トピックス

私は、日本共産党市議員団を代表して討論を行います。

わが党は、上程された議案17件のうち、議案第122号令和元年度金沢市一般会計補正予算について、反対であります。

その主な理由について述べます。

学校教育施設ICT教育環境事業費

今回、大型の補正予算として計上された学校教育施設ICT教育環境整備事業費です。補正予算には、18億3000万円が国の補正予算に伴い、計上されました。内容は、児童生徒への一人一台学習用端末の配備に向けて、全小中学校及び市立工業高校で校内LAN環境の整備を前倒しする予算です。

文部科学省は、新学習指導要領で、「学習の基盤となる資質・能力」と位置付けられたことや、学校でのICTを活用した学習活動の充実の明記を受け、GIGAスクール構想を打ち出しました。具体的には、2023年度までにすべての国公私立の小学校、中学校、特別支援学校の校内LANの整備と児童生徒一人に一台のPC端末の整備を一体的に進めるとして、国の補正予算で2318億円が計上されました。

なお、教育のICT化に向けた環境整備5ヶ年計画(2018年~2022年)に基づき、地方財政措置が単年度1805億円で進められています。したがって、この予算と合わせると予算規模は、4123億円と大規模なもので、一大国家プロジェクトとなっています。

教育のICT化は、より効果的な学習や、遠隔地、病児・特別支援教育などの学習環境整備などメリットがあるのは事実ですが、公教育への企業参入をいっそう進め、集団的な学びの軽視、教育の画一化につながる恐れがあるとの問題が指摘されています。

今、なぜ教育のICT化を急がなければならないのか。莫大な規模の予算を投ずる教育のICT化が最優先課題なのか。教育現場からも疑問の声が上がり、国民的な理解と合意がありません。

いじめをなくし、学校に通えない子どもへの取り組み、教師の長時間労働をなくす取り組みなど教育をめぐって、解決が求められる課題に直面しています。それだけに、教職員などを増員するための教育予算を抜本的に増やし、少人数学級など教育環境の整備が求められています。

したがって、こうした課題にこそ、優先して取り組まなければなりません。よって、わが党は、この予算に反対であります。

なお、第5世代移動通信システムと呼ばれる高速、大容量でリアルタイムの次世代通信が実用化されようとしています。新たな技術革新が進み、すぐに新しい機種や機能への対応が求められることになります。したがって、今後新しい導入の際に、地方自治体や保護者の負担が予想されるだけに慎重な検討が求められることを指摘しておきたいと思います。

金沢港建設事業費

補正予算の中で、金沢港建設事業費です。

この事業は、大浜岸壁では、大型船が着岸できるようにと水深10メートルから13メートルにするための改良事業としてすすめられています。この岸壁の横に大手企業のコマツが、大型土木機械の製造工場を建設し、中国や東南アジアへと製品を船で輸送することを打ち出しました。これに合わせて港の改良事業が打ち出されたものです。

事業費は、336億円が投入され、本市の負担は57億円にのぼっています。

また、金沢港にクルーズ船を誘致するとして無量寺岸壁改良事業が進められています。この事業費が63億円、施設整備などの合わせると104億円で、本市の負担が27億円にのぼります。合わせて金沢港建設事業費の総額は、440億円の規模となり、本市の負担は、84億円です。なお、新型コロナウイルスによる影響で次々にクルーズ船の入港が中止となり、この事業そのものが問われる事態となっています。

宿泊税にかかわる補正予算

次に、昨年4月から導入された宿泊税にかかわる補正予算です。

一カ月遅れで納入されることから、今年度は、11カ月予算となっていますが1億300万円が増え、今年度の宿泊税総額は、7億6300万円とです。

その内訳は、一人、一泊の宿泊料2万円未満の方から徴収される宿泊税が200円で、税収は、7億3869万円となり、全体の97%です。宿泊料2万円以上の方から徴収される宿泊税が500円で、税収は、2431万円となり全体の3%です。

宿泊税の導入をめぐって、ビジネスホテルや小規模の宿泊業者から一人一泊3000円や3500円の方から200円の宿泊税徴収はやめてほしいとの意見が寄せられました。

本市では、宿泊税が導入されていない周辺の自治体との価格競争から宿泊料金の引き下げを迫られる事態となっています。宿泊業者からは、廃業せざるを得ない事態に追い込まれているとの切実なご意見が、議会と市民との意見交換の中でも寄せられました。

また、特別徴収義務者として登録すると事務交付金が交付されますが、いまだ15%の方が登録していないことも業界関係者に十分理解を得られていないことを示しています。

税金の累進課税という考え方から、東京、大阪では、1万円や1万5千円未満の宿泊料金には、宿泊税を課税していません。また、京都市では、修学旅行生の宿泊料金には、課税しないこととしています。本市での改善が求められています。

なお、新型コロナウイルスによる影響で、宿泊者が大幅に減り、深刻な状況となっています。宿泊税の中止、減免などの対応が必要だと考えるものです。 以上で、討論を終わります。

森尾議員

-森尾議員

私は日本共産党市議員団の一人として、三つの課題について質問いたします。

ガス・発電事業について

最初に、本市ガス・発電事業の譲渡方針についてです。市長は本議会の提案説明の中で、本市ガス・発電事業について「民間事業者に令和4年度を目途に譲渡したい」と述べました。この問題について私は、昨年の9月と12月議会で取り上げました。12月議会で私は「100年近くにのぼる本市ガス・発電事業について公営事業としての役割は終えたと考えるかどうか」と質問し、市長は次のように答弁されました。「公営企業としての役割が終わったとは思っていません。やはり公的な関与というものも必要だ」と述べました。そこで、市長が述べた公的役割とはどういうものか。その考えをお聞きしたいと思います。

-山野市長

 一番は市民の安心感であるというふうに思っています。あり方検討会の答申の中にも市民の安全・安心の確保、人材や技術力を有する市内事業者の活用、技術・技能の伝承などに十分配慮をし、市として円滑に事業を継承する責務があるというふうに考えています。市からの出資や法に基づく市職員の派遣、経営状況の確認などを通じて、私は市民に安心感を持ってもらって公としての一定の役割を果たしていかなければいけないというふうに思っています。

-森尾議員

 本市企業局が2016年に今後10年間にわたる経営戦略方針を打ち出しました。その中で、ガス、水道、公共下水道、発電、工業用水道の5つの事業について、地方公営事業として「公共の福祉の増進」を本来の目的に、経済性の発揮に努めながら事業の持続的な成長発展に努めてきたと、こう述べています。安定した事業の継続、安価な料金の維持、そして何よりも安全・安心を提供するというのが本来公営事業としての大きな役割だと考えます。改めて市長の見解を伺います。

-山野市長

 ガス・発電事業はまさに市民生活のライフラインであります。安全で安心、そして安定ということが私は大切なんだというふうに思っています。ただ、このことは公営であろうが民営であろうが市民のライフラインの中で私は果たすべき役割なんだというふうに私は思っています。そんな視点も踏まえまして、譲渡先の選定に当たりましても安定供給や保安の確保、サービスの向上に加えまして、ガス料金は一定期間現行料金を上限に設定するなど選定要件として定め、市民の安全・安心の確保を図ってまいります。

-森尾議員

 公営事業としてもう一つ大きな役割があると考えています。地域の雇用や所得、消費の源泉となり、公共発注を通じて仕事出しを行い、いわば地域経済への貢献という点では大きいものがあると考えています。これは利益を最優先し、市場経済のなかでの民間企業とは大きく異なる点だというふうに私は考えます。公営事業として本市の地域経済を支えていると、こういう点も大きな特徴であり大切だと考えていますが、その点は市長のどうお考えでしょうか。

-山野市長

 管工事であったりだとか保守点検であったりだとか、市内の事業者に力を発揮していただいているところでありまして、そのことが地元の雇用の確保であったりだとか経済の循環に繋がっているんだというふうに思っています。譲渡先の選定要件といたしましても、本市に本社をおく新設の株式会社ということを期待をしているところでありますし、積極的な地元雇用の創出も促していきたいと思いますし、市内事業者との連携ということも進めていきたいというふうに思っています。地域経済への貢献に資するということを求めていかなければいけないと思っています。

-森尾議員

 公営事業の民営化が、全国で今なぜ進められているのかという点について。安倍内閣が掲げる成長戦略、いわゆるアベノミクスによる公共サービスの規制緩和、新たな市場を民間に開放するという方針に基づいて、これが進められてきているからです。2016年12月19日、安倍内閣の下で開かれた未来投資会議の第3回会議が開かれました。その中で「民間にできることは民間に」を主張し、郵政3事業や道路公団などの民営化と規制緩和を強く主張してきた竹中平蔵氏が次のような主張をしました。「成長戦略をさらに進めるうえで、『公的資産の民間開放』は最重要テーマだ」として、上下水道を取り上げ、民間への市場開放を行うよう強く求めました。その後、水道事業への民間参入が可能とする法改正が行われ、次々に民間参入が進められてきました。市長。公営事業の民営化は、こうした安倍内閣が進めている成長戦略として『公的資産の民間開放』との方針であると言えます。あなたも、こうした方針に従って進めていくおつもりですか。その見解を伺います。

-山野市長

 昨日も企業局管理者が答弁いたしましたけれども、安倍内閣以前からガスや電気の自由化が進められてきているところであります。法律ができたことによって大きく動いてきたという側面はありますけれども、誰かの内閣だから特別変わったというふうに私は認識はしていません。やはり今回の譲渡の理由は、何度も同じことを申し上げて恐縮ですけれども、やはり法律が変わってルールが変わったということ、そして利用者に対して自由化のメリットを享受できるような環境を整えていかなければいけないということ、そして公正・公平な競争であり共存というものを求めていかなければならない、そういう視点からあり方検討会からもご提言をいただきまして順次手続きを取りながら進めてきているところであります。

-森尾議員

 公営企業管理者に伺います。本市企業局が2016年に今後10年間にわたる経営戦略方針を打ち出しました。その中で「現在企業局が所管する5つの事業(すなわち、ガス、水道、公共下水道、発電、工業用水道)には、公共性及び公益性の確保が求められるため、今後も引き続き企業局が経営する」としているわけです。これは、市民と議会に示した企業局としての基本方針だと考えます。その点、公営企業管理者の認識を伺います。

