12月 |日本共産党 金沢市議員団 2017 |日本共産党 金沢市議員団

2017年12月

認定第2号 平成28年度金沢市公営企業特別会計決算認定に対する

反対討論

2017年12月14日 森尾 嘉昭

私は、日本共産党金沢市議員団を代表して、認定第2号 平成28年度金沢市公営企業特別会計決算認定に対して、認定できないことを表明し、討論を行います。

その主な理由について

第一に、水道事業特別会計です。

水道事業会計では、県水受水について、その契約内容の変更がおこなわれました。

その一つが、県水受水の責任水量制です。これまでは契約水量の7割を支払うというものでしたが、27年度から6割に引き下げられました。その結果、年間の受水費30億円が⇒25億7千万円へと4億3千万円削減となりました。

二つ目に、平成28年度、県水受水契約が変更され、一日最大受水量118,950tがさらに、10年間(37年度)延長されました。そして、29年1月から能美市の県水受水開始に伴って、本市の一日最大受水量が(118,950tが⇒113,220t)削減されました。その結果、受水費が(25億7千万円が⇒25億4千万円へ)3千万円削減されました。

以上のことから、会計上では、4億6千万円の支出削減となり、水道事業会計は、平成27年度11億5220万円、平成28年度14億1871万円と大幅な黒字を生み出しました。

したがって、水道料金の引き下げをおこない。市民への還元をすべきでした。

ところが、本市企業局は、この黒字額をほとんど建設改良積立に積立、建設改良事業の財源としました。県水受水契約の改善によってもたらされた財源は、水道料金の引き下げを実施し、市民に還元するべきです。

本市の水道事業の現状と今後の方針について、指摘しておきたいと思います。

本市の水道事業の現状は、県水が48%、自己水が52%となっています。

その県水単価は、99円/1㎥、自己水単価は、25.35円/1㎥ですから、県水は、自己水に比べ4倍も高いものとなっています。一方、自己水は、20万5千トンの排水能力がありながら、37%しか利用していません。

こうした原因を生み出しているのが、県水受水契約であり、その内容が必要以上の契約水量の上に、責任水量制となっているからです。

責任水量制について、その割合が7割から6割に引き下げられたとはいえ、膨大な契約水量の6割を受け入れています。

その結果、単価が自己水に比べ4倍も高い県水を受け入れ、安くておいしい自己水を4割しか利用していません。

今後、安くておいしい自己水を基本とする水道行政に切り替えることを強く求めておきたいと思います。

 第二は、工業用水道事業特別会計です。

 先端企業を誘致するとして造成された森本テクノパークは、いまだ4分の1が売れ残ったままとなっています。この工業用地に進出した企業に工業用水道を提供するとして設置され、運営されているのが、この特別会計です。

当初から、利用する企業からの給水収益では賄えないとして、赤字は、すべて一般会計から補てんするとしてきました。平成28年決算では、一般会計から収益的収入に約1400万円、資本的収入に1600万円、合わせて3000万円が補助金として支出されています。一方、給水使用料金は、開設以来20年間同じ料金となっています。現状では、この工業用水道を利用しているのは、3社にすぎず、その内一社の利用が9割を占めています。事実上、一握りの企業のために3000万円の市民の税金が毎年投入され続けているのが現状です。

  本市の事業の失敗によって、市民に負担を押し続けている現状は、とうてい市民の理解を得られるものではありません。以上で討論を終わります。

平成28年度金沢市歳入歳出決算認定について      2017年12月15日 広田みよ

わたしは、日本共産党金沢市議員団を代表し、平成28年度金沢市歳入歳出決算認定について、認定できないことを表明し、その主な点について討論を行います。

 第1は、地方自治体本来の役割である市民生活と福祉の向上という本来の役割とは逆行する施策が行われていることが決算を見ても明らかなことです。国民健康保険料は平成25年に算定方式が変更され、加入世帯の4割が保険料の引き上げとなった結果、従来の2倍の保険料となるような状況もあり、大変深刻です。滞納世帯は12470世帯、短期保険証が発行されている世帯は2968世帯、保険証の取り上げである資格証明書の発行は1146世帯にのぼっています。

一方、特別会計は6年連続の黒字となり、その黒字額によって平成27年度最終補正で16.5億円の基金を創設しており、28年度も15億8千万の基金残高があります。保険料引き下げの財源は十分にあると考えますし、引き下げが必要です。

 

 また、家庭ごみ有料化の導入に向けて市民へ説明が行われてきましたが、聴いていない市民の方が多く、市民からは納得が得られないほか、ごみの量についても家庭ごみはここ5年でもっとも減り、事業系ごみも増加傾向であったものが減少傾向に転ずるなど、併せて3500tもの減少があった。「説明会を行い市民の意識が高まった」と環境局、市長自らが述べている通り、有料化しなくてもごみは減るということであり、ごみ有料化実施の再検討、基本計画の見直しをするべきです。

また、この決算常任委員会の開始に28年度の一般廃棄物の量が出そろっていなかった点は問題であり、来年からは例年通りに夏の報告を徹底するよう求めておきます。

 

 第2は、このような状況下で大型開発が一段と進められ、予算が執行されました。金沢港の港湾整備事業は大手企業のコマツのために、道路関連を含めた整備事業を行うとして、これまで264億4千万円が投入され、本市の負担分は43億7千万円となっています。金沢の外環状道路に伴う大友、直江、近岡などの区画整理事業も大型事業として進められてきました。

一方で、28年度末で、保育所・認定子ども園の耐震化率は91.6%、学童保育が76.8%と22のクラブが古い民家で運営を続けています。大型開発ではなく、市民の安全安心を守る基本的な事業に振り向けるべきです。

第3は、先端産業を誘致するとして呼び込み型の企業立地が行き詰まって市民負担を押しつけられる一方、伝統産業など本市の地域産業が衰退してきている点も見過ごすことはできません。議論があったように、金沢テクノパークは約280億円を投入しましたが、いまだ4分の1が売れ残り、平成19年に1社が立地して以降、平成28年まで9年間、立地はゼロです。工業用水を維持するために毎年約3,000万円が一般会計から投入されています。

また金沢駅西口にインターナショナルブランドホテルを誘致するとしてオリックスへ土地を売却したが、市民の土地を使って、県外の大手資本を誘致することは許されないし、土壌汚染も見つかり市税を投入することになりました。

地元の伝統産業や製造業、小売業など本来の地域経済に寄与する政策転換が求められていると指摘しておきます。

 

 第4に、この間議論となった施策が、決算上から見ても問題点があると指摘しておきます。

金沢プールが28年度中に完成しましたが、オープン前に飛び込みトレーニング室で事故が起こりました。市の途中段階での建設変更、安全対策の欠如、指定管理者がただちに連絡をしなかったという協定違反など様々な問題点もあきらかになりました。専門有識者による施設の見直しと、指定管理者の契約取り消しが必要です。

そして事業費が当初の50億から膨れ上がり、周辺整備、備品あわせて81億ものプール事業になっています。一方で、市営総合プールの廃止の方向性が出されましたが、市民からは存続を求める声が多く、また、内川スポーツ広場のそり遊びのための人工芝も使用できない状態です。こうした身近な体育施設こそ重要であることを強調したいと思います。

 また、小中一体的な整備として、泉小学校、泉中学校建設が進められています。これまで指摘してきたように、古くなった小中学校を新しくしてほしいとの要望を理由に、2つの小学校を統廃合し、小中校の一体的建設へと進めてきました。その事業費は累計で42億に上っています。今後の学校施設の整備計画と実施に当たって、市民の理解と合意を得ていくことを強く求めておきたいと思います。

マイナンバー制度の実施は全国的にも批判が強く、ご配送などさまざまな問題も起こっています。必要性が少ないのもあって、実施の到達点も大変少ない現状にあります。本市の個人番号カードの交付数は28年度末で約3万2千枚、7.1%にすぎません。しかし決算から見ると平成28年度までにで約6億6千万円以上もの税金をこの制度のために投入しています。その多くが、大手電機・通信企業(金沢では富士通、インテック)が受注しています。住民のための制度でないことはあきらかでさらなる利用拡大はやめるべきです。

 最後は、職員定数の削減問題です。非常勤職員と臨時職員を合わせると1160人となり、職員の約26.2%に上ります。一方、正規職員が減り続け、平成21年度と平成28年度の決算を比較すると正規職員は101人減り、非常勤職員は317人ふえています。結局、正規職員を減らしてその分を非常勤職員や臨時職員で補うということが続いています。

例えば教育現場では、各学校に配置されていた校務士の定年退職とともに不補充を繰り返し、未配置校が22校にものぼっています。結果的に教育現場への影響が指摘され、議会でもこの問題の改善を求めていますが、引き続きこの分野での職員の削減等が続けられています。ごみに関する業務、学校給食に関する業務でも民間委託化が進んでいるだけに、正規職員の配置を通じて職場の働く環境を向上させ、市民の要望や負託に応えることが何よりも大切だと指摘し、討論を終わります。


 12月議会で出された議案や意見書のまとめはこちらです。→ 広田議員のページ

わたしは日本共産党金沢市議員団を代表し討論を行います。

わが党は上程された議案19件の内、議案第41号、議案第44号、議案第46号及び議案第50号ないし議案第54号の議案8件について反対であります。

その主な理由について述べます。

議案第41号の補正予算の一部と議案第54号については、インターナショナルブランドホテル用地の土壌汚染除去費用に係るものであり反対です。

駅西の暫定駐車場として利用していた本市の用地等をオリックスに売却し、ハイアットセントリックなどの富裕層向けのホテル等を建てる計画に伴い、売買契約前に見つかったヒ素と鉛の汚染土壌について、10月から除去をはじめており、その事業費が変更されたというものです。

大事な市民の土地を、本市がブランドホテルを誘致するため大手企業に安く売却し、土壌汚染の除去や周囲の整備にまで及んでいるなど、市民の理解が得られているとは言えません。

議案第44号「特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正について」は、特別職の職員に対する期末手当を0.05月分引き上げるものですが、市民のくらしが大変なときに、理解は得られないと考えます。

議案第46号「金沢市職員退職手当支給条例等の一部改正について」は、本市職員の退職手当の引き下げに関するもので、5年前の大幅な引き下げに続き、今年度末定年退職の方は平均で85万円引き下げるものです。「官民近郊の確保」とされていますが、公務員の退職後も守秘義務が課され、雇用保険も適用されないという特殊性を無視し、生涯設計に大きな影響を及ぼすものであり、反対です。

