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金沢市議員団ニュース №265 2010年10月

 山出市長は、9月市議会の冒頭に6選出馬を表明。これを受けて、5期20年間の山出市政によって、「市民のくらしは、良くなったのか。まちは、元気になったのか」質問を通じてただしました。ご意見、ご要望、ご感想をお寄せください。



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議 案 提 出 に つ い て

 議案「金沢市長の在任期間に関する条例」を次のとおり会議規則第13条の規定により提出します。

  平成22年9月22日

 金沢市議会議長 田 中   仁  様

                    提 出 者

                                              金沢市議会議員  不 破 大 仁

                                                    〃        下 沢 広 伸

                          〃    高 岩 勝 人

                          〃    野 本 正 人

                          〃    小 林   誠

                          〃    玉 野   道

議会議案第1号

金沢市長の在任期間に関する条例

(目的)

第1条 この条例は、市長が本市を統轄し、予算の調製及び執行、職員の任免その他の権限を行使する地位にあることにかんがみ、また権力を法的に制限すべきであるとする立憲主義の考え方から、市長の在任期間について必要な事項を定めることにより、高い倫理観や資質を有する場合においても、その者が長期にわたり市長の職にあることに伴って生ずるおそれのある弊害を防止し、もって市政運営の活性化及び地方自治のさらなる進展を図ることを目的とする。

(市長の在任期間)

第2条 市長は、連続した3任期(各任期における在任期間が4年に満たない場合もこれを1任期とする。)の当該3任期目以後の各任期に係る選挙において投票率が別に条例で定める割合を超えない場合には、当該任期の次の任期に在任することのないよう努めるものとする。

附 則

この条例は、平成22年12月10日から施行する。

提案の趣旨

代表民主制においては、代表者を選ぶ選挙にいかに選挙人の意志を反映させることができるかが重要であり、そのためには、選挙の実質的な競争性が確保されることが必要である。

多選の結果、選挙の実質的競争性が損なわれているとすれば、選挙の競争性を確保し、政策選択の幅を広げる手法の一つとして任期制限を位置づけることができ、このような考え方にたった場合には、任期制限は、民主主義の理念に沿ったものと考えられるため。

2010年9月 金沢市議会9月議会 
議会議案第1号金沢市長の在任期間に関する条例(案)
        質 疑
日本共産党金沢市議会議員 森尾 嘉昭

 私は、日本共産党市議員団の一人として上程されました議会議案第1号金沢市長の在任期間に関する条例(案)に対して質疑いたします。
 第一に、この条例案が、憲法違反に当たらないかという点です。
 平成19年10月18日衆議院総務委員会で、次のようなやり取りがあります。
 質問 神奈川県議会で10月12日に知事多選禁止条例が成立をいたしましたが、総務省の評価はいかがでしょうか。
 答弁に立った久元政府参考人は、「法律解釈について申し上げたいと思います。まず、結論から申しますと今回成立いたしました神奈川県知事の在任の期数に関する条例は違法であるというふうに考えております。その理由でありますが、現行の地方自治法は、知事の任期については定めておりますが、在任できる期数については定めておりません。知事の在任期数を制限するとすれば、それは法律上の根拠を要するというふうに考えております」
 と答弁を行っています。

 答弁は続いて、知事の在任期数を制限する規定について、次のように述べています。「立候補することができない者を、被選挙権を有しない者として成年被後見人あるいは公民権を停止されている者など一定の範囲に限定している公職選挙法の規定を逸脱ものであり、違法である」と述べています。
 総務省の下で「首長の多選問題に関する調査研究会」がつくられ、その報告書の中で、首長の多選制限について必ずしも憲法に反するものとはいえないとの見解をまとめています。平成19年5月30日です。この国会でのやり取りは、報告書が提出された後のことであります。また、この報告書では、多選制限について、「制度化する場合には、法律にその根拠を置くことが憲法上必要であり、地方公共団体の組織及び運営に関する事項を一般的に定めた地方自治法において規定することが適当である」と述べています。
 多選を理由に条例などで任期を制限したり、自粛すると言うのは、憲法が明記する基本的人権、民主主義の原則からして問題があるのではありませんか。
 最高裁判所の判決でも「立候補の自由は、選挙権の自由な行使と表裏の関係にあり、自由かつ公正な選挙を維持するうえで、極めて重要である」と明快に述べています。
 以上の事から、この条例案が憲法違反に当たらないのか。答弁を求めるものです。