-平嶋公営企業管理者

 経営戦略はガス・発電を含む5事業の適切な経営を通じまして豊かな市民生活に貢献することを理念として、平成28年3月策定したものでございます。しかしながら、その後のガス電気の小売り全面自由化によりまして、事業を取り巻く環境が大きく変化してきたことから、局内におきまして調査・研究を進めますとともに、今後の経営形態のあり方に関して検討委員会からの答申を踏まえ、両事業を譲渡する方針を固めたものでございます。

-森尾議員

 こうした今後10年間にわたる方針と、今回示された本市ガス・発電事業について民間事業者に譲渡するとの方針とは相容れないものです。とすると、企業局自らが2016年の今後10年間にわたる経営戦略方針は、撤回・破棄したという意味で受け止めてよいですか。

-平嶋公営企業管理者

 ガス発電事業につきましては、あり方検討委員会からの答申を重く受け止め、経営形態の見直しは避けることができないものと考えております。公営民営を問わず、エネルギーサービスを通じて豊かな市民生活に貢献する、そういった基本的な考えというのは共通であると認識しております。

-森尾議員

 議長もお聞きになったように、答弁になっていないんです。私は、2016年に示された方針は撤回・破棄したのか、と問うたんです。答弁になっていないと思うんですよ。改めて答弁を求めます。

-平嶋公営企業管理者

 ガス発電事業を除く3事業につきましては、今もその経営戦略の理念のもとに運営をしております。

-森尾議員

 であるならば、経営戦略方針を見直すためにまた再検討をするというのが本来企業局として取るべき取り組みではないですか。

-平嶋公営企業管理者

 経営戦略2016は、2025年度までの計画でございますけれども、事業環境が大きく変化した場合等には随時改定をすることとしておりまして、ガス発電事業の廃止に伴い必要な見直しを検討することとなります。

-森尾議員

 10年間に渡って公営事業として経営するというふうに打ち出し、これについては議会と市民に約束しておいて、一方状況が変わったと称してあり方検討会を開き、今回の民間事業への譲渡を打ち出すというのは筋が通らない。ならば経営方針について撤回したのかといえば答弁はしない。であるならば、経営戦略方針を見直し再検討するのが筋ではないですか。なのにあり方検討会を作って、今回の「経営については譲渡する」という方針を突き進むというのでは、当初約束をして議会にも示した経営戦略方針というのは一体何だったんですか。改めて求めたいと思います。

-平嶋公営企業管理者

 公営企業を運営するに当たりまして、当然事業の計画を立てながら実施をしていくということは基本であります。ただ先程も申しましたが、事業環境が大きく変化をした場合にどのように対応していくか、それはやはりその時々の状況に合わせて有識者等のご意見もお伺いしながら慎重に判断をしていくことが求められるものでございますので、今回、昨年開催した検討委員会からの提言を重く受け止め、様々な議論も踏まえ、両事業を株式会社へ事業譲渡するという方針を固めたところでございます。それに伴いまして両事業が廃止ということになれば、現在の経営戦略を改定するということになります。

-森尾議員

 ではなぜ、本市が全国初めてとなるガス事業と発電事業をセットで譲渡するのか。この点で、みなさんが示したコンサルタントの報告によると、本市発電事業において、売電価格の見直しにより収益が大きく増加し、事業価値が確保できる。したがって、ガスと発電事業をセットで譲渡すべきというのが、このコンサルタントの報告となっています。この点について、説明を求めたいと思います。

-平嶋公営企業管理者

 あり方検討委員会からの答申におきましても、電力ガスを合わせた総合エネルギー市場が進展する中で、株式会社で両事業を一体運営することによりましてサービスの多様化が図られ、市民サービスの向上やガス事業の営業力の強化、再生可能エネルギーの地産地消等を実現することが可能となるとのご指摘も踏まえ、両事業を合わせて事業譲渡することとしたものでございます。

-森尾議員

 発電事業は5つの発電所、ダムと発電所をもって運営されているものです。そのうちの1つ、上寺津発電所について、新年度の予算でこの発電所のリニューアルをするために10億円の予算が計上されています。説明を求めます。

-平嶋公営企業管理者

 上寺津発電所は運転開始から54年が経過しておりまして、老朽化した水車等、いわゆる発電の基幹の設備になりますけれども、水車等を更新するものでありまして、機器製作に時間を要しますことから平成30年度から当初予算におきまして債務負担行為を設定させていただき、令和2年度までの3年をかけて実施をしているところでございます。

-森尾議員

上寺津発電所のリニューアルは、全体計画で13億3千万円を投じて、今年度10億円の予算を計上し、終了します。本市の発電事業の企業債残高は、現在ゼロです。そして、全国的にも安い価格で売電している契約が令和7年に完了します。その後、全国平均的な価格で売電契約をすれば、現在2億7千万円くらいの黒字が、年間15億円程度の純利益を継続的に確保できるというのが、コンサルタントの示した内容です。こういう状況から考えると、発電事業を民間に譲渡する必要はないんじゃないですか。見解を求めます。

-平嶋公営企業管理者

 発電事業は現在のところ、ご指摘のように経営は安定しております。ただ、国の制度改革に伴いまして電力会社との売電に係る長期契約が終了した後は、一般競争入札へ移行しますことから、売電価格が変動し経営が不安定化するおそれがあると見込んでおります。また、あり方検討委員会からの答申におきましても、電力小売りの地域独占撤廃により、卸供給のみでは地産地量が困難になり、地方公営企業としての役割が希薄化しているということも指摘をされているところでございます。こうしたことから、事業環境の変化に柔軟かつ迅速に対応できる株式会社に事業譲渡することで、事業の持続性の確保に繋がるものと考えております。

-森尾議員

市長、今お聞きになった通りです。市長はこの問題について「スピード感をもって」ことをすすめると述べました。しかし実態は、譲渡を受ける民間事業者が早く譲渡をしてくれと、利益の拡大を進めたいと、こういう民間事業者の希望に応えたものが、市長のいうスピード感ではないですか。本市のガス・発電事業が100年近くにわたって継続されてきました。私は、これは市民の財産であり、次の世代に引き継ぐべきレガシーだと考えています。私は、あらためて今回示している民間企業への譲渡という方針はやめるべきだと考えますが、この問題についての市長の見解を求めます。

-山野市長

 まず誤解があるようですので訂正させてください。私はどこかの企業から頼まれているわけではありません。法律が変わりました。ルールが変わりました。利用者の皆様に、他の多くの自治体と同じように私はメリットを享受させる、そんな環境が必要だというふうに思っています。管理者も申し上げました、これまでの議会でも同じことを申し上げていますので重複は避けたいというふうに思いますが、私はこれは大切な案件だということで議会の皆さんにお諮りをしているところであります。

歌劇座の建替えとまちづくりについて

-森尾議員

 質問の第二に、歌劇座の建替えと街中でのまちづくりについて伺っておきたいと思います。市長は昨年3月議会でこの問題について、「まずは財源の確保を最優先に予算の平準化も図っていきながら十分に時間をかけて検討していく必要がある」との見解を述べました。今回の市長の提案説明では、「金沢歌劇座の建替えにつきましては」と述べ、すでに「建替えありき」という前提から「技術的検討に入る」ことを表明しています。しかし、現在地での建替えとは表明していません。市長の真意を伺います。

-山野市長

 午前中の議論でも出ましたが、提言をお受けをしました。またこれまでの議会でも申し上げておりますけれども、明年度は懇話会の提言を受けまして現地での建替えを念頭に、課題の解決に向けて技術的な検討を進めていきたいと思っております。

-森尾議員

 市長は「先月のあり方検討懇話会の取りまとめ」を自らの方針転換の根拠にしておられるようですが、そこで、この取りまとめの内容について伺います。市長が2月5日に受け取られた文書には次のように記載されています。「3つの機能を満たすため、整備区域等に係る課題の解決を図った上で金沢歌劇座を建替えるべきである」これが、取りまとめた文書となっています。いわば建替えには条件が必要だと明記され、その解決が先だというのがこの内容となっています。そこで、建替えるために解決が先だとするその課題とは一体なんですか。

-山野市長

 あり方検討会から課題の提言をいただきました。ひとつには、整備区域のことであります。高さ制限であったり、敷地内での建物配置等の対応が必要になってきます。ふたつには、周辺エリアにおける位置付けであります。歌劇座があって本多町芸術ゾーンと私は普段から言っておりますが、あのエリア全体の価値向上をどうやって図っていくことができるのか、多くの文化施設、学校もあります。その中であのエリアの価値を図っていくためにはどんなことが可能なのか、そのことであります。三つめには、その他の課題としていくつか挙げられております。ソフトの検討であるとか財源の確保というのも大きな課題だと思っております。そんなことが提言の中でいただいているところでありまして、しっかりと議論していかなければならないと思っております。

-森尾議員

 そこで、建替えのために解決しなければならない課題のうち、ふたつの点をお聞きしたいと思います。ひとつめは建物の高さ規制です。現在この区域では、建物の高さは18mとしています。景観を守るために市民に示してきた高さ規制を勝手に緩和するというのはとんでもないと考えます。第二に、財源の確保の問題です。この点について市長は、建替えには100億円を超える事業費が想定されるというふうに述べていますが、この認識に変わりはありませんか。

-山野市長

 高さのことにつきましては懇話会でもいろいろ議論されたというふうにお聞きをしています。必要な建物の規模を設定したうえで、地下化など規制に対応していく調査検討が必要だと考えています。財源の確保につきましては、100億円を超える整備費が必要だというふうに認識をしているところでありまして、ただやはり大変大きな金額でありますので、予算の平準化であったり財政の健全性を担保できるような整備スキームというものを検討していく必要があると思っています。

-森尾議員

 オペラを上演する機能をもった施設を建設するとした場合に、どの程度の事業費がかかるのかという例として、例えば高崎芸術劇場は、2027席の施設として2019年に建設され、建設事業費は260億円です。熊本市のホールは、2300席で2019年に建設され、投じた建設事業費は303億円です。石川県立音楽堂は、2001年に開設され、邦楽ホール720席、コンサートホール1560席、交流ホールとなっています。建設事業費は250億円です。こうした点から、100億円程度ではオペラを上演するホールは建設できません。市長、改めて見解を伺います。

