2024年3月議会 一般質問 山下議員(3月12日)

山下明希議員

-山下議員

 質問の機会を得ましたので、日本共産党 市議員団の一員として、以下質問いたします。

 本市の2024年度一般会計当初予算案では、市税による歳入が845億円となりました。市民のみなさんからお預かりした税金が、地方自治の本旨に基づき、住民福祉の向上に広くいかされることをまず冒頭に求め、質問に入ります。

 はじめに、災害対策基本法に基づく、本市の取り組みについておたずねします。

 人命や日常生活に甚大な被害をもたらす自然災害に対して尊い命が失われないよう防ぐ役割が、この間、政治に大きく求められてきました。私たちはこれまでの災害の教訓や課題を共有してこれたのか、能登半島地震を教訓にしていけるのかが問われます。

 まず、福祉避難所についてお伺いします。

 福祉避難所は、災害対策基本法 施行令のなかで、災害対策基本法による避難所の指定基準の一つとして規定されています。災害時に高齢者や障害者、妊産婦、乳幼児その他の特に配慮を要する方の2次被害を避け、いのちを守るためにも、福祉避難所は重要な役割を担います。そこで、本市には市保有の福祉避難所がいくつあり、どれだけの民間施設と協定を結び、どの程度の避難所開設訓練を行ってきたのか、現状をお聞かせください。

-山口福祉健康局長

 本市の福祉避難所につきましては、市有施設で6施設、協定を締結している施設は81施設でございます。開設の訓練につきましては平成29年度から開始しておりまして、これまでに市有施設では延べ7施設、協定締結施設では延べ92施設で実施をしております。

-山下議員

 私も今回の地震で初めて一般避難所である学校の体育館に行きました。わかるだけで、要配慮者が数名いらっしゃいました。そのうちのおひとりは福祉避難所への移動を希望されましたが、受け入れ先が決まらず、ご家族と自宅へ戻られるということがありました。そこでおたずねしますが、今回の地震災害で、市内では福祉避難所は開設されたのかお聞かせください。

-山口健康福祉局長

 今回の地震発災後、輪島市から避難してきた要介護高齢者等を受け入れるために福祉避難所を3施設開設いたしまして、受け入れの準備を行っておりましたが、要配慮者の状況等を踏まえまして通常の施設入所というかたちに至りましたことから、結果的には福祉避難所としての利用はございませんでした。

-山下議員

 ある福祉関係者の方から、要介護の利用者を福祉避難所に連れていきたかったけれども、市内のどこが福祉避難所なのかわからず自宅避難せざるをえなかったという状況をお聞きました。本市は、福祉避難所を公表しているのでしょうか。公表していないのであれば、その理由をあきらかにしてください。

-村山市長

 市有施設の6か所については、災害対策基本法に基づき指定福祉避難所として告示をしております。その他の施設はあらかじめ公表すると受け入れ準備が整う前に避難者が集中するなど運営に支障をきたすことが懸念されるため、現在は公表しておりませんが、明年度予定している個別避難計画の作成に合わせて福祉避難所の公表の在り方についても検討してまいります。

-山下議員

 ぜひ公表の在り方を検討していただきたいと思います。

 要配慮者は、一旦、一次避難所に避難をして、そこから医師や保健師などが判断をして必要な方が福祉避難所に移動をするという取り決めになっています。知的障害があるお子さんを持つ保護者の方は、一般避難所では心配なので福祉避難所へ直接避難したいというふうに話されていました。また災害によっては、リスクのある中ふたたび移動を強いられることは、要配慮者にとって大きな負担にもなります。要配慮者が直接、福祉避難所へ避難できるような仕組みが必要だと考えますが、見解をうかがいます。

-村山市長

 一部繰り返しになりますけれども、明年度から避難行動要支援者名簿に記載された方を対象に避難予定の場所や避難する際に必要な支援などを記載した個別避難計画の作成に着手をいたします。要配慮者が確実に避難できるように体制を整備する予定であります。計画の作成にあたっては、避難予定の場所の選定等においても留意したいと考えております。

