
-山下議員
質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として、質問いたします。
最初の質問は、児童福祉施策についてです。毎年私たちは、保育関係者や保護者のみなさんとともに保育料の無償化を市に要望してきました。新年度予算に3歳未満児の第2子の保育料無償が盛り込まれ、要求の前進に喜びもあります。引き続き、保育料の完全無償化を求めていきたいと思います。経済的な負担なく保育所等を利用できることは子育て世帯の願いであり、社会で子育てをしていくという行政の責務でもあります。またあわせて、子どもたちが安心して過ごし、職員が安全に保育できる環境を整えることも行政の責務です。そこで6月議会に引き続き、保育所や認定こども園等の改築・改修費を国が2分の1補助する「就学前教育・保育施設整備交付金」についておたずねします。昨年、国の交付金が第1次申請分で想定の予算に達したため、第2次以降の申請が打ち切られました。本市では9施設が改築・改修を希望し申請を予定していましたが、当初の予定通り補助を受けることができたのでしょうか。今年度2回目以降の申請の結果と、新年度における申請の状況を明らかにしてください。
-安宅こども未来局長
今年度の保育施設等の整備でございますが、建て替えの3施設と大規模修繕の1施設につきまして補助申請を行い、先般、追加の内示があったことから、最終補正予算に事業費を計上しているところでございます。一方、一部施設の大規模修繕につきましては、着工時期の関係で明年度実施することとし、国へ協議案件の登録を行ったところでございます。
-山下議員
新年度、申請の状況が変更になったというふうに伺っていますが、改築・改修を予定している保育所等にどのような影響が考えられますか。お聞かせください。
-安宅こども未来局長
明年度の実施分から申請方法が変更となることから、現段階ではどのような影響が出るかはちょっと不明でございますが、今後施設への直接的な影響が出ないよう、国と協議してまいります。
-山下議員
資材や人件費等の高騰で、施設の改築・改修においても厳しい状況があると聞いています。こうした高騰分は交付金に加味されているのでしょうか。市独自でも補助が必要だと考えますが、いかがですか。
-安宅こども未来局長
今年度の国の補助単価および基準額につきましては、物価高騰を踏まえた増額がなされております。整備費用につきましても、これまでも国・市・施設が一定のルールに基づきまして負担してきていることから、市独自の財源措置は考えておりません。
-山下議員
よりよい保育等を提供するために、各施設では今後も改築・改修が行われていくと思いますので、引き続き保育環境の十分な整備とその支援をお願いしたいと思います。
次の質問に移ります。こども誰でも通園制度は、保護者の就労状況を要件とせず、6か月から満3歳未満の保育所等に通わない乳幼児が通園できる制度です。どの子にも健やかな育ちを保障し、保護者の子育てに関する負担を軽減して、社会全体で子育てをしていくという制度の理念は共通認識ですが、子どもの安心・安全が保障されるのか、また保育所等預かる側の負担が大きいなど、すでに懸念の声が出ており、抜本的な見直しが必要だと私たちは考えます。そこで、新年度本市が行うモデル事業についてうかがいます。まず、本制度の利用対象となる乳幼児の想定数と、いくつの施設で行う予定かお聞かせください。
-安宅こども未来局長
モデル事業では、延べ300名が利用することを想定しておりまして、今後設置する設備や運営などの基準を満たした施設を選定する予定でございますが、必要な施設数は確保したいというふうに考えております。
-山下議員
制度導入にあたって保育士からは、通常の保育でも人手不足の中で、人見知りの多い時期の子どもを受け入れる体制が取れるのか、子どもの安全を保障できるのかという不安の声を聞いています。すでに試行的事業を行っている他自治体の園では、ベテランの保育士を配置して対応しているとのことです。しかし一方で、本制度は保育士資格を有しなくても従事できるとあります。本市はモデル事業をすすめるにあたり、保育士の配置基準や資格の有無について、どのように考えているか明らかにしてください。
