トピックス

2010年12月
 金沢市議会12月議会 代表質問
 日本共産党金沢市議会議員 森尾 嘉昭
 私は、日本共産党市議員団を代表して質問いたします。
 山野新市長!市民一人一人のしあわせを願い、市民福祉の向上のため、この議場でも議論を交わす決意です。どうぞ、宜しくお願いいたします。
 質問の第一は、市民生活の厳しい現実から「なんとかしてほしい」との願いをどのように受け止め、くらし応援の施策を進めていかれるのか。伺います。
選挙後に地元紙に掲載された市民の声の中から、ある男性は、「雇用が不安定で商店街も活気がなく、雇用の促進と地域経済の活性化が主な課題です。若者の都会流出を防ぐべきです」との声です。また、60歳のデザイナーの男性は、「政策方針が見えてこなかった。と不満をにじませながら、今は不景気。雇用対策などをしっかり打ち出してほしい」との声です。23歳の会社員・女性は、「金沢のために尽くしてくれるやる気のある市長になってと生活向上を求めます」との声です。
あるマスコミは、「予想を覆す勝利は、市政の閉塞感を変えてほしいという市民のメッセージだ」と書き、別の記事では、「厳しい社会状況が続く中で、閉塞感を打ち破る風が金沢にも吹くことを市民が望んだ結果となった」と報じました。
 わが党が最近取り組んだ市民アンケートの中でも、1500通を超える回答の中で、暮らしが大変になったとの声は、約7割にのぼりました。そして、その理由が給料やパート、アルバイトの収入が減り、逆に税金など負担が増えたと答えています。また、県政、市政に望むことの第一位は、高齢者、障がい者福祉の充実。第二位が雇用対策。第三位が少子化、子育て支援。第四位が中小企業支援となっています。
 山野新市長!あなたご自身も、この選挙戦を通じて市民生活の厳しい現実の中で、くらしの悲鳴や、「何とかしてほしい」との声をお聞きになったと思います。それゆえに、今こそ、「くらし応援」の市政を第一とする施策の推進が求められています。市長から今後の市政運営と具体的施策についてうかがうものです。
 そこで、年末。年始を迎え、緊急対策として具体的に伺います。
 第一に、年末・年始にかけて、くらし、福祉の総合窓口を設置し、必要な支援体制をどのように考えておられるのか。
第二に、中小企業に対する金融支援、相談窓口は、どのように考えておられるのか。
 第三に、地場の企業向けに対する仕事出しについてです。
 全国175自治体で実施されている住宅リフォーム助成制度についてです。これは、地域経済への波及効果が予算の10倍を超すと言われるほど実績が広がっています。住宅リフォームに対して一定額を助成するもので、消費拡大を図ると共に、地場の関連業者の仕事出しにもつながり、緊急経済対策として大きな効果を生み出しています。その実施について、見解を求めるものです。
第四に、介護職員処遇改善のための交付金について、廃止する動きが浮上しています。来年度期限切れとなるだけにその継続を国に求めるべきと考えますが、市長の見解をうかがうものです。
 質問の第二に、市民生活にかかわる諸施策について伺います。
 第一に、こどもの医療費助成制度についてです。
 この制度は、子どものいのちを守り、少子化対策としても重視され全国各地で医療機関の窓口で、自己負担分を支払わなくても良いように無料化が進み、対象も中学校卒業までとなってきています。ところが、本市では、外来が小学校入学前まで、入院が小学校卒業までとなっており、県内でも遅れた制度となっています。しかも、1000円の自己負担を続け、医療機関の窓口でいったん自己負担を支払わなければなりません。中学校卒業までを対象とし、無料化を実現するには、約5億円の財源で可能です。
 市長!この制度をいつから、どのように拡充されるのか明らかにしていただきたいと思います。
 第二に、特別養護老人ホーム等高齢者介護施設の充実について伺います。
 市内で、特別養護老人ホームに入居を待っている方は、1500人を超えています。一方、平成21年度から23年度までの第四期事業計画では、この3年間に、小規模特別養護老人ホームは、7施設201人を整備するとしています。今回の補正予算の中で、2ヶ所58人の施設整備に対する補助金が計上され、計画された整備方針が具体化されました。さらに、次期の事業計画の前倒しとして2ヶ所58人の整備計画を打ち出しました。しかし、この整備方針では、到底待機状態を解消することはできません。
