3月 |日本共産党 金沢市議員団 2018 |日本共産党 金沢市議員団

2018年3月



我が党は、ただいま上程されました、議会議案第22号「自衛隊が任務遂行にまい進できる環境整備を求める意見書」に反対の立場で討論いたします。

 

この意見書は、「隊員の処遇改善や募集施策の強化などによって充足率向上をはかる」などの、自衛隊が任務遂行にまい進できる環境整備を求めています。

今、自衛隊をめぐって、そのあり方が大きく問われています。

そのひとつは、憲法9条のもとで、集団的自衛権行使を禁じ、専守防衛を目的としてきた自衛隊を海外に送り出し、武力行使まで許していいのか、という点です。

安倍政権が強行した安保法制によって、集団的自衛権行使の任務まで与えられ、PKOでもさらに危険な活動を強いられています。

第一線の自衛隊員は相手を殺傷するか、されるか、究極の選択を突き付けられます。国外では日本政府が言うような「非戦闘現場」とか「後方支援」とかのごまかしは通用しません。戦闘服を着て銃を持っていれば攻撃されます。南スーダンPKOに派遣された自衛隊員は幸いにも死傷者もなく帰国できましたが、隠ぺいされた「日報」には連日「戦闘」の文字が書かれ、危険な状態が続いており、本来はただちに撤退すべき状況でした。報道によれば、遺書をしたためていた隊員もいたとのことですし、帰国後、精神的後遺症に苦しむ方も少なくありません。

自衛官の息子さんをもつ母親は、「国土防衛とは関係のないことで、息子が海外に派兵され、危険な眼に遭うのは母親として耐えられない」として、南スーダンPKO派遣の違憲訴訟原告となりました。

自衛隊員とそのご家族が大きな岐路に立たされ、不安を抱えています。環境整備どころか、自衛隊そのものを危険にさらしているのが、安倍自公政権ではないでしょうか。

もうひとつは、憲法9条改定をめぐって自衛隊の存在とあり方が大きく変えられようとしている点です。

自民党の憲法改定案では、憲法9条を改定し、自衛隊を国防軍と明記するとしていました。

まさに、戦争するための軍隊として、憲法に明記し海外にまで出かけていくことを可能にするものでした。ところが、国民から反対の声が拡がると、安倍首相は憲法9条2項に自衛隊の存在を明記する方向を示しました。この狙いは、憲法9条そのものを骨抜きにしようとするものです。

報道では「安倍首相が憲法9条を変えれば今の自衛隊員がよって立つ前提が変わってしまう。専守防衛ではなく、海外で戦争する自衛隊になってしまう。最初に犠牲になるのは第一線の隊員です」として、首都圏の基地に十数年勤務した男性は自衛隊を辞めました。

 こうして安倍自公政権は、北東アジアにおける軍事的緊張を口実として、日本の安全保障整備の強化を正当化し、「国民を守る」どころか、集団的自衛権行使を可能とした安保法制、さらには憲法9条改定の策動の下、海外で米軍と肩を並べて戦争するための大軍拡を行なおうとしていることは明らかです。

兵器調達についても、憲法の規定では「攻撃型空母」は保有できないという、これまでの「政府見解」を投げ捨て、防衛大臣は国会の答弁に際し、自衛隊艦船「いずも」を「攻撃型空母」にすることを想定しての動きを認めました。また、最新鋭のF35ステルス戦闘機の購入・配備を行っていることは極めて重大です。これは、際限のない軍拡競争の悪循環を招き、「対話による平和的解決」に逆行する企てです。

自衛隊が、窮迫不正の主権侵害や大規模災害が起こった場合、現行憲法を守り、すべての隊員が国民の命を守るために一丸となって働いていただくことを国民は願っています。しかし、そうした思いをもって任務についた隊員の命を危険にさらすことを安倍政権は行っているのです。

よって、安保法制など海外派兵立法を撤廃すること、9条を変えるのではなく守り、軍拡ではなく軍縮に切り替えることこそ、自衛隊員の本来の任務が遂行できるのではないかと考え、この意見書には賛成できません。

 

 

他の提出された意見書はこちらからご覧ください。→ダウンロードページ



私は、日本共産党を代表いたしまして、議会議案第18号教員定数の抜本的な増員等を求める意見書について、提案理由を述べます。

教員勤務実態調査によると、小学校の教員は、1日平均4時間25分の授業を行っており1時間の授業について1時間程度の授業の準備が必要とする国の基準に照らせば、連日の超過勤務は必然であり、勤務時間が1日平均12時間近くになっている状況は看過できない深刻なものとなっています。本市においても実態調査の中で教職員の働き方が浮き彫りになっており、持ち帰り残業を含めると小学校で約6割中学校になると8割近い教員が過労死ラインを超えて働いています。教員の働き方は他業種に比べても深刻です。教師の仕事は授業以外でも多岐にわたります。生活困難な子どもに対する貧困ケア、いじめや校内暴力の増加、不登校比率の高止まりでの推移、外国人や発達障害の児童・生徒数の増加、部活動への指導などに、きめ細やかな対応が求められ 教員の業務の増大は避けられない状況です。この問題の解決は、教員の命と健康を守るとともに子供へのきめ細やかな教育を可能にする国民的課題です。したがって、教員一人当たりの担当授業数を適正な水準まで引き下げる為にも、学校における働き方改革を実施し、教職員定数を増やす改善、具体的には35人学級の実現が緊急の課題です。

よって、この意見書は教員の命と健康を守り、子供へのきめ細やかな教育を可能とするため国に対して

  1. 学校における働き方改革を実施する為、教員定数の抜本的な増員を行う事。
  2. 創意あふれる授業と子供の生活指導のための時間を確保したうえで、教員の意見を十分に反映させて、思い切った業務の整理。削減を進めることを求めるものです。

以上、この意見書へのご賛同を各議員の皆様にお願いいたしまして、提案理由の説明をおわります。

 

 

他の提出された意見書については、こちらをご覧ください→ダウンロードページ

私は、日本共産党市議員団を代表して討論を行います。

わが党は、上程された議案58件のうち、議案第60号、議案第62号、議案第64号、議案第68号、議案第70号、議案第72号、議案第74号、議案第79号、議案第84号、議案第85号、議案86号、議案第89号、議案第92号、議案第93号、議案第95号、議案第96号、議案第99号、議案第100号、議案102号、議案第103号、議案第105号、議案第106号、議案第112号の議案23件について、反対であります。

その主な理由について述べます。

 安倍政権のもと政治も経済も深刻な行きづまりに陥っています。安倍政権は、森友問題、公文書改ざんをめぐって、その存立基盤をも失いかねない重大な局面を迎えています。そして、アベノミクスと言われる経済政策によって、貧困と格差が一層広がっています。

労働者の実質賃金は、この5年間で15万円も低下し、家計消費も22万円も落ち込んでいます。非正規雇用は、全体の約4割にも及び、預貯金などをもたない世帯が5年間で400万世帯増加し、全世帯の35%にまで広がっています。相対的貧困率は、15.6%で、約2000万世帯が貧困状態となっています。

一方、富裕層は、その資産を拡大し。大企業は、その利益をこの5年間で2.5倍増やし、内部留保金は、400兆円にも膨れ上がっています。

 こうした下で、編成された政府の新年度予算は、生活保護費を削減し、この6年間でみると削減された社会保障関係費は、実に1.6兆円を上回っており、各分野で給付の削減と国民負担が増加する事態となっています。他方、大企業のための減税やリニア新幹線建設など大型公共事業が続き、防衛費も過去最大の5兆1911億円にも上っています。

市民生活と地域経済への影響は深刻です。それゆえ、国によってもたらされる市民生活と地域経済への悪影響を食い止め、住民の暮らしと福祉の向上に努めるという地方自治体とし本来の役割を発揮することが求められています。

そうした点からみると本市新年度予算は重大な問題があります。

第一に、税金の使い方が問われました。

 第二本庁舎建設です。議会棟の移転と上空通路建設は、市民から厳しい批判の的となり断念されました。にもかかわらず、その穴埋めをするように行政の一部を移転し、建設事業が進められ、現時点でその事業費は、約60億円規模となっています。今、これだけの事業費を投入してやらなれければならないのか、市民の理解と合意はありません。

駅西地区での外資系ホテルの誘致と関連する事業です。

市長自らが提唱し、始まったこの事業は、250台の駐車場として活用していた本市が所有する駅西の用地を安く業者に売却し、外資系ホテルを誘致するとして進められてきました。。そして、今度は、周辺の整備事業だとして市道を廃止し、公園の敷地として拡張し、建設予定のホテルまでの歩道を130mにわたって、屋根をつけて整備事業が進められようとしています。そのために新年度予算に、1億2800万円が計上され、さらに、観光対策として、欧州の富裕層をターゲットとしてインバウンド戦略を推進するとしています。

建設される外資系ホテルのために利便をはかり、誘客まで支援するとは、行政がやるべきことではありません。

一方、本市の新年度予算では、法外援助制度における施設入居者に対して行われてきた歳末見舞金をばっさり削減しました。予算額は700万円です。

駅西での外資系ホテルを誘致するとしてさまざまな利便を図り、市民の税金まで投入して周辺の整備事業や、巨額の税金を投じて第二本庁舎の建設事業を進める。その一方で、一人3千円の施設入居者への歳末見舞金を削減するというのは、地方自治体の本旨である住民の暮らしや福祉の向上に努めるということからして逆行しています。

第二に、市民の理解や合意がないまま、進められようとしている点です。

まず、家庭ごみ有料化です。この2月から実施されました。

この1月末には、市内のごみの量が減っているのに、今、なぜ、有料化なのか。市民は疑問に思っているとして、2月からの有料化の中止を求める8336筆の署名が提出されました。 ところが、市長は、こうした声を聞き入れず、有料化を実施しました。それによって、市民に様々な影響をもたらしています。ステーション管理に今まで以上に負担を町会の皆さんなどにかけています。有料ごみ袋を買わなければならず、市民生活に新たな負担を強いることとなっています。市長は、子どもたちや孫たちのことを考え、環境への配慮のためだと述べています。ごみの有料化を未来永劫市民に負担させるのではなく、有料化せずとも、ごみを減らし、環境を守ったということこそ、本市の誇りとして未来に引き継ぐ道を歩んでいかれるよう強く求めたいと思います。なお、要援護者ごみ出しサポート事業は、対象者を拡大するなど市民の要望を取り入れるよう求めておきたいと思います。

宿泊税の導入です。本議会に条例が提案され、来年4月から実施するとしています。

市民の理解と合意が無く、中でも特別徴収義務者となる業界関係者にも十分理解を得られておらず、継続審議が総務常任委員会で提案されましたが、否決され、本会議にこの条例の採択が付されたものです。

解決されていない第一の点は、目的税として課税対象や金額、さらには、使い道などの点で疑問や問題点が払しょくされていないことです。

税金は、負担する能力に応じて税金を高くする一方で、低所得者に配慮するという税金の累進課税という考え方が無視された内容となっていることです。東京、大阪では、1万円未満の宿泊料金には、税金をかけていません。また、京都市では、修学旅行生の宿泊料金には、課税しないこととしています。本市の提案では、2万円未満の宿泊料金に一律200円、2万円以上には、500円の課税となっており、修学旅行生にもその宿泊料金に課税するとしています。

