金沢市議会 |日本共産党 金沢市議員団 |44ページ

金沢市議会

1.提出された条例案
2.森尾市議の質疑
3.升市議の反対討論
9月22日金沢市議会の最終日に、投票によって表決された結果、
議長を除く39人の市議が投票。その結果、賛成16、反対23によって、条例案は否決されました。

森尾嘉昭市議が一般質問
社保協加盟団体などから31人が傍聴

金沢市議会9月定例会の質問戦3日目、9月17日(金)に金沢社保協加盟の日本共産党から森尾嘉昭議員が登壇。①市債増大、地域経済衰退の原因と打開策、②地域経済の振興対策、③新型インフルエンザ対策、④中島大橋と乙丸跨線橋のリニューアル―の4点を質しました。

■市債の増大、地域経済衰退
森尾市議「大型開発優先の政治は、くらしと財政、本市の地域経済を壊した。くらし、福祉の向
     上、地場産業の振興でこそ、まちが元気になる」
山出市長「地方都市の疲弊の中、他に比べて良い部類、遜色のない部類でないか」

■地域経済の振興対策
森尾市議「来春卒業の学生の就職内定率は史上最悪。若者の悲鳴が聞こえるか。実効ある緊急雇
     用対策が急務であり、市としての正規雇用を進めよ」
山出市長「定数削減に取り組む中、雇用の観点からの増員はなかなか難しい」

■新型インフルエンザ対策
森尾市議「新型インフルエンザに対し、本市も対策本部を設置し、保健所など関係機関からなる
     体制で対応したが、総括・教訓はどうなったか」
山出市長「検証し、健康推進部が今後の対応を行うこととし、本部は解散した」

■中島大橋・乙丸跨線橋
森尾市議「中島大橋は設置後56年、乙丸跨線橋は40年を経過し、大きな問題をかかえる。早急な
     リニューアルが必要で、今後の見通しはどうか」
堂薗土木部長「対策が必要と考え、管理協議会などを通じ県に早期の対策を要望」

