2021年3月議会 大桑議員一般質問

※実際は、一括して質問して、一括して答弁をもらう形ですが、便宜上、一問一答の形にしています。

-大桑議員

 質問の機会を得ましたので、日本共産党金沢市議員団の一員として以下質問致します。
 まず、市立保育所のあり方についてお伺いいたします。昨年7月、本市子ども・子育て審議会の中で、市立保育所のあり方の検討が始まりました。老朽化の進む市立保育所の再整備や、職員の働き方改革についての調査審議が行われ、昨年12月末に基本方針が出されたところです。再整備については、原則は現地立替ですが、土砂災害警戒区域など、自然災害による危険区域や、危険な交通事情を抱える保育所については、移転も考慮することや、統廃合や民営化するという観点も加えられました。個別具体には、森本地区にある宮野保育所のあり方なども、検討するものとしています。危険な場所の保育所の移転は必要であり、早急に対策が求められるところです。移転調査検討費として、190万円が予算に計上されています。しかし、この市立保育所の整備にあたっては、統廃合や、民営化も踏まえての、検討となっていますが、具体的にどのように考えていらっしゃるのかお伺いいたします。

-山野市長
 市立保育所の再整備につきましては、原則現地での建て替えを基本としています。ただ、土砂災害警戒区域などにある保育所につきましては、児童の安全確保の観点から移転を含めた検討を行う必要があると考えています。今回、保育所の適正配置等を検討するための調査費をお諮りをしています。その調査結果を踏まえたうえで、順次、保育所ごとの整備計画を策定していきたいと考えています。

-大桑議員
 市長はこれまで議会の中で、わが党の質問に対し、公立保育所の役割について「市立保育所は一般的に統合保育の実施や、配慮を必要とする家庭の子どもの受け入れなど、セーフティネットとしての役割が求められている。民間施設が多い本市において、市立保育所が果たす役割は極めて大きい。また市立保育所での保育業務等を通じ、職員を継続的に育成することで児童相談所や幼児相談所における相談支援業務の他、幼児教育センターで行う幼児教育・保育の質のさらなる向上のための取り組みに対応できる人材の養成にも繋がっている」と、答えています。さらに、市立保育所のあり方検討の中では、これまではもちろんのこと、市立保育所としてのさらなる必要性、役割として、医療的ケアを必要とする児童への対応や、年度途中からの受け入れ態勢の充実などにも言及しています。このように市立保育所は、公立としての役割を重視して質を高めていくことを基本に、再整備をすすめるべきですがいかがでしょうか。市長のお考えをお尋ねします。

-山野市長
 個別整備計画の策定にあたりましては、公立保育所としての役割、さらには今後の少子化の影響、そしてまた金沢市はこれまでも民間も中心に保育所整備をしてきたという歴史的な経緯もあります。そういうことも踏まえながら、統廃合や民営化の可能性も踏まえ、幅広い視点から検討していきたいと考えています。

-大桑議員
 あり方検討会では保育士の働き方についても議論されています。市立保育所では、近年20代・30代の保育士の中途退職者が増えています。もともと、中堅層が少なく、定年で辞める人も出てくると、若い保育士に負担が増大し、結婚や出産を機に辞めるケースが多いとのことです。日々の業務をこなすだけでも精いっぱいにもかかわらず、書類作成などの事務作業も多く、残業が常態化していると言います。その原因はどこにあるのでしょうか。市立保育所の保育士配置において、非正規の割合が4割と高くなっていることにも由来するのではないでしょうか。まずは、正規保育士中心の配置に改善すべきですがいかがでしょうか。
 また、育休や病休などの代替えも、主に会計年度職員で補っている状況です。正規職員で補うべきですがいかがでしょうか。お伺いいたします。保育士には、保育の仕事のほかに事務処理や、行事の準備の時などは、特に、残業しなければならない実態があります。行事の準備等に時間がかかると、仕事を家に持ち帰りすることがあると聞いています。これは労働法制上、問題があります。保育士の働き方の改善をはかるべきだと思いますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

