反対討論
日本共産党金沢市議会議員 広田 みよ
わたしは、日本共産党市議団を代表してただいま上程されました議案・請願・陳情について討論を行います。
まず、今議会に提出されました議案のうち、議案第58号平成26年度金沢市一般会計補正予算、議案第59号平成26年度金沢市市街地再開発事業費特別会計補正予算および議案第66号特別職の給与に関する条例等の一部改正に反対です。
補正予算2件への反対理由は、駅武蔵北地区の再開発事業の一部第5工区リファーレにおける改修費用を、特別会計である市街地再開発事業に一般会計から繰り入れをしようという点からです。これは、もしもしホットラインの退去後空いていたフロアの半分に新たな入居があるとして、市が改修費用を1100万円負担するものです。
前回は、22年年末のもしもしホットラインの入居の際に改修費として4800万円を投入し、2年8カ月後に撤退。そして今回の入居の際に、1100万円を計上しています。
しかも今回入居したとしても、空いたフロアーの半分が埋まらないままです。入居のたびに改修費を、一般会計から投入し続けることは到底市民に理解を得られるものではありません。
そもそもこの再開発事業は、総事業費が530億円を超える一大プロジェクト事業として進められました。しかし、入居テナントが次々にかわり、見通したがたたないまま36年が経過しました。地域住民はほとんどが地区外に転居し、まちの賑わいどころか閑散とした状況となっています。まさに、大失敗の事業であり、その教訓を受け止め、現状の打開に向け市民参加で英知をあつめて取り組むことを重ねて求めるものです。
議案第66号特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正について反対の理由ですが、
これは、人事院勧告に基づいて、市長や副市長、教育長、そしてわたしたち市議会議員などの特別職について、期末手当を0.15か月分、引き上げるというものです。国民的な実質賃金の低下が16か月連続して起こっており、市民の生活実態が非常に悪化している下で、こうした期末手当の改定については、市民的な理解が得られるものではありません。
ちなみに議案第67号は、人事院勧告に基づいて、一般職の給与を改定するものです。第一条については、民間との較差を埋めるため平均0.3%の給料引き上げや、勤勉手当の引き上げ等を行ったものであり、すべての労働者の賃上げの景気回復をという方向に沿ったものです。
しかしながら第2条については、この0.3%の給与引き上げが吹き飛んでしまう、平均2%もの給料表の引き下げであり問題です。激変緩和の経過措置として3年間の現級補償がありますが、その間の改善を強く求めておきます。
請願第39号は、「慰安婦問題の早期解決を求める意見書」採択を求めるもので、戦争をさせない石川の会の代表委員から提出されたものです。
慰安婦問題に関しては、河野談話を継承しながら、他方で「軍や官憲による強制連行はなかった」とする政府の主張は、国際的な批判に耐えられるものではなく、国際的到達に基づき、真摯に早期解決をはかることが必要です。よって我が党はこの請願に賛成であります。
請願第40号は「集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回し、閣議決定に基づく立法化を行わないことを求める意見書」の採択を求めるもので、石川憲法会議の代表委員から提出され、請願第41号「集団的自衛権行使を容認する閣議決定撤回を求める意見書」は戦争をさせない石川の会の代表委員から提出されたものです。
歴代政府は集団的自衛権の行使について、必要最小限度の範囲を超え憲法上許されないとの公式見解を国会で重ねて示し、広く国民の間でも定着してきた。それを主権者である国民にも国会にも諮らず、一内閣の判断で、海外で戦争できる国へと改憲にも等しい憲法解釈の変更を行うことは、立憲主義を根底から否定するものであり許されません。よってわが党はこの請願に賛成です。
請願第42号「特定秘密保護法の廃止を求める意見書」の採択を求める請願は、戦争をさせない石川の会代表委員から出されたものです。
行政機関が保有する情報を、行政機関の長が広く秘密指定し、秘密を漏らした公務員や民間人に最高懲役10年の厳罰を科す秘密保護法が今月10日、施行されました。同法は昨年12月、国民の6割が反対し、法曹界やマスメディアから強い反対の声が上がる中、これを無視して安倍政権が強行したものです。よってわが党はこの請願に賛成です。
請願第43号「日米軍事協力の指針再改定作業の即時中止を求める意見書」の採択を求める請願は、戦争をさせない石川の会代表委員から出されたものです。
「海外で戦争する国」への道を開いた閣議決定を具体化し、アメリカが地球規模で引き起こす戦争に日本が参戦する危険な仕組みづくりをもくろむ、指針見直しは許されません。よってわが党はこの請願に賛成です。
請願第45号は「年金削減の中止、最低保障年金の実現を求める」もので、全日本年金者組合石川県本部金沢支部長から出されたものです。
阿部内閣のもと、過去の物価下落時にスライドを適用しなかった分を取り返すという、いわゆる「特例水準の解消」の名目で、年金の削減が行われています。昨年の削減以来、月10万円の年金の方は、額面で9万8300円に下がりました。
そのうえ、消費税増税やアベノミクスによる物価上昇で、年金生活者は悲痛な声をあげています。
一方で安部政権は、公的年金積立金の株運用を拡大し、株価つり上げ政策の一環としています。その公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人はおととい22日、運用方針の見直しを議論していた今年9、10月の議事要旨を発表し、それによると、リーマンショックと同様の金融危機が再来した場合、新しい運用方針では単年度の損失が30兆円に上る可能性があるとの試算結果が示されていたことが明らかになりました。国民には「年金財政が苦しい」といって支給削減や保険料引き上げを押しつけながら、国民から集めた巨額の積立金をリスクを伴いながら、金融界や大企業の利益のために使うなど、もってのほかであり、国民の老後の年金を保障するための制度とすることが必要です。よって、この請願に賛成です。
陳情第85号は「まちなかパソコンサロンの運営において、障害者のみが利用できる曜日を設定する」よう求めるもので、障害者の方々への理解を求め、幅広い多くの方が利用できるよう改選が必要であり、賛成です。
これだけ多くの請願・陳情が出されたのは、安倍政権の暴走政治に対する、平和と民主主義を求める市民の切実な声の大きさのあらわれであり、各請願・陳情とも我が党は賛成です。よって審議されたそれぞれの常任委員会での不採択に反対するものです。
以上で討論を終わります。