



新年度予算を中心にお話しします。
みなさんのご意見もうかがいます。
私は、日本共産党市議員団を代表して、反対討論を行います。
わが党は、提出された議案62件のうち、議案第65号、議案第67号、議案第71号、議案第72号、議案第75号、議案第76号、議案第81号、議案第85号、議案第88号、議案第94号、議案第100号、議案第101号、議案第104号、議案第123号の以上14の議案に反対であります。
その主な理由を述べます。
市民生活と営業をめぐる状況は、一段と厳しい状況を迎えています。厚生労働省が行った国民生活基礎調査で生活が「苦しい」と回答した世帯は約6割にのぼっています。また、中小企業をめぐっては、諸経費の値上がりが続き、業績改善は容易ではなく、今後は倒産、廃業が増加する事態となっています。こうした中、「政治とカネ」をめぐる問題で政治不信が極限まで高まっています。石破首相の10万円商品券配布問題は、厳しい世論が沸き起こっています。高額療養費引き上げをめぐって国民の批判の高まりの中、実施凍結に追い込まれました。
共同通信社が、今月の22日23日に実施した世論調査によると、石破内閣に対する支持率が1か月前に実施した調査から12.0ポイント急落し、27.6%だったことが報道されました。
石破内閣は、国民の信頼を失っています。
新年度国の予算において、9兆円にも上る防衛費計上は、まさに暮らしと平和を壊す政治そのものとなっています。こうした中、金沢市新年度予算が一般会計で初めて2000億円を超える規模となりましたが、わが党は、市民生活と営業を守る上で市政の転換を求めるものです。
第1に、市民の願いにこたえた予算となっていません。まず、市民負担を増やすことには、反対です。
その1に、国民健康保険料を引き上ることです。前年度に比べ平均で12.5%引き上げられ、金額で1万3942円の増加となります。中には、45歳の夫婦で、夫だけの収入、中学生と高校生の子ども二人の世帯では、年間の引き上げ額が7万円を超える保険料の引き上げとなります。
かつてない大幅な保険料の引き上げです。今でさえ、負担感の強い国民健康保険料が
これだけ引き上げられると加入者の負担感はさらに高まります。保険料の引き上げを中止し、支払える保険料にすることを求めるものです。
その2に、予防接種の自己負担が増えます。高齢者コロナ感染症予防接種料の個人負担が2300円から5200円へ。高齢者インフルエンザ予防接種の個人負担が1400円から1500円へ増えることに反対です。
次に、市民生活にかかわる課題にこたえたものとなっていません。
その1に、学校給食費無償化の実施です。国は、2026年度から小学校から学校給食費の無償化を検討するとしています。こうした中、県内の自治体では、それに先がけて無償化実施を打ち出し、実行しています。一方、市長は、かたくなに無償化実施を拒否し市民の願いに背を向けている姿とは対照的です。
その2に、子ども医療費助成制度について、通院も18歳まで対象を広げ、無料とすることを強く求めます。18歳まで対象を拡充していないのは、金沢市だけとなっています。子育てのしやすい金沢市をめざすというならば、まず、この制度の拡充に取り組むべきです。
その3に、保育料の引き下げ実施です。今回、3歳未満児を対象に二人目の子どもさんの保育料を無償化するとしています。負担感の強い、保育料の引き下げ実施を強く求めます。
その4に、高齢者の補聴器購入にあたっての助成制度の創設です。誰もが年を重ねと身体機能の低下が起こってきます。耳が聞こえにくくなることへの不安をなくし、自分らしい生活水準を維持していく上でこの制度の創設への願いにこたえることを求めます。後期高齢者医療制度は、75歳を持って別の医療制度に移行すると共に、高齢者の一部負担が増やされていくことには、反対です。
今議会に、用水路上に立地する市所有の既存不適格建築物である材木消防分団機械器具置場について、住民負担を伴わない至急の適正化を求める地域住民11名の方々から陳情が提出されました。わが党は、この陳情に賛成であります。
したがって、こうした地域住民の要望が予算に反映されないことから予算措置に対して同意できないことを表明いたします。
なお、金沢方式の見直しをめぐって、様々な角度から意見が交わされてきました。今回、公民館や消防分団関係に関する住民負担の軽減が打ち出されたものの、住民負担をなくすという立場からの検証や考え方の見直しがされたものではありません。引き続き、検証と検討を求めておきたいと思います。
第2に、大型開発事業には反対です。
その1に、金沢港湾事業です。この事業は、38豪雪を経験したことから、金沢港からの輸送ルートを確保する必要があるとして、整備事業が始まりました。しかし、大きな転機となったのが、大手企業のコマツが進出し、大型機械の輸出するために、大浜ふ頭を大深水岸壁に改良する事業が始まったことです。そして、クルーズ船を金沢港に呼びこむとして無量寺岸壁などの改良事業です。その結果、金沢港湾事業の全体事業費は、2006年から2026年の20年間で、464億円となり、そのうち、金沢市負担が88億円にのぼり、新年度予算では、7億6370万円が計上されています。市民の理解を得らないことから反対です。なお、代表質問で取り上げましたが、金沢港を「特定利用港湾」に指定する問題です。これは、自衛隊や海上保安庁が訓練等に円滑に利用できるよう指定するものです。金沢港が軍事利用される恐れがあり、戦争する国づくりへと進めるものだとして批判が広がっています。金沢港を「特定利用港湾」に指定することに反対であります。
その2に、都市再生緊急整備地域の指定を受け、金沢駅周辺から武蔵地区、香林坊、片町地区の都心軸にそった開発事業が進められようとしています。これまで、市民と共に作り上げてきたまちづくりと高さ制限などの景観方針を覆し、市民の理解と合意のないまま進められようとする開発事業には反対です。
第3に、市民の理解と合意なしに進められている事業について反対です。
その1に、マイナンバー制度を国民に押し付け、次々に制度の拡大が進められています。マイナ保険証は、昨年12月2日から従来の保険証が廃止され、国民に押し付けられてきています。しかし、医療機関からも批判が続き、従来の保険証の継続が求められています。
その2に、市民からの電話による対応についてです。保健所でのAIによる電話対応が拡大され、納税窓口では、相談窓口や、電話による対応を民間に委託化し、国民健康保険業務での電話対応が民間に委託化されます。行政が責任を持って、市民からの対応に当たるべきです。
第4に、教育行政に関して、
その1に、学校給食についてです。南部共同調理場建設と設置に関する条例に反対です。今年、9月から供用開始となります。わずか4か所あった小学校の単独調理場がなくなり、中規模の共同調理場が統廃合され、一日8000食にのぼる大型共同調理場がつくられました。しかも、調理の民間委託方式が採用されます。全国的には、単独校方式が半分、共同調理場方式が半分であることから金沢市がすべて共同調理場方式となり、特異的な対応となっています。同意することは、できません。
その2に、小中学校にデジタル化新設に1億円を超える予算、学習用末端の活用等によるGIGAスクール環境の充実に6億円の予算が投じられようとしています。また、金沢市独自の学力テストが引き続き予算化されました。子どもたちに寄り添う教育の実践からはかけ離れたものであり、同意できません。
第5に、職員の定数に関して、64人が増員され、54人が減員される内容となっています。その減員には、技能職員の定年による退職者不補充や保育所給食調理業務の委託化よる職員の削減が行われます。このことから反対です。
第6に、水道事業と工業用水道事業に反対です。水道事業において、自己水の4倍も高い県水を膨大に受け入れ、安くておいしい自己水を3割程度しか利用していません。
県水受水契約により、契約水量の6割が押し付けられ、年間の県水受水費用は、年間24.5億円と経常費用に占める割合は30%にのぼります。安くておいしい自己水を基本とする水道行政に転換すべきです。
工業用水道事業は、森本にあるテクノパーク工業用地に立地した企業に供給するものです。発足以来、給水料金では賄えず、赤字額を一般会計から補填し続けています。新年度予算では、3400万円にのぼります。市民の理解を得られるものなく、反対です。
第7に、議案第81号は、金沢市一般職の任期付職員の採用及び給与に関する条例制定です。金沢市職員は、正規職員を基本として採用すべきです。現在、金沢市役所職員の内、会計年度任用職員が1579人と全体の35.6%にのぼります。正規職員の採用こそ拡充すべきであり、同意できません。
議案第88号は、職員の配偶者扶養手当の廃止が盛り込まれていることから、
議案第100号は、保育事業に規制緩和が行わることからいずれも、反対です。
議案第104号は、金沢市城北市民運動公園について、指定管理導入のための条例であり、議案第123号は、金沢駅東駐車場及び武蔵地下駐車場について、民間の大手企業に指定管理を行うものです。金沢市が直接管理運営することを求め、いずれの議案にも反対です。