-山野市長
 保育士の働き方の改善についてご意見をいただきました。保育士の職場定着に向けましては、生涯働ける魅力ある職場づくりが必要であると考えており、これまでも国基準を上回る保育士を配置するとともに、園庭の維持管理や保育用品の消毒などの周辺業務を担う保育支援者を配置するなど、職場環境の改善につとめてきました。明年度ですけれども、保育計画や記録作成の省略化・効率化を図るため、ICTを活用したモデル事業を2か所の市立保育所で実施いたしますほか、各種行事の準備や保育室の装飾など、業務過多につながる作業を見直すこととしています。私も毎年すべての市立保育所にお伺いをして、所長先生はじめ多くの方のご意見をお聞きしています。今回のコロナ禍におきましてほとんどがつらいことではありましたけれども、これまで園で行ってきたルーチン、当たり前のように行ってきたイベント行事等々を見直していく中で、新たな気づきもあったということもお聞きをしているところであります。そういう作業の見直しというのも改めて大切だというふうに感じました。

-松田総務局長
 市立保育所の保育士を正規職員中心とすべきではないか、また育児休業や病気休暇の代替職員は正規職員で補うべきではないかというお尋ねでございました。正規保育職員につきましては、近年想定することができない早期退職者等が増加傾向にあり、職員定数を下回っておりましたことから、採用試験の年齢要件を引き上げ、採用人数の見直しを行うなど、人材の確保に努めてきたところであります。また今回、育児休業中の職員など定数外とする職員の範囲を明確に条例で定める改正案をお諮りしておりまして、引き続き正規保育士の適正配置に取り組んでまいります。

-大桑議員
 子育てをしながら働き続けられる職場の環境づくりを、市が責任をもって進めていく必要があることを訴えて、次の質問に移ります。
 保育所の給食を民間へ外部委託する計画についてもお聞きいたします。本市の技能職における退職者不補充の方針により、正規調理技士を各園に配置できなくなるということで、検討がされています。保育所の給食は、安心安全を確保すること、また、幼少期における食育としても重要です。現在、調理技士さんたちは、「おいしい、これどうやって作ったの?お替り!」と無垢な心から発せられる言葉や感性に触れながら子どもとかかわり給食を作っています。また市立保育所は、外国籍の児童やアレルギー等で特別食対応が必要な児童に対しても、細かい対応を行っています。子どもたち一人一人に見合った食事を提供するためにも、外部委託はやめるべきと考えます。今回給食調理の外部委託については、細かい委託契約を結んで給食の質を低下させないようにするとのことですが、いちばんのネックは、調理する方を直接、市が選んで雇えないことにあります。さらに、長期にわたって同じ方が従事するかどうかの補償もありません。この点について、どのようにお考えでしょうか。正規調理技士の退職不補充を撤回して、正規の調理技士を雇うべきだと考えますがいかがでしょうか。

-山野市長
 調理の外部委託のことについてお尋ねがございました。本市では、民間活力の導入を図り良質な公共サービスを提供するため、可能な業務については随時外部委託化を進めているところであります。また、調理技師を含めた技能労務職員についても、職員組合と合意の上、退職者不補充を基本としており、新たな正規調理技師の雇用は考えてはいません。

-大桑議員
 次に子育てと教育の負担軽減についてお伺いいたします。新型コロナウイルス感染症の影響により、自粛生活が長期に渡り、子育て世帯の生活にも大きな影響が及んでいます。お土産屋さんに納品しているお菓子の製造会社に勤めている方は、お子さんが2人いらっしゃいます。会社が一時、売り上げが激減したものの、夏ぐらいに少し持ち直したとのことです。しかし、東京を含む緊急事態宣言が出てからまた仕事がなくなり自宅待機となりました。休業補償で生活はしていますが、コロナ前よりも収入は少なく、出費を抑えてはいるものの、教育関連で出ていくものは出ていくので大変ですと言っておられました。又、家で音楽教室を開いている方は「イベントがなくなり、演奏料収入がなくなった。支援策があればいいのだが当てはまる支援策がなく、コロナが早く収束してほしい」と言います。この方にはたくさんのお子さんがいらっしゃるため、収入が減っても出ていくお金が変わらず、大変だとのことです。とりわけ、学校での費用が大きな負担になっていると訴えておられました。収入が減っても子どもの教育や命を守るためにも、必要な施策について伺います。
 まずは、学校給食の無償化についてです。そもそも、学校給食については学校給食法で、「健康の保持増進」や「望ましい食習慣」、「学校生活を豊かにし社交性や協同の精神を養うこと」をはじめ、食生活が自然の恩恵の上に成り立っていることや、食に関わる人たちの様々な活動に支えられていることについての理解を深めることなど、目標が示されています。これらの目標は、教育の目的を実現するために達成されるよう努めなければならないとされ、学校給食が義務教育の一環として明確に位置づけられています。そして今、子どもの貧困問題にみられるように、子育て世帯の所得格差と教育にかかる費用の増大が、子どもの食生活にも大きな影響を与えています。給食は、子どもたちが栄養のバランスが良い食事ができる、大切なものです。給食費の保護者の負担は金沢の小学校で月約5000円、年間にすれば約5万円ぐらいであり、中学校では月約5900円、年間約6万円です。文部科学省の調査では、保護者が負担する義務教育費の4割を給食費が占め、重い負担となっているとの声もあります。給食費の負担軽減は、喫緊の課題です。今回、公会計化など徴収システムの効率化や条例で遅延損害金まで明記しようとしています。いまの子育て応援や給食費無償化の流れと逆行していると思いますがいかがでしょうか。事務負担の軽減を図るには無償化することが一番ではないでしょうか。また、この間、本市は、学校給食法第11条では、経費以外の学校給食に要する経費は学校給食を受ける児童又は生徒の保護者の負担とする」ということを受けて、無償化はしないと答弁してきました。しかし、それは「負担させなければならない」というものではありません。衆議院で、学校給食費の徴収に関しての質問に、「文部科学省としては、一部の地方公共団体において学校給食を無償としていることは承知しており、このような取り組みは児童生徒の保護者の経済的な負担の軽減を図るために行われているものと認識しているが、学校給食を無償とするか否かについては「各学校の設置者が判断すべきもの」と答弁がありました。よって、学校の設置者である市長、学校給食無償化に踏み切る判断を求めますがいかがでしょうか。

