2020年4月17日
金沢市長 山野 之義 様
新型コロナウイルス感染拡大が続き、市内で3人の死亡が確認されました。
市民のいのちを守るために
医療と検査体制の抜本的な強化を求める申し入れ (9回目の申し入れ)
金沢市議会議員 森尾 嘉昭
広田 美代
大桑 初枝
玉野 道
熊野 盛夫
4月16日、安倍首相は、新型コロナウイルス感染拡大防止に向け、緊急事態宣言の対象地域を全都道府県に拡大すると共に、石川県を含む13都道府県について、「特定警戒都道府県」と位置づけました。
現在、新型コロナウイルス感染が日本各地で広がり、日本医師会が医療崩壊の危機を訴えるなど深刻な事態が続いています。
石川県内でも4月16日現在、感染者は146名となり、4名の方の死亡が公表されました。金沢市内では、感染者数が97名、そのうち、退院5名、死亡3名、治療中の方が89名となっています。厚生労働省の資料による4月15日の感染者数では、人口1万にあたりでは、東京都1.77、福井県1.29について、石川県が1.22となっています。金沢市は、4月16日現在97人で、2.09となり、東京都に比べ多くなっています。この間、金沢市内では、公共交通であるバスの運転手、タクシーの運転手に感染が発生し、医療機関、接客を伴う飲食店、金沢市役所職員、金沢市議会議員の感染者が確認されたこと。また、4ヶ所でのクラスター(集団感染)が発生し、今後急速な感染拡大の恐れがあります。こうした中、県は、一昨日、県内の入院対応可能は、170床であることを明らかにしました。このまま感染が拡大すると対応するベットが不足する事態を迎えます。こうした事態を受け、今後の対策を緊急に検討する必要があり、以下申し入れます。
なお、市長におかれては、テレビ、ラジオ等で、直接市民に寄り添い、正確な医療現場や、医療・検査状況を伝えると共に、市としての思いを市民に説明し、具体的協力を呼びかけることを求めます。
記
(1)県市一体となって、医療崩壊をくい止め、医療体制の強化を図ること。
- 県内の入院対応可能は、170床としていますが、県市の医師会の協力をえて、早急にベットの確保を行うこと。そのためには、感染予防の資材を確保すると共に、財政支援を行うこと。
- 本市市立病院で、重症な感染者の受け入れと治療体制を強化すため、人的、医療器材の集中をはかること。また、県立中央病院に対しても、強化するよう県に求めること。
- 無症状、軽症な感染者を移送するとして、金沢市内のビジネスホテルに170人収容が可能となり、一部移送が始まりました。今後、県市一体となって引き続き確保すると共に、財政的支援を行うこと。
- 医療機関での感染予防対策を強化するために、施設の改善や、感染予防対策への財政的支援を行うこと。
- 介護施設では、感染の不安から利用者の減少が続いており、一部では、休業している状況となっています。減収に伴う補てんや、介護職員不足への支援、感染防止のための資材など確保への支援を行うこと。
(2)検査体制の抜本的強化を進めること
無症状の方や、感染経路が不明の感染者が増加しており、検査体制の抜本的強化が求められています。
- 現在、県の施設1か所で行われていますが、検査可能な施設に依頼するよう県に求めること。
- 本市保健所での駅西保健所でドライブスルー方式での検査ができるように準備を進める。
(3)自粛と支援をセットで進めること。
- 国が打ち出している支援策について、速やかな実行に特段の努力を求めます。中でも、国民1人につき、10万円の支給や、中小・小規模事業者に対する給付金として、個人100万円、法人200万円の支給について、速やかな実行を求めます。
- 支援策とし、山梨県富士吉田市では、全市民に1万円の「コロナ撲滅支援金」として一律支給を打ち出しました。埼玉県川口市では、小規模事業者に一律10万円の支援金の支給を打ち出しています。東京都では、休業要請に対して、「協力金」として、一か所50万円、2店舗以上有する場合は、100万円を支給する。大阪府では、「休業支援金」として、中小零細企業に100万円、個人事業主に50万円を給付するとしています。これらを参考に追加補選予算の中で具体化すること。
- 企業など事業所に対して、テレワーク等への切り替えや、研修会、歓迎会、検診等人が集まったり、交流する機会の延期・中止を要請すると共に、支援策を打ち出すこと。
- 学童保育、保育園などについて、利用や登園の自粛要請に伴い、施設への支援策や保護者への休業補償など支援を行なうこと。
(4)学校休校にともなって、子どもたちへの学習支援や健康管理など実状に応じて具体化すること。