税金の累進課税という考え方をかなぐり捨て、すべてに課税することによって、本市の宿泊税導入による年間の収入は、7億2千万円とのことです。税収を確保することをことさらに強調し、一般財源と同じように使うとするなら、目的税から逸脱するものであり、到底納税に係る方からも理解を得られるものではありません。第二に、地元の中小業者にとって、宿泊税の導入は、死活的な問題を抱えることとなります。第三に、税の公平性が確保されていない点です。

本市の課税対象は、民泊も含めるとしています。ところが、この民泊は、違法民泊が広がり実態すらつかめない状態となっている上に、新たな民泊新法がこの6月から施行されることとなります。しかし、果たして違法民泊がなくなるかは不透明です。現状のままでは、この民泊まで対象とするなら、逆に宿泊税を逃れるために、違法民泊を助長しかねません。これでは、税の公平性をたもつことはできません。宿泊税の導入を見送ることが賢明だと考えるものです。

 金沢市住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例制定についてです。

 いわゆる民泊新法がこの6月から施行されることから、本市が条例を制定するものです。

 問題の第一は、市民と宿泊される方々の安全と安心を守るという点からするときわめて不十分であるということです。 

 大阪市での違法民泊での死体遺棄事件、京都市での管理者がいない簡易宿所での火災発生などを教訓に、市民と宿泊者の命と安全を守ることを基本とする条例制定が求められました。ところが、民泊新法に基づく届出制に変わったことから、旅館業法に定められた施設の要件や手続きが緩和されてしまいました。施設の安全管理の要件や管理者の常駐を義務化するなど安全・安心の確保を盛り込むことが求められています。

 第二に、民泊の制限できる区域と期間の設定です。

 他都市では、住居専用区域や、学校や児童福祉施設の周辺100m以内の区域を全ての期間、実施できないこととしており、本市の関係する業界からも要望されていることでした。ところが、本市は、国の見解からして一律に規制するのは適切でないとまで述べ、対応を拒否しました。守るべき市民の命・安全の確保を優先するのではなく、国のガイドラインを盾に市民の要望を拒む姿は、まさに、国の代弁者そのものです。市民の命・安全を確保し、生活環境を守る視点から努力することを強く求めるものです。

 なお、マンションにおける民泊問題が大きな課題です。住民の安全・安心を確保する立場から対応することを求めたいと思います。

 反対の主な理由の第三は、国。県の言いなりの事業が進められていることです。

金沢港建設事業は、新年度5億9768万円が計上され、3月補正予算と合わせ、約10億円にのぼっています。大浜岸壁での事業は、大手企業こまつの工場を誘致するとして336億円が投入され、本市の負担は57億円にのぼっています。今度は、クルーズ船を誘致するためだとして無量寺岸壁改良事業は、総事業費が60億円、施設整備などの事業費が80億円。合わせると約500億円と拡大され、さらに、クルーズ船を迎え入れる事業費が県と市で進められています。

 金沢外環状道路建設事業は、当初8車線の高規格道路として整備し、本市の3つの区画整理事業とセットしてさらに事業が拡大された道路建設が進められてきたもので本市が担当している大浦町から千木町の1.6キロ区間の事業費は、196億円にのぼっています。

東京国立近代美術館工芸館の移転は、移転とスケジュールが先にありきで始められ、関係者の中でも十分な理解と合意のないまますすめられています。新たに建設される総事業費は、33億4818万円で、県が6割、本市が4割となり、委託契約が3月最終補正で決められました。今後、美術工芸品の移転費用や運営に係る点など不透明であり、市民の理解と合意は得られているものではありません。

 マイナンバー制度については、従来から反対であります。

反対の主な理由の第四は、市民生活に係る料金についてです。

まず、3年ごとに見直される介護保険料です。

本市の介護保険料の基準月額は、第4期から第5期、さらに、第6期へと引き上げが続いてきました。その結果、48の中核市の中で、高い方から4番目となったものです。

今回、第7期6590円へと前期に比べ、310円5%引き上げられました。介護保険制度が始まった2000年には、3150円でしたから、2倍の保険料となったものです。

 介護保険制度は、給付費用の半分は、保険料で賄い、半分は、国、県、市町村の負担で運営される仕組みとなっています。したがって、高齢者が増加し、介護サービスの利用が増加すると保険料が引きあがるという根本矛盾を抱えています。

本市が保険料のランクを11段階から13段階に増やしました。その結果、新たにつくられた12段階、13段階は、6期の保険料に比べ989円、1977円増加し、第1段階の保険料は、124円の増加となりました。6期に比べ保険料が引き下がったわけでなく、保険料のランクを増やした結果、第1段階の保険料の引き上げ幅がほかに比べ軽減されたにすぎません。

 市当局の資料や説明は誤解を招くことになりかねないことを指摘しておきます。

 食肉流通センターにおける使用料金の引き上げをはじめ、料金の引き上げには同意することはできません。新たに設置される室内運動広場の使用料金については、小学校就学前まで無料となっているものの、家族で利用した場合、3時間で大人100円高校生以下50円となっています。家族の方々にも利用料金を徴収しないよう求めたいと思います。

 また、法改正によって、介護療養病棟から介護医療院に改編されることとなり、関係条例が改正されることとなりました。人員配置やサービス基準の緩和で介護・医療の質の低下を招くことや、病床削減の受け皿になりかねないことを指摘しておきたいと思います。同じように障がい関係の施設に対する人的配置やサービス基準の緩和には同意できません。

 なお、文化、スポーツ施設を民間団体に管理を委託する指定管理者制度における利用料金制の拡大や外郭団体の統廃合等は、公的施設の管理のあり方や責任、さらに、市民のサービス向上を図る上からも同意できません。

 水道料金についてです。

27年度から県水の責任水量制が7割から6割に引き下げられるなど県水受水費が軽減され、水道事業特別会計は大幅な黒字が続いています。したがって、水道料金の引き下げを行い、市民への還元をすべきです。
 また、工業用水道事業特別会計です。先端産業を誘致するとして造成されたテクノパークに進出した企業に工業用水道を提供するとして設置されたものです。当初から利用する企業からの給水収益では賄えないとして、赤字は全て一般会計から補填するとして毎年3000万円を超える額が支出されてきました。改善を求めるものです。なお、呼び込み型企業立地は、多くの問題を抱えるだけに今後の工業団地造成について、十分検討をされるよう求めておきたいと思います。

 国民健康保険料についてです。

 一般会計や基金からの繰り入れ等を行った結果、前年度に比べ総額で2億3千万円の保険料の引き下げが盛り込まれました。市民からの度重なる要望などに応えたものであり、引き続き基金などを活用して保険料の引き下げ実施を求めたいと思います。なお、国民健康保険制度の運用主体を都道府県に移行することには反対であり、条例改正には、同意できません。

 反対の主な理由の第五に、教育と職員定数に係る点です。

泉小学校・泉中学校建設は、二つの小学校を統廃合し、小中校の一体的建設へと進められ、その事業費は、体育館の建設事業を合わせると70億円を超えることとなります。

結局、学校の統廃合を進め、小中一体となった教育へと進めていくもので、十分な地域住民や市民的理解が得られたものではなく、同意できません。

小将町中学校を現在の中央小学校に移転、中央小学校は、子ども図書館の用地に移転、子ども図書館は、現在の付近に新築移転し、公文書館を併設するという中央地区での構想が始まろうとしています。関係者の理解と合意を得ることを強く求めておきたいと思います。

職員定数条例の一部改正についてです。

新年度、部局の定数の増減がありますが、総定数としては、維持されるとしています。しかし、平成23年度と29年度の実績を比較すると正規職員が50人削減され、非常勤職員が185人増加しています。正規職員を減らし、非常勤職員を増やしてきました。こうした人事政策をやめるよう強く求めるものです。

 次に、請願についてです。

 請願第27号は、核兵器禁止条約の日本政府の署名と批准を求める意見書の採択についての請願で、新日本婦人の会の方から提出されたものです。

核兵器禁止条約が昨年7月国連会議で加盟国の3分の2にあたる122か国の賛成で採択されました。核兵器のない世界を求める国内外の多くの世論にこたえ、唯一の被爆である日本が率先して核兵器禁止条約に賛成・署名し、批准することは当然だと考えるものです。したがって、わが党は、この請願に賛成であり、委員会の不採択に反対です。

 請願第28号は、家庭ごみ有料化の中止と見直しを求める請願で、ストップごみ有料化!市民の声の方から提出されたものです。

このまま有料化を続けていくのではなく、一度立ち止まり、再考し、減量・再資源化を進めていくために必要な課題を見直すことを求めています。したがって、わが党は、この請願に賛成であり、こうした市民の声にこたえるべきと考えるものです。なお、この請願について、一事不再議をもって議決を要しないとの対応は、提出された請願を審議し、議決しなければならない議会としてふさわしいものではなく、同意できません。

 以上で討論を終わります。


①民泊について

 

質問の機会を得ましたので、日本共産党金沢市議員団の一員として質問をいたします。

まずは、民泊についてです。

いわゆる民泊は、二つの定義があります。資料の①をご覧ください。

すでに存在しているのは、旅館業法にもとづく「簡易宿泊所」などであり、旅館業法と金沢市の旅館業法施行条例なで対応されています。

そして、6月から施行となり、すでに先週の3月15日から届出開始されたのが、住宅宿泊事業法にもとづく「民泊」です。本市ではまだ条例が可決していませんし、まだ動きは少ないようですが、京都市では、開設した窓口にも人が押し寄せ、問い合わせの電話が殺到したとのこと。市は数千件の届け出を見込んでいるそうです。

これまで民泊については、先日大阪の違法民泊に監禁、遺体遺棄した事件など、全国で相次ぐ事件や、騒音・ごみ出しなど住民被害が問題となっています。こうしたもとで住民や自治体の不安、違法民泊の現状を鑑みつくられると思ったいわゆる民泊新法である住宅宿泊業法ですが、さらに規制緩和となる中身にみなさんも驚かれたのではないでしょうか。これまでの旅館業法では作ることができなかった、住居専用地域など完全な住宅街にも作ることができる、しかも手書きの図面をつけた届出だけでよい、など規制を強めるどころか緩和した中身となっています。

国は、インバウンド政策、空き家の利活用と言う経済優先の目的で、地方自治体や旅館ホテル業界の声を聴かず進めましたが、実際に民泊を受け入れるのは自治体であり、住民の命とくらしをどう守るのか、都市の姿をどうしたいのか、問われるのも自治体です。

民泊政策を通してこの金沢をどうしたいのか、市民のくらしと宿泊者をどう守るのか、市長に伺いたいと思います。

まずは、本市の簡易宿所は、2月末現在で119件を超えました。新幹線開業後、資料④のように、2年で3.3倍になるなど急速に増え続けています。しかし、この件数はあくまでも、本市の保健所に申請があり許可をした件数であり、許可をうけておらず、およそ100部屋が違法営業で存在するのが実態です。

急速に民泊が増え、どこで営業しているのかさえわからないという実態、夜間の騒音やごみ出しについて住民の不安や苦情が本市でも聞こえています。本市のこの現状について、市長はどうお感じになっているでしょうか。

 

 

住宅宿泊法の施行に向けて、自治体独自で規制ができるとして、今回本市でも条例案が提案されました。しかし、資料③にあるように、日数と用途地域の制限だけの条例です。資料②で、宿泊施設は足りている、住宅環境を守るという方針だとは言うものの、全国的な事例を考えると住民や宿泊者の安全安心を守れるとは言えません。

規制をかけなければならないことはまだまだあるのではないでしょうか。

まず、用途地域の制限だけでは、たとえば小学校の隣でも民泊は可能です。狭い路地や袋小路、住宅密集地でも民泊は可能です。こうした、学校や公共施設の周辺、火事のとき、消防車も入れないような狭い路地や住宅密集地は制限することも必要ですが、いかがですか。

 

また、ゼロ日規制をした都市もあります。東京都大田区、兵庫県神戸市は住居専用地域の「民泊」を「通年禁止」とする条例を制定しました。わが党の国会質疑に対し大臣は「住宅宿泊事業法18条にそって自治体において条例の内容を検討いただく」と答弁し、地方の判断にゆだねる考えを示しています。条例制定権がある自治体が自主的に判断するのが基本です。本市でもゼロ日規制のお考えはありませんか?