議案第50号ないし53号の4件は、本市第二本庁舎建設工事の請負契約についてです。第二庁舎建設をめぐっては、市民からの批判の声が広がり、議会棟の移転と上空通路建設を断念する経緯がありましたが、新たに市当局が提案した内容は、行政機構を移転し、建設計画を当初どおり進め、事業費も64億円から55億6,000万円としました。これでは、議会棟の移転がなくなったスペースを穴埋めするものです。調査や解体、備品購入などで、さらに税金が投入される見通しで、到底市民の理解を得られるものではありません。

請願第26号「国民健康保険制度の改善を求める請願」は国保をよくする金沢市実行委員会ほか103の団体から出されたものです。

本市は2013年度に国民健康保険料の計算方式を変更し、低所得世帯や多人数世帯、障がい者のいる世帯などで国保料を大幅に増額し、保険料が変更前の2倍以上に増額となった世帯も発生しています。同じように旧ただし書き方式に変更した名古屋市などでは国保の応能負担の原則の観点から、独自の恒久的な軽減と措置をおこなっています。

国民健康保険は、加入者の過半数が年金生活など無職者であり、国庫負担があって成り立つはずが、国庫負担が引き下げられ、保険料の増加につながっています。この高い保険料によって、本市ではおよそ2割の世帯が保険料を滞納し、短期保険証や受診手遅れにもつながっている資格証明書が発行されています。

よって、この請願が求める改善が必要であり、この請願に賛成です。

この請願は、付託された市民福祉常任委員会で不採択となりましたが、我が党は、この不採択に対し反対し、討論を終わります。

私は日本共産党市議員団の一員として以下数点にわたり質問いたします。

最初に介護の問題についてお尋ねします。

 

 2015年の介護報酬の引き下げに続き、要支援1,2の方々への予防給付を自治体が独自に実施する新総合事業に変更する法決定が実施され、本市においても、訪問介護と通所介護が自治体の事業へと移行する総合事業がこの4月からスタートしています。本市の場合身体介護または、身体介護と合わせて、利用する生活援助は、従来の介護予防報酬と同等の報酬単価としましたが、緩和型としてつくられたサービスは報酬が大きく削減されました。これについてわが党は、安上がりの介護でサービスの低下につながるのではないかと指摘をしてきました。

要支援者への訪問介護の内容の多くは家事援助が中心で生活支援型であることから、これまで通りの訪問介護を実施すると20%も収入が下がることになり、介護事業所の総合事業への登録が少ないという問題が起こっています。本市においては介護予防型の訪問サービスの事業所指定数は111事業所で利用者は205人、対して基準緩和型の訪問サービスは、60事業所の登録で利用者は476人となっています。この数字からも、基準緩和型の事業所探しが困難になっているということは明白です。地域的にも差があり、サービスを利用したくても、自分の生活する区域には、事業所が見つからないという実態も生じています。

 基準緩和型の訪問サービスは、簡単な研修を受けた市民の方も、ケアサポートとして行うことが可能になっています。9月議会で我が党は事業者、利用者双方に本来の介護予防が行えない基準緩和型はなくすようにとの質問に、市長は、基準緩和型サービスは基本報酬の引き下げで人員基準が緩和され、そのことで事業所の必要経費が圧縮されたり、受ける方にとっても、8割の負担で受けられる利点があると答えられました。しかし、現実は、そのような環境になっていません。ケアサポーターの業務は簡単な家事援助とはいうものの、資格を持ったヘルパーとは判断力や対応力が違います。利用者の方々との何気ない日常会話から、体調不良や悩み事の有無を感じ取ったり、悪質な詐欺被害を未然に防いだりしたという事例も報告されています。特に軽い認知症の方の言動の異変を早期発見、早期対応することは,介護予防からも重要なことです。故に、事業所側は持ち出しで従来のヘルパーを雇っていて、やればやるだけ赤字になっていくのです。本市の介護予防を担う事業所が疲弊していては、介護予防の目的を果たすこともできません。本市として責任をもってアンケートを取るなどで、実態を把握し事業所が健全な経営ができるようにしていくべきではないでしょうか。

移行前より低い介護報酬で行われている「生活支援型訪問サービス」、開始後事業所の経営への影響について本市はどのように認識しているのかお伺いいたします。

  そして、訪問サービスの介護報酬を総合事業移行以前の基準に戻し、安易にボランティアなどへの振替を行わないよう強く求めますが、いかがでしょうか。

 来年3月までには、すべての要支援の認定者が認定更新の時期を迎え、総合事業の対象となります。一刻も早い対応をどの様に考えていますか、お尋ねいたします。

介護保険の削減ありきの総合事業であってはならないことを強く求めます。

 

 この質問の二つ目に、介護施設についてお尋ねいたします。

 2015年の制度改悪以降、特別養護老人ホームは要介護3以上の方という入居制限がされました。これによって介護1と2の方が門前払いとなり 特養ホームに入りたくても入れない状態です。介護3の方は入所できるかと思ったら希望する特養ホームはいっぱいで待機者だと言われたといいます。在宅での生活も困難となった方は、行き場がなくなり大変苦労されています。特養ホームの待機待ちをしながら有料老人ホームに入居している方もいらっしゃいます。

入居しても居住費や食費の負担が大きく、これからの生活に不安が募るという方や お金が払えなくなり退所せざるを得なくなったという方もいらっしゃいます。特養ホーム入居待機者の方が有料老人ホームなどに入居されている場合には、特養ホーム入居者と同等の減額措置が認められればこのような不安感はなくなります。

在宅の介護となれば、家族が介護を理由とした離職に追い込まれるなど、収入が大幅に減ってしまうという事例が全国各地で起こっています。私のもとに相談に来られた95歳の父親を在宅で看取ったという方は、特養に入りたいという事でずっと入居の順番を待っていらっしゃいました。その間、ヘルパーさんの援助も受けながら、制度も目いっぱい利用して、介護をしていったといいますが、昼夜の区別のない介護で、何回も、「もう限界だ」と思ったといいます。「常に重い負担を背負っていた」と言いました。介護保険は、介護を必要とする人を社会全体で支えるとの理念から生まれました。しかし、現実は特養ホームに入居したいが入居できないという、介護保険の理念からかけ離れた事例が起きています。今後本市として、特別養護老人ホームの新設・増設を図り、入居希望の方を積極的に受け入れる計画はありませんか、お尋ねいたします。

 

 この質問の最後に、来年4月からの長寿安心プラン第7期計画の保険料についてお尋ねいたします。現在本市の第1号被保険者の基準保険料は、6280円です。これは介護保険制度がスタートした時と比べて約2倍近くになっています。安倍政権の年金改悪の下、市民の生活はますます苦しくなるばかりです。介護保険の収納率は制度発足以降98%を超える水準を維持しています。これは、65歳以上の被保険者の圧倒的多数の方が、強制的に介護保険料が年金天引されているためです。しかし、いざ介護保険を使おうとすると、いろんな制約があって使えません。高い介護保険料を払える保険料にしてほしいというのが、市民の切なる願いです。審議会での議論が始まっていると伺っていますが、介護保険料は下げるべきです。そして、低所得の方には減免等の制度の情報の提供を徹底すべきと考えますがいかがでしょうか、お伺いいたします。

 

 

 

 次に市営住宅についてお尋ねいたします。

 

 日本全体で高齢化社会が進み、その対応が求められていますが、本市の市営住宅の高齢化率は31,5パーセントで、それに加えて、住民同士の関係性が希薄になりコミュニティの衰退は大きな問題になっています。

こうした現状を踏まえて、平成28年3月、高齢化等に対応した市営住宅のあり方検討会が答申をまとめています。この中で、次のように今日的な在り方を述べています。「住みたい、暮らし続けたい交流拠点都市金沢の住まい暮らしづくり」の基本理念のもと、市営住宅は人口減少社会においても困窮する社会的な弱者に対する受け皿としての役割が高まっており、既存ストックの機能改善と福祉の連携により、住まいのセーフティーネットとしての機能向上を図るとし、福祉を意識した市営住宅行政の実践が大切だと述べています。

そして、この3月には緑市営住宅再整備計画が出されました。緑市営住宅は現在40棟、1358戸で構成されています。昭和40年代の急激な経済発展に伴い、住宅需要にこたえて建設されました。その緑市営住宅が更新時期を迎えております。耐震化工事によって延命化されましたが、バリアフリー化がされていない住棟・住戸が多いため、段差や階段が高齢者にとって大きな負担になっています。エレベーターのない5階建て住宅は建て替えによる新しい住宅として、この10年の中で整備を行っていくとしています。建て替え対象になっている棟に住んでいる方は、「いつ建て替えになるのか」と不安を抱えながら住んでいるといいます。住民に不安感を抱かさないようにする為にも、緑市営住宅構想を広く住民に知らすべきと考えますがいかがでしょうか。

高齢化の対応策の一つに若年世代の入居を促すとして、所得要件の見直しを進めていくとしています。それと同時に、市営住宅を新築する際は若い世代にもアピールができる市営住宅にしたらどうでしょうか。先月内灘町は、子育て世代向け世帯用に2LDKから3LDKの部屋を確保する、木造平屋、2世帯1棟の作りの町営住宅、県営住宅の起工式を行いました。既存の住宅と、コミュニティにも、配慮した住宅との事で戸建ての住宅に住んでいる感覚になる構想だと思いました。緑市営住宅においても、コミュニティにも、若い世代にも配慮した新しい考えの市営住宅の整備を求めますがいかがでしょうか。

 

 また、市営住宅に、長年住み続けている方から、部屋の傷みは直してほしいとの声が寄せられてます。本市の市営住宅では、畳の入れ替えは20年を超えてからという規則があると聞きました。ある方は、初めから畳を汚さないようにとの配慮からカーペットを引いていたり、破れた畳はガムテープで補強したりと涙ぐましい努力をしています。一般的に、畳は10年から15年で入れ替える時期だといわれます。畳の入れ替えのサイクルを短くするよう求めます。同時にその他の部屋の改修の要望に対してもすぐに対応しているのか、伺います。

 今、高齢化が急速に進んでいる市営住宅において、高齢者の集いの場として空き室の利用ができないでしょうか。本来は、住宅困窮者への賃貸が目的ですが、公営住宅法の改正により住居用途以外の使用も可能になり少しずつ住民の地域の支援活動の場として使用している事例を他の自治体から聞くことがあります。