-山野市長

 100億円程度だとは申し上げておりません。100億円を超えるものだというふうに認識をしております。まだ具体的にそこまで議論をしているところではありません。課題としていただいているところでありますので、しっかり受け止めていかなければいけないと思っております。

-森尾議員

そこで、現在地での建替えが無理ならば、香林坊の日銀が移転した跡地で建替えたらどうかとの議論が起こっています。街中の回遊性を高めるまちづくりだとしています。市長は、この議論についてはどんなふうに思っていらっしゃいますか。

-山野市長

 私のところにも、まじめに真摯に考えられたいろんなご意見をいただいています。現地での地下化ということであったりだとか、今のお話であったりだとか、また人様の地面ではありますけれども別な場所が良いのではないかだとか、いろんなご意見をいろんな方が真摯におっしゃっているというのは良く理解しているところではありますけれども、まず私どもとしましては、私どもが議論をお願いした懇話会、検討会からいただいた案に真摯に対応していくことが、一義的に必要なことだというふうに思っています。

-森尾議員

 金沢歌劇座の問題を巡って、市民からは現在の施設を活用することを望んでおり、建替えという声はあまり聞こえてきません。そこで、この施設が観光会館としてスタートして60年が経過し、市民に親しまれ、利用されてきました。現在の歌劇座は、平成22年に大規模な改修が行われています。現在の歌劇座は、年間32万人が利用し、そのうち学校行事に43%、コンサートに27%となっています。こういう状況からみると、この施設そのものについては引き続き市民に親しまれる施設として、大きな役割を担い、発揮していると考えますが、改めて市長の見解を求めたいと思います。

-山野市長

 ご指摘のように、今も多くの市民の皆さんに利用していただいています。中学生や高校生の合唱であったり、吹奏楽の発表であったり、ママさんコーラスの全国大会でも先般ご利用いただきました。この提言の中にも、やはり市民の様々な文化芸術活動を発表披露する場、さらには交流する場という機能も添えた上でご提言をいただいているところであります。どういう形であろうが、私はやはり多くの市民の皆様にご利用いただける、そういうものが望ましいのだというふうに考えています。

生活保護行政と資産調査について

-森尾議員

 最後の質問は、生活保護行政と資産調査について伺います。

 昨年本市は、生活保護受給者に対して、「資産申告書」なる文書を送り、記載、提出を求めました。これは、いかなる目的と法的根拠をもって行ったのか。伺います。

-山田福祉局長

 資産申告書は、平成27年4月に改正施行されました、国の生活保護法による保護の実施要領に基づき、福祉事務所が生活保護世帯の預貯金等の資産状況を適切に把握するため、12ヶ月毎に提出を求めるものでございます。これに基づき実施をしております。

-森尾議員

 これを受け取った方から、貯金があったら生活保護が打ち切られるのか。意味が分からないし、どのように対応したら良いのかわからない、など不安の声が寄せられています。この「資産申告書」の提出は、任意の協力であり、提出する、しない、によって、不利益が生ずるものではないと考えますが、その見解を伺います。

-山田福祉局長

 資産申告書の提出は預貯金の把握が目的であり、提出されないことが直接生活保護の停廃止に繋がるものではないというふうに考えております。なお、資産申告書の提出は国の実施要領に基づき全ての生活保護世帯に対し求めているものであります。任意の協力ではないというふうに認識をしております。

-森尾議員

 生活保護行政は、法定受託事務として本市社会福祉事務所がその任にあたり、憲法と生活保護法に基づき、進められています。その点で、今回の資産申告書をめぐって、過去の判例や、国の見解について確認しておきたいと思います。最低限の生活を保障するとして支給されている生活保護費から食べるものまで削り、保護費を原資とした預貯金は、収入認定せず、その保有は、認められてきました。これは、1993年4月23日秋田地裁における加藤訴訟の一審判決で示され、その後確定しました。生活保護実施要領にも明記されてきました。こうした点について、本市は、当然認識していると思いますが、見解を求めたいと思います。

-山田福祉局長

 資産申告書の提出により、預貯金があった場合は訪問等により個別の聴取を行っております。その結果、預貯金の使用目的が生活に必要な備品の買い替えや子どもの進学費用など、生活保護の主旨に反しないと認められた場合には、収入とは認識しないと考えております。

-森尾議員

 ところが、本市の社会福祉事務所は、重大な誤りを行いました。本市の生活保護受給者が預貯金を保有していることを理由に、一方的に生活保護を打ち切ったのです。これに対して不服審査請求が行われ、その結果、2015年2月10日、石川県知事は「本市社会福祉事務所長が決定した保護廃止処分の取り消し」を行いました。その後、本市社会福祉事務所は、この方の生活保護を打ち切った日にさかのぼって生活保護を開始しました。手続き的な誤りが指摘されたわけですが、預貯金について、原資が生活保護費などであり、法の趣旨目的に反しない限り保有を認めるというこれまでの過去の判例や厚生労働省の見解に沿った対応を改めて求めたものです。本市は、こうした立場にしっかり立ち、今後の行政にあたらなければならないと考えます。その後、どのような対応が行われてきたのか、明らかにしていただきたいと思います。

-山田福祉局長

 生活保護世帯が保有しております預貯金につきましては、生活保護の主旨目的に反していないかどうか、個々のケースごとにしっかりと精査をして収入として認定するかどうか判断を行っているということでございます。

-森尾議員

 誤りを認めて正していくというのが、取るべき対応ではありませんか?先程示したように、皆さんがとった決定が誤りだったと、知事が皆さんの決定の取り消しを行ったわけです。ですので、この決定について真摯に誤りを認め、法の主旨に沿って行政を運営するという立場に立つべきだと思いますが、改めて伺っておきたいと思います。

-山田福祉局長

 繰り返しになりますけれども、その後は生活保護世帯の預貯金につきまして、いわゆる主旨目的に反していないかどうかということを個々のケースごとにしっかり精査をさせていただき、収入として認定するかどうかの判断を行っているということで、適切な業務を行っているということでございます。

-森尾議員

適切じゃなかったから、知事が処分をしたんですよ。そんな曖昧な対応を取ったらいかんですよ。

生活保護法第61条は、生計の状況に変動があった場合に届出の義務を課していますが、機械的定期的に届出義務を課したものではありません。28条1項には、一般抽象的な調査権限を福祉事務所に認めてはいません。したがって、個々の状況と内容によって福祉事務所が判断をするというのが法の主旨です。そこで、今回「資産申告書」を送り、記載、提出を求めたこの行為は、私は重大だと考えます。資産調査については、法の趣旨に沿って生活保護の申請の際に具体的・個別的な事例に応じて資産状況の把握を行う、これが法の主旨なんです。したがって、本市が行ったように、網羅的に行い提出を求めるというのは、法的根拠はありません。過去の誤りにただして、しかと法とその精神に基づいて運用するというのが法の建前だと思いますが、改めて伺っておきたいと思います。

-山田福祉局長

 生活保護業務は法定受託事務でございます。生活保護法はもとより、生活保護による保護の基準や、生活保護法による保護の実施要領等の基準により、事務を行っておるものでございます。今回、資産申告書の提出につきましては、12ヶ月毎に書面で提出を求めるという国の実施要領に基づき行っておるものでございます。よって、全ての生活保護世帯に対して求めていくということでございます。

-森尾議員  しかも、本市は、この調査書を独自に作成して、網羅的な調査を行う。この行為はやめるべきだ、ということを指摘し、憲法と生活保護法に基づく行政を進めるよう、改めて求めて質問を終わります。

1.新型コロナウイルス対策について

―広田議員

 わたしは日本共産党金沢市議員団を代表して質問を行います。

まずは、新型コロナウイルス感染対策についてです

世界で猛威をふるう新型コロナウイルスは、ここ石川県でも感染者を発生させ、本市でも対応が行われています。まずは、感染された方々やご家族へお見舞いを申し上げます。

 9日に、国の専門家会議が開かれ、「このコロナウイルスは暖かくなると消えてしまうものではなく、半年、1年を超えて対応を続けなければならないと考えている」など長期化する見通しが示されました。翌日10日は、政府が特措法の改定案を閣議決定し、政府の緊急対策第2弾が出されましたが、緊急事態条項を含む特措法の改定案は撤回を求めますし、今やるべきはさらなる予算措置の具体化、国民の暮らしや自治体の検査体制整備への支援です。

政府の対応について

これまでの政府の対応は遅く、と思ったら、突発的に専門家や現場の意見を聴かずに進められてきたことに批判の声があがっています。本市の新型インフルエンザ等行動計画においても国の役割として「医学・公衆衛生等の専門家を中心とした学識経験者の意見を聴きつつ、対策を進める」と書かれています。今、行うべきは「政治決断」ではなく、専門家の知見を踏まえ、現場のみなさんを信頼し、現場の意見聞き、進めるということではないでしょうか。市長の見解を伺います。

-山野市長

 27番広田議員にお答えをいたします。

まず、新型コロナウイルス感染症のことについて何点かお尋ねがございました。

政府の対応についてですけれども、私は、政府はこの様々な状況を把握をし、専門家の方のご意見もお聞きをしながら対策についての基本的な方針を定めてきているというふうに思っております。もちろん、最終的なご判断は総理であります安倍総理が責任を持ってご判断をされたものだというふうに考えています。

休校について

―広田議員

 このような場あたり的な「政治決断」で行った全国一律休校要請について、本市でも不安と混乱が広がっています。首相は、専門家の意見を聴かず独断であったことを明らかにし、政府の結論としては各自治体の判断を尊重するという立場となりました。

 市長は、首相が要請した当初は判断を見送りました。市長が会見で述べた「市民に説明ができない。エビデンスがない」というお考えはわたしも同感であり、全校一斉に休校にする科学的な意義がなく、休校によって生じる影響に無策のままでは、判断に戸惑うのも無理はありません。

