体育館が学校施設として利用されなくなった場合でも、引き続き地域開放や避難所として利用されることから、今回設置します空調設備は活用されるものと考えております。

-森尾議員

第2の問題は、整備期間が3年間です。この期間に資材の高騰も起こりえます。機材・器具の更新が起こります。維持管理期間が15年間に及びます。故障なども発生します。予想しがたい費用の発生が起こります。そのたびに、民間事業者から費用の追加が予想されます。子どもたちの安全を最優先して確保しなければならない学校施設が、民間企業に任される事態になりませんか。さらに災害発生の際の避難所の重要な施設が民間任せという事態では、市民のいのちに関わることだけに行政の責任が問われます。学校施設整備さらにその維持管理に直接行政が責任を果たす必要があると考えますが、この点は市長はどう考えますか。

-村山市長

本事業におきます実施方針におきまして、事業者との間の様々なリスク分担を設定しております。当該リスクを最もよく管理できる主体がリスクを適正に分担するということで、より低廉で質の高いサービスの提供ができること、これを基本的な考え方としております。さらに事業期間にわたりまして、事業の公共性・安定性・持続性を担保するため、事業者が提供する公共サービス水準をモニタリングすることとしております。屋内運動場等空調設備の整備と維持管理に民間活力を活用しながらも、本市職員等によるモニタリングを通じて本市がしっかりと責任を果たしてまいります。

-森尾議員

次に、活断層への対策について伺います。今回の熊本地震は、日奈久(ひなぐ)断層が動いて起きたというふうに指摘をされています。断層のずれが表に現れ、それに沿うように被害が集中しました。南九州自動車道に大きな損傷を引き起こしたのは、直下を走る活断層がずれたことによると指摘されています。活断層の上にあった学校施設などに被害が集中しました。地震発生が高いとされるSランク活断層の一つが森本富樫断層です。市長は、金沢市内に存在する森本富樫活断層に対する対策についてどう考えておられますか、伺います。

-村山市長

森本富樫断層帯では、最大震度7の地震が発生した場合、本市の被害状況については建物被害が6万棟におよび、死者は関連死も含め2千人を超える他、最大で12万6千人が帰宅困難者となるなど、極めて憂慮すべき被害予想がされております。被害を最小限に抑えるべく、事前防災に万全を期す必要があると考えております。本年5月には、地域防災計画の第2次改定を行いまして、スフィア基準に合わせた避難所のあり方、また備蓄計画を見直すとともに、孤立集落対策や帰宅困難者対策など課題への対応、また届出避難所制度の創設や防災倉庫の配置の見直しなどに取り組むこととしております。このほか、建物倒壊による道路閉塞を防止するための無電柱化、また緊急輸送道路沿線をはじめ、建築物やライフラインの耐震化など、ハード・ソフト両面での対策を進めているところであります。

-森尾議員

兵庫県西宮市では、活断層の影響を受ける恐れのある地域での建物建設に対して調査報告を求めています。神奈川県横須賀市では、活断層の上では建築物の壁面規制として活断層の中心から両わき25mずつには建築物は建てられません。金沢市として、森本富樫活断層への対策として何らかの方針を打ち出す必要があるのではないかと考えますが、市長の見解を伺います。

-村山市長

ご指摘をいただきました一部の自治体などで条例などによって活断層を踏まえた建築制限を課していることは承知をしております。一方で、こちらについては財産権の制限にもつながりますので、慎重に検討すべきこととも捉えております。加えまして、地層や地質が一様でない森本富樫断層帯におきまして、地震の影響を想定した規制範囲の設定というのは困難でございますので、現時点では課題が大きいと捉えております。なお、能登半島地震における建築物被害に関する国の報告書において、具体的な建築物の耐震性の確保、向上方策について検討する、という旨が示されております。先般の熊本地震の被害も踏まえた今後の国の動向を注視していきたいと考えております。

-森尾議員

金沢市中心部における多機能ホール構想が議論され、市長ご自身も発言されました。先日行われた企画の中で市長は、自ら体験されたとしている香川県立アリーナを引き合いに「多機能ホールはまちなかに必要な施設」だと発言されました。そこで、私は先日、香川県立アリーナを視察してきました。202億円を投じた香川県立アリーナは、高松駅の近くの瀬戸内海を望む埋め立て地に建設されました。1万人コンサート・イベント開催をキャッチフレーズに、開設以来2年間、様々な音楽ライブ・展示会などが行われてきたとのことでした。市長はこうした施設が金沢市の真ん中に必要だと考えておられるのですか。伺います。

