2015年6月議会質問
日本共産党市議団 広田みよ
わたしは、日本共産党市議員団の一人として、以下数点にわたり質問いたします。
1 ごみの有料化について
まず最初に、「ごみの有料化について」です。
3月に策定されました金沢市ごみ処理基本計画にもとづき、本市では「ごみの有料化検討」を取り組みの第一の目玉としました。これを受け、5月、6月と2回の市民向けフォーラムが行われたところです。
わたしも2回とも参加をし、市民のみなさんのお声、また環境局の説明を伺いました。
意見交換の中で多く出された、市民のみなさん、町会役員のみなさんのこれまでのご苦労や、環境局のみなさんの取り組みを聴くにつけ、金沢市は市民と行政とが互いに努力して、ごみの管理を行ってきたこと、また減量化や資源化についても町会連合会や校下婦人会、環境団体のみなさんを先頭に市の施策や制度などを設けてすすめてきたことが明らかとなり、行革を念頭においた「有料化をしてごみの減量化」という方針は、唐突であり、市民からも「減量化の議論こそ行ってほしい」と前向きな意見のほうが多い印象を受けました。
よって、有料化ありきの方針は見送り、まずは本市の現状と課題を市民と共有することが大切だと考えます。
1.1 ・本市のごみの現状
- まず、本市のごみの現状についてですが、金沢市が処理するごみには、市民のくらしの中から出る家庭ごみと事業者が出す事業系ごみがあります。一人当たりの量は、家庭系ゴミは減少傾向であり、中核市43市中8位と上位。事業系ごみは25年度から増加に転じてはいるものの、ここ10年で家庭系、事業系とも量は減り、全体で13%の減量を実現しています。これは、市民と行政との取り組みが実を結んだ結果だと考えますが、市長、いかがですか。
(答弁)
にも関わらず、2回のフォーラムは、家庭系も事業系もひとまとめにして、ごみが多いという印象を与える説明、有料化ありきで市民に意見を求めていくというものでした。
しかし、ごみ量が減っている経過は、市が公表しているデータを見ればあきらかですし、ごみ処理基本計画では家庭系は家庭系、事業系は事業系とわけ、それぞれの課題と対策をあきらかにしています。
1.2 事業系ごみの課題
- ここではまず、増加に転じている事業系のごみの内訳と課題をあきらかにしてください。
(答弁)
- 一定基準以上の大きな事業者に関しては、本市の「廃棄物の減量化および適正処理などに関する条例」で、事業者の責任を位置付け、減量計画の提出を求めており、26年度では、事業所412社中、現在の提出率は7割ほどと聞いています。計画を出していない企業に対し提出を徹底すべきだと考えますがいかがですか。
(答弁)
- 事業系ごみは事業者の責任で減量や資源化を行わなければなりません。計画の提出はもちろんですが、啓発・指導を行なうべきことを求めます。なお、この金沢市役所も大規模事業所のひとつであり、市長に責任が課せられています。
あわせて、本市は今回の計画の中で、事業系ごみ処理の手数料を引き上げることも検討しています。どのように進めるつもりでいるのか、あきらかにしてください。
(答弁)
事業者とまずは話し合いの場をもつことを求め次の質問にうつります。
1.3 家庭系ごみの課題
次に家庭系ごみの課題については、量は減っているものの、統計上は資源化がすすんでいません。特に、容器包装プラスチックと古紙回収の減少が激しく、議論が必要です。
まず、容器包装プラスチックについてですが、平成21年まで11%あった家庭系の資源化率が25年度には8.6%にまで落ち込んでいます。
⑥これは、H24年の西部環境エネルギーセンターの稼働による分別の変更が要因のひとつであることはあきらかです。それまで、埋め立てごみとしていた硬質プラスチックや汚れた容器包装プラスチックを、サーマルリサイクルすると言って、環境局のみなさんは日夜、各町会に説明にまわられ、市民の分別が徹底した結果です。4年近く経過した現時点で、資源化率の減少を前に、この事業をどう評価しこれからどうしていくのか、あきらかにしてください。
(答弁)
(☆もし違うこと言ったら、H26年5月の経済環境常任委員会で、担当課課長が、「資源ごみだが、容器包装プラスチックが17.3%減少しており、全体でも9.5%の減少。その要因は24年度からの新たな分別方法が定着してきたものと考える」)と答弁しています。)
2500トンも上回ってしまったのは、失策ではないですか。
そして、