 

次に、家主不在型の民泊についてです。

まずは、本市の現在の簡易宿所が119件ですけれど、そのうち、家主不在の施設はいくつあるのかあきらかにしてください。

 

次に消防局にお聞きしたいのですが、消防のみなさんが火災現場にかけつけた際には当然、宿泊者の状況について関係者に確認をすると思いますが、家主不在の施設の場合はどうされるのか、あきらかにしてください。

 

消防のみなさんは誰一人取り残さないよう最善をつくされるはずです。しかし、宿泊者の状況を知ろうにも、家主や従業員がなければ聞けません。電話連絡もするでしょうが、外部にいれば宿泊者の詳細な状況はわかりません。

先日京都へ民泊について勉強に行ってきました。そこで、1月に民泊で火災が起きたことを知りました。東山区の簡易宿所で、はなれのトイレから出火。管理者不在で、近隣住民の通報によって発覚をしたとのこと。しかも、管理者がたどり着いたのは、出火から42分後、所有者が到着したのはさらに30分後です。その後わかったのは、この簡易宿所は定員2名のところ、3名が宿泊していたとのことです。

 家主や従業員がいるのといないのとでは大きく異なります。市長の本会議での答弁では、家主不在でも、管理業者に委託をして同等な管理義務がある、というような答弁でしたが、それは業者任せにすぎず、しっかりやれる保証はどこにもありません。第一、チェックインでは人数を確認したとしても、その後夕食から帰ってきた後の人数、泥酔していないかなど、宿泊者の状況を確認するものでもありません。

家主や従業員が常駐すること、また出入りや宿泊者の状況についてきちんと家主や従業員が対面で確認するという条件が必要ではないでしょうか。

 

これらの規制緩和は、28年の4月1日から、旅館業法上もフロント設置義務がなくされたことからはじまります。これを受けて、台東区では区議会決議により、旅館業法に基づく宿泊施設では、従業員の常駐と、フロントの設置を義務付ける条例を定めたそうです。

大きな旅館やホテルでフロントをなくすなんてことは非現実的ですが、簡易宿泊所や民泊では、主流です。しかし、家主や従業員もいなくてよい、チェックインのときでさえ、対面ではなくICTでOKだなんて、これまでの日本の安全安心な宿泊制度を大きく逸脱していると言わざるをえません。

市長、フロントもない、従業員もいない、対面ではなくICTで確認、本当に安全な宿泊施設と言えますか?

 

次に、「事前の立ち入り」について伺います。

資料①にもある通り、これまでの旅館業法では、保健所と消防が事前に立ち入ることになっていますが、今後はどうなりますか。

 

消防は民泊についても事前立ち入りを行うということでしたが、保健所は開業してからの立ち入りということでした。しかし、なにか起こってからでは遅く、開業前に立ち入って適切な整備がされているか点検することが必要ではないでしょうか。換気設備とか、照明とか、水回り、調理施設など事前に見るべきものはたくさんあるはずです。旅館業法のもとでは事前に立ち入り検査をしなければ許可が下せないのですから、同様に行うべきですがいかがですか。

 

市長、消極的なご答弁が多かったのですが、このような法律や条例で、住民の命と日々のくらし、宿泊者の安心安全を守れると言えますか。

なにか起きてからでは遅いのです。条例の内容について再考を求めますし、業務上の点についても6月の施行前に改善を求めておきたいと思います。

 

 

②ごみ有料化について

 

次は、ごみ有料化についてです。

市長は本会議の中で、2月の家庭系燃えるごみと埋め立てごみの数値だけを見て、有料化で「大きな成果」があったと述べられました。

資料⑤を見ながらどうぞ。たしかに、スタート時の2月は、例年にくらべ家庭系の燃えるゴミは24.3%も減っていますし、家庭系の埋め立てごみは41.4%も減っています。

が、2月実施直前の1月はどうだったのでしょうか。2月の経済環境常任委員会では、1月のごみ量は増えなかったというご答弁がありましたけど、再度、数値であきらかにしてもらったところ、お手元の資料⑤のようになりました。

あきらかに1月は増えているのです。

燃えるごみ、17.3%、埋め立てゴミにいたっては187.6%であきらかに駆け込みがあったと考えられます。

市長は、この1月の量を見てどのようにお考えになりますか。

 

1月にまとめて出したら、2月が減るのは当然です。しかも、大雪の中で市民はごみをステーションに持って行くのも困難でした。というわけで、2月のひと月だけを見て、「大きな成果」という市長のご答弁はあまりにも軽率ではありませんか。また、これまでは事業系と家庭系の量は必ずセットでご説明されてきたのに、今回だけは家庭系のみの評価というのも都合のよい話です。

一部のデータだけを見て、ことさらに有料化を強調して「大きな成果」とするお考え、市長、改めていただくよう求めますがいかがですか。

 

だいいち、みなさんが目標数値として減らしたいのは資源なども含んだ「ごみ」量です。その量はつかめたのですか?

委員会で確認したところ、まだ把握できていません。そして、民間の資源量はこれまでもだし、これからも掴めないと以前からみなさん方はっしゃっています。それでは、本当のごみ量とか資源の量は図れないのではないですか。

 

 

そうなると、結局有料化の成果ってはかれないのではないですか。

本市のごみ量はそもそも減ってきていましたし、それはなによりも市民のみなさんが協力したことと、環境局のみなさんが町会のステーションで古紙を出せる仕組みをつくり、スーパーに働きかけたりするなど、資源の受け皿づくりを市民とともにがんばったからです。有料化は一つの方策だと市長は言いますが、有料化は損得勘定で人々を動かすもので、自治体がやるべきものではありません。

続いて、基金の使い方について伺います。資料⑥をみながらどうぞ。

まず、市民の素朴な疑問として、なぜごみ有料化の袋代から得たお金をごみの収集や処理につかわないのかという声がありますが、なぜですか?税金の二重取りという批判をのがれるためですか。

 

みなさんの論理だと、ごみ処理にあてたって、他の事業にあてたって同じ一般会計ですし、税金の二重取りとの批判にどのように答えるのですか?

 

そして、基金を使うとされた事業についても、基準はあるのですか?

防犯灯のLED化をすすめるESCO事業は、毎年基金からおよそ1憶ずつ10年間支払う予定だったはずが、なぜはずされたのか。

 

逆にききますが、今年の当初予算のときにコミュニティ基金充当事業に入っていたら、コミュニティ計画に入れるものじゃないんですか。市民から集めたお金を、毎年好きなように組み替えて使う。結局は都合のよい第二の財布にしているのではないですか?

他にも、昨年入っていたけど抜けた事業があります。学童保育の指導員の処遇改善とか市営住宅に関するものとか。そして新しく盛り込まれたのは、消雪装置の補助費など、これまでずっと道路管理の予算としてつけられてきたものです。この基金は都合よく使われているようにしか見えないのです。

 

 

雑紙回収袋について

都合のよい使い方と言えば、2700万円かけて、150万枚、あらたに雑紙を集める袋をつくる。あらたに資源を使って袋をつくるのはごみ減量化と矛盾していますし、いったい誰が配るのでしょうか?

 

 

ごみの量について科学的な検証もできない、集まったお金についても不透明な使い方。やはり、ごみ有料化は自治体の取り組みとしてふさわしくありません。廃止すべきです。

要援護者支援事業これはごみの有料化とは切り離して積極的に進めるべき事業についてです。そのうえに、要件まで厳しくなってしまった。要支援者は切り捨てられ、「その他」の「準ずる方」という部分がなくなっています。

しかし、資料の⑦と⑧をみてください。この制度は、市民や議会の声を受けて、25年から、ふれあい収集として議論が重ねられ、27年の3月に市長へ提言が出されました。そして、28年1月の廃棄物総合対策審議会の資料でも「ふれあい収集」と書かれていたのに、いつのまにか、モデル事業では収集支援事業と名前をかえ、今は要援護者支援制度となりました。

検討会を2年にわたって行い、出された提言書なのに、簡単にかえられてしまうものなのですか?

もともとあった「ふれあい収集」に戻すべきですがいかがですか。

 

総合事業とか言いますが、出されたのは27年の3月で総合事業の方針もわかっていたときにあえて、「要支援」入れたのではないですか。

 

そして、現在実施してるモデル事業ではたった2件。なぜそんなに少ないのか、もともと該当する方は何人いて、辞退した方はなぜ辞退したのか、調査していますか?

 

ご利用対象になる方に聞いても、「地域にわかるとはずかしい」とか「申し訳ない」という思いもあるそうです。であれば、なおされ厳格な制度ではなく、要件を緩和して誰もが受けやすいものに、するべきです。まさに、もともとの「ふれあい収集」であれば、名前は「要援護者」と特定していないし、基準も幅広くて受けやすいのです。「ふれあい収集こそ今おこなうべきですがいかがですか。

 

 

市民だれもがごみ分別し出しやすい、弱者にやさしいごみ行政こそ、市民が求めていることです。有料化は直ちにやめるよう求め質問をおわります。


  1. 雪害への対策について

 

最初の質問は雪害への対策についてです。

 

今回の37年ぶりともいわれる大雪は市民生活に大きな影響を与えました。公共交通の大幅な遅れのみならず、長期間にわたってバスが運休になる地域が出たり 生活道路の除排雪が進まなかったりと本市の除排雪の抜本的見直しを求める声が広がりました。

今回の大雪では、市民の命とくらしを守る雪害対策がきちんとなされたのか、そして今後何を教訓にすべきか検証が必要です。

 そこで、まずは「除雪作業会議」という会議がなぜ開かれなかったのか伺います。

本市の除雪計画では、まず12月に「除雪対策会議」が開かれ、その後道路除雪作業を円滑に行うための「除雪作業本部」が設置されます。異常積雪があれば、「雪害対策本部」が設置され、今回はこの設置にいたりました。さらに、除雪作業本部長は、効率的な除雪作業を実施するために、「除雪作業会議」というものを開催することができます。この会議に参加するのは、市民のくらしに身近な、広報広聴課、交通政策課、長寿福祉、障害福祉、子ども政策推進課など福祉関係、教育総務課、緑と花の課、市営住宅課など、などです。

よって、「除雪作業会議」は市民に身近なくらしの視点で、効率的に除雪がされているかどうかを各課が共有する場であり、非常に重要な会議ではないでしょうか。

 

私の元には、福祉や市営住宅にかかわってさまざまなSOSがありました。保育所の保育士さんから、朝早くから保育所周辺の雪かきをして子どもの登園を待ち、帰りは道路除雪がされていなくてお迎えが遅くなった保護者を待って、夜まで保育所に残っていたという声、一人暮らしの高齢者の方からは、玄関周りや自宅敷地内の除雪すら困難な状況で 外出することもできない、又デイサービスや配食サービスの車が、利用者の方の家にたどり着くこともできないという事態も生じました。透析を受けている高齢の方が、病院まで行くことができず、週3回の透析のうち1回を休まざるを得ない事になりました。高齢者や障害のある方など多くの市民が、今回の雪で自宅に閉じ込められ、不安な思いをしていました。