 集会場があるから、そこを使えばいいと言われてきましたが、集会場の利用状況を見ても、福祉目的など社会参加活動に使用する事はほとんどなく、利用者が少人数であったりの時や集会場の場所まで高齢者が行けないなど集会場の使い勝手の困難さの声も、あがっています。空き室を、コミュニティの場として活用している事例も他の自治体でありますので、本市においても、そうした活用ができないのかお伺いいたします。

 

 そして、市営住宅に関して早急に改善しなければならないのが保証人の確保です。

入居を希望されている方にとって大きな問題で、保証人がいないため市営住宅の入居を諦めた方も多いと聞いています。暮らしが大変なため、保証人にはなれないと断られると、私のもとに相談に来られた方がありました。また、「兄弟姉妹に保証人になってもらっていたが、亡くなってしまった。身寄りがなく、保証人がいない」との相談も多く寄せられています。もちろん、民間の賃貸物件でも保証人が必要ですので保証人を置かずに市営住宅への入居を認めるわけにはいきませんが、例えば、緊急連絡先でも可能とする自治体もあることから、本市においても入居者や、入居希望の方々の生活実態を考慮して、入居が可能となるよう対応する事を、強く求めたいと思いますがいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 最後の質問は、子育て支援についてです。

現在、認可保育所への申し込みが行われていますが、希望どおりの場所に子どもを預けることができるか、決定がくだるまで不安を抱く親たちも少なくありません。今年度本市は2017年3月末には21名の方が未決定になっていましたが、4月には待機児童ゼロという報告がなされました。しかしこれは、認可保育所に入れなかった人から、企業主導型保育所に入った人、認定保育所に入所できない為に育休を延長した人、あきらめて申請を辞退したを除いた結果にすぎません。またこの間、年度途中からも、保育所へ0,1歳児の保護者から入園申し込みの電話がかかり、断るのが本当に忍び難いと言うこともお聞きしています。。そこで、30年度の申し込み状況並びに希望する施設に入所できるかどうかの見通しをお伺いいたします。

本市においては、今後出生率が低下する一方働くお母さんが増えていることからも、ますます保育所への要望が大きくなっています。

ここ数年、保育所申込が殺到する西部地域は、さらに深刻です。市民福祉常任委員会では、保育所整備によって定員増の確保に取り組み、さらに民間の保育施設の公募をかけているとの報告がされていますが、本来ならば市が責任をもって公立の保育園を設置しなければならないと思います。公募で保育所設置の事業所の申込みがなかったときは、どのように対処するおつもりなのでしょうか。子育て・保育にかかわる重要な問題です。民間保育所設置が困難になった場合は公立保育園を設置するお考えはありませんか、市長のお考えをお聞かせください。

 

待機児童解消への要因の一つに、保育士の確保があります。保育士不足の最大の原因は賃金の低さにあります。先日、幼稚園で13年勤務しているが保育所に転職したいという方からお話をお聞きしました。幼稚園での経験年数は見てもらえず、賃金は月14万から15万円と言われたということです。これでは、とても保育所で働けないと言っています。専門職にふさわしい待遇が必要ではないでしょうか。国は2017年度キャリアアップ処遇改善の仕組みを創設しました。しかし、この仕組みがいつまで続くかわからないばかりか、一部の保育士にしか適用されず、全体の賃金の底上げにはなっていません。配分には大変苦労するとの意見も聞いています。

 

ぜひ本市として独自に保育士の処遇改善する方策に取り組むべきと考えますが、市長のお考えはいかがでしょうか。

以上でわたくしの質問を、終わります。

 

 

 

-山野市長

 7番大桑議員にお答えをいたします。

 

 介護保険につきまして何点かお尋ねがございました。総合事業開始後における事業者への影響についてです。本市では基準緩和型サービスの担い手といたしまして、金沢ケアサポーターを養成をしており、これらの人材の活用を図ることで事業運営に必要な経費の一部が圧縮されることから、必ずしも経営が悪化するとは考えてはいません。今ほど申し上げました金沢ケアサポーター、安易な振替は行わないようにというご提案をいただきました。基準緩和型サービスにつきましては、身体介護の必要ない方が通常サービスの8割の負担で生活援助を受けられることが利点でもあります。基本報酬を従前並みに戻すということは、利用者の負担増につながりますことから、今のところ考えてはいません。また金沢ケアサポーターにつきましては、総合事業の拡充、事業所経営の安定化に資するものと考えておりまして、今後とも事業者や利用者への理解を求め、活用の促進を図ってまいります。今後基準緩和型サービス利用者の増加が見込まれるのではないかということです。基準緩和型訪問サービスにつきましては、未だ指定を受けていない訪問介護事業者も多いことから、今後良好な運営を行っている事業所の事例なども紹介をし、事業への参入を促すことでサービス提供体制の拡充を図ってまいります。特別養護老人ホームの増設のことについてご提案がございました。現在第7期長寿安心プランを策定しており、この中で改めて日常生活圏域ごとの入所待機者の状況を把握したうえで、必要な施設につきましては引き続き整備をしてまいりたいと考えています。第7期長寿安心プランにつきまして、介護保険料の引き下げのことについてお尋ねがございました。第7期の保険料につきましては、今後3年間に必要なサービスの給付量を適切に見込み、その費用にあった額を設定をすることになっています。低所得者に対する様々な減免、さらにはその周知をさらに努めるべきだというご提案をいただきました。これまでもパンフレットやホームページによる周知に加え、減免に該当すると思われる方への個別の通知をさせていただいているところでありまして、制度の利用を促してきたところであります。引き続き多様かつ効果的な方法で市民の方々への丁寧な情報提供に努めてまいります。在宅介護を推進するべきではないのではないかというお話をいただきました。高齢者、お年を召した方お一人お一人が尊厳を持ちご自身の住み慣れた生活し慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、これまでも長寿安心プランの基本理念として地域包括ケアシステムの構築を図ってきたところであります。現在策定中の長寿安心プランの中でもこの基本理念を継続するとともに、医療と介護の連携による切れ目のない支援を充実させていくことにより、在宅で介護を受けることになった高齢者とそのご家族にとっての負担の軽減をできる限り図ってまいりたいと考えています。

市営住宅について何点かお尋ねがございました。若い方、さらにはコミュニティにもっと重視をすべきではないかというご提案でした。市営住宅はご案内の通り住宅に困窮する方に住居を供給するということを目的としているところであります。この目的や範囲を逸脱した整備にはおのずと限界があるということは、大桑議員もご存じかというふうに思っています。その中でできる限りの施策に取り組んできたところでもあります。現在建替え中のみどり住宅の建設事業におきまして、子育て世帯向けの住居を十四戸供給することにしています他、共用ホールや建物周辺などにコミュニティスペースなどを設けるなど、若年世帯の入居やコミュニティの活性化に十分配慮をしながら整備を進めてきているところであります。市営住宅の空き室を地域に開放すべきではないかというご提案をいただきました。先ほど申し上げましたように、市営住宅はあくまでも住宅に困窮する方に住居を供給するということを目的としているところであります。現在、先ほど大桑議員が仰っていただきましたように市営住宅におきましては、集会所を活用して子供と高齢者の交流や様々な文化活動が行われている所でもあります。屋外にはベンチなどを配したコミュニティスペースも設けている所であります。今後とも引き続きこのようなコミュニティ施設の積極的な活用を促していきたいというふうに思っています。先ほど申し上げました建替え中のみどり住宅にもこういったコミュニティスペースを設けるなど様々な手立てを取っているし、これからも取るところでありますので、ご理解をいただければと思います。保証人のことについてお尋ねがございました。入居時に連帯保証人を必要とすることは市営住宅条例で規定しておりまして、これは大桑議員ご自身もご理解をいただいているかと思います。家賃債務の保証の他、緊急時の連絡先、入居者死亡時の遺品の整理など管理上大切な役割を担っていただいているところであります。保証人を不要にするということはこれはやはりできないことだというふうに思っています。ただ今年の6月公布されました民法改正によりまして、保証人の保護が拡充をされましたので、それらの対応策等につきましては今後検討させていただければというふうに思っています。

西部地区における保育所の公募のことについてお尋ねがございました。事業者の応募がなかったらどうするんだということです。現在は公募期間中であります。多くの事業者が公募説明会にご出席をいただきましたので、それらの事業者から様々な提案が出てくることを期待をしているところであります。保育士の処遇改善のことについてお尋ねがございました。まずは本年度創設されました処遇改善加算の適正な実施により、保育士の処遇の向上を実現をしていきたいと考えています。国におきましても、保育士の確保に向けた賃上げが検討されているところでありまして、今後とも国の動向も注視していきたいと思っています。

 

 

-木谷都市整備局長

 私の方からは市営住宅に関します2つのお尋ねについてお答えをさせていただきます。

1点目、みどり住宅の再整備計画の周知についてです。みどり住宅再整備計画で建替えの対象となる未耐震棟の入居者には、平成28年に将来的に建替えする旨を案内しており、再整備計画の内容は今年6月に町会長会議でも報告したところであります。今後国の補助採択を受け、建替えの時期が明確となった時点で改めて関係する入居者に丁寧に説明して参ります。

2点目、畳替えのサイクル見直しや各種の修繕への対応についてです。市負担の修繕につきましては、入居者からの連絡を受け速やかに対応しているところであります。なお、畳替えのサイクルは平成14年度に畳の経年劣化の状況を検証した上で15年から20年に変更したものであり、ご理解をお願いいたします。

 

 

-太田副支局長

 保育所等の入所申し込みの状況と入所の見通しについてのお尋ねがございました。来年度の保育所等の入所申し込みにつきましては、利用定員14,006名に対しまして、13,912名の申し込みがあります。昨年度と比べますと3歳未満児の占める割合が増えております。市内全体ではまだ空きがございますけれども、西部地区また駅西臨海地区を中心に定員を超え希望する施設に入所できない方が出る見通しでございます。

 

 