 山野新市長は、どのような整備方針を持って進められるのか明らかにしていただきたいと思います。
 ところで、本市が直接建てた施設は、1ヶ所もありません。今後、本市としてこうした高齢者介護施設を建設する考えはないのかうかがうものです。
 なお、特別養護老人ホームに入居をまっている方は、現状ではどの程度か、その内、自宅待機者は、何人か明らかにしていただきたいと思います。
 第三に、固定資産税の見直しについてです。
 山野新市長は、今回の提案説明の中では全くふれていませんでした。自らの選挙マニフェストでは、固定資産税、市民税の見直しを掲げていました。もはや、選挙キャンペーンにすぎなかったのでしょうか。どのように実現を図っていかれるのかうかがうものです。
 第四に、学校など図書館に司書を配置することについてです。
  本市では、「本の先生」と呼ばれる司書が8人、こども図書館に配置され、市内の小中学校をまわっています。各学校では、10学級以上に教諭が兼任で、配置されているのが現状です。
 山野新市長は、こうした現状から、各小中学校に専任で司書を配置するという事で、具体化されるのか。伺いたいと思います。
 また、泉野、玉川図書館における人材派遣から司書を配置している問題です。本会議でも、連合審査会でもこの問題を指摘し、改善を求めてきました。石川労働局からも文書指導で、改善を求められました。来年春には、海みらい図書館がオープンします。この際、人材派遣からの司書配置をやめ、直接雇用に切り替えるべきであります。
市長の見解をお聞きするものです。
 質問の第三に、山野新市長が掲げた「市政刷新」とは、具体的に何を刷新するのか伺います。市長は、「山出市政で踏襲すべきものは、踏襲し、市民に一つの転換点であったと認識してもらえる4年間にしたい」と述べました。いったい、これまでの5期20年間の山出前市政の何を刷新するのか。提案説明を聞いても見えてきません。
 市長!あなたご自身も公約に掲げた市民生活にかかわる諸施策を実現する上でも、これまでの大型開発優先からくらし応援への転換が必要ではありませんか。市長は、「時代の変化を敏感に察知し、変わるべき点は勇気を持って変えていかなければならない」と述べました。
 大型開発に優先的に税金を投入する施策こそ、改め、くらし応援の施策や、中小企業、地場の伝統産業、農林漁業を中心とする経済政策に転換する事が求められています。市長の見解を伺うものです。
 これまで、247億円を投じて金沢港の整備事業など大型開発事業を推進してきました。さらに、金沢駅西口広場再整備事業に28億円、海側幹線道路の戸水から大河端までの2キロ区間で、幅60ⅿの道路建設と合わせた3つの区画整理事業に184億円そして、金沢駅・武蔵間での5つめのビル建設に50億円。これらの事業を合わせて、260億円に達します。こうした事業を見直す考えはありませんか。その見解をうかがうものです。
 さらに、山野新市長が打ち出された市庁舎前広場をイベント広場に大改修する事や、金沢港ベイエリア開発事業、すなわち、金沢港周辺を観光、ショッビング、レジャー施設にするという開発事業は、さらに、巨額の税金投入につながりかねません。税金の使い方が間違ってはいませんか。市長の見解を伺います。
 さて、今回の補正予算の中で、金沢テクノパーク企業立地助成金として5億円が計上されています。これは、森本地区での先端産業立地のための工業団地として造成されたテクノパークに新工場を建設した澁谷工業に対して助成するものです。
すでに、澁谷工業は、このテクノパークに進出するにあたって、平成12年に3億5200万円、平成17年に1億4800万円、雇用助成金として平成18年に800万円が助成されています。今回の5億円の助成金と合わせると10億800万円が市民の税金で一つの企業に助成されることになります。
さらに、渋谷工業は、本社のとなりにあった若宮地区の本市が所有していた用地を取得しました。その経過について、本議場でも取り上げ、問題をただしてきました。企業局が所有していた用地は、取得した金額の半分で渋谷工業に売却し、若宮にあった本市道路管理事務所は、森本の工業団地用地内に移転し、その費用が6億円でした。一方若宮地内の用地は、5億円で渋谷工業に売却しました。行政改革だと言って、道路管理事務所を移転し、その移転費用は、土地売却の額を1億円上回りました。一つの企業に対して手厚い対応で本市の用地を売却したと言えるものであります。