しかし、その後市長は首相の記者会見のあと休校を決断しましたが、本市対策本部で決定したプロセスについてあきらかにしてください。

―山野市長

また、一律休校要請につきましての金沢市の措置につきましてお尋ねがございました。本市は国内での感染者が確認された時点で危機管理連絡会議を開催し情報の共有を図ったほか、県内での感染者確認後は新型コロナウイルス感染症対策本部を設置をし、対応を協議してきたところであります。市立小中高校の一斉休業につきましては、当初私は2月28日朝のこの対策本部におきまして、まずは3月2日からの休校はしないと、そして国からの通知、県の対応をみた上で判断をするということを対策本部の皆さんに申し上げた後、記者会見でその旨を伝えさせていただいたところであります。そしてその後、総理の強い思いをお聞きをし、そして総理が政府だけでは対応できない、与野党の協力、国民の皆さんとともにやっていきたい、断腸の思いで決断したということをお聞きをしまして、その総理の思いを受けて施策に取り組んできたところであります。可能な限り現場であったりだとか、学校現場だけでなくて働くお父さんお母さん、企業への影響を少なくすべく、時間的な猶予も持たせながら取り組んできたところであります。そんな思いから今回の市としての休業措置等を決定したものであります。

関係機関や保護者への支援について

―広田議員

5日からの休校で、現場は対応を迫られています。本市は、学校においては特別支援学級や特別支援学校、低学年の受け入れなど柔軟な対応をとりました。学童保育も多くのところが開所や見回りをし、子どもたちのために精いっぱい対応をしていただいています。

しかし、ご家庭によって事情は異なり、学校への送迎ができない、小4でもお留守番がむずかしいなど、さまざまな保護者のみなさんのお声もあります。第一義的な目的は感染を広げないことですが、さらに工夫をし柔軟な対応ができないか求めるものですがいかがですか。

-野口教育長

 学校において、様々な事情があるご家庭へのさらなる柔軟な対応が出来ないかとのお尋ねでした。本市の小学校におきましては、希望に応じて1年生から3年生までの児童を受け入れておりますが、ご家庭の状況等に応じて4年生から6年生の児童を受け入れたり、送迎を保護者以外の方も可とするなど、柔軟に対応しているところでございます。これからも様々なご事情から保護者等からのご希望があれば柔軟に対応して参りたいと考えております。

―広田議員

そのためには、もちろん補助や支援が必要です。学童保育について本市は、通常通りの開所を求めました。しかし、午前から開設した施設もあります。国は、午前中から運営する学童保育への補助額を、全国からの声によって、国が全額負担することとしました。本市もこの補助を使い、午前中からの開所分も含め、満額の財政補助や人的配置を含めた運営支援を行うべきではないですか、見解を求めます。

―山野市長

 放課後児童クラブのことについてお尋ねがございました。臨時休業期間中の各学校において、まずは希望する児童を受け入れ見守っていただくということを小学校低学年でさせていただきました。放課後児童クラブにつきましては原則、通常通りの時間で実施をしていただいているところであります。ただ、これは広田議員もご指摘がありました、地域によって事情がいろいろありますので、児童や保護者等の事情等に応じた開所時間の前倒しについても柔軟に対応していただくよう各クラブに依頼を行っているところであります。午前から開所をしている放課後児童クラブに対しましては、まずは保護者負担を徴収しないということにしたうえで、春休み夏休みなどの長期休業期間中に準じた運営委託費を追加交付することにしているところであります。

ー広田議員

次に、臨時休校で休まざるをえない親御さんへの助成制度が発表されましたが、独自の有給休暇を設けたところしか適応できない、中学生以上は対象外など条件が厳しいものです。またフリーランスの方については、4100円とほぼ半額であり、不十分だと批判の声があがっています。増額と同時に必要な方すべてに行き渡るよう制度改正を求め、また市としても支援する考えはないか伺うものです。

―山野市長

フリーランスの方に4100円、これは余りにも少ないのではないかと、国に働きかけるべきではないかというご指摘がありました。昨日取りまとめられた国の緊急対応策第2弾の中で、雇用調整助成金の対象事業主の拡大、企業や個人との間で業務委託契約を結んで働くフリーランスや個人事業主の保護者に対する給付制度など、各種支援策が示されたところであります。それを受け、本市としてはまずはこの国等の関係機関と連携を図り、情報収集をしっかりと行っていきたいと思っています。そして制度が効果的に活用いただけるように周知広報を行ってまいりたいと思っています。

保健所の体制について

―広田議員

保健所の相談体制について伺います。保健所の相談窓口は、相談センターもあわせて1日100件近くの対応をされ、これまで2000件以上の相談が寄せられています。現場のみなさまには敬意を表すものです。そうした環境から、一般の窓口相談を今週月曜日からコールセンターに委託したとのことです。こちらも丁寧な対応を求めておきます。

しかし、帰国者・接触者相談センターでは本市の保健師が対応を続けていくことになりますが、これまで土日や夜間も対応されてきており、現場の疲弊が心配です。申し入れもしてきたところですが、さらなる人員配置や支援を求めますがいかがですか。

―山野市長

職員が疲弊をしているのではないか、定数の在り方も含めて考えるべきではないかということでした。専門的な知識が必要となる相談には、保健所の保健師等の医療職に加え、福祉健康センター等の保健師が当たり、その他の業務には事務職員等を従事することにより、局をあげて対応する体制を構築しているところであります。保健所内の電話相談につきましては、これまでの職員による対応に加え、新たに委託によるコールセンターを設け、相談体制を強化したところであります。

―広田議員

そして、改めて定数改善を求めたいと思います。本市の保健師数は、中核市の中で人口あたりの数がもっとも少ない状況です。通常の業務でもめいっぱいなうえに、こうした感染症対応となると休日も夜間も返上でのぞむことになりますが、本来の力が発揮できるのでしょうか。保健師の定数を増やすべきです。

―山野市長

保健師の人員配置につきましては明年度以降の人員計画の中で検討させていただければというふうに思っています。

PCR検査について

―広田議員

次に、PCR検査との関係を伺います。保健所での相談はPCR検査の判断が行われるものでもあります。全国的にも検査を受けるのが厳しいと言われ、本市でも相談センターに相談しながら複数の医療機関を受診している例もあり、その背景には各自治体で行われるPCR検査の能力に限りがあると報道されている状況です。石川県では3月6日までに、153件の検査を行ったとされていますが、どのような実態なのでしょうか。

―山野市長

PCR検査のことについてお尋ねがございました。PCR検査は県内分を一括して県の保健環境センターで実施をすることとなっており、その検査能力に余裕があることに加え、今後検査体制が拡充される見込みだとお聞きをしています。

―広田議員

いよいよ6日以降は保険適応で、医師からの検査依頼を行うこともできるようになりました。本市においても、疑いのある場合はスムーズに検査が行えるよう求めますが、どのような状況なのかもあわせお答えください。

―山野市長

保険適用による検査につきましては今後県と連携をしながら体制を整えてまいります。

マスクや衛生資材の不足について

―広田議員

次に、医療現場などで最も切実なのが、マスクなど資材が入荷されないことです。国が生産ラインへの補助を出し供給を増やすとしていますが、いまだ現場ではほとんど供給がありません。医療機関や介護福祉施設など必要なところに行き渡るよう、国や県に働きかけるべきですがいかがですか。

―山野市長

 マスクにつきましては、国が製造や流通関係の業界に増産と流通の円滑化を要求しているとお聞きをしています。今後受給が好転することを期待しているところであります。また、市長会等を通じて国にマスク等の適正な市場供給が図られるように要望をしていきたいというふうに思っています。

―広田議員

  さらに、市が備蓄しているマスクはどれほどあるのか。活用方法を検討するべきではないでしょうか。

―山野市長

 マスクや衛生資材のことについてですけれども、本市では感染症指定医療機関である市立病院分を含め、サージカルマスク29000枚を保有しています。その使途につきましては、未だ供給が安定した状態となっていない状況でありますので、緊急度に応じ慎重に対応していかなければいけないと思っております。

市民の命を守る取り組み

―広田議員

次に、市民の命を守る取り組みとして、低所得者や無保険者、在留外国人を含め、すべての方が必要な検査や治療を受けられるようにすべきです。本市では、国民健康保険においておよそ830名の方が資格証明書となっています。本市は、通常から、資格証であっても受診した際は短期証へ切り替えるよう取り組まれています。しかし、資格証による受診抑制は続いています。今回この緊急事態に鑑み、短期証明書を発行して郵送するよう求めますがいかがですか。 

―山野市長

 国保資格証明書を短期保険証に切り替えることについてお尋ねがございました。本市ではこれまでも資格証明書を交付している者から医療を受ける必要が生じ医療費の支払いが困難である旨の申し出があった場合、特例として短期被保険者証を交付をしているところであります。ただ、緊急に受診する必要が生じたときは、その交付前であっても本来の負担割合で医療機関に受診できることとしているところであります。今回の感染拡大に伴い、医療機関への受診抑制とならないよう、この取り扱いについて資格証明書を交付している方に対し、さらに周知をすることとしており、一律に短期被保険者証を交付することは考えてはいません。

市内経済への対策について

―広田議員

新型コロナウイルスの感染拡大は世界にもそして市内の経済にも大きな影響を与えています。すでに、消費税10%増税が深刻な打撃となり、新型コロナウイルスの影響が加わりました。

本市では新年度、中小企業振興特別資金において新型コロナウイルスによる影響分も対象としました。国の特例貸付同様、無利子、無担保の支援を行うべきですがいかがですか。

―山野市長

中小企業、また雇用調整助成金の拡充のことについてですけれども、まずは国の特別貸付制度につきましては、売り上げが急減した中小企業や小規模事業者向けに政府系金融機関が実質無利子・無担保で融資をするものであり、本市としても市の公式ホームページや金融企業支援相談窓口で周知を図ってまいります。ご提案いただきました、市の制度融資を無利子・無担保で行うことにつきましては、当該制度が市内金融機関と協調して運用しているものであり、金融機関が独自で行う貸付に影響を与えるところから、今のところは考えてはおりません。

―広田議員

雇用調整助成金については、雇用保険に入っていない非正規やフリーランスは対象外でしたが、国会での追及により、生活福祉金貸付に特例を設けることになりましたが、あくまでも貸付であり給付にすべきです。本市独自の給付制度も検討するべきですがいかがでしょうか。