-30番森尾嘉昭議員

 市長に伺っておきたいと思うのですが、歴代の市長と市議会は金沢市に安心して住んでおられるような社会保障の制度の充実や市営住宅を含めて町づくりの問題で文字通り市民の願いを実現する施策を先進的な都市として作り上げてきたと思うんです。その一つがみどり住宅の建設でもありますし、身障3級に対する医療助成の制度、ポストの数ほど保育所を設置するという制度などがその一つの特徴でもあったと思うんです。その制度が実現してきたことを受けて、周辺の自治体は金沢市を模範にこの制度を取り入れるなど、周辺自治体にとっても金沢市が一つの模範としてなってきたわけです。そのことが今日、周辺自治体にとってみれば安心して住民の人が暮らせるような町を目指そうということで進んできたんですが、逆に金沢市の施策はこうした状況からみると今日立ち遅れが目立ってきています。その点で大桑議員が質問した介護の問題、そして市営住宅の問題、保育所の問題というのを具体的に質問したと思うんです。しかしこの中には市長の答弁を聞いていると金沢市として積極的に金沢市に住んでいて安心ですよ、金沢市は独特の特徴ある制度を推進していますよという答弁としてはなかなか映ってこなかったというふうに思うんです。例えば保育所の施策でいうと、24時間保育を先進的に打ち出して全国的に特徴ある保育制度の都市として全国に知られるなど持ってきました。こうしてみると今回のやり取りを聞いていても、介護の制度の問題や介護保険料の問題、希望の保育所へ入れる仕組みを作ってくれ、また市営住宅も安心して暮らせるような住宅に作ってくれ、こうした市民の要求に一体本市は積極的に応えているんだろうかという点は、非常に答弁を見ていても意欲ある施策として市長の答弁は聞こえてきません。再度、介護の問題を巡っても保険料の改定を来年受けるわけですので、そして希望ある方々が全て保育所に入れるようにしてほしい、市営住宅も安心して入れるようにしてほしい、これらの市民の要求に応えて、金沢市が積極的に前向きな施策として推進してくように、私は意欲ある施策を打ち出すべきではないかというふうに考えています。その点、改めて伺っておきたいというふうに思います。

 

 

-山野市長

 私の言葉、私のプレゼンに力がないことはこれから今ご指摘をいただきました、しっかりと伝わるようにしていかなければいけないというふうに思っています。ただ時代も変わりつつあることもご理解いただければと思います。少子化・高齢化が進んできました。扶助費が年々多くなっているところでもあります。今、国におきましても税と社会保障一体の改革の中で取り組んでいるところであります。その中でできうる限りの施策をこれからも取り組んでいかなければならないというふうに思いますし、今ご指摘いただいたその伝わり方、伝え方というものもしっかりと意を用いて取り組んでいきたいというふうに考えております。

 2017年度 12月議会 一般質問(一問一答)

1.中央地区における教育施設などの再整備について

2.家庭ごみの有料化について

 

1.中央地区における教育施設などの再整備について

-広田議員

質問の機会を得ましたので、日本共産党金沢市議員団の一員として質問をいたします。

 まずは、中央地区における教育施設の再整備についてです。市長は9月議会の冒頭で、中央地区での中学校の新設計画について、「玉川子ども図書館の敷地に中央小学校を移設し、現在の中央小学校を中学校の校舎として活用することが最善の道」と表明をいたしました。さらに今議会の冒頭では、「子ども図書館の改築に併せ、公文書館を整備することが望ましい」と公文書館整備基本計画検討委員会から意見があったことを明らかにしました。ふりかえってみると、出発点は「小将町中学校の規模適正化、通学区域の適正化のために、小将町中学校を中央地区への移設する」という話です。しかし出された案はそれだけに留まらず、中央小学校をも移設する。しかも移設先は現在の玉川子ども図書館敷地だとしました。学校と図書館を併せてつくりなおすということも言われていますし、複合化するのではないかという話まで出ており、しかも公文書館をも入れ込もうという計画です。教育だけではなく、図書館、公園、そして文書管理に及ぶ大きな構想に膨らんでいます。これらの市長の突然の表明に地域や市民、関係者の中には、驚き、疑問の声があがっています。

まずは、教育長にお聞きします。「この地域の子どもたちや教育はどうなるのか、地域の拠点としての役割はどうなるのか、まちづくりはどうなるのか」など、市民から不安や疑問の声があがっています。その観点で、今回の案に至った道筋や考え方についてあきらかにしていただきたいと思います。本来、学校や図書館の配置は子どもが安心して学べる教育環境や地域の拠点や市民の学びの場としての施設づくりを第一に考えるべきであると考えます。いかがでしょうか。

 

-野口教育長

 今回の中央地区での教育施設の再整備につきましては、平成26年の2月に教育環境の充実を目指して重点戦略計画に盛り込んで、その後の金沢市中学校の通学区域の在り方検討会の提言や通学区域審議会の答申を踏まえて検討を行い、今9月定例議会市議会冒頭において市長から提案があったものでございます。現在具体的なことにつきましては、中央地区教育施設再整備検討懇話会において議論を進めているところであります。この検討委員会におきましては、この委員として学校及び図書館の関係者はもとより、公共建築・公園などの町づくり関係の学識経験者や地域関係者に参画をいただいており、仰せの通り長期的な観点も含め多角的な見地で検討を行っているところでございます。

 

-広田議員

 26年に中心部の旧学校施設の将来像について提言があり計画が立てられました。その後、小将町中学校に通われる生徒さん達の通学区域の問題が加わってきたわけですけれども、その中で中央小学校の移設であるとか、玉川こども図書館と一緒に作り直すという案は出ていたのでしょうか。

 

-野口教育長

 平成26年の重点戦略計画の中におきましては、中学校の通学域の在り方の中で中央地区に中学校を作るということについて述べておりますので、その計画はあったという認識をしております。

 

-広田議員

 中央地区への移設を、(市は)新設とお呼びになっておりますけれども、その計画はありましたが、どこに移すとか中央小学校をまさか移設するとか、玉川こども図書館の所に移設するとか、そういう話は出ていなかったはずですけどいかがでしょうか。

 

-野口教育長

 その後で様々な視点からどこにその学校を新設・移設するとかいろいろな話し合いをしているところでありまして、その中の議論の中で今回の考え方が出てきたものでございます。

 

-広田議員

 決して計画にあったものではなく、この間の議論の中で出てきたものということですから、私はどういう観点でこういう計画案に移ったのかということを聞いているわけです。子供たちの教育がどうなるのか、地域の拠点としての役割がどうなるのか、町づくりがどうなるのか、それがどんなふうに議論されてきたのかということについて、もう一度ご答弁いただきたいと思います。

 

-野口教育長

 この中央地区において中学校ができ、教育施設の再整備ができましたら、まずは小将町中学校の規模の適正化ということが解決されると思っておりますし、また中央小学校の子供たちが3つの中学校に別れて進学をしているわけでありまして、こうしたものが1つの中学校に進学をしていく、そうした観点での通学域の在り方についても解決できると思っておりますし、またこの中央地区の町づくりについてでありますけれども、この教育施設の再整備が実現できれば、今ほどお話しいたしました子供たちの教育環境の充実が図られますとともに、図書館とか近世資料館とか歴史的とか文化的価値の高い資料を整えた施設が集約をされて、知的資源の集積を図ることができると思っておりますので、そうした意味で町づくりにも資すると考えております。

 

-広田議員

 今お話を伺いますと、あるべき姿を議論してきたのではなく、小将町中学校を移設するにはここしかない、それに従ってできるか論を先行し、後付けのように理由をくっつけてきたというように受け取られてもおかしくないというふうに思います。聞き方を変えますが、町づくりのことに関して教育委員会所管の常任委員会で「学校の再編に伴い都市政策や福祉などについてどうなるのか」という質問がすでに議員さんから出されていますが、そのことについての答弁で「教育委員会だけでなく、都市政策や福祉関係の部署も入れながら検討をしている」という答弁がありました。今回の案が出てきた経過にその検討がどう活かされたのかあきらかにしてください。

 

-野口教育長

 これまで教育委員会の中で会議を持たせていただきまして、今お話がございました観点も含めて協議をさせていただいているところでありまして、これからもしっかりと今お話があった部署等とも関係を図っていければと思っておりますし、これまでもそうしたところも入れ込んで話をしてきたのではないかなと私は認識をしております。

 

-広田議員

 そのような検討もされているし、引き続きしていく段階だということでした。

では、10月2日に地域代表や有識者に意見を聴くとして、中央地区教育施設再整備検討懇話会というものが開かれました。私も傍聴に参加しましたけれども、第1回目であるにも関わらず、公文書館をのぞく具体的案が教育委員会から当然のように示され、意見を聴くと言うよりは委員さんたちに理解を求めるというような印象でした。委員さんからは「中央小学校は移設しなくてもいいのではないか」「公共の図書館と学校の図書館は機能が異なる」など、さまざまなご意見が挙がりました。しかしながら2回目の懇話会はすでに「複合化の視察に行く」ということを済ませているなど急いでいる印象ですが、私はこの懇話会でもっと、先ほど言ったような子供たちの教育や公共施設の在り方、町づくりなど多角的な検証、そして皆さん方のご意見を聞くべきだと思いますがいかがでしょうか。

 

-野口教育長

 現在この中央地区教育施設再整備検討懇話会におきまして議論を進めているところでありますので、これからしっかりとそうしたものを含めながら検討も進めて参りたいと思っております。

 

-広田議員

それでは、中央小学校とこども図書館をあわせて作り直すということについてお聞きします。

懇話会の第2回目として設定されたのは視察でした。今月12月はじめに埼玉や東京へ行き、3パターンの小学校と図書館の複合施設をご覧になっています。このように懇話会では、2回目からすでに複合化事例を視察されているわけですが、どのように中央小学校と玉川子ども図書館を作り直すお考えなのかあきらかにしてください。

 

-野口教育長

 先月の下旬に検討懇話会の委員と教育委員会の担当者が東京都及び埼玉県内の施設を視察して参りました。これらの施設はいずれも同じ敷地内に小学校の他に公民館や図書館などの公共施設が配置をされておりまして、それぞれの施設の配置状況や利用状況、また児童や図書館等の利用者の動線などにつきまして、学校関係者や施設管理者等から説明を受けてきたものでございます。そうした事例も参考にしながら具体的な整備の在り方につきましては検討懇話会の中でこれから議論を進めて参りたいと考えております。

 

-広田議員

 懇話会の中でもお声がありましたけれども、この懇話会以前、そして市長が案を発表する以前に地元説明会というものが行われたというように聞いています。いくつかの案が話し合われたようですけれども、その際どんな案が教育委員会から示され、どのような意見が交わされたのかあきらかにしてください。

 

-野口教育長

 これまで関係する地域におきましては、玉川こども図書館の敷地に中央小学校を移転し、現在の中央小学校を中学校の校舎として活用することや、玉川こども図書館を小学校の建設と併せて改築することについて説明をし、ご意見をいただいたところであります。出席された方々からは、子供たちの教育環境を整えるための整備につきましては好意的な意見が多くありました他、駐車場整備の必要性とか敷地の狭隘さなどの課題につきましてご意見をいただいております。そうした課題等を整理しながら引き続き丁寧に地元説明を心がけて参りたいと思っております。