-山下議員

 要配慮者が安全に避難できるような、そうした運営・仕組みをぜひ考えていただきたいと思います。

 次に個別避難計画の作成についておたずねします。

 東日本大震災では、亡くなられた方の6割が60才以上の高齢者であり、また、障害者の死亡の割合は被災住民全体と比較して2倍以上だったと言われています。こうした状況を受けて、2013年、災害対策基本法を改正し、避難に手助けが必要な要支援者の名簿作成を市区町村の義務としました。さらに、2021年の改正では要支援者の個別避難計画作成も市区町村の努力義務となっています。能登半島地震では、亡くなられた方の7割が60才以上、個別避難計画の作成については、能登の6市町で、要支援者全体の1割の作成率だったということです。個別避難計画の作成は喫緊の課題ではありますが、作成自体が困難だったということも聞いています。本市においても、個別避難計画を作成するにあたり、考えられる課題をお聞かせください。

-村山市長

 作成にあたっての課題につきましては、要支援者から作成についての同意をいただく必要があるということ、さらに避難する際に必要となる支援者を確保すること、心身の状況を記載するための福祉専門職の参画が必要であること、こういったことが課題であると捉えております。

-山下議員

 本市は今年度、個別避難計画作成検討会をもち、優先的に計画を作成する対象者の範囲や計画作成にあたっての体制づくりなど検討してきました。市内4カ所をモデル区域とした計画の作成や、福祉専門職による計画作成のモデル事業にも着手しています。避難の実行性も問われるこの個別避難計画ですが、これまでの事業から見えた課題も含め、今後の取り組み方針についてお聞かせください。

-村山市長

 個別避難計画では、これまで実施したモデル事業の経過等を踏まえて、今年度個別避難計画作成検討会において計画の様式や関係者の協力体制等をとりまとめたところであります。計画の作成にあたっては民生委員や自主防災組織などの地域の支援者、ケアマネジャーなどの福祉専門職の協力を得て取り組んでいく予定であります。今般の能登半島地震を踏まえた課題等についても関係者と検証しながら、ひとりひとりの要支援者に寄り添った計画となるよう意を用いてまいります。

-山下議員

 計画を作成するにおいては、本市職員の体制、また医療・福祉の専門職員、地区社協や町会、民生委員などマンパワーが必要不可欠となっています。その業務にあたる職員の確保と、専門職や町会等に財政的な支援も必要と考えますが、見解を伺います。

-山口福祉健康局長

 個別避難計画の作成にあたりましては、専任の職員の配置をいたしますとともに、各校下・地区・町会連合会が主体となる自主防災組織に対しましては計画作成1点当たり3千円の作成費に加えまして、1団体当たり5万円の事務費を支給させていただきますほか、ケアマネジャーや相談支援専門員には計画1件あたり7千円の作成費を支給する予定でございます。明年度予算においてお諮りをしているところでございます。

-山下議員

 早急な計画の作成も求められていると思いますが、ぜひ地域の合意も含めて丁寧な作成をお願いしたいと思います。

 つぎに、介護保険制度についておたずねします。

 介護保険制度は「介護の社会化」そして「地方分権の試金石」とうたわれ2000年に導入されてから、保険者である自治体の役割が変容しています。公的介護保障であった措置制度から契約という申請主義を導入し福祉の市場化が進む中で、自治体が自ら、高齢者の困難を把握し、求められる支援が何かを考える福祉行政の現場感覚と専門性が失われたという指摘もあります。今回の地震における避難者への対応でも、現場からは「丸投げすぎる」との声もあり、そのことが露呈したと言わざるを得ません。自治体の福祉行政がいかにして住民の生存権保障のための役割を果たしていけるのか、福祉の最終的な責任は行政にあります。保険者としての役割をどのようにお考えか、うかがいます。