次に、陳情・請願についてです。
請願第7号高額療養費改定の一旦凍結を求める請願は、石川県社会保障推進協議会の代表委員から提出されました。ガンを患いながら、生活を送っている患者団体から悲痛の叫びと反対の声が広がり石破首相は、引き上げを凍結へと変更に追い込まれました。患者団体は、高額療養費引き上げを行わないよう求めています。その実現をめざし、奮闘する決意を込めて、賛成いたします。
陳情第17号は、用水路上に立地する市所有の既存不適格建築物である材木消防分団機械器具置場について、住民負担を伴わない至急の適正化を求めるもので、地域住民から提出されました。審議された常任委員会で、一般会計予算が採択されたことから一時不再議をもってこの陳情が不採択としましたが、市民から提出された陳情について、十分審議され、採決が行われるべきと考えます。わが党は、この陳情に賛成です。
陳情第18号は、政務調査費領収書ネット公開についての陳情で、市民オンブズマン石川の代表幹事から提出されました。政務活動費の領収書は、公開されていますが、ネット公開することを求めるこの陳情に、賛成です。
よって、以上の請願・陳情について、審議された各常任委員会と議会運営委員会での否決に対し、反対であります。以上で反対討論を終わります。
私は提出者を代表して、議会議案第37号「米の安定供給の保障を求める意見書」について、提案理由説明を行います。
日本の食卓に欠かせないコメの値上がりが止まりません。昨年夏のコメ不足・価格高騰に対し政府は「新米が出回ればコメ不足は解消し値段も下がる」と繰り返し述べてきました。新米が出荷されると、店頭などの品不足はなくなりましたが、価格はその後も上がり続けています。3月21日に総務省が発表した2月の全国消費者物価指数では、コメ類は前年同月比80.9%上昇し、5カ月連続で過去最大の上昇率を更新しました。1年前店頭では、5キロ当たり2000円台だったものが、4000円台と平均価格が2倍近くに達し、家計を直撃しています。政府は備蓄米の放出を決定し、コメの価格が下がることを期待しますが、これは一時的な対策にすぎません。
長引く米不足と価格高騰の背景には、消費量が毎年減少することを前提に米の生産量をぎりぎりに抑え、流通や価格を市場に委ねてきた米政策があります。米農家は2000年以降、175万戸から約3分の1に減少し、70歳以上の生産者が約6割を占めます。帝国データバンクの調査では24年の米農家の倒産、廃業件数は過去最高となるなど、米の生産基盤は著しく弱体化しています。米価が回復してきたとはいえ、長年の低米価に苦しんできた米農家には、資材の高騰や過去の赤字の穴埋めで余裕はありません。米の価格高騰によって消費者の米離れが進めば、再び米価が下落するのではないかという不安も広がっています。
いま求められるのは、国民のくらしや疲弊する生産現場を直視し、米政策を抜本的に転換することです。国は、需給と価格の安定に責任を持ち、ゆとりある需給見通しのもとで生産と備蓄を拡大すべきです。様々な要因で需給バランスが崩れた際には、過剰時には備蓄米を増やし、不足時には放出する仕組みを強化することが必要です。そして何より、生産者が将来にわたり安心して生産に励める環境を国の責任で整え、生産基盤の弱体化に歯止めをかけることが急務です。
この意見書は、国に対して、コメの安定供給の保障のために、農業関連予算を大幅に増額し、再生産を可能にする価格保証や所得補償を抜本的に充実させるよう強く求めるものです。議員各位の賛同をお願いしまして提案理由説明といたします。
わたしは、提出者を代表して議会議案第36号「消費税の減税を求める意見書」の提案理由説明を行います。
現在国会では、所得税の課税最低限の引き上げが議論され、それが税制の中心課題であるかのようになっています。もちろん、長年据え置かれてきた課税最低限を引き上げることは必要なことです。しかし一方で、消費税は逆進性のため、税全体の累進性、すなわち所得の多い人ほど厚く負担するという所得再配分の基礎が失われています。消費税の負担にメスを入れることが重要です。
消費税の負担割合についてみると、年収900万円以下の世帯までは所得税より消費税の負担割合のほうが高く、年収に対する税全体の負担率も10%前後で推移し累進性がありません。
つまり、中間所得層も含め最も重い税金は消費税であり、低所得になればなるほど消費税によってくらしが追い詰められています。年収200万円以下では所得税の負担率は0.6%、消費税は10倍以上の6.3%になり、年間12万6000円もの負担です。
しかし、その一方で、大企業や富裕層には減税が行われてきました。
1989年に消費税が導入され、この37年間で571兆円もの税収に達していますが、かたや大企業の法人税や富裕層の所得税などの減税は605兆円にも及んでおり、消費税はこの減収の穴埋めに使われたにすぎません。
応能負担の原則に立ち返り、大企業の法人税をアベノミクス以前の税率に戻し、「1億円の壁」と呼ばれる富裕層への税優遇を是正すれば、15兆円の税収が見込まれ消費税を5%引き下げることが可能です。金沢市でも多くの市民が年収900万円以下の世帯です。ぜひ、金沢市からも消費税減税の意見書をあげていきましょう。みなさんのご賛同をお願いして提案理由説明といたします。
-広田委員
質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として質問いたします。
まずは、金沢方式にかかわってです。
本会議で市長は、材木消防分団の機械器具置場整備について、両町会連合会の合意が得られたとしました。しかし、住民から出された「市の設置を求める」要望書には町会長の名前もあります。
そして、そもそもなぜ町会連合会の合意なのかと疑問の声も寄せられています。
そこで、先日の総務常任委員会で確認したところ、予算を作成した財政部局は、担当課である消防局にて地元合意の確認をし予算化したとのことで、財政部局は要望書は見ていないそうです。
では、消防局の方で町会連合会の合意が得られているという根拠をお持ちなのか、なにか書類が出ているのなら、いつ、どなたが出したのかあきらかにしてください。
-蔵消防局長
材木消防分団の機械器具置場の建設に関しましては、材木・味噌蔵両地区の町会連合会において合意が得られたうえで、材木消防分団分団長から令和6年11月18日付で補助要望書の提出がありました。
-広田委員
今、言葉では両町会の合意が得られたうえでとおっしゃいましたけれども、書面はあくまでも材木分団からということです。となると、はっきりとした根拠としては、「町会・町連の同意」というのは違うのではないですか。
-蔵消防局長
材木消防分団からの提出にありましては、材木・味噌蔵両地区の町会連合会において合意が得られたものと承知をしており、そのことを踏まえて発言させていただいたものでございます。
-広田委員
分団から出された書類のどこに、そのことが明記されているんでしょうか。
-蔵消防局長
要望書の中には、町会連合会等の名前は記載されておりません。
-広田委員
あくまで、客観的に見た根拠というのはその書類しかありませんから、消防分団が出したもの、ということに他なりません。
市長、町会連合会からとおっしゃいましたけれど、いかがかということと、私聞いていて思ったんですけれど、消防分団から市長に書類を出すというのは、同じ市の組織なのにそんな提出の仕方があるんでしょうか。
-蔵消防局長
消防分団長から提出される要望書につきましては、あくまでも地域の合意を得たうえでの提出だというふうに、こちらの方では捉えておるところでございます。
-広田委員
あきらかな証拠としては、とても弱いというふうに思いますし、消防分団は市長の管理下にある組織ですよ。その組織から市長宛に出された、まぁ内部文書ですよね、はっきり言って。地域の意見が反映されている根拠とはなり得ないと思いますが、市長、いかがですか。
-村山市長
これまでも消防分団の機械器具置場の整備についての要望というのは、各分団からいただいているというものでありますので、特段、材木分団から提出されたものに対しての疑いというか、疑義は生じないものと考えております。
-広田委員
重ねて申し上げますけれども、消防分団は市長の管理下であり、市の内部組織です。そこから市長に出された文書が、地域の意見を反映しているとは到底言えませんし、慣例・慣習で地域の意見が出され、まとまったら消防さんが出すということにしていたのならば、それは多くの市民に説明がつきませんから、改めるべきです。
どちらにせよ、「市の設置を求める要望書」が出されたのはそのあとの2月21日です。総務常任委員会では、市長は見られているという秘書課からのご答弁でした。同日、消防局へわたったとのことですが、この機械器具置場は市の所有・管理物件であり、消防組織・施設の管理責任は、くどいですが市長にあります。市長から何と言って消防局へお渡しになったのでしょうか。
