金沢市議会・2014年12月一般質問(一問一答)
日本共産党金沢市議会議員 森尾嘉昭
私は、日本共産党市議員団の一人として質問を行います。
最初の質問は、山野市政の2期目にあたって問われている公正・公平な市政運営についてであります。
本市議会は、競輪場外車券売り場設置をめぐる問題を調査する特別委員会いわゆる百条委員会を設置し、証人喚問を開始しています。去る12月12日には、市長、あなたの証人喚問が行われました。
競輪場外車券売り場設置をめぐって、4年前の市長選挙立候補の際に業者とかわした念書。当選した後の設置同意文書への署名・押印。そして、競輪場外車券売り場の代わりに本市のリサイクル施設を入居させるという代替案。こうした一連の事柄が、市長と市議そして、業者が密室で話し合い、進められるというものです。今回明るみにされた会話記録は、市民の代表である議会とその審議についてあからさまに否定、冒涜する内容が語られ、さらに、公正・公平であるべき市政運営が一部の業者や議員による利益誘導によって、捻じ曲げるような内容ともなっています。
市長。あなたは、二期目のスタートに当たって、市長自らがかかわったこの問題についてその責任と対応について市民にどのように説明されるのか。そして、どんなことを反省し、市政運営に当たられるのか。明らかにしていただきたいと思います。
答弁
質問1-2
4年前の市長選挙への立候補の際に、念書を交わします。そのことによって、業者から選挙の支援をしてもらえると思ったと述べています。そして、市長に当選すると設置同意文書に署名・押印したわけです。念書に押印した後ろめたさもあり、「内容を吟味せず署名した」と述べています。
当時、設置計画のあった地域住民から反対の声が広がり、議会も反対の請願を議員であったあなたも含め全員が賛成し採択していました。
市長として46万市民の事よりも、選挙で世話になった業者の利便を図ることを最優先に考えてしまったからこそ、設置同意文書に署名・押印したんではありませんか。これは、軽率だったという事では済まさせません。市長の見解を伺うものです。
答弁
質問1-3
この設置同意文書が経済産業省への設置認可申請の書類として提出されました。ところが、この設置同意文書に押された印鑑が市長ご自身の印であったため経済産業省から金沢市長の公印を求められた業者は、そのことを市長に強く迫ったのです。市長は、さすがに設置同意文書に公印を押すことはできず、代替案を提示することになります。平成24年6月9日、市内ホテルの一室で、話し合いが持たれます。競輪場外車券売り場の代わりに本市が月200万円、年間で2400万円の賃貸料を支払いリサイクル施設を入居させるという代替案が提示され、高岩市議と共に、太田元社長兄弟と話し合いが持たれました。この話し合いの内容が明るみとなったわけです。
結局、市長は、念書と設置同意文書が世に公表され、その責任が問われることを恐れ、何とか業者に競輪場外車券売り場の代わりになるものでおさめようとしたんではありませんか。
答弁
質問1-4
代替案について話し合われた平成24年6月9日の録音記録の中で市長は、「車券場の話が出てきたら、刺し違えしかないです。あの車券場もぽしゃって、山野もぽしゃって、小阪さんもぽしゃる。僕も小阪さんも太田さんも全部だめになると。それしかないです。」と述べています。これは、念書と設置同意文書が世に明らかになることを恐れたがゆえの発言ではありませんか。見解を伺います。
答弁
見解
自ら行った過ちが世に明らかとなることを恐れ、市長としての責任が問われることを回避するために、こともあろうか。自らの保身のために市民の大切な税金を使っての救済措置である代替案を提示し、話し合いを行うというのは許されることではありません。
質問1-5
市長は、一期目の任期途中で参与というポストを設け、清水義博氏を登用されました。その目的と経緯、そしてあなたが辞職すると清水氏も辞職したわけですが、今後この参与の登用についてどのように考えておられるのか伺います。
答弁
質問1-6
ところで、清水氏は、株式会社ジェスクホリウチという企業の代表として、あなたの後援会の有力者の一人でありました。
そして、この企業は、本市からの公共発注を請け負っていたことは、参与への登用が明らかとなった際に、本議会連合審査会で私がただしたところです。
ところで、あなたを支援し活動した「市政刷新の会」という団体があります。責任者は、不破県議、会計責任者は、高岩市議となっています。収支報告書が提出され、収入が542万円余りで、その内訳に自民党石川県金沢市第8支部から180万円の寄付となっています。この第8支部の責任者は不破県議です。この収支報告書では、収入として清水氏が代表の株式会社ジェスクホリウチから100万円の寄付があったことが記されています。