2010年9月
 金沢市議会9月議会 一般質問
 日本共産党金沢市議会議員 森尾 嘉昭
 私は、日本共産党市議員団の一人として質問いたします。
 市長は、6期目への出馬表明をされました。その表明の中で、「自らを燃焼し尽くす覚悟」と述べられましたが、人生燃え尽きるまで、あなたに今後の市政について、ご心配かけなくてすむように私どもは、市民一人一人が主人公の新しい市政の実現にがんばる決意です。
 さて、市長は、提案説明の中で、市長就任以来「いかにしてこのまち金沢を元気にしていくかが私にとって最大の課題でありました」と述べました。
 市長!この20年間を振り返って、経済がよくなったでしょうか。まちは、元気になったのでしょうか。
あちこちでまちの様子がかわり、地域から商店街が消え、そして、市の借金が増大し、地域経済の崩壊が進みました。いったいその原因はどこにあったと考えるのか。まず、伺いたいと思います。
 市長が就任したのが、平成2年、1990年12月です。その年度末の一般会計と特別会計の市債残高は、合わせて808億円でした。そして、平成21年、2009年の年度末には、市債残高の合計は、2618億円と実に、3.2倍へと膨れ上がりました。 市民一人当たりの市債残高は、普通会計で約56万円となり、中核市の中では、多い方から4番目、一番少ない高槻市に比べ約4倍もの借金を抱えています。
 借金を急増させた最大の原因は、都心軸中心の大型開発に湯水のように財源を投入した事です。金沢駅東広場でのドームの大屋根に44億円をかけて建設をするなどこの地区の開発だけでも約600億円を投入しました。
 金沢駅西と駅東周辺の開発、駅から武蔵、武蔵から香林坊と次々に大型開発事業がすすめられた結果、平成5年、1993年度の一般会計に占める投資的経費の割合は、39.1%に達しました。普通建設事業費は、昭和58年、1983年度に293億円であったものが、平成10年、1998年度には819億円に急増しました。公債費も昭和56年、1981年度に84億円だったものが、平成16年、2004年度には302億円にふくれあがり、市の予算は、借金漬け状態に陥りました。
 こうした事態を引き起こしたのは、国の強力な公共事業推進政策がありました。
 1990年に日米構造協議が行われ、アメリカの圧力によって10年間で430兆円を公共事業に使う方針が具体化されました。さらに、これが630兆円にまで膨れ上がったのです。こうして全国でムダな大型開発事業があふれかえったのです。
海を見れば港を掘りたくなり、川を見れば、ダムをつくりたくなり、海峡を見れば巨大な橋、空を見上げれば空港の建設といった具合に大型開発事業が全国で展開されました。そして、国と地方の借金が平成7年、1995年410兆円だったものが、15年間で862兆円へと2.1倍に急増する事態となりました。
 市長!こうした政策を推進してきた事に反省することはありませんか。ところが、大手企業のコマツ一社のために深さ13mの大水深岸壁の建設をはじめとする金沢港の開発事業に247億円を投入するとか、海側幹線道路建設では、4車線道路で十分であるにもかかわらず、さらに、4車線の高規格道路の建設を進めようとしています。必要のない辰巳ダム建設に240億円を投入するなど国、県と一緒になってあいかわらずの大型開発事業を推進しています。
 市長!ムダな大型開発事業を進める政治に対して決別宣言を行う考えはありませんか。市長の見解を伺うものです。
 大型開発事業に湯水のように財政を投入し続けてきた施策は、くらしや財政をこわしただけでなく、本市の地域経済を壊してきました。
 金沢大学の助教授として活躍され、本市にも深くかかわりのある宮本憲一氏が、30年前に発行した『都市経済論』と題する本の中で、次のように述べています。「金沢市は、たんなる百万石の城下町ではなく、日本有数の内陸工業地帯であり、中小企業の街である。金沢市は、第二次産業の人口比率が30%でもっとも高く製造業人口も群をぬいて大きい。工業の事業所数からいえば3大都市圏以外の都市のなかで全国8番目であり、人口100万人を超える福岡市や札幌市とほぼ同じである。卸売業の売上高は、熊本・鹿児島市の2倍、松山市の6倍に達し、人口約2倍の堺市の4倍に近い」と述べ、本市では地場産業が発達し、地域経済をになっている力強い実態を明らかにしていました。
 ところが、本市は、大きくその産業構造を変えてしまったのです。
 第二次産業の人口比は、30%から23%に減り、逆に第三次産業は、65%から76%に急増しました。本市の工業事業所数は、この15年間に5427事業所が減り、17%の減少となりました。なかでも、製造業は、3503事業所から2195事業所へと4割近くが減少しました。卸業・小売業・飲食店も3176の店が減り、2割が減少したことになります。その結果、卸売業の売上高は、他都市と比べると、鹿児島市と2倍あったものが、今では同じ規模となり、松山市と6倍にものぼっていましたが、2倍へと縮小し、堺市とは4倍であったものが、2倍へと縮小しました。本市の落ち込みがいかに急速に進んだかを示しています。
