2023年6月議会 一般質問 山下議員(6月28日)

-山下議員

 質問の機会を得ましたので、日本共産党、市議員団の一員として以下質問いたします。

 5月8日から新型コロナウイルス感染症の分類が、2類から5類へ移行したこともあり、本市のまちなかにも賑わいが戻りつつあるように見受けられます。しかし、市民のくらしや営業は、長引く物価高騰により厳しさが続いています。高い学費をアルバイトで工面している大学生、奨学金の返済をしながら働く一人暮らしの若者、1食しか食べない日もある、入浴を減らしているなど、生活費を切り詰めながら何とか暮らしを維持しています。子育て中の方からは、仕事のかけもちで時間に追われ、イベント等に子ども連れて行くことができないという現状をお聞きしました。偶数月にある年金支給日の1週間前頃には食べる物がなくて困っている、と高齢者から相談が寄せられます。物価高騰は、あらゆる世帯に影響を及ぼしています。3人のお子さんがいるご家庭は、一番上の子が大学生で、教育費も生活費も大変なのに、何ひとつ支援の対象にならないと話されていました。市長。こうした市民生活の現状があり、物価高騰対策は今、全市民を対象とした支援が求められていると考えますが、市長の見解を伺います。

-村山市長

 物価高騰対策につきましては、昨今の物価高騰が広く市民に影響していることはもちろん認識しておりますけれども、予算に限りがある中で、その影響を特に強く受けている市民や事業者等を優先的に支援する必要があると考え、補正予算を投じたものであることをご理解いただければと思います。

-山下議員

 本市が住民福祉の向上を最優先にかかげること、そして、物価高騰から暮らしや営業を守る対策の強化を求め、市民の皆さんから寄せられた要望の中から、以下3点質問いたします。

 まず1点目は、介護保険料についてです。本市の介護保険料の基準月額は6,590円と、全国平均の6,014円と比較しても高い保険料となっています。本市における基準月額のこれまでの推移と、全国平均より高い保険料になっている要因をお聞かせください。

-山口福祉健康局長

 介護保険料のこれまでの基準月額の推移と、全国平均より高くなっております要因についてですけれども、2000年の介護保険制度開始当初の本市の基準月額は3,150円でございました。その後の高齢化の進展に伴う要介護認定者数の増加であったり給付費用の増加などによって、現在の基準月額は6,590円となっておりまして、約2.1倍となっております。本市におきましては特別養護老人ホームなどの施設整備が比較的進んでいることなどによって、基準月額が全国平均よりも高くなっているというふうに考えております。

-山下議員

 介護保険料は、年間18万円以上収入があれば保険料の支払いがあります。年金から天引きされる保険料が引き上がり、手にする年金が減って生活がしていけないとの声が寄せられています。本市では、所得に応じた保険料となるよう、特に低所得の方々に対して、どのような対策を行っていますか。お伺いいたします。

-山口福祉健康局長

 低所得者層への軽減措置の内容として、生活保護を受給されている方や世帯全員が市民税非課税である方の保険料につきまして、従来より本市独自に保険料基準額に対する割合を引き下げていることに加えまして、平成30年度からは消費税率の引き上げによる財源を活用した、国の低所得者に対する保険料軽減の強化も取り込みまして、さらなる保険料負担の軽減を図っているところでございます。

-山下議員

 本市の介護給付費準備基金は、この間会計の黒字が続き、令和4年度末、基金残高は28億5千万円となりました。今年度の介護保険財政において生じる財政不足に対して、基金から4億4千万円取り崩しても、24億円残ります。こうした基金を活用し、介護保険料を引き下げるべきではありませんか?見解をうかがいます。

-村山市長

 介護保険料につきましては今年度、第9期介護保険事業計画を策定することとしておりまして、令和6年度からの介護保険料につきましては今後3年間に必要なサービスの給付量を適切に見込み、その費用に見合った額を設定することにしております。基金につきましては市民の負担が過大にならないよう有効に活用してまいります。