24年度の分別変更による影響で資源化率を減らしておきながら、今回有料化しなければ減量化できないというのは明らかな矛盾です。
- もうひとつ、大きく減っているのが、古紙の集団回収です。これについても、市長自身が「少子化の影響もあると思う。協力世帯の減少や、ペーパーレス社会の進展によって紙類の量は少しづつ減っています。」と答弁もしています。古紙の回収をどうするのか対策をあきらかにしてください。
(答弁)
わたしがここで言いたいのは、施策や時代背景によって、資源回収の量が変わるということです。よって、市民個人の責任ではなく、本市の施策で資源化率を引き上げるべきと考えます。今、ご答弁ありました、今年度からはじまった古紙回収のモデル事業や西部環境エネルギーセンターの搬入できる条件拡充のような取り組みこそ積極的に行うべきです。
そして、資源化についてもうひとつ押さえておきたいこと。
⑧それは市が報告している資源回収量は、あくまで、市の把握できる範囲の資源の話であり、民間へ流れたものは詳細には把握できません。民間の古紙回収業者、いわゆるちり紙交換が集めていくもの、最近増えているスーパー前の民間のステーションに出す古紙回収やペットボトル、容器包装などは、市の資源化率の計算には入っていません。
その数値を把握すればとっくに目標を達成しているのではないですか。そして、資源も計算のうえではゴミですから、この量が把握できなければ、ごみが増えたのか減ったのかも比べることはできません。
であれば、民間で集めたものを資源化率に加えられるよう市が関与するなり、数値だけでも把握するべきではないかと考えますがいかがですか。
(答弁)
であれば、地方の実情を考慮に入れず、一律に計算を強要する国のやり方は疑問です。
ともかくも、
民間の集めた量を把握しなければごみの総量もわかりませんし、資源化率の実態もわからないというのが現状です。
1.4 ごみの減量について
その点では、やはり、ごみになってからの対策ではなくごみになる前の対策が必要であることは明白です。
次に、ごみの減量をどう考えるかという視点に立って質問をします。
市内スーパーでよく目にする光景にこういうのがあります。レジ計算が終わり、買ったものを袋につめる場所に、大概はごみ箱が置いてあり、野菜の葉っぱやレシートなどを捨てられるようになっています。そこに、個包装の例えばスープが入っていたであろう紙の箱やマーガリンの外側の箱なども捨ててあるわけです。
消費者である一般市民が家のごみを減らしているわけですが、その分スーパーが捨てているわけで、ごみが移動しただけに過ぎません。
つまり有料化したとして、指定袋に入らないというだけでごみの減量ととらえてしまえば、本当の環境施策とは言えません。先ほどの事例のようにすぐに捨ててもいいスープの箱やマーガリンの箱がそもそも生み出されないことが求められます。
計画の中でも本市自らが、こう述べています。
「「もの」が「ごみ」となる前段階から計画を進めていくことが大切である」こと、事業者に対して「製造から販売過程でのごみの減量、リサイクルのための取り組みを」と。
つまり、ごみの減量も、市民個人の責任だけではなく、大量生産・大量消費・過剰包装などを抑制する川上での対策が重要です。
⑧ごみの減量のために、製造・販売段階での施策を金沢市の施策としても取り組み、国へも法整備をすすめるよう声をあげるべきですがいかがですか。
(答弁)
1.5 まとめ
・ごみ袋の有料化という経済的圧力でごみを出させなくするという方法は、市がこれまで取り組み、またこれから取り組もうとする、細かい施策をほごにし、また、製造販売段階の責任から目をそらしてしまいかねない暴論ではないでしょうか。また民間に出される資源やごみが把握できない状況で、有料化の効果を見極めることは本来できないはずです。科学的に施策を行い、市民のくらしを守る立場の地方自治体が行うべきことではありません。
有料化の検討は中止するようさいごに述べて次の質問にうつります。
2 教育行政について
次に、教育行政についていくつか伺います。
2.1 学校の統廃合と耐震化をどうするのか
まずは、耐震化と統廃合についてです。
今年は、国の第二期教育振興基本計画で示された通り、学校施設の耐震化完了を目標とした最終年度です。しかし報道では、今年の4月時点での全国の公立小中学校の耐震化は95%、倒壊の危険性が高い建物はまだ814棟残っていると報道がありました。ここ、石川では都道府県別で34番目と遅く、2017年度までに完了できないのは、本市のみであることもあきらかになりました。
