金沢市議会 |日本共産党 金沢市議員団 |41ページ

金沢市議会

森尾嘉昭市議が一般質問
社保協加盟団体などから34人が傍聴

金沢市議会3月定例会の質問戦3日目、3月14日(水)に金沢社保協加盟の日本共産党から森尾嘉昭議員が登壇。①介護保険料引き上げと特養ホーム等の施設整備、②辰巳ダム問題。工業用水の河川維持流量への振り替え、③老人介護福祉施設運営会社への行政処分と本市への権限移譲―の3点を質しました。

■介護保険料・特養等の整備
森尾市議「介護職員賃金引上げのため、全額を国が予算措置していた交付金を介護報酬で対応
     するとしたため、保険料引き上げにつながった」
山野市長「介護報酬への取り込みは、利用者・保険者への負担転嫁だと認識」

■辰巳ダムの建設問題
森尾市議「建設が最終段階。いよいよ運用されるが、280億円もの巨費を投じた辰巳ダムが、
     本当に治水対策に必要なのか実践的に問われる」
山野市長「犀川水系の治水安全度が大幅向上。浅野川の洪水被害軽減にも寄与」

■介護運営会社行政処分問題
森尾市議「4月から、県の行政権限が本市に移譲され、本市が直接かかわることとなる。
     今回の事態をどう受け止め、今後の対応を進めるのか」
山野市長「指定権者として指導・監査し、こうした事態の発生防止に努めたい」

広田美代市議が一般質問
社保協加盟団体などから18人が傍聴

金沢市議会3月定例会の質問戦2日目、3月13日(火)に金沢社保協加盟の日本共産党から広田美代議員が登壇。①土砂災害対策、②「美しいまちづくり推進」条例、③国民健康保険、④子育て支援、⑤市営住宅について―の5点を質しました。

■土砂災害対策について
広田市議「土砂災害対策工事には高額の地元負担があり、地元紙も「対策の遅れの一因」と
     報道。地元負担の軽減は急務だ。
山野市長「地元負担の一部を市で負担するなど、すでに軽減を図っている」

■「美しいまちづくり」条例
広田市議「市民に対する罰ではなく、違反しにくい環境を整え、基本理念の通り、気運を盛り上
     げることを優先すべきで、罰金は盛り込むな」
山野市長「実効性のある条例を作るべきと考え、罰則として科料徴収を行う」

■国民健康保険について
広田市議「国民健康保険は、国民皆保険制度を担う大切な社会保障制度だ。
     国保料の大幅引き上げではなく、誰にでも払える額にするべきだ」
山野市長「保険料の負担軽減をはかるため、一般会計から多額を繰り入れた」

■子育て支援について
広田市議「子どもの医療費助成拡充は市長の公約なのに、新年度予算案では
     前向きの改善がない。他都市は次々と対象年齢を拡げている」
山野市長「通院もできるだけ早く中3まで助成できるよう財源確保に努めたい」

■市営住宅について
広田市議「「地域主権改革」のもとで、住民の安全性や居住の権利を奪うことは
     許されない。本市は条例委任に向けて、どう対応するのか」
山野市長「入居者資格は現行の取り扱いを継続する旨の条例改正を提案した」

升きよみ市議が代表質問
社保協加盟団体などから12人が傍聴

金沢市議会3月定例会の質問戦1日目、3月12日(月)に金沢社保協加盟の日本共産党から升きよみ議員が登壇。①市民生活の安心確保、②原発事故をふまえた防災計画見直し・震災がれき受入れ問題、③地域経済の活性化対策、④商業環境形成指針と大友・直江・大河端の区画整理事業、⑤新幹線開業と公共交通政策、⑥「参与」の起用について―の6点を質しました。

■市民生活の安心確保
升 市議「2012年度当初予算案で、国保・介護保険・後期高齢者医療保険料の引き上げを提案。
     市民生活を守るために、負担増を押しつけるな」
山野市長「国保は一般会計から12億円を繰り入れし、引き上げ幅を抑えた」

■防災計画見直し・震災がれき
升 市議「最大の原子力防災は、志賀原発の再稼働を許さないことだ。
     この立場を表明し、北電につよく働きかけるべきだ」
山野市長「地元の意思を尊重し、事故の知見が反映された上で判断されるべき」

■地域経済の活性化対策
升 市議「各種住宅支援制度があるが、区域、目的等が限定されている。
     住宅リフォーム制度充実を求める声に応えるのか」
山野市長「目的や区域を限定しない住宅リフォームは、現在、考えていない