 小売店は、この16年間に6673店から4789店へと1886店が減少し、約3割がまちからなくなったことになります。
 さらに、伝統産業を見てみますと加賀友禅は、この16年間に事業所、従業員ともに大幅に減少し、その生産額は、約200億円だったものが、その5分の1、42億円にまで減少しました。金沢泊は、事業所、従業員ともに半減し、その生産額は、100億円から20億円へと5分の1に激減しました。
 市長!これが、本市の16年間の実態であります。地場産業の実態について、どのように認識しておられるのか。伺うものです。
 ものづくりが大切だと言って、大手企業のコマツや一部の企業に利便をはかっても、地場の中小企業への振興にはつながりません。
 借金づけの本市財政の危機を迎え、急場しのぎともいえる繰上げ償還を行ってきました。この6年間で160億円に上ります。結局この事が、地域経済をさらに冷え込ませることにつながったのではありませんか。
 市民のくらし、福祉を向上させ、地場の産業振興を大きく前進させ、まちを元気にし、税収を増やすという本市の成長戦略を進めてこそ、財政再建も進むのではありませんか。政策の転換が必要です。市長の見解を伺うものです。
 質問の第二に、雇用確保と地域経済の振興対策について伺います。
 円高と株安が止まらず、政府の対策が遅れ、失望感と批判が広がっています。
今なすべきことは、極端な輸出依存から内需拡大を振興する経済対策へ転換す
る事が求められています。そして、円高を引き起こしている投機マネーへの監視と規制を行うこと。円高の背景となっている下請け単価たたきや、派遣労働など低賃金雇用などを是正することが強く求められています。
 ところが、大企業は、円高・株安を理由に法人税減税などさらなる優遇措置の拡大を求めるとともに、正社員の非正規への置き換えなど徹底したコスト削減を行い、売上が減少しても利益を拡大しています。
 資本金10億円以上の大企業が2009年度、内部留保を11兆円増やし、総額244兆円に上ったことが明らかになりました。こんな事を続けさせていて日本経済は良くなるのでしょうか。この11兆円分は、年収500万円の労働者220万人分の給与に相当します。一方、厚生労働省が発表した2009年若年者雇用実態調査によるとアルバイト・パートとして働いていたフリーターを過去3年間に正社員に採用した事業所は1割強にとどまったことが明らかにされました。フリーターの人数は、前年度に比べ8万人増加し、178万人に達したとのことです。
 さらに、今春、卒業する学生の就職内定率は、史上最悪となっています。学生の就職活動も厳しさを増し、希望と未来を奪ってしまう事態となっています。
 市長!若者たちの悲鳴とため息、やるせなさ。その声と気持ちは、届いているでしょうか。雇用をめぐる現状をどのように受け止め、雇用確保への対策をどのように進められるのか伺うものです。
 具体的に伺います。
 第一に、新卒者の雇用対策として本市及び、関係する諸団体で新たに100人を雇用する具体策を進めること。
 第二に、就職できなかった高校生を本市が臨時雇用し、就職活動を支援するために、「就職支援センター」を設置すること。
 第三に、仕事確保と地域経済の活性化を進めるため、「住宅リフォーム助成制度」を創設すること。この制度は、住宅リフォームに対して一定額を助成するもので、これによって、住宅関連産業への投資意欲を促進し、中小企業への支援策として全国各地で制度化されてきています。また、経済対策としても効果を広げています。
 第四に、伝統産業への振興策を強化することです。
 先日、市議会産業・企業常任委員会は、京都に出かけ、西陣織など伝統産業の振興策について、伺ってまいりました。伝統産業振興条例に基づいて産地から販売までの支援策を強化し、取り組んでおられました。本市として今後の振興策についてどのように進められるのか伺うものです。
 質問の第三に、新型インフルエンザ対策の教訓と今年の予防対策について伺います。
 新型インフルエンザは、昨年8月中旬に本格的流行となり、11月末には流行のピークを迎えた後、今年3月末には最初の流行が沈静化しました。国での罹患者数は、2077万人となり、202人の方が亡くなりました。諸外国との比較では、人口10万人に対する死亡率は、アメリカ3.96、カナダ1.32、メキシコ1.05に対して、日本は0.15と低い死亡率でした。抗インフルエンザ薬の早期使用、国民皆保険による医療体制の確立、予防対策の実施など多くの教訓を残しました。