-安宅こども未来局長
施設側が設置します設備や運営などの基準を定める条例を、6月定例月議会に上程する方向で現在準備を進めておりまして、その中で保育士の配置基準や資格の有無について定めていくこととなります。
-山下議員
十分子どもの安全が守れる配置と資格要件を設定していただきたいと思います。本制度には、利用する施設や曜日などを決める「定期利用」と、全国どこでも居住地以外の施設でも空きがあれば利用できる「自由利用」が認められています。しかし、環境の変化に敏感な6か月から2歳までの乳幼児にとって、施設を固定しない短時間の利用では、子どもも保護者も不安のなか過ごすことになります。保育施設での死亡事故はゼロ歳児と1歳児で8割となっており、預けはじめに非常に多く、この「自由利用」は子どもにとって安心・安全な場所とは言えません。本市のモデル事業では利用上限を月10時間としていますが、「定期利用」として行うのか、また「自由利用」も想定しているのか、うかがいます。
-安宅こども未来局長
子どもと保育者との関係が構築され、効果的な支援に繋がることが期待されることから、モデル事業では定期利用を想定しておりますが、自由利用については今後他の自治体の状況を踏まえて研究していきたいというふうに考えています。
-山下議員
本制度は、利用したい保護者が直接施設の空きを調べて申し込むという方式で、自治体による利用調整はありません。行政の関与が大きく後退するという点でも問題だと考えます。困難を抱える家庭の利用につながるのかという懸念もあります。2026年度より本格実施と国は決めていますが、すでに課題が多く見られており、現場の実態から制度の再構築が必要だと考えます。モデル事業をすすめるなかで、保育関係者や利用者の幅広い意見を聞いて課題を検証し、市としても国に対して安心できる保育制度の構築を求めるよう要望しますが、見解をうかがいます。
-村山市長
本市としてモデル事業を実施していく中で、保護者や実施施設の意見なども聞きながら、効果検証を行うこととしております。国においても次年度、事業の検討を進めるということを聞いております。まずはその動向を注視していきたいと考えています。
-山下議員
このままの制度ではやはり子どもの安全が守れないというふうに考えますし、行政のかかわりが後退するということはやはり「保育の市場化」への懸念が拭えません。公的責任で、ぜひ保育士の処遇改善と配置基準を大幅に拡充して、すべての子どもたちに安心で安全な質の高い保育を提供できるような制度の構築を改めて求めたいと思います。
次に、不登校支援について伺います。まず、現状と課題についてです。12月議会で、当事者実態ニーズ調査の回答に「学校にかわってほしい」という子どもやその保護者の声が多いことを紹介しました。新年度からの金沢型学校教育モデルを実践していくというふうにありますが、そのなかに不登校や学校に行きにくい児童生徒が含まれているのか、うかがいます。
-野口教育長
お答えいたします。私は教育におきましては、誰ひとり取り残されることがないこと、このことが最も大切にされるべきことだと思っております。この考え方に対しまして、この4月から実践が始まる新金沢型学校教育モデルでは、まず金沢探究スタイルを通して児童・生徒が自分事として課題をとらえ、学ぶ喜びと感動を大切にした学びを展開すること、また金沢リフレクションにおきましては、自分自身の成長や良さを実感する場を設けることで、すべての児童・生徒が自分に自信を持ち、学習や人との関わり等に関する意欲が回復するよう努めることといたしておりまして、不登校児童・生徒や学校に行きづらさを感じている児童・生徒も踏まえた実践となることを前提といたしております。
-山下議員
寄せられた声をもとに3点うかがいます。いまでも、どこへ相談したらよいかと悩む保護者に出会います。学校からの情報提供がなく一人であれこれ調べ思い悩まれています。本市は保護者や子どもたちに相談や支援先等の情報が行き届くよう、どんな積極的取り組みをしているかお聞かせください。
-野口教育長