ー山野市長

 生活福祉資金貸付の特例、さらには本市独自のことについてですけれども、これも昨日国の緊急対応策第2弾でフリーランスや非正規労働者などに対し、新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減った際、無利子で最大20万円借りられる生活福祉資金貸付制度の特例措置が設けられる他、フリーランス等の保護者に対する給付制度が示されたところであります。本市としては当貸付制度の実施主体である石川県社会福祉協議会や、受付窓口の金沢市社会福祉協議会など関係機関と連携を図り、まずは制度が効果的に活用されるよう周知広報を行うとともに、引き続き国の動向を注視して対応して行きたいと考えています。

―広田議員

 そして、すでにこのような制度を使わず、本市でも雇止めが起こっている状況です。着実に行き渡るよう早めに周知していただきたいですし、市内業者の実態調査や特別相談窓口を設けるよう求めますがいかがですか。

―山野市長 

 実態調査を把握すべきではないかということでした。本市では先月末から今月初めにかけまして、機械・金属・食品・繊維等の製造業、さらには商店街などに対しまして、新型コロナウイルス感染症に関する影響等について聞き取り調査を行っているところであります。その聞き取りの中では、もうすでに影響を受けている業者、さらには今のところ影響は少なくとも先行きを心配するという不安の声もお聞きをしているところであります。これを機に、企業内の業務改善や人材の確保に積極的に取り組むなど、中期的な視点で捉える企業もありますことから、現在設置しています経済局の金融企業支援の相談窓口等において企業に寄り添ったきめ細やかな助言や支援に取り組んでまいります。

―広田議員          

ホテルや旅館なども深刻です。

市長、宮城県や奈良市では、新型コロナウイルスの影響による経営悪化に配慮するとして、宿泊税の導入を見送りました。市長、本市も宿泊税は一定期間中止するべきではありませんか。

―山野市長

 宿泊税をこの際一旦中止すべきではないかということでした。仮に宿泊税の課税を一時的に中止したといたしましても、宿泊者の増など私はこの段階で見込めるものではないと思っています。加えて、課税の停止及びさらに再開をする際に料金システムの変更、予約済みの宿泊者への対応など、宿泊事業者に多大な事務負担を結果としておかけすることにより、一定期間であったとしても課税中止は私は考えるべきではないというふうに思っています。

―広田議員

これらの経済支援や、一斉休校に伴う支援、保健所の相談窓口へ充実のために、予備費だけではなく、緊急に補正予算を組むべきですがいかがですか。

―山野市長

 補正の緊急予算を組むべきだというお尋ねがございました。同感であります。昨日制度は放課後児童クラブや放課後等デイサービスへの支援を含めた追加の緊急対策を決定されたところであり、市が取り組むべき施策について迅速に対応していかなければいけないと思っています。地域経済の活性化になし得る最善を尽くしていきたいと考えており、宿泊業や飲食業など一部の業種で影響が危惧されますことから、市として必要な対策をできるだけ速やかに取り組んでいきたいというふうに思っています。

2.新年度予算案について

ー広田議員

続いて、新年度予算について伺います。

市長は、提案理由説明の中で、政府の月例経済報告「景気は緩やかに回復している」を引用しました。

しかし、先月17日発表のGDPは大幅なマイナス成長となり、内閣府の景気動向指数は12月の景気の基調判断を「悪化」とし、8月以来、5カ月連続です。景気動向指数の基調判断は雇用や消費、生産などの指標の動向から機械的に割り出されるものであり、政府の思惑で、「景気回復」に固執しても、実態経済は深刻で、市民のくらし、地域の事業者は見通しがない状況に陥っています。

アベノミクスは破綻し、消費税頼みの税制をすすめ、軍事費などは突出する一方、自然増すらも切り捨てる社会保障、地方交付税も減らす、そうした中で、地方自治体は厳しい状況です。

市長も、当初予算については、歳入全体に大きな伸びは見込めず、厳しい財政環境下での編成だとしています。

しかしながら、公共事業には271億円の公共事業規模を維持、ごみの有料化の基金や、宿泊税の基金も取り込んで一般会計で過去最大の1741億円にものぼりました。

過去最高の予算を組みながら、その中身は、大型公共事業、観光についても大手資本誘致と一体となったインバウンドや富裕層目当ての呼び込み型施策であり、市民のくらしや、持続可能な観光、地元の商店、中小企業対策など、地に足のついた予算とはなっていません。

大型公共事業については、老朽化や耐震化に伴うものは必要です。しかし、全体で100億円ものサッカー場建設、クルーズ船誘致に伴う金沢港整備、まだ使える建物を壊し立て替える学校、図書館建設、そして市民の声なき歌劇座の立て替え検討など、不要不急の事業であり、見直しが必要です。

呼び込み型事業のほころび

そして、呼び込み型事業にはほころびが見られます。

金沢駅西口では、市長自らが市民の土地を安く大手企業に売り渡しました。6月オープンとのことですが、富裕層向けの外資系ホテルやマンションが中心なのかと思っていたら、大規模な商業施設がセットで、1階2階で飲食や物販など計34店舗もある複合開発プロジェクトであったのだと知りました。北陸3県や観光客をターゲットにした集客が見込まれます。

しかし、本市は都心軸活性化と称し、片町や香林坊の出店に多額の補助金を出し、竪町を中心に各商店街にも家賃補助をして、商店街とともに取り組んできたのではないですか。片町の再開発では数十億もの市税を投入しています。市長、市長自身が誘致した事業がそれらの脅威となっていきますが、見解を求めます。

―山野市長

現在整備中のクロスゲート金沢のことについてお尋ねがございました。ホテルを核とする複合施設、クロスゲート金沢の開業には、国内外の富裕層を始めとした多くの方々にお越しいただくことで経済効果ももたらすこともできますし、本市のブランド、ステータスも高まっていくものと考えています。その効果は広域からの集客や買い回りなど街中商店街や店舗へも波及をしていくものと期待をしており、今後とも商店街の方々と意見を交わしていきながらまちの魅力を高めるとともに、受け入れ環境の整備、回遊性の向上など積極的に取り組んでまいります。 

ー広田議員

ほかにも、観光客を目当てにホテルや飲食店の出店が続いていますが、これらも県外資本が多く、利益が外に出てしまうと専門家からも懸念がされています。

本市は、県外の大手資本、チェーン店で塗り固めた町になりつつあり、本当に市長の言う「個性際立つまち」と言えるのでしょうか。「元気で活力あふれるまち」ではなく、富裕層と観光客を目当てに大手資本がもうけるためのまちと化してしまったのではないでしょうか。

市民のくらしや地元企業応援への転換を

その一方で、市民生活は大変です。実質賃金の減少、少子高齢化は止まりません。地方創生と言っても、移住相談会は「さくら」の存在が報道をされ、首都圏への若者流出は止まりません。旧市街地は空き家が増え、コミュニティが保てなくなっています。

大手資本誘致と一体となった呼び込み型施策や不要不急の大型建設予算ではなく、地に足のついた予算編成、市民のくらし、地元企業応援で、市民一人一人が経済力をもって豊かに過ごせる市にするための方向に転換すべきではないですか伺います。

―山野市長

 もっと地元事業者を応援すべきではないかという主旨のご提案をいただきました。本市の公共事業は将来に向けた街の発展基盤、生活に身近な社会資本として整備してきており、地域の活性化や市民生活の向上に繋がる必要不可欠な政策であります。一方、地元の中小企業者に対しましても資金繰り、円滑化、後継者育成、企業支援に努めるなど、きめ細やかな支援に取り組んでいるところであり、市としてどちらの施策も均衡を図りながら積極的に取り組むことが大切であるというふうに考えています。

中小企業支援を

―広田議員

具体的に伺います。まずは中小企業支援です。

本市の企業のうち中小企業は99.6%であり、本市経済の根幹をなしています。しかし、この間、企業数は減り続け、現在は消費税増税やキャッシュレス対応、コロナウイルス、など対応を迫られています。

本市は、昨年中小企業振興・経営強化懇話会を設置し報告書も出されていますが、新年度予算では、あらたな分野や起業については支援を打ち出していますが、これまでがんばってきた中小業者をどう支え、育てていくかが見えません。

とくに、今年度の中小企業の資金繰り支援については、4300万円ほど。昨年度は5000万円であり、消費税増税が通年化されているのに、なぜ減らしたのか。もっと支援を充実すべきではないでしょうか。

―山野市長

 金融対策のことについてお尋ねがございました。本市では金融に関する相談窓口を開設をし、専門員による相談や助言指導を行っており、その内容に応じ政府系金融機関、地元の金融機関、県の信用保証協会、それらと連携をし、経営安定化に向けた資金繰りの支援を行っているところであります。ご指摘の予算額の減額につきましては、景気の緩やかな回復基調を受け、中小企業が過去に借入した景気対策分等の残高が少なくなったものであり、新規融資分につきましては例年同様83億円を確保していることから、今後とも金融機関等と協調し、きめ細やかな中小企業への金融対策へ取り組んでまいります。

子育て支援を

―広田議員

次に子育て支援についてです。

本市は、第二次金沢版総合戦略の基本目標の1番で、「若い世代に優しく、子育ての喜びを分かち合うまちをつくる」と掲げています。しかし、その中には「市の外郭団体と連携しイベントを開催し、 結婚や子育てに関する意欲の向上を支援する」とありますが、結婚や子育ては意欲で解決するものではなく、経済的な障壁をとりのぞくことが求められています。

地に足のついた取り組みが求められるにもかかわらず、本市は来年度も県内で最低の子ども医療費助成制度を続ける予算となっています。

子ども医療費助成が中学生までなのは県内で本市だけですし、窓口負担が残っている市町もわずかです。この窓口負担は、ひとり親世帯の窓口負担にも連動しています。

対象年齢を18歳まで延長し、窓口は無料にするべきですがいかがですか。

―山野市長

 こどもの医療費のことについてお尋ねがございました。子育てをしやすい環境を作っていくためには、こどもの医療費の助成だけでなく様々な施策を取り組み合わせていくことが大切であると思っております。施策の充実を様々な面から取り組んでいるところであります。こども医療費の助成に関しましては、安定した制度運営と適正な受診を確保するためにも、今のところ助成対象の拡大、窓口負担の無料化は考えてはおりません。