-蔵消防局長
消防局には、内容についてしっかりと確認するよう市長より指示を受けております。なお、陳情書の趣旨につきましては、住民負担を伴わない整備と理解しており、地域による一定の負担を含め、地域主導・ボランティアといった本市の地域コミュニティの特徴は今後も継承すべきだというふうに考えているところでございます。
-広田委員
市長から確認しなさいと言われたけれども、金沢方式は地元負担が必要なので、確認されなかったということですか。この要望書に関して、出された方々に確認や、町会連合会の方にもう一度お話を聞くという確認はされずに終わったということですか。
-蔵消防局長
要望書の提出を受けた時点で、町会連合会の会長さん並びに分団長さんにもその内容について確認をさせていただきました。先ほど言いましたように、その趣旨については地元負担を全くなくする、金沢方式というもの自体をなくするという趣旨でありましたので、こちらの方ではそれは違うというふうに考えまして、対応したところでございます。
-広田委員
それは金沢方式という政策の話であって、消防局長が判断する話じゃないですよね。あくまで担当課は、合意が得られているかという金沢方式の仕組みにおいてしっかり確認しなければいけなかったんですよ。そこが抜けてますよね。それは認めますか。
-蔵消防局長
あの要望書をいただいたのちに、両町会連合会の会長さんにもしっかり確認をさせていただきました。これについては町会連合会の役員等もすべて出席している会議ということで、地元の総意というふうに言ってもらっても結構ですというふうに答えをいただいているところでございます。
-広田委員
これまで繰り返し、「総意」ってなんなんだろうということが議会でも議論になってきたわけですけれども、役員の方が総意だと言えば総意だということが、この金沢方式の実態であることがわかってきました。
要望書を、市民のみなさんがお名前も住所も書いてハンコも押すというのは、相当な勇気が要ることです。前に出て「私は納得がいかない」ということを表明するんですよ。相当な勇気ですよ。それなのに、この方々に話も聞かず、役員の方々でもって総意としてしまえば、金沢方式はもうこれから長くはないですね。
私は、本当に要望書の扱いについてずさんだと、この件について感じておりますし、金沢方式は地域の総意をもとにすすめるというより、地域の分断を招くと、実態を見て言わざるを得ません。
市長、実態としては地域の声はまとまっていません。補助金の申請についてはこれからです。ぜひ地元への確認と、地域での丁寧な話し合いを促していただくよう求めますがいかがですか。
-村山市長
この金沢市議会でも様々な議案について、一部反対の声がありながらも議決をいただく案件もあります。すべての住民の意見という形になっていくと、進むべき施策も進まなくなるということは、民主主義の中では起こりうることだというように思っております。
今回は町会連合会の方からも合意もいただいたという中であります。地元の町会連合会の中から、今回の合意について再度確認したいという申し出がございましたら話を聞きたいと思っております。
-広田委員
本当に残念な発言だと思います。それでは誰も町会に入らなくなるんじゃないですか。全国では考えられないやり方だということがまず金沢方式であるにも関わらず、その中の合意形成はあまりにもずさんだったということです。
これは私は、ひとえに役員の方々の問題ではなく、みなさん方市側があまりにも地域任せにしているという金沢方式の実態があるからだと思います。
そして今、地域の総意がないと市長が認めてしまえば、今予算に上程された地元からの寄附は、自発的だとは言えなくなるので、ご答弁できないというのもわかっております。合意形成について無責任だということを述べ、次に移りたいと思います。
次は整備事業費についてです。表でまとめてみました。今予算では積算単価を引き上げ、按分率も1/5にしました。これについては評価できるものかと思います。しかし実際の金額は、地元負担は1/5とは到底なりません。というのも、合計額を按分する単純な計算にはなっていないからです。
そして市には国からの交付もあります。
もうひとつの表を見てもらうと、もし金沢方式を適用せず国の交付を最大限活用すれば、工事費については5761万円のうち全体で1729万円の負担となるのですが、実際は(金沢方式では)市が補助する3260万円について起債するので、市の負担は実質978万円と安くなりますが、地元負担はなんと2501万円となるのです。
さらに負担割合について国交付を加味して割り出すと、47%も地元負担となるわけです。市長、この、国の交付金も得ないで、市民負担を増やすというのは、適切な予算執行と言えますか?
-蔵消防局長
消防分団における整備費の一部を地元に負担をいただくことで、住民自治の意識が高揚し、地域住民が主体的に参画することに繋がっているというふうに認識しております。なお地元負担の軽減につきましては、消防分団機械器具置場の整備にかかる補助単価の大幅な引き上げを議会でお諮りしているところでございます。
-広田委員
仮に市の事業として公民館のようにやるならば、まず交付税全部得られてのちの(地元からの)寄附金になるわけですから、地元負担は少なくなるんですよ。そうした方法すら考えずに、ずっと消防の場合は補助要領でやっている、そのことも併せて私は言っています。
そして、この消防分団の事業は地元の事業であるばかりに、設計や工事の業者選定については、合い見積もりだけでよいということになっています。
しかしこれでは、地域の中で事業の透明性が保てるとは到底言えません。
そして、先程来言っている合意の確認というのも、公民館整備の場合は市の事業として行うため、各町会長の捺印が要るのに対し、消防分団事業は補助事業なので要らないとなっている。
私は以上の点からも、まずは消防分団の事業については市が行うべきというふうに思いますし、そののち地元負担をなくすというふうにやっていただきたいと思いますがいかがですか。
-村山市長
今般、金沢方式の見直しを行ったというのは、人口減少・少子高齢化・町会加入率の減少・建築単価の上昇などの経済社会情勢の変化がありました。これまで市議会が全会一致で、しかもこれまで金沢方式のなくすべきだという議論は行われてこなかったというように思いますが、そのような中で、こうしたまちづくりの文化としてこれまで市議会が全会一致で認めてきたこの金沢方式を次に繋げて行くためにはどうしたらいいかということで、今回地元の負担割合を引き下げ、また消防分団の機械器具置場の補助基準単価も大幅に引き下げたということであります。
このきっかけで、私の方で金沢方式の見直しを申し上げたところでもあります。
金沢市も予算の非常に長い歴史の中で毎年各事業を認めていただいた経緯があるという中で、今回については改めて地域コミュニティの意義を見直すきっかけとなるものというように思いますし、今後も持続可能なものとするために行ったものであることはご理解いただければというように思います。
今ほどご指摘いただきました消防分団の施設整備にかかる事業主体についてでありますが、こちらについては消防団や町会連合会のご意見も伺いまして今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。
-広田委員
ぜひ研究していただきたいと思います、まずは。法律に即すこと、そして市民の負担を減らすことが私は行政の役割だと思っています。
市長は金沢方式を文化とまでおっしゃいますけれども、実際懇話会で町連の会長は「限りなくゼロにしてほしい」と求め、これは金沢方式の地元負担の是非が問われていると考えます。地元負担解消を求め、次へ移ります。
消防分団は金沢市の管理下にあり、多くの機械器具置き場(消防小屋)も市の所有・管理です。よって、他都市では市が整備や修繕を行うのが普通ですが、金沢市では金沢方式で地元負担があります。
さらに、公民館や児童館の整備も金沢方式なのですが、市が整備など事業を行いその後に地元からの負担(寄附)を入れる方法です。
一方、消防分団は地元が整備などの事業を行うことになっており、市は補助金を入れる仕組みです。なので、最初から最後まで消防分団や地元が行わなくてはならず相当な負担です。
次は、除雪・消融雪について伺います。今シーズンは2月に2回の大雪で、職員のみなさん、委託業者のみなさん、本当にお疲れさまでした。
今回はじめてGPSが活用され、本会議でも「除雪の進捗状況がリアルに把握でき、市民の問い合わせに即応でき、業者への指示・応援依頼がスムーズだった」など利点が報告されました。
一方、GPSを活用する他都市では、除雪の進捗状況がホームページで見られます。金沢市でも今後行う予定はあるのでしょうか。
あわせて、表にありますように、福井市のように除雪路線の表示も求めますがいかがですか。さらに市がどの路線に指示を出したかもあわせて表示されるともっと有効だと思いますがいかがでしょうか。
※画像をタップすると福井市のホームページにとびます。
-伊藤道路管理課長