-山下議員

 介護保険制度は、介護サービスの利用が増え、介護職の労働条件の改善を求めると保険料や利用料の負担増に跳ね返るという、制度の根本的な矛盾を抱えています。持続可能な介護保険制度の構築に公的負担の割合を大幅に増やすことを国に対して求めることを強く要望し、続いて2点目、国民健康保険料についてお伺いします。

 国民健康保険料は、市民世帯の所得で比較をしても、他の公的医療保険より保険料の負担が高くなっています。加入者の年齢構成でも高齢者が多く、医療をより必要とする年齢層が多く加入しているということに加え、収入が200万円以下の世帯が7割と多いため、保険料がより高くなるという状況を生み出しています。「加入者が支払える能力があるかどうか」という視点が、保険料の設定から欠落していると言わざるをえません。本市の国民健康保険財政調整基金は、令和4年度末に31億7千万円あり、新年度の保険料率を据置きするために8億7千万円を取り崩したとしても、23億円残ります。この基金を活用し、保険料を引き下げるべきではありませんか?

-村山市長

 本市の国民健康保険料は、県から示された標準保険料率を基本としておりますが、市民生活への影響に配慮し、令和5年度は約8億7千万円の基金の取り崩しなどを行うことにより据え置くことといたしました。基金につきましては保険料の引き上げが必要となった場合の負担緩和財源として効果的な活用を図っていくこととしておりまして、市民の負担が過大とならないよう有効に活用してまいります。

-山下議員

 国保料は子どもも大人も同じように人数に応じて保険料がかかる「均等割」がとられています。少子化対策が叫ばれる中で、子どもが増えれば負担が重くなる仕組みに、市独自として軽減措置を講ずるべきではありませんか?また全国には、独自の減免制度をつくる自治体も見受けられます。名古屋市では、独自の控除制度と減免制度をつくり、多人数世帯やひとり親・障がい者世帯の保険料を低く抑えています。本市においても、独自の控除制度、減免制度の拡充を求めますが、見解を伺います。

-村山市長

 子どもの均等割など保険料の恒久的な軽減につきましては、市町村が独自で対応するには限界がございます。国の責任ある財政支援措置が不可欠でありますことから、引き続き全国市長会などを通じて国に働きかけてまいります。その他国民健康保険料の減免につきましては、減免規定に基づき適正に対応しておりまして、拡充等は考えておりません。

 

-山下議員

 3点目は、家庭ごみの有料化制度についてです。2018年2月から家庭ごみ袋の有料化がスタートし、5年が経過をしました。家庭ごみの有料化制度導入の目的は「ごみの減量」でありました。コロナ禍での生活変容の影響もあり、有料化がごみの減量に有効だったかどうか、正確な評価が難しい現状です。ただ、ごみ出しは市民生活に欠かせないものであるにも関わらず、家庭ごみの有料化は、所得の少ない世帯ほど負担が重くなることが、導入当初からも指摘されていました。全国では、減免制度やごみ袋の支給を行っている自治体もあります。いま、この物価高騰から市民生活を支える施策として、ごみ袋の購入に対する支援や、ごみ袋の支給も含め、家庭ごみの有料化の見直しを検討する必要があるのではないでしょうか。見解をうかがいます。

-村山市長

 指定ごみ袋収集制度につきましては、ごみの排出量に応じた費用を負担していただくということで、減量化に向けたインセンティブを働かせるものであり、市民負担の公平性の観点から、全ての市民を対象として実施をしております。先行自治体に比べまして多くの負担軽減品目を設けるとともに、市民生活にできる限り配慮した手数料としておりまして、制度の見直しは考えておりません。