私はこれまでも議会におきまして、不登校で悩んでいる保護者への支援は大切であると答弁してきております。そのため、教育プラザでは教育と福祉が連携し、0歳から15歳までの子どもに関わる様々な相談事業を実施しており、パンフレットや電話相談カードなどを配布し、広く市民への周知に努めております。また、市と不登校民間支援団体との連絡会におきまして、不登校になった際にどんな支援があるのか、どこに行けばいいのかわからないなどの当事者の声にお答えし、官民の様々な情報を掲載したリーフレットを作成し、各学校や医療機関に加え、多くの人に届くよう、市民センターや図書館等で案内するとともに、ホームページやポータルサイトでの発信も行っております。また後ほど触れさせていただきますが、校長会議等におきましても、得た情報は確実に保護者等に伝わるように周知をいたしております。
-山下議員
そうした取り組み、十分承知しております。その中でも、届いていない方がいるというのが今の声です。なので、ぜひ学校を通じてでもいいですし、子どもが持ち帰るパンフレットにもそのリーフレットのQRコードをつけるとか、入学式にいっぺんに渡すんじゃなくてもっと見やすい時期に、子どもが行きづらい5月とかそういう時期に、そうした案内が届くような工夫が必要だというふうに思います。
2点目、学校教育センターの不登校や発達障害の相談事業を利用してきた保護者が、義務教育が終わる段階で利用できなくなり、親子で世の荒波に放り出された感じだったというふうに話されていました。幼少期から関わりを積み重ねてきたセンターで15歳以上も継続的な支援をしてほしいという声です。いま全国の高等学校における不登校生徒数も過去最多となり、高校入学後に不登校になる、または中退する生徒がいることを見ても、中学校卒業後の支援も必要ではないでしょうか。対象を18歳まで拡充することを求めますが、いかがですか。
-野口教育長
学校教育センターにおきましては、義務教育である小中学校の児童・生徒、その保護者、教職員などを対象に、来所での面接相談や不登校支援を行っております「そだち」教室等での相談事業を実施いたしております。卒業後も相談を希望する保護者につきましては、県教育支援センターやすらぎ金沢や、医療機関等の関係機関にご紹介し、必要に応じて連携を図っておりますことから、学校教育センターでの18歳までの拡充については考えてはおりません。
-山下議員
継続的に同じ場所で支援をしてほしいという保護者のお声にも、ぜひ応えていただきたいと思います。
3点目、保護者の置かれている現状からお伝えします。働く保護者、とくに働く母親は子どもが学校に行きにくくなると仕事を遅刻、早退する、または休まざるを得ない状況になります。休職や離職を選択せざるをえなかった方も身近においでます。また、ひとり親の保護者は仕事をやめることができず、子どものケアが十分にできないとつらい思いをしています。子どもの心配とあわせて仕事と生活の不安を抱え、心理的にも追い詰められている現状があります。保護者の負担を軽減することも課題と考えますが、市としてどのような取り組みをしているか伺います。
-野口教育長
不登校児童・生徒の保護者の方の心理的負担を軽減するため、保護者がひとりで悩みを抱え込まないように支援をすることは大切なことであると、これは自分はしっかりと思っております。そのために、本市では「教育プラザ富樫」「教育プラザ此花」での保護者に対する相談体制の強化を図りますととともに、校長会議や不登校支援担当者の会議等におきまして、相談機関や民間支援団体等の情報を確実に周知するように求めております。教職員とかスクールカウンセラーとの相談によって、家庭から少しでもお子さんが外に出られるようになったという、その変化というものが、保護者の方の心理的負担の軽減に繋がるものと考えておりまして、引き続き多様な不登校支援に取り組んでまいります。
-山下議員
続いて、新年度予算に盛り込まれた事業についてうかがいます。2023年度の金沢市における不登校児童生徒数は小学校で498人、中学校で823人です。ひとりひとり状況が違えば、そのひとりひとりに応じた支援が求められます。不登校と定義されない学校に行きづらい児童生徒の状況をふまえても、多様な支援体制があることは重要だと考えます。
