2015年9月15日
金沢市議会議員 広田 美代
わたしは、日本共産党市議員団を代表して討論を行います。
我が党は、提出された議案のうち、議案第14号平成27年度金沢市一般会計補正予算(第2号)の衛生費について、議案第16号金沢市行政手続きにおける特定の個人を鑑別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例制定について、議案第19号金沢市情報公開および個人情報保護に関する条例の一部改正について、議案第21号金沢市手数料条例の一部改正について、議案第22号金沢市印鑑条例の一部改正について、以上5件に反対です。
その主な理由として、補正予算の衛生費は、本市が行っている65歳以上のインフルエンザ予防接種について本来より低額で接種できるというものですが、今年からその自己負担額を1200円から1400円に値上げするというもので反対です。インフルエンザワクチンは、言うまでもなく、発症をある程度おさえる効果や、かかっても重症になるのを一定程度防ぐ効果、また、まわりの人に感染が広がるのをおさえる効果が期待できます。特に高齢者においては、インフルエンザでも重症化すれば死因ともなる危険がある中、厚生労働省の報告によると、65歳以上の健常な高齢者の場合約45%の発症を抑え約80%の死亡を阻止する効果があったと報告されています。本市でもこうした効果を期待して、58%の6万人が接種し、健康や命を守っていますし、なにより感染拡大を防いでいます。ただでさえ年金が下がり、介護保険料や国民健康保険料、消費税増税などでくらしが大変な高齢者世帯です。このような高齢者の命を守る取り組みはむしろ、無料に近づけるべきであり予算を削減するべきではありません。
議案第16、19、21号は、マイナンバー制度導入に関わる条例の変更であり、わが党はマイナンバー制度については本会議でも述べたように、国家が、国民の税や資産、社会保障利用状況など、細部にわたり丸裸にするもので、プライバシーの侵害やセキュリティの問題、多額の費用を費やすなど問題が多く、中止を求めており反対です。
そして、本市が来年5月からこの制度を利用してコンビニで住民票、戸籍関係の書類の交付ができるようにするための条例変更が議案第22号であり、マイナンバー制度の利用という点でも、また地方自治体の責任と役割を放棄するものであるという点でも反対です。
次に、請願、陳情についてです。請願第5号は、安全保障関連法案の継続審議を求める意見書を政府に送付するよう求める請願で、「私たちの声を石川の議員さんへ届けようプロジェクト」のみなさんから出されたものです。請願第6号安全保障関連2法案の廃案を求める意見書採択を求める請願は、新日本婦人の会金沢支部から出されたものです。
安倍晋三政権は、戦争法案の今週中の参院採決・成立の強行を狙っています。しかし、法案のあきらかな違憲性、国民多数の反対世論を無視した民主主義破壊、「自衛隊の暴走」を許すシビリアンコントロール(文民統制)の欠如など、あらゆる点で強行が許される状況ではありません。安倍政権が決まって持ち出す「法案は日米同盟の抑止力を高め、戦争を未然に防ぐものだ」「『戦争法案』ではなく、国民の命と平和な暮らしを守る平和安全法制だ」などという弁明も完全に破綻しています。
我が党は、憲法を守り、二度と戦争する国にしてはならないとの立場から、この請願に賛成です。
以上、いずれの請願も常任委員会では否決をされたもので、我が党はこれに反対します。
なお、陳情第3号、主に小学生の安全な登下校手段に関する陳情については、提出者に直接お話をお聞きもしましたが、「子どもを安全に通学させたい」思いは理解できるものの、本来の路線バスが果たす役割や金沢の気象条件などを配慮した道路等の整備、地域や学校の取り組みを通し、保護者の不安を取り除く努力もできるのではないかという立場から賛成できないものです。
以上討論を終わります。