 こうした中で、「新型インフルエンザ対策総括会議」が報告書を厚生労働省に提出しました。その中で、今後に活かすべき事項として、行動計画・ガイドラインは、突然大規模な集団発生が起こる状況に対する具体的な提示が乏しかったこと。国、地方自治体において、事前の準備や調整が十分でなかったこと。一度に大量のワクチンを供給できなかったこと。臨時にワクチン接種を行う法的枠組みが整備されていなかったこと。などをあげ、その具体的内容を報告しています。
 本市医師会では、感染対策委員会が総括を行い、医療体制、ワクチン、感染症情報処理システム、感染症対策委員会と危機管理について、各項目ごとに具体的教訓を明らかにしています。
 本市では、対策本部を設置し、保健所など関係機関からなる体制をもって対応したわけです。
 市長!あなたがその責任者でありました。その総括・教訓は、明らかにされたのでしょうか。改めて伺うものです。
 議会では、安全対策委員会が昨年12月に「新型インフルエンザから市民生活を守るために」と題して4項目の提言を行っています。その提言はどのように活かされたのでしょうか。中でも、ワクチン接種についてです。全国で約1800万人、市内で、11万人が接種しました。現場では、接種の場所、予約、キャンセルなど大変な状況が続きました。ですがら、現場からは、保健所からの支援、実施の主体、費用のあり方、集団接種などついて検討を求める声が出されています。今後にいかすべき点についてどのように受け止めているのか伺いたいと思います。
 次に、今年の予防対策についてです。
 厚生労働省は、WHOが打ち出した方針に基づいて、新型と季節性の株が混合された3価ワクチンを接種するとしています。こうした方針を受け、本市では、どのような対応方針で臨むのか明らかにしていただきたいと思います。
接種時期、費用、65歳以上の方や、幼児、低所得者に対する助成内容など具体的方針を示していただきたいと思います。新型インフルエンザに対して本市の単独事業として高校生以下3人目以降のこどもに対して無料とし、65歳以上の方について、無料ないし、1200円の自己負担で実施しています。また、1歳から6歳までの幼児に対して一回1000円の助成を行っています。周辺市町村の状況からしても、本市として、助成の対象者やその額の拡大など制度の拡充が求められますが、市長の見解を求めるものです。
 質問の最後に、中島大橋と乙丸跨線橋のリュニアルについて伺います。
 金沢駅東口から鳴和方面への通称東大通り線は、金沢駅から鳴和・森本地区や森山・東山への基幹道路となっています。中島大橋は、この道路の浅野川にかかる橋梁であり、一日の自動車等の交通量は、2万300台にのぼっています。架設されたのが、昭和29年ですからすでに56年が経過しています。その上、車道幅員が13.5mであるのに対し、橋梁の幅は、9mと狭く、ボトルネックとなっています。
 そのため、ゆるいカーブとなっている道路の形態とあいまって、たびたび交通事故が発生しています。周辺の町会から繰り返し中島大橋のリニュアル化への要望が出されています。
 もう一つが、乙丸跨線橋です。
 東山・内灘線は、東山・森山から木越・内灘方面への基幹道路であり、北陸自動車道や国道8号線、さらには、能登自動車道への通過道路として重要な役割を担っています。この道路がJR線とクロスし、渡るのが乙丸跨線橋です。一日の自動車等の交通量は、3万5600台にのぼっています。架設されたのが、昭和45年ですから40年が経過しています。
 この橋は、田中町、高柳町から浅野町小学校への通学路となっています。冬になると融雪のために水が勢いよく車道にまかれ、車が通過するたびに歩道にはねかえり、子どもたちの頭からシャワーのように降りかかるなど最悪の状況となっています。高柳町のマンションから通学する児童が増えており、保護者からこんな危険な橋はない。通学路としてこのままほっといていいのか。学校にも改善の要望が寄せられています。また、鳴和中学校で取り組まれた安全マップづくりの中で、自転車が通行できない危険な橋として指摘されました。車道を自転車が通行できず、自転車を担いで、歩道の階段をのぼり、歩道を手押しして渡らなければなりません。周辺の町会から強い要望となっています。
 市長!本市としてもこの二つの橋のリニュアル化を県に対して要望していますが、県からの回答はどのようなものか。今後の見通しについて明らかにしていただきたいと思います。
 教育長に伺います。乙丸跨線橋は、田中町、高柳町から浅野町小学校への通学路となっています。先ほど述べたように大変危険な状態となっています。育友会からも要望が出されています。冬場の安全 対策について、どのような働きかけをされているのか伺いまして、私の質問を終わります。

