反対討論
日本共産党金沢市議会議員 森尾 嘉昭
私は、日本共産党市議員団を代表して、議会議案第22号金沢市議会議員定数条例の一部を改正する条例に反対を表明し、討論を行います。
本市議会は副議長を座長とし、各会派からなる10名の委員で構成された議員定数検討会が今年1月に設置されました。その後、検討会は、9回にわたって開催され、検討が行われてきました。中核市の人口、面積、条例定数、議員一人あたりの人口などの検討と共に、二人の学識研究者からそれぞれ意見をお聞きし、議論が進められてきたところであります。
その結果、検討会は次のような答申内容をまとめました。
金沢市議会の議員定数については、現行の40人を維持すべきとの意見と40人から削減すべきとの意見があり、また、削減数についても意見が分かれ、意見の一致には至らなかった。
と言う答申内容でありました。そして、付帯意見として、今回意見の一致には至らなかったが、次期改選後において、引き続き取り組んでいくことが望まれるとのまとめが行われました。
こうしてまとめられた検討会での答申が、去る12月5日議長に提出されたものであります。
今回、議会としての総意でまとめられた答申がありながら、突然に今定例月議会に定数を40人から38人に削減する条例を提出するというのは、こうした議会としての検討と取り組みをないがしろにするものとも受け取られかねません。
提出された会派、議員の見識ある対応を強く求めるものです。
今回提出された本市議会の議員定数40人を38人に削減する条例案は、内容の上でも十分な根拠を持つものではありません。
検討会が行った意見聴取のお一人である北九州市立法学部の濱本真輔准教授は、人口、面積、財政指標、地域の多様性、政治参加のコストの5つの視点を数値化し、本市議会の定数を推計した場合、全国の市と区でモデル化すると41.18議席。人口20万人以上都市に限定した場合、43.34議席との数値が示されました。この結果、他の議会との関係から考察した場合、本市の議員定数40人は、積極的に削減する状況にはないとの見解を述べられました。
わが党は、これ以上議員定数を削減することは、様々な住民の声や要望を届け、二元代表制としての議会のチェック機能を弱めるものだと考えるものです。
以上の点から、この議案には、反対することを表明し、討論と致します。