2012年金沢市議会11月臨時議会 森尾議員の質疑

2012年11月
金沢市議会11月臨時議会 質 疑

日本共産党金沢市議会議員 森尾 嘉昭

 私は、日本共産党市議員団を代表して質疑いたします。
市長は、岩手県宮古市の災害廃棄物である漁具・漁網をこの12月から約1年間で5千トンを受け入れ、本市戸室新保にある一般廃棄物埋立場に埋めるとの方針打ち出しました。そして、そのための費用を今臨時議会に補正予算として提案されました。
市長は、今回の本格搬入にあたって、「安全性の検討」「地元の同意」「試験搬入の実施」「審議会からの答申」など一連の経緯や手続きを通じて「環境が整った」としています。
そこで、まず、住民の理解と合意が得られたと果たして判断できるのか。この点について伺いたいと思います。
私ども市議員団は、本市が11月10日試験搬入を実施したのち、鈴見地区と夕日寺地区で住民との懇談会を開き、住民の声をお聞きしました。その主なご意見は、
1 試験搬入を見て、職員がマスクもしないでこんな扱い方でいいのか。ぞ~おとした。単なるデモンストレーションかと思ったら腹ただしくなった。国が安全対策を示し、もっと慎重な対応が必要ではないか。
2 市長は、もっと子どもたちのことを考え、市民のことを考えてほしい。安全だ。安全だとばっかりで、国に対して責任ある対応を強く求めるべきだと思う。
3 地元では、声には出さないが、「大反対だ」風評被害が心配だ。20年後30年後に子どもたちに健康被害が出たらどうするのか。あの時「がれき」を埋めたからやと言われるのが心配だ。
4 試験搬入も一種のパフォーマンスのようだった。そこまで安全だというなら、なぜ全国で受け入れが進まないのか。お金が出せるなら、もっと現地で安全な処理を進めたら復興につながると思う。
5 試験搬入を見たが、漁具・漁網を入れた袋がすぐに破れた。ごみと同じというならあんな真っ黒でなく、半透明にでもしてほしい。今後、どんなものが入っているか確かめようがない。
6 試験搬入の後に開かれた審議会を見て、いったいどんな検討をしてきたのか不信感をいだいた。地元の声がちっとも反映していない。いったい有識者というがどんな基準で選ばれたのか。
7 金腐川の水は、きれいだというが、あの水で大根を洗い食べれますか。市長さんにも聞きたい。ごみ埋め立て場があるばっかりにいろいろ言われてきた。これ以上地元に不安を押し付けないでほしい。
以上、住民からの主な意見を述べました。
市長!あなたにとっては、この一年もかけて話し合いもしてきたというのでしょうが。何十年間もごみと共にかかわってきた地元の方々にとってみれば、「もろ手を挙げて賛成」とはほど遠いというのが率直な気持ちではないでしょうか。どんなに数値を示して安全だといっても、安心にはつながらないのです。
市長!もっと慎重に対応してほしいというのが、多くの方々のご意見です。
子どもを持つお母さんたちが、低レベルでも放射能を含んだ廃棄物を受け入れないでほしいと訴えています。福島原発事故による甚大な被害と放射能汚染の実態から今後どのような健康被害が起こるのか不安だからです。
その思いには、わが子の健康への不安とともに、福島や岩手、宮城で不安にゆれながら過ごしているお母さんや子どもたちへの気遣いと何とかしてあげたいとの気持ちが交錯し、涙するほどの悲痛な思いが込められています。
国と東京電力の責任ある対応を求めています。市長さんには、私たち市民の健康と安全を第一に考えてほしい。と訴えています。
市長!今回の本格搬入に対して市民の理解と合意には至っていないと考えるものですが。市長の判断を伺うものです。
第二に、安全対策についてです。
多くのみなさんが、福島原発事故による放射能の影響について一番心配されています。
放射能物質というのは、それぞれ寿命があります。現在、土壌を汚染しているのは、セシウム134と137という二つの放射線物質が中心です。そのうち、134の寿命は2年で半分になりますが、137が半分になるのに30年かかります。10分の1になるには100年かかります。そのため、風や雨で飛んで汚染が拡散していきます。あるいは地面の下に染み込んでいきます。したがって、放射能に関するかぎり、大丈夫という言葉で安全が確保することはできません。数値が低レベルであっても、安全だとは言い難いのです。
ある本の中で、著書の方が自らの体験をふりかえって次のように述べています。
「僕がすごく苦い思い出としているのは、僕自身が初めて除染にかかわった東大病院の放射線汚染の件です。かつて、1950年代の米軍の水爆実験によって被爆したマグロ遠洋漁船・第五福竜丸の乗組員が東大病院で治療を受けましたが、そのときの船員の持ち物や船具などを洗ったストロンチウムが、東大病院の中庭にうめられ土壌を汚染していたことがわかり大問題となりました。1990年になって、それを取り除いてドラム缶200本ほどにしたのですが、どこを探してもこれらを引き取ってくれるところがなかったんです。結局、病院の駐車場のさらに地下に洗濯所があったので、そこを改修して鍵をかけて封じこめました。」と述べ、放射能が40年もたっても影響があったこと。放射能汚染対策は、やはり、封じ込めることなどが大切であることがわかります。