升きよみ市議が一般質問
社保協加盟団体などから13人が傍聴

金沢市議会9月定例会の質問戦1日目、9月15日(水)に金沢社保協加盟の日本共産党から升きよみ議員が登壇。①市長の所信と政治姿勢、②相次ぐ職員の不祥事、③福祉・教育分野での雇用創出と地域の仕事出し、④高齢者の安否確認と見守り活動の強化、⑤小中学校規模の適正化についての提言―の5点を質しました。

■市長の所信、政治姿勢など
升 市議「市長は20年前に就任時、社会的に弱い人達に温かい手を差しのべ、市民本位の市政を
     進めるといったが、その姿勢を失っているのでは」
山出市長「子どもの福祉は全国でも先進、高齢者福祉でも引けはとっていない」

■相次ぐ金沢市職員の不祥事
升 市議「逮捕者が3人と不祥事が続いている。職員は市民要望の多様化と業務量の増加に充分対
     応できず、過度なストレスのもとにおかれている」
山出市長「人間力を高める実践的な研修などで、職員の育成を進めていきたい」

■福祉教育分野での雇用創出
升 市議「雇用創出の積極策を思いきって進めるべき。人手不足の福祉の現場、教育分野での積
     極的な雇用拡大をすすめる考えはないか」
山出市長「必要な人員は増やしており、めりはりのある職員配置につとめたい」

■高齢者の安否確認、見守り
升 市議「民生委員をはじめ地域の方々との協力をすすめることは当然だが、市役所の果たす役
     割もますます重要となっている」
山出市長「行政の直接の関わりには限界。向こう三軒両隣の見守り力が大切だ」

■小中学校規模の適正化提言
升 市議「提言を求めたのは教育的見地からか、経済・効率的見地からか。学校統合や通学区域
     見直しは、結論ありきではなく慎重にすべきだ」
山出市長「児童生徒数の偏在がすすんでおり、教育環境を高めることが主体だ」