まず、学びの多様化学校についてです。これまで再度にわたり当事者の声を聞くこと、支援者も含めた実態調査を求めてきましたが、実態調査を行なったうえでの基本構想策定になるのか伺います。
-野口教育長
昨年の11月に学びの多様化学校設置検討委員会からご提出いただきました答申の中には、「個々のニーズに応じた学習支援や、個々に応じた進路指導等について検討することが必要である」と示されております。学びの多様化学校では、児童・生徒の意思を十分に尊重しつつ、個々の状況に応じ、特別な教育課程を編成して、教育活動を行う必要がありますことから、明年度策定する基本構想には、不登校児童・生徒やその保護者などの意見も反映させていきたいと考えております。
-山下議員
それでは、基本構想はどこでどのように策定していくのでしょうか。「将来の見通しが持てない」と悩んでいる当事者に、学校設置までの見通しを示すべきと考えますが、想定しているスケジュールを明らかにしてください。
-野口教育長
学びの多様化学校設置検討委員会からは、校種、教育課程、立地環境等に留意して、さらに議論を深めることが必要であるとのご答申を受けておりまして、明年度答申に示されました検討課題を踏まえて基本構想を策定することといたしております。今後の整備スケジュールにつきましては、基本構想の策定と合わせて検討していきたいと思っております。
-山下議員
ぜひその都度、市民のみなさん、そして子どもや保護者の方に届くように報告をしていただきたいと思います。
次は校内教育支援センターについてです。新年度は、校内教育支援センター支援員の配置が全小中学校に拡充されるということです。本市は校内教育支援センターの役割をどのように位置づけているのかうかがいます。
-野口教育長
校内教育支援センター、特に今年度、中学校で拡充をさせていただきまして、1年間実践をしてまいりました。自分なりに学校を巡ったり先生方と話をする中で、この校内教育支援センターは非常に有効であったというように実感しております。校内教育支援センターは、児童・生徒が学校には行けるが自分の教室には入れないときは、少しの時間でも学校へ登校し過ごしたいときなどに利用できる居場所でありますとともに、児童・生徒の意思に寄り添いながら、ひとりひとりのペースに合わせた学習支援や、相談活動等を行い、児童・生徒の気持ちに応える多様な学びの場としての役割を担うことを目的といたしております。今議会に予算についても計上させていただいております。さらに小学校でも拡充できないか、取り組んでいければと思っております。
-山下議員
校内教育支援センターについて、教員のなかにも支援の方向性について葛藤があるというような報告を見ました。また、子どもたちは「教室に入らずさぼっていると思われているのでは」という心理的負担があるという声も聞いています。位置付けられた役割の認識に違いがあれば、児童生徒やその保護者、教員にとっても負担のかかる場所になってしまいます。負担なく利用できる校内教育支援センターの役割とその周知が必要だと考えますが、いかがですか。
-野口教育長
そうしましたご懸念等も十分に想定をいたしておりました。校内教育支援センターにつきましては、その役割や支援を実施する上での留意点などをまとめた運営の手引きを、すべての小中学校に配布いたしますとともに、校長会議、また学校訪問などを通して、校内教育支援センターのさらなる充実に向けて指導・助言を行っております。合わせて、学校だよりなどを通じながら、児童・生徒本人や保護者にも校内教育支援センターの役割などについて周知するように指導いたしております。
-山下議員
校内に児童生徒が心身ともに安心できる居場所の拡充を引き続きお願いします。
次に、メタバースを活用したオンライン支援体制についてうかがいます。オンライン支援については、対面の相談・支援があるなかで、不登校の児童生徒がオンラインメインになってしまうのではないかという懸念や、身体的・心理的なフォローに欠けるのではないかという懸念の声もありますが、メタバースを活用したオンライン支援に取り組む目的を伺います。
-野口教育長