 

-広田議員

 この地元説明会が行われ、懇話会参加者のみならず地域の方でも一部、案などについて聞かれているわけです。そしてまだ決着がついていない、初めて聞いたという段階なのに懇話会もしくは市長の発表の中で案が固まったかのように聞こえてしまったことに、地域の方は驚いているということなのかもしれません。私も市民も心配なのは、小将町中学校の移設場所がないからということで中央小学校の移設、さらには子ども図書館などと複合的施設建設をすすめるのは、あまりにも強引な移転計画ではないかということです。であるならば、教育委員会の当初の目的、市としての政策的道義、目的があって筋道を立てて進めていくという当たり前の運営を失いかねませんし、市民や地域をないがしろにしているということに他なりません。もっと市民の声を聞いて、多角的検証、丁寧な議論こそすべきであり、学校の移設や図書館などとの複合的施設建設ありきの話し合いが先行するのではなく、今言った地域や市民の声を聞くこと、市としての政策的道義を貫くことを求めますがいかがでしょうか。市長にもお考えを明らかにしていただきたい。

 

-山野市長

 今ほど教育長が申し上げましたように、小将町中学校は生徒の数が減ってきて規模の適正化を図らなければいけないということ、また中央小学校が3つにわかれているのを1つにしたいということ、そしてこれはご存知かと思いますが小将町中学校は兼六中学校の校下内にあって違和感があるということがあって中央地区への移転を考えさせていただきました。市所有の地面であったりとか様々な可能性を探っていく中で、旧JT跡地を活用してきた現在の玉川こども図書館は築40年以上を経過し柱であったり地下の構造部分の老朽化も進んできて早晩建替えという議論にもなってくるところでもあります。そこでこども図書館の敷地に中央小学校を移転をさせていただき、小学校の新設、併せてこども図書館の改築を行った後に中央小学校に小将町中学校の移設ということを今提案をさせていただいているところであります。こども図書館はあの地に馴染んでいるところでもありますし、やはり玉川こども図書館と一体となって多くの方がこれまでもご利用をいただいてきているところでもあります。公文書館というものは、これはやはり離れた所にポンとあるのではなくて図書館であったりとか、金沢でいえば近世資料館と近いところにあることによって私はより多くの方がご利用をいただけるものだというように思っております。隣接して玉川公園もありますし、松ヶ枝緑地もあるところでもあります。そういう意味では私は子供の教育の観点、小学生も中学生もそうですけれども、からいっても意義のあるものだというふうに思って、今現在考えられ得る将来に渡って最善の現実的な施策ということで今提案をさせていただいて進めていっているところであります。1つ1つにとって意義があるという思いで提案をさせていただいているところであります。ただ今ご指摘いただきましたように、ご心配の声もあるということでもありますので、その点につきましては検討懇話会であったりとか住民説明会を通して丁寧に説明をしていかなければいけないというふうに思っております。

 

-広田議員

 小将町中学校の規模適正化、そして通学区域の適正化については私たちも議会で再三聞いております。ところが今出された案はそれだけに止まらず中央小学校という大事な地域の拠点であり教育施設が移設、そして玉川こども図書館も壊して建て直すと、そして併せて作り直すんじゃないかということに、最善の道だと仰るから何でなんだろうということを聞いたわけです。で、その理由が未だ、今回教育長にご質問しましたけれども中身が定かではないし、まだ議論が煮詰まっていないなという印象ですし、そもそもやっぱり建物の理屈で動かしたから後でできるかできないかを議論したんじゃないかなというふうに聞こえてしまうということを言っています。これは建物を1つ2つ3つ動かすような大きな税金を使った事業ですから、市民の理解が当然要りますし、地域や地域だけでない市民の玉川こども図書館の活用にも関わる問題ですから、本当に大きな問題へと発展していく中で、最初の最善の案だという理屈が市民に理解できないようであれば、政策的道義を失うよと、いうふうに今回私は質問をしたわけです。是非まだ議論の途中だということですから、白紙に戻すというかどうかはわかりませんが、小将町中学校を移設するということが本当に中央小学校まで移設させていいのかというところの議論から是非もう一度始めていただきたいというふうに訴えて、次の質問に移ります。

 

 

2.家庭ごみの有料化について

次は家庭ごみ有料化についてですが、毎年6月までには経済環境常任委員会に報告されていた前年のごみ量実績報告が遅れたのは大変な問題です。市長はこれまで記者会見などでは「慎重を期すため、事業系ごみと一緒に報告したかった」と仰っていますが、市民や議会にとっては議論のための大事な材料となる報告が行われなかったことと認識をしています。毎年定例でデータを出してきたのに、今年に限ってごみの量のデータを出さなかった市長の責任についてどう考え、今後どうされるのかお聞かせください。

 

-山野市長

 これまでも私は家庭ごみの有料化、併せて事業系のごみの料金改定については丁寧な説明を心がけたつもりであります。3月議会で議会の皆さんのご承認をいただきました。改めて、尚のこと丁寧にさらに慎重な説明をしていかなければならないと肝に銘じたところであります。今お話がありましたように、6月に毎年暫定の家庭ごみの量の報告をさせていただいていました。私は暫定の報告説明をすることが果たして丁寧な慎重な説明になるのだろうかという思いを自問自答いたしました。この3年余り、家庭ごみの有料化と事業系ごみの料金改定をセットで常に説明をさせていただいておりましたので、11月に事業系のごみの料金が確定することに合わせて家庭ごみの量の確定値でご報告・説明させていただこうというふうに判断をいたしました。ただそのことにつきましては、議会の皆さんからも厳しいご指摘もいただきましたし、そのことによってご心配や誤解を与えてしまったことについては、ここは深く反省をしているところであります。お詫びを申し上げたいというふうに思っています。この責任ということですけれども、これからしなければならないことはこれまで行ってきたことは仮に暫定であろうが速報であろうが仮のものであろうがきちんとご報告をさせていただき、そして確定した段階で改めて報告・説明をさせていただく、そういう形を取ることによってしっかりと責任を果たしていきたいというふうに考えています。ご心配、また誤解を与えてしまったこと、改めてお詫びを申し上げます。

 

-広田議員

 心配や誤解を与えたことに謝罪をされるより、説明責任を果たさなかったことに対して私は謝っていただきたいと思います。私たちは市民の負託を受けて議会を構成しごみの有料化が差し迫っているこのときに大事な議論をしています。是非ともその説明責任という部分についてどうお考えか、明らかにしてください。

 

-山野市長

 説明責任につきましては11月の段階でご報告説明をさせていただきました。私が先ほど申し上げましたように、確定をしてから事業系のごみと併せて説明をさせていただこうという判断をしたことによって、遅れてしまいました。そのことによっていろいろご迷惑をおかけしたことについてはお詫びをしなければいけないというふうに思っています。

 

-広田議員

 11月に説明をされたものは、従来説明をしてきた暫定値ではなく確定値です。しかも5ヶ月も、本来6月に発表されるはずの暫定値が5ヶ月も遅れて報告をされたと。5ヶ月間議論が出来なかったということです。私は説明責任は6月の暫定値で取るべきだというふうに思います。確認ですが、市長が暫定値についてお知りになったのは6月あたりということでよろしいですか?

 

-山野市長

 時期は覚えておりませんけれども、逐次環境局から様々な資料であったりとか議論の経過の報告を受けているところであります。今の段階で6月7月ということは良く覚えておりませんけれども、早い段階で受けて私の方が判断を致しました。

 

-広田議員

 6月か7月に受けたということだと受け止めます。議会からの再三の申し入れで発表がされたのが5カ月遅れの先月13日でした。昨年度の家庭系ごみがさらに減って、事業系ごみも市が予測していた増加ではなく減少に転じました。合わせて前年より3890tもの減少です。市はこれまで有料化の目的をごみの減量化としてきたわけです。家庭系はこれまでも減ってきていましたけど、今回は事業系も減って大幅にごみ量が減ったといえます。本来喜ばしいことですし、私はそういう点でも、6月7月にお知りになったのであれば、知らせたい、知らせなければいけないと思うのが市長の責務だと思いますがいかがでしょうか。

 

-山野市長

 先ほど申し上げましたように、私はより丁寧・より慎重な説明をしなければならない、暫定値ではなく確定値の段階で説明をすることが丁寧・慎重な説明だというように理解をいたしました。繰り返しになりますが、遅れてしまいまして議会の皆さんから厳しいご指摘も受けました。真摯に反省をして、今後適切に対応をして参ります。

 

-広田議員

 慎重にというお気持ちで5ヶ月間遅らせて発表したところ、こういう結果を招いているわけですから、やっぱり6月7月に暫定値を知った時に報告をしなかったという判断は適切ではなかったと是非認めていただきたいと思いますし、私は減ったことも素直に市民や議会に知らせられないとしたら、それこそ有料化ありきだなと言われても仕方がないと言っておきたいと思います。しかも、ごみが減ったことについて市長は、記者会見などで「市が説明会を行ったことで、市民の意識が向上した」とおっしゃっています。有料化しなくても、市の働きかけでごみが減ることを自ら認めたにほかなりません。でしたら有料化ではなく市民との共同でごみを減らす道を選ぶべきではないでしょうか。

 

-山野市長

 これまでも私は5年も6年も前からこの議場でダンボールコンポストの話をさせていただいていました。家庭ごみの中で最大の燃やすごみの中で最も多いのは約4割を占める生ごみであります。これを減らすことが最大の責務だという思いでおりました。電気式ごみ処理機についても当初、私の記憶に違いがなければ2000円だかの補助でしたけれども、議会の皆さんのご理解をいただいて30000円までの補助に上げさせていただきました。またダンボールコンポストにつきましても、これは婦人会の皆さんと一緒に、さらには農協の皆さんにもお手伝いもいただいて、各学校にもそうですけれども、町の花屋さんにもご協力いただきながら、何度も何度も説明会をさせてきていただいたところでもあります。ただここにきて家庭ごみの有料化ということを説明会をしていく中で、多くの皆さん方が切実に感じていただいたんだというふうに思っています。昨日も金沢エコフェスタのエコのアイディア大募集のお話をいたしましたけれども、そういう方が家庭ごみ有料化をきっかけにして意識を高めていただいて、今回の減量化につながったんだというふうに思っています。

 