また、市営住宅に住む方からは、高齢化が進み誰も除雪ができない中、「出入り口付近だけでも除雪をしてほしい」と市営住宅課に要望しても、対応してもらえなかったとお聞きしています。

 こうした事例を聞くにつれ、「除雪作業会議」が開かれ、各課からの情報に基づいて対応が協議されていたならば、雪害対策本部との連携もでき、市民への対応も違ってきたのではないでしょうか。

いくらチームや会議・対策本部を立ち上げても、市民の命や福祉に直結した各課との連携や協力がなければ市民の要望に応えることができません。こうした点から「除雪作業会議」が開催されなかったことは重大です。どうして開かなかったのか説明を求めます。

 

今回の大雪では、農業被害も深刻です。昨日の報告では、農業用ハウスの倒壊は618棟にも及んだとのことです。わたしも雪の中打木地区へ伺い、西瓜生産者の方にお話をお聞きしました。この方のビニールハウスも雪の重みで倒壊し、無残な姿をさらしていました。その上、さらなる被害を防ぐために覆っているビニールを切断しパイプだけの状態にする作業をして何とかこれ以上被害が出ない様策を講じていました。

「もう、へとへとだ。今年は、西瓜の収穫も少なくなるのではないか。ビニールハウスを修理するといっても、お金と人手がいるから このまま立て直しをあきらめようかと思っている。春一番のふときゅうりの作付けもどうなるかわからない」と話されました。倒壊したハウスには市から三分の一が補助されるといいますが、もっと手厚い対策を講じるべきではないでしょうか。

農業関係の皆さんは、農業自体の再建ができるかどうか、県や市がどこまで支援してくれるのか不安を募らせています。

金沢市にとって大切な農業を続けられるよう、国や県とも連携して支援策の拡充を求めますが、おうかがいいたします。

 

②介護保険について

 

次に介護保険について、お尋ねいたします。

 介護保険料は3年ごとに見直され、今回提案された第7期の介護保険料は、基準月額が6590円となり、保険料区分が11段階から13段階へと増えました。前回第6期の基準月額が6280円だったので、基準額310円、およそ5%も引き上げられることになります。介護保険制度が始まった2000年の基準月額3150円から年々引き上げられ、2倍以上もの金額に跳ね上がっています。第6期の本市の保険料は、48の中核市の中で高い方から4番目であり、市民からは保険料が高すぎるとの声が上がっています。また、介護保険料を払っても、必要な介護サービスを利用できない制度になっているこの状況では制度そのものへの理解が得られません。

市長、介護保険料の引きあげは、やめるべきです。

本市の財源はどうかというと、介護保険の基金は6期の間、三年間使われず、毎年の会計の黒字によって基金残高が8億5000万円にまで増加しています。この基金を活用すれば、保険料は据え置くだけでなく引き下げが可能です。市長は提案理由の説明の中で、「低所得層に配慮し基金の取り崩しや細やかな保険料段階の設定などで最小限の改定に留めた」としますが、実態は大幅な値上げであり、基金を使って引き下げを図るべきと考えますが、市長のお考えをお聞きします。

 介護保険料の減免制度についても伺います。

本市の保険料の減免は、「世帯の生計を主として維持するものが死亡したり長期入院したりしたことによって収入が著しく減少した場合や事業の休廃止、失業などにより収入が著しく減少した場合などに減免できる」としています。また、「家族の収入の合計が生活保護水準の1.2倍以下」という規定があり、低所得で生活が大変な方も減免の対象になります。

まずは、本市で減免制度を受けている方は何人いらっしゃるのかあきらかにしてください。そして、この減免制度は市民にあまり知られていないと感じます。この減免制度をもっと広く知らせることが必要ですがいかがでしょうか。

 

次に介護職員の処遇改善について伺います。

 毎年、介護の実態を訴え改善を求める要望書を市に提出している、家族会の方々から今年も要望書が提出されました。その中で、切実に訴えられたのが介護職場の実態です。一般職の賃金に比べ6割から7割という低い現状から介護職の人材確保は困難な状況が慢性化しています。県内の介護職の養成校でも学生が集まらず、養成学科をやめてしまったところもあります。ある介護施設では人材確保の見通しが立たずフルオープンができないと言います。

介護職員の確保は、言うまでもなく差し迫った課題です。しかしながら、新年度予算を見ても、処遇改善の抜本的な解決策は打ち出されていません。本市独自に介護職員の処遇改善や確保対策の強化を緊急に取るべきと考えますがいかがでしょうか、お伺いいたします。

 

かなざわケアサポーターについてお尋ねいたします。

本市では、昨年の4月から要支援の方が介護保険の枠から外され、総合事業に移行されました。しかし、実施する事業所が少ないことや、期待されていた担い手である、「かなざわケアサポーター」の就労希望が少ないなど問題が多いものです。

そこで、現在のかなざわケアサポーターの就労状況をお聞きいたします。地域によっては事業所の経営が成り立たないとして、基準緩和型サービスの指定を受けないという事態が起こっています。わずか12時間の研修修了者にサービスを提供させるという事は、現在行っている資格者によるサービス提供の専門性を否定することにもなり、資格者の処遇の引き下げ、介護人材不足にもつながる懸念があります。

生活援助は高齢者の暮らしを支えるもの。また、自立とは、介護サービスを利用しながら自分の持てる力を活用して自分の意思で主体的に生活する事であるとするならば、生活援助も資格を持ったヘルパーさんが担うべきでかなざわケアサポーターによるサービスを進めるべきではないと思いますがいかがでしょうか。

 

高齢者のボランティアポイント制度についてお尋ねいたします。

昨年のモデル事業を経て、来年度本格実施するもので、65歳以上の方が特別養護老人ホームでボランティア活動をする際に時間に応じてポイントが付与されるというものです。高齢者の社会参加を促進するという意味合いはありますし、ボランティアの方々には敬意を表しますが、一方で、ボランティアをされている方から、高齢者が高齢者を援助するとはどういうことか、行政が自らの公的責任を、都合よくボランティアに押し付けるものではないかという声もあります。ボランティアは善意で行うものであり、ポイントをあげるからと言って、行政が行うのは違和感があります。ボランティアに依存するのではなく、専門職が中心に担えるように環境整備をすることこそ行政の役割ではないでしょうか。考え方をお聞きします。

 

次に、特別養護老人ホームの施設整備についてお伺いいたします。

高齢者が特養老人ホームを希望するのは、年金が少ない高齢者にとって頼みの綱だからです。アンケートでも、特養ホーム待機の理由に経済的負担を訴える方が多くいます。有料老人ホームやサービス付き高齢者施設等は減額制度がなく費用負担が重く、経済的にも長期間入居できないのです。

そこで第7期の施設整備について伺います。特別養護老人ホーム整備に当たっては、誰もが入居できる、待機者解消のためになる、多床室を含む施設の整備をしてほしいとの要望がありますがいかがでしょうか。

 

 

③子育て支援について

 

 次に、子育て支援について質問いたします。

まずは、子どもの医療費助成制度についてです。本市では、市民の根強い要望を受けて、子どもの医療費は2015年7月から、入院は1000円、通院は窓口で500円払えば受診できるよう改善されました。子育て中の親御さんから大変喜ばれています。子どもの貧困問題が深刻化している今日、本制度のさらなる拡充は待ったなしです。18歳までの年齢の拡大、さらには、医療費の窓口完全無料化を求めますが、市長のお考えをお聞かせください。

 

子育て支援2点目は保育士の処遇改善と確保策についてです。

本市においては、近年の保育所整備などで保育所の受け入れ枠が広がりました。しかし一方で、今年も西部地域など一部の地域で希望通りに全員は入所できなかった事も報告されています。希望の地域の保育所に入れない実態を打開するための対策を進めることが緊急の課題でもあります。

保育所の新設も予定されていますが、保育士の増員で受け入れ定数を増やすことも必要です。

この間、国は保育士の処遇改善を行いましたが、これは保育士のキャリアアップ研修を条件にしたもので、職員間で処遇が異なり格差が生じないかという不安な声も出されています。公平な労働条件で保育士全体の処遇改善が必要です。このことは全体の保育の質の向上と保育士確保にもつながります。処遇改善に本気で取り組み、保育士確保の声にこたえることが求められていますが市長のお考えをお聞きいたします。

 

 

④教育について

 

最後の質問は、教育現場の現状についてです。

 

 まず、教員の労働状況について、全国で教員の長時間労働が過労死ラインを超えていると報道されています。県の調査でも、小学校が月平均60・6時間、中学校に至っては平均91・6時間と過労死ラインを優に超えている実態が明らかにされました。金沢市の小学校に講師として赴任した方が1年目にして、クラスを受け持ち、公開授業もすることになりました。授業の準備や、会議、そして、発表間近になると指摘された課題に答えようと夜の10時11時まで学校に残って準備をする。その為 毎日、子どもと向き合うどころでなかったのが辛かったと言います。

教師を取り巻く環境は依然と厳しい状況があり、授業づくりや一人一人の子どもと向き合う時間の充足感が低いままでは、教育への情熱さえも失いかねません。教師は、生徒や保護者への対応、会議や報告書の作成などいろんな対応に追われています。

県の教育委員会は、教職員の多忙化改善推進協議会を設置し、業務改善に向けて取り組んでいくとしていますが、少人数学級の実現や市としても教員を増やす抜本的な取り組みが必要ではないでしょうか。お尋ねします。

 

この問題の二つ目に、学力テストについてお尋ね致します。

福井県では池田中学校の自殺を受けて、県議会で「教育行政の根本的見直しを求める意見書」が、賛成多数で採択されました。この福井県池田中学では、宿題はいつも学力テストの過去問であり、学力テストの成績優先の教育が行われていたとのことです。これを受けて福井県議会では、過度の学力変調を避けるとして、県独自の学力テストなどの実施を学校の裁量に任せる、という意見書をまとめました。

全国学力テストをめぐっては、日本一であり続けることが目的化し、本来の教育のあるべき姿が、見失われてきたのではないかと、警鐘が鳴らされています。

金沢市も例外ではなく学力テストの始まる前の学年の3学期ぐらいから過去問プリントが始まると言います。学力テストの結果を見て、今後の授業に生かしていくという当初の目的から大きく外れ、地域や学校間の競争を招き順位を上げるための対策は過熱する一方となっています。本市としても現場の声に耳を傾け学力テストの在り方を見直し廃止すべきではないかお伺いいたします。

 

 教育現場では、いじめの問題も深刻です。

学校内でのいじめが全国で報道され、痛ましい事件に発展することが多くなっています。昔のように、あからさまないじめだけでなく、SNSの発達によっていじめの実態も複雑・陰湿なものへと変化してきています。

新聞報道で、小学校在籍中にいじめを受け、心的外傷後ストレス障害を発症した本市の高校生が、損害賠償を求めた訴訟を知りました。裁判長は、いじめと心的外傷後ストレス障害の因果関係を認め、学校側にも過失があるとする判決を下しました。この問題は重大であり、本市教育委員会は真摯に受け止めなければなりません。

教育長はこの件について、どのように受け止め、今後いじめの対策にどう取り組んでいくのかお伺いいたします。

 いじめ対策が遅れれば、深刻な悲しい結末を迎えることにもなりかねません。速やかな実態把握に努めるとともに、いじめ対策が必要ではないか、お伺いし。わたくしの質問を終わります。

 

答弁

 

-山野市長

 