 第二に、二元代表制ということからすると議会が市長の在任期間に関して条例提案することは問題がないのか。伺います。
 憲法は、地方自治の原則として議会と首長がどちらも住民から選挙を通じて直接選ばれる二元代表制を定めています。
 したがって、両者が抑制と均衡というチェック・アンド・バランスをもって、お互いの独断や暴走を防ぎ、民主主義を保障するという仕組みとなっています。
 市長の多選が気にくわない。問題だと言って、議会が市長の多選を自粛したり、禁止したりすることは問題ありませんか。
 二元代表という視点から、この条例案について、どのように考えたのか伺うものです。

 第三に、この条例案の第2条で、「市長は、連続した3任期の当該3任期目以降の各任期に係る選挙において投票率が別に定める割合を超えない場合には、当該任期の次の任期に在任することのないよう努めるとする」としています。
 これは、3期連続して当選した場合、その時の投票率が20%台だった場合、次の4期目には、立候補しないよう努めると言うものです。
 その投票率が30%を超えない場合とするのか。40%とするのか。50%とするのか。別の条例で定めるとしています。これは、大変重要な事でもあり、なぜ、この条例で示さなかったのか。示さないということは、この条例案にとって致命的な欠陥とならないのか。伺うものです。

 第四に、この条例案は、附則で「この条例は、平成22年12月10日から施行する」としています。
 今期山出市長の任期は、平成22年12月9日までであります。したがって、新しい市長の任期は、平成22年12月10日から始まります。
 するとこの条例は、山出市長の6期目出馬には、適用しないと言うことになります。これでは、山出市長の6期目の出馬は良いと言うことになり、多選自粛というこの条例案の目的からして、つじつまが合わなくなりませんか。
 その点について、伺うものです。
 最後に、誰を選ぶか。その権利は、国民にあります。選挙によって、有権者の意思を判断すべきではありませんか。
 その点を伺いまして質疑を終わります。 

2010年9月22日
反対討論
日本共産党 升 きよみ

 私は、只今上程されました議会議案第1号金沢市長の在任期間に関する条例等について反対討論を行います。
 今回提案された条例案は自由民主党議員を初めとする6名の議員各位によって提出されましたが、その内容の問題点は、我党の森尾議員の質疑等で質したところですが、改めて日本共産党市議員団の見解を述べます。
 本条例等が提出された背景に、市民の首長に対する多選への率直な批判的意見や、又市民の今の政治への不満や不安が大きい中で、「政治を何とか変えてほしい」、「地方議会の日本共産党を除くオール与党政治に対する苛立ちや怒り」等、様々な矛盾が生じている中で、それら市民の思いを受け止めながらも、それをなんとか回避すること等から提出されたものと思います。

 しかし、この条例案では真の市民の願いや要求に応えるものではなく、むしろ重大な憲法上の問題等があり、とても認めることの出来ないものです。
 その条例案内容では、「市長が連続して3期以降の各任期に関わる選挙において、投票率が別に条例で定める割合を超えない場合には、当該任期の次の任期に在任することのないように努めるものとする」としておりますが、結局、3期連続して当選した市長が投票率が低い場合は、4期目の選挙には立候補しないよう努めるとしていますが、その投票率については、どの程度が低いとするのか高いとするのかは不明であり、任期期限は、政策選択の幅を広げる手法とか選挙の競争性を確保するものと言っても、民主主義の理念に沿ったものとは言い難く、納得できるものではありません。その上、「有権者の多数で多選が支持された場合は除かれる」としていますが、投票率を持って多選を容認或いは禁止は当たらないと考えます。

 むしろ、多選や定年制を理由に条例や法律などで任期を制限することは、それこそ憲法が明記する基本的人権や民主主義の本則からもおおいに問題があります。それは、憲法第15条は、選挙権が基本的人権の一つであることを明らかにしており、そして最高裁はかつてこの憲法の規定にも触れながら、「立候補の自由は選挙権の自由な行使と表裏の関係」にあり「選挙に立候補しようとする者がその立候補について不当に制約を受けるようなことがあれば、選挙人の自由な意思の表明を阻害することとなり、自由かつ公正な選挙の本旨に反する」との考えを明らかにしており、「立候補の自由」を不当に制約することは憲法違反になると言うことです。
 大事なことは、住民にとってよいものはよいと言うことではないでしょうか。誰を首長や議員に選ぶのか、その権利は市民・国民にあります。それこそよいものはよい、住民のためになるものは選挙で審判を下せばよいのです。
 