市長!特定の企業に対してあまりにも利便を図る対応ではありませんか。見解を伺うものです。
そもそも、テクノパークは、18年前に着工され、280億円を投じて先端産業を誘致する工業団地として造成されたものです。しかし、今だに25%の用地が売れ残っています。その面積は、東京ドーム約2個分にあたります。このテクノパークに企業を誘致するために、本市は、最高6億円までの助成金を用意しています。このテクノパークに誘致された企業は、5社ですが、これまで支払われた助成金の総額はどの程度ですか。明らかにしていただきたいと思います。
市長!こうしたテクノパークの現状をどのように考えますか。この事業についても、山出前市政を引き継ぎ、助成金制度をかざして呼び込み型の誘致を続けて行かれるのですか。見解を伺うものです。
もう一つ、金沢港の整備事業です。
大手企業コマツが、第一工場に続いて第二工場を建設し、小松市の本社工場を金沢に移転いたしました。茨城の常陸那珂港と金沢の二カ所を拠点とする工場を再編成し、港に直結した工場によって、生産から東南アジアや中近東へ輸出するという合理化方針によって、進められたものです。
そのため、第一工場の横に大水深岸壁が建設されました。大型船が利用できるようにと港の深さ10mを13mに掘り下げる事業が進められています。当面12mで暫定利用がはじまっています。周辺の道路整備と合わせ、金沢港整備事業は、247億円にのぼっています。本市は、その内財政負担が50億円です。そして、第二工場建設にあたって、粟崎地内の用地を20億円投じて本市が造成しました。保安林を解除し、2万本のアカシアの木を伐採しました。さらに、第一工場建設に対して、3億円の助成を行いました。2億円を限度とする企業進出への助成金に対して、市長の判断で1億円をプラスして助成したものです。そして、県は、この第一工場建設に対して総額7億3500万円の助成を行いました。したがって、コマツは、第一工場の建設で県と本市合わせて10億3500万円の助成金を得たことになります。大手企業のコマツは、2009年度の売り上げは、2兆217億円で、営業利益は、1519億円です。2010年度は、世界的不況の中でも、売り上げは、1兆4315億円で、営業利益は、670億円にのぼっています。大手企業に対して様々な利便を図る、市民の税金をおしみなく投入することは、許されることでしょうか。
市長は、この点でも、山出前市政の継承を掲げていかれるのですか。見解を伺います。第一工場と同じように第二工場建設に対しても同じように助成金を行う考えですか。改めて伺うものです。
また、金沢港大水深岸壁の利用状況について明らかにしていただきたいと思います。
質問の最後に、憲法や地方自治、そして、平和についてどのような考えで市政に望むのか伺います。
山野新市長は、これまで自らのブログや本など文章の中で、独自の考えを表明されてきました。また、あなたが所属してきた自由民主党は、憲法9条の改正など独自の憲法制定を掲げています。
今後、市長として憲法を守り、生かしていく立場だと考えますが、あなたは、憲法とどのように向き合っていかれるのか伺うものです。
また、地方自治は、戦後政治の原点ともいわれ、その役割は、そこに住む住民の福祉向上をめざすことであり、住民参加と民主主義を守り発展させていくことが求められています。
山野新市長は、戦後培われ、発展させてきた地方自治について、どのような立場で市政運営に活かされていくのかその見解を伺うものです。
最後に、平和についてです。
本市は、平和都市宣言を昭和60年・1985年に行い、姉妹都市交流をはじめ、国内外との都市交流を進めてきました。また、原爆展の開催をはじめ、核兵器廃絶への願いとメッセージを内外に発信してきました。
アメリカのオバマ大統領がみずから核兵器廃絶への宣言を行い、核保有国を含め、世界から核兵器をなくすことが現実的課題として提起されてきました。こうした情勢の進展と共に、核兵器廃絶の取り組みが世界的規模の広がりを見せています。ぜひ、本市としても核兵器廃絶に向け、その実現をめざす取り組みを進めることが求められています。
山野新市長!あなたの核兵器廃絶への決意と、本市の平和都市宣言にそって、その具体的とりくみについて、どのように考えるのか伺いまして、私の質問を終わります。