7番大桑議員にお答えいたします。

 

雪害のことですけれども、私の方からは農業用ビニールハウスの復旧支援について申し上げます。今回補正予算に800万円を計上しており、現在被害と復旧費用の把握にも改めて努めているところであります。県や国の支援につきましては、今後の動向を注視をし情報の把握に努めていきたいと考えています。市として適切に対応をして参ります。

介護保険料のことについてですけれども、介護給付費準備基金を取り崩して保険料の引き下げに力を尽くすべきだということでありました。おっしゃる通りでありまして、全額取り崩しを今回させていただきたいというふうに思っています。この度、介護保険料改定に際しましては、高齢化の進行で介護サービスの利用が増えることに加えまして、事業者に支払う介護報酬がこの4月から0.54%引き上げられることに伴い、サービス給付費の増加が避けられない中、今ほど申し上げました介護給付費準備基金を全額活用することにより引き上げを最小限に留めたところであります。ご理解をいただければと思います。

減免制度がまだまだ知られていないのではないかというご指摘でありました。市民向けのパンフレット、保険料納入通知書に同封するチラシへの掲載により周知に努めてきたところであります。保険料の納付が滞っている方に対しましては、催告などに併せまして減免制度に関する丁寧な説明を行ってきているところでもあります。今後とも保険料の納付が困難な状況にあります被保険者の負担軽減に繋がりますよう、制度の周知に努めて参ります。

介護職員の賃金のことですけれども、介護職員の賃金改善に関しましては、国が事業者に支払われる介護報酬の見直しの中で必要な措置を講じていくというふうにおっしゃっておられます。今後の動向を注視して参りたいと思います。

ケアサポーターのことについてですけれども、本年2月末現在、ケアサポーター養成研修修了者のうち、基準緩和型訪問サービスに従事している方は7名であります。基準緩和型訪問サービスの利用者は増えていますので、今後事業者の理解を求めていきながら、ケアサポーターの就労支援を図ってまいります。

ボランティアポイントのことについて、ボランティアに頼って人材育成という責任をしっかり果たしていないのではないかというご指摘でありました。介護人材の確保におきましては平成27年度より市内介護サービス事業所の職員を対象としたケアワーカーカフェを開催し、職場環境の改善等に資するための情報交換の場を提供してきた他、明年度より若手職員が働きやすい職場環境の整備に向けまして介護サービス事業所が新採職員のサポート体制を構築するための研修開催費等への助成を予定をしているところであります。介護人材の確保は喫緊の課題であるというふうに思っています。今後とも、今まで申し上げました事業者であったり介護職員のご意見もお聞きをしながら、本市もしっかりとその施策に取り組んでまいります。

多床室を設ける特別養護老人ホームのことについてですけれども、入居者の人権尊重とプライバシー保護の観点から、個室による整備を推進する旨、国が方針を示しているところであります。そうした国の方針に基づき整備を進めているところであり、多床室による特別養護老人ホームの整備は今のところは考えてはいません。

こどもの医療費の助成についての拡大のご提案をいただきました。平成26年10月、対象を中学校3年生まで拡大し、平成27年7月、現物給付化をしたところであり、窓口負担の無料化や年齢の拡大は今のところは考えてはいません。

また、子育て支援の中で保育士の処遇改善のことについてですけれども、国においては昨年12月閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」において2019年度に保育士の賃金を引き上げるという方針が打ち出されています。また先ほど現行の処遇改善加算について明年度から対象者を広げられるように見直すことが示されたところであり、本市独自の新たな処遇改善は考えてはおりません。

 

 

-磯部 土木局長

 

 除雪作業会議の開催についてのお尋ねにお答えいたします。今回の大雪を受けまして2月には雪害対策本部が設置されたため、除雪作業会議を所管する除雪作業本部はその指揮下に入り、計画路線を優先になし得る限りの除雪対応を行ってきたところでございます。通常の除雪作業本部体制時におきましては、危機管理監制度が発足して以降、除雪作業会議に替わる危機管理連絡会議におきまして、市民生活関連を含めます関係課の間で効率的な除雪作業を行うため、予想される事態やその対策に関する情報の共有を実質的に図っておりますので、従来の除雪作業会議は開いていないものでございます。今後こうした会議の在り方につきましては、除雪計画の見直しの中で改めて検討して参りたいと考えております。

 

 

-太田 副支局長

 

 介護保険料の減免制度についての実績のお尋ねがございました。平成28年度におけます介護保険料の減免件数は95件でありまして、このうち生活困窮を理由とした減免の件数は54件でございます。

次にボランティアポイント制度の主旨・内容についてのお尋ねでございました。この制度は高齢者が地域における福祉活動の担い手となるとともに、ご自身の健康づくりや生きがいづくりにも繋げていただきますよう、ボランティア活動への参加の動機付けとして実施するものでございます。ボランティアの登録申請をされました65歳以上の方が市内の特別養護老人ホームにおいてボランティア活動を行った際にポイントを付与し、200ポイントを貯めた場合に協賛店舗で優待サービスが受けられます「金沢元気わくわくクーポン」を交付するものとなっております。

最後に、第7期の特別養護老人ホームの整備計画のお尋ねです。第7期におきましては上荒屋と大手町の各日常生活圏域で定員29名の地域密着型特別養護老人ホームをそれぞれ1施設ずつ整備することとしております。

 

 

-野口教育長

 

 教職員の長時間労働と対策についてお尋ねがございました。

初めに本市小中学校の教職員の勤務の実態についてお答えします。平成29年4月から12月における教職員1人当たりの時間外勤務時間は1カ月平均で、小学校で48時間51分、中学校で74時間18分でございました。また時間外勤務時間が厚生労働省労働基準局長通達に定める長時間の過重業務とされる月80時間を超える教職員の割合は、小学校で13.1%、中学校で43.1%でございました。

 次に長時間勤務をなくすための対策についてでございますが、先般、教育委員会議におきまして本市の教職員が本務に専念するための時間の確保に向けた取り組み方針の素案を報告を致したところであります。その中では長期休業中の学校閉庁日の設定や、学校事務補助職員の配置拡充、部活動休業日の拡充など、教育委員会や学校がそれぞれ行う具体的な取り組みを示しました。県教育委員会が示す教職員の多忙化改善に向けた取り組み方針も踏まえ、明年度からこれらの取り組みを実施していきたいと考えています。また、教員の長時間勤務について、抜本的な改善のためには教職員定数を増やすことが必要だと考えるがいかがか、というご質問もいただきました。素案にも示してございますが、教職員が本務に専念するための時間の確保に向けた抜本的な改善には、議員も仰せの通り国による教職員の定数改善が不可欠であり、中核市教育長会などを通して引き続き国に働きかけていきたいと考えております。

 次に学力テストについてご質問がございました。授業は年間計画に基づいて行われておりまして、本市におきましては、これまでのこの本議会での議論なども踏まえながら、学力テスト直前には特別なことは行っていないと思っております。今後も各種学力調査が児童生徒の学力の状況を把握し授業改善に役立てるという目的に沿って実施されるように指導して参りたいと考えております。

 お尋ねのありました、県基礎学力調査につきましては、石川県教育委員会が児童の学力の定着状況及び学習・生活状況を把握することを目的に、平成14年度から実施しているものであります。その結果は2年後の第6学年で実施する「全国学力学習状況調査」の結果等と比較し、課題が改善されているか検証するなど、学校における児童への教育指導に有効な手立てであると考えております。

 最後に、本市のいじめの対策についてお尋ねがございました。いじめの対策につきましては、未然防止に努めることが肝要であると考えておりまして、本市では悩みを持っているこどもたちを見逃すことがないように各学校で個人面談や定期的にアンケートを実施することで実態把握に努めております。また「学校いじめ防止基本方針」をもとに校内のいじめ問題対策チームが中心となって学校全体で適切な取り組みがなされるよう指導しているところでございます。加えて、悩みを抱える児童生徒への対応として、専門的な立場から適切な助言を行うスクールカウンセラーを来年度から市内全ての小中学校に配置を予定しております。引き続き、いじめの未然防止及び早期発見とその対応に努めていきたいと考えております。

 

 

-30番 森尾嘉昭議員

 

 市長に伺いたいと思いますが、大桑議員が指摘して取り上げたように、今年から第7期の介護保険事業計画が始まります。その中の施設整備計画が示され、本市において小規模特別養護老人ホームを今後3年間で58床整備するとしています。小規模ですから29床とすると2か所の整備という整備計画となろうかと思います。ところで市長は選挙の際に出されたマニフェストの中で特別養護老人ホームの待機を失くしますということを掲げられました。今回の整備計画で待機者はなくなるのでしょうか?

 

-山野市長

 

 一期目の選挙のときに公約に掲げさせていただきまして、担当部署や関係機関と連携を取りながら精一杯取り組んできたところであります。まだまだその目標には届いておりませんけれども、引き続きその旨を持って取り組んでまいりたいと考えております。

 

-森尾議員

 

 では福祉局長に伺いたいと思います。今回から始まるのが第7期、それ以前の3年間が第6期です。この第6期で小規模の特別養護老人ホームの整備計画は3年間で9か所、261床を整備するとしました。今回第7期は2か所、58床というのが打ち出されています。それでは本市における特別養護老人ホームの待機者数というのはどのくらいとして把握しているのでしょうか。そして6期に比べて大幅に整備計画が少なくなったのはどういう考え方となったのでしょうか。

 

-太田福祉局長

 

 本市におけます待機者数、正確な数字は今持っておりませんが、おおよそですが400人台というふうにとらえております。これは県の調査も踏まえまして本市独自にも調査をしまして、各事業所全てに聞き取り調査をした結果であります。待機者数の中には、とりあえず今必要はないけれども申し込みをしている方もいらっしゃいますし、すでに他の施設に入られた方もいらっしゃいます。そういった方々を除外しますと、500を少し切るくらいの数でございます。一方で現にあります特別養護老人ホーム、こちらでそれぞれ空床がございます。空床は多い少ない多少の差はありますけれども、そういった空床の数も全て調査をいたしました。待っていらっしゃる方、それから開いているベッドの数、それではやはり足りませんので、足りない数を計算したところ約2施設、58床という数字が出たものであります。

 

 

 

 


私は、日本共産党市議員団を代表して以下質問を行います。

 はじめに、この一月に発生した駅西福祉健康センターの幼児相談室の事故によって、現在もなお治療継続されている子どもさんとご家族に対し、お見舞い申し上げます。

 さて、今回の事故原因と対策についてです。

 わが党市議団は、事故発生後、事故現場に出かけ、関係者からも状況をお聞きいたしました。この施設は、八日市にあったものをこの1月に駅西福祉健康センターの二階に移転したものです。二階の窓際に沿って棚が設置されました。その棚の手前に、子どもさんが遊ぶための分厚いマットが置かれました。その結果、このマットから簡単に棚の上にのぼることが可能でした。この棚が設置された結果、窓を開けるドアノブが子どもの手に触れる位置にありました。そのドアノブが施錠されていなかったため、ドアーが開き、転落事故へとつながったと思われます。ですから、施錠の管理だけでなく、窓に沿って棚を設置し、その棚にのぼれる位置にマットを置くなど安全上、問題があったと考えられます。したがって、この施設の構造的見直しを図ると共に、保育士を増やすなど管理運営の充実・改善を図るべきと考えます。市長の見解を伺います。