■商業環境指針区画整理事業
升 市議「土地区画整理組合連合会が、直江、大河端、大友の区画整理事業に限り、店舗面積の
     集積の上限は5000㎡とすることを求めている」
山野市長「3地区は改定前の指針で誘致。改定後の指針の適用で支障をきたす」

■新幹線開業と公共交通政策
升 市議「重い荷物が利用者と県民に押しつけられるのではないか。
     JRの鉄道資産については、無償譲渡を求めるべきだ」
山野市長「県が一元的にJRと交渉し、できるだけ低廉な譲渡を求めている」

金沢市3月議会 一般質問の全文

日本共産党金沢市議会議員 森尾嘉昭

 
 私は、日本共産党市議員団の一人として以下質問いたします。
 最初の質問は、介護保険料の約20%引き上げと特別養護老人ホーム等の施設整備についてです。
 市長は、今議会の提案説明の中で、「市民の幸福度・満足度を高め」「自立した市民との協働により、これからのまちづくりを進めて行く」と述べました。
 多くの市民は、自分たちの生活が向上し、幸福度と満足度が高まっていくと感じているでしょうか。
 野田内閣は、消費税を5%から10%に引き上げることを提案し、法案を提出するとしています。13兆円もの国民負担が増えることになります。さらに、高齢世帯には、物価下落を理由に0.3%の年金削減に加え、過去の物価下落時に年金を下げなかったとして、新年度から3年間で2.5%削減するとしています。その上、後期高齢者医療保険料と介護保険料の引き上げが提案されています。
 子育て世帯も多くの世帯で子ども手当が削減され、その財源に充てるとして税の年少扶養控除を廃止したため今年6月から住民税が増額されます。
 働く労働者が加入するけんぽの保険料は、4月から値上げされ、厚生年金保険料も、今年10月から値上げが実施されます。さらに、来年1月からは、復興税増税が始まります。その結果、高齢者世帯の負担増は、年約18万円、子育て世帯は年約30万円にものぼります。ほぼ1ヵ月分の収入が吹き飛んでしまう大幅な負担増であります。
 市長!市民の幸福度、満足度どころか、生活そのものが立ち行かなくなってしまいます。地方自治体が、国が進める暮らし破壊の政治から市民生活を守る防波堤としての役割を今こそ発揮しなければなりません。ところが、介護保険料は、約20%もの引き上げが提案されました。さらに、後期高齢者保険料の引き上げです。いずれも、高齢者の多くが年金から天引きされるものです。
 年金は、引き下げられ、一方保険料は、大幅な引き上げがされ、年金から天引きされるわけですから、手にする年金は、大幅な削減となります。二重三重にも高齢者の生活を苦しめることとなります。中でも、介護保険料が20%も引き上げられ、基準額は、月額4750円が5680円となるものです。2か月ごとに年金から引かれますから一回に1万円を超える額が、さらに階層では、2万円を超える額が年金から引かれることになります。
 高齢者が増え、介護サービスの増加によって、介護給付費が毎年増えて行くことは避けられません。しかし、現在の介護保険制度では、半分が公費負担、半分が保険料で賄うため、介護給付費の増加に伴って、保険料が引き上がっていくことになります。しかも、今回野田内閣は、介護職員の賃金を月に1万5千円程度引き上げるために別枠で全額国が予算措置していた交付金をやめ、介護報酬の引き上げの中で対応したため、利用者の負担がふえ、保険料にも跳ね返りました。逆に国の負担が1400億円も削減されました。
 市長!国に対して責任ある財政措置を講ずるよう求めるべきです。その見解を伺います。
 具体的に財政対策として二つの基金についてです。
 一つは、介護給付費準備基金です。前期・第4期が始まった時は、13億8千万円もの基金がありました。その前の第3期に黒字となった財源です。その財源は、今回の第5期には、どの程度引き継がれたのか。どのように使われるのか明らかにしていただきたいと思います。
 もう一つが、財政安定化基金です。介護保険財政が悪化した場合のために市町村が拠出し、都道府県に積み立てられるものです。
 本市は、平成12年、13年、14年度に拠出し積み立てられた額は、2億5158万円です。ところが、今回その内3000万円とわずか、12%が取り崩され、介護保険会計に活用されるものとなっています。こうした財源こそ活用し、保険料の引き上げにならないようすべきではありませんか。
 市長の見解を伺うものです。
 ところで、市町村が拠出した金額に相当する額を国も県も基金に拠出することとなっています。したがって、金沢市が拠出した2億5千万円を含め、県内19の自治体から7億円が基金となっています。それに相当する額が国7億円、県7億円が拠出されています。こうした財源を活用し、保険料の大幅引き上げとならないようすべきではありませんか。