-村山市長

 介護保険制度につきましては、サービスを必要とする高齢者が心身の状況に応じて必要なサービスを適切に受けられることが大切であると考えております。制度が安定的に運営されるよう、適正なサービス提供について事業者へ指導・助言すること、また介護人材不足の中でさらなるサービスの質の向上を図るための人材の確保や定着に取り組むことなどにより、必要なサービスが切れ目なく提供され、地域包括ケアを推進するということが保険者としての役割と考えています。

-山下議員

 保険者として適切な役割を果たしていただきたいと思います。 

 来年度の介護報酬改定率は+1.59%、3年平均では+1.54%のプラス改定だと言われますが、訪問介護においては基本報酬が2%から3%引き下げられる予定です。市民や介護関係者からは抗議と撤回を求める声が相次いでいます。訪問介護はこの間、サービス時間は短縮され、介護報酬も削られてきました。同じ介護職でもとりわけ低賃金で、職員不足、さらには職員の高齢化が進む事業所にとって、報酬の引き下げが実施されれば、事業継続する未来が見えません。本市が2022年に実施した在宅介護実態調査では、在宅介護している方へ施設等を検討しているかという問いに、「検討していない」との回答が 72.5%と最も高く、多くの方が在宅生活を望んでいることがわかりました。その在宅を支えるのが訪問介護です。この在宅介護の崩壊とも言われる改定が、市内の介護事業所、または利用者にどのような影響をおよぼすと考えますか。お聞かせください。

-山口健康福祉局長

 今回の介護報酬の改定につきましては全体でプラスとなっておりますけれども、サービスごとの経営状況も踏まえまして、一部サービスにつきまして基本報酬は引き下げられたというふうに認識しております。一方では、介護現場で働く方々の処遇改善を着実に行いますために、ベースアップに確実につながる処遇改善加算が見直され、ご指摘の訪問介護につきましては他のサービスに比べて高い加算率とされているところでございます。報酬の改定につきましては基本報酬だけではなく全体でみることも必要というふうに考えております。今後改定の影響を注視していきたいと思っております。

-山下議員

 全国でもヘルパーステーションの赤字経営、廃業が相次いでいます。また、家族の介護を理由に離職する方が全国で10万人を超える現状があります。その中でさらに追い打ちをかけるような今回の介護報酬改定です。介護保険制度の保険者として、制度を維持し、高齢者の命や生活、またその家族の生活を守るためにも、この介護報酬改定は撤回をと、国に強く求めていただきたいと思いますが、市長、見解を伺います。

-村山市長

 今回の報酬改定につきましては、介護保険制度の安定性・持続可能性を高め、すべての世代にとって安心できる制度を構築するということとともに、介護人材不足のなかでさらなる介護サービスの質の向上を図るため、処遇改善や生産性向上による職場環境の改善を推進するものと捉えております。国に撤回を求めることは考えてはおりません。

-山下議員

 介護事業所の存続が問われる現状です。ぜひ撤回を求めていただきたいと求めて、次にうつります。

 市営住宅についておたずねします

 「住まいは人権」と言われるように、住まいは憲法によって保障されている権利です。現在における公営住宅の役割についておうかがいます。

-村山市長

 公営住宅は住宅に困窮する低額所得者に低廉な家賃で住宅を提供することで、生活の安定・社会福祉の増進に寄与することを目的としております。住宅のセーフティネットとして重要な役割を担っていると認識しています。

-山下議員

 本市においても、被災し避難を余儀なくされた方に、市営住宅の空き室を整備し提供しています。整備の要望が強かった風呂釜、給湯器、ガスコンロを設置したことは、たいへん喜ばれています。本市は所有も管理も直営で行っているからこそ、被災者ひとりひとりの悩みに寄り添いながら住居を提供し、生活の安定を保障できたと考えます。ただ国の住宅政策をみると、2006年からの住生活基本法のもとで5万戸も公営住宅が減少しました。さらには、2007年の閣議決定によって、入居収入基準が政令月収20万円から15万8千円と大幅に引き下げられ、安定した住居の供給の推進ではなく、削減の推進が続く実態があります。資本主義的な政策の下で住宅確保を自己責任としてきた結果、空き家の増加や、入居者の高い高齢化率で町会役員の担い手がいないなど、地域コミュニティの維持においても課題が山積しています。