本市では現在、石川県広域データ連携基盤の利用による除雪情報の公開について検討を進めております。なお、除雪開始指示の情報につきましては、市民から除雪作業本部へ問い合わせが増え、除雪作業に混乱を来す可能性が高いことから、公開する予定はございません。
-広田委員
広域連携でデータを公開をする検討をしているということですね。
一方で、GPSをつけても残念ながら除雪路線が増えるわけではなく、現在4割の除雪路線の拡大は急務です。1次路線と2次路線は同じ積雪10㎝の基準ですが、1次路線は業者の自主出動に対し、2次路線は市の指示です。
本会議で市長は「1次路線の作業状況を踏まえ2次路線の指示が迅速化された」と述べていました。私も今般の除雪の進捗を見ていてそう感じました。
でしたら、カメラやGPSがそなわった今、ぜひ2次路線を1次路線のような自主出動にできないのか伺います。
-伊藤道路管理課長
2次路線は積雪10cmを超え、さらに降雪が予想される場合、除雪作業本部が気象予報を参考にし、出動を指示していますことから、2次路線を自主出動とすることは現時点では考えていません。
しかしながら、今年度はGPSを搭載しました1次路線の除雪機械の作業状況や、積雪監視カメラの映像、気象台等の降雪予測をもとにしまして、地域の状況に応じた2次路線の迅速な作業指示を行うことができたと捉えております。
明年度以降、除雪管理システムに蓄積されましたデータを検証・分析するとともに、除雪業者へのアンケート結果や他都市の事例を参考にいたしまして、引き続き効率的な除雪作業について研究してまいります。
-広田委員
ぜひ、GPSを導入されたんですからいろんな工夫をして、除雪路線の拡大にこそ活かしていただきたいと思います。
つぎに、雪捨て場がない問題についてです。これは地域でよくあがっている声ですけれども、市は2018年の大雪の際には臨時で公園などを解放したことがありますが、ぜひ解放の基準をきちんと設けて仕組みとして確立していただけないでしょうか。
-伊藤道路管理課長
排雪場の運営管理上の一番の課題としましては、アスファルトガラなどのがれきや、木くずなどの廃棄物等が圧雪した雪に多く混在していますことから、使用した施設の安全上の懸念や清掃等にかかる費用などが挙げられます。このようなことから、常設と臨時の排雪場を指定しておりまして、公園や公共空地を常設の排雪場として使用することは考えてはございません。
-広田委員
除雪計画では、市民に協力を呼び掛けているんですよね。本来法律で、市が管理する道路は市がやらなければいけないところを、法律度外視で協力を呼び掛けているにもかかわらず、捨てる場所すらないんです。駐車場を埋め尽くし車を停める場所がなくなると、職場においてこなきゃいけない。そんな声まで聞いています。ぜひ検討を求めておきたいと思います。
つぎに、地域除排雪活動費補助についてです。今シーズンの利用件数はのべ425団体だったと報告がありましたが、金額と除雪実績をあきらかにしていただきたいのと、この補助金は年々増えており、コミュニティ基金活用の多くを占めるようになりましたが、本来は道路管理費を充てるべきものです。
しかし今年は、除雪費用として除排雪特別交付税の申請にも入れたそうです。来年度の検討によっては、ごみ袋の製造費が上がると聞いており、使える基金が減るんじゃないでしょうか。よって、基金ではなく一般財源を充て、町会負担もなくすべきと求めますが、いかがですか。
-伊藤道路管理課長
広田委員のご質問につきまして、まず私の方から利用実績の方についてお答えさせていただきます。今冬の地域除排雪活動費補助制度につきましては、2月上旬と下旬の長期の寒波によりまして、2回の適用期間がございました。
1回目の申請件数は約300件、除雪距離は約580km、補助金額は約7,300万円でございます。また、2回目の申請件数は約110件、除雪距離は約240km、補助金額は約1,800万円でございます。
-佐野財政課長
私からは地域コミュニティの活性化基金の関係を述べさせていただきます。今冬の大雪、2度雪害対策本部を設置いたしましたが、その対策に多額の経費を要しましたことから、今ほどの地域除排雪活動費の補助を含めまして、国に特別交付税の申請を行っております。
理論上、この計算式なんですれども、一定の額を上回る経費の1/2が加算されるということとなっておりますが、特別交付税はあくまでも一般財源でありますので、引き続き地域コミュニティ活性化基金の充当事業としております。
なお、この地域コミュニティ活性化基金の充当事業につきましては、基金の残高の状況などを含めまして、地域コミュニティ活性化推進審議会の意見も踏まえながら、毎年度対象事業全体の中で検討していくこととしております。
-広田委員
今年度9,100万円にものぼりました。多くの距離をこの地域除排雪でやっているということは、これはコミュニティ基金とは言えなくなっている性格です。ぜひ、一般財源で町会負担をなくすよう求めます。
つぎに消融雪施設について伺います。本会議では、公共の消融雪については水が出にくい箇所など修繕計画を作成すると答弁がありましたので、これは早めの修繕を求めておきたいと思います。
民間消融雪については、調査やアンケートの結果、これまで把握していた90か所を上回る140か所を台帳にし、官民連携による持続可能な運営手法を検討していくとのことです。老朽化、高齢化などの課題を言われていましたが、わたしもいくつか伺っています。
「管理が大変で埋設型に更新しようとしているが、工事費があがっており補助金をあげられないか」「設置後の管理運営費の負担は全額地元負担であり、電気代や部品の交換などでかなりの出費がある、支援の新設はできないか」「高齢化で担い手もいない、管理を請け負う業者さんも見つからないので市管理への移行ができないか」などです。
これからの運営手法の検討の中で、こうした実態を視野に支援の検討を行うよう求めますがいかがですか。
-木谷土木局長
民間消融雪施設につきましては、今年度、民間消融雪施設の管理団体へアンケート調査を初めて実施し、現在約140施設が稼働していることを確認するとともに、消融雪施設のデータや管理状況などを元にして施設台帳を作成し、民間消融雪施設の実態を把握したところであります
。明年度がアンケート調査結果から把握した施設の老朽化や管理者の高齢化などの課題を分析することとしており、民間消融雪施設の維持管理をするために、支援方法や持続可能な運営方法について検討してまいりたいと考えております。
-広田委員
私は今回の民間の消融雪施設調査は非常に重要だったと思うんです。金沢市は市民の協力をベースにしていただけに、地域によって雪対応が本当に様々です。
今言った消融雪のところや、独自で機械除雪しているところ、機械除雪したくても業者さんが捕まらないところ、そしてロードヒーティングを入れているところ、また何もできないところなど。私は今後除雪消融雪路線を拡大するために、こうした地域の実態をくまなく調査し、何が有効か対策を練り、業者と連携すべきと考えますし、そのための体制拡充が必要だと考えますがいかがですか。
-木谷土木局長
民間消融雪施設の管理運営についてでございますが、現時点では民間消融雪施設の管理を市がやることは考えてはおりませんが、明年度以降、施設の老朽化や管理者の高齢化など、様々な課題を分析して持続可能な運営手法を検討してまいります。
地域の実態調査についてでございますが、毎年10月下旬に開催している金沢市道路除雪会議において、金沢市町会連合会や校下婦人会連絡協議会など、地域の方に出席いただき、ご意見をお伺いしております。また、金沢市の町会連合会理事会では、道路除雪計画や除雪等に関する各種制度を説明して、ご意見も伺っているところであります。今後ともこれらの活動を通して地域からの相談に丁寧に対応していきます。
-村山市長
除雪にかかる体制の強化についてのご質問をいただきました。今年度からGPSを活用した新システムを導入しました。市民からの除雪作業に対する問い合わせに対しまして迅速に対応ができたということ、また、支払い事務の省略可などによりましても除雪業務の効率化が進んだというように考えています。
12月から3月までの冬期間については、従来除雪作業本部を設置いたしまして、気象状況に応じて24時間体制で土木局の全職員が一丸となって従事しておりまして、雪対策に特化した独立の組織というかたちでは現在のところは考えてはおりません。
引き続き、除雪業者の掘り起こしやオペレーターの確保に取り組みまして、除雪体制の維持・強化に努めてまいりたいと考えております。
-広田委員
除雪シーズンになると本当に残業が増えている実態などをお見かけしております。体制の拡充を求めておきたいと思います。
さいごにカラスについて伺います。ご存じの通り、カラスは生態系の中でなくてはならない生き物です。しかし、人間生活と密接であるがゆえに摩擦も生じています。
今予算で、まちなかのカラス対策の強化に関する予算が5倍で計上され今議会でも多くとりあげられました。ここでは、まちなかや住宅街のカラスと共存するうえで、現状の把握と必要な対策について伺います。