2010年11月30日
金沢市議会11月臨時議会 反対討論
日本共産党金沢市議会議員 森尾 嘉昭

私は、日本共産党市議員団を代表して討論を行います。
わが党は、議案第1号職員の給与に関する条例等の一部改正について、反対であります。この条例は、人事院勧告を受け、管内閣が11月1日、閣議決定を行い、18日には、衆議院本会議で国家公務員給与を1.5%引き下げる給与法関連改正案が民主党、公明、社民党などの賛成で可決されたことを受けて、提案されたものであります。
その主な内容は、第一に、本市職員の給与を平均0.1%引き下げる。55歳を超える職員については、さらに、給与等を1.5%引き下げる。第二に、期末勤勉手当の支給割合を0.2カ月分の引き下げると言うものです。
これによって、給与が7000円、期末勤勉手当が8万2千円の引き下げとなり、年間平均給与が約8万9千円と大幅な引き下げとなるものです。その影響額は、約3億2千万円にも及びます。
昨年、夏季一時金の0.2カ月分の削減、引き続く、昨年末の給与0.22%と期末勤勉手当0.35カ月分の引き下げが実施され、その総額は約5億5千万円に及びました。 今回は、昨年に引き続く引き下げとなるもの、その改定内容には、給与の引き下げがこの4月からさかのぼって実施され、支給割合を0.2カ月分引き下げられる期末勤勉手当からさらに、差し引くことが含まれてます。また、55歳を超える職員については、さらに、給与等を1.5%引き下げるもので、この12月から実施されます。本市の場合、120人が対象となります。さらに、義務教育等教員特別手当の削減が来年1月から実施され、本市の場合市立工業高校の教職員52人が対象となります。
昨年に引き続く、今回の大幅な給与の引き下げは、職員とその家族の生活へ甚大な影響をもたらすと共に、家のローンや老後の生活など人生設計にも大きな影響をもたらすものです。さらに、民間労働者の給与と景気にも深刻な影響をもたらすものです。実際、公務員の給与の引き下げによって民間の労働者の賃下げにもつながるという賃金削減サイクルとも言うべき事態を引き起こしており、働く人々の生活破壊にとどまらず、内需を拡大し、景気回復につなげようとの方向とは逆行するものです。
したがって、わが党は、こうした大幅な給与引き下げが、職員の生活に大きな影響をもたらすと共に、地域経済を冷え込ませ、民間労働者の賃金をも引き下げるという悪循環を引き起こし、消費不況が一層広がり、地域経済にも影響をもたらすものであり、認めることはできません。
よって、わが党は、今回の職員給与等の引き下げを盛り込んだ条例改正に反対である事を表明し、反対討論を終わります。