-広田議員

 これまでもダンボールコンポストとか電気処理機とか、有料化しなくても市民との共同で進んできたよと市長はおっしゃるわけです。そして28年度も説明はしたかもしれないけれど、有料化は実施してないんです。だから有料化していない中でごみが減ったということが客観的事実、しかも市民は有料化の説明じゃなくてそれと同時に聞いた、古紙とか雑紙も資源に回せるんだと、これは初めて知ったと昨日市長が事例を出されていましたけど、そういうことを聞いて実践したから減ったのであって、有料化するって言ったから減ったわけではない、と言えます。しかもこれは市民だけではない、現場の職員さんの努力によって減ったのであって、私は、27年度中核市48市中11位と全国的にもごみ量の少ない金沢市の誇るべき現状だと思っています。そして今28年度さらにごみ量が減ったのであれば、ごみの減量を目的に勧めている本市にとっては、ごみの有料化を行うということは何ら意味がないというふうに考えます。市長そこで、今年度に入ってまだ廃棄物総合審議会が開かれてないんですけれども、昨年度のデータをもとに有識者や市民の皆さんの意見を聴くために開くべきだと考えますがいかがでしょうか。

 

-山野市長

 廃棄物総合対策審議会はこれまでも案件がある際に開催をさせていただいているところであります。今回ごみの量が減ったと、28年度のごみの量の報告につきましてはお一人お一人の委員の方にご報告をさせていただいているところであります。新たな案件があるというわけではありませんので、開催することは予定はしておりません。

 

-広田議員

 ごみの量は、新聞でも報道されましたし市民の皆さん誰でも知ることができる中、審議会の皆さんにもお配りになっても、審議会の値がないですね。やっぱり一人一人に情報を届け、審議会で議論をするということを是非やっていただきたいと思います。是非検討をお願いします。

 さて、市は25年度に「第五期ごみ処理基本計画」というものを作成していますが、その「資料編」というものに、市が25年から36年度に14%ごみを有料化して削減するために、毎年どれだけのごみ量を想定しているのかが書いてあります。数値だけだったのでグラフにしてみたんですけれども、29年度に大幅にごみ量が減るという計画です。しかしこの計画は、少なくとも29年度当初に市が言うごみ有料化がはじまったと仮定したものでないと成り立たないですけれども、実際(の有料化)は30年に入ってからということで、一年近く計画が後ろにずれこんでいます。よって普通なら、行政であれば計画を立て直すということが必要ですけれども、まずその点いかがですか。

-山野市長

 ご案内の通り、ごみ処理基本計画は5年ごとに見直しているところであります。5年ごとに常に情報を整理をしていきながら見直す必要があるときにはその時に見直していくという予定でおります。

 

-広田議員

 昨日の答弁でしたか、2019年に見直すとおっしゃっていましたけれども、私はすでにこのごみの有料化の取り組みを含めた計画自体が後ろにずれている以上、2019年に検証しても何の検証をするのかなというふうに思っています。本当に科学的に事を進めるのであれば、是非検証を前倒しでやっていただくように求めたいと思いますし、さらに今年度29年度に減る量は36年度に14%削減という目標のうち12%まで達してしまうという、大変大胆な計画だと見受けます。これは市が考えるに有料化によって1年で急激にこれだけ減らしてしまうという計画ですが、私は疑問を感じていますがどういうお考えでしょうか?

 

-山野市長

 すでにこれまでも何度か説明させていただいておりますけれども、昨年のデータですけれども、790の市のうち83%以上の市が、多くの先行自治体があります。その先行自治体の事例を拝見いたしますと、行った1年目に大きくごみの減量化がなされているところでありまして、その先行自治体の事例を参考にしながらまとめさせていただいたものであります。

-広田議員

 私も先行自治体の事例を見ましたけれど、こんなに極端に1年に減らしている事例はなかなかないのではないかと思いますし、私はこの有料化で極端に減らすという考え方をもし市がしているのであれば、ここで対案をお示ししたいと思いますが、この「減少行程」の中身は分析するに、「燃えるごみから、古紙や紙類を資源化して民間ルートに流す」という方法です。最大70%民間に流れる方法です。市長は「有料化」を、これだけ極端に減るのだから「ショック療法」としてこのことを進めようと考えたと見てとっていますが、しかり有料化は直接的な手段ではなく、燃えるごみからの古紙や紙類の除去という、それが具体的な手段なわけです。ですからこの具体的なやり方は、私はこのまま実行しつつ、インセンティブ、市長の言うインセンティブを(有料化ではなく)「市民との協力」に求めるべきというふうに考えますが、いかがでしょうか。

 

-山野市長

 これまでも古紙の回収につきましてはPTA、育友会、商連、子供会を中心とした地域の多くの皆さんが担ってきていただきました。それについて市は奨励金を出し、そして議会の方からご提案もいただき奨励金を増しながら対応をさせていただいているところでありますし、今回のことに併せましていくつか、またその連携をしながらの対応もさせていただいているところであります。また去年の12月からは大野町校下におきまして地域の皆さんと連携をして月1回の回収を行って、今年度に入りまして13の校下地区まで広がってきました。引き続き広田議員にご提案いただきましたように、地域の皆さんと連携をしながらこのことは進めていかなければいけないと思っております。

 

-広田議員

 お金で物事を進めるよりも、私は市民との協力でというインセンティブで減量することの方がはるかに、金沢市の創造性を高め、地域コミュニティ含む信頼関係を市と市民との間に築く、とてもいいことだと思っています。最後に、ごみは私は市民社会の縮図だと考えます。市民の生活がどうなっているのか、ごみに変化があれば地域の実情はどうか、住民に貧困や高齢化、認知症、精神的な問題などはないか、市長は考えていますか。その実態に心を寄せて、市民のくらしをよくすること、守り抜くことが本来の金沢市の役割です。傘1本捨てるのに45円もかかる負担政策をするわけです。もし金沢市がごみを減らすことを政策とするのならば、本当の市民の実態に寄り添いながら、どうしたらごみが減り分別させられるのか考えるのが私は市長の役割だと思います。市民が快適にごみを出し、かつ減らし分別に協力できるか。それには市民との対話が必要です。説明会をみてもきいても市長にはその姿勢が足りないと言わざるを得ません。有料化ありきで「質問をしても返答がもらえない」「検討するという言葉もない」「考えの押し売り」と市民からもたくさんのお声を伺っています。市長は、市民の声を感情的な問題と片付けて市民の意見をとりいれてこなかったのではないでしょうか。市長がもっとも大事にすべき、市民のくらしを守るという役割、市民との信頼や協力関係を失わないためにもごみの有料化を、一度立ち止まって考え直すべきだと訴

-森尾議員

 私は日本共産党市議員団の一人として、以下質問いたします。

 安倍政権は、「森友」「加計」問題にみられる国政私物化、憲法破壊、民意を踏みにじる政治に対する国民の批判が広がる中、突然の解散を行いました。そして総選挙直前には、市民と野党の共闘に対して突然の分断と逆流が展開され、日本の政界が憲法改正をすすめる二大政党化へと急速に進みかねない重大事態に直面しました。しかし、新たな野党共闘が作られ、逆流を押しとどめ、国民の願う政治への転換の方向を作り出しています。総選挙の結果、自民党と公明党が議席の3分の2を占めましたが、それは安倍政権の政治的基盤が強固になったことを意味するものではありません。小選挙区制のもとで自民党は、比例代表では得票率が33%、全有権者では17%に過ぎませんが、議席の61%を獲得しました。安倍政治に対して国民多数が信任を与えたものではありません。国民の願いとはかけ離れた政治に対する批判が強まる中、安倍政権が打ち出した憲法9条の改正と社会保障制度を後退させる方針にどのように向き合うのか問われています。そこで、憲法を順守する立場である地方自治体の長として、また本市の平和都市宣言に照らして、市長は安倍政権の進める憲法9条の改正に対してどのように向き合うのか、まず伺いたいと思います。

 

-山野市長

 度重なる北朝鮮のミサイルの発射、また中国の力による海洋進出、テロの多発、国際社会におけるパワーバランスの変化など、日本を取り巻く環境が時々刻々と変化をしているところであります。その中で安全保障制度をはじめとした憲法の在り方について、国を挙げて広く議論をしていくということは、私は重要なことだというふうに思っております。憲法は国の姿を現すものであり、国の根幹に関わってくるものであります。我が国の繁栄、そして国民の生命・財産を守り、日本の進むべき進路を見定めていくためにも、国民議論が深まることを期待をしているところであります。

 

-森尾議員

 最近の世論調査を見ますと、安倍政権の下での憲法改正について聞いたところ、賛成が36.0%、反対が48.6%とのことです。国民は安倍政権がすすめる憲法9条の改正を望んでいません。市長、このことをしっかりと受け止めるべきです。

 次に、安倍政権が社会保障制度の後退を次々に打ち出しています。そして実行しようとしています。75歳以上の医療費の自己負担を1割から2割へ、介護保険制度では「要介護1と2」の方が利用する掃除・洗濯などの生活援助を介護保険サービスから外す。医薬品の窓口負担を3割負担からさらに増やす。生活保護費見直しでは、生活扶助の最大1割の引き下げや母子加算の見直しを打ち出しています。そして消費税10%への大増税を強行する一方、法人税実行税率を20%にまで引き下げるとしています。市長はこうした安倍政権が次々に打ち出している社会保障制度の後退を進めようとする中、どのように向き合い、市民の暮らし・福祉を守って行かれるのか伺いたいと思います。

 

-山野市長

 持続可能な社会保障制度の構築というものは国家的な課題であるというふうに思っています。国が責任を持って行うべきものだというふうにも思っています。同時に少子化・高齢化が急速に進む中で、我が国の社会保障制度は今のままでは限界があるというふうにも感じています。社会保障と税の一体改革を着実に実行していくことは、私は避けて通ることのできない課題だというふうに思っています。ただ自治体にとって住民の生活実態や地方財政が与える影響に十分配慮した改革となることも大切な視点であるというふうに思っています。国の動向を注視していきながら、必要に応じ全国市長会等を通じ国に適切な対応を求めて参ります。

 

-森尾議員

 そこで明年度の予算編成について伺います。地方自治体の本来の役割というは、そこに住む住民の暮らしや福祉の向上に努めることです。この点からすると、来年度予算編成に当たって、市民生活に直結する課題について伺います。まず国民健康保険制度の問題についてです。国民健康保険制度は来年度から運営主体が都道府県に移行するわけです。先ごろ石川県が、市と町が県に支払う納付金について試算を明らかにしました。それによると2017年度の試算に比べ、県内19の市と町のうち、4割に当たる8つの自治体の負担が増加するとしています。本市もその一つです。来年1月には最終の算定結果が示されて、新たな保険料が設定されることになります。一方、厚労省は来年度に関して市町村の立場で激変を生じさせないよう配慮を求めています。市長、国民健康保険財政には15億8千万円の基金があり、保険料の引き下げは可能です。見解を伺いたいと思います。