2010年9月15日
定例第3回金沢市議会 質問原稿
日本共産党 升 きよみ

私は、日本共産党市議員団として、市長及び、関係者に質問致します。
第1は、6選出馬表明された市長の所信と政治姿勢について伺います。
 有権者、市民は、昨年の自公政権退場の審判に続き、先の参議院選挙では、民主党政権に厳しい審判を下しました。長きにわたる自公政治でとりわけ、構造改革路線による貧困と格差の解消をはじめとするこれまでの政治を変えたいとした思いが、いまだに民主党新政権下でも示されない中で閉塞感に満ちた政治の打開を求め、その道を真剣に模索している状況下で、市長選を迎えます。先の市長の6選出馬表明以後、市民の方々のお声をお聞きしました。
「えー。市長まだお出になるの。まだ市長はなにされたいんかね。」「世界都市もいいけど、これからどんな金沢にしようと言うがや。」「私らの生活のことも考えてや。」「次の人育っておいでんがかねぇ。」「市長は他の人に譲れんがかねぇ。」「今、私らの生活大変や。若いもんに仕事がないし、これから先どうなるのか不安やけど、そんな私らの生活、わかっておいでるんかねぇ。」等のお声がありました。言葉をあらげないまでも、市民の中にある率直な思いが語られました。
 市長はなんと言っても大きな権限を持つ市のトップの座におられます。それだけに、市民の直接の声が聞こえにくいのかもしれませんが、こうした生の声が届いておられますか。
 この度の市長の施政方針をお聞きしましたが、今日、市民が求めている願いや、今の政治を変えたいと思う市民の声に本当に応えているのか。それは率直なところ、全く聞こえませんでしたが、如何でしょう。
市長は、北陸新幹線の開業4年後に控えこのまちを日本の内外にひらいていく為にその道程を一歩、確かにしていく為に意を固めたとおっしゃいました。そして今一度、初心に返って市政運営にあたり、志と情熱を持って市政の発展に燃焼し尽くすと表明されました。しかしそこには、今日の市民生活の実態に応えたメッセージが伝わってまいりませんでした。
20年前の市長の市政方針を振り返りますと市長は、市政発展と市民福祉の向上に精進する。市民一人ひとりの明日への幸せを求めると高らかに話しておられました。その言葉を思い出しながら今回、お聞きしておりましたが全く市民の一人ひとりを大切にするとしたことが語られませんでした。
 この4月から、ハローワークで失業により社会保険から国民健康保険に替わり、保険料軽減をする人が1000人近い状況、国保世帯の2割が保険料が納められず滞納し、生活が厳しく窓口に行くと滞納分の納入を言われ結局、医者へも行けないと訴える方もいます。老舗の地元企業の自己破産等、倒産や失業と、深刻な状況にある方々が増え続けている現状を見ますと、そうした生活困難の打開方向が示されておりません。
少なくとも市長は、かつて社会的に弱い人達に温かい手を差し伸べ障害のある方や、子ども達の健やかな成長を願って、あくまでも市民本位とした思いやりの市政を進めていくとおっしゃっておりましたが、今や市民ひとり一人が大切にされ、又、福祉を優先させる政治姿勢が失われつつあるのではありませんか。
 ところで市長は20年前、本市は、国際文化産業都市の建設を目指して行くとしておられましたが、その到達状況はどうなっていますか。少なくとも、この間の市政がどうあったのか検証が必要です。
 市政のすべての分野を語れませんが、産業都市を掲げるならば、地元の中小企業の方々の苦境打開がどう図られていくのかなど、示されるべきです。
我が党はこれまで税金のムダづかいや一部の特定企業に偏った市政に厳しく指摘をしました。この間、市長は、国の政治に追随しながら大型開発をすすめ、その結果、市民ひとり56万円と中核都市でも4番目に高い借金を抱え、今議会でも借金返済に10億円を支出する状況です。
 市長は、今回、コマツや横河電機などの世界企業の立地をみるなど、本市産業の厚みは着実に増しているとおっしゃいました。
しかし果たして本市の中小企業の方々が元気が出ているのでしょうか。
市長が就任された20年前からみて今は製造業の事業所の数は2200件、従業員数では1500人程が減りました。同時に卸売り業では、900店、従業員数では8000人が減り、小売業では、従業員数はあまり変わらないものの、2000店の店舗が減っている現状にあります。地元企業のこうした実態から見て、市長はこれで活力ある街、産業都市、本市産業の厚みは着実に増していると本気でお考えですか。
 地元企業が栄えて希望のみえる市勢が本当に示されるのですか。どんな金沢を描かれているのか、市長のご所見を伺います。
質問の第2点
 次に二元代表制についての市長の御見解を伺います。
このところ、大阪府の橋本知事の議会、内閣制提案や名古屋市の河村市長の議会解散リコール運動などで、一気に地方自治の原則である議会と首長のどちらも選ぶ二元代表制のことが話題を呼んでおります。私共、議会関係者にとっては、あらためて憲法と地方自治法に基づく、議会制民主主義の尊重の立場からも、首長と議会のあり方を明確にし、市民の付託に応えるべく、地方自治を進めていかなければなりません。
 ご承知の様に日本の自治制度は二元代表制を採用し、住民から直接選ばれた首長と議会がチェックアンドバランスの関係で互いに独断や暴走を防ぐ民主主義を保障する仕組みで行っています。
それにより、首長と議会議員は各々、住民によって選挙される公選職であり、その民主的正統性に差異がなく、その意味で首長と議員は対等であり、どちらが上司でもなく、部下という関係でもなく相互に切磋琢磨して、牽制と協力によって全体としての自治体運営が適正に機能することを目指しています。
 ですから首長と議会が喰い違った場合は、両者で一致点を見出していくことは当然です。他都市の事ではありますが、名古屋市の河村市市長の議会否定の異常や専決処分乱発の阿久根市長に道理がないことは明白です。
 近年、市民の政治への関心や参加が活発になる中では、従来型の町会等対象の「わが町トーク」やパブリックコメント等、広報広聴のあり方や、市民参加前提での議会との関係も検討されなければなりません。首長の権限等が強すぎる中で専決処分までに至らずとも議会軽視の傾向などに対し、色々意見のあるところです。
 市長、市長はこの二元代表制について、どうお考えですか。
又、議会に対してどう向き合っておられますか。これまでにも問題はなかったのか。ご所見を伺うものです。