-山下議員

 次に、2つめの質問に移ります。

 不登校支援の現状についてお伺いいたします。2021年度の文科省の調査で、小中学校での不登校の児童生徒数が約24万人を超え、本市においても増加傾向であり、児童生徒ひとりひとりの学びや社会的自立をいかに保障するかが、大きな課題となっています。調査では、90日以上の不登校であるにも関わらず、学校内外の専門機関等で相談・指導等を受けていない小・中学生が4万6千人いることがわかりました。本市でも約4割が相談・指導を受けていません。不登校になる要因は様々ありますが、児童生徒、そして保護者が、どこにも相談できずに悩みを抱え込んでいる状況も明らかになったわけです。不登校支援と言っても、その内容は多岐に渡ります。今回は3点にしぼり、本市の現状についてお伺いします。

 1点目は、情報提供についてです。私は小中学生の学習支援室でボランティアをしていたこともあり、不登校児童生徒や保護者と関わりを持ってきました。そして、私自身も不登校生徒の保護者の一人であります。子どもの不登校を「青天の霹靂」と感じる保護者は多く、自分を責めたり、どこにも相談ができず、解決する見通しも持てず、孤独や不安を感じます。子どもにどのように接したらよいか戸惑う中で、多くの保護者は自力で情報を集め、親の会などにたどり着き、同じような経験をもつ保護者や子どもたちとの出会いに、少しずつ心が解けていきます。不登校支援の情報をもっと早く知りたかったというのが、どこでも聞かれる保護者の声です。学校から情報提供が何もないという声がいまだに聞かれます。私が学校の支援教室の存在を知ったのは子どもが不登校になって2年後、子ども同士の噂話からでした。教育長にお伺いします。初期段階の支援となる情報提供の重要性について、本市はどのように捉えているかお聞かせください。

-野口教育長

 不登校となった児童生徒の保護者への初期的段階での情報提供についてお答えします。不登校児童生徒の早期支援として、その保護者が悩みを抱えて孤立しないで不登校の初期段階で適切な情報や支援を得られるようにすることは、大変重要なことだと思っています。各学校が不登校となった児童生徒の保護者に常に寄り添い、自宅で一人一台学習用端末を用いて配信された授業を受講するなどの家庭における学習支援、不安や悩みについて相談できる機関の紹介、フリースクールに関する情報の提供など、必要としている情報を適時適切に伝えるよう、校長会議や不登校対策連絡会等でこれから周知を徹底してまいります。

-山下議員

 本市は「不登校支援リーフレット」を2020年に作成しています。不登校支援にかかわる行政や民間団体、児童生徒が過ごせる市内各地の居場所についても大変多くの情報が掲載されているリーフレットだと思います。また本市は、自助グループを紹介する「よりそうなかま」「子どもの居場所マップ」の作成や、「こころのポータルサイト」を開設しています。このリーフレットや冊子、サイトをどのように周知し、不登校の児童生徒やその保護者に届くようにしていますか?お聞かせください。

-野口教育長

 不登校支援に関する情報発信につきましては、不登校支援にかかる行政機関や民間支援団体等を記載したリーフレットを作成し、各学校や関係機関等へ配布いたしますとともに、教育プラザのホームページ等に掲載をしながら周知発信を行っております。

-山下議員

 「よりそうなかま」については、福祉健康センターに確認したところ、各学校に一冊のみ配布しているとのことでした。子どもの入学時に、または参観日等で学校へ立ち寄るときに、リーフレットや冊子、HPの存在を知ることができたら、また、子どもが休みがちになった時、学校の先生から紹介されていたら、もっと早く安心できたかもしれないと話される保護者もいます。適切な情報の提供は、不登校児童生徒や、その保護者の孤立や不安を和らげ、次の段階へとつながっていきます。初期段階の情報提供が適切にされることを求め、2点目、経済的支援についてお聞きします。