私は、山形・米沢市の民間産業廃棄物埋め立て場で漁具・漁網を埋め立てているというので現地に出かけ見てきました。ここでは、封じ込める対策として放射線セシウムを吸着するゼオライトを下に敷き、漁具・漁網の上にシートをかぶせその上から土で覆うという方法で埋めていました。
今回、本市の一般廃棄物埋め立て場で埋めるというのは、前例がありません。したがって、検証がされていないのです。そこで、
第一に、封じ込める対策は、果たして十分かどうかという点です。
試験搬入では、1.5トンの袋に漁具・漁網を詰め込みそのまま、埋め、その上から土をかぶせていました。7.7トンを18袋に詰め、3台のトレーラーで搬入しました。5千トンを受け入れるというと約1万2千袋、トレーラーは、約2千台ということになります。
漁具・漁網の入った袋が約1万2千袋に上ります。これをどのように安全に埋め、封じ込めるのか明らかにしていただきたいと思います。
第二に、埋め立て場からの浸出水に対する安全対策です。
災害廃棄物である漁具・漁網を埋め立てた場合、放射性物質の浸出水等への影響の可能性について、どのように検討されたのか明らかにいていただきたいと思います。雨水による浸出水が発生しにくい集積所の設置など検討されたのか。浸出水の監視体制はどのような検討がされたのか。伺います。
数十年から100年にも及んで、封じ込めが可能なのか。浸出水の管理、監視といった監視体制を継続するというのですから。これはわれわれも市長も責任を負えることではありませんし、検証すらできません。
市長!いったい誰が、最後まで責任を負うのですか。明らかにしていただきたいと思います。
だだしておきたい第三の点は、この時期の判断が適切であるのかという点です。
東日本大震災による災害廃棄物の処理についての責任は、国と東京電力にあります。国は、災害廃棄物の処理を3年で終わらせたいとの方針を打ち出しました。ところが、その方策が具体化されないまま、災害廃棄物の20%を広域処理するとの方針を打ち出したのです。しかし、処理方法や安全対策が明確でないまま地方自治体に協力依頼をしたのです。安全対策をめぐって住民からは国の対応への不信と相まって、批判の声が高まり現在でも、広域処理は1都1府13県にとどまっています。さらに当初予想していた災害廃棄物の量が大幅に減少しました。岩手、宮城での災害廃棄物の合計は、2045万トンが約2割減り、1679万トンとなりました。これによって、国が示していた広域処理は、当初401万トンであったものが、約4割減少し、247万トンとしたのです。そして、現地での処理を基本とする方針の具体化が進み、6月29日には、当時の細野環境大臣が、「岩手県の広域処理対象のがれきのうち、可燃物と木くずについて受入先の見通しがたちました。ありがとうございます」との表明が行われました。これによって、広域処理を検討していた自治体がほぼ終息へ進んでいきました。しかも、漁具・漁網は、廃棄物全体の1%程度にすぎ、その処理方法が明確ではありませんでした。したがって、現地をはじめ、安全な処理をどのようにして進めるかこれからです。こうした中、復興予算の流用問題もあり、国に対する不信感は広がっています。そして、市長!国会は解散・総選挙となりました。
福島原発事故への対応と復興、さらには、国のエネルギー対策など今後の国の方策をめぐって争われることになったわけです。
内閣がどのように作られるのか、新たな国の方策が選挙にゆだねられているだけに、しっかり、国の方策を見極めることが求められます。
去る11月26日埋め立て場周辺の3つの校下の町会連合会長が市長に要望書を提出しました。ある町会長は、「宮古市を視察し、何とかしてあげたいと思ったが、地元に帰ると厳しい意見が待っていた」と新聞報道がされました。地元の皆さんにここまで苦渋の選択を強いることはあってはならないことです。
市長!あなたにそんな権限はありません。あなたには、不安に思うお母さんの声は聞こえないのですか。慎重な対応を望む地元住民の思いが伝わっていないのですか。
今、やるべきことは、46万市民のいのちと健康を守ることであり、国と東京電力に対して責任ある対応を強く求めることです。
そこにこそ、政治家として市長の決断が求められています。
今回の本格搬入の決断について適切ではないと考えますが、その見解を伺い、質疑を終わります。

 

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