質問の第3点は、
相次ぐ職員不祥事に関連してです。
今年度に入り、職員の逮捕者が3人と不祥事に歯止めがかからない状態に市職員に比較的、暖かい眼で見ている市民の方でも、さすがに「一体、どうなっているの?金沢市役所は?」「市長を初め、幹部の方々はどんな職員教育をしているのか。」「上がたるんでいるからではないか。」等ストレートに市民の方から厳しく言われます。
 人材育成如何によっては、自治体の将来に大きく左右するだけに新しい時代を生き抜くために、自治体首長はどの様なポリシーで
人材を育てていくのか問われております。
 そんな折での市職員の連続不祥事は、極めて残念至極です。ストーカー、その為の他の個人情報漏洩が簡単になされたことや、盗撮や公然ワイセツと、モラルに反する恥ずべき行為が行われたことは、規範とすべき幹部職員だけになんとも言いようがありません。
 近年、公務員に対する市民の目線はより厳しく、賃金や待遇についてのバッシングとなっている折、大きく他の職員全体に影響を及ぼしています。 改めて職員においては、パブリックサーバント(公僕)としての意識づけ教育が必要ではないでしょうか。
市長、こうした事態を招いた原因、人事管理のあり方に問題はなかったですか。
 職員が誇りと希望のもてる職場環境になっていますか。
人材育成、職員教育がどのように進められていますか。再発防止策について伺います。
 ところでこの間、地方行革に基づく、職員削減が進み、多様な市民要望と業務量、それに充分対応できない等により過度なストレスによる解消のしかたが充分でない職員もあると思われます。
 職員の心の病気をはじめとする健康管理の実態は如何なっているかも併せて伺います。
質問の第4点は、福祉、教育分野での雇用創出をと仕事起こしについてです。
1に雇用、2に雇用、と言われる程、今日、雇用問題が深刻化しております。
 金沢公共職業安定所管内でみても職を求める人12500人、求人倍率0.59と依然として厳しい状況にあります。
 失業者が増え、雇用不安が高まる状況では、経済危機に拍車がかかり、少子化への影響にもなる。自殺や犯罪の増大との関連も指摘される等々、雇用危機を打開し雇用確保の対策をすすめる事が重要となっています。それ故、政治を司る者にとっては、雇用問題の解決策を示すことは、極めて重要であります。
 それには、雇用創出の新たな積極的な提案を思いきって進めて行かなければなりません。我が党は度重ねて、福祉教育分野における雇用拡大を図ることを提案してまいりました。
 保育士の配置、グループホームや介護施設、障害者施設での職員配置など、人手不足の福祉の現場での積極的な雇用拡大をすすめることですが、市長は、新たな雇用創出を如何お考えなのか伺います。
 政府はこれまで雇用創出の目玉として、緊急雇用事業として、時限的措置として進めておりますが、長期に安定した雇用を創出する立場から、自治体の責任で効果ある公的就労をすすめることが必要です。
 そこで先ず、本市の福祉健康局部門や教育部門での積極的な雇用確保が必要と考えます。
 ちなみに、本市の職員数は、現在3275名。10年前と比べると正規職員は430名も減っており、それにかわって非常勤、臨時職員が223名と増えております。
 当時と比べ年々業務量が増え、多岐にわたる市民要求に向き合っている職場、とりわけ、福祉健康局、教育委員会の分野での雇用創出が必要です。そのお考えがありますか。
そして、不況にあえぐ地元企業への仕事起こしについてです。
本市は住宅支援制度としてまちなかで住宅新築や購入、空き家や町屋の改修等に又、高齢者等の住宅改修等への助成金制度を実施しております。定住促進のための事業のみでなく、地域の小規模な住宅関係の業者の仕事出しにつながっています。こうした住宅支援制度を思い切って拡充する。(たとえばまちなかは、)建築年次の緩和や区域限定を全市域に広げること、更にバリアフリー住宅には融資以外に新しい制度を設けるなど改善が必要ではありませんか。
 行政自らが仕事を生み出すお考えはありますか。