 今年5月、NPO法人「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」が2022年10~11月に実施したアンケート調査の結果を発表しました。不登校を経験した世帯の約3割が「収入が減った」、また、約4割の世帯が、食費やフリースクールの会費、相談に係る費用などの支出が増えたと回答しています。不登校児童生徒を支える家庭にとって、経済的な負担が大きいことが明らかになりました。そこでお伺いいたします。本市では、不登校児童生徒の学びや社会的自立の保障における経済的支援について、どのような対策を行っていますか?お聞かせください。

-野口教育長

 本市では不登校になった児童生徒に特化した経済的支援は行っておりませんが、経済的な理由で困っているご家庭に対しましては就学援助の制度の活用によって学用品費などを支援をいたしております。また不登校になった児童生徒の中にはオンラインを活用し自宅で授業に参加する児童生徒もおり、インターネット環境が整っていないご家庭に対しましてはSIMカード入りのルーターを無料で貸し出しを行っているところでございます。

-山下議員

 学びの場、生活の場としてフリースクールを利用する児童生徒もいますが、その費用が高く、利用を断念している家庭もあります。中核市の鳥取市では、フリースクール等の利用に係る経費の一部を支援しています。経済的な理由で、学びや社会的自立の機会をあきらめざるをえない状況をなくしていく必要があるのではないでしょうか。本市では、不登校児童生徒がフリースクール等を利用しやすくなるような経済的支援を行う考えはありますか?お聞かせください。

-村山市長

 本市ではフリースクールに通所する費用に対する支援は行っておりませんけれども、保護者の疑問や子どもたちの不安に応えるため、不登校民間支援団体等連絡会に参加しているフリースクールが行う体験機会の創出活動に対して支援を行っております。

-山下議員

 3点目は、子どもの権利についてです。不登校支援において、安心して学校を休めること、または自分にあった学びを選択することなど、子ども自身の選択を尊重することが、子どもの権利を保障する観点からも重要と考えます。そこで本市において、子どもの権利についてどのように取りまとめをしているかお伺いします。本市では、2001年に「金沢こども条例」が制定されています。まず、この「金沢こども条例」が制定された経緯を、お聞かせください。

-村山市長

 金沢子ども条例の制定の経緯についてでございますが、平成14年度から学校週5日制の実施により、子どもが家庭や地域で過ごす時間が増えることなど、子どもを取り巻く社会環境の変化に対応するため、家庭や地域、学校などの役割を明確にし、社会全体で次代を担う子どもたちの幸せとすこやかな成長を図るということを目的に、平成13年12月に制定いたしました。

-山下議員

 「金沢子ども条例」が掲げる基本理念のひとつに、「子どもの人格を尊重し、子どもが様々な権利を有していることを認識する」とあります。今年度も、「金沢子どもを育む行動計画2023」が作成され、家庭や地域、企業などの各主体が、どのように「子どもの育成に関して」行動をしていくか、社会の役割がまとめられていますが、「大人の責務」の記載が多く、「子どもが様々な権利を有する」その中身が不明瞭となっています。校則や学校独自の規則が要因となり、年間5000人以上の児童生徒が不登校になっているという報道もあります。学校という場所が、子どもの育つ環境が、子どもの権利を保障する場となっているのか確認するためにも、子どもが有する権利を明確に示すことが必要ではないでしょうか。1994年に日本が批准した「子どもの権利条約」には、「生命、生存および発達に対する権利」「子どもの最善の利益」「子どもの意見の尊重」「差別の禁止」以上、4つの原則があります。「生きるために不登校を選択した」という生徒もいます。不登校だけでなく、すべての子どもたちが、安心して育ち生きる権利をしっかりと本市としても示し、子どもの権利を主軸にした条例へと充実させていくことを求めますが、見解を伺います。

-村山市長

 金沢子ども条例の基本理念には、「子どもの人格を尊重し、子どもが社会で保障されるべき権利を有していることを認識する」と明記しております。こちらは子どもの権利条約の4つの原則に照らした内容となっておりますことから、現在のところ条例を改正することは考えておりません。