 国や、県に対してこうした財源の活用を求める考えはないか。市長の見解を求めるものです。
 特別養護老人ホームの整備計画について伺います。
 市内で特別養護老人ホームへの入居を待っている方は、1600人を超えています。
先に、本市は、その待機者の実態調査を行いました。その結果から、待機者の内85歳以上の方が約6割です。2年以上待っている方が35%です。ですから、入居出来ないまま亡くなってしまう方がおります。
 市長!あなたは、先の議会で、私の質問に対して、こうした現状について「大変深刻な状態だというふうに認識している」と述べました。したがって、やるべきことは、待機者の解消を行う為には、特別養護老人ホームの整備方針と年次計画を示すべきではありませんか。そして、本市には、市が建設した特別養護老人ホームは、一つもありません。本市が率先して建設計画を明らかにしていくべきではありませんか。市長の見解を伺います。
 質問の第二に、辰巳ダム建設と犀川ダムにおける工業用水貯留量の河川維持流量への振り替えについてです。
 辰巳ダム建設事業は、最終段階を迎えています。現在、ダムを満水にしてから放流を行う試験がおこなわれています。
 辰巳ダム建設事業が実施計画調査事業として採択されたのは、1975年昭和50年ですから、37年が経過したことになります。
 この間、ダム建設そのものが必要なのか問われてきました。現在も、事業認可の取り消しを求める住民からの訴えに基づき裁判が続いているにもかかわらず、建設事業がすすめられてきました。
 本市は、前市長が建設期成同盟会の会長として建設事業を率先して進める立場に立ってきました。現在、山野市長が会長となっています。
辰巳ダムがいよいよ運用段階を迎え、本当に犀川沿線の治水対策に必要なのか実践的に問われることになります。
 もう一つは、本市新年度予算の中に、犀川ダム工業用水補償金として3億7442万4千円が計上されたことです。
 この点について、いっさいの説明もありませんでした。
 市長から、280億円もの巨費を投じた辰巳ダム建設は、本当に必要なダムなのか見解を伺うと共に、今回の予算計上について説明を求めるものです。
 辰巳ダム建設事業は、地域住民が橋の建設を望んだ際に、ダムを建設すれば、その上は、人も車も通行でき、国費をさらに投入できるからとはじめられたと言われています。全国でも、ダム事業が大手ゼネコンと政治家が結びつき、公共事業の名の下で進められてきましたが、厳しい批判の的となってきました。
辰巳ダム建設事業もなぜ、ダム建設が必要なのか。をめぐって様々な角度から問われ、変更を余儀なくされてきました。
第一に、当初ダム建設の目的は、上水道、電力、治水など多目的ダムとして計画されましたが、その目的一つ一つが問われる事態となり、洪水調整目的に変更となりました。
中でも問われたのは、建設予定地にある辰巳用水東岩取水口がこのダム建設によって、水没することから環境と文化財を破壊するものとして県内外から厳しい批判が突きつけられました。この辰巳用水東岩取水口から取り入れられた水が兼六園に注がれてきた歴史からしても守るべき環境であり、引き継がなければならない文化財であります。建設地の変更によって、水没はまぬがれたものの、すぐ脇に51メートルもの巨大なコンクリートの壁が出現したわけです。引き継ぐべき環境と言えるのか問われ続けることになります。
 第二に、当初の目的から洪水調整としてのダムに計画が変更され、貯水する従来のダムから普段は、水をためない穴あきダムに変更されました。
治水ダムは、上流で降った雨をダムで貯めますが、それが満杯となった後、さらになる豪雨には対応できず、放流することになります。その際に、下流で豪雨となると大変な事態を招くことになります。こうした問題点と共に、穴あきダムは、流木対策、流砂対策そして、周辺の地滑り対策が問われる事態となっています。辰巳ダム建設そのものが、必要かどうかをめぐって、議論がおこなわれてきましたが、新たに穴あきダムについても、その安全性と果たして洪水調整の役割を果たすのか問われています。
第三に、辰巳ダムが、当初の計画から右岸側に150メートル上流に移動し、規模を縮小して建設されました。
 こうした変更へと導いたのが、犀川ダムの完成に伴って本市が持っていた工業用水の水利権を県にゆずり、河川維持流量に切り替えたことです。
 私は、平成13年に当時の山出市長に対して35年間一滴も利用してこなかった工業用水についてただしました。当時の市長は、必要な水利権だと言い放ちました。
