私は提出者を代表して、議会議案第2号「医療機関の崩壊危機に対する緊急支援を求める意見書」について、提案理由説明を行います。
いま、物価高騰などの影響を受け、医療機関の経営状況は深刻化し、その多くが崩壊の危機に直面しています。
今年3月、日本病院会など6病院団体が2024年6月の診療報酬改定後の経営状況に関して緊急調査を行ない、日本医師会とともに合同声明を公表しました。
この調査によれば、医業利益が赤字の病院は69%、経常利益が赤字となった病院は61%にのぼり、いずれも前年より大幅に悪化しています。
診療報酬は公定価格ですが、物価高や人件費の上昇が十分に反映されておらず、医療の現場からは「このままでは、ある日突然、病院がなくなる」「地域医療は崩壊寸前だ」との切実な声があがっています。
また5月15日には、全国知事会も厚生労働省に対して、地域の医療提供体制を将来にわたって維持・確保するため社会経済情勢を適切に反映した診療報酬となるよう改定を求める緊急要望を提出しています。
物価上昇率が2.7%に達する中、診療報酬の改定はわずか0.88%にとどまりました。すでに全国各地で、診療科の縮小や入院患者の受け入れ制限、救急医療の縮小・廃止といった事態が広がっています。また、賃金カットやボーナス減額により、医療従事者の大量離職が進行しており、医療現場の人手不足がさらに深刻となっています。この問題に対処するためには、国費5000億円を投入することで診療報酬を実質的に2%引き上げ、他の産業に比べて低水準にとどまっている医療・福祉分野の処遇改善を図ることが求められます。医療機関の危機的な状況は、国民の命に直結する重大な問題です。
この意見書は、崩壊の危機に直面する医療機関を緊急支援するため、国に対し、5000億円の国費を投入し、患者負担を増加させることなく診療報酬の基本部分を引き上げ、医療従事者の処遇改善を図るよう強く求めるものです。議員各位の賛同をお願いし、提案理由説明といたします。