専門家の調査では、ご存じの通りだと思いますけれどもカラスの増減は、人間の生活スタイルやごみの量とごみの環境変化が影響するとされています。
東京都心の調査では、1980年代の飽食の時代に生ごみの増加とともにカラスが急増しましたが、どんどん減りましてコロナ禍ではさらに激減、飲食店の休業、テイクアウトの増加が関連しています。
グラフのように、本市の金沢城公園をねぐらとするカラスの個体数も、2003年をピークに減少傾向が続いています。一方、被害に対して捕獲を求める声もありますが、環境省は捕獲の効果は限定的としており、ごみなど食物の量が多いままなら、ほかの場所から流入するので数は減らない。
個体数の管理はあくまで食物の量を減らすのが効果的としていますが、金沢市はカラスの増減や捕獲についてどのようなお考えか、あきらかにしてください。
-越山環境局長
本市では金沢城公園をねぐらとするカラスの個体数について、委員もグラフでお示しの通り、平成10年度から調査を実施しておりまして、平成15年の約1万羽をピークに増減を繰り返しながら、ここ5年間は概ね3500羽から5000羽まで減少しているという状況でございます。
捕獲については鳥獣保護管理法において、カラスなどの野生鳥獣は、狩猟により捕獲する場合を除いて原則としてその捕獲や殺傷が禁止されているため、カラスの被害への対策は、原則追い払いを基本としております。
一方、例外として生活環境、農林水産業、または生態系に対して被害が生じている場合などには、許可を受けて捕獲などをすることが認められていることから、金沢城公園内で檻による捕獲を行っているところでございます。
-広田委員
本会議で市長は、まちなかではねぐらに戻らず電線や公園の木にいるカラスに特殊なLEDライトで追い払いをするとしました。一
方、環境省のマニュアルでは、「現状を客観的に認識し科学的に対応し、腰をすえて取り組む必要がある。対症療法ばかりでは問題を繰り返す悪循環から抜け出せない」としています。カラス追い払いについても「一時的で限定された場所での方法となり、移動先で新たな問題となる可能性もあり根本的な解決にならない」としています。
よってまず、なぜねぐらに戻らないのか調査がされているのか、これからするのか。本来のねぐらである金沢城公園の樹木の伐採とは関係がないのか、ということを教えてほしいと同時に、もし調査が進んでいないのであれば、私は今回のLEDライトは緊急対策として位置づけ、あわせて専門家の方も調査されるということなので、ぜひこちらに重きを置き、丁寧な調査をし、根本原因を突き止めるよう求めますがいかがですか。
-川端環境政策課長
近年まちなかでカラスの糞害が顕著となったのは、夜間にねぐらである金沢城公園に戻らず、街路樹や電線などにとどまるカラスが増えてきたためと推察しておりまして、LED光線による追い払いに合わせて、夜間におけるカラスの実態を調査することとしております。
お尋ねにありました金沢城公園の樹木の伐採の影響についてですが、金沢城公園を管理する石川県からは、近年まとまった樹木の伐採は行っていないと聞いております。また、明年度実施する行動調査では、糞害の多い地点を固定カメラで定点観測し、カラスの行動を分析するほか、専門家による現地調査を行うこととしております。
-広田委員
ぜひ調査をしっかり行っていただきたいと思います。
最後に、先程も申し上げたとおり、人間のごみにアクセスできなければ自然とカラスの個体数は減り、摩擦は解消するとされています。カラスがごみにアクセスできているかの指標が、住宅街でのごみの散乱状況だと考えます。地域の美化のうえでもカラスへのえさを増やさないうえでも、カラスがごみにあり付けない対策が有効です。
そこで表を見ていただきますと、金沢市が貸与しているカラスネットというものは激減しており、かわりにケージ型という箱型の、カラスが近づきにくいものが申請としては増えております。よって、カラスネットに加え、ぜひこのケージ型の貸与を求めたいと思いますがいかがでしょうか。
-越山環境局長
市内には様々なゴミステーションがございます。ケージ型の器材は、カラスネットに比べその設置場所が限られるなどの課題があると考えています。
また、器材の設置を希望する町会からの相談には丁寧に対応するとともに、整備費用の3/4を助成するなど支援に努めているところでございまして、ケージ型器材の貸与までは考えてはおりません。
-広田委員
カラスの目的はごみを散らかすことではありません。目当ての食べ物を探るために、内容物を引き出し、食べないものは置き去りにする結果、ごみが散らかるのです。
いつまでも感情的にカラスの責任にしていても問題は解決しませんので、ぜひ人間側が、カラスからごみを物理的に遮断する方法をとっていただくよう求めます。
さいごに情報をぜひ一元化して、カラスの情報というのは好き嫌いも含めていろんなところからいろんな形で入ってくると思いますけれども、しっかりそれを一元化することでカラスの生態をつかみ、適切な対応をすることができると思いますので、求めて質問を終わりたいと思います。
私は、日本共産党市議員団を代表して、反対討論を行います。
私どもは、上程された議案16件のうち、議案第127号、議案第135号、議案第141号の
議案3件について反対します。その主な理由を述べます。
まず、議案第127号 令和6年度 金沢市一般会計補正予算についてです。
港湾費で3億7,370万円が盛り込まれています。この最終補正によって今年度の本市負担分は11億3,310万円、全体事業費としては53億5,890万円にも上ります。
大手企業コマツの工場誘致やクルーズ船誘致のために、岸壁改良工事や施設整備に多額の税金投入が続いています。港湾整備事業の全体事業費合計額は2006年から2026年の20年間でおよそ464億円であり、そのうち本市の負担金は88億円にものぼる予定です。市民の暮らしが厳しさを増す中で、一部の大手企業のために多額の税金投入が行われることは認められません。
次に、議案第135号 令和6年度 金沢市中央卸売市場特別会計補正予算についてです。
金沢市中央卸売市場再整備事業に関して、基本設計に関わる3,500万円が最終補正に計上されました。当初8,900万円で契約した基本設計は、2024年9月末に完了する予定でした。しかし、2025年2月末まで延長するとの方針を打ち出し、今度はさらに1年延長するというものです。市当局は5か月延長の方針を出した際も、期日通りに進行すると繰り返し説明してきました。期日通り完了していれば3,500万円は不要だったのではないですか。この間、どんな話し合いが行われ、何が問題となったのか議会に報告もないことや進め方の不透明さを厳しく指摘しなければなりません。
また、本来終了すべき年度内の基本設計契約が変更され、次年度への繰越しが行われることも問題です。新年度で新たに契約を結ぶ措置を取るべきではありませんか。
これらのことから、今回の補正予算に同意することはできません。
次に、議案第141号 事業契約の締結についてです。
公共施設LED照明導入推進事業として、本市で初めてのPFI方式による事業契約です。
PFI方式とは、民間の資金と経営能力、技術力を活用し、公共施設等の整備や維持管理、運営を行うものとされています。今回の事業は、PFI方式により公共施設の照明をLEDに換え、10年間にわたって民間に管理運営を任せるというものです。初期費用もかからず、コストも下げられると言われていますが、PFI方式にはリスクも伴います。民間事業者が利益を追求することで、サービス内容が低下すること、管理運営においても民間が主体となるため、公共性が後退します。また、長期契約により、市場の変化や災害時の対応、事業者自体の倒産や合併など、環境の変化に対応できない場合が生じます。市民のための公共施設管理にはそぐわないため、反対です。
以上、討論といたします。
質問の機会を得ましたので日本共産党市議員団の一員として金沢方式について質問いたします。
「金沢方式」は、市の施設である公民館や児童館、消防分団などの運営や施設整備に対して地域住民が一定の負担をする金沢市独自の仕組みです。
試算によると、地元負担の金額は、公民館だけで過去20年間で47億円、今後20年間で80億円にものぼるとされてきました。
しかしその実態は、法令上の根拠もなく、寄附の強制ではないかなど議会や地域でたびたび問題視されてきました。
今年度は「金沢方式あり方検討懇話会」を通じて議論が行われました。懇話会メンバーは金沢方式の利害関係者ばかりで、公募も市民へのアンケートもなく、ちゃんと市民の意見が反映されるのかという批判の中からのスタートでした。懇話会の当初は金沢方式を肯定的に捉える意見が多かったものの、「移住者からは理解されない」「地方財政法に反するのではないか」といった意見が出されるようになりました。