保育について

―広田議員

保育についてです。新年度から通年で行われる保育料無償化によって、これまで本市が保育料を据え置くための費用およそ2018年度17億6千万が、2020年度は5億7千万円と大幅に減りました。その浮いた財源は、保育料無償化のあらたな市費負担分を差し引いたとしても残るはずです。保育士の処遇改善など保育の充実のために使うべきではないでしょうか。見解を求めます。

―山野市長

 子育て応援予算のことについてお尋ねがございました。幼児教育・保育の無償化に関連してご提案もいただきました。国の徴収基準額より低く設定していることに伴います本市保育料の市費負担分は減額となりますが、保育所や認定こども園に係る運営費が増加するとともに、新たに幼稚園や認可外保育施設の保育料、利用料相当分を行政が負担することになることをご理解いただければというふうに思っております。今年度は保育士の負担軽減を図るために保育の周辺業務などにあたる補助者の配置、市内の保育施設への就労促進などを目的とした保育士の宿舎の借り上げに対する支援制度も新設をし、こちらは大いに活用をいただいているところであります。明年度におきましても、施設整備に対する支援制度を拡充をいたしました。潜在保育士の掘り起こしや仕事の魅力発信など、保育人材の確保策も進めていきたいと思っております。そういう様々な施策に取り組むことによって、保育士の処遇改善など保育の充実を図っていきたいと考えております。

学童保育について

―広田議員

学童保育については、新年度予算で施設の改修や指導員の処遇改善など予算の強化がされました。しかし、新年度の事業計画では、市の把握を超えた待機児を見込んでおらず、現場からは待機児を解決できないと不安の声があります。

そんな中、市長は突然、提案理由説明の中で「学校法人とNPOに受け皿を拡大する」と表明をしましたが、委員会で報告された新年度事業計画案に、その方針は一文もありませんでした。

一体、いつどこで運営主体を拡大する方針を決めたのか。先月19日の子ども子育て審議会で議論がされ全体の了承を得たものなのか。なぜ、学校法人とNPOなのか。学童保育は、これまでの運営形態では実務的に難しいことも指摘されていましたが、その解決や求められる支援も行われないまま、突然、あらたな参入を認めるのはあまりに短絡的ですし、競争原理によって既存のクラブが脅かされる心配もあります。具体的にあきらかにしてください。

―山野市長

放課後児童クラブを新たに学校法人やNPOに拡大することについてのお尋ねがございました。待機児童が地域によっては放課後児童クラブにつきましては発生していることに加え、今後も利用児童数が増える見込みであると思われています。施設環境や受け入れ児童数に地域間の格差があるなど課題もこれまでこの本会議場におきましても指摘をされているところであります。ただ金沢市はこれまでも地域の社会福祉協議会や地域の社会福祉法人が地域の実情に即した運営を行っていただいています。こどもたちの保育環境をより高めるために、金沢市児童クラブ協議会と協議を行った結果、利用児童の増加などにより既存クラブでの運営が難しい場合には、地区の社会福祉協議会の了承、皆さんのご理解をいただいた上で、幼稚園などを運営する学校法人、子育て支援事業などを実施しているNPO法人に運営主体を拡大をしていきたいというふうに考えています。

国民健康保険について

―広田議員

国民健康保険についてです。

今年も県が示した標準保険料はあがりました。

本市は今回、全体で4億7千万円の負担の抑制を行ったとしています。しかし、モデルケースでみても、保険料が年収にしめる割合は多く、年収500万円の妻夫子二人では、年間60万5千円と12%もを占める状況です。

基金も予算上25億円以上残っており、保険料を減らすために使うべきですがいかがですか。

―山野市長

 国民健康保険料のことについてお尋ねがございました。財政調整基金につきましては、これまでも子育て世帯等に配慮をし、保険料負担の軽減を図るための繰り入れを行ってきたところであります。今後の国保の財政は、被保険者の高齢化の進展に伴う1人当たりの医療費の増加などにより、厳しい状況が見込まれます。保険料の引き上げが必要となった場合におきまして、急激な引き上げとならないように、負担緩和の財源として効果的な活用を図っていくこととしており、さらなる保険料の引き上げに使用することは考えてはいません。

―広田議員

そして、本市は来年度もまた法定外繰り入れを減らしています。国は保険者努力支援によって、自治体の法定外繰り入れをやめさせようとしますが、それに従うのではなく、国の負担こそさらに求めるべきです。ほかの保険にはない赤ちゃんにもかかる「均等割り」をなくすため、国へ強く声をあげていただきたいと思いますがいかがですか。

―山野市長

 こどもの均等割り保険料の軽減についてお尋ねがございました。これは被保険者の保険料の負担を緩和するには、国の責任ある財政措置が不可欠であります。今後とも引き続き全国市長会、さらには国民健康保険中央会を通じ、国庫負担の拡充、こどもの均等割り保険料を軽減する支援制度の創設などを国に強く働きかけてまいります。

介護保険、高齢者施策について

―広田議員

介護保険など高齢者施策についてです。

介護保険料は低所得者層の保険料は消費税による影響緩和で引き下げられましたが、本市の介護保険料は依然として高い水準のままです。年金も目減りし、高齢者の暮らしは深刻です。引き下げるよう求めますがいかがですか。

―山野市長

 介護保険の保険料についてですけれども、介護保険料につきましては法令に基づき3年間のサービス給付費を推定して算定をしているところであります。来年度までの今期介護保険事業計画中の引き上げを行うことはありません。

―広田議員

次に新年度予算でついに、県が65歳以上心身障がい者医療費の窓口無料化を打ち出し、10月から実施するとしたことについてです。市民のみなさんと求めてきたことが実現しますが、本市はどのような実施計画をもっているのか、あきらかにしてください。

―山野市長

 また、心身障害者医療費助成の県の対応についてのお尋ねがございました。障害のある65歳以上の方への医療費助成の現物給付化につきましてはこれまでも石川県市長会を通しまして県に要望をしてきたところであります。県は明年度の当初予算において、本年10月からの現物給付化を決定をしていただいたところであります。本市といたしましても、今後県と連携、歩調を合わせながら、導入に向けた準備を進めてまいります。しっかりと取り組んでまいります。

3.公的な役割の維持を

ガス・発電事業について

―広田議員

まずは、ガス・発電事業についてです。市長が昨年の6月にあり方検討会に諮問をし、わずか4回で、「民間への譲渡が適当だ」と答申が出されました。その方向性でパブリックコメントが行われ、議会の議論も経たとして、先月の常任委員会でパブリックコメントの結果とともに、「民間譲渡する」と記した基本方針案が出されたわけです。

しかし、公営事業である以上、拙速なやり方は許されませんし、市民の声をしっかり聴くことが大前提です。

その点でまずは、パブリックコメントについて伺います。

パブリックコメントは6万件の世帯や事業所に直接送付したこともあり、701件もの返答がありました。

その回答に対して本市は、推進、維持、不明と分類をし、推進派が公営維持派を上回ったというような説明をしたのです。しかし、パブリックコメントは賛否を問うものではありません。市は、数が多く意見を整理するためと言いますが、過去5年間の結果をすべて振り返っても、一度もそんなケースはありませんでした。そして701名分すべて拝読しましたが、賛否を判定できないものが大多数です。市が民営化の方向に議論を誘導するために使ったとしか考えられません。もし賛否を問いたいのであれば、再度、市民全体に周知し賛否も含め問い直すべきではないですか。

さらに、このパブコメで気づいたこと。それは、企業局に対して、民営化への批判はあっても、日頃の業務に対しては「本当にいつもよくしていただいている」「このままでいてほしい」と公営企業への期待と感謝の言葉が並んでいます。市長、お読みでなければぜひこれらすべてに目を通してください。そして、一度方針を撤回し、まずは市民に説明からはじめることを求めますがいかがですか。

―山野市長

 公的役割のことについて、まず、ガス発電事業の民営化についてお尋ねがございました。ガス発電事業は市民生活や産業活動の発展を支えてきた大切なライフラインでありますことから、あり方検討委員会からの答申に基づく検討内容につきまして広く意見を聞く必要があると考え、パブリックコメントを実施いたしました。多くのご意見をいただいたものでありまして、参考までに、検討案推進と両事業とも公営維持とする意見者の状況を合わせてお示しをしたところであります。いただいたご意見はいずれも私も拝読いたしました。真摯に受け止め、事業譲渡に向けた基本方針に反映をしていきたいというふうに考えています。パブリックコメントは今ほど申し上げましたように、市の広報やホームページだけでなく、すでに都市ガスや簡易ガスの利用者にも呼びかけ、広い意見をお伺いしたいということで努めてきたところでもあります。検討委員会からの答申、これまでの議会での議論、パブリックコメントの結果等も踏まえて、ガス発電事業に合わせ新設の株式会社に譲渡をすることが、市民サービスの向上に資するものと決断をしたところであります。

市立病院について

―広田議員

次に市立病院のあり方検討会についてです。出された提言では独立行政法人化、現地からの移転が求められています。しかし、独立行政法人化は、独立採算を要求され、サービスの引き下げや職員の勤務条件を引き下げるものであり、自治体病院の機能を維持するうえでは行うべきではありません。また現在地からの移転は地域住民や患者さんに大きな影響を与えます。患者さんや地域住民のご意見をしっかり聴くよう求めますがいかがですか。

―山野市長

 市立病院のことについてですけれども、今後の方向性につきましては、昨年度から2年間に渡り今後の在り方検討会でご議論をいただき、提言を先般いただいたところであります。建て替え場所や独立行政法人化につきましては、その提言の内容も踏まえ、課題も合わせてご提示いただいたところであります。その課題点等を整理して行く中で、市民、そしてなんといっても現場で働く病院職員の声にも耳を傾けていきながら、さらに検討を重ねていきたいと思っています。

市立保育園のあり方について

―広田議員

新年度予算ではじめて「市立保育園のあり方検討費」が盛り込まれました。この間の「あり方検討会」と名がつくものは、「民営化」につながるものが多いので大変心配です。公立保育園も民営化ありきで議論が進められるとすれば許されません。まずは、どのような検討が行われるのか、あきらかにしてください。そして、公立保育園の役割について市長はどのように受け止めておられるのか、あわせてお答えください。