 山出市長が、6期目の出馬表明されたことで、この条例案は市民の中には様々な受け止めと反応があります。そうした中で本条例案が施行を平成22年12月10日としている事も、結局、今問われている最大の関心事から離れておりますし、今後将来における拘束力のない内容にも甚だ疑問を感じます。
 今回の提案者が真に多選を批判するなら、それにふさわしい選挙での候補者を擁立をして、市民に問うべきではありませんか。又、今日の政治・政策を真に変えようとするなら、これまでの政治・政策への大きな転換を図る事であり、我党は市民の皆さんと共に住民のためになる市民本位の市政をめざして、力を合わせていくことを表明して討論と致します。

1.提出された条例案
2.森尾市議の質疑
3.升市議の反対討論
9月22日金沢市議会の最終日に、投票によって表決された結果、
議長を除く39人の市議が投票。その結果、賛成16、反対23によって、条例案は否決されました。

森尾嘉昭市議が一般質問
社保協加盟団体などから31人が傍聴

金沢市議会9月定例会の質問戦3日目、9月17日(金)に金沢社保協加盟の日本共産党から森尾嘉昭議員が登壇。①市債増大、地域経済衰退の原因と打開策、②地域経済の振興対策、③新型インフルエンザ対策、④中島大橋と乙丸跨線橋のリニューアル―の4点を質しました。

■市債の増大、地域経済衰退
森尾市議「大型開発優先の政治は、くらしと財政、本市の地域経済を壊した。くらし、福祉の向
     上、地場産業の振興でこそ、まちが元気になる」
山出市長「地方都市の疲弊の中、他に比べて良い部類、遜色のない部類でないか」

■地域経済の振興対策
森尾市議「来春卒業の学生の就職内定率は史上最悪。若者の悲鳴が聞こえるか。実効ある緊急雇
     用対策が急務であり、市としての正規雇用を進めよ」
山出市長「定数削減に取り組む中、雇用の観点からの増員はなかなか難しい」

■新型インフルエンザ対策
森尾市議「新型インフルエンザに対し、本市も対策本部を設置し、保健所など関係機関からなる
     体制で対応したが、総括・教訓はどうなったか」
山出市長「検証し、健康推進部が今後の対応を行うこととし、本部は解散した」

■中島大橋・乙丸跨線橋
森尾市議「中島大橋は設置後56年、乙丸跨線橋は40年を経過し、大きな問題をかかえる。早急な
     リニューアルが必要で、今後の見通しはどうか」
堂薗土木部長「対策が必要と考え、管理協議会などを通じ県に早期の対策を要望」

大桑進市議が一般質問
社保協加盟団体などから10人が傍聴

金沢市議会9月定例会の質問戦3日目、9月16日(木)に金沢社保協加盟の日本共産党から大桑進議員が登壇。①米価下落、夏野菜・果樹被害への対策、②深刻化する生活困窮者への支援策、③公共交通の充実―の3点を質しました。

■米価下落、野菜果樹被害対策
大桑市議「米価の下落、猛暑に伴う野菜や果樹の被害も深刻。新米40トンの備蓄米としての買い
     入れなど、政府に緊急対策を求めるべきだ」
山出市長「政府が総合的な対策を打つべき。米価推移によっては市長会で要請」

■生活困窮者への支援策等
大桑市議「住宅手当等の支援制度を受けても、就職が決まらずに期限を迎える増える状況にある
     と思われるが、そうした方への対応はどうか」
澤田福祉健康局長「満了前の面接で生活保護を説明し、必要な人は保護している」

■公共交通充実に向けた対策
大桑市議「利用者の声を聞くとともに、利用したくても公共交通がなくて利用できない方や高齢
     者などの意見も、十分に反映されることが大切だ」
山出市長「利用者を増やすことが、公共交通を支える上でも重要だ」

