2019年度9月議会 広田議員一般質問 9・12

2019.9.12

〇就学援助制度 入学準備金について
-広田議員
質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として、以下数点質問致します。
まずは、就学援助制度の入学準備金についてです。 本市では、2018年度の小・中学校入学予定者から、就学援助費のうち「新入学学用品費」、以下「入学準備金」と呼びますが、これについて前倒しで支給がはじまりました。就学援助本体では昨年度5634名ですし、入学準備金の認定も小中あわせて1120名となり重要な制度です。 入学準備金がこれまで入学時の4月に申請をして8月の支給であったため、入学準備には間に合わず、保護者のみなさんらが求めた結果、入学前の10月の申請によって、入学前の3月に支給されるように改善がされたもので、大変喜ばれています。 まずは教育長、この入学前の入学準備金について2年目を終えてみて、受けるべきすべての方がスムーズに、制度の趣旨通りに受けられているとお考えでしょうか。

-野口教育長  
就学援助制度の支援項目のひとつでございます「新入学学用品費」につきましては、入学後の申請に加えまして、入学前の申請におきましても支給可能となりますよう、機会の拡大を図っております。毎年新たに小学校1年生や中学校1年生となる全ての児童・生徒に対しまして、制度案内のチラシを配布しておりますほか、あらかじめ入学前には全ての幼稚園また保育所等への案内、また適宜、新聞・テレビなどを通じた周知に努めているところでございます。「新入学学用品費」を必要としている方々につきましては、申請をすることで基準に該当する方々には支給されているものと考えています。

-広田議員  
制度の周知につきまして、多方面で取り組んでいただいている様子がご報告されましたけれども、主旨通りに受けられているのか、スムーズに受けられているのかという点で、そうではない実態がわかりました。入学準備金の認定基準と、4月からの就学援助制度の認定基準が異なることがわかりました。これによって、のちに述べますが、特に小学校入学の場合に問題が起こっています。 小学校の認定基準については、4月からの就学援助制度では、入学する子どもの年齢を6歳とした基準ですが、入学前の入学準備金については5歳で計算しています。これは過去の生活保護基準を用いており、本市の場合、5歳と6歳で月に7000円もの差があり、認定基準では20万円以上もの差となることがわかりました。 このことによって問題は大きく2点挙げられます。
ひとつは、入学前に5歳の基準で「否認定」となった方が、あきらめて4月の「就学援助」本体の申請をしていないかもしれない、という問題です。 今年度の数字で言えば、小学校477名が入学準備金を申請し、うち66名が「否認定」。つまりこの66名は、6歳の基準であれば「認定」をされる可能性が残されているのですが、実際は4月には20名の方しか申請していません。この20名のうち7名は認定をされましたが、申請もしていない残りの45名はあきらめてしまったかもしれません。「否認定」を告げるハガキの文面にも4月の申請について掲載はありますが、とてもわかりにくいです。この問題について、教育委員会は「あくまでも申請主義だから仕方ない」と言うのかもしれませんが、一度は申請を行い制度を利用する意思を示しているのに、制度の複雑さからその意思が活かされないのは制度上の問題ではないでしょうか。

-野口教育長
 就学援助制度につきましては、支給を希望する方々からの申請に基づきまして、毎年度、申請があった年度の世帯の構成や年齢、また所得金額、この対象は制度上前年度となりますが、これらをもとに認定をするものでありまして、入学前支給が「否認定」となった場合でも、入学後の申請において「認定」となる場合がある旨を、あらかじめ入学前の支給に関するチラシまたホームページ等で周知しているほか、認定・否認定の認定結果をお知らせする通知書にも記載をしているところであります。

-広田議員  
年度ごとに基準を変えており、4月にも認定をされる可能性があるので促してはいるようですけれども、実際、今年度でも45名が申請すらしていないという結果が明らかに出ているわけですし、ハガキの文面やインターネットの情報など私も保護者の方に読んでもらいましたが、やっぱり「理解がしづらい」というお答えをいただいています。 さらにもうひとつ問題なのは、入学前は認定されなかったけれど、今年度4月の申請をして認定された7名は、入学前も仮に6歳の基準で計算されていれば、入学前の3月に入学準備金の支給がされていた方といえます。入学準備金前倒しの趣旨を生かすためにも、入学前も6歳で計算をするべきだと考えますが、いかがでしょうか。