本市には文科省から、耐震化を積極的に進めるよう促す書簡が市長に送付されたと聞いています。
- まずは、文科省からどのような書簡が届いたのかあきらかにしてください。
(答弁)
- では、本市の小中学校の耐震化の現状をあきらかにしてください。また、耐震化の方針も示されず残っている学校はどこなのか明らかにしてください。
(答弁)
- 今、とりかかっているところや、耐震可の方針が示されていないところは、ほとんどが統廃合が話し合われているところです。
市長!国からの書簡通り、耐震化が遅れている現状があるのならば、統廃合を優先させるのではなく、耐震化こそすすめるべきと考えますがいかがですか。
(答弁)
子どもの命、住民の避難場所こそ、最優先で守るべきことを申し上げ次にうつります。
2.2 味噌蔵町小と材木町小の統廃合に関して
- 味噌蔵町小学校と材木町小学校の統廃合ですが、市長の提案説明で「両校の基本的な了承を得ることができた」とありました。わたくも、この場で地域住民や保護者に理解と合意を得るべきと申し上げてきましたが、広く理解が得られたものなのかあきらかにしてください。
(答弁)
今回の統廃合は住民の合意があったとしても、これは、かなり異例なやり方だと言わざるをえません。
来年度は味噌蔵町小学校の場所で統廃合校を開き、将来的には小将町中学校の場所へ移転。小将町中学校は中央地区へ移設という計画を聞いています。
つまり、当該の地域だけでなく、他の地域に及ぶ計画であること。しかも小将町中学校の移転はだれの要望でもなく押し出された形です。伝統ある兼六園下のシンボルのようなこの学校が、そのような経過で移転させていいのか、疑問の声があがっています。しかも、小将町中学校通学区域および中央小学校区には、まだ説明も一切されていないと聞きます。
- 子どもや保護者などの住民説明や用地確保など、どのように行われるのか、あきらかにしてください。
(答弁)
⑥統廃合の話がすすむ中で、小将町中学校の移転、中央校下での中学校建設の話がでてきました。そうなると、これから説明を受ける地域の方々は、もう決まったかのような印象を受けるのではないでしょうか。
当該の地域だけでなく、他の地域にもおよぶこのような計画を教育委員会が強引に進めてはならないと考えます。各々の地域の現状やご意見を踏まえ丁寧な話し合いをもつべきですがいかがでしょうか。
2.3 小中一貫校制度を受けて
次は、小中一貫教育について伺います。
現在は特例でしか認められていない小中一貫校を制度化する改正学校教育法などが先月、国会で成立しました。
「義務教育学校」を新設し、各自治体などの判断で学年の区切りを「4・3・2」制や「5・4」制などに変更できるというものです。
校長は1人で、教員は原則として小中両方の免許が必要で、校舎は同じ敷地内でも離れていても構わない。としています。
国会審議過程の参考人質疑で、3名の学者の方々が意見陳述しましたが、そのうち2名の方が批判的意見。「小中一貫校」の理由としている“中1ギャップ”論について、中学の不登校件数が多いなどの問題は、学力・進学競争や管理教育による面が大きいという意見。
先行実施された品川区の小中一貫校の実態も紹介され、小中一貫校の目的は、学校統廃合や小学校5、6年生の活躍の場の消失、前倒しの詰め込みカリキュラムと行政による教育内容への「不当な支配」の危険性があり、一貫校設置には教育学的根拠もなく、具体的な検証もないという意見もありました。
このように専門家からも批判的意見が出ていながら決まった小中一貫校制度。
- 教育長。本市教育委員会はこれまで、金沢市は国のすすめる小中一貫教育ではなく、金沢市独自の小中連携を中心とした一貫教育を行うとしてきました。国の一貫校の制度化を受けて、教育長の見解と、金沢市として具体化することがあるのか、伺います。特に、同じ敷地で建設をすすめている、泉小学校、泉中学校はどうなるのか、あきらかにしてください。
(答弁)
- 国会での参考人の言う通り、教育学的根拠もなく、つめこみ教育の助長、学校の大規模化や小学校高学年の主体的成長が損なわれる弊害をもつ国の小中一貫教育はすすめるべきではなく、少人数学級の整備や、教員の増員などで、子ども一人ひとりに寄り添った教育こそ実現すべきと考えますがいかがですか?
