議会議案第11号「原発依存から決別し、省エネルギー政策と再生可能エネルギー拡大の取組を求める意見書」提案理由説明 広田議員(9月16日)

わたしは、提出会派を代表し、議会議案第11号「原発依存から決別し、省エネルギー政策と再生可能エネルギー拡大の取組を求める意見書」の提案理由を述べます。

 岸田首相は8月24日、エネルギー政策を検討する政府の会議で、次世代型原発の開発・建設を検討する方針を表明しました。政府はこれまで既設原発の再稼働を推進する一方、新増設・建て替えは「想定していない」としてきました。また、昨年決定したエネルギー基本計画では、原発は「ベースロード電源」で「必要な規模を持続的に活用」するとし、2030年度の原発の電源構成比率を20~22%にすると決めました。ただ、世論の批判を意識して、新増設の明記を見送り、「再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減する」とも記述しました。今回、この立場を完全に投げ捨てたことは重大です。

 さらに首相は「既設原発の最大限の活用」を図るため、すでに再稼働したことのある10基に加え、2023年夏以降、新たに7基を順次再稼働させることも強調しました。

7基の中には、地元自治体の同意が得られていない東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)や日本原子力発電 東海第2原発(茨城県)も含まれています。

 柏崎刈羽原発は昨年、侵入者を検知する設備の故障などの問題が判明し、規制委員会が事実上の運転禁止命令を出しています。福島第1原発事故への反省もなく、不祥事が後を絶たない東京電力に対して原発に携わる資格そのものを問う声が上がっています。東海第2原発は、30キロ圏内に国内の原発では最多の約94万人が暮らしており、避難計画づくりは困難を極めています。昨年3月、水戸地裁は、実現可能な避難計画が整えられていないとして同原発の運転差し止めを命じる判決を言い渡したところです。

 他の4基についても、周辺住民の反対の声が相次いでいます。民意もリスクも無視して再稼働を推し進めることは、あまりに乱暴です。新方針で最長60年としてきた運転期間の延長を検討するとした、老朽原発の延命策も安全の置き去りです。

 東京地裁は7月、東京電力旧経営陣に13兆円超の賠償を命じた判決で、原発事故が起これば「国土の広範な地域や国民全体にも甚大な被害を及ぼし、地域の社会的・経済的コミュニティーの崩壊や喪失を生じ、ひいてはわが国そのものの崩壊につながりかねない」と指摘しました。

 首相は原発活用の理由として、電力・エネルギーの安定供給、脱炭素を挙げています。

しかし、電力不足などの根本的な背景には、原発と石炭火力を「主力電源」と位置付け、再生可能エネルギーを後回しにしてきた問題があります。

 2020年の日本の総発電量に占める再エネの割合は22%にすぎませんが、ドイツでは48%、イギリスは43%、アメリカのカリフォルニア州は2019年53%にのぼります。さらに、2030年に向けた目標も、日本の36~38%に対し、ドイツは65%、カリフォルニア州は60%で、日本は世界から大きく立ち遅れています。

ところが岸田首相は、「安定して安価なエネルギーを確保しなければいけない」などと述べ原発を主力電源とする姿勢を示しています。

そのため、再エネ発電量が過剰になると、太陽光や風力で発電された電力を送電網への接続から外す出力制御が行われています。2018~21年では九州電力管内だけで250回も実施。今年に入り四国電力、東北電力、中国電力、北海道電力管内でも行われました。

原発頼みの政府の政策が再生可能エネルギーの普及を妨げてきている証です。

 しかも、太陽光と風力発電の導入コストは原発よりも安価となっており、コストを理由にした再エネ軽視の主張は成り立ちません。

 さらに、世界的な資源価格高騰とアベノミクスによる円安で電力価格が上昇するなか、再エネ導入の遅れは家計を圧迫しています。

100%国産の再エネの大規模な普及こそ、エネルギー安定供給の切り札です。

日本も参加する再エネの国際機関「IRENA」(アイリーナ)が3年前に発表した報告「新たな世界」は、「化石燃料輸入国は、石油・ガス輸出国で発生しうる政情不安やテロ攻撃、武力衝突によるエネルギー供給停止や、価格変動といったリスクに対し脆弱だ」と警告していました。

ロシアによるウクライナ侵略は、化石燃料に依存する国の弱点を浮き彫りにしています。

また、国内の電力消費量の約70%を産業部門と業務部門が占めます。一方、家庭部門は約30%(「エネルギー白書2022」)。電力需給の厳しい局面では、節電や電力の大口需要者への需要調整、蓄電システムでの対応とともに、産業部門の大幅な省エネや建物の断熱化、電力利用の効率化が不可欠です。

こうした省エネルギー政策と再生可能エネルギー拡大を真剣に追求してこそ打開の道が開けます。

よって、原発依存から決別し、省エネルギー政策と再生可能エネルギー拡大の取組を求めるこの意見書を国に届けるべく、本市議会のみなさんのご賛同を求めて提案説明を終わります。

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