-野口教育長  
就学援助によります支援は、先程お答えしました通り、毎年度、申請があった年度の世帯の所得額また家族の構成や年齢等を基に認定するものでありまして、支援項目のひとつであります「新入学学用品費」の入学前支給につきましても私は同様であると思っております。従いまして、現行の取り扱いを守るべきであると私は思っております。

-広田議員  
年度の年齢にこだわっているようですけれども、入学後も6歳と7歳は混在をしているということもありますし、入学前も6歳になっている方もいるわけです。さらに、県内でも6歳で計算している自治体があります。そして文部科学省の担当者も6歳が本来の主旨に基づく計算基準だろうと言っています。本市では「子どもの貧困対策」を高らかに掲げながら、このようなところでかたくなな姿勢をとる必要はないと私は考えます。さきほどお話した、申請をあきらめたかもしれない45名のような方を来年度も生み出してよいのか、どっちみち受けられる方が4月を超えないと受けられないという事態を招いても仕方ないというふうに教育長がお考えなのか、再度ご答弁をお願いします。

-野口教育長  
本来受給される方がしっかりと受給されるように、周知徹底をしっかりと図ってまいります。

-広田議員
変えないということなのでしょうか。私はこうした、行政の都合で子どもの貧困を容認している状況は認められないと感じます。今ある制度を多くの方に利用していただく、これが私は子どもの貧困を解消するまず第一歩だというふうに思います。入学準備金は入学前にもらってこその制度ですし、申請をあきらめさせるような制度の矛盾も解消すべきです。よって、6歳で計算するよう引き続き求めますし、来年度入学の方の申請状況もこれから調査していきますので、ぜひともよろしくお願いいたします。

 〇保育の無償化、副食費徴収

次に幼児教育・保育の無償化について伺います。
10月からの保育料無償化については、必要な施策ではありますが、待機児童や保育士の処遇改善も急ぐべきです。さらに、無償化は教育・子育ての切実な願いを逆手に取り、消費増税の口実にするものです。保育料はすでに所得に応じて段階的になっており、低所得世帯では「無償化」における恩恵は少なく、逆進性がある消費税増税分が重くのしかかるという問題が発生します。消費税を財源にするのではなく、応分負担の原則で税金の集め方を見直し、福祉に使うことが必要です。
さて、目前にせまった無償化ですが、すべてが無償になるのではなく、副食費を除いての無償化であり、保護者も驚いています。さらにその副食費は、園ごとに料金を設定し、園ごとに集める仕組みとなっており、いまでも多忙な保育所に、給食費の徴収業務まで加えるのは問題です。保育園や保護者に与える影響についていくつか伺います。
まずは、副食費の徴収にあたっては、既存の保育料との逆転現象を危惧する声があります。国は、逆転現象は生じないと唱っていますが、本市ではどうなるのでしょうか、石川県とともに多子世帯保育料無料化事業により独自に保育料を無償化していますが、その部分においても逆転現象は生じないのか、あきらかにしてください。

-山田福祉局長  
副食費につきましては、これまでも保育料の一部として保護者にご負担をいただいておりますが、幼児教育・保育の無償化におきまして、本市におきましては国に準じ生活保護世帯やひとり親世帯の他、年収360万円未満の世帯を免除することとしています。結果として、これまでの保育料より高くなる世帯はございません。
なお、石川県の多子世帯保育無料化事業の対象者につきましては、県の方からは適切に対応するというふうに聞いております。本市としてもこれに基づき対応をしてまいります。

-広田議員
市としては逆転現象が起きないよう配慮するということが確認できましたし、県も適切な対応をするということで、ぜひ期待をしたいところです。
それでは、園の負担はどうなるのでしょうか。というのも、国は、副食費の実費徴収によって市町村が保育料などに払う3~5歳児1人当たりの基本的な運営費から5180円を削除する案を8月末に示しました。しかし、これまで国は実費相当額を4500円としており、4500円がひかれると思っていた保育現場では混乱が生じています。運営費が減るので園は苦慮しており、4500円から値上げする園もでています。こうなれば保護者の負担が増えることにもつながります。 そこで、今回突然削減されることになった5180円と副食費の実費徴収の目安とされた4500円、この差額約680円を市が補助するべきではないでしょうか、伺います。