また、来月には「金沢広域救急センター」がこの駅西福祉健康センターの一階にオープンします。そのすぐ横には、二階への階段があります。二階では、こども広場があり、すぐ横に、エレベーターがあり、車いす用のボタンがちょうど子どもでも触れる位置にあります。複合的施設となっただけに、施設の点検・改善と人の配置など運営体制の見直しを図ることが必要です。市長から見解を伺うものです。

 質問の第二に、安倍政権が進める「働き方改革」と「金沢版働き方改革推進プラン」についてです。

 安倍首相は、労働時間のデーターが誤りだったとして厳しい批判を受け、「働き方改革」一括法案から「裁量労働制の対象拡大」を全面削除に追い込まれました。続いて、国政私物化として国民の怒りを呼んできた国有地売却に係る「森友文書」が改ざんされたとの問題をめぐって、安倍政権の根幹をゆるがす事態となっています。

安倍内閣が進めようとする「働き方改革」は、長時間労働を野放にし、残業代ゼロと指摘される裁量労働制の拡大や高度プロフェッショナル制度の導入です。さらに、残業時間の過労死ラインを上回る残業を認めるなど財界と企業が望む「働き方改革」となっており、この法案の撤回を求める世論が広がっています。

 市長!今議会の施政方針の中で、「金沢版働き方改革推進プラン」の策定方針や、「働き方改革推進本部」の立ち上げを打ち出しましたが、安倍政権が打ち出した「働き方改革」方針を前提とするものであれば、撤回すべきではありませんか。市長の見解を伺います。

市内の労働相談の中で、ある市民がやむなく派遣の仕事に就いたところ、通勤のため車のリース、携帯のリース、住むための寮を紹介され、結局給料からそれらの費用を引かれ、借金生活となり、仕事も辞められなくなったとのことです。 仕事に就いても、長時間勤務や販売のノルマ、商品の引き取りなど過酷な労働環境についての訴えが寄せられているとのことです。

市長!「金沢版働き方改革推進プラン」には、こうした市民の労働実態や訴えは、届けられるのでしょうか。その見解を求めます。

 本市として、「働き方」をめぐって、改善すべきことがあります。

 第一に、一年間など期限が決まった有期雇用の労働者が通算5年以上働いた場合、期限のない無期限雇用契約に転換するルールがこの4月から始まります。

 ところが、この適用を逃れるために5年以上の雇用とならないよう雇止めする事態が起こっています。これは、見過ごすことはできません。

 市長!関係する機関に対して、こうした雇止めをしないよう経営者に対して要請するよう求める考えはありませんか。見解を伺います。

 本市としては、独立法人である市立美大や、芸術創造財団、本市スポーツ事業団など外郭団体に対して法の趣旨を徹底するよう求めるべきと考えます。合わせ、市長から答弁を求めるものです。

 第二に、本市の非常勤と臨時職員の雇用環境の改善が求められます。

担当部長から本市の現状と賃金について明らかとにしてください。

 市長!非常勤職員は、1年間の雇用契約で、延長は、5年までとしています。先の法改正の趣旨からして期限付き雇用について改善することが求められます。その見解を伺いたいと思います。

 質問の第三に、大雪による市民生活への影響と今後の対策についてです。

 記録的な大雪となり市民生活と地域経済に甚大な影響をもたらしました。市民の懸命な除雪活動や対応に追われた関係機関の方々に対して敬意と感謝を申し上げます。

 高齢化と核家族化が進み、市民の除雪環境が大きく変化してきました。また、除排雪するための重機とオペレーターの減少が民間企業で急速に起こってきました。さらに、行政側も除雪対策への機動力の低下が露呈する形となりました。市民からは、除雪対策に対する厳しい指摘が相次ぎました。

 生活道路の除雪はどうなっているのか。いつまでたっても、除雪がされないのはどうしてか。福井や富山に比べ、本市の除雪対策費が少なすぎないか。排雪の指定場所が少なく、もっと身近な場所に設置してほしい。国道8号線や高速道路の大渋滞は、国や県の責任が問われる。もっと連携し対策をとってほしい。市に電話しても、つながらなかった。除雪の要望をしたところ、その道路は、地域でやってください。と取り合わなかった。など市民からの厳しい批判が相次ぎました。

 また、本市は、市長を本部長とする雪害対策本部を設置しましたが、全庁的な体制づくりと、情報の共有をはかるという点で十分ではなかったとの指摘がされています。

わが党市議員団は、市民から寄せられた意見や要望を取りまとめ、1月16日に除雪対策の強化を求める申し入れを行いました。2月に入り、さらに、大雪となり、市民生活と地域経済に深刻な事態をむかえ、打木地区での農業用ビニールハウスが倒壊するなど農業被害が発生しました。2月13日、わが党中央本部が設置した豪雪対策本部の事務局長であり、北陸信越比例ブロック選出の武田りょうすけ参議院議員が金沢入りし、わが党市議員団と共に市内をまわり、雪害の状況を把握し、除雪対策についての要望をお聞きしました。近江町市場、医療・介護の施設、そして、本市雪害対策本部をたずねました。寄せられた市民からの要望などをまとめ、その日に党市議員団は、災害救助法の適用を行い、抜本的な除雪対策を求めました。国会では、2月16日衆議院災害対策特別委員会が開かれ、わが党の田村貴昭議員が質問に立ちました。本市での現状を踏まえ、災害救助法を除雪に適用するよう求めました。これに対して、小此木八郎防災担当大臣は、除雪の重要性を認め、「必要な対応をとっていく」と答弁しました。また、災害救助法の申請判断は市長村長が行う事ができ、除雪・排雪費用は、国と都道府県の負担で行い、市町村が支出する必要はないことも明言いたしました。ところが、本市が石川県に対して、災害救助法の適用について、問い合わせたところ、適用は難しいとの判断を示したとのことです。国が積極的な対応を示しているにも関わらず、県が後ろ向きとはとんでもない対応です。

市長!記録的な大雪の中、災害救助法の適用で、除雪対策をいっきに進めることが必要であったのではないか。と考えますが、その見解を伺います。

さらに、今後の除排雪対策とし、民間が持っている重機を総動員するために物損等の保険加入を支援すること。町会や民間による除排雪に対する財政支援など思い切った財政の投入、公共交通の確保、学校・幼稚園、保育所や医療・介護施設の周辺や、アクセスする道路など最優先とする除排雪が求められます。市長の見解を伺います。

この項の質問の最後に、本市の除雪計画についてです。以下の点で抜本的な見直しが必要です。

第一に、現在の計画では、除雪対象道路は、市道の4割程度にとどまっています。その他、市道の認定に至らない道路が300㎞にのぼるとされます。除雪対象道路を拡大することが求められます。

第二に、第1次から第5次までの除雪対象道路について、どのように除排雪作業を効率的に進めていくのか。そして、住民へのお知らせを徹底していくのか。抜本的な改善が必要です。

第三に、除排雪を請け負う民間の業者の減少、除雪機械の台数が減少し続けており、その強化が必要です。本市の道路管理事務所では、かつて50人以上配置されていた職員が10人台まで減少していることから体制の強化が必要です。

こうした点について、市長から見解を求めるものです。

質問の第四に、新年度予算についてです。まず、国民健康保険料についてです。収入の1割にも上る高い保険料の負担が、重くのしかかっています。払えない方々が加入世帯の2割にものぼります。したがって、保険料を引き下げてほしいとの市民の声は切実です。この4月からこの制度の運営主体が都道府県に移行されることとなり、県から納める納付金、標準保険料率が示され、本市の保険料が算定されることとなりました。今回、保険料の一部を引き下げる提案が示されました。どのような財源対策を行ったのか。基金の残額と合わせ説明を求めたいと思います。今回は、緊急避難的な対応がされましたが、基金からの繰り入れや、一般会計からの法定外繰り入れを行わないとすると保険料は、大幅な引き上げとなります。今後、国や県からの財源対策を強く求めるとともに、基金を使い、保険料のさらなる引き下げを行うべきと考えますが、市長の見解を伺います。

次に、就学援助制度についてです。

この制度は、憲法が明記した義務教育は無償という考えのもとで、就学にかかる教育関係の経費の一部を支援するもので、大切な役割を担ってきました。

金沢大学で教鞭をとり、人権としての社会保障の確立を一貫して主張され、昨年なくなった小川政亮(おがわまさあき)氏は、子どもたちの教育を受ける権利を確立する上で、この就学援助制度は欠かせないとして、制度を知らせること。制度を利用しやすくすること。実態に合わせた内容の充実など提言されました。そして、お母さん、お父さんたちが、この制度の改善と普及にとりくみ、教育関係者のご理解を得ると共に、関係者のご努力もあって、就学援助制度の充実がはかられてきました。

今回、入学準備金について従来、夏の支給だったものが、入学前の3月に支給されるようになり、支給金額も改善されました。教育長から、本市での実施状況を明らかにしていただきたいと思います。さらに、この制度充実と普及について見解を求めたいと思います。

新年度予算に関わる最後の質問は、税金の使い方についてです。

駅西での外資系ホテルの誘致と建設に関わる本市の対応は、厳しく問われるものです。250台の駐車場だった駅西の用地を安く業者に売却しました。周辺の整備事業だとして市道を廃止し、公園の敷地として拡張する。建設予定のホテルまでの歩道を130mにわたって、屋根をつけて整備する。そのために新年度予算に、1億2800万円が計上されています。さらに、新年度、観光対策として、欧州の富裕層をターゲットとしてインバウンド戦略を推進するとしています。建設される外資系ホテルのために利便をはかり、誘客まで支援するとは、行政がやるべきことではありません。

第二本庁舎建設です。55億6千万円を投じて建設が進められようとしています。果たして必要なのか。必要最小限のものなのか。市民から厳しい批判の的となっています。建物の建設事業費以外、建設に関わる費用について明らかにしていただきたいと思います。

こうした一方で、今回新年度予算では、法外援助制度における施設入居者に対して行われてきた歳末見舞金をばっさり削減しました。予算額は700万円です。

市長!駅西での外資系ホテルを誘致するとしてさまざまな利便を図り、市民の税金まで投入して周辺の整備事業や、巨額の税金を投じて第二本庁舎の建設事業を進める。その一方で、一人3千円の施設入居者への歳末見舞金を削減するというのは、地方自治体の本旨である住民の暮らしや福祉の向上に努めるということからして逆行しています。市長ご自身の政治姿勢が問われています。見解を求めたいと思います。

質問の第五に、家庭ごみ有料化実施についてです。

この1月23日家庭ごみ有料化実施の中止を求め、8336筆にのぼる署名が市長に提出されました。提出された市民団体の方々からは、市内のごみの量が減っているのに、今、なぜ、有料化なのか。市民は疑問に思っているとして、2月からの有料化の中止を求めるものでした。

市長!こうした市民の声をどのように受け止められるのですか。市長自らが市民に直接説明することが求められたのではありませんか。有料化せずとも市民の協力と行政の努力でごみを減らす方向こそ、とるべきではありませんか。市長の見解を伺いたいと思います。

2月から有料化が実施されました。市長は、今議会の施政方針の中で、「大きな混乱もなく、収集作業は、概ね順調」と述べられました。市長は、胸をなで下ろしたのでしょうが、市民は、あらたな苦労が始まり、納得できない気持ちと対応を余儀なくされた思いが広がっています。

2月1日は燃えるごみの収集日でした。私は、ステーションを見て回りました。ある町会の役員は、午前4時からステーションにたち続けていると話されました。別の町会では、ステーションの除雪をやりながら、ステーション管理を町会役員が交代であたっていました。その一人の方は、この日のために、会社を休んだそうです。有料化したばっかりにいつまで続けなければならないのかと厳しい声がかえってきました。ある町会長は、市役所から配布された緑色のボランティア袋を手にしながら、ステーション管理を続けておられました。この方は、こんなボランティア袋をドカーンと積まれても困る。町内の各家庭に配ろうかと思ったと憤懣やるかたないと言った表情でお話しされました。