―山野市長

 市立保育所の検討会ですけれども、金沢市立保育所の多くの築年数は、45年を超える施設が半数を占めるなど、老朽化が進んでいる状況にあります。将来を見据えた改築や移転等についての方針を定めていきたいというふうに思っています。私は毎年、金沢市立の保育所全て回らせていただいて、いろんな意見交換をさせていただいているところであります。多くの保育士さん、園長先生とお話するんですけれども、やはり老朽化のことについて言及をされる方が多くいらっしゃいます。あわせて、場所によっては周辺道路や河川の状況など、地理的条件についても不安をお持ちの園長先生、所長先生が多くいらっしゃいます。地域毎に様々な保育事業の推移を踏まえた対応も必要と考えており、学識経験者や保育関係者に加え、地域の声を聞くなど、幅広く意見を聞きながら進めていきたいと思っています。公立保育所の役割のことについてですけれども、一般的に統合保育の実施や、配慮を必要とする家庭のこどもの受け入れなど、セーフティネットとしての役割が求められていると思っています。民間施設が多い本市において、市立保育所が果たす役割は私は極めて大きいと思っています。また市立保育所での保育業務等を通じ、職員を継続的に育成することで児童相談所や幼児相談所における相談支援業務の他、明年度開設いたします幼児教育センターで行う幼児教育・保育の質のさらなる向上のための取り組みに対応できる人材の養成にも繋がっていると考えています。

4.ごみ処理、環境施策について

東部環境エネルギーセンターの延命化について

―広田議員

第6期ごみ処理基本計画の中で、これまでごみ有料化の目的としてきた、東部エネルギーセンターの建て替えが突如「延命化」と打ち出されました。

市長は29年の3月議会で、「この時期に家庭ごみ有料化議案を提出したのは、何といっても東部環境エネルギーセンターの立て替えのことがある。基幹的改良工事によって平成39年度までもたせる手立てをとっているが物が物だから」とし、市民の中にはそれなら仕方ないと思った方もいるはずです。

ところが、平成39年度に新施設へ移行するには、来年度は環境アセスメント調査が必要でしたが、環境アセスどころか延命化が打ち出されたのです。

12月の答弁では「今ある施設を少しでも長く大切に使ったうえで建て替えを検討することは将来世代の負担につながる」としました。それでも、39年度に使えなくなるのにどうするのだろうと思い調査したところ、家庭ごみが減り、西部環境エネルギーセンターのほうへ多めにごみを運んだ結果、東部の焼却炉の痛みが少なくなり、延命化できるとしたそうです。であるならば、それはごみの有料化以前に計画できたことではないですか。方針が変わったことについて具体的に説明を求めます。

そして、もちろん焼却炉が減ることは環境にとってもよいことですが、今後東部環境エネルギーセンターをどう位置付けていくのかあきらかにしてください。

―山野市長

 東部環境エネルギーセンターのことについてお尋ねがございました。第6期ごみ処理基本計画においては、第5期同様、ごみ量やごみ質に合わせた、適正で効率的なごみ処理体制の再構築を掲げており、その方針は変わっていません。東部環境エネルギーセンターの将来的な建て替えの必要には何の変わりもありません。ただ、ここにきて、市民の皆さんが大変真摯に取り組んでいただきました。当初見込んでいたごみ量の平均削減率14%という全国平均は、ここで何度も申し上げていますけれども、今のところまだ2年あまりではありますけれども、現状約20%となってきました。またこれは広田議員からもこの議会で何度も、事業系ごみの減量のことについてもご提言もいただいているところであります。全く同感でありまして、明年度から事業系ごみの減量化・資源化にさらに重点的に取り組むことによって、焼却炉の運転負荷がさらに軽減することができるのではないかというふうに思っています。東部環境エネルギーセンターのより一層の延命化が可能となってくるのではないかというふうに思いますし、そのことが将来世代に対する負担を減らすことにも繋がってくるものだと思っています。東西ふたつの環境エネルギーセンターで効率的な運転に努めながらごみ処理を行っているところであります。第6期ごみ処理基本計画におきまして、東部環境エネルギーセンターは必要な施設であるとも捉えています。今後とも、市民・事業者と協同により、減量化・資源化に取り組むことによって一層ごみ量を減らし、施設のコンパクト化を図ることで将来世代の負担軽減に努めていきたいと思っています。

有料ごみ袋の基金について

―広田議員

つぎに、市民が購入した有料ごみ袋のお金を積み立てた基金についてです。

市はごみ有料化の説明時には、地域の負担をへらすためごみステーションや環境整備に使うとしてきましたが、それがコミュニティ基金へと拡大し、さまざまなことに使われてきました。そして、今回は公民館の整備などに拡大するというのです。もちろん、市民の負担を減らすために必要な項目ですが、一般財源で行うべきです。

そして要援護者ごみ出しサポート費は3500万円から1000万円に削るとのこと。利用実績が低いからだと思いますが、実績が低いのは基準が厳しいからです。受けられる基準を要介護から要支援1以上などに引き下げ、もっと多くの方が使える制度にすべきですがいかがですか。

―山野市長

 要援護者ごみ出しサポートのことについてですが、本市におきましては良好な地域コミュニティにより家庭や地域の支え合いで円滑なごみ出しが行われているケースが多く、これまでの実績をもとにごみ出しが困難な世帯への予算を十分確保しているところであります。この事業の対象となる世帯の要件が他都市と比べ利用しやすいものになっていることや、基準の引き下げがかえって地域コミュニティの阻害に繋がることなども懸念されますことから、今のところ制度の見直しは考えてはいません。

―広田議員

ごみ有料化の基金は新年度予算で6億1千万円にもなり、その使い方があらゆるところに及んでいますが、なぜ環境やごみ施策に使わないのかと、疑問の声がひろがっていますし、市民が努力した分、ごみ袋の値段を下げて還元してほしいというのは当然の願いです。

ごみ有料化の目的としてきた焼却炉の状況も変わり、基金もこれだけ多いのですから、いったん有料化制度や袋の値段を見直す議論が必要だと考えますがいかがですか。

以上伺いまして質問を終わります。

―山野市長

 手数料の引き下げなどが必要なのではないかということであります。目的は歳入を増やすことではありません。この活動を通すことによって指定袋制を通すことによってごみの減量化を図り、さらに資源化を高めていくということが目的であります。私は市民の皆様のご理解をいただきまして大きな効果が出てきているというふうに思っていますし、実務的には対応しなければいけないことはその都度対応して行きながらも、私はこの制度が市民の皆様の間で定着しつつあると思っています。引き続き、先程来申し上げております、家庭系だけではなく事業系のごみのさらなる減量化・資源化にも、明年度は積極的に取り組むことによって、金沢市全体の環境施策に寄与する、そういう仕組みを作っていきたいというふうに思っています。制度の見直しは考えてはおりません。

-広田議員

 再質問いたします。

 まず、新型コロナウイルスへの経済的支援ですけれども、今聞き取り調査をされているということは大変良いことだと思います。ただそのもう雇い止めという話が出てきてしまっているというのが実態で、ぜひこれからまだ聞き取りをするのであれば、そのときに雇う側に対してこういう支援があるんだと、雇い止めしなくても大丈夫だということをぜひもう一度周知をいただきたいということがひとつと、もう回ってしまったところには、ホームページに載せても伝わらない可能性があるので、ぜひ再度丁寧なお知らせなりを送っていただきたいと思います。そして、やはり国の支援から漏れる方というのはもうだいたい明らかになっているので、もう自治体として上乗せを検討しているところもありますから、市も待ったなしの状況だと私は思うので、すぐ対策を検討するように再度求めたいと思いますがいかがでしょうか。

-山野市長

 ・・・・ホームページだけでは十分浸透しないかもしれません。様々な形で国の制度の周知、徹底を図っていきたいと思っています。2点目ですけれども、昨日国の方で発表になったところでありますので、それをしっかりと受け止めて、本市として出来る限りの対応を速やかに取り組んでいきたいというふうに思っています。

-広田議員

 ぜひ速やかな対応をお願いしたいと思います。私たちは補正予算で緊急対応も、それについては賛成をいたしますのでよろしくお願いいたします。

 次に国保証ですけれども、先程資格証明書の人には周知を今一度していただくということはわかりました。ただやっぱりそれでも、資格証明書を持っているということだけで受診抑制になるんですよね。今みたいに感染が広がっているときは命の危険につながるし、他の方に感染をさせてしまうということにも繋がります。さらに昨日の専門家会議でも感染症の長期化の可能性が示されました。となると、多くの国民健康保険に入っている高齢者は外出を自粛しているので、長期にわたって納付相談にもいけないという状況にもなるわけですよね。なので、やはり郵送で短期保険証を、今は緊急事態だということで郵送してほしいと、そういうことを求めているのですが、再度検討だけでもお願いいたします。

そして確認ですけれども、ガス発電のパブリックコメントの何が問題だったかというと、当局側が賛否で、建設企業の常任委員会なんかでも推進と維持とで推進が上回っているというような表現を持って賛否でこの結果を返してきたということが私は問題だと思うんですけれども、1点だけ一般論としてパブリックコメントは賛否を問わないものだということで、市長の認識はそれで良いか伺っておきたいと思います。

-山野市長

 資格証明書のことにつきましては、申し訳ないですが同じ答弁になりますが、この資格証明書を交付する者に対し、さらに周知することによって対応して行きたいと思っています。これも答弁でも申し上げましたけれども、緊急に受診をする必要が生じた場合には、その交付前であったとしても本来の負担割合で医療機関に受診できるものでありますので、ご理解をいただければというふうに思っております。