-山野市長
 学校給食無償化のことについてご提案をいただきました。学校給食法では、給食の実施に必要な経費のうち、保護者は人件費や施設整備費以外の経費を負担することになっています。ただ金沢市はこのうち、光熱水費についても負担をしているところでありまして、保護者にご負担をいただいているのは食材費のみとなっています。加えて、経済的な理由で就学が困難な場合は就学援助制度により給食費の全額を支援しており、現時点で学校給食費の無償化については考えてはおりません。

-野口教育長
 給食費の公会計化につきましてどのように考えているのかとのお尋ねにお答えいたします。今回の学校給食費の公会計化は、給食費の収納に係る教職員の負担を軽減し、教材研究や授業準備、また子供たちに向き合うなどの本務に専念する時間を確保するほか、学校給食費会計の一層の透明性を図ることによって安全・安心で美味しい学校給食を安定的に供給提供していくことを目的としていることをご理解いただきたいと思います。

-大桑議員
 さて、いよいよ4月からデジタル教育に伴い、学習用端末が小中学校に配布されます。導入時に巨額な費用がかかり、ランニングコストは全て本市の負担になることや全家庭でWi-Fi環境が整備されていない中、学びの格差が拡大してしまうことへの懸念があります。さらに、タブレット使用による子どものネット依存症や目などへの健康被害など様々な問題が指摘されています。そこで、学習用端末が配布されるにあたって、親御さんからは、あらたな家庭の負担はあるのか、という心配の声が、あがっています。負担はあるのかお伺いいたします。

-野口教育長
 1人1台の学習用端末の導入にあたって、新たな家庭の負担についてのお尋ねがございました。1人1台の学習用端末は公費で整備を行い、児童生徒へ貸与するものでありまして、各家庭が負担するものはございません。ただし、1人1台の学習用端末を家庭学習の中でインターネットに接続をし使用する際には、インターネット通信費が発生し、その場合は各家庭がご負担することになります。

-大桑議員
 コロナ禍ではオンライン授業が行われたところもありました。ご家庭にWi-Fi環境もパソコンやスマホもないご家庭は、ついていけないとの声を聴きます。家庭で端末を利用することになった場合、Wi-Fi環境のない家庭にはどう対応するのでしょうか、無償で貸し出しすべきだと思いますがいかがでしょうか。

-野口教育長
 Wi-Fi環境のないご家庭に対して、Wi-Fi機器を無料で貸し出すべきだと考えるがいかがかというお尋ねがございました。ネットワーク環境がないご家庭につきましては、各学校に一定数のモバイルルーターを整備しておりまして、要望があれば無償で貸し出すことになりますが、このモバイルルーターを使って学習用端末をインターネットに接続し、家庭学習の中で使用する場合でも、インターネット通信費は発生し、家庭がご負担することになります。