市長!家庭ごみ有料化によって、ごみステーションの管理に新たな負担を市民に強いてきています。ある町会長さんは、ごみステーションの管理は、そもそも行政がやるべきです。有料化したからにはなおさら町会に対してボランティアで、従来通り、管理をお願いするのはおかしいのではないか。有料化に伴う財源を使えばよいのではないか。との意見が寄せられています。

市長は、どのように受け止めておられますか。伺うものです。

第二に、有料化によって、市民生活に新たな負担を押しつけていることです。

これまで使用していた半透明ごみ袋の値段に比べ5倍から7倍の価格で指定ごみ袋を購入することになります。ある高齢者の方は、いろいろな半透明袋を使って、こまめに、ごみ出していていたが、有料のごみ袋を買わざるを得なくなった。有料ごみ袋がいっぱいになってから、ごみ出しをすることにした。夏場になったらどうしようかと思っていると話されていました。

介助犬のおかげで、日々の生活が成り立っている方は、その介助犬のために室内に敷かなくてはならないシーツがあり、それを燃えるごみとして処理するのに年間の負担は、4千円に上ると、新聞の記事の中で話されています。

生活保護受給者にとっても有料化によって新たな負担が生じています。身体障害者や低所得者に対して、ごみ袋の無料配布を行う対策が、有料化した自治体の多くで実施されています。ところが、市長は、これを拒否しました。

こうした実状が有料化によって引き起こされたならば、有料化を中止すれば解決されます。

市長!今一度立ち止まり、ごみ有料化を中止するよう求めるものです。市長の見解を伺いたいと思います。

質問の最後に、宿泊税についてです。

この宿泊税は、東京、大阪、京都など大都市で導入されているだけで、本市のような地方都市での導入について、市民をはじめ、関係する業者からも理解が得られている状況にはありません。そして、今回の提案内容には、大きな問題点があります。

第一に、税金としてふさわしい内容となっておらず、市民の理解は得られないと考えます。

税金は、負担する能力に応じて税金を高くする一方で、低所得者に配慮することで税金の公平性が保たれることとなります。したがって、東京、大阪では、1万円未満の宿泊料金には、税金をかけていません。また、京都市では、修学旅行生の宿泊料金には、課税しないこととしています。本市の提案では、2万円未満の宿泊料金に一律200円の課税となっています。修学旅行生にもその宿泊料金に課税するとしています。税金の累進課税という考え方を全く無視した内容であり、税金の公平性を保ち理解を得るにはほど遠い内容です。

そして、税金の使途についてです。

本市での宿泊税導入による年間の収入は、7億2千万円とのことです。その使途について、1 まちの個性磨きへの支援。2 観光客受け入れの充実。 3 生活と調和した振興。としています。これではあらゆる取り組みに使いますと宣言したようなもので、一般財源の税収を増やすための導入ではないかという点です。

第二に、小さな地元の業者に新たな負担を押し付けるものとなっています。宿泊税の導入によって、業者間の低価格競争に拍車をかけ、宿泊税の税額を負担せざるを得なくなる。青少年の合宿や仕事で一定期間利用されてきた方々にどのように説明するのか。他の施設へと利用が変更されないか。これまでの信頼関係が壊れてしまうとの悲痛な訴えがあります。まさに、悪税ともいえます。

東京、大阪では、1万円未満の宿泊料金には、税金をかけていませんし、1万円以上1万5千円未満が100円となっています。それに対して、本市の提案では、宿泊料金2万円未満がすべて200円となっています。小さな地元の業者にとって死活的な問題です。

 第三に、税の公平性が確保されていない点です。

本市の課税対象は、旅館業法によって許可されたホテル、旅館、簡易宿泊所だけでなく、民泊も対象とするとしています。ところが、この民泊は、違法民泊が広がり実態すらつかめない状態となっています。そこで、新たな民泊新法がこの6月から施行されることとなります。しかし、果たして違法民泊がなくなるかは不透明です。現状のままでは、この民泊まで対象とするなら、逆に宿泊税を逃れるために、違法民泊を助長しかねません。これでは、税の公平性をたもつことはできません。宿泊税の導入を見送ることが賢明ではありませんか。その見解を伺いまして、代表質問を終わります。

 

答弁

 

-山野市長

 

 30番森尾議員にお答えをいたします。

 

 まず、駅西福祉健康センターで起こった事故のことについてであります。改めて負傷されたお子さん、ご家族の方々並びに関係者の皆さんに心からお詫びを申し上げたいと思います。またお子さんの一日も早い回復を心から願っているものであります。事故が起きました幼児相談室については、乳幼児の保育や発達を専門としている大学の先生にもご助言を改めていただきまして、施設面としては窓を開かないように固定をする、窓際の収納棚を撤去し窓際でない壁面に設置をする、そういう改修工事を行うこととしています。また運営面におきましては、相談者の予約調整や電話応対などを担当する非常勤の保育士1人を追加配置をし、体制の強化を図ったところであります。今般の事故を受けまして、駅西福祉健康センターにおきましては、乳幼児が利用する場所を初め施設全体について安全性に関する緊急点検を行ったところであります。多くの乳幼児が利用する施設でもあります。森尾議員ご指摘のように、子供ですから決められた場所以外にも行く可能性もあります。安全性の確保について常に注意を図ってまいりたいと思います。

 

働き方改革のことについて何点かお尋ねがございました。明年度策定に着手をいたします「金沢版働き方改革推進プラン」につきましては、本市における地域の課題・特性等を踏まえ、労働生産性の向上や多様な人材の雇用の促進など、働きやすい街・金沢を目指し、庁内横断組織として働き方改革推進本部を立ち上げることとしているものであります。本市において働き方改革を進めていくためには、本市独自の施策も必要ではありますけれども、国・県など関係機関との適切な役割分担と連携も必要であると思っております。効果的に対策を進めていく必要がありますことから、今後国の動向等にも注視をしながら、策定作業を進めてまいります。そのプランの策定にあたりまして現場の意見もしっかり聞くべきだという主旨のご発言をいただきました。明年度本市における課題や雇用環境等を分析・把握するための基礎調査を行わせていただきたいと思っています。その過程の中で、森尾議員がご指摘のようにいろんな方、多くの現場の声も聞かせていただければというふうに思っています。そしてその結果等を踏まえ、作業を進めていくこととしています。具体的なそのご意見のお聞きする方法や対象等につきましては、今後立ち上げを予定しております働き方改革推進本部の中で検討をしていきたいというふうに思っています。

 

改正労働契約法に関連をしてお尋ねがございました。その内容につきましてはすでに外郭団体等に通知をしたところであります。外郭団体の職員の取り扱いにつきましては、これまでも市職員に準拠することを基本としてきたことから、今後も同様の取り扱いをして参りたいと考えています。ただ、市の職員、地方公務員は、この労働契約法の適用除外であります。あくまでも地方公務員法に沿ったものであります。本市では地方公務員法の趣旨に基づき任用期間の上限を定め、厳格に取り扱ってきておりまして、これまで通り運用してまいりたいと考えています。

 

大雪のことについて何点かお尋ねがございました。災害救助法の適用が必要だったんではないかというご指摘でありました。今回の大雪では、ジュウカン、住まいが滅失した世帯数が適用に必要な基準を下回っているところであります。また多数の者が避難して継続的に救助を必要とするような状況にも至っていませんでして、災害救助法の適用基準に合致をしないところであります。災害救助法の適用が見込めないということから、県とも協議をし、要請を行わなかったものであります。除雪機械の活用のことについてですけれども、多くの除雪業者のお力をお借りしなければいけないと思っております。本市におきまして平成20年度から除雪委託業者と契約する際、除雪機械の車検費用や保険費用等を支援する固定費制度を導入し、平成28年度には大幅な増額を行ってきたところであります。また対象路線のことについてお尋ねがございました。本市では市民・事業者・行政の連携・協同を除雪計画の基本に、計画路線は主に行政が、それ以外の路線につきましては地域の方々にご協力をお願いをしてきたところであります。行政の取り組みには物理的におのずと限界がありますことから、全ての生活道路を除雪の対象とすることは難しいということはご理解をいただければと思います。ただ今回の大雪を踏まえ、市民の皆さん、そして議会の皆さん、報道の皆さんからも様々なご意見・ご提言もいただいているところでもあります。今後の除排雪体制の在り方を検討していく中で、除雪路線につきましても研究をさせていただければというふうに思っております。第1次路線から第5次路線につきましての周知徹底のことについてお尋ねがございました。これまでも除雪路線を含めた除雪計画につきましては、町会連合会を通じて全町会に配布するなど周知に努めてきたところでありますが、各町会の除雪路線が確認できるよりわかりやすい計画図を作成するなど、除雪計画の一層の周知に努めていきます。業者も減ってきている、除雪機械も減少してきている、道路等管理事務所の強化も大切ではないかというご指摘でした。地域の方々からの情報提供、建設業界の皆さんのご協力をいただきながら、除雪業者や人材の掘り起こしに加え、オペレーターの要請に努めるなど、可能な限り委託業者や人材の確保に努めるとともに、さらに有効な方策がないか、今後の除排雪体制の在り方を検討する中で研究させていただければと思っています。行政改革の観点から、増員・除雪機械の増強がなかなか厳しい中、職員のこれまでの経験を活かし、緊急対応が必要な山間部の路線などの迅速な除雪を行ってきたところであり、引き続き民間事業者と連携を取りながら補完し合うことで除雪体制の強化を図って行きます。

 

新年度予算について何点かお尋ねがございました。

まず国民健康保険のことについてであります。国・県からの財政支援がもっと必要ではないかということでありました。国民皆保険制度が将来に渡って安定的で持続可能な制度であり続けるためには、国の責任ある財政措置が不可欠であると思っております。今後とも引き続き全国市長会、国民健康保険中央会を通じて、国庫負担率の引き上げなど、国保財政基盤の強化を国に強く働きかけてまいります。今後の保険料の引き下げをご提案いただきました。平成30年度より保険料率は財政運営を実施する県から示された標準保険料率に準拠して決定をすることになります。今回市民生活への影響に配慮し、基金等から繰り入れを行い、保険料率の一部を引き下げたものであり、これ以上の保険料の引き下げは考えてはいません。

 

駅西の歩道の整備のことについて、また富裕層の観光戦略についてお尋ねがございました。国際的な知名度と高い評価を得ているハイアットグループの高級ブランドホテルが本市に進出することにより、ハイアットグループが有する国際的なネットワーク、さらにはそのホテルを利用される富裕層の方のネットワークを通じて多くの国内外の富裕層の方が本市を訪れることで大きな経済効果がもたらされるとともに、本市のブランド・知名度・ステイタスがさらに高まると期待をしているところでありますし、またそういう方たちからもたらされるシャワー効果を通じて市内全域にもその効果が期待できるというふうに思っています。賑わい拠点施設であるホテルの整備に併せ、安全で快適な歩行者空間を確保し、駅利用者の利便性の向上、さらなる賑わいの創出を図って行くとともに、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据え、欧州からの富裕層の誘客を促進していきたいというふうに考えておりまして、数年前から行っているところでもありますけれども、引き続きそのことにも取り組んでまいりたいと思っています。

 

