2015年9月15日
金沢市議会議員 大桑 初枝
私は、日本共産党市議員団を代表して、議会議案第12号TPP協定交渉に関する意見書の賛成討論を行います。
7月に行われたTPPに関するハワイでの閣僚会議は、大筋合意が得られませんでした。
日本側が出したとされる譲歩案は、牛豚肉関税の段階的引き下げなどに加えて、コメについては米国から7万トンを上限に輸入するというもの。米価暴落の中で必死の努力をしている生産現場から「政府は毎年8万トンもコメが余るといってきたのに、何を考えているのか」という怒りが渦巻いています。
これは、重要品目について除外または再協議をうたった衆参両院農林水産委員会の決議に照らして、大変な問題であり、食料自給率の引き上げという国益にも反するものです。
また今回「大筋合意」ができなかった象徴的な出来事として、医薬品の特許保護期間をめぐる対立もあります。交渉参加国のなかで「日米の強引さ」を批判する声があがっており、「大筋合意」に至らなかったのは、各国民は多国籍企業の利益を優先するTPP交渉に批判を強め、矛盾を広げたからです。
また、アメリカとの交渉で「日本が(コメの輸入枠を)5万トンと主張した」と発言した事実をただしても政府は、「交渉内容は控える」と繰り返すだけで、国民に情報開示がされていません。国連の人権問題専門家が、TPP協定は「人権の保護と促進に逆行」と懸念を示すとともに、交渉の秘密性を問題にもしています。
このような、国民不在のTPP交渉からは即時撤退すべきです。
しかしながら、今回の議案第12号TPP協定交渉に関する意見書では、「農林水産分野の5品目についてはもちろん、他の分野についても国益を守り抜く態度が示されており、その点においてわが会派もこの意見書に賛同するものです。
以上で討論を終わります。