2014年6月議会
「医療・介護総合法案の撤回を求める意見書(案)」提案理由
升 きよみ
私は、日本共産党市議員団を代表して、只今上程されました議会議案第2号、医療・介護総合確保推進法の撤回を求める意見書案について提案理由を述べます。
社会保障を大きく変質させる、医療介護総合法が18日の参議院本会議で自民・公明両党の賛成で成立強行され、愈々その影響が、地方自治体と市民に大きく及ぼしてくることが鮮明となり、国民の怒りが広がってきております。
要支援者への訪問、通所の介護を保険給付から外して、市町村の事業に置き換えることは、サービスを量・質ともに低下させ、更に特養ホーム入所を要介護3以上にして、多数の人から入所の権利を奪いながら、それに代わる施設計画もなく、あらゆる面で制度の根幹を揺るがす歴史的な大改悪です。又、医療の面でも、病床の削減を県主導で推進することにし、従わない場合は、病院名の公表、補助金の除外など制裁措置をする等の仕組みづくりと、これまた国民皆保険の根幹を揺るがすもので、到底受け入れの出来ない法律です。
実際に本市における要支援はずしによる利用者は、サービス利用者の22%になっておりますが、介護利用者17,500人にとどまらず、高齢者、市民に及ぼす影響は大なるもので、これから、保険料は払っても、施設にも入所できず、サービスを受けることができず、地域には包括支援システムの構築の名で、共助・互助・自助と言って結局、介護や医療の公的責任を縮小、削減するものです。
法案審議の中で厚労省自身が策定した利用料の算定資料が根拠のないもので、制度の崩壊となるものと指摘される問題点や矛盾が明らかになったものの、なんら解決策を示さないまま法律制定が強行され、地方自治体に丸投げとなりましたが、今後矛盾は更に広がります。
社会保障の為と言って、消費税を増税したのに、社会保障拡充に回さず、法人税減税に走り出して、その財源を社会保障の削減で賄おうとしている安倍政権の進め方が、医療崩壊、介護難民の事態を一層進行させるこもので、本市にとっても深刻な事態になります。よって、この法を施行させないため、直ちに撤回を求めたく、みなさまに提案するものです。