-山下議員

 不登校の現状をうけ、文部科学省が2023年3月「不登校対策COCOLOプラン」を発表しました。不登校の児童生徒に多様な学びの場や居場所を確保すること、保護者がひとりで悩まないよう支援することなどが掲げられています。不登校対策が、児童生徒ひとりひとりの意思を尊重し、子どもの権利を保障する視点で、本市において進められていくことを求めて、次の質問へ移ります。

 最後は、今年度おこなわれる教科書採択についてお伺いします。来年度から小学校で使用される教科書の検定結果が、昨年3月に公表されました。小中学校で一人一台デジタル端末が配布されてから、初めての教科書検定です。二次元コードがすべての教科書に掲載され、多様性やジェンダー平等の記述など、現在の社会情勢も反映した全11教科、149点すべての教科書が合格しました。教科書検定では、2014年から「政府見解に基づいた記述をする」ということが検定基準に加えられたことで、領土問題や歴史認識についての記述が後退している中ではありますが、本来、子どもたちが使用する教科書は、日本国憲法の「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の三原則に基づいて採択されるべきと考えますが、教育長の見解を伺います。

-野口教育長

 教科用図書の採択についてのお尋ねがございました。はじめに、このことについて議員は日本国憲法についてお触れになりました。私は日本国憲法、そして教育基本法、この二つは戦後教育の原点であると思っています。この教科書採択にあたって、たくさんの通知とか要項とか基準とかあるんですけれども、その中において義務教育諸学校教科用図書検定基準というものがございますが、この検定基準の中には教科共通の条件として、「教育基本法に一致をしていること」また「学習指導要領の総則や教科の目標に一致していること」と示されておりまして、この検定基準に合格した教科書の中から教科書を採択していることから、教育基本法を尊重した教科書採択が行われていると思っています。そのうえで、今回検定に合格した教科書には、お触れになりましたLGBTQなどが記載されておりますけれども、今回の採択におきまして国から出された「教科書採択における公正確保の徹底等についての通知」を踏まえながら、本市の子どもたちの実情を考慮して、私ども教育委員会が責任をもって本市の子どもたちに最もふさわしいと思われる教科書を採択することが必要であると考えております。

-山下議員

 教科書採択は、子どもたちの豊かな学びや、子どもの人権を尊重する点においても、大変重要なものと考えます。採択に当たっては、その教科の専門性を持ち、実際に教科書を使って、子どもたちの反応や理解度、興味関心を知る立場にある、現場の先生方の意見が尊重されることが欠かせません。また、明日まで開かれている常設・移動の教科書展示会では、現場の先生方だけでなく、保護者や市民の皆さんが、子どもたちがどんな教科書で学ぶのか、また、どのような教科書を手渡したいか、感想や意見を提出することができます。そこでお伺いします。本市の教科書採択では、しっかりと現場の先生方の意見が尊重され、保護者や市民の声がくみ上げられるものになっているのか、お聞かせください。

-野口教育長

 教科書採択にかかり、教科用図書選定委員会が教育委員会へ答申する報告書には、各学校の教員で構成する教科用図書研究委員会および各教科の専門性の高い教員で構成する教科用図書調査委員会が調査研究した内容と、教科書展示会での市民の方々の意見や採択にかかる要望を踏まえて審議し、まとめられております。教育委員会はその答申をもとに採択を行っておりますが、会議の折には調査委員会・研究委員会からの調査報告書も、また市民の方々の声もちゃんと付しておりますので、現場の教員の意見や保護者、市民の方々の声は反映されていると考えております。