-大桑議員
 次に、子どもの医療費助成についてです。子どもの心身の健全な発達を促すため、いつでも、どこでも、医療費の心配なく安心して医療を受けられるようにすることが、今強く求められています。貧困のために子どもたちが医療を受けられないという事態を防がなければならなりません。子ども医療費助成制度の拡大は、市民からの要望や期待が広がり、本市では一部、負担はありますが、中学卒業までに拡大されてきました。さらなる拡充を市民は求めています。ぜんそくとアレルギーを持つお子さんがいる親御さんから、「内科の通院と薬がかかせない。高校に進学して、医療費負担が3割になると、治療をやめるか、通院の回数をへらすしかない」という声をお聞きしました。その方は、就学援助を支給されないぎりぎりの家計とのことです。今回の予算編成では、子どもの医療費無料化の拡充がありませんでした。県内で本市だけが、中学校卒業までということで、ほかの市町は18歳までとなり、本市は対象年齢の拡大が遅れています。18歳まで拡充すべきですがいかがでしょうか。併せて窓口の完全な無料も求めますがいかがですか。

-山野市長
 子どもの医療費助成のことについてお尋ねがございました。子育てしやすい環境を整備をしていくためには、子どもの医療費の助成だけではなくて様々な施策を組み合わせていくことが必要だというふうに考えていまして、施策の充実を図ってきているところであります。今般ご提案させていただいた予算の中でも御覧いただけるのではないかと思っていますし、これまでも様々な施策に取り組んでまいりました。子ども医療費の助成につきましては、安定した制度運営、適正な受診を確保するためにも、今のところ助成対象の拡大や窓口負担の無料化は考えてはおりません。

-大桑議員
 次に、介護士の就業支援についてお伺いいたします。3月2日付の新聞報道で、全国の介護施設の夜勤の実態についての日本医療労働組合連合会が行った調査の結果をまとめた記事がありました。それによれば、二交代制のシフトを採用している介護施設全国120施設のうち、94施設で夜勤職員の就業時間が16時間以上になっているとのことでした。十分な職員数を確保し、8時間勤務の3交代制を取ることができれば、長時間勤務を改善することはできますが、慢性的な人手不足のためにそれもかなわないとのことです。また記事によれば、夜勤の際は二人で50名の入居者のお世話をしていますが、入居者が救急搬送されれば一人が病院に付き添わねばならず、残る一人が朝まで対応せざるをえず、休憩も満足に取れないという実態紹介されていました。本市にある特別養護老人ホームでも夜勤は2交代制であり、仮眠の時間が十分とれない状態だと言います。介護士の離職防止を図る意味でも夜勤労働の問題改善は重要な課題です。特に小規模特養ホームでの夜勤の体制をとるのが大変だと言います。本市としてもこのような夜勤を含む勤務の実態調査をすべきだと思いますがいかがでしょうか

-山野市長
 新聞報道などでみられる介護夜勤のことについてお尋ねがございました。本市としての実態のことですけれども、介護施設等における夜勤につきましては、法令を遵守した勤務体制となるよう、事業者の指定や実地指導の際に各施設の状況を確認をし適正な労働環境の確保を図っているところであり、今後も指導を徹底していきたいというふうに考えています。

-大桑議員
 第8期介護保険の介護士に対する政策の内容と見通しについてお伺いいたします。計画では、介護職員の人材確保についても掲げています。県内で2025年に必要となる介護職員数は23000人としています。介護士を増やすにはどのような施策の計画があるのかお伺いいたします。
 そして、今回、計画ではあらたにUJIターンした方への補助が創設されましたが、期待できるのでしょうか。この施策は、保育士確保で先に実施していましたが、どれくらいの実績があり、介護士の場合はどれくらいを目標にしているのか見解を伺います。

-山野市長
 第8期介護計画の中身のことについて何点かお尋ねがございました。まず、不足する介護士をどうやって増やしていく計画なのかということです。介護職員の確保につきましては、これまでも介護職員の情報交換の場であるケアワーカーカフェの開催など、働きやすい職場環境の整備に取り組んできたところであります。さらに、今般取りまとめた第8期介護保険事業計画に基づき、明年度予算に研修や資格取得等の費用を助成する介護職員キャリアアップ支援事業や、県外から市内に転入し介護職員として就業した方に対しまして転居費用等を助成するUJIターン介護職員就業支援事業の創設をお諮りしておりまして、これらの取り組みを通じ多様な人材の参入を促進し、介護職員の確保・定着を図っています。
 今ほど申し上げましたUJIターン就業支援制度のことについてお尋ねがございました。この事業につきましては、県外で開催される就職セミナー、本市の移住ポータルサイトなど、SNS等の様々な手段を使いながら、本市の魅力とともに積極的にPRをしていきたいと考えています。そうすることによって、県外で資格を取得した学生さん、県外在住の有資格者を本市に呼び込み、喫緊の課題である介護人材不足の解消を図っていきたいと考えています。