2010年9月
 金沢市議会9月議会 一般質問
 日本共産党金沢市議会議員 森尾 嘉昭
 私は、日本共産党市議員団の一人として質問いたします。
 市長は、6期目への出馬表明をされました。その表明の中で、「自らを燃焼し尽くす覚悟」と述べられましたが、人生燃え尽きるまで、あなたに今後の市政について、ご心配かけなくてすむように私どもは、市民一人一人が主人公の新しい市政の実現にがんばる決意です。
 さて、市長は、提案説明の中で、市長就任以来「いかにしてこのまち金沢を元気にしていくかが私にとって最大の課題でありました」と述べました。
 市長!この20年間を振り返って、経済がよくなったでしょうか。まちは、元気になったのでしょうか。
あちこちでまちの様子がかわり、地域から商店街が消え、そして、市の借金が増大し、地域経済の崩壊が進みました。いったいその原因はどこにあったと考えるのか。まず、伺いたいと思います。
 市長が就任したのが、平成2年、1990年12月です。その年度末の一般会計と特別会計の市債残高は、合わせて808億円でした。そして、平成21年、2009年の年度末には、市債残高の合計は、2618億円と実に、3.2倍へと膨れ上がりました。 市民一人当たりの市債残高は、普通会計で約56万円となり、中核市の中では、多い方から4番目、一番少ない高槻市に比べ約4倍もの借金を抱えています。
 借金を急増させた最大の原因は、都心軸中心の大型開発に湯水のように財源を投入した事です。金沢駅東広場でのドームの大屋根に44億円をかけて建設をするなどこの地区の開発だけでも約600億円を投入しました。
 金沢駅西と駅東周辺の開発、駅から武蔵、武蔵から香林坊と次々に大型開発事業がすすめられた結果、平成5年、1993年度の一般会計に占める投資的経費の割合は、39.1%に達しました。普通建設事業費は、昭和58年、1983年度に293億円であったものが、平成10年、1998年度には819億円に急増しました。公債費も昭和56年、1981年度に84億円だったものが、平成16年、2004年度には302億円にふくれあがり、市の予算は、借金漬け状態に陥りました。
 こうした事態を引き起こしたのは、国の強力な公共事業推進政策がありました。
 1990年に日米構造協議が行われ、アメリカの圧力によって10年間で430兆円を公共事業に使う方針が具体化されました。さらに、これが630兆円にまで膨れ上がったのです。こうして全国でムダな大型開発事業があふれかえったのです。
海を見れば港を掘りたくなり、川を見れば、ダムをつくりたくなり、海峡を見れば巨大な橋、空を見上げれば空港の建設といった具合に大型開発事業が全国で展開されました。そして、国と地方の借金が平成7年、1995年410兆円だったものが、15年間で862兆円へと2.1倍に急増する事態となりました。
 市長!こうした政策を推進してきた事に反省することはありませんか。ところが、大手企業のコマツ一社のために深さ13mの大水深岸壁の建設をはじめとする金沢港の開発事業に247億円を投入するとか、海側幹線道路建設では、4車線道路で十分であるにもかかわらず、さらに、4車線の高規格道路の建設を進めようとしています。必要のない辰巳ダム建設に240億円を投入するなど国、県と一緒になってあいかわらずの大型開発事業を推進しています。
 市長!ムダな大型開発事業を進める政治に対して決別宣言を行う考えはありませんか。市長の見解を伺うものです。
 大型開発事業に湯水のように財政を投入し続けてきた施策は、くらしや財政をこわしただけでなく、本市の地域経済を壊してきました。
 金沢大学の助教授として活躍され、本市にも深くかかわりのある宮本憲一氏が、30年前に発行した『都市経済論』と題する本の中で、次のように述べています。「金沢市は、たんなる百万石の城下町ではなく、日本有数の内陸工業地帯であり、中小企業の街である。金沢市は、第二次産業の人口比率が30%でもっとも高く製造業人口も群をぬいて大きい。工業の事業所数からいえば3大都市圏以外の都市のなかで全国8番目であり、人口100万人を超える福岡市や札幌市とほぼ同じである。卸売業の売上高は、熊本・鹿児島市の2倍、松山市の6倍に達し、人口約2倍の堺市の4倍に近い」と述べ、本市では地場産業が発達し、地域経済をになっている力強い実態を明らかにしていました。
 ところが、本市は、大きくその産業構造を変えてしまったのです。
 第二次産業の人口比は、30%から23%に減り、逆に第三次産業は、65%から76%に急増しました。本市の工業事業所数は、この15年間に5427事業所が減り、17%の減少となりました。なかでも、製造業は、3503事業所から2195事業所へと4割近くが減少しました。卸業・小売業・飲食店も3176の店が減り、2割が減少したことになります。その結果、卸売業の売上高は、他都市と比べると、鹿児島市と2倍あったものが、今では同じ規模となり、松山市と6倍にものぼっていましたが、2倍へと縮小し、堺市とは4倍であったものが、2倍へと縮小しました。本市の落ち込みがいかに急速に進んだかを示しています。