 今回の予算案には、学生による入居のモデル事業が盛り込まれました。昨年、石川県が県営住宅に学生の入居募集を始めたところですが、本市は、どのような目的で事業をすすめていくのかお聞かせください。

-村山市長

 議員のおっしゃる通り、市営住宅で入居者の高齢化が進んだことによって町会活動の担い手が不足している、これが大きな課題となっております。そこで学生が市営住宅に入居し、町会の一員として地域活動に参加することで、多様な世代間での交流が生まれ、町会活動が活性化することを期待して、まずはモデル事業として取り組むこととしております。

-山下議員

 市営住宅の活性化やコミュニティーの再生につながっていくことを期待したいと思います。ただやはり公営住宅の根幹は、住居のセーフティネットという役割です。昨今、非正規雇用の拡大にもみられる雇用情勢の悪化など、住宅困窮に陥る世帯は高齢者だけではありません。若年層、中高年の単身世帯でも公営住宅の要求は強くなっています。60才以下の単身世帯が入居できるよう、対象を拡充する検討を求めますが、見解を伺います。

-坪田都市整備局長

 市営住宅への単身入居につきましては、高齢者、障害のある方、生活保護受給者等、民間賃貸住宅への入居が比較的難しい方を対象に、特に配慮し認めているところでございまして、60才未満の単身世帯を対象とした制度拡充につきましては現時点では考えてはおりません。

-山下議員

 ぜひ広く制度の拡充を考えていただきたいと思います。

 市営住宅の整備をどのように行っていくのかということは、まさに本市のまちづくりの考え方がここに表れてきます。本市が整備や管理もこのまま直営で責任をもって「安心して住める公営住宅」を維持することを求めて、次の質問に移ります。

 次期金沢型学校教育モデルについてお尋ねします。

 次年度、新たな金沢型学校教育モデルの構築にともない、小中学校において「デジタル科」の新設に向けたカリキュラムに編成すると、予算案にもりこまれました。なぜいま、デジタル科の新設が必要なのか、デジタル科で何を学ぶのか、誰が指導し、誰がどう評価するのかお聞かせください。

-野口教育長

 社会全体でデジタル化が進展する中で、新たな時代を生きていく子どもたちにはIOTやビッグデータ、AI等の技術革新に触れ、主体的にデジタル社会と関わる力の育成が不可欠であると考えています。新設するデジタル科におきましては、小学校では現行のプログラミング学習をもとにドローンを活用した学習を行うことに加え、生活を豊かにしたり地域の課題を解決したりする学習を、また中学校ではデータを活用して地域や社会の課題を解決する探究学習を行うことに加え、大学・企業と連携しVR、メタバース等の先端技術を体験する学習を想定しております。授業や評価につきましては、基本、学級担任または教科担任が担うことになりますけれども、評価につきましては数値的な評価ではなく子どもたちの学習の状況や成果、学習に対する意欲や態度などについて文章で記述することを予定しております。

-山下議員

 次期金沢型学校教育モデルでは、「デジタル力」「読解力」「コミュニケーション力」を基盤に、児童生徒の創造力を育むということで、この3つの力をつけるため重点的に各教科の教育課程に位置付けることは一定の理解ができます。ただ、なぜデジタルだけを特化して教科化する必要があるのかということは疑問です。教科化することによる授業時間数への影響や、教員の負担について、どうお考えかお聞かせください。

-野口教育長

 デジタル科の新設にあたりましては、関連する既存の教科で実施をするということ、また複数の教科で年間3時間程度減じて教育課程を編成できる国の授業時数特例校制度の活用によって、各学年の年間総授業時数は増加をいたしません。加えて授業では、ICT支援員に技術面でのサポート、また先端技術の体験学習等につきましては大学や企業のご協力をいただき実施していくことを考えており、教員と子どもたちが共に体験する、今回新しく先端技術を一緒に体験していただきたいと思っております。そうした中で、共に学び高め合っていけるような授業づくりを今後提案していきたいと考えております。