2010年臨時第1回市議会質問
日本共産党 大桑 進

私は、日本共産党市議員団を代表して質疑を行います。

議案第1号 「職員の給与に関する条例等の一部改正について」は、菅政権のもとで、今年8月10日、人事院が国会と菅内閣に対して、国家公務員の給与とボーナスの引き下げるなどの勧告を行ったことを受けて提案されたものであります。
人事院勧告の主な内容は、第1に初任給を中心とした若年層と医療職を除く国家公務員の給与を0.1%引き下げ、第2にボーナスを年間0.2ヵ月引き下げ、さらに55歳を超える職員の給与支給額の定律に引き下げるというものです。
これによって、国家公務員の場合1人当たり年平均9万4,000円規模の減収を押しつけるものとなりました。
国家公務員の人件費引き下げは、地方公務員、さらに民間企業の給与と景気に深刻な影響をもたらすものだとして批判の声が広がっています。
とりわけ、賃金改善や最低賃金の引き上げなどによって内需を拡大し、景気回復につなげようとの方向とは逆行するものです。公務員の賃下げによって、民間の労働者の賃下げにもつながるという、賃金削減サイクルとも言うべき事態を引き起こしていることは、働く人々の生活破壊に留まらず、景気悪化を引き起こすなど深刻であります。
今回の人事院勧告による国家公務員の給与改定に関して、菅政権は国家公務員の総人件費2割削減の第1段階と位置づけ、次期通常国会に給与削減のための法案提出を明らかにしたことは、極めて重大です。
人事院勧告制度が定着して以降、人事院勧告が出される前に、その年の給与削減を目的とし、いわば人事院勧告に枠をはめる法案が出されたことは、かつて一度もありませんでした。
国家公務員の労働基本権制約の代償措置としての人事院勧告の役割を覆すこうした法案の提出は、まさに異常なやり方と言わなければなりません。
市長は、一連の人事院勧告についてどのように受け止め、今回の提案を行ったのか、改めてその見解を伺うものです。又、平均年間給与9万4,000円とありますが、本市職員の削減額はどの程度になりますか。伺います。
 2点目に、今回の引き下げによる影響額についてどれ程になるのか伺います。
3点目に、地域経済と民間労働者への影響についてです。日本政府は物価が持続的に下落する「緩やかなデフレ状況にある」と言われていますが、需要悪化に伴う物価下落は、一時的に家計は助かりますが、企業の売り上げは落ち込み、利益は減少し、その結果働く人々の賃金が減らされ、場合によってはリストラや倒産の増加にもつながりかねません。結果として、個人消費が減少、景気の悪化で、経済が萎縮していく状況を加速させるものです。
市長は、こうした経済状況のもとで今回の提案が実行された場合、地域経済と民間の労働者の賃金にどのような影響をもたらすと考えておられたのか、伺うものです。

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金沢市議員団ニュース №265 2010年10月

 山出市長は、9月市議会の冒頭に6選出馬を表明。これを受けて、5期20年間の山出市政によって、「市民のくらしは、良くなったのか。まちは、元気になったのか」質問を通じてただしました。ご意見、ご要望、ご感想をお寄せください。



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議 案 提 出 に つ い て

 議案「金沢市長の在任期間に関する条例」を次のとおり会議規則第13条の規定により提出します。

  平成22年9月22日

 金沢市議会議長 田 中   仁  様

                    提 出 者

                                              金沢市議会議員  不 破 大 仁

                                                    〃        下 沢 広 伸

                          〃    高 岩 勝 人

                          〃    野 本 正 人

                          〃    小 林   誠

                          〃    玉 野   道

議会議案第1号

金沢市長の在任期間に関する条例

(目的)

第1条 この条例は、市長が本市を統轄し、予算の調製及び執行、職員の任免その他の権限を行使する地位にあることにかんがみ、また権力を法的に制限すべきであるとする立憲主義の考え方から、市長の在任期間について必要な事項を定めることにより、高い倫理観や資質を有する場合においても、その者が長期にわたり市長の職にあることに伴って生ずるおそれのある弊害を防止し、もって市政運営の活性化及び地方自治のさらなる進展を図ることを目的とする。

(市長の在任期間)

第2条 市長は、連続した3任期(各任期における在任期間が4年に満たない場合もこれを1任期とする。)の当該3任期目以後の各任期に係る選挙において投票率が別に条例で定める割合を超えない場合には、当該任期の次の任期に在任することのないよう努めるものとする。

附 則

この条例は、平成22年12月10日から施行する。

提案の趣旨

代表民主制においては、代表者を選ぶ選挙にいかに選挙人の意志を反映させることができるかが重要であり、そのためには、選挙の実質的な競争性が確保されることが必要である。