-山野市長  
本市の金沢市立保育所における副食費につきましては、食材料費として実際に支出している金額を基本に月額4500円としたところでありますが、私立の保育施設においては各施設が個別に金額を設定するところであり、ご指摘の差額について補助することは考えてはおりません。

-広田議員  
私立の保育園であれば、料金設定でその差額の穴埋めができるのではないかということかもしれませんけれども、ただ、園の料金設定ではどうにもならない部分もあるということはお分かりかと思います。年収360万円以下の世帯等は副食費が減免されるわけですが、徴収免除加算というものは4500円のみです。いくら副食費を5000円と園が設定したとしても4500円しか加算されないのです。差額の680円はあきらかに園の負担です。これは制度矛盾ではないですか。市がその差額を補助するつもりもないでしょうか。

-山野市長  
副食費の免除に係る取り扱いにつきましては、国の制度に準じて行うこととしており、現時点で差額を補助することは考えてはいません。ただ、保育施設側の負担が増えることも想定され得ることでもあります。各保育施設の副食費の設定状況を確認するとともに、今後、保健・保育関係者の意見も聞いて行きたいと思っています。

-広田議員
ただでさえ園は経営に四苦八苦しながら人手不足の中でも頑張っているわけです。その中で突然示された5180円に、本当に今混乱が広がっています。ぜひ実態調査と、さらなる市からの補填をお願いしたいと思います。
そして、そもそも食事代だけを無償化から除外した背景には、自宅でも食べるのだからといった安易な発想があります。しかし、食事も子どもの成長にとって大事な保育の一環です。国の保育の無償化によって、ほとんどの自治体で、これまで保育料減免に使っていた財源が浮きます。こうした財源も活用して、自治体がさらに副食費の減免を拡大したり、主食への支援をしたりするなど保育の充実に向けた対応をとっていただきたいと思いますがいかがですか。

-山野市長  
今回の幼児教育・保育の無償化に伴い、私立の保育施設の保育料に係る市費持ち出し分の一部が不要となりますが、金沢市立保育所の保育料無償化分についてはその全額を市費で賄うこととなるほか、幼稚園や認可外保育施設などにおける保育料・利用料の無償化に係る費用が新たな負担となるところであります。無償化の影響額につきましては、財源も含め通年ベースとなる明年度以降の推移を見る必要があると思っており、現時点で本市独自で免除をするところまでは考えてはいません。

-広田議員
公立保育園については地方自治体が補わなければならないということにも、大変混乱が生じていますけれども、金沢市は公立保育園も少ないですし、認可外で無償化の利用をするという方も多くはないというふうに聞いております。ぜひとも財源を適切に使って、副食費の減免拡大や主食への支援を引き続き求めたいと思います。
そして、国にもやっぱり声をあげるべきだと思います。今回の副食費の実費徴収化と、それにともなう運営費削減は、改悪とも言えます。消費税があがる中で、ますます保育環境が厳しくなっています。そこで突然の運営費の削減まで打ち出しました。国に対して副食費の実費徴収と運営費削除はやめるよう、市長から求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

-山野市長  
幼児教育の負担軽減を図るという少子化対策、生涯に渡る人格形成の基礎を担う幼児教育の重要性から、幼児教育・保育の無償化は必要な施策であると考えています。なお、副食費の徴収に当たりましては、保育料を無償とする一方で食材費の実費のみを保護者に負担していただくもので、併せて低所得者世帯への配慮もなされており、国に対して取りやめを求めるつもりはありません。