最終回では、金沢市町会連合会の会長からも「地域住民の負担が大きくなることで、住民が町会から離れる、町会が町会連合会から離れ、地域を根底から崩す課題となりうる」との懸念が示されるに至りました。しかし最終的な報告書では、地域負担の軽減を求めるものの、地域の自主性や連帯意識を醸成するために「一定の負担は継承すべき」とまとめられたのです。
これは、懇話会の中で交わされた「金沢方式そのものに理解ができない市民がいる」という実態と矛盾しています。そもそもこの委員会の議事進行や資料作成は金沢市ですから、はじめから地元負担を温存しようとする姿勢が透けて見えるものでした。ところが、傍聴者も多く、市民や議会からも意見も寄せられ、地元負担を継続するかどうかの議論に踏み込む流れもできつつありました。しかし、時間の制約を盾に、拙速に今回の報告書に至ったのです。
座長が市長に報告書を手渡す際「委員も市民もさまざまな意見をお持ちであり、これで終わりとせず今後も議論してほしい」と求めたのは、十分に議論を尽くせなかった苦悩だと受け止めました。
ところが市長は、報告書を受け取った直後に、一定の地元負担を継続する姿勢を示したそうです。市長、懇話会の開催の仕方や市長の姿勢から、市は最初から結論ありきだったのではないかと疑問の声が寄せられています。
市長、どのような姿勢で見直しに臨んだのかあきらかにしてください。また、市の見直しでは地元負担を5%削減するとしましたが、その理由をあきらかにしてください。また、地元負担の解消を少しも検討されなかったのか伺います。
-村山市長
まず初めに、金沢方式を「まちづくりの文化」というように定義をさせていただきました。これは規範と言ってもいいかもしれません。毎年度の予算において、金沢方式を含めた予算についてお諮りをさせていただいている中で、ここ40年以上、これは金沢方式ができたというのを昭和30年代にするのか27年にするのかわかりませんが、それだとすればもう60年以上の間、金沢市議会でお認めをいただいてきた、これはまちづくりの規範と言ってもいいかというように思っております。それを尊重した中での金沢方式のあり方の検討を行ってきたというものであります。そういった中で、今般、人口減少・少子高齢化の進展とともに、町会加入率が減少するなど、地域を取り巻く環境が変化する中で、地元負担の見直しが必要と考え、あり方検討懇話会を立ち上げて検討を重ねてきたものであります。
懇話会では地元負担の見直しだけではなく、金沢方式自体の周知・広報、また地域活動における担い手にかかる今後の方向性など、持続可能な地域コミュニティのあり方について幅広く議論いただいたと思っております。この懇話会では、委員からの意見を受けまして、持続可能な負担のあり方について様々なシミュレーションを行いまして議論をしてきたところであります。これらの議論を踏まえて、これまで40年以上変わっていない地元負担の割合について見直すということ、ここに一歩踏み出して勇気を持って見直しを行いました。
そして地域コミュニティのさらなる強化に資する地元負担の軽減にかかる予算案について、本議会にお諮りしたところであります。具体的には施設整備に関して地元負担を4分の1から5分の1に軽減する、これは5%という形になりますけれども、軽減をさせていただくという一歩を踏み出させていただきました。
また施設解体や長寿命化にかかる経費、こちらについては全額市の負担といたします。
また、消防分団機械器具置場の補助基準単価の引き上げも行わせていただきました。
また地区公民館の運営にかかる負担についても、4分の1から5分の1への引き下げを行うのと合わせて、施設整備と同様にこの運営についても世帯数に応じた軽減措置を導入するということで、金沢方式を持続可能な形でどのように承継していくか、そのような手立てを講じさせていただいたものであります。
金沢の地域コミュニティについて、自分たちの地域は自分たちで守り育て、運営していくという基本的な考えのもと、地域主導、ボランティア、地元による一定の負担で成り立っております。継承していくべきまちづくりの文化だと捉えております。
懇話会におきましては、地元住民はもとより、町会長や公民館役員であっても知らない方が多いといったご意見がございましたので、地域活動の内容や日常生活との関係性など、正確な情報を若い世代や移住者などを含め、改めて広く市民に周知・広報していく必要があると考えておりまして、本会議に関連する予算を計上させていただいたところであります。
-広田議員
一方で、座長や議会からも議論の継続や市民からの意見聴取が求められていますが、担当部署は今後どこになるのかあきらかにしてください。
-村山市長
懇話会から報告がございました、市民への周知・広報の強化、あるいは地元負担の軽減、担い手不足への対策強化など、今後取り組むべき施策の方向性につきましては、地域コミュニティにかかわる部署が相互に連携をし、情報共有を図りながら、地域コミュニティの醸成に向けて取り組みを進化させていくことが必要であります。今後更なる社会環境の変化等を踏まえつつ、まちづくりミーティングなどを通じて、地域の声をお聞きしながら、持続可能なコミュニティを支える基盤の強化に向けまして議論を重ねていくことも大切だと感じております。
-広田議員
金沢方式の周知について予算化されています。概要だけではなく、各施設の地元負担の仕組みをあきらかにするとともに、地元からの「負担」ではなく「寄附」であることを明確に周知するよう求めますがいかがですか。
-村山市長
懇話会におきましては、金沢方式を知らない方が多いといったご意見があったことから、改めて地域活動の内容や日常生活との関係性などの情報を広く市民に周知・広報していく必要があると考えております。明年度、市民の地域活動への参加意識を醸成させるため、地域コミュニティの特徴と合わせまして、町会、公民館活動を紹介するパンフレットなどを作成し、こちらは結ネット等も活用しながら広く市民に周知してまいりたいと考えています。
-広田議員
さらに、第4次協働推進計画策定や、町会加入促進強化に向けた市民アンケート調査を実施する予算が計上されていますが、金沢方式についての質問を盛り込むべきですがいかがですか。また、計画のパブリックコメントはいつ頃実施されるのかあきらかにしてください。
-村山市長
第4次協働推進計画の策定にかかる基礎資料といたしまして、市民の地域活動・市民活動に関する意識調査を行うこととしております。今後、有識者や地域団体などで構成する協働を進める市民会議の中で、新たな担い手の育成など、市民協働を推進する上で必要な調査項目について検討してまいります。また、策定に伴うパブリックコメント手続についても、明年1月をめどに、実施する予定であります。
-広田議員
報告書には重要な指摘も加わりました。「各地域での施設整備の際、正確な情報が地域住民に示された上で、丁寧な議論や合意形成等が望まれる。」というものです。市長ご自身も、「設置を望む地域の総意を最大限に尊重する。地元負担が生じることを了承していただいたうえで事業を進めており、その了承がない限り市は事業に着手しない」とまで述べています。
では、今予算に金沢方式にもとづく事業がいくつか計上されていますが、みな総意を得たものなのでしょうか。消防分団の機械器具置き場についての予算が2件あります。しかし、材木分団については、地元住民から市長や議会へ今議会に対し「住民負担をともなわない整備を求める」陳情が提出されています。市長、地域の総意を尊重するとしながら、この予算を計上されたのは矛盾しませんか。
-村山市長
いくつかの地区公民館や消防分団、機械器具置場の建設等にかかる地域の合意形成につきましては、こちらがはかられたため、額公民館、東浅川公民館、材木分団機械器具置場、芳斉町分団機械器具置場、こちらについて、その他、本議会に関する予算を計上しているところであります。
この中の材木消防分団の機械器具置場の整備についてご指摘がございました。こちらにつきましては、材木・味噌蔵両地区の町会連合会において、合意が得られたことから、当該予算を計上したものであります。
-広田議員
また、公民館・児童館整備事業などで、住民の議論が継続しており、予算化に至らない事業もいくつもあるとお聞きしています。どのような状況か理由も含めてあきらかにしてください。
-村山市長
公民館、児童館の建設につきましては、検討を進めてはおりますけれども、まだ全体の合意形成までには至っていない地域が数ヶ所あることは把握をしております。これらの地域を含めまして、建設について地域からのご相談がございましたら、今回の金沢方式の見直しの内容などを説明するなど丁寧に対応してまいりたいと存じます。
-広田議員
金沢方式の歴史や意義についての市の説明も再検討が必要です。資料にもあります通り、これまで金沢市は「昭和27年に地元負担も含め住民が要望した」と説明しています。
しかし、過去の資料や歴史的事実を再調査した結果、この仕組みは住民の要望ではなく、市が財政負担を回避するために設けたものであることがうかがえます。
市長は、金沢市教育委員会と公民館連絡協議会が発行した金沢市公民館50周年記念誌を読まれましたか?