 小売店は、この16年間に6673店から4789店へと1886店が減少し、約3割がまちからなくなったことになります。
 さらに、伝統産業を見てみますと加賀友禅は、この16年間に事業所、従業員ともに大幅に減少し、その生産額は、約200億円だったものが、その5分の1、42億円にまで減少しました。金沢泊は、事業所、従業員ともに半減し、その生産額は、100億円から20億円へと5分の1に激減しました。
 市長!これが、本市の16年間の実態であります。地場産業の実態について、どのように認識しておられるのか。伺うものです。
 ものづくりが大切だと言って、大手企業のコマツや一部の企業に利便をはかっても、地場の中小企業への振興にはつながりません。
 借金づけの本市財政の危機を迎え、急場しのぎともいえる繰上げ償還を行ってきました。この6年間で160億円に上ります。結局この事が、地域経済をさらに冷え込ませることにつながったのではありませんか。
 市民のくらし、福祉を向上させ、地場の産業振興を大きく前進させ、まちを元気にし、税収を増やすという本市の成長戦略を進めてこそ、財政再建も進むのではありませんか。政策の転換が必要です。市長の見解を伺うものです。
 質問の第二に、雇用確保と地域経済の振興対策について伺います。
 円高と株安が止まらず、政府の対策が遅れ、失望感と批判が広がっています。
今なすべきことは、極端な輸出依存から内需拡大を振興する経済対策へ転換す
る事が求められています。そして、円高を引き起こしている投機マネーへの監視と規制を行うこと。円高の背景となっている下請け単価たたきや、派遣労働など低賃金雇用などを是正することが強く求められています。
 ところが、大企業は、円高・株安を理由に法人税減税などさらなる優遇措置の拡大を求めるとともに、正社員の非正規への置き換えなど徹底したコスト削減を行い、売上が減少しても利益を拡大しています。
 資本金10億円以上の大企業が2009年度、内部留保を11兆円増やし、総額244兆円に上ったことが明らかになりました。こんな事を続けさせていて日本経済は良くなるのでしょうか。この11兆円分は、年収500万円の労働者220万人分の給与に相当します。一方、厚生労働省が発表した2009年若年者雇用実態調査によるとアルバイト・パートとして働いていたフリーターを過去3年間に正社員に採用した事業所は1割強にとどまったことが明らかにされました。フリーターの人数は、前年度に比べ8万人増加し、178万人に達したとのことです。
 さらに、今春、卒業する学生の就職内定率は、史上最悪となっています。学生の就職活動も厳しさを増し、希望と未来を奪ってしまう事態となっています。
 市長!若者たちの悲鳴とため息、やるせなさ。その声と気持ちは、届いているでしょうか。雇用をめぐる現状をどのように受け止め、雇用確保への対策をどのように進められるのか伺うものです。
 具体的に伺います。
 第一に、新卒者の雇用対策として本市及び、関係する諸団体で新たに100人を雇用する具体策を進めること。
 第二に、就職できなかった高校生を本市が臨時雇用し、就職活動を支援するために、「就職支援センター」を設置すること。
 第三に、仕事確保と地域経済の活性化を進めるため、「住宅リフォーム助成制度」を創設すること。この制度は、住宅リフォームに対して一定額を助成するもので、これによって、住宅関連産業への投資意欲を促進し、中小企業への支援策として全国各地で制度化されてきています。また、経済対策としても効果を広げています。
 第四に、伝統産業への振興策を強化することです。
 先日、市議会産業・企業常任委員会は、京都に出かけ、西陣織など伝統産業の振興策について、伺ってまいりました。伝統産業振興条例に基づいて産地から販売までの支援策を強化し、取り組んでおられました。本市として今後の振興策についてどのように進められるのか伺うものです。
 質問の第三に、新型インフルエンザ対策の教訓と今年の予防対策について伺います。
 新型インフルエンザは、昨年8月中旬に本格的流行となり、11月末には流行のピークを迎えた後、今年3月末には最初の流行が沈静化しました。国での罹患者数は、2077万人となり、202人の方が亡くなりました。諸外国との比較では、人口10万人に対する死亡率は、アメリカ3.96、カナダ1.32、メキシコ1.05に対して、日本は0.15と低い死亡率でした。抗インフルエンザ薬の早期使用、国民皆保険による医療体制の確立、予防対策の実施など多くの教訓を残しました。