 

-山野市長

 都道府県単位化後の保険料につきましては、今森尾議員にご指摘いただきましたように来年1月、県から通知される標準保険料率を参照のうえ、県への納付金を考慮して算定する予定となっています。現時点では保険料の引き下げは考えてはいません。

 

-森尾議員

 介護保険料について。3年ごとの事業計画と保険料の算定を行うとして来年度検討がされています。この介護保険料の負担感を考えると、その引き下げを実施すべきと考えますが、市長の見解を伺います。

 

-山野市長

 介護保険制度は法令によりまして給付費の一定割合を保険料で賄うことが定められています。今ほどご指摘ありましたように平成30年度から介護保険料をまた改定するわけですけれども、今後3年間に必要なサービスの給付量を適切に見込み、その費用に合った額を設定することとしています。

 

-森尾議員

 保育料について伺います。共働き世帯にとって保育料の負担が重くのしかかっています。来年度の保育料について、引き下げを考えるべきと考えますが、この点での市長の見解を伺います。

 

-山野市長

 本市では保育料をこれまでも国の徴収基準額よりも低く設定をしていますし、19年連続で据え置きをしているところであります。また今年度ですけれども、低所得世帯に配慮した教育認定の保育料の引き下げやひとり親世帯等にかかる負担軽減制度の拡充を行っており、今のところこれ以上の引き下げは考えてはいません。

 

-森尾議員

 水道料金について伺います。平成27年度県水受水の責任水量制の負担が7割から6割へと軽減され、28年度には県水受水契約が見直されました。その結果、県に支払う受水費が削減され、会計上では平成27年度11億5千万円、平成28年度14億円と大幅な黒字を生み出しています。したがって水道料金の引き下げを行い、市民への還元をすべきです。公営企業管理者にその見解を伺います。

 

-桶川公営企業管理者

 本市ではこれまでも老朽管対策を重要課題としてとらえ、更新計画の前倒しを行ってきていますが、高度経済成長期に重点的に整備した管路が順次更新時期を迎えますことから、今後更新費用は増大していくことが見込まれます。このため今年度新たに老朽管更新積立金を設け、中長期的な視点から毎年度の利益を積み立て、老朽管の更新費用に充てることとしております。そうした水の安定供給と健全な経営を持続するためにも、料金の引き下げは考えてはおりません。

 

-森尾議員

 明年度の予算編成に当たって最後の点を伺っておきたいと思います。それは、市長が議会のたびに相次ぐ公共施設建設を打ち出しています。市営サッカー場の1万人観客席への改築。小将町中学校を中央小学校の敷地へ移転、中央小学校をこども図書館用地へ、ここに中央小学校とこども図書館、さらに公文書館を併設。障害のある児童生徒を受け入れる学校施設の建設。学校給食のスクラップandビルド計画として6千食から7千食の調理場を建設し、鞍月共同調理場センターの改築。室内運動広場の建設が金沢プール横で始まっています。さらにコンベンション施設の検討などがあります。そして100億円以上とも言われる美大移転・新築計画が始まります。市長は、本市が立てた中期財政計画が見直しどころか破綻に追い込まれかねないと、一体財政の裏付けがあるのかと、この点について伺っておきたいと思います。

 

-山野市長

 大規模な公共事業につきましては、重要規定計画事業として財政需要を中期財政計画に的確に盛り込んでいるところであり、財政が健全性を損なうことがないよう、中長期を見据えた財政運営に心がけてきたところであります。これまでの中期財政計画の実践により、市債残高ですけれども、臨時財政対策債を除く実質で、ピーク時の約半分に減少を致しました。実質公債比率も7.9%と低く抑えられており、今のところ財政の健全性は保たれているというふうに考えています。ただこれから社会保障費の増加、さらには老朽インフラの再整備費等に巨額な財政需要が見込まれますことから、引き続きそれらの動向を注視をしながら社会保障費の伸びの的確な予測、公共施設等総合管理計画のローリング等に努め、中期財政計画に反映をさせていきたいというふうに考えています。逐次議会の皆さんに報告をしながら進めていきたいと考えています。

 

-森尾議員

 市民の暮らし、福祉の向上を図るという地方自治体本来の役割に立ち返り、今後の本市の発展計画と運営をすすめるよう強く求めておきたいというふうに思います。

 

 次に家庭ごみ有料化実施について伺います。

 市長は提案説明の中で「より丁寧な説明を重ね、制度のさらなる周知」について述べておられました。しかし現状は「ない」「ない」「ない」状態と、私はこう思っています。その「ない」とは、市民の理解と合意がありません。私ども市議員団がこの9月から「市民アンケート」を市内6万枚配布し取り組んだところ、1800通を超える返事をいただきました。その中で「家庭ごみ有料化についてどう思いますか」との問いに「納得いかない」という回答が6割を超えました。さらに市の行っている説明会に参加し市からの説明を聞いたことがありますかとの問いに「ない」と答えたのが50%、「説明会すらきいたことがない」19%と合わせると7割の方が市からの説明を聞いていません。市長、現状では市民の理解と合意は得られていない。こうした現状についてどう受け止めておられるでしょうか。

 

-山野市長

 これまでも平成27年3月第5期ごみ処理基本計画で施策として挙げてから、全ての議会においてこの議論がなされているところであります。説明会も何度もさせていただいたところであります。私も直接出掛けていって行った説明会もありますし、またお声をかけていただいたところにも時間が合う限り可能な限り出かけて行きながら説明をさせていただいたところでありまして、今年の3月議会に議会の皆さんのご了解をいただいて来年2月の施行に向けて準備を進めているところであります。私は市民の皆さんのご理解をいただきながら進めてきているところであります。

 

-森尾議員

 もう1つの「ない」は、今何故有料化しなければならないのか。市の説明には説得力がない、ということです。市民から様々な疑問や意見が絶えることなく続いています。私どもが取り組んだ「市民アンケート」でも多くの市民からご意見をいただきました。また地元新聞の声の欄にも意見が続いています。こうした市民の意見の特徴は、第一に「ごみの量が減っているのになぜ有料化しなければならないのか」、第二に「有料化先にありきで進めていることから、有料化導入への理解と合意作りができていない、行政が一方的に有料化を進めることはあってはならない」。こういう意見なんですが、市長はこうした市民の意見にどうお答えになられるでしょうか。

 

-山野市長

 ごみが減っているというお話が出ました。平成28年度の家庭ごみは前年度に比べて、今回議論になっております燃やすごみは1.6%減りました。家庭系全体でいえば1.7%、事業系は3%、全体で2.2%減りました。午前中の議論でも申し上げましたけれども、これは私は経済学でいうところのアナウンスメント効果で合理的に説明ができると思っています。もうひとつだけ具体的な事例を挙げます。先般、ある町連会長とお話をしておりました。これまで古新聞古雑誌ダンボールだけではなくて雑紙というものもきちんとまとめるようにした。これまで雑紙は燃やすごみに入れていた。こういうコピー用紙であったりとか郵便物や包装紙等を入れることによって大変な量になるということがよくわかったというふうにおっしゃっておられました。私は少なからずそういう方がこの2年間の間にたくさん出てきたんだというふうに思っていますし、そのことによってゴミの減量化がなされてきたものだというふうに思っています。平成21年度以降、残念ながら金沢市における家庭ごみの総量は変わってきておりませんでしたけれども、ほぼ横ばいでありましたけれども、この2年間の経緯の中で減りつつあるということは、私は大変望ましいことだというふうに思っています。そして「ありき」ではないかということですけれども、この30年近く金沢市議会においても様々な議論がなされてきました。私が平成の議事録を遡っただけでも5名の議員さんが家庭ごみの有料化について研究を進めるべきではないか、家庭ごみ有料化を進めるべきだというご意見もありました。平成15年には家庭ごみのうち粗大ごみの有料化に取り組み、22年には検討事項の中で中長期計画の中で入れ、平成26年には包括外部監査からも家庭ごみの有料化を検討すべきというふうにいただいて、順々に追って時間をかけて説明をしながら取り組んできているところであります。決して「ありき」ではありません。

 

-森尾議員

 市長が有料化導入したところではごみの量が平均14%減ると。有料化によってそれが実現すれば、東部環境エネルギーセンターの焼却炉を新しくする際に規模を小さくできると。20億円~30億円少なくて済むと説明してきました。しかし説明すればするほどその説明について問題が指摘されています。第一に、有料化しなくてもごみを減らす道はある。有料化を前提にしてごみを減らせば財源が助かるという論法は、有料化導入を何が何でも市民に押し付けるとんでもない説明だということ。第二に、ごみ焼却炉をいつどのように新しくするのか。財源対策を含めて検討を進めることとごみの有料化の是非をリンクするのはおかしい。財源を言うなら焼却炉での売電によって毎年7億円もの財源があるではないか。というものです。結局、市長の説明と答弁は有料化先にありきなんです。市民の協力と参加でごみを減らそうということへの市民を信頼する気持ちも勇気も自信もないという表れだと考えます。ごみの有料化についてこの間、ある識者は「やってみないとゴミの量がどの程度減るかは分からない」と述べています。校下婦人会のある役員は「有料化先にありきではなくて、どうやったらごみを減らすか、市民の協力を優先しろ」と述べられています。消費者関係のある方は「先に有料化ありきではなく市民とよく協力相談をして、ごみを減らす策を優先して取り組むべきだ」と述べています。市長、有料化先にありきとの考えを今一度考え直し、市としてやるべき実践を行い、市民参加と協力によってごみを減らしていくという立場で取り組まれる考えはありませんか。市長の見解を伺います。

 