-村山市長

高松市に昨年2月にオープンいたしましたあなぶきアリーナ香川につきましては、私は香川大学大学院の勤務時にこの建設の当初の座長として務めていた、そのことで整備の検討に携わったということになりますが、今回開館を楽しみにしておりました。その後、先般、開館後の施設の近くを訪問する機会がありましたが、週末ごとにスポーツやコンサートが開かれて、周辺の商店街はじめ、まちに人が溢れる姿を目の当たりにしまして、多機能ホールが持つまちを変える力を実感したところであります。このような集客力のある施設があることによって、まちなかの求心力が高まること、このような事例をとらえてきたものであります。本年度実施いたします多様な文化活動の基盤に対する利活用ニーズの調査、これを6月の補正予算で計上させていただきました。この調査結果を踏まえまして、本市でどのような文化の拠点が求められているのか、こうしたことを調査しながら、今後の議論に臨んでいきたいと考えております。

-森尾議員

香川県立アリーナは2025年2月に開館しました。地下1階、地上2階建てで延べ約3万㎡の規模で、メインアリーナ、サブアリーナ、武道施設兼多目的ルームの3つの施設で構成されています。運営は指定管理者制度が導入され、その中には東京を拠点とするイベント会社が加わり、コンサートやイベントをマネジメントしています。週末を中心に利用が広がり稼働率は約9割に達していますが、維持管理コストがかかり、赤字となっているとのことです。経済的効果が強調されていますが、いわゆる「ハネムーン期間」が終われば、5年から10年程度で終息するとの指摘もあります。「夢のアリーナ」か「令和のハコもの」かという問いかけすらあります。市長、香川県立アリーナを引き合いに金沢市内の中心部に多機能ホールを作ることが、まちの賑わいを生み出し金沢市の発展につながると、こう考えていらっしゃるのでしょうか。伺います。

-村山市長

多機能ホールの構想については、先般行われました県民フォーラムの中で、本市の都心全体の活性化を議論した中で、国の合同庁舎の移転と合わせて提案があったものであります。私自身はこの類似の施設の整備に関わった経緯も踏まえまして、都心の新たな賑わいの創出に繋がる仕組みのひとつとして賛同したものであります。本市が持続的に発展していくためには、まちの顔ともいえる中心市街地の活性化は必要不可欠ととらえています。現在、都心軸の再興に向けた民間開発の促進、金沢まちなか芸術祭の開催、学生のまちなか回帰の推進など、様々な施策に取り組んでいるところでもあります。これからも時代の変化に合わせて、ハード・ソフト両面からの重層的な対策を講じていく、これが必要だというように思っております。

-森尾議員

香川県議会で、県議会議員からお話を伺いました。その中で印象的だったのが「夢のごとき時期はもうすぐ破綻します」との言葉でした。どういう意味か。瀬戸内海の向かいに位置する岡山市に280億円を投じて1万人規模のアリーナが2032年に建設されるとのことです。岡山市には新幹線が走っているし、ライブやイベントにわざわざ四国の高松市まで来てくれるだろうか。こんな競争の渦に入ってしまったら四国の発展は望めない、こういう指摘でありました。調べてみると全国で、スタジアム・アリーナ建設計画は実に76件に上っています。まさに日本列島がアリーナ建設に熱中しています。市長、金沢市もこれに加わるおつもりですか。見解を伺います。

-村山市長

多くの観客を収容できる多目的・多機能ホールの建設計画、全国で進められているということは承知をしております。この多機能ホールの構想については、繰り返しになりますけれども県民フォーラムの中で提案があったものでありまして、今後は官民連携でのまちづくりの協議体が設置されて、その中で多機能ホールの実現の可能性であったり、都心の新たな賑わいの創出に向けた仕組みなどについて、官民一体となって継続的に議論されていくものであります。私としては、本市のまちづくりという観点から、大きな関心を寄せております。

-森尾議員

現地に行ってわかったことなんですが、市長が香川大学在籍中に関わったと、それを誇っていらっしゃいますけど、建設途中に大幅な施設の改善を余儀なくされました。大失敗したんです。海風対策がなってなかったということで、建築費が190億円程度で済むはずが202億円まで拡大してしまったんです。県議はこういう指摘をされました。それほどの問題が香川アリーナにあるということも、合わせて指摘しておきたいと思います。同時に、びっくりしたことがありました。香川県立アリーナ周辺に1泊8万円のホテル建設が計画されているとのことです。世界的高級ホテルグループが来年・2027年に開業計画とのことです。県は、この事業に最大80億円の無利子融資を打ち出し、高松市は約3億円の支援を予算計上とのことです。一握りの利益のために、県民市民の税金が投入される事態に大変驚きました。

折しも、金沢美大が今年開学80週年を迎えます。戦後、初の金沢市長に就任した武谷甚太郎市長は、次のように述べています。「混乱の極みにある金沢を文化都市として発展させるため、市立美術専門学校の開校を決意する。」金沢の未来を見据えた決意が伝わってきます。市長。先人たちの思いについて、どのように受けとめておられますか。金沢の発展をめざして、どう構想を立てて、実行しようとしているのですか。見解を伺います。

-村山市長

今から81年前の武谷市長の決断、非常に大きかったものかと思います。そうした思いを引き継いで、しっかりと市政を担っていきたいと思います。

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