質問の第5点、
次に高齢者の安否確認と見守り活動強化を目指すために伺います。
高齢者の所在不明問題が大きな話題を呼びました。長寿日本と言われる中での行政の怠慢や家族の崩壊、貧困社会や地域のありようが問われ、私たちに多くの事を投げかけております。ところで今日は高齢者を見守る活動の重視が言われています。中でも行政が直接に係わることの大切さがあります。地域包括拠点センターと共に、民生委員の方々をはじめとする地域の方々との協力をすすめることは当然ですが、市役所の果たす役割が益々重要となっています。
 同時に本市が実施している配食サービスの拡大や個別ゴミ回収等きめ細やかな対策での見守り活動が大切です。
 一人暮らしの高齢者の方がベッドの横で倒れているのを、配食サービスの際見つけ、救急車を呼んで一命を取りとめたとか、お弁当を届けに行って戸が開かないので、家に入ってみて、倒れているので遠い家族の方に電話をしたとか色々なエピソードがあります。高齢者のボランティアの方が生き甲斐を感じながらすすめている配食サービスなどは大変歓迎されております。しかし、本市では、その実施が約16000人の一人暮らし、寝たきり、認知症高齢者の10%にも及ばない、一千人程度の状況です。積極的な拡大支援が必要です。
 又、身体の不自由な高齢者の方にはゴミ出しも大変です。近くのゴミ集積所に行けない。特に冬期には難儀しています。このところ川口市をはじめ他の自治体で介護保険の認定1以上65歳以上、障害者手帳所持者の方々など希望すれば、市職員が直接自宅訪問し、状況把握とゴミ収集時に安否確認するなど高齢者の見守り支える活動が展開されています。
 高齢者の社会的孤立が深刻化している状況下、安否確認など行政による見守り支援体制の強化、声をかけ支えあう地域の取り組みに対しても、積極的支援を図り地域住民と一体となってこそ行うべきです。

質問の最後は、小中学校の規模の適正化についての提言に関してです。
 去る8月4日、市立小中学校の規模の適正化に関する懇話会の提言が発表されました。
 その内容は少子化による児童生徒の減少、中心市街地の減少と郊外の増などの背景や経緯を踏まえ、小中学校の現状と規模による課題や適正規模の考え方などが明らかにされました。その中心点は概ね、12~24学級を適正規模とすることを基本に、具体的には、新竪、馬場、大野町、材木、野町、味噌蔵、菊川、朝日、俵小の統合及び通学区域の見直し、又、犀生中、小将町中の通学区域の見直しを基本とすることになっております。
 そこで、先ずお聞きしたいのは、今回教育委員会が懇話会の提言を求めた真意は何でしょうか。教育的見地ですか。経済的、効率的見地からですか。これまで各々の校下住民から学校統廃合や通学区域の見直しの要望が出ているのですか。少なくとも地域住民や学校関係者からは統廃合や通学区域の見直しではなく、一日も早く老朽化した学校の改修、耐震化を求める声ではありませんか。
児童生徒の教育が中心とおっしゃるのであれば、学校規模の前提となる少人数学級の拡大や実施ではありませんか。
(なによりも児童、生徒、どの子も一人ひとり大切にされ、ゆとりあるわかる授業をすすめる、少人数学級を拡大することが最優先ではありませんか。)学校は地域のセンター、文化の拠点とも言えるものです。学校統合や通学区域の見直しについては、初めに結論ありきの方向でスタートするのではなく、慎重にすべきです。基本的な所見を伺います。

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