私は、日本共産党市議員団を代表して、討論を行います。
我が党は、認定第2号平成23年度金沢市公営企業特別会計決算について承認できないことを表明し、その主な理由を述べたいと思います。
まず水道事業会計についてです。水道事業会計については、23年度の県水受水額は31億5900万円と大きく、市民の飲む水の54%を県水が占めており、本市の自己水はだんだん減少しています。 自己水の単価は立米当たり30円98銭であるのに対し県水の単価は99円で、3倍も高い県水を膨大に受け入れ、7割を支払う責任水量制により年間30億円を今後も支払うことになります。自己水が足りないならまだわかりますが、23年度の本市の平均配水量は1日16万トンで、最大1日配水量はことし8月9日の約17万3432トンです。末と犀川の配水能力は20万5,000トンなので、自己水で十分賄える現況です。これまでは渇水時期に20万5,000トンを超えることも何日かありましたが、今日ではそれを超えることもなくなりました。その結果、自己水の配水能力20万5,000トンに対する利用率は3割台にまで落ち込み、犀川浄水場は3割を切る状況にまで至っています。そうした点から、県水受水契約は見直すべきであり、安くておいしい自己水を基本とする水道行政に大きく転換を図るべきだと考えます。 22年度に料金を引き下げたものの、市民からすれば高いことに変わりはありません。自己水を基本とする水道行政に大きく切りかえれば水道料金を大幅に引き下げることは可能だと考えます。
次に工業用水道事業についてですが、給水事業所は5カ所ですが、そのほとんどが日機装。資本的収入と合わせて年間5077万円を一般会計から補てんしていますが、それに対して給水収益は1351万円。 周知のとおり、金沢テクノパークは280億円を投入し、着工以来20年、最初の企業が誘致されてから17年が経過していますが、現在4分の1が売れ残っています。給水料金で賄えない部分はすべて一般会計で穴埋めする状況がずっと続いていることから、工業用水道事業は特定の企業に対して大変な利便を提供していることになります。テクノパークに280億円も投入し、補填の多い工水を使用させるなど、特定の企業に限りない利便を図っている状況であり、工業用水道事業の検証と見直し求められていることを述べ、討論を終わります。