-山下議員

 授業数は増加をしないということでしたが、教員の負担は増えるのかなというふうにも感じます。デジタル科を、総合の時間に上乗せて位置付けることを検討しているとお聞きしました。総合的な学習の時間は本来、人権や環境、平和など従来の教科枠にはまることなく、子どもたちの意欲によってすすめられる教科であり、「なにを学びなさい」と押しつけられる教科ではありません。今回の位置付けは、この「総合的な学習の時間」の学びの趣旨に反することにならないか、お伺いします。

-野口教育長

 総合的な学習の時間に上乗せをする理由でありますけれども、デジタル科での学習は教科横断的な視点に立った資質・能力の育成や、探究的な活動の充実に資することが求められている総合的な学習の時間の目的に合っていること、また本市の小学校ではすでに総合的な学習の時間を中心としてプログラミング学習を行っていること、また中学校で先端技術を体験する学習やデータを活用した探究的カリキュラムを編成し、実施する学習に際しては、総合的な学習の時間を活用することが適していることなどがあります。なお、現在総合的な学習の時間において取り組まれております金沢ふるさと学習、また環境教育、キャリア教育などにつきましては、その時間数を減ずることはせず、現行のまま継続することにしております。

-山下議員

 本来であれば、カリキュラムの構築というのは、子どもの関心や興味に即したことから教育的価値を見出し、目の前にいる児童生徒との関係の中で、子どもたちとともに作られていくべきではないでしょうか。今回あまりにも拙速すぎるデジタル科新設について再検討を求めますが、見解をうかがいます。

-野口教育長

 GIGAスクール構想に基づく学習によって、現在の子どもたちはデジタル機器を有効に使い学びを深めています。そうした子供たちがこれから生きていく社会におきましては、大きく変化する技術革新に触れながら新しい価値や最適解を見出す創造力を育成することが求められていると考えています。そのためにも、主体的にデジタル社会と関わるデジタル力はその重要な要素のひとつであると捉えております。

-山下議員

 次に市独自の学力調査についておたずねします。

 予算案に、市独自の学力調査を実施する「学力到達度調査費」がもりこまれました。金沢市はすでに、全国学力・学習状況調査、石川県の基礎学力調査を実施しています。市独自の学力調査がなぜ必要なのか、誰が必要と感じて実施するのか、お聞かせください。

-野口教育長

 児童生徒の学力の実態や経年変化を把握することで、児童生徒のつまずきを解消し、自信をもって日々の授業に臨めるように授業改善を図ることは、教員の大切な仕事のひとつであると私は考えています。特に児童生徒がつまずきやすい、そして戸惑いを抱くとされる小学校3年生の算数と、中学校1年生の英語について、本市独自で調査を行っていきたいと考えています。その理由でありますけれども、小学校の算数では3年生までに数や図形の概念、計算の意味や技能と基礎的・基本的な知識及び技能を獲得する内容が多く含まれていること、もっと端的に言いますと私が小学校の教員をやっているときに4年生を担任することが多かったんですが、担任をして3年生の授業をしてみるとわり算ができない。わり算ができないということは3年生の授業でわり算がしっかりできていないから、4年生になってそれができていない。そのことが4年生に入ってから小数のかけ算・わり算に影響していったり、そのあとの分数のかけ算・わり算等にも影響していくということになります。こういったことに非常に危惧をしています。それから中学校の英語なんですが、中学校の先生といろいろな話をしておりますと、小学校の英語では話す・聞くという活動が中心なんですが、中学校に入りましたら読むと書くの活動が増えることから学習が難しくなっている。そうすると中学校に入ってからこの2つの分野が入ってくることになって英語学習が異常に子どもたちに馴染みづらくなっているということをお伺いしています。したがってこのふたつの教科によって本市独自の調査を行いながら、児童生徒の学力向上に繋げていきたい、早期につまずきを解消してあげたいと思っています。