メタバースを活用したオンライン支援を行う目的は、学校や社会とつながりが持てず、家庭で多くの時間を過ごしている児童・生徒の社会的自立を図るとともに、教育から取り残されることのないように、学びの機会を保障することにあります。メタバースの活用に当たりましては、アバターを介して人とつながることから始め、将来の対面に向けた支援につなげていきたいと考えております。
-山下議員
全国では他の自治体も含め、民間のオンライン学習塾や不登校支援のNPOなどもすでに実施をしていますが、実施主体によっては、学校復帰を目指すもの、つながりの居場所として位置づけるものと、運用や目的が様々です。本市はどのように運用していくのか、開設時期もあわせて明らかにしてください。
-野口教育長
メタバースの活用につきましては、数年前から教育委員会におきまして研究を進めてまいりました。運用に当たりましては、外出することができず、家庭で多くの時間を過ごしている不登校状態にある小中学生を対象に、家庭から一人一台端末等を使用し、本市教育委員会が設定をいたしました仮想空間におきまして、児童・生徒がアバターと呼ばれる分身を通じて人と繋がることや、様々な活動を体験できるようにと考えておりまして、明年度中の開設を目指すことといたしております。
-山下議員
オンラインだけでなく、やはり対面支援との連携は欠かせないというふうに思いますので、またつぎのステップにどうつなげるかということも、継続的に支援を求めていきたいと思います。
次に子どもの居場所についてです。不登校支援において、学校復帰を前提としない子どもの居場所が、子どもからも保護者からも求められています。いま地域にある社会資源を最大限に活用するということが必要だと考えます。新事業に、城北児童会館での不登校等の中学生を対象とした学習支援の実施や、夏休みの子どもの居場所づくりに市が支援をしていくことも示されました。不登校の子どもたちは、普段から居場所がなく家で過ごさざるをえない状況にあります。夏休みだけでなく1年を通して、居場所や学びの環境を整えていくことが必要ではないでしょうか。子どもが歩い
て行ける児童館や公民館、集会所等の既存の施設を活用した居場所の取り組みの拡充を求めますがいかがですか。
-村山市長
本市では不登校を子どもを含め、すべての子どもが安心して過ごすことができる子どもの居場所づくりを支援しております。すでにいくつかの児童館や公民館、集会所において、地域主体のこども食堂や学習教室が通年で行われております。また明年度からは、城北児童会館で不登校の中学生を対象とした学習支援を行いますほか、長土塀青少年交流センターにおきましては中高生の自由な居場所となるユースセンターを開設することとしております。様々な施設の活用を図りながら、子どもが安心して過ごせる場所を広げていきたいと考えています。
-山下議員
ぜひ、多くの居場所の設置をお願いいたします。子どもたちは「いまの学校に自分の居場所がない」ということで、全身で表現していると思うんですね。学校が子どもの権利を保障する安心できる場所になるように、また引き続き議論していきたいと思います。
次に、市立病院事業についてうかがいます。国会では、少数与党の自民党、公明党が、来年度予算案を成立させるために、維新の会と「国民医療費の最低4兆円削減」を念頭に置いた合意文書を結びました。とんでもない削減です。赤字経営に苦しむ医療現場をさらに追い込み、患者負担が増えることは言うまでもありません。私たちはこうした医療崩壊を招く政策合意には断固反対です。こうした国の医療費削減に進むなか、よりいっそう公立病院の役割が問われてきます。市立病院が2023年地域医療支援病院に指定され約2年が経過しました。地域医療を支える柱となるべく、どのような役割を果たしてきたのか伺います。
-村山市長
地域医療支援病院として、開業医等からの紹介患者に対する医療提供や、医療機器の共同利用を通じまして、地域の医療機関との外来機能の分担・連携強化を進めてきております。引き続き南部地域の拠点病院としての役割を果たしてまいりたいと存じます。
-山下議員
