反対討論 金沢市議会・2018年6月
2018年6月25日 日本共産党金沢市議会議員 森尾嘉昭
私は、日本共産党市議員団を代表して討論を行います。
わが党は、上程された議案22件、報告1件のうち、議案第1号、議案第6号、議案第7号、議案第8号、議案第10号、議案第15号、議案22号の議案7件について、反対であります。
その主な理由について述べます。
金沢港建設事業です。大浜岸壁での事業は、大手企業こまつの工場を誘致するとして336億円が投入され、本市の負担は57億円にのぼっています。今度は、クルーズ船を誘致するためだとして無量寺岸壁改良事業は、総事業費が60億円、施設整備などの事業費が80億円。合わせると約500億円と拡大され、さらに、クルーズ船を迎え入れる事業費が県と市で進められるなど一部の大手企業などへ巨額の税金を投入する事業だとして反対してきました。今回補正予算では、クルーズターミナルの建設やアクセス道路、駐車場の整備等に着手するとして総額13億7260万円が計上され事業が進められます。わが党は、反対です。
東京国立近代美術館工芸館の移転は、移転とスケジュールが先にありきで始められ、関係者の中でも十分な理解と合意のないまますすめられています。新たに本市に建設される建物の総事業費は、33億4818万円で、県が6割、本市が4割の負担で進められています。今後、美術工芸品の移転費用や運営に係る点など不透明であり、市民の理解と合意は得られているものではありません。今回、移転開館の機運を醸成するとして予算が計上されましたが、反対であります。
新たに香林坊・片町地区及び武蔵地区の商店街を対象に健康・スポーツ関連の体験型店舗と複合型小売関連の滞在型店舗の出店に対する支援制度を創設するとして2千万円の補正予算が計上されました。竪町商店街などで、店舗が県内の大型店へ移転した結果、空き店舗となっています。店舗同士の激しい競争の中、その撤退と出店が繰り返され、地元商店街の衰退ともあって、あき店舗が目立ってきています。今回の支援策は、一定規模の店舗や資本力のある企業への支援策となりかねないことから反対であります。
新竪町小学校と菊川町小学校の統廃合、犀川小学校と東浅川小学校の統廃合を進めるための予算が計上されました。
高齢化と少子化が進んでいる中、市内中心部と山間部での小学校統廃合は、さらに、少子高齢化を加速します。歩いて通える学校があり、住民の生活や仕事の声が聞こえる中で、学び合うことの大切さは、欠かすことのできない教育環境の一つだと考えます。わが党は、今回の統廃合は、安心して住み続けられるまちづくりをしてほしいとの住民の願いからもかけ離れたものであり、反対であります。
今回の統廃合を進めてきた本市教育委員会は、校舎の耐震化を急がなくてはならないとして、統廃合ありきでことを急いで進めてきました。対象となった小学校の保護者の中には、今回の統廃合に疑問の声が続き、現在地での建て替えや耐震対策ができないかとの意見が表明されています。
統廃合がすべての解決の道だと強引に進めるのではなく、現在地での建て替えなどを含め、関係者の理解と合意づくりの中で、解決の道を進めていくことを強く求めておきたいと思います。
次に、条例改正などの議案についてです。
地方税法改正に伴う条例改正に反対です。
安倍内閣のもとで来年10月から実施するとしている消費税10%への増税を前提とした税制上の措置を拡充・延長するものです。改善が求められた対応があるものの、一部企業のみに支援を特化する経済政策と一体のものが含まれており、反対であります。
放課後児童クラブ、いわゆる学童保育に係る条例改正です。
全国の長年にわたる取り組みによって、児童福祉法が改正され、学童保育の設備や運営について、国の基準がつくられ、本市も条例化が図られました。この中で、国が定める最低基準として学童保育指導員の資格と指導員配置について「従うべき基準」として明記されました。ところが、指導員が不足しているとして、基準をなし崩しにしていく方向がすすめられてきています。こうした動きの中で、今回、国の省令改正に伴って、本市条例を改正するものですが、これまで、築き上げてきた到達の後退につながらないよう関係者が国に対して声をあげています。こうした状況から今回の条例改正に反対であります。
保育の質の低下を招く規制緩和を盛り込んだ法改正に伴う今回の条例改正。同じく、介護保険制度改正では、必要な介護保険制度によるサービスが受けられないよう対象から外し、安上がりな介護サービスに導くなど法改正に伴う今回の条例改正には反対です。
工事請負契約締結の議案の中で、旧金沢市営総合プール解体工事について、住民から現在地にプールを立て直すなど残してほしいとの要望に沿って対応されるものではなく、同意できません。
次に、請願についてです。
請願第29号は、核兵器禁止条約に関するもので、石川県原爆被災者友の会の会長から提出されたものです。国連加盟国の6割を超える122か国の賛成で核兵器禁止条約が採択されました。唯一の被爆国である日本がその責任を果たすことが求められています。したがって、日本政府がすみやかに核兵器禁止条約に署名すること。衆参の両院でこれを批准することを求めるこの請願に賛成であります。したがって、これを否決した総務常任委員会での議決に反対するものです。
以上で討論を終わります。