2017年 6月26日 金沢市議会最終本会議
「共謀罪」法の廃止を求める意見書の提案理由説明 広田みよ
私は、日本共産党市議員団を代表して、議会議案第3号「共謀罪」法の廃止を求める意見書の提案理由説明を行います。
「共謀罪」法は、参院法務委員会の審議を打ち切り「中間報告」で本会議採決するという“おきて破り”の経過をたどりました。国内外から多くの批判や警告が出されようと、なりふり構わぬ手段で会期内成立に突き進む。閉幕直前の「共謀罪」強行は安倍政権の異常極まる強権姿勢をまざまざと示しました。
NHKの日曜討論でこれについて、自民党の下村幹事長代行は審議が不十分だと認め、民進党の野田幹事長は「強行採決の中の強行採決」とし、自由党の玉城幹事長、社民党の吉川副幹事長も「疑惑の隠蔽だ」と批判。維新の会の馬場幹事長さえ「さすがに『中間報告』は遺憾だ」と苦言を呈しました。
国民の世論調査でも、このやり方について、良かったとは「思わない」が65・1%で、良かったと「思う」は16・6%にとどまるのも当然です。
共謀罪法は、犯罪の具体的行為があって初めて処罰されるという日本の刑法の大原則をねじ曲げ、思想・良心の自由をはじめとする基本的人権を侵害する、紛れもない違憲立法です。
それをごまかすため安倍政権は「テロ対策」とか「一般人は対象外」と主張し国民を欺こうとしましたが、国会審議での野党の追及に答弁は迷走を続け、審議をすればするほど、政府の説明は破綻してきました。
「中間報告」という国会ルール無視の“禁じ手”を行使したことは、安倍政権が追い詰められた結果です。
国民の異論に何ら答えることなく、「数の力」による強行を繰り返したやり方に一片の道理もありません。
この共謀罪法はじめ、第2次安倍政権は毎年のように国民の声に逆らって、日本を「戦争する国」にするための違憲立法を次々と強行しています。
国民の目と耳と口をふさぐことを狙った言論規制の秘密保護法の制定(13年)、自衛隊が海外で武力行使をすることを可能にした安保法制の強行(15年)、そして今回の「内心」を処罰する「共謀罪」法の強行。
加えて5月の憲法記念日に安倍首相は自衛隊の存在を憲法に明記する改憲を20年に施行することを明言し、先日は、今年秋の臨時国会で改憲案を提出するとまで表明しました。 こんな暴走を絶対に認めるわけにはいきません。
「共謀罪」法などの違憲立法をそろって廃止し、立憲主義、民主主義、平和主義を日本の政治に取り戻すことが必要です。よって、共謀罪法の廃止を求めるこの意見書を本市議会からも国へ届けようではありませんか。
議員各位の賛同をお願いし、提案理由説明といたします。