多選の結果、選挙の実質的競争性が損なわれているとすれば、選挙の競争性を確保し、政策選択の幅を広げる手法の一つとして任期制限を位置づけることができ、このような考え方にたった場合には、任期制限は、民主主義の理念に沿ったものと考えられるため。

2010年9月 金沢市議会9月議会 
議会議案第1号金沢市長の在任期間に関する条例(案)
        質 疑
日本共産党金沢市議会議員 森尾 嘉昭

 私は、日本共産党市議員団の一人として上程されました議会議案第1号金沢市長の在任期間に関する条例(案)に対して質疑いたします。
 第一に、この条例案が、憲法違反に当たらないかという点です。
 平成19年10月18日衆議院総務委員会で、次のようなやり取りがあります。
 質問 神奈川県議会で10月12日に知事多選禁止条例が成立をいたしましたが、総務省の評価はいかがでしょうか。
 答弁に立った久元政府参考人は、「法律解釈について申し上げたいと思います。まず、結論から申しますと今回成立いたしました神奈川県知事の在任の期数に関する条例は違法であるというふうに考えております。その理由でありますが、現行の地方自治法は、知事の任期については定めておりますが、在任できる期数については定めておりません。知事の在任期数を制限するとすれば、それは法律上の根拠を要するというふうに考えております」
 と答弁を行っています。

 答弁は続いて、知事の在任期数を制限する規定について、次のように述べています。「立候補することができない者を、被選挙権を有しない者として成年被後見人あるいは公民権を停止されている者など一定の範囲に限定している公職選挙法の規定を逸脱ものであり、違法である」と述べています。
 総務省の下で「首長の多選問題に関する調査研究会」がつくられ、その報告書の中で、首長の多選制限について必ずしも憲法に反するものとはいえないとの見解をまとめています。平成19年5月30日です。この国会でのやり取りは、報告書が提出された後のことであります。また、この報告書では、多選制限について、「制度化する場合には、法律にその根拠を置くことが憲法上必要であり、地方公共団体の組織及び運営に関する事項を一般的に定めた地方自治法において規定することが適当である」と述べています。
 多選を理由に条例などで任期を制限したり、自粛すると言うのは、憲法が明記する基本的人権、民主主義の原則からして問題があるのではありませんか。
 最高裁判所の判決でも「立候補の自由は、選挙権の自由な行使と表裏の関係にあり、自由かつ公正な選挙を維持するうえで、極めて重要である」と明快に述べています。
 以上の事から、この条例案が憲法違反に当たらないのか。答弁を求めるものです。

 第二に、二元代表制ということからすると議会が市長の在任期間に関して条例提案することは問題がないのか。伺います。
 憲法は、地方自治の原則として議会と首長がどちらも住民から選挙を通じて直接選ばれる二元代表制を定めています。
 したがって、両者が抑制と均衡というチェック・アンド・バランスをもって、お互いの独断や暴走を防ぎ、民主主義を保障するという仕組みとなっています。
 市長の多選が気にくわない。問題だと言って、議会が市長の多選を自粛したり、禁止したりすることは問題ありませんか。
 二元代表という視点から、この条例案について、どのように考えたのか伺うものです。

 第三に、この条例案の第2条で、「市長は、連続した3任期の当該3任期目以降の各任期に係る選挙において投票率が別に定める割合を超えない場合には、当該任期の次の任期に在任することのないよう努めるとする」としています。
 これは、3期連続して当選した場合、その時の投票率が20%台だった場合、次の4期目には、立候補しないよう努めると言うものです。
 その投票率が30%を超えない場合とするのか。40%とするのか。50%とするのか。別の条例で定めるとしています。これは、大変重要な事でもあり、なぜ、この条例で示さなかったのか。示さないということは、この条例案にとって致命的な欠陥とならないのか。伺うものです。