-山下議員

 全国では、教科書採択に関する会議を公開にし、市民の傍聴が可能な自治体が広がっています。滋賀県では、公開を求める署名運動が広がる中、非公開だった会議がすべての市町で公開となりました。採択に関する会議を、ビデオ中継している自治体もあります。今月、本市においても市民団体から「教科書の採択に関する教育委員会会議の公開」を要望する署名が、教育委員会に提出されました。文科省は「教科書採択に関しては、保護者をはじめ国民に、より開かれたものにしていくことが重要」としています。また、「公正性・透明性の確保」と「疑念を生じさせることのないよう適切に行われること」ともしています。公正性、透明性のある教科書採択を行うためにも、教育委員会会議の公開を強く求めます。教育長の見解をお伺いして、私からの質問を終わります。

-野口教育長

 教育委員会義等における教科書採択の審議経過につきましては、意思形成過程であり、やはり静ひつな採択環境の中で行うこと、そしてそのためにもその中で自由闊達な議論を行うことや公平性、中立性を保つ必要があることから、会議の公開についてはこれまで行っておりません。また、教育委員個々人の活動等に影響が出る懸念がありますことから、議事録の発言者の掲載についてもこれまで行っておりません。こうしたこれまでの経緯と、また本年3月31日付の「教科書採択における公正確保の徹底等についての通知」で記されている静ひつな審議環境の確保等の観点から検討を行い、会議の公開・非公開を適切に判断すること、また同日に出されております別の通知になりますが、「令和6年度使用教科書の採択事務処理についての通知」で記されております公表の時期・方法について不断の改善を図ること、こうしたことを元に会議の公開や議事録への発言者の記載につきましては今後教育委員で真摯に話し合ってまいりたいと考えております。

再質問

-山下議員

 介護保険料の件ですが、物価高騰が続いて年金や給料が上がらない中で、やはり社会保障費の負担が重すぎるという声が市民の中からあがっています。先ほど、基金は市民の負担にならないように有効に活用するということでしたが、実際もう負担になっている現状があります。電気料金が値上げになり、これから暑い夏も迎えます。物価高騰への対策は命の問題に繋がると思います。介護保険料の引き下げ、積極的にぜひ取り組んでいただきたいと考えますが、お考えをお聞かせください。

-村山市長

 令和6年度からの介護保険料については、今後介護保険事業計画を策定する予定としております。そして今年度の介護保険料につきましては、すでに残高見込みとしても当初予算でかなり取り崩しをしたままで行っております。今後とも市民の負担が過大にならないよう有効に活用して行きたいと考えております。

-山下議員

 教育長にお伺いします。先ほど「静ひつな環境で」というお答えでしたが、県内で採択会議を公開にしている羽咋市にお伺いしたところ、教育委員会議を公開にしていても何も問題がないというお答えでした。逆に非公開での会議にしてしまうと、本来公正に行われている会議に「現場の先生方の声が本当に届いているのか」「政治的思惑が働いているのではないか」、そういう疑念が生じてしまうのではないかと思います。そういう疑念を生じさせないためにも、公開が大前提にあるかと考えます。そしてその会議の公開は、市民が市政に参加する機会の大事な保障になるとも思います。教育長、ぜひ市民に開かれた教科書採択にしていくために、会議の公開への真摯で前向きな検討をお願いしたいと思いますがお考えをお聞かせください。

-野口教育長

 そうした疑念を生じさせないためにも、これまで様々な審議のあとに資料、会議録等を公開しております。それをまず読んでいただければというふうに思っておりますけれども、先ほど触れましたが、会議というのは静ひつな環境で行うのが大事だと思っています。それぞれの自治体でそれぞれのお考えがあるとは思いますが、静ひつな環境をとる、その静ひつな環境の中にはいわゆる環境的なものもあるでしょうけど、もう一つは審議をする方々、教育委員の方々の精神的な部分の静ひつな環境というのがやはり大事ではないかと思っています。人から見られている、そうした中で自由にものが喋れないというようではやはりいけないと思っていますので、そうした意味でも会議の公開についてはこれまでも行ってこなかったということになります。ただ、先ほど答弁で触れましたようにこれから教育委員の方々と話をしてまいりますので、その中で様々なご意見も頂戴しながら決定をしていきたいと思っております。

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