 パブリックコメントのことにつきましては、いろんな方からそのテーマについてのご意見をお聞きをするものであります。

2/28、3/1の金沢市長記者会見を受け、4回目の市長への申入れをしました。

2020年3月2日

金沢市長 山野 之義 様

新型コロナウイルス感染対策に対する
緊急補正予算と対策を求める申入れ

金沢市議会議員 森尾 嘉昭
広田 美代
大桑 初枝
玉野  道
熊野 盛夫

 新型コロナウイルス感染拡大の中、安倍首相が29日突然、全小中高校の臨時休校を要請し、国民に不安と混乱が広がっています。
 子どもの安全と居場所の確保、共働きの家庭などへの影響と対応、学校休校に伴う学校現場や学校給食関係への影響、医療関係など職場や保育所、学童保育、児童館などへの影響に対する対策をどうするのか。などこうした現場からの声に対して、国の責任ある対応が求められています。
 本市は、市内小中高校の臨時休校について、2日からの実施を見送りましたが、1日市長が記者会見を開き、5日から19日まで臨時休校することを明らかにしました。その中で、共働きの家庭に配慮し、保護者らの送迎と昼食持参を条件に小学1年生から3年生は希望に応じ、午前8時15分から14時半まで各学校で受け入れるとしました。
 今後、実施に伴う様々な問題への対応が求められます。
 県は、1億円規模の追加補正予算を検討しており、本市に於いて早急に追加補正予算について検討が求められます。具体的に、以下の点を申し入れます。なお、この対策などについて市議会へ適時、説明を行うよう求めます。

                   記

  1. 市内小中高校の臨時休校に伴う様々な問題に対応する対策本部を設置し、適時解決にあたること。とりわけ、保護者の負担軽減対策を講ずること。
  2. 学校休校に伴う学校現場や学校給食関係への影響、保育所、学童保育、児童館などへの影響に対する人的配置と財政支援策を講ずること。
  3. 保護者などへの休職に伴う対策を国は打ち出しているが、雇用調整助成金は、雇用保険に加入していない方には適用されないことから、すべての影響の方に対応するよう国に求めること。
  4. 医療現場でのマスク、ガウン、ゴーグルなど感染防御資材と装備を支給すること。
  5. 保健所の体制強化を図るため、人的配置と財政支出を行うこと。
  6. 検査体制の強化を国、県に求めると共に、市独自での対応を検討すること。
  7. マスクや感染予防対策資材がしっかり、確保できるように国にもとめること。

以上

相川副市長へ申入れ
野口教育長へ申入れ

コロナウィルスの拡散も全国的になり、石川県内でも5人目の感染者の確認され、首相記者会見も行われたのを受け、新たな感染拡大対策と予算措置の申入れをしました。

2020年2月28日

金沢市長 山野 之義 様

新型コロナウイルスによる感染者が県内で5名となったことを受け、
新たな対策と緊急の予算措置の申し入れ

金沢市議員 森尾 嘉昭
金沢市議員 広田 美代
金沢市議員 大桑 初枝
金沢市議員 玉野  道
金沢市議員 熊野 盛夫

石川県は、27日、県内で5人目となる新型コロナウイルスの感染者が確認されたことを明らかにし、26日には、政府の新型肺炎対策の基本方針を打ち出しました。
 その中で、首相は、「多数が集まるイベント等について、2週間は中止、延期、規模縮小を要請」しました。これを受けて、国立の博物館や美術館を2週間程度閉館することを決定しました。よって、市長におかれては、市民の命と健康を守る上で、感染防止対策と医療体制の充実に向け、新たな対策と予算措置を行うよう求めるものです。

  1.  市民からの問い合わせにこたえられるように、金沢市保健所の体制強化を図り、電話の増設、24時間の電話受付を行うこと。検査体制の充実を県に求めると共に、市独自に検査体制を検討すること。また、簡易キットの開発、民間での検査体制など県を通じて国に求めること。
  2.  市民に迅速な情報提供のため、ホームページだけでなく、公式フェイスブック、公式ツイッター等を通じて情報を発信すること。
  3.  金沢市立病院での感染患者の受け入れ体制を強化するため、体制の充実を図ること。また、医療機関を利用する方々に対して、安全な受診が出来るよう待合室の改善、薬の処方箋の受け渡しなど改善をはかること。そのための財政的支援を検討すること。
  4.  市内の公共施設に於ける感染予防対策の徹底をはかると共に、国内外の不特定多数の方が訪れる21世紀美術館などの休館について検討すること。
  5.  本市市役所など市民サービスにかかわる施設に於いて、職員のマスク装着、手指消毒の設置、トイレにペーパータオルの設置など徹底すること。
  6.  政府が全国の小中学校・高校に春休みまで臨時休校を要請したことから、すみやかに対応し、関係者に柔軟な配慮を行うこと。

以上

2月21日石川県で新型コロナウィルスの初の感染者が確認されて既に4人となりました。これ以上の拡大を防ぐための検査、医療体制の強化、予算措置を緊急に求める申し入れを金沢市長に行いました。

2020年2月25日

金沢市長 山野 之義 様

新たな局面を迎えた新型コロナウィルスによる肺炎(COVID19)に対する
予算措置など緊急対策の申入れ

金沢市議員 森尾 嘉昭
金沢市議員 広田 美代
金沢市議員 大桑 初枝
金沢市議員 玉野  道
金沢市議員 熊野 盛夫

 石川県は、24日夜、新たに、50歳代の女性と60歳代の男性が、新型コロナウィルスに感染したことを明らかにし、これまでの感染者が4人となりました。21日に感染が確認された50歳代県職員男性の家族である10歳代の男性の感染が確認され、この息子さんが、金沢市野田中学校の生徒であることから、金沢市教育委員会は、同中学校を2週間、休校することを発表し、昨日、保護者説明会を開きました。
 本市で新型コロナウィルスによる肺炎(COVID19)の感染者が相次いで、確認され、人から人へと感染の広がる「市中感染」の段階とも言える新たな局面を迎えています。
 市民の命と健康を守る上で、感染防止対策と医療体制の充実に向け万全の対策が求められています。市長を先頭に全庁挙げての対策を求めるものです。

  1.  市長を責任者とする対策本部のもとに、専門家会議を立ち上げ、知恵を結集して今後の対策を協議し、全庁挙げて具体化をすすめると共に、そのための予算措置をとること。
  2.  市長から、市民への呼びかけを検討すること。
    この中で、第一に、市民に、冷静な対応と感染予防対策に取り組むことを呼びかけると共に、正確な情報提供を行う事を表明する。
    第二に、市内での感染の確認を受け、本市としての行動指針を検討し、明らかにする。たとえば、100人以上の集まりを自粛する。介護施設、障害施設、保育所など子どもに関係する施設などでの出入りの規制。こうした点を検討し、市民によびかけること。
  3.  金沢市保健所の体制強化を図り、電話の増設、24時間の電話受付を行う。検査体制の充実を県に求めると共に、簡易キットの開発、民間での検査体制など県を通じて国に求めること。また、マスクなどの資材の確保を緊急に国に求めること。
  4. 金沢市立病院での感染患者の受け入れ体制を強化するため、体制の充実を図ること。また、医療機関での診療確保のために、市医師会とも協議し、体制充実の支援を行うこと。
  5.  市立美大、市立工業高校、小中学校、保育所などでの感染予防対策を具体化すること。また、卒業式、入学式についても検討を行うこと。
  6.  企業などに対して、感染予防対策強化を呼びかけ、影響のある企業に対して、支援策に取り組む。 以上

2020年2月17日

金沢市長 山野 之義 様

新型コロナウィルスによる肺炎(COVID19)に対する
緊急対策と予算措置を求める申入れ

金沢市議員 森尾 嘉昭
広田 美代
大桑 初枝
玉野  道
熊野 盛夫

新型コロナウィルスによる肺炎(COVID19)が北海道、東京、神奈川、和歌山、千葉、沖縄などで発生し、13日国内最初の死者が発生しました。新たな感染者には、感染経路が不明確な人も含まれ、人から人への感染が広がる懸念が増大する中、16日、政府による専門家会議が開にかれました。加藤勝信厚生労働大臣が記者会見を通じて、「患者が増加する局面を想定した対策を今から取るべきだ」と国民に呼びかけました。
 すでに、14日厚生労働省は、滞在した地域を限定せずウィルス検査が受けられるよう対象者を拡大する方針を打ち出し、総務省は、この対策に取り組む自治体に財政支援することを明らかにしています。
 この問題に対する市民の関心は高く、市内でのマスクが店頭からなくなるなど身近な問題となっています。市内の医療関係者からは、患者様から検査の依頼があっても、国が示す要件が満たされなければ検査は受けられないとの判断が示され、対応に苦慮していることや、保健所に相談しても国の示す方針が伝えられるだけで、接触者外来を有する医療機関についても公表されていないこと。感染症指定医療機関は、金沢市内に2か所(県立中央病院2床、金沢市立病院6床)だけで、対応できるのか。とのご意見や、この肺炎が広がった場合、一般の医療機関はどのような対応が求められるのか。すでに対策のためのマスクなど医療関係資材が不足してきているとのご意見ご要望などをお聞きしています。
 よって、新型コロナウィルスによる肺炎(COVID19)に対する緊急対策と予算措置を行うよう申入れます。

  1. 市民に対して、感染拡大防止対策や感染者の人権保護対策など情報提供を強めること。また、教育、福祉関係などに対して丁寧な情報提供を行うこと。
  2. 市民からの相談窓口を充実するため、駅西保健所や各福祉健康センターの体制強化をはかること。
  3. 特別養護老人ホームなど介護、障がい施設での感染拡大防止対策をすすめると共に財政的支援を行うこと。
  4. 市内医療施設に対して感染拡大防止策や安全な診療確保のため、通常の患者と導線を切り離すための施設設置や医療資材の確保などに財政支援をおこなうこと。
  5. 市民や医療機関からの問い合わせ、相談窓口の充実に向け、相談所の拡充、人的確保など緊急対策を行うこと。
  6. 感染指定医療機関として本市市立病院の体制充実をすすめると共に、一般医療機関での対応に当たっては、感染拡大防止対策、適切な防護対策などの確立を図るよう本市医師会など関係機関の協力を求め、本市として支援を行うこと。また、マスクなど対策関係資材の確保、簡易診断キットの開発と利用拡大、ワクチンや治療薬の早期開発などを国に求めること。
  7. この問題に関係する市内の企業などに対して緊急の経済支援対策をおこなうこと。

以上

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12月20日(金)、市議員団で2020年度の予算要望書を提出しました。大項目17つ、要望事項は164件になり、新規・拡充施策は48となりました。
 市議団長から概要、私からは新規・拡充施策を中心に説明をさせていただきました。
 市長からは「しっかり受け止めて予算編成をしていきたい」と話されました。
 2020年度の予算案は2月の下旬の議会運営委員会で、最初の発表がある予定です。

クリックすると全文が見れます。

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