 第四に、この条例案は、附則で「この条例は、平成22年12月10日から施行する」としています。
 今期山出市長の任期は、平成22年12月9日までであります。したがって、新しい市長の任期は、平成22年12月10日から始まります。
 するとこの条例は、山出市長の6期目出馬には、適用しないと言うことになります。これでは、山出市長の6期目の出馬は良いと言うことになり、多選自粛というこの条例案の目的からして、つじつまが合わなくなりませんか。
 その点について、伺うものです。
 最後に、誰を選ぶか。その権利は、国民にあります。選挙によって、有権者の意思を判断すべきではありませんか。
 その点を伺いまして質疑を終わります。 

2010年9月22日
反対討論
日本共産党 升 きよみ

 私は、只今上程されました議会議案第1号金沢市長の在任期間に関する条例等について反対討論を行います。
 今回提案された条例案は自由民主党議員を初めとする6名の議員各位によって提出されましたが、その内容の問題点は、我党の森尾議員の質疑等で質したところですが、改めて日本共産党市議員団の見解を述べます。
 本条例等が提出された背景に、市民の首長に対する多選への率直な批判的意見や、又市民の今の政治への不満や不安が大きい中で、「政治を何とか変えてほしい」、「地方議会の日本共産党を除くオール与党政治に対する苛立ちや怒り」等、様々な矛盾が生じている中で、それら市民の思いを受け止めながらも、それをなんとか回避すること等から提出されたものと思います。

 しかし、この条例案では真の市民の願いや要求に応えるものではなく、むしろ重大な憲法上の問題等があり、とても認めることの出来ないものです。
 その条例案内容では、「市長が連続して3期以降の各任期に関わる選挙において、投票率が別に条例で定める割合を超えない場合には、当該任期の次の任期に在任することのないように努めるものとする」としておりますが、結局、3期連続して当選した市長が投票率が低い場合は、4期目の選挙には立候補しないよう努めるとしていますが、その投票率については、どの程度が低いとするのか高いとするのかは不明であり、任期期限は、政策選択の幅を広げる手法とか選挙の競争性を確保するものと言っても、民主主義の理念に沿ったものとは言い難く、納得できるものではありません。その上、「有権者の多数で多選が支持された場合は除かれる」としていますが、投票率を持って多選を容認或いは禁止は当たらないと考えます。

 むしろ、多選や定年制を理由に条例や法律などで任期を制限することは、それこそ憲法が明記する基本的人権や民主主義の本則からもおおいに問題があります。それは、憲法第15条は、選挙権が基本的人権の一つであることを明らかにしており、そして最高裁はかつてこの憲法の規定にも触れながら、「立候補の自由は選挙権の自由な行使と表裏の関係」にあり「選挙に立候補しようとする者がその立候補について不当に制約を受けるようなことがあれば、選挙人の自由な意思の表明を阻害することとなり、自由かつ公正な選挙の本旨に反する」との考えを明らかにしており、「立候補の自由」を不当に制約することは憲法違反になると言うことです。
 大事なことは、住民にとってよいものはよいと言うことではないでしょうか。誰を首長や議員に選ぶのか、その権利は市民・国民にあります。それこそよいものはよい、住民のためになるものは選挙で審判を下せばよいのです。
 
 山出市長が、6期目の出馬表明されたことで、この条例案は市民の中には様々な受け止めと反応があります。そうした中で本条例案が施行を平成22年12月10日としている事も、結局、今問われている最大の関心事から離れておりますし、今後将来における拘束力のない内容にも甚だ疑問を感じます。
 今回の提案者が真に多選を批判するなら、それにふさわしい選挙での候補者を擁立をして、市民に問うべきではありませんか。又、今日の政治・政策を真に変えようとするなら、これまでの政治・政策への大きな転換を図る事であり、我党は市民の皆さんと共に住民のためになる市民本位の市政をめざして、力を合わせていくことを表明して討論と致します。

1.提出された条例案
2.森尾市議の質疑
3.升市議の反対討論
9月22日金沢市議会の最終日に、投票によって表決された結果、
議長を除く39人の市議が投票。その結果、賛成16、反対23によって、条例案は否決されました。

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