議会議案第4号「従来の健康保険証の存続を求める意見書」提案理由説明 広田議員(6月30日)

私は提出会派である日本共産党市議員団を代表し、議会議案第4号 従来の健康保険証の存続を求める意見書について、提案理由説明を行います。政府は、いわゆるマイナ保険証の普及のため、2024年秋から従来の健康保険証を原則廃止するとしています。しかし、重大な問題がいくつもあります。主なものとして、

1点目、市民から保険証を奪う制度であるということです。
マイナンバーカードの取得や保険証の紐づけはあくまで任意です。しかも、高齢者や認知症の方、障がいのある方などカードの取得が困難な方もいます。こうしたカードを取得していない方、できない方、そして紐づけを選択しなかった方を除外した欠陥のある制度です。金沢市の国民健康保険証においても、被保険者全体7万8千名いる中で、4万3千名の方が、カード取得をしていない、または紐づけをしていない状況であるにも関わらず一方的にその方々の保険証を奪うことにつながります。

2点目、代替手段があっても不利益を被る制度である点です。
政府は、そうした方々に資格確認証を交付するとしていますが、保険証が得られないことに変わりはありません。そして、今は無くしたり有料化もしないとしていますが、今後どうなるか誰もわかりません。さらに、毎年の申請を前提としていますが、なぜマイナンバーカードを取得しない、できない方がそうした不利益を被らなければならないのか、説明がつきません。

3点目は、制度全体の欠陥がある中で進めようとしている点です。
マイナンバー制度全体にわたるトラブルが相次ぐ中で、保険証に関しては、重大なミスである別人への紐づけが、現時点で7400件近くあきらかとなっています。手入力による人為的ミスだとされています。もちろん人為的ミスは人間ですから起こるものではありますが、それを前提とした体制や仕組みがないことは制度全体の欠陥と言わねばなりません。さらに、証明書交付サービスについては、この議場でも市長答弁でも「点検が終わりご交付の懸念は解消された」とのことでしたが、昨日またしても別人の住民票が発行される事案が発生しました。

4点目は、別人への紐づけで命にかかわるという点です。
別人への紐づけは、重大な個人情報漏洩でもありますし、なにより医療現場での治療や薬剤投与において命にかかわる事態を招く恐れがあります。すでに全国でマイナ保険証で受診の際、同姓同名の別人に紐づけられており、医療スタッフが気づき事なきを得ましたが、今後同様のケースで違った治療が行われる懸念があります。

5点目は、マイナ保険証が無効となるケースが多発している点です。
医療機関ではほかにもトラブルが多発しています。全国保険医団体連合会の調査まとめでは、石川県も含む8,437の医療機関のうち65%の5,493機関でトラブルが起こり、中でも被保険者情報を正しく反映しない「無効・資格なし」が多いほか、顔認証が正しく作動せず、だれでも認証してしまうなど、驚愕の状況が続いています。患者さんに10割請求を余儀なくされるケースもあります。政府は患者さんには本来の1~3割で請求してもらい、7~9割は補填するそうですが、それは協会けんぽや市町の国保など保険者から補填させる考えです。

6点目に、高齢者施設や福祉施設での懸念についてです。こうした施設では、利用者さんから突然の受診にそなえて、保険証を預かることもしています。それがマイナンバーカードとなり、さらに暗証番号も必要となる。カードと暗証番号ふたつを管理する責任は負いきれないと不安が広がっています。

以上のことから、昨日政府は、「保険証も持参して」と呼びかける方針をあきらかにしました。ならば保険証で十分なのではないですか。従来の保険証を存続させることが皆保険制度にふさわしく、国民の命と健康を守ることができると考えこの意見書を提案するものです。多くの議員のご賛同をおねがいし提案理由説明といたします。

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