-広田議員  
これまで述べてきたとおり、運営費の大幅な見直しによって5180円が引かれるわけです。これによって園の経営も大変厳しくなりますし、それをカバーするために保護者に副食費を値上げしてお支払いいただくということも起こる可能性もあるわけです。こんな中身では、何のために無償化をしているのかわからないといった声も現場ではあるわけです。ぜひとも国に言っていただきたい、そう思います。
10月からの消費税増税で市民の、そして園の負担も大変増えるわけです。しかしその痛みを国は社会保障に充てると言ってきたわけです。でも結局は、地方や市民にしわ寄せがきている。市長は一自治体の長として市民のくらしを守る立場にありますから、ぜひ国に対して声をあげてほしいと思いますし、先程おっしゃっていましたけれども、施設側が無償化によって大変苦労しているという実態も調査していただくよう求めて、次の質問へ入ります。

〇自衛隊への名簿提供問題

-広田議員  
最後に自衛隊への名簿提供問題について伺います。 先の6月議会、これまで閲覧を認めてきた自衛隊への18歳の情報について、今度は電子媒体で提供すると市長が表明したことに、市民は驚き、疑問を抱いています。 そこでいくつか伺います。
まずは、自衛隊法ならびに自衛隊法施行令120条は、自治体からの名簿提供に関しては「防衛大臣は…都道府県知事又は市町村長に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる」(120条)としているだけです。自治体は名簿提出の要請に応じる義務はありません。2月に岩屋防衛大臣も「法令を変えて強制する考えは当面ない」とまで言っています。自治体は、自衛隊の名簿提出の要請に応じる義務はないこと、まず市長、この点は共通認識でよろしいですか。

-山野市長  
国会でもそういう答弁がなされているということは、私も理解しているところであります。

-広田議員  
大前提として、自治体には自衛隊への名簿提供に応じる義務はないということは、市長とも共通認識であることはわかりました。 さらに、これまでの「閲覧」から「提供」となると法律に反しているとも言われています。それは、住民基本台帳法はあくまでも「閲覧」の規定しかなく、「提供」の規定はありません。6月の市民福祉常任委員会でも、市民局長はこの点はお認めになりました。
本市は個人情報保護条例24条の「目的外利用」の制限の特例を根拠にしようとお考えですが、あくまでも自衛隊にお渡しする4情報は住民基本台帳から引っ張ってくるものです。「提供することができない」とする住基法に違反する形で行う限り、正当な行政執行とは言えず、条例にも違反することになるのではないでしょうか。

-山野市長  
対象者情報の提供は、法定受託事務として行うものであります。違法ではありません。かつ、金沢市情報公開及び個人情報法に関する条例第24条第1項第2号の「法令等に定めがあるとき」に該当するものとして行うものであり、同条例に基づく適正な取り扱いでありますことから、条例違反にも当たりません。

-広田議員  
先程は個人情報保護条例についてやり取りがされていたわけですけれども、その条例に従って提供しようとしたとしても、元々持ってくる情報は住民基本台帳にあるものであり、そこには閲覧しか規定がなく、どこを探しても提供という言葉はないんです。認められていないのに、条例を使えばなぜできるのか、条例にも反するのではないかとお聞きしているのですが、再度いかがでしょうか。

-山野市長  
閲覧は転写させることで、その写しを提供することが前提の制度であります。金沢市は4000名を超える該当者がいらっしゃいます。その該当者の名簿を提供するということは、私は違法ではないというふうに思っています。条例違反でもありません。

-広田議員  
転写させることで提供ならば、なぜ今まで転写していたのかということにもなるわけですけれども、あきらかに法の解釈の拡大だというふうに考えます。しかも調べる中で、過去には重大な問題が起きていたこともわかりました。
2000年に遡りますが、石川地方協力本部と石川県が「自衛官募集事務の手引き」を作成し、市町村が行う募集業務に「適齢者情報の提供」をあげ、「氏名、住所、生年月日のほか、世帯主との続柄および世帯主氏名のほか、職業、健康状態、技術免許など」を含んでいたことが2003年にあきらかとなりました。2003年当時の県議会で、12市町で世帯主関連の情報を含めて提供していることがわかりました。県は、適切さを欠くということで謝罪までしていますし、国会でも大きな問題となり、全国で320以上の都市で同様のことが起こっていたことも明るみになったのです。中には無職者の情報を抽出して出していた自治体もあります。
まずは、当時金沢市はどのような対応をしたのかあきらかにしてください。