法外援護制度における見舞金のことについてお尋ねがございました。高齢者の見舞金につきましては、平成25年度の市民行政評価において他の現物給付制度との重複がみられることから、段階的な見直しが必要という指摘を受けているところであります。また平成29年度においてこの見舞金制度を残している中核市は本市を含めて2市だけであります。平成30年度には本市のみとなりますことからも、今回老人施設の入居者に限って見直しを行ったものであります。

 

2月から始まりました家庭ごみ有料化制度のことについていくつかお尋ねがございました。様々な市民の皆さんからいろんな声をお聞かせいただいているところであります。私もできうる限り現場に足を運んで、そういう方たちのご意見もお聞きをしながら市政の政策の中で反映できるものは反映をさせていきながら取り組んできたところであります。指定ごみ袋制度による家庭ごみ収集制度の効果が明らかに現れてきている中で、引き続きこの制度の定着、さらにはご意見をお聞きをしていきながら細かな対応をしていくことにより、より充実を図ることで市民や事業者との協同によるごみの減量化・資源化への取り組みを促進をしていかなければいけないというふうに思っています。ごみステーションのことについてお尋ねがございました。こちらも私はいろんな方のご意見もお聞きをしているところであります。また地域のために汗を流している皆さん方に対しまして心からの敬意と感謝を持っているところでありますし、できうるかぎり言葉に出してそのこともお伝えをさせていただいているところでもあります。これまで町会の方々と協同で指定ごみ袋による家庭ごみの収集制度の円滑な実施に取り組んでき、また成果もあげていることでもありますので、まずはこの制度の定着に取り組んでいきたいというふうに考えています。違反ごみのことについてもご心配をいただきました。この2月から新制度が始まりましたけれども、私はその制度以前よりも制度が始まって以降の方が違反ごみが少なくなっているなぁということを感じているところであります。ただそうはいってもゼロになっているわけではありません。アパート・マンションのごみ置き場におきましても違反ごみが見られるところでもありますので、引き続き市が責任を持って啓発看板や監視カメラの設置、また場合によっては地元の皆さんのご理解もいただきながら開封調査なども行い、できるかぎり町会や住民の皆さんのご負担をこれ以上増やさないように少しでも減らしていけるように努めてまいりたいというふうに考えています。平成17年に環境省から全国の市町村に対しまして家庭ごみの有料化の提言がなされたということはこの本会議でも何度か述べてまいりました。理由として、ごみの減量化・資源化に併せましてごみ処理負担の公平性ということがありました。たくさんごみを捨てる方もごみの少ない方、さらには経済的に恵まれている方、経済的に厳しい環境の方も、税金で処理をする際には全く同じ負担になってしまいます。その逆進性を少しでも解消しなければならないのということで環境省の方からもご提案をいただいたところでもあります。ごみ排出量に応じた費用を負担いただくことで、減量化に向けたインセンティブを働かせることにより市民負担の公平性を確保するものであり、全ての市民の皆さんに広くご協力をいただいているところであります。本市におきましては先行自治体に比べまして多くの負担軽減品目を設けるとともに、市民生活にできる限り配慮をした手数料としていることから、指定ごみ袋の無料配布や所得等に応じる軽減措置を講じることは考えてはいません。中止をすべきではないかというお話をいただきました。この20数年間に渡りまして国においても金沢市においても議論を重ねてまいりました。特にこの3年間は議論のたびごとに、そして職員が市民の中に出て行きまして2600回を超える説明会等々を重ねてご理解をいただきながら取り組んできたところであります。まだひと月ちょっとではありますけれども、大きな成果も現れてきているところでありますので、まずはこの制度の定着に努めていきたいというふうに思っています。思いは同じだというふうに思っています。将来世代への負担を少しでも少なくしていきたい、その思いから取り組んでいきたいと思っています。

 

宿泊税のことについて何点かお尋ねがございました。本市では宿泊料金に関わらず宿泊者の方が受ける行政サービスは変わりはないという観点からも、民泊を含むすべての宿泊施設の利用者の方に広く負担をお願いするものであります。また宿泊事業者の皆さんからもいろんなご意見をお聞きしながら、今回ご提案をさせていただきました。特に要望が強かったことの1つは、課税の公平性、そして特別徴収義務者である宿泊事業者の負担軽減の観点からも、簡素でわかりやすい仕組みにしてほしい、修学旅行等に対する課税免除は設けないでほしい、そういう声が多く寄せられたところであります。ただ、仰せの修学旅行やスポーツ合宿等につきましては、別途支援措置を講ずることによって対応をしていきたいというふうに考えています。3つの方向性、使途のことについて、これは森尾議員もお触れをいただいたところであります。北陸新幹線開業による環境検証会議からの報告も踏まえ、森尾議員もお話をいただきました3つの視点からの取り組みを活用をしていきたいというふうに思っております。さらに具体的な使途につきましては、今議会で議案をお認めをいただきましたならば、一年間かけて周知期間を設けているところでありますので、平成31年度の当初予算編成において具体的な使途を検討をして参りたいというふうに思っています。小さな宿泊事業者への負担のことについてご心配をいただきました。宿泊税の導入により宿泊料金に影響の及ぼすことのないように、本市の宿泊施設に宿泊される方には宿泊税が課税される方において十分な周知に努めていきたいというふうに考えています。違法民泊のことについてご心配をいただきました。改正旅館業法や住宅宿泊事業法の施行により、無許可営業者に対する報告の徴収、立ち入り検査等の権限が措置されるなど、規制が強化されることに加えまして、明年度衛生指導課内に民泊適正運営指導室を設置をし、担当職員を増員することにしています。これまで以上に監視・指導体制を強化をし、関係機関としっかりと連携をしながら民泊の適正運営と税の公平性の確保に努めてまいります。

 

 

 

-相川総務局長

 

 働き改革推進プランに関しまして、本市の非常勤職員や臨時職員の人員配置等につきましてのお尋ねでございますが、平成29年4月1日現在で非常勤職員871人、臨時職員324人の、合わせて1,195人を配置しております。非常勤職員の報酬、臨時職員の賃金につきましては、正規職員の給料表をベースに算出しておりまして、人事勧告で正規職員の給料表が変わることになりましたならば、翌年度に反映することといたしております。

次に第2本庁舎の建設につきまして建設工事費以外の経費についてでございますが、建設工事費以外の経費といたしましては埋蔵文化財調査費及び旧南分室解体費で約1億8千万円、防災情報システム整備費で約3億2千万円の他、備品購入費が必要となる見込みでございます。

 

 

 

-越田保健局長

 

 私の方からは、今般の国民健康保険料の引き下げに際して行いました財源対策と基金の残高についてのご質問にお答えいたします。まず、今回の保険料の引き下げを行うことによりまして、約6億4千万円の収入不足が生じますことから、基金の取り崩しと一般会計からの繰り入れを行いました。また基金の残高は平成30年度末において22億6千万円を見込んでおります。

 

 

 

-野口教育長

 

 就学援助制度につきまして2点お尋ねがございました。初めに今年度入学後の8月から入学前の3月に前倒し支給されることになりました新入学学用品費の実施状況についてお答えをします。平成30年度の新入学生を対象とした新入学学用品費の入学前支給認定者数は、現時点で小中学校合わせて1,119人でございます。次に、今後の就学援助制度の取り組みについてお答えをいたします。就学援助制度につきましては、今年度新入学学用品費の補助単価を約2倍に引き上げますとともに、支給時期を入学前に前倒ししたところであります。また明年度には特別支援教育就学奨励費につきましても補助単価を引き上げることといたしております。加えて平成17年度の一般財源化以降もそれまでと同様の認定基準を維持しているところでございます。引き続き案内チラシを全ての児童生徒の保護者へ配布するなど周知に努めてまいります。

 

 

 

-森尾嘉昭議員

 

 市長に今回の大雪に関する対策としての災害救助法の適用についての考え方について、再度質問を致したいと思います。記録的な大雪のもとで市民生活の困難に直面をいたしました。8号線の大渋滞のもとで物流がストップして、コンビニではパン類がなくなっているという事態を迎えました。近江町市場でも大変な状況だったとお聞きしました。医療や介護の実態も、雪のために家から出られないと、透析を受けている患者さんも大変困難に直面した、ヘルパーさんや看護師さんも来れないで家の中のポータブルを1週間替えられなかったというお話も聞いています。従って、市民生活を確保し市民の安全を守る上では、一気に除排雪の対策を講じなければならなかった、それ故に私共としては災害救助法の適用を受けて、一気にこの事態を解決しようじゃないかと提案をいたしました。国会では、担当大臣は「除排雪の取り組みは重要だ」と述べて、国の担当官も「除排雪についての災害救助法の適用について、市長村長の判断だ」ということを示しました。そして財政負担の問題も、国と県の負担で市町村には負担はありませんよと、こういう答弁も行っているんです。従って私は、今回の大雪の対策を通じて、この災害救助法の適用についてしっかり今後の教訓に活かすべきじゃないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

 

 

-山野市長

 

 30番森尾議員の再質問にお答えをいたします。災害救助法のことについてお尋ねがございました。私どもも県と相談をさせていただきました。県とも協議をし、先ほど申し上げましたように適応基準に合致をしていないということで今回は要請を行わなかったものであります。災害救助法でない様々な形での対応というものが可能ではないか、そういうことも踏まえて今後検討会の中で議論をしていきたいというふうに考えています。

 

 

-森尾嘉昭議員

 

 家庭ごみ有料化の導入について、昭和38年(1963年)今から55年前に徳田與吉郎氏が金沢市長に当選しました。税外負担はなくすというのが市長の公約でありました。従って、この公約の実現を図るということで昭和41年の3月にごみ清掃手数料の廃止を提案をして議会で議決をされ、この年の4月からごみの清掃手数料の廃止が実行されました。従って、こうした本市の歴史的な経緯を踏まえて、市民の間からは「市長さん、あなたは一体、家庭ごみ有料化問題について公約を掲げたんですか」と問われました。公約を掲げないで導入するっていうのはいかがなものかというのが、市長に突き付けられた質問でした。私は改めて、このことは非常に重要なことで、市民からの信頼も信任も得ないでこのごみ有料化の導入というのはいかがなものかという市民の声に、私は真摯に応えるべきではないかというふうに思っています。そのことは、こうしたものが市民生活に直結するが故に市民と議会との合意こそやらなければならない第一課題なんです。ところが今度の問題は、市民からの十分な理解や合意がないまま2月の実施に至るという経緯をたどっています。私は改めて、こうした市民の声に市長はどうこたえるのかと伺っておきたいと思います。

 

 

-山野市長

 平成22年3月、第4期ごみ処理基本計画が発表がなされました。その中で家庭ごみ有料化は検討事項として入れられたところであります。もちろんその前からずっと金沢市議会においても家庭ごみの有料化のことにつきましては複数の議員の方からもご提案をいただいているところでもありますし、平成5年以降全国市長会の意思表示、さらには厚生省や環境省からも全国の市町村に何度も提言がなされてきているところでもあります。そして平成27年3月、施策として第5期ごみ処理基本計画を発表をさせていただきまして、議会の皆さんや市民の皆さんと議論や説明会を重ねて取り組んできたところでありまして、ご理解をいただいたうえで私は進めさせていただいているものであります。まだひと月ちょっとではありますけれども、市民の皆さんのご協力とご理解のもと、私は大きな成果が出てきているというふうに思っています。思いは、将来世代へ負担を少しでも残さないという思いであります。その思いを共有をしながら、まずはこの制度の定着に取り組んでいきたいというふうに考えています。

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