地域医療支援病院となって、2023年10月から「特別な料金」と言われる選定療養費を徴収することとなりました。紹介状のない場合の初診は7700円に、また市立病院から他の医療機関への紹介状をもらったが再度市立病院を受診した場合の再診について3300円にと、市民に新たな負担が増えています。「特別な料金」の徴収は、市民の受療権の保障に逆行するものであり、受診抑制につながると考えますが、市立病院において「特別な料金」の徴収で、どのような影響が表れているのか明らかにしてください。
-松矢市立病院事務局長
当該制度は、初期医療について基本的に開業医等へ受診を促す制度であります。開業医等からの患者紹介率が、令和4年度の64%に比べ、令和6年度は今年1月末時点ではありますが88%に増加していることからも、地域の医療機関との連携が強化され、地域医療全体の充実が図られてきていると考えております。
-山下議員
「特別な料金」の徴収で受診抑制につながらないようにお願いいたします。
次に、移転整備事業についてうかがいます。2018年「市立病院の今後のあり方検討会」が設置され、コロナ禍にも重なりましたが5回の検討会議を経て2021年2月に「市立病院の今後のあり方に関する提言書」が出されました。検討会のなかで、市立病院の課題や公的病院の役割が明確になりました。そこで改めて、市立病院の移転新築整備がなぜ必要になったのか、お聞かせください。
-村山市長
現在の病院施設を建設してから35年以上が経過しました。設備の老朽化等により建て替えが必要となり、病院機能を維持しながらの現地建て替えが困難であるということから、現在の平和町公園での移転整備を行うことといたしました。
-山下議員
市民や職員のアンケートにも取り組みながら、新病院の整備の方向性等を議論し、2024年3月に基本構想が策定されました。能登半島地震を経験し、公的病院の役割のなかに、災害拠点病院としても重点がさらに置かれたのではないでしょうか。基本構想では、病床数を維持し、経営形態は、独立行政法人化や指定管理者制度を選択せず、「地方公営企業法の全部適用」を継続することが示されました。国が打ち出している地域医療構想のもと、全国では病床削減や公立病院の統廃合、民間譲渡が迫られるなかで、市立病院が公立病院の役割を継続する方向性を示したことはたいへん重要です。国は2040年を見据えた「新たな地域医療構想に関するとりまとめ」を2024年12月に公表しました。これまでも掲げていた「病床の機能分化・連携」をさらに推進していくとあります。要するに病床削減をさらに進めて行こうという方針を変えていません。地域医療の崩壊を招かないためには、病床数や経営形態を維持継続していただきたいというふうに考えますが、今後も継続が示されていくのかうかがいます。
-村山市長
ご指摘いただきました病床数につきましては、救急や感染症、また災害等の政策的医療など、公立病院としての役割を果たしていくためにも、現在の306床を維持することとしております。昨年度策定した基本構想におきましては、現時点では経営形態の見直しを行わず、地方公営企業法の全部適用を継続していくこととしておりまして、基本計画におきましても変わりはありません。
-山下議員
新年度、市立病院移転整備のために市立病院事務局に「市立病院建設準備室」を新設し、移転整備に向けた基本設計に着手していくとのことです。令和2年の提言書では、基本構想からおおむね10年以内の完成を目指すことが適当であるとありました。そこで「建設準備室」の役割と、今後の整備スケジュールをお聞かせください。
-村山市長
明年度基本設計に着手いたしますとともに、移転候補地の用地取得や財源確保、医療連携に向けた関係機関との調整などが本格化いたしますことから、建設準備室を設置をいたします。整備スケジュールにつきましては、今のところ設計業務で約3年、工事で約3年の期間を見込んでおりますが、詳細なスケジュールにつきましては設計段階で確定する予定であります。
-山下議員
ぜひ公立病院の役割を後退させず、コンセプトにあるように「地域住民とともにつくる未来型自治体病院」ということで、市民とともに新病院建設をすすめていただきたいというふうに思います。