-高柳福祉局長
 介護士のUJIターン就業支援制度の創設に関係しまして、保育士のUJIターンの就業支援施策の実施についてのお尋ねがございましたのでお答えします。この保育士のUJIターンの就業支援制度は令和2年度の創設でございまして、主に4月からの採用に向けてこの補助については申請がなされるものと考えております。現在のところ実際に補助決定をいたしましたのは2件で、今度の4月の採用ということに向けまして10件程度の申請を見込んでいるところでございます。ですので介護士の方につきましてもこの制度は利用できますように周知に努め、介護士確保に資することができるよう努めていきたいと考えています。

-大桑議員
 介護現場の人手不足の解消は、待ったなしの課題です。本市が人材を確保するという計画を立てているのですから、責任を持つ必要があります。かねてから言われているとおり、介護職員が不足している最も大きな要因は、過酷な現場であるにも関わらず、他業種に比べて月、10万円も賃金が低くおさえられていることです。これまでの対処法ではなく、賃金の引上げを行うことが必要です。市として独自の賃金引上げなど処遇改善をすべきだとおもいますがいかがでしょうか。

-山野市長
 市独自の処遇改善策のことについてご提案をいただきました。介護職員の処遇改善につきましてはこれまでも国が介護報酬の中で必要な措置を講じてきておりまして、今回の介護報酬の改定においても国は引き上げを行い、介護職員の定着促進等やキャリアアップを推進する観点から、新たな加算も設けたところであります。本市としてはこうした国の制度を周知をし、介護職員の処遇改善を図るとともに、先程申し上げましたケアワーカーカフェ等を通じて現場の声もお聞きをしながら、引き続き職場環境の改善に取り組んでまいります。

追加質問

-大桑議員
 先程、市長から学校給食の回答をいただきました。学校給食の無償化については自治体の判断で実施できるということになっております。今コロナ禍において経済的にも大変な家庭が多くなっている中で、年間5万円を上回る給食費の負担というのがすごく重く感じるという家庭がたくさんあります。大阪市において、これは新型コロナウイルスの感染を受けての経済対策ということでしたが、2020年度、それから2021年度も、市立小中学校全部の給食費無償化となりました。そこでやはり、市長が提案理由説明の中でも少子高齢化が進む中にあって本市が持続的に発信していくためにも安心して子供を産み育てられる環境を作っていくといわれました。であるならば、やはりこの給食費、これは材料費だけもらっているからという感じではなくて、もう少しお考えになって公的な援助があればよいのではないかと思います。今一度お伺いいたします。

-山野市長
 今ほどの答弁の繰り返しになるかもしれませんが、金沢市といたしましては独自に光熱水費の負担もさせていただいているところであります。それに加えまして、今年度には加賀野菜等々に親しんで、食育の観点から工夫をさせていただいているところでもありますし、来年度以降もそれを充実させていきたいというふうに思っています。今のところ給食費の無償化は考えておりません。

-森尾議員
 市長に再度、今の学校給食の無償化の問題について伺っておきたいと思います。今日的な状況から、この学校給食の無償化は積極的な意義があるというふうに考えています。それは2つあります。1つは大桑議員が指摘したように子供と教育を巡る環境があります。コロナ禍の問題の影響もあります。その点は具体的に大桑議員が指摘をされました。この点での、教育は無償化を原則とするという義務教育の内容を積極的に施策に生かしていくという意味で、今日的な意義が1つあると思うんです。それからもう1つは、事務の煩雑さをなくしていくという点で、無償化をすれば教職員の負担は軽減されますし、新たなシステムなんていうのは要らないんですよ。私はそういう意味で、この学校給食の無償化は今日的に2つの点でも積極的な意義があると考えています。政府もこの対策については各地方自治体の判断だということを示しているんです。であるならば、この学校給食の無償化は積極的な意義があるというふうに考えていますが、その点では市長はどう考えるか伺っておきたいと思います。

-山野市長
 学校給食、学校での給食ですから教育的な側面も私はあるというふうに思っています。そういう意味では、申し訳ないこれも繰り返しになりますけれども、食育という観点からも大切なものだというふうに思っていまして、一定のご負担をいただきながら食文化の魅力というものも伝えていくことも、金沢市が行う学校給食の大切な役割のひとつだというふうに思っております。

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