すなわち、清水氏の会社からの100万円の政治献金が自民党金沢市第8支部を経由して「市政刷新の会」へ入り、あなたを支援する活動として使われたものです。
結局、選挙でもお世話になったので、その見返りとして参与のポストを設け、登用するというものではありませんか。
これでは、公正・公平な市政運営はできるのですか。その見解を伺うものです。
答弁
意見
46万市民の立場に立ち、公正・公平な市政運営を行うよう強く求めておきます。
質問の第二に、新たな介護保険事業計画である長寿安心プラン2015の策定についてです。
安倍政権は医療・介護総合法を強行に成立させ、国民の大幅負担増と給付の削減を一気に押し通そうとしています。
介護の分野では、第一に、要支援者の訪問介護、通所介護を自治体に移し、削減するとしています。
本市の場合、削減の対象者はどの程度となるのか。要支援者の訪問介護、通所介護の利用実績と比率について明らかにしていただきたいと思います。
回答
質問2-2
中央社会保障推進協議会が「全国市町村介護保険緊急アンケート」を実施したところ訪問介護、通所介護を市区町村に移行することについて、9割の自治体から「見通しが立たない」との回答が寄せられたことを発表しました。
本市の対応はどのように考えておられるのか。現況の介護サービス水準が維持されるのか。伺います。
回答
質問2-3
第二に、特別養護老人ホームへの入所は、介護度3以上しか入居できなくするというものです。現在特養ホームへの入所を待っている方は全国で52.4万人です。そのうち、入所が外される介護度1と2の方は、17.8万人です。本市の場合、特養ホームへの入所を待っている方、そのうち、介護度1と2の方はどの程度か明らかにしていただきたいと思います。
回答
質問2-4
本市にある特養ホーム待機者家族の会が、入所を待っている方や利用している方159名からアンケートの回答が寄せられ、7割から8割の方が、今回介護保険サービスからの締め出しや、特養ホーム入所制限をやめてほしいと悲痛な訴えをまとめられました。
声を紹介・・・・母は要介護2です。片時も目が離せません。一日中動き回り、手当たり次第、家中のものを散乱させる状態です。入所できなくなると学生であるこどもを抱える私は、職を離れ、家庭が維持できなくなります。
介護保険料を天引きで納付し、特養ホームに入所できないならば保険についても考えなければならない。
など悲痛な訴えが相次いでいます。
市長は、こうした声をどのように受け止められますか。こうした現場からの声を伝え、今回の改正をやめるよう国に述べるべきと考えますが、その見解を伺います。
回答
意見
3年ごとの介護保険事業計画で、特別養護老人ホームは、前期の3年間で259床、今期の3年間で245床建設されました。一方待機者は、4月1日の比較で見るとこの6年間で、1445人が1306人と139人減となっています。その途中で、実態調査し、死亡が21人、要介護認定がない方が99人。合計120人が削除されたものです。したがって、実態としては、ほとんど変わっていません。特養ホーム建設が追い付かず、待機者の解消に至っていないことを示しています。待機者の方は入居を待っていられず、費用負担が高い有料老人ホームなどへ入居せざるを得ないのです。
そして、今度は入居制限を行うなどほんとうに許せない対応であります。
質問2-5
来年度の介護保険料についてです。
本市の65歳以上の保険料は、この制度が始まった際には、その標準額は3150円だったものが、現在5680円となり、11段階の保険料となっています。この保険料が年金支給から天引きされていますから、年金支給額の引き下げと相まって、保険料がさらに引きあがるともらう年金額が下がることになるだけに、多くの高齢者から「もうこれ以上年金下げんといて」と悲痛の訴えがあります。
市長。3年ごとの介護保険事業計画の中で、来年度からの保険料額が提示されますが、高齢者の現状からさらなる保険料の引き上げは止めるべきと考えますが、その見解を伺います。
回答
見解
現在の制度は、高齢者が増え、介護サービスが増加すると保険料の負担増に跳ね返るという根本的矛盾を抱えています。わが党は、介護保険の国庫負担をただちに10%引き上げ、将来的には国庫負担率を50%に引き上げることを提案しています。本市でも、保険料の減免制度や制度への財源対策を講じて、保険料の引き上げとならないよう強く求めるものです。
質問2-6
この項の質問の最後に、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅の急増への対応についてです。
本市に於けるこの二つの設置現状について答弁を求めます。
回答
質問2-7
有料老人ホームはこの5年間で施設数が5倍、定員数が3倍と急増しています。サービス付き高齢者住宅は、この3年間で施設数が3.7倍、定員数が3.3倍と増加しています。