-山下議員

 もう少し詳しく聞きます。調査のためのテストは、誰がつくり、誰が採点し、誰が分析するのか、あきらかにしてください。

-野口教育長

 委託業者が学力調査の問題作成と、その採点・分析を行うこととしております。その作成段階にあたりましては教育委員会の指導主事等が加わって相談させていただきたいと思っています。

-山下議員

 さきほど、小学校3年生の算数と中学校1年生の英語ということでしたが、全員実施となるのか、そして調査の結果はどのように公表するのか明らかにしてください。

-野口教育長

 先ほど触れましたが、小学校では3年生の全学級で算数、中学校では1年生の全学級で英語の調査を、現在のところでありますが12月に1週間程度の期間を設けて、学校が選択した日に実施をする予定としております。採点・分析後、各学校には市全体と当該校の結果に加え、各設問における正答等の状況を記載した個人票を提供し、子どもたちのつまずきの解消に役立てていくことにしております。なおこれ以上の公表は行わないことといたしております。

-山下議員

 つまずきの解消や授業の改善を図るということでしたが、全国で行われている学力テストでは、学習指導要領通りに指導できているか、教員に対するチェックや管理につながること、また都道府県別の平均正答率が公表となり、正答率をあげることが最重要課題となって競争を助長し、教員、児童生徒への強力な圧力につながっていると、調査自体が問題視されています。ある学者は、平均正答率が高いとしても、それが指導や政策による効果なのか、それとも家庭環境、保護者の学歴や年収などの社会的要因によるものなのか区別できない、調査であれば、全員実施ではなく抽出方式で可能だと指摘をしています。定着の度合いを知るということであれば、日々のテストで可能ではないでしょうか。教育政策にいかす調査であれば、全員が同じテストを受ける必要がなく抽出方式で十分です。市独自の調査をすすめる場合、国や県の学力調査はどうされるのでしょうか。参加をしない考えはあるのでしょうか。

-野口教育長

 本市独自の学力調査と表現されておりますけれども、今回予算計上させていただいているこの調査とその目的と、国や県の調査の目的は、私は違っていると思っています。市の方でやる今回の学力調査は、あくまでもその当該学年の特定された教科のつまずきや戸惑いについて、それを解消しながら改善を図って、そして子どもたちが自身をもって授業に臨めるためにやるものであります。一方、国や県の学力調査の目的は、これも何回もこの議場でやり取りをさせていただきましたけれども、あくまでも義務教育の機会均等と、その水準の維持・向上の観点から、あくまでも指導力の充実とか学習状況の改善に役立てていること、このことを我々はしっかりと守ってきたつもりでいます。このことを観点におきながら、今後もその目的に則って参加をしていくつもりであります。

-山下議員

 子どもたちにとって、おそらく初めて経験する大きな震災後の新年度です。心に大きな負担を感じている子どもたちは少なくないはずです。東日本大震災、熊本地震では学力テストを中止しました。まず本市がやるべきことは、子どもたちの声をていねいにきく。そのことが重要ですし、そこにぜひ注力していただきたいと思います。国や県に対しても、学力テストの中止を求めるのが、本市の立ち位置ではないでしょうか。市独自の学力調査の実施についても強く見直しを求めます。改めて見解をお願いします。

-野口教育長

 繰り返しになりますけれども、あくまでも市の学力調査というか、子どもたちの勉強の力を調査するのは、つまずきを発見して早期に解決をして、自信をもって次の学年で勉強してもらうため、ここにあります。そして国や県の調査というのは、あくまでも先生方の授業力の向上とか、また学習状況の改善をするために行うものであります。いろんな震災等がございましたが、その影響下にあっても今子どもたちがどのような状況にあるのかをしっかり把握して、それを次に役立てて改善をしていく必要はあると思っていますので、これについては継続をしてやっていきます。

-山下議員

 つまずきを改善するという意味では、私は日々の授業やテストの中でも可能ではないかというふうに思います。今回の予算案には、不登校対策推進費としていくつか新事業も盛り込まれました。本来ならば学校は安心して学ぶことができて、安心して友だちや先生と繋がれる場であるということが求められている中で、今回教員の負担が増えて点数主義が助長するのではないかというふうを危惧します。不登校対策と相反するものではないかと考えます。改めて市独自の学力調査の中止を求め、次にうつります。