質問の最後は、公共交通についてです。公共交通は、まちづくりのあらゆる施策分野に共通した基盤となるインフラです。地域住民だれもが、いつでも、どこでも、自由に安全に移動することは、健康で文化的な生活を営むうえで欠かせません。本市では、2023年3月に策定した第3次金沢交通戦略に基づきすすめられてきましたが、そこに市民的ニーズと市民的合意があるのかが問われます。
そこで、連節バスの導入についてお聞きします。通常の路線バスと比較して、輸送力が約1.5倍の連節バスを導入し、市内で実証運行を行うというものです。その路線が平和町線等、と示されました。そこで、連節バス導入の目的と、連節バスを走行させる路線を平和町線と選定した理由を明らかにしてください。
-村山市長
連節バスは、第3次金沢交通戦略に基づいて、バス1台当たりの輸送力を高めるとともに、運転手不足にも対応するため、導入したいと考えております。導入にあたりましては、交通事業者や道路管理者等とも協議をいたしまして、右左折の回数が少ない路線での運行が必要との判断のもとに、まずは金沢駅と金大付属学校を結ぶ平和町線に導入することといたしました。
-山下議員
2026年から実証運行を開始するという計画ですが、それまでの2年間は走行環境の整備を行うということです。南部は大型トラックが多く走行する地域です。普段から大型トラックや連節トラックが走り、騒音や道路陥没などの影響を受けています。地域住民からは安全性や道路環境について心配の声があがっています。道路やバス停など、これから環境整備が行われると思いますが、市民生活や通常の交通への影響はないのか伺います。
-村山市長
整備にあたりましては、通常の路線バスの運行や一般の道路交通、歩行者の安全・安心など、市民生活に影響が出ないように道路管理者や交通管理者等関係機関との調整を行いまして、整備をすることとしております。
-山下議員
ぜひ周辺住民に対して、丁寧な説明と合意のうえで進めることを求めます。
実証運行後の事業の見通しについて明らかにしてください。
-村山市長
実証運行から確認された走行環境等の安全性、また路線バスの利用状況等も踏まえまして、導入路線など、本格運行に向けた課題について、交通事業者とともに検討していくこととしております。
-山下議員
最後の質問は、交通政策の構築についてです。連節バス導入の特定事業計画の策定についても、金沢市交通まちづくり協議会において意見聴取を行っています。協議会はどのような委員で構成されているかお聞かせください。
-村角都市政策局長
協議会の委員でございますが、学識経験者2名、交通事業者5名のほか、労働、市民、経済団体等から6名、国・県で6名、市が2名の合計21名でございます。男性18名、女性3名の構成となっております。
-山下議員
国土交通省は2024年11月、あらゆる分野の計画、法律、政策などをジェンダーの視点でとらえ直し、すべての人の人権を支える仕組みにつくり直していく「ジェンダー主流化」の取り組みを始めると宣言しています。交通機関やバスダイヤが男性優位に構築されているという実例やデータもあるなかで、交通政策における意思決定の場に女性を増やすことは欠かせません。先程も答弁にありましたように協議会は委員21名のうち女性は3名となっています。意見聴取の課程に、ジェンダーの視点が欠如していると指摘せざるを得ません。あらゆる政策にジェンダーの視点をと言われている今日、本市はそうした視点で交通政策の構築に努めているのか伺います。
-村山市長
交通政策については男女や世代を問わずに広く市民や来街者の視点に立って推進することが重要と考えております。協議会の中で女性の委員の数を増やしてきたいという思いは同じに思っております。協議会委員の委嘱にあたりましては、男性の委員が多いという現状を踏まえまして、他の協議会と同じく関係団体に対してできるだけ女性委員を推薦していただくよう努めております。
-山下議員
ぜひ交通政策もジェンダーの視点で進めていただきたいと思います。
バス利用者はもちろん、多様な市民の声を十分にくみ取った公共交通政策の構築にむけて、やはり欧州のように行政が責任をもって積極的に予算をつけていくことも求められます。引き続き、市民の移動する権利を保障する地域公共交通の実現を求めて、私の質問を終わります。