-長谷市民局長  
当時の自衛官募集に関する資料は現在保管しておりませんが、本市におきましては住民基本台帳法上、可能な範囲で閲覧に供していたものと考えています。

-広田議員  
証拠が残っていないですから、今の「可能な範囲での閲覧」というのも推測の範囲だと思います。手引きについては若干、この謝罪を受けての修正はありましたけれども、石川県の行政情報センターですか、資料のあるところに公開をされて、私も写してまいりましたけれども、ぜひこの点は引き続き、どういう対応をしたのか、私はここで金沢市の法的な解釈が問われると思いますので、引き続き調査をしていただきたいと思います。
そして、少なくとも2000年に作られ2003年まで各自治体がそれに従っていたとすれば、金沢市もその手引きを容認していたということになります。当時、県は謝罪をしましたけど、現時点で市長は2003年当時の、この個人情報の大変繊細なところまで提供しようとしたこの手引きについて適切ではなかったという認識はありますか。

-山野市長  
当時の手引書につきましては、県当局で市町村に情報提供を要請したことは適切さを欠いた内容であったと県議会で発言されたという記録があります。
金沢市といたしましても同様の認識であります。

-広田議員  
今市長は、金沢市としても同様の認識、適切でなかったとおっしゃっていますけれども、当時の2000年から2003年、自衛隊そして石川県が一緒に手引きを作成し、市町村を指導するというような立場でこの間違ったやり方が進められてきたわけです。その3年間に市町の行政の誰もが疑問に思わずもしやってきたのであるとすれば、大変重大ですし、なぜこのようなことが起きたのかということを振り返ってみれば、やはり法的根拠がないこと、これに尽きるのだと私は思います。
行政と自衛隊が法的根拠の無さを背景に、一緒になって解釈を拡大し独り歩きをさせた。歯止めなくこのような動きが広がったことは、私は行政として教訓化すべきだと思いますし、その当時市民にも大変ご迷惑をおかけしたのですから、反省のうえにたって業務を行うべきと考えます。 名簿を提供する法的な根拠はありません。そして法的根拠がないがゆえに、こうした手引きによって不適切なこともおかしていた。
今般、全国でも名簿提供の拡がりを見せていますが、安倍首相が自治体の裁量権があるにも関わらず強引な姿勢を見せたことが発端だと考えます。時の権力者や自治体の長によっては、歯止めがなくなる恐れがあることを今でも教訓化できるわけです。 再度確認ですが、これは自治体の判断でやってもやらなくてもいいものです。それらのことを踏まえれば、市長が表明した電子媒体での提供は撤回するべきですが、いかがですか。

-山野市長  
法律にそったものであります。条例にそったものであります。そこはしっかりと共通認識を持っていかなければならないというふうに思っています。先の議会の答弁を撤回するつもりはありません。

-広田議員  
法律や条例の解釈、これについては過去にも県が拡大解釈していたということもあるわけですから、国がいくら良いと言ったからといって、私は市民の立場に立って、認めるわけにはいきません。そこは平行線だと思います。そうなればやはり、自治体の裁量権、地方自治権というものをしっかり活かしていただきたい。
市長がやるべきことは、市民一人ひとりの人権と個人情報を守ることです。個人情報は、当然ですが本人のものであり、市長のものではありません。お預かりしている大切な情報について、市長の個人的な思いで決めないでほしいというのが市民の願いです。撤回されないと表明されましたが、すでに市民からは知られたくないというお声が届いています。そうしたご本人の気持ちや人権というものはどうなるのでしょうか、教えてください。

-山野市長  
法律や条例に基づいて行っているところであります。ご理解をお願いいたします。

-広田議員  
ですからそこは平行線ですね。市長の、市民の個人情報を守る決意をお聞きしたかったんですけれども、大変残念です。
守るのであれば、自衛隊に名簿を渡すのではなく、まずは法的条例の根拠もないのですから、その辺をもう少し整理されて、市民に堂々と説明できる状況になってからでも遅くはないのではないでしょうか。法的な根拠もない、知られたくない市民もいる、私は撤回すべきと考えます。 あと、さきほど触れました2003年当時の市の対応、これは大変貴重な対応だと思いますので、どうだったのか引き続き調査を行い、市民に明らかにするよう求め、質問を終わります。

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