 こうした中で、「新型インフルエンザ対策総括会議」が報告書を厚生労働省に提出しました。その中で、今後に活かすべき事項として、行動計画・ガイドラインは、突然大規模な集団発生が起こる状況に対する具体的な提示が乏しかったこと。国、地方自治体において、事前の準備や調整が十分でなかったこと。一度に大量のワクチンを供給できなかったこと。臨時にワクチン接種を行う法的枠組みが整備されていなかったこと。などをあげ、その具体的内容を報告しています。
 本市医師会では、感染対策委員会が総括を行い、医療体制、ワクチン、感染症情報処理システム、感染症対策委員会と危機管理について、各項目ごとに具体的教訓を明らかにしています。
 本市では、対策本部を設置し、保健所など関係機関からなる体制をもって対応したわけです。
 市長!あなたがその責任者でありました。その総括・教訓は、明らかにされたのでしょうか。改めて伺うものです。
 議会では、安全対策委員会が昨年12月に「新型インフルエンザから市民生活を守るために」と題して4項目の提言を行っています。その提言はどのように活かされたのでしょうか。中でも、ワクチン接種についてです。全国で約1800万人、市内で、11万人が接種しました。現場では、接種の場所、予約、キャンセルなど大変な状況が続きました。ですがら、現場からは、保健所からの支援、実施の主体、費用のあり方、集団接種などついて検討を求める声が出されています。今後にいかすべき点についてどのように受け止めているのか伺いたいと思います。
 次に、今年の予防対策についてです。
 厚生労働省は、WHOが打ち出した方針に基づいて、新型と季節性の株が混合された3価ワクチンを接種するとしています。こうした方針を受け、本市では、どのような対応方針で臨むのか明らかにしていただきたいと思います。
接種時期、費用、65歳以上の方や、幼児、低所得者に対する助成内容など具体的方針を示していただきたいと思います。新型インフルエンザに対して本市の単独事業として高校生以下3人目以降のこどもに対して無料とし、65歳以上の方について、無料ないし、1200円の自己負担で実施しています。また、1歳から6歳までの幼児に対して一回1000円の助成を行っています。周辺市町村の状況からしても、本市として、助成の対象者やその額の拡大など制度の拡充が求められますが、市長の見解を求めるものです。
 質問の最後に、中島大橋と乙丸跨線橋のリュニアルについて伺います。
 金沢駅東口から鳴和方面への通称東大通り線は、金沢駅から鳴和・森本地区や森山・東山への基幹道路となっています。中島大橋は、この道路の浅野川にかかる橋梁であり、一日の自動車等の交通量は、2万300台にのぼっています。架設されたのが、昭和29年ですからすでに56年が経過しています。その上、車道幅員が13.5mであるのに対し、橋梁の幅は、9mと狭く、ボトルネックとなっています。
 そのため、ゆるいカーブとなっている道路の形態とあいまって、たびたび交通事故が発生しています。周辺の町会から繰り返し中島大橋のリニュアル化への要望が出されています。
 もう一つが、乙丸跨線橋です。
 東山・内灘線は、東山・森山から木越・内灘方面への基幹道路であり、北陸自動車道や国道8号線、さらには、能登自動車道への通過道路として重要な役割を担っています。この道路がJR線とクロスし、渡るのが乙丸跨線橋です。一日の自動車等の交通量は、3万5600台にのぼっています。架設されたのが、昭和45年ですから40年が経過しています。
 この橋は、田中町、高柳町から浅野町小学校への通学路となっています。冬になると融雪のために水が勢いよく車道にまかれ、車が通過するたびに歩道にはねかえり、子どもたちの頭からシャワーのように降りかかるなど最悪の状況となっています。高柳町のマンションから通学する児童が増えており、保護者からこんな危険な橋はない。通学路としてこのままほっといていいのか。学校にも改善の要望が寄せられています。また、鳴和中学校で取り組まれた安全マップづくりの中で、自転車が通行できない危険な橋として指摘されました。車道を自転車が通行できず、自転車を担いで、歩道の階段をのぼり、歩道を手押しして渡らなければなりません。周辺の町会から強い要望となっています。
 市長!本市としてもこの二つの橋のリニュアル化を県に対して要望していますが、県からの回答はどのようなものか。今後の見通しについて明らかにしていただきたいと思います。
 教育長に伺います。乙丸跨線橋は、田中町、高柳町から浅野町小学校への通学路となっています。先ほど述べたように大変危険な状態となっています。育友会からも要望が出されています。冬場の安全 対策について、どのような働きかけをされているのか伺いまして、私の質問を終わります。

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