こうした施設での利用者の費用負担や施設の安全対策、人員の配置などは、どのように把握し、指導監査が行われているのか。明らかにしていただきたいと思います。
回答
意見 こうした施設が急増していることから、利用者が安心して暮らせるよう利用者・家族からの相談体制や施設に対する指導監査体制をしっかり行うよう求めておきたいと思います。
質問の第三に、金沢駅・武蔵北地区市街地再開発事業による5つの再開発ビルの現状と第5工区・リファーレのテナント入居に伴うフロアー改修についてです。
この事業は、金沢駅から武蔵間を36mの道路で結び、その両側に5つの再開発ビルを建設するものとして行われ、昨年3月に36年間をへてようやく事業が完了したものです。当初の計画そのものも大きく変わり、地権者のほとんどが地区外に移ってしまうなどまちのにぎわいを作るという点からもほど遠い現状となっています。
現状と今後の対策について伺います。
答弁
質問3-2
この通りのある店の方は、「人通りが少なくて店もいつまで続けられるか」と述べ、古くから店を続けている方は、「私の代でこの店も終わりだ。わざわざ歩いて私の店まで買いに来るお客さんはいなくなった」と嘆いておられました。
5つの再開発ビルは、どういった構成となっているのか。中でも、第5工区のリファーレは空いたフロアーは埋まるのか。今回の1100万円の改修費はどんな内容なのか。具体的に明らかにしていただきたいと思います。
答弁
質問3-3
第5工区は、当初名鉄5番街が保留床を購入したのですが、撤退し、2270㎡の床が返上され、市が所有したものです。その後、公的施設としての利用を進めたものの、床を賃貸する形で現在に至ったものです。しかし、もしもしホットラインが入居したものの、昨年の7月末で撤退してしまいました。今後の利用計画はどうなっているのか明らかにしていただきたいと思います。
回答
質問3-4
今回入居したとしても、空いたフロアーの半分が埋まらないままです。今後の対策はどのように考えているのか。また、前回、もしもしホットラインの入居の際に改修費として4800万円を投入し、今回の入居の際に、1100万円を計上しています。
入居のたびに改修費は、一般会計から投入し続けるとしたら、市民にどのように説明されるのか。明らかにしていただきたいと思います。
回答
意見
この再開事業は、総事業費が530億円を超える一大プロジェクト事業として進められました。しかし、入居テナントが次々にかわり、見通したがたたないまま36年が経過しました。地域住民はほとんどが地区外に転居し、まちの賑わいどころか閑散とした状況となっています。まさに、大失敗の事業であり、その教訓を受け止め、現状の打開に向け市民参加で英知をあつめて取り組むことを重ねて求めるものです。
質問の最後に、公共用地の取得と保有地の活用についてです
来年度予算編成方針の中で、土地開発公社の年度末廃止を打ち出しています。公共用地を確保するために先行買収するとしてその役割を担ってきましたが、使われないまま、いわゆる塩漬け土地となるなど問題が指摘されてきました。今回の廃止する方針と具体策について明らかにしていただきたいと思います。
答弁
質問4-2
本市土地開発公社が所有している土地と財産額、負債額について明らかにしていただきたいと思います。
答弁
質問4-3
この所有地は、13事業地として先行買収したものですが、すでに10年、20年が経過しているものがあります。いったい事業として活用するものなのか。それとも売却するものなのか。具体的な方針を伺います。
答弁
質問4-4
もう一つ所有しているのが金沢テクノパーク用地です。280億円を投じ、先端産業を誘致するとして計画された工業団地です。最初の企業立地からまもなく20年が経過しますが、4分の1にあたる6区画売れ残ったままです。約9万㎡、帳簿価格は、29億5千万円です。どのようにされるのか。伺うものです。
答弁
質問4-5
土地開発公社の負債額は、81億6千万円。所有地の帳簿価格は、78億円です。準備金が約7億4千万円となっています。所有地が半額で処分となれば大幅な財政欠損を抱えることになります。一般会計で穴埋めするなどはあり得ないと考えますがその方策を伺います。
回答
質問4-6
公営企業会計における発電管理センター移転にかかわる用地取得とその後の対応について伺います。
発電管理センター移転用地として取得したものですが、周辺の用地の確保ができないまま平成9年から17年間いわゆる塩漬け用地となったものです。いったい発電管理センターの移転はどうするのか。この用地はどうしたのか伺うものです。
回答
質問4-7
この用地を取得した時の価格と売却した時の価格を明らかにしていただきたいと思います。
回答
質問4-8
2億2400万円で取得し、17年後に土地を3310万円で売却し、1億9090万円もの欠損を生み出したわけです。その原因と責任はどこにあったのか。答弁を求め、私の質問を終わります。