こう書いてあります。「昭和24年に社会教育法が施行、金沢市公民館設置条例が制定された。昭和27年までに8公民館を設置したが、設置できなかった校下には、学校や善隣館の一部を事務所に「公民教育委員」が委嘱され、一律補助を行っていた。
しかし、公民館がある校下との補助額に大きな違いが生じ、その差を放置しておくことが困難な状況となり、政治判断で昭和27年に全市の校下で公民館を設置することを決断した。その前提には、町内会が復活し、財政的援助を期待できると踏んでの決断ではあったと思う。」と書かれています。
昭和27年は町会が復活した年です。戦後GHQが大政翼賛会の組織下であった町会等を禁止していたのですが、昭和27年にGHQが引き上げた際に復活したのです。
しかしその後、市の直営にすべきだという声があがります。昭和35年頃から公民館連絡協議会が陳情運動を行い、「市が設置するという社会教育法の通り、市の直営にしてほしい」と求めたと記されています。
その動きに対し昭和38年、市はあらたな計画を発表。8つの直営公民館を設置するので、これまでの地区公民館へは今後、委託・補助はしないとしたのです。当然、直営を求める運動は収束します。各地区の公民館建設についてはその後のことですから、建設についても地元負担ありきで進まざるをえなくなっていったと考えられます。
つまり、昭和27年の金沢方式のはじまりは町会復活に乗じた市の政策的判断であり、直近の歴史では、市民は法律通り市の責任による運営を求めていたことがわかりました。市長、この歴史をどのように受け止めますか?
-村山市長
公民館50 周年記念誌につきましては、これは読む人によって解釈が違うんだなということを感じた次第であります。
昭和27年までに8公民館を設置したが、公民館がある校下と公民教育委員会があった校下とでは、市からの補助額に違いが生じ、その差を放置しておくことが困難な状況になりつつあったということ、これは議員のご指摘のとおりであります。その他に、市が実際に公民館を設置し始めると、各校下に一つずつ公民館が欲しいという要望があったということも記載されております。
さらに昭和27年には、地区公民館職員の服務管理が市から地区公民館長に変更となる金沢市公民館設置条例の改正があったことなどの記載がございました。こうしたことを総合的に勘案しますと、金沢方式については、多少の地元負担を伴ってでも公民館の設置を求めるという金沢方式、この方式については、昭和27年頃に始まったと推察できるのではないかと考えております。もちろん、この呼称に決まったかどうかというのはこの頃ではないということも承知をしております。
-広田議員
そもそも、町会は藩政時代から存在し、自らの経費で行政の仕事を請け負い、戦後でも小中学校の建設負担金を拠出したり、川や用水、橋の改修を自ら行うなど自治組織と行政の役割が曖昧でした。
その歴史は他の自治体にも共通し、過去に金沢市同様、公民館の住民負担があった自治体もあります。福井市では昭和30年代、公民館建設に2分の1の地元負担があったそうですが、市民の批判を受け、全額市負担に改善したとのことです。
消防分団においても、住民負担があった名古屋市では検討会を開き、「消防団に要する費用は市費により負担されるべきである」と市長へ答申されています。
市長、他都市では市民の声を受けて公民館整備や消防分団の住民負担を解消させている例がある中、金沢市だけが地元負担を維持している特異な状況ではないですか。
この特異な状況について金沢市は、金沢方式の意義としてこう説明しています。「地域が一定の負担をしながら自主的運営を行うことは、活動の自主性・自立性を担保することで地域の連帯・連携を強めて協同をはぐくむ」。
しかし、これも歴史的には住民ではなく、市側の理屈として読み取れます。50周年記念誌に「市教育委員会としては、金沢方式は、住民が自主性をもって公民館を運営することは、市が直接運営するよりもよい方式であるという認識と、社会教育法の条文通りの公民館運営を求める公民館連絡協議会との間に妥協点を見いだせぬ対立があった」とあります。
市長、金沢方式は法律にも条例にもなく、唯一のよりどころは歴史です。しかし、金沢方式の歴史は、市側がその意義づけも含め、財政負担を回避するために編み出した仕組みなのではないですか。
意義については、「負担があることで町会を離脱する」というのが現実であり、役員の方も大変ご苦労されています。地域活動を自主的に取り組むことと、住民の金銭的負担は分けて考えるべきですがいかがですか。
さらに金沢市は、中核市平均より公民館などが多く、特別なので、地元負担が必要だという説明も行ってきました。
しかし、社会教育法に基づく公民館を中核市で比較してみると、表のように小学校区単位の規模で設置している市は15市ほどありますし、公民館数の対人口比では金沢市は10番目、対小学校比で7番目です。上位のほうではありますが、さらに上位の都市があり、それらの自治体では地元負担はないのです。金沢市が特別多いわけではなく、特別なのは地元負担があることですがいかがですか。
-堀場教育次長
他都市の状況からみて、公民館の建設等にかかる住民負担は特異な状況ではないか、また、金沢方式は法律にも条例にもなく、市が財政負担を回避するための施策ではないかとのお尋ねがございました。
金沢方式は、多少の地元負担を伴っても校下ごとに公民館がほしいという地域住民の強い要望を受け、一校下に一公民館の設置を目指してきたものでございます。また、公民館等の整備は、建設工事などに地元負担が生じることを了承の上、地域の方々と協議しながら、本市独自の方式で進めてきたものでございます。
地域が一定の負担をしながら自主的運営を行うことは、活動の自主性・自律性を担保することで地域の連携を高め、協働を育むための大きな役割を果たしてきたものと認識しております。
-村山市長
公民館等の整備については、建設工事等に地元負担が生じることを了承のうえで、地域の総意により、進められております。地元負担の集め方につきましては、地域によってさまざまな方法があると思っております。
今回の地元負担の見直しにあたりましては、今後の人口減少を見据えて、世帯数に応じた軽減措置を拡充するとともに、運営費につきましても同様の措置を導入して負担軽減を図ったところであります。このことも含めまして、金沢方式が「自分たちの地域は自分たちで守り、育て、運営して行く」という考え方のもとで成り立っているということを周知してまいりたいと存じます。
-広田議員
そして本市は、児童館・消防分団についても公民館の金沢方式が採用されたとしていますが、消防分団には明治からの別の歴史がありますし、児童館などは公民館と併設が多く、必然的な地元負担とも言えます。見解をあきらかにしてください。
-蔵消防局長
消防分団の金沢方式については、明治からの別の歴史があるのではないかというお尋ねがございました。本消防団の原型となる民間消防は、万治2年(1659年)金沢に18組の町火消が組織されたことを起源として、廃藩置県が行われるまで長く受け継がれてまいりました。明治以降、昭和23年消防組織法が施行されるまでの間、その組織体制は幾度も変遷を重ねることとなりますが、金沢方式についてはその当時に独自に存在していたかどうかについては定かではございません。
-安宅こども未来局長
児童館建設について、児童館の歴史についてお尋ねがございました。地区児童館は、昭和40年に長町地区で公民館と併設して開館したのが始まりでございます。その後、他の地区においても公民館との併設館として整備されたことから、公民館同様の金沢方式が取られております。以上です。
-広田議員
ところで、今予算では「老人憩の家」についても地元負担の軽減が示され、どうやら金沢方式のようです。しかし、国からの通知でこの施設は、市町村が設置および運営主体とするほか、利用は原則無料とまでしています。しかも、この通知が発出されたのは昭和40年であり、市内どの施設もそれ以降の施設です。どういう経緯で金沢方式を導入したのでしょうか。また、ほかにも金沢方式の事業があるのならばあきらかにしてください。
-山口福祉健康局長
老人憩の家に関しましてお尋ねがございました。老人憩の家は、昭和54 年から開設いたしまして、現在15箇所ございますが、いずれも公民館や児童館と併設しておりまして、地域において一体的に運営しておりますことから、同様の運用等が行われております。
-村山市長
金沢方式が適用されている施設ということであります。先ほど申し上げた通り、地元が一部負担してでも各地域に設置を望む住民の要望を受けて、身近な地域活動の拠点として地区公民館を設置したということに始まった仕組みであります。地区公民館に加えまして、児童館や消防分団、老人憩の家におきまして、この方式による整備・運用が行われております。
-広田議員
つぎに法的な問題についてです。金沢方式は住民に負担を割りあてる形となっており、地方財政法に反しています。市は、寄附が自発的なものであると主張しつつも、市自らが、今予算でも計上している通り、負担割合を事前に決めて、寄附の歳入など具体的な金額を予算書に組み込んでいます。つまり、地元住民にはじめから寄附を割り当てていることにほかならず、地方財政法第4条の5に反するのではないですか。
-村山市長
本市におきます公民館等の整備については、地元負担が生じることを了承の上で予算計上しております。地元負担相当分については、整備完了後に地元からの寄附申し出に基づき、寄附金として採納する予定でありまして、地元負担を強制しているという形ではありません。なお、地方財政法第4条の5におきまして、自発的な寄附は何ら禁止するものではないと解釈されておりまして、問題ないと考えております。