-山野市長

 先ほど申し上げましたように、この30年あまりずっと議論をしてきました。そしてこの間、半透明ごみ袋であったりだとか、また私もこの議会で何度も申し上げておりますけれども、ダンボールコンポストの普及、これは各学校にもご協力いただきました。民間会社にもご協力もいただきました。さらには議会の皆さんからもご提案をいただき、電気式コンポストの助成金も当初2万円だったのものが今3万円まで上げさせていただいて、より多くの皆さんにご利用いただけるようなことに努めてきているところであります。また古新聞・古雑誌等々を多くするためにも、大野町校下はじめ多くの地域の皆さんとご協力をいただきながら取り組んできたところであります。順々に手続きを順番を取りながら進めさせていただいているところでありますし、全国的な傾向におきましても昨年の段階ですでに全国の市のうち83%以上が取り組んでいるところでもあります。もちろん環境問題は金沢市だけで取り組めるものではありません。常に全国の事業を勘案をしながら取り組んでいかなければいけないという思いもあります。議会の皆さんにも先の3月期議会でご理解をいただいて、来年2月から行うことで今準備をさせていただいているところでありますので、ただ引き続き市民の皆さんへの丁寧な説明を重ねていかなければいけないと思っていますし、森尾議員先ほどお話ありました市民のご意見にも耳を傾けながら取り組んでいかなければいけないと思っております。

 

-森尾議員

 市長は都合のよい数字を並べたてて有料化先にありきという論法を行う説明というのは、私は市民の理解と合意は得られないと、度重ねて具体的に指摘しました。今の答弁から言うと、中核市の中での有料化の実施率は48市中14市と、29%です。最近を見ても、平成26年に大分市で実施したに過ぎません。ですので一定規模での有料化の問題は、なかなか市民の理解と合意が得られない、むしろごみを減らすために市民との共同・協力を通じてこそごみを減らすという方向を歩んでいることを改めて指摘しておきたいと思います。

 3つ目の「ない」、これは決めたからやるっきゃない、こういう考え方です。家庭ごみ有料化は市民生活に直接関わる問題です。市民の理解と合意を得られずしてこの問題を進めるわけにはいきません。こうした中で市長、地元経済界からも意見が出されたと聞いています。11月30日金沢経済同友会と市長との意見交換会において、この家庭ごみ有料化についてのご意見が出されたと聞いていますが、どのようなご意見だったのでしょうか。市長はどういうふうに受け止められたのか明らかにしていただきたいと思います。

 

-山野市長

 ごみ有料化よりも宿泊税の導入を優先すべきではないかというご意見をいただきました。また街路灯の負担のことについてもお尋ねがありました。さらにスケジュールのことについてもお尋ねがありました。私なりに真摯に受け止めて私なりに丁寧にお答えをさせていただいて、ご理解をいただけるように説明をさせていただいたつもりでいます。で、最後に私はこういうふうに申し上げました。これは、まだまだ説明をしっかりしろという激励だというふうに受け止めて、引き続き丁寧な説明に重ねて参りますというふうに申し上げまして、私はご理解をいただいたというふうに思っています。ただ、繰り返しますけれども、一度二度説明をしたからご理解をいただけるものとは思っていません。引き続き様々な機会をとらまえていきながら丁寧な説明をさせていただくことによって、ご理解をいただけるように努めて参りたいと考えています。

 

-森尾議員

 この点では地元新聞の社説にもこの問題が取り上げられるなど、家庭ごみ有料化導入についての市民的な理解の合意がないということの一つの表れだと私は受け止めています。市長がどんなに言葉では真摯に受け止めるとか丁寧な説明とこうおっしゃいますけれども、市民の中では先ほど示しましたように「納得がいかない」が現時点でも6割を超える、こういう状況です。改めて、市民のこうした状況を考えると、11月18日に開かれた市民との説明会でも今一度ごみ有料化実施について考えを改めるよう求める意見が相次ぎました。市長改めて、来年2月実施をいったん取り止め、市民の理解と合意作りを最優先する考えはありませんか。伺います。

 

-山野市長

 森尾議員のおっしゃった、日本共産党さんの責任で行ったアンケートも、私は市民の声としてしっかり受け止めなければならないというふうに思っていますし、先ほど私は全国の市の例を言いましたけれども、中核市は現在6割を超える市が取り組んでいるところでありますし、お聞きをするところではあと10市あまりが今検討をしているということをお聞きをしているところであります。お互い都合のいい数字を言い合うのではなくて客観的なデータを提示をしながら説明をすることによって、市民の皆さんにご理解をいただけるように努めていかなければならないと改めてここで思わさせていただきましたので、きちんと引き続き丁寧な説明を重ねていく中で、ご理解をいただけるよう努めて参ります。

 

-森尾議員

 私の示した有料化の実施率については、当局から通じて、また調べた数字ですので、間違いはありません。市長の方で改めた方がいいと思います。

 この有料化問題は市長も議員も選挙公約にはありませんでした。市民の声をしっかり聞いて、市政に反映していただきたいという意見が町会の会合の中からも出されましたし、市長とのミーティングの中でも地域の中でこうした意見が指摘をされるくらいです。私は今一度、立ち止り、ごみをどのように減らしていくのか、やらなければならないことは何なのか、市民の皆さんと考えようではありませんか。そのために私は、2月実施をいったん中止することを強く求めておきたいというふうに思います。

 

 最後に、宿泊税の導入と民泊新法に基づく条例化について伺います。

 市長は提案説明の中で宿泊税について京都市の制度を基本に早急に実施するようにとの報告があって、その方向で進める考えを述べました。その京都市では宿泊税を全ての宿泊施設を対象としています。税額は、宿泊料金が5万円以上が1000円、2万円以上5万円未満が500円、2万円未満が200円としています。京都市での宿泊税について指摘されている問題は、第一に違法民泊などが把握できていない状況から課税対象の捕捉すらできず、税の公平性が担保できない。第二に、税金を負担する力に応じて税金を高くし低所得者に配慮することで税の公平性が保たれるという累進課税制があることから、宿泊料金2万円未満はすべて200円の宿泊税を課すことは税の在り方に逆行しているのではないか、という指摘があります。この点についてどのように考えておられますか。

 

-山野市長

 京都市の宿泊税は、宿泊料金2万円未満は200円、2万円以上5万円未満は500円、5万円以上は1000円となっているところであります。民泊を含むすべての宿泊施設の利用者を対象とすべきという意見、さらには税率区分が多いと事務処理が煩雑になるとの意見もありますから、こうした意見も踏まえ今後具体的な制度設計を行っていきたいと思っています。また法律ができましたので、その法律でしっかりと担保をしながら進めていく施策でありますので、私は問題ないというふうに考えています。

 

-森尾議員

 この宿泊税について、東京都ではホテル・旅館を対象にしています。大阪府ではホテル・旅館・簡易宿所・特区の民泊を対象にし、税額では宿泊料金1万円未満については東京都・大阪府ともに無料としています。税収を多く確保するためだとするなら、導入に対する理解を得られるものではありません。この宿泊税の導入が市内の中小零細業者に事務手続きなどで新たな負担を強いる上に、問題はここなんです、宿泊者に負担をお願いできず、事業者自らが負担を余儀なくされる事態が発生しかねません。そしてこの宿泊税は目的税ですから、その使い道について明確にしなければなりません。まちづくりとか観光振興とかという名目だけでは一般財源となんら変わることはありません。宿泊税の導入について、市民や関係者の理解とかコンセンサスが得られないまま導入するべきではないと考えますが、市長の見解を伺います。

 

-山野市長

 ご指摘ありましたように、宿泊事業者、特別徴収義務者と呼ばれますけれども、特別徴収義務者の事務負担に配慮をするということは私は大切なことであるというふうに思っています。制度設計に合わせて検討をしなければいけないというふうに思っています。また京都市はじめ先行自治体では税収の具体的な使途につきまして、導入が決まったあと予算編成の中で明らかにしていますが、本市においては先般、庁内プロジェクト案において現時点で想定される使途をお示しをしたところであります。特別徴収義務者となります宿泊事業者への説明というものは欠かせないものだというふうに思っています。

 

-森尾議員

 宿泊税については、先行している東京・大阪府・京都、それぞれの議論が行われてきました。その内容を私は先ほど述べた点を指摘しましたけれども、よくよくこの点は議論を通じてコンセンサスが必要だということを改めて述べておきたいというふうに思います。

 次に、来年6月に施行される住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法に基づく民泊への対応について伺っておきたいと思います。そもそもこの民泊新法について、宿泊者や周辺住民の安心安全を守る旅館業法の最低限の基準を満たさなくても宿泊業を認め、ホテルや旅館の営業が認められない住宅専用用地でも民泊営業が届け出だけで可能というものです。全国で5万を超えるとされる民泊の多くが無許可となっている状況にも関わらず、この対策が取られないまま、今回の民泊新法はこうした状況を合法化するという点で批判があるだけに、本市の条例化に当たってしっかり対応と内容が求められると考えます。まず、本市のホテル・旅館や民泊の現状について、担当局長から答弁を求めたいと思います。

 

-越田保健局長

 本市の旅館・ホテル・簡易宿所の軒数は、平成29年10月末現在、ホテル74、旅館58、簡易宿所109でございます。いわゆる民泊につきましては、完全には把握できておりませんが、本市が調査いたしました大手仲介サイトには、平成29年10月末現在、284部屋が掲載されておりました。このうち、175部屋はすでに旅館業法の許可を受けており、また本市の指導によって13の部屋が申請の準備を進めているところでございます。なお、残りの96部屋につきましては現時点では所在地が特定できない、こういった状況でございます。

 

-森尾議員

 簡易宿所がこの5年間で6倍に急増し、109軒497部屋と。インターネットを通じて宿泊者を募集している市内の部屋数は、この2年あまりで8倍と急増し、市内には284室にのぼって、そのうち4割は無許可。しかも34%に当たる96部屋が所在地不明と、どこにあるのかわからないと。こういう状況の下でこの民泊新法に基づく条例化を進めるという点で、市長にまず違法民泊の対応を講じなければならないというのが一点。二点目は、住居専用地域における民泊の営業を規制すること。第三は、地域住民が環境を守るために作られたまちづくり協定については最優先対応を求めること。この点が必要だと考えますが、市長の見解を求めます。

 

-山野市長

 まず違法民泊に対しましては法の罰則規定に従い、当局ともしっかりと連携をしながら厳正に対処をしていかなければならないというふうに思っています。住居専用地域における平日の事業実施は、私は制限する方向で条例に盛り込むこととしています。またまちづくり条例のことについてもお尋ねがございました。まちづくり協定の順守を盛り込むこととしておりまして、地域住民の総意に基づき、可能な限りの対応ができる仕組みを導入をしていきたいというふうに思っています。民泊条例の制定に合わせ、まちづくり条例の改定も行っていかなければいけないというふうに思っています。

 

-森尾議員

 市民の安心安全という立場でしっかり検討を進めることを求めて、私の質問を終わります。

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