 就学援助制度についておたずねします。

 就学援助制度は、憲法26条の「教育を受ける権利」「義務教育無償の原則」に基づき、小中学生がお金の心配なく学校へ通えるように、保護者に対して必要な援助を行うものです。就学援助制度の意義について、どうお考えかお聞かせください。

-上寺教育次長

 就学援助制度は経済的な理由により就学が困難な児童生徒の保護者に対して小中学校で必要な学用品費や給食費等の支援を行い、経済的な負担を軽減することによりまして、義務教育の円滑な実施を図ることを目的としており、子どもたちの学びを保証する重要な制度でございます。

-山下議員

 ぜひこの制度を多くの保護者の方に利用していただきたいというふうに思います。ただこの間、消費税が10%に増税になったことに加え、長引く物価高騰は子育て世帯にも大きな影響を与え、保護者の就学にかかる経済的負担も大きくなっています。そこで、支給対象基準を引き上げた自治体や、給食費のみ認定をするという区分を新たに設けた自治体もでてきました。本市においても、就学援助の支給対象基準を従来の生活保護基準の1.5倍に引き上げる、または給食費のみ認定する区分を設けるなど、制度の拡充を求めますが、見解を伺います。

-上寺教育次長

 就学援助制度が一般財源化されました平成17年度以降、認定基準を引き下げる自治体がある中、本市では世帯の所得額の基準であります生活保護基準の1.3倍未満を維持してきており、引き続き基準の維持に努めていきたいと考えております。ご指摘の基準引き上げや新たな区分の設定については考えておりません。

-山下議員

 対象となる世帯にはぜひ漏れることなく利用していただきたいと考えます。ところがこの間、制度を知らずに4年間も過ごしていたという保護者の方がいらっしゃいました。制度の周知の徹底には工夫が必要です。制度を知っていても、子どもになにか不利な影響が働くのではないかと申請をためらったという話も聞きます。保護者が制度を認知し、ためらわず申請できるよう、受給を希望するしないの希望調査票もふくめた全員提出に切り替えてはどうかと考えますが、見解をうかがいます。

-上寺教育次長

 就学援助の申請は任意提出でありまして、ご指摘の申請希望の有無を含めた全員提出への切り替えは考えてはおりません。なお、毎年4月当初に全小中学校の児童生徒の保護者に対して就学援助制度の案内チラシを配布しております。今後とも支援を必要とする世帯に制度がいきわたるよう、わかりやすい周知に努めてまいります。

-山下議員

 だいぶわかりやすい周知になってきているとは思いますけれども、やはりまだ届いていない方がいらっしゃいますので、ぜひ周知の方法を工夫していただきたいというふうに思います。

 最後に、市立病院の再整備についておたずねします。

 市立病院は公立病院として、利益最優先ではなく不採算の政策医療である「感染症医療」や「災害医療」を担い、市民の命と健康を守るためになくてはならない医療機関です。そこでおたずねします。予算案では、「再整備に向けて平和町公園を候補地とする」と新病院の候補地が明らかとなっています。候補地を平和町公園に決定した理由を明らかにしてください。

-村山市長

 移転候補地を平和町公園にしたことについては、本市の南部地区の中核病院として果たすべき役割や、あるべき姿を踏まえて、周辺地域での連携登録医療機関の数や公共機関など、患者の利便性に加え、能登半島地震を踏まえた緊急輸送道路までの距離など、大規模災害時の緊急輸送対応や浸水・土砂災害・液状化リスク等の土地の安全性などを総合的に判断いたしました。

-山下議員

 新たな場所では病床数を減らすのではなく十分確保するため、敷地を拡充する選択ができるのか、また住民の合意を得ての移転が大前提となりますが、現病院跡地の活用をするなど新たな公園を整備する見通しがあるのかお聞かせください。

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