
わたしは日本共産党市議員団を代表し討論いたします。
わが会派は、今議会に上程された議案15件のうち、議案第41号および議案第45号の2件に反対します。
日本銀行跡地整備について
議案第41号 令和7年度金沢市一般会計補正予算(第5号)について2点の反対理由を述べます。
まずは日本銀行跡地の先行利活用に向けた改修にかかる設計費用についてです。当初、「限定的な改修による早期利活用」を掲げていましたが、21世紀美術館の仮移転や地下金庫室の公開のために改修規模を3割から7割に拡大し、今回設計費など2630万円が追加されるものです。検討会や市民からの意見を踏まえてと言われますが、県や財界の意向による場当たり的な事業の進め方に市民の理解と信頼は得られません。跡地の取得費用すら未だに明らかではなく、総事業費の見通しも示されないまま追加予算を認めることはできません。
まずは費用の全体像を明示し、市民主体の議論を重ねるべきです。
プレーゴ解体について
2点目は金沢商業活性化センターに対するプレーゴ解体の支援費についてです。
プレーゴは、来年2026年3月をもって四半世紀の歴史に幕を閉じることになりました。
その閉鎖理由は、地権者との間で来年6月以降の定期借地契約の延長がまとまらず、来年6月までに更地にして返還を余儀なくされたためです。土地をめぐっては、前地権者が入札による売却をした際にTMOも参加したものの取得はかなわず、新しい現在の地権者があらたな開発を予定しています。
1998年、中心市街地活性化の担い手として、TMOである株式会社金沢商業活性化センターを設立、2001年には、旧パルドゥ跡地に、TMOによるテナントミックス事業としては全国初となるプレーゴをオープンさせしました。本市や県・国から多額の補助金を投入し、浮き沈みはあったかと思いますが四半世紀にわたるこの事業が検証のないまま突然閉鎖となるのです。
TMOの設立当時、山出元市長は「今日の市街地の空洞化状況は放置できないので、市街地の環境改善、商業の活性化を車の両輪にして、行政と地域が一緒になって汗を流そうというのが施策の趣旨」と述べられています。しかしながら、この件について市民や議会に相談することもなく、周辺の商店街でも知らない方もいる中で、まちバスに続きプレーゴの閉鎖が連続しておきています。一方で、金沢市は都市再生緊急整備に突き進み、昨今では都心軸の県外大手企業による土地・建物の購入、ホテルやマンションなどの開発が増えており、本市自らが招いた結果とも言えます。今回の解体費支援6360万円は、市税でそのつけを支払うということであり、5/6という計算根拠もあいまいで市民に説明がつきません。よって反対します。
つぎに、議案第45号特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正についてです。
一般職員の給与の引き上げには賛成しますが、議員も含め、市長や副市長、教育長などの特別職の給与引き上げについては、長引く物価高騰で生活がたいへん厳しい状況にある市民の理解と合意が得られません。
陳情について
陳情についてです。
陳情第25号 「芳斉町分団機械器具置場の建物について、金沢市の行政財産であること及び市の公共事業に係る移転補償を目的に特定の者に無償譲与すべきではないことの確認を求める陳情書」についてです。
芳斉町分団の機械器具置き場については、芳斉町の特別支援教育サポートセンターの改築に伴い金沢市が移転補償を行っています。しかし、その手法が大変不可解です。まず、消防分団はそれぞれ市の組織であり市の所有財産であるにも関わらず、今回、金沢市から芳斉町分団に無償譲渡が行われました。その後、市は芳斉町分団に移転補償費を支払うことになりますが、消防分団は市の組織であるため建設期成同盟会に委任され、建設期成同盟会はその費用を使って移転・新築事業を行うというものです。まさに、金沢方式のもとで、特に消防分団については地元事業として行う必要があるため、こうした苦肉の策をとらざるを得ない状況であり市民の理解は得られません。本来、市の施設は市が責任をもって移転・整備を行うべきです。以上のことからわが会派は、文教消防常任委員会で不採択となった結果に反対するものです。
陳情第26号 「金沢市におけるコミュニティバスの導入促進に関する陳情書」についてです。
公共交通は、市民生活の基盤であり、福祉、教育、地域経済を支える重要なインフラです。しかし、市内でも路線バスの配線・減便がすすんでおり、市民の移動する権利を保障する自治体の役割が問われています。
現在市内には、金沢市が運営するふらっとバスが4ルートで走行していますが、ほかの地域からも、「ふらっとバス」のようなコミュニティバスを走らせてほしいと要望する声が相次いでいます。
高齢者が運転免許を返納しやすい環境を整備するためにもコミュニティバスの運行をさらに拡充し、地域ごとのニーズに応じて整備することが求められます。
市民の交通権を保障するため、金沢市が実施主体となったコミュニティバスの導入や充実を行うことが必要であり、わが会派は陳情第26号に賛成し、総務常任委員会で不採択となった結果について反対いたします。
陳情第28号「議会・委員会を傍聴する金沢市民の金沢市役所・美術館駐車場及び第二本庁舎地下駐車場の利用料金の減免を求める陳情書」についてです。
金沢市議会の議会基本条例には、「市民に開かれた議会運営に努める」とあります。市民が議会を身近に感じ、積極的に傍聴し、議論の場に参加することは、民主主義の根幹を支えるものです。駐車場料金が傍聴の障壁となるのであれば、それは市民参加をさまたげ、条例の理念に反します。
岐阜県、各務原市(かかみがはらし)では、もともと3時間無料だったところ、昨年度、議会傍聴がそれ以上の時間を要した市民からの要望を受けて完全無料化を実現しました。
提出者の調査では、中部・甲信越地方の県庁所在地10市で、議会傍聴時に駐車場料金の免除を行っている都市は、もともと無料の1市を除き7市にのぼります。
その他、全国の多くの自治体で駐車場利用料金の無料化は実施されており、ホームページでわかる範囲では、中核市62市でみると、19市が「用務で来庁した場合は駐車料金を無料」としています。常に駐車料金が無料の自治体もあわせれば、41市がすでに市民の来庁を支援しています。金沢市も市民参加を後押しする環境整備を進めるべきです。市民に開かれた議会を実現するためにも、わが会派は陳情第28号に賛成であり、総務常任委員会で不採択となった結果について反対します。
以上で討論を終わります。