(答弁)
2.4 通学区域の変更への対応
小中一貫教育と関わって、本市では通学区域再編計画なるものが出されました。
7月3日かから全市の保護者へ説明にまわる、ということですが、すでに地域や保護者からは疑問と不安の声が出されています。
疑問のひとつが、通学区域変更の議論の過程で出された中学校選択制の廃止です。
⑨中学校選択制は、学校の格差や序列化をうむという批判がある中で、「生徒や保護者のニーズに応え、学校選択の機会が拡大する」「特色のある学校づくりや学校の活性化を促す効果がある」として教育委員会がすすめてきたものです。廃止となれば、当初のこの目的と照らして、検証をおこなっているはずですので、検証内容を明らかにしてください。
(答弁)
⑩この中学校選択制の廃止もそうですが、通学区域変更は、小中一貫教育の名のもとに、地域の事情ではなく上からの画一的なやり方ですすんでいるように感じてなりません。そしてなにより、子どもたちが置き去りにされています。今後のやり方として、一律ですすめるのではなく、地域ごとに事情を考慮し、子どもや保護者、地域を主体にすすめるべきと考えますがいかがでしょうか。
(答弁)
ぜひとも、地域の実情にあわせて、まずはご意見を聴いてください。
3 妊娠・子育て支援について
3.1 不妊治療制度変更への対応
続いて、妊娠・子育て支援について伺います。
- 来年度から国は特定不妊治療の助成制度について、43歳という年齢制限を設けるなど、大きく制度を変えようとしています。当事者は、複雑な思いを抱えています。わたしは、国がそうだからと当たり前のように本市も制度を変更していくのではなく、限られた時間の中で、より切迫している当事者を、本市として支えるサポートを充実すべきと考えます。来年度に向けて、不妊治療の知識と現場経験も兼ね備えた専門家が対応する相談窓口を設けるべきと考えますがいかがですか。
(答弁)
- また昨今、不妊の原因の約半数が男性であることも明らかとなってきました。そこで今年度、石川県で男性の不妊治療について、補助制度が開始されると聴いています。
どのような制度で、金沢市はどのような関わりをするのか、あきらかにしてください。
(答弁)
3.2 第3子保育料無料の今後の対応
- 次に今年度からはじまった保育料の第3子無料化の年齢拡大についてです。保護者のみなさんのお声によって、いちばん上のお子様が高校3年生まで適応されることになりました。まずは、対象人数を明らかにしてください。
(答弁)
・大変喜ばれている制度です。
- これからもこの制度を維持・継続していくべきと考えますが、来年度以降も保障されるのかあきらかにしてください。
(答弁)
県や国へ継続を求め要望するべきです。
3.3 子ども医療費助成拡充の周知
- この分野のさいごに、本日7月1日から、いよいよお子様の医療費助成制度が、本市でも基本的に現物給付に変わります。これは多くの親御さんの願いであり、子どもの命を守るものです。ぜひ広くお知らせいただき活用していただきたいと考えますが、保護者の手続きはどうなるのか、また周知ついてもどのような取り組みをし、進捗状況はどうかあきらかにしてください。
(答弁)
- ぜひ、すべての方にご周知いただくことを求めます。
そして、子どもの命を守るという点で、完全な窓口無料化を求める声が多く、他の自治体では完全無料なのにどうして金沢ではできないのかと疑問も寄せられています。
改めて、窓口での一部負担を残した理由となぜ500円なのか、あきらかにしてください。
(答弁)
・自治体の都合で子どもの命をせばめることは許されません。
引き続きこの制度の拡充を求め次の質問に移ります。
※一問一答による質問で、時間切れのため予定していた以下の質問はできませんでした。
4 市民のライフラインについて
4.1 下水管破裂事故の対策と課題
5月に入江3丁目交差点付近で起きた下水管の破裂について伺います。
交通誘導をされていた方のおかげで人的な被害はなかったものの、8mにもわたって道路が陥没し、汚水が漏れ出すという大規模な事故でした。しかも、破裂した下水管は耐用年数50年と言われていたものが30年目で破裂し、予想もしていないことだったと聴いています。
- 同じことが繰り返されないよう、原因究明して対策を行う必要がありますが、どこに原因があったとお考えですか。
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- なぜ耐用年数よりも早く破損し、また予想ができなかったのか、あきらかにしてください。
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4.2 類似場所の調査
- そして、同じような構造のところや同種の圧送管を使ったところの安全性は確認したのかあきらかにしてください。
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4.3 今後の安全対策
事故起こった箇所については、腐食ガスが発生しないような対策が求められます。
- 今後どのような対策がとられるのか、伺います。
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今回は、たまたま、二次災害も起きることもありませんでしたが、一歩間違えれば人の命にも関わる事故です。
市民のライフラインについては早急に予算付けも含め行うべきことを述べ私の質問を終わります。