-広田議員
そして金沢市は、行政として重大な視点が欠落しています。資料にもある通り、社会教育法や消防組織法においては、住民の寄附を前提とした施設整備を認めているわけではありません。本来、市民の命を守ったり、社会教育を普及させるために、自治体が設置するものとして制度設計されています。住民が要望して負担もしなければ建て替えないなどという状況はありえないのです。
にもかかわらず、市長のこれまでの答弁では「市の方で老朽化の度合いは把握しているが、整備計画は持っていない」とし、住民の総意がなければ事業は着手しないという態度です。つまり、児童館や公民館も、お金が集められる地域組織かどうかで建て替えができるかどうか差が出ることになりませんか。
消防に関しては地域住民の命に関わります。市長、社会教育法や消防組織法はそのような地域格差を是認しているのですか。お答えください。
しかも、この地元負担は町会加入者だけに負担を負わせるものです。しかし、消防や公民館は地域住民全体の安全、社会教育に貢献する公共施設です。一部の住民にのみ税外負担を求めるのは、受益と負担の公平性に欠けませんか、お答えください。
-村山市長
消防分団における整備費の一部を住民が負担することで、こちらについては住民自治の意識が高揚し、地域住民が主体的に参画することに繋がっていると認識しております。
※答えていない
-広田議員
財政面からも伺います。前段で述べたように、国が法律で規定しているからこそ、財政支援も行われています。
しかし金沢市は、金沢方式にとらわれるばかり、国から得られるはずの財源も得られていません。たとえば、消防分団の機械器具置き場は、緊急防災・減災事業債で100%充当でき、地方交付税算定率は70%です。
つまり、1億円の事業ならば3000万円の市の負担で済むわけです。しかし、消防分団関係の事業主体は地元であり、市は補助する立場のため、1億円の事業のうち仮に5000万円が地元負担とするならば、国の支援が受けられるのは市が補助する5000万円に限られます。5000万円の70%つまり3500万円が国となり、残り6500万円は、市が1500万円、地元負担は5000万円となります。
本来3000万円で済む事業が6500万円となり、そのうち5000万円は住民の税外負担であるという矛盾が生じるわけですが、いかがですか。
さらに、児童館は国の交付金措置を活用していますが、それによって減額となるのは本市だけです。地元負担はあくまで全体額の4分の1となりますが、地元にはこのような説明はなく不公平ではないですか。
-村山市長
児童館に限らず、事業の実施にあたっては、財政の健全性を堅持するために、できる限り国・県の補助金など財源の確保に努めております。
-広田議員
また今回の予算にもありますが、市が移転補償を行う場合があります。たまたま市がすすめる公共施設の建築にあわせて整備事業を行った場合、地元負担はかなり少額で済みます。どういう仕組みかあきらかにしてください。市の都合という点では、材木消防分団の機械器具置き場も用水のうえに存在し、現地で建て替えが許可されません。市の施設であり、法令上移転が必要なのならば、市が移転補償すべきですがいかがですか。
-村山市長
消防団機械器具置き場の関係で、移転補償についての質問がございました。公共事業のため支障となって移転を余儀なくされた場合、この場合には国土交通省が定める公共用地の取得に伴う損失補償基準に基づいて保障費を算出し、地元に保証しているところであります。公共事業により支障となり、移転を余儀なくされた場合が移転補償という考え方は適用できますけれども、材木分団機械器具置き場については、そのような経緯ではありませんので、適用の対象外となっております。
-広田議員
市長、金沢方式の地元負担の解消を決断すべきです。これまで述べてきた通り、金沢方式という仕組みのもと、住民に税外で負担を転嫁する正当性はまったくありません。
もし財政的な問題があるならば、前段で示した直営で行っている他都市との比較を行い、どうすれば地元負担がなくても維持できるのか、できないならどうするのか、市民とともに検討すべきと考えます。
質問初日に市長は、「金沢方式はまちづくりの文化だ」とまでおっしゃいました。文化だと受け止める方もいらっしゃるかも知れません、しかし文化というのは決まりがあるわけでなく、あくまでも個人の価値観や受け止めです。多様性を重んじる市長はいろいろな考え方も尊重されるはずです。
そして、その多様な文化を議論し「条例や規則」に落とし込むのが我々議会の役割であり、その条例や規則にそって仕事をしていくのが行政の役割です。条例にも規則にもできない「寄附金」を予算に当てはめることは、地方財政法に違反する「寄附金の割当」にほかなりません。
もし「寄附金」の文化を重んじるのであれば、予算に計上するのでなく、寄附される志を持つ個人のみなさん宛てにお願いをし、結果として集まった寄附金を採納していただくことが行政の役割です。ご決断を求めます。
-村山市長
金沢の地域コミュニティは、改めてでありますけれども、長きにわたり自分たちの地域は自分たちで守り、育て、運営して行くという基本的な考え方のもとで、地域主導、ボランティア、地域による一定の負担といった、金沢の地域コミュニティの特徴と一体となって、地域の自主性や連帯意識の造成に大きな役割を果たしておるものであります。今後も本市独自の方式として継承すべきものと捉えております。
-広田美代議員
ご答弁ありがとうございます。市長、金沢方式の地元負担が、地域の自主性どころか地域の分断すら生んでいる現状がこれまで明らかにされてきているのに、市長のご答弁は現実を直視できずに、逆にこれまで以上に金沢方式に固執したものになっているように感じました。
まず、町会で分断が生まれている実態について、どう受け止めているのか明らかにしてください。
そして、ちょっと答弁で踏み込んでいませんでしたので、何点か。負担ではなく、寄附であることを明確に周知するよう求めること。
そして、材木分団においては、町連においての合意が取れているということでしたけれど、明らかに地元住民からの陳情が出されているんです。その方々も町会連合会に属しているんですよね。その方々の思いは、総意ではないんですか。市長のいう総意とはそういったレベルなのか。明らかにまずしてください。
-村山市長
まず、この金沢方式について議論をするというのは非常に思い切った決断でありました。それまでであったならば地域の負担が4分の1のままであり、そしてその他にも今回改正させて頂いた長寿命化であったり、解体費であったり、そういったところに踏み込んだというのは大きな一歩だったというふうに思っております。一方で地域の分断が生まれるのではないかというようなご指摘も、確かにあたるかというように思っています。
一方で、これは私の住まう町会の話になりますけれども、昨年の4月に公民館、児童館が新しくなりました。この中にあっては、さまざまな議論がありました。この地区の校下の中の一番端のところに位置するのは、私の住まいしているところでありましたので、その中で金沢方式をどういった形で考えていくべきかというのは議論もありました。そうした中で、やっぱりこの金沢方式に協力して行く、そして今後の公民館、児童館の使い方を一緒に考えていくという形になりまして、分断よりも結束が生まれたというのは結果でありました。こうした事例なども参考にしていただければというように思っております。
そして、広報についてでありますけれども、金沢方式が自分たちの手で守り育て、運営していくという考え方のもとで、地域主導、ボランティア、地元による一定の負担で成り立っているということ、そして今回の負担軽減など見直し内容を周知するということで、今回、負担ではなく寄附金ということを明記するという必要は生じてないというように考えております。
また、陳情の内容ということでありますけれども、今回、材木・味噌蔵両地区の町会連合会から合意が得られたというようにお話をいただきました。陳情はさまざまな形でいただくことはあるかと思いますけれども、この両町会連合会の方で進めたいということ、これをもって今回予算化させていただいたところであります。
-広田美代議員
懇話会でも正確な情報を提示するという意見が出されたわけです。ちゃんと寄附であることを明記すべきです。もう一度お願いします。
そして、総意はそういったとらえ方なのですね。それじゃあもう住民の中の合意作りは既定路線ということになりませんか?もう一度お願いします。
最後に財政健全性を主張されましたけど、先ほど消防分団の事例では、市は3000万から1500万になるかもしれないですけど、住民は5000万の負担のままですよ。住民の財政健全性が保たれないです。明らかにしてください。
-村山市長
市の歳入の方法としてどこにあたるかという話と実態ということは、全く違う話だというように思っておりますので、こちらについてはこれまで通り周知をして行きたいと考えております。
また、一人でも反対をすればというようなことにもつながる話かと思いますけれども、総意ということについては、どういうことで認めていくべきかということ、大変難しいと思いますが、町会連合会のほうでの合意が得られたということ、これは非常に大きな地元の意思だというように捉えさせていただきたいというように思っております。
さまざまな方式の中で、この金沢方式を運営しております。また、地元の負担については今回、4分の1から5分の1ということで明らかに小さくなったということを踏まえていただければと思います。