ところが、2年後の平成15年11月に県から市に対してこの水利権を譲っていただきたいとの申し出が行われました。すぐに、市は検討委員会をたちあげ、3回の会合を経て3ヶ月後には、工業用水利権はいらない。県に譲るのは妥当との結論を出しました。その結論をもって、県からの要請から5ヶ月後には、本市は、工業用水利権を県に譲りますとの返答を出したのです。そして、県は、平成16年7月に犀川水系河川整備基本方針を策定し、辰巳ダム建設計画の変更を明らかにしたものです。
 市長!こうした経緯について市民にどのように説明されるのですか。あれほどまでに工業用水利権は、必要だとして35年間も持ち続けていた考えは、誤りだったと反省したというのでしょうか。見解を伺います。
 かつて県が金沢港周辺で工業団地計画を打ち出しました。そのため、工業用水が必要だとして1965年昭和40年に完成した犀川ダムから工業用水207万トンを確保し、犀川大橋の詰で水を確保し、パイプラインで出雲から金沢港へと運ぶ計画を打ち出しました。そのための工業用水利権を確保するとして、県に対して認可申請をし、許可されたものです。ところが、金沢港周辺での工業団地計画は、頓挫し、ゴルフ場に変わってしまいました。それでも、工業用水利権だけは、認可が継続され、本市は一滴も使わない水利権を持ち続け必要な費用を支払い続けたのです。そして、今度は認可を継続してきた当事者である県が譲ってくれと要請し、工業用水利権が、辰巳ダム建設のために河川維持流量へと変更したのです。
 県も本市も自らの失政を反省することなく、工業用水利権が河川維持流量へと振り替え、新たな辰巳ダム建設へと変更を行い、一気に本格的建設事業を進めてきました。
 市長!今回の予算計上は、こうした一連のやりとりの結果、財政上の措置とでも言うのですか。市民にどのように説明されるのか見解を伺うものです。
 質問の最後に、老人介護福祉施設の運営会社に対する行政処分と本市への権限移譲についてです。
 去る2月14日県は、老人介護福祉施設の運営会社「ジェーティー・ピー」と「清泉の宿」に対して、行政処分を行いました。その内容は、運営する本市、野々市市、穴水町にある9つの施設で、介護報酬の不正受給や、介護保険法に定める職員配置の虚偽報告などがあったとして、4つの施設の指定取り消し、5つの施設で半年間の営業停止や新規利用者の受け入れ停止等です。事実上介護施設として運用は、出来なくなるもので、1ヶ月後のこの3月26日付けから執行し、その間に利用者が引き続き必要な介護サービスを利用できるように対策を求めたものです。
 この運営会社は、事業所の指定を申請する際に、勤務できる見込みのない職員を記載するなど職員の勤務実態を虚偽報告すると共に、運営にあたっても看護、介護職員数を水増しするなど介護報酬を請求し、加算金などを含め約1800万円を不正請求したと言うものです。
 処分を受けた施設は、有料老人ホームと併設する介護サービス事業所であり、多くの高齢者が住み、介護サービスを利用しています。対応が求められます。
そして、この4月から、県が持っていた行政権限が本市に移譲されることから本市が直接かかわることとなります。
 市長!今回の事態について、どのように受け止め、今後の対応を進めて行かれるのか。伺うものです。具体的に伺います。
 第一に、県がおこなった処分によって、施設の利用者への影響は避けられません。本市の場合、どの程度の利用者が影響を受けるのか。その方々が引き続き介護サービスを利用できるようにどのように 対応をとられるのか明らかにしていただきたいと思います。
 第二に、介護報酬の返還について、本市が施設に対して請求することになりますが、その請求する期間と金額について明らかにしていただきたいと思います。
 さて、今回地方分権一括法に基づき、県の持っていた介護福祉施設に対する指定、監督権限がこの4月から本市に移譲されることになります。
 今回の事態は、指定、監督権限をもっていた県は、何をしていたのかと厳しい意見が出されています。
 今後ますますこうした施設が増えて行くだけに、市民が安心して介護サービスを受けられるようするためには、施設設置者の社会的責任が問われます。そして、本市の責任も重大です。
 本市が指定、監督権限をもって対象とする施設は、どの程度になるのか。本市の体制作りとも合わせ市長から明らかにしていただくよう求め、私の質問を終わります。

金沢市議会3月議会 一般質問の全文

日本共産党金沢市議会議員 広田みよ

 質問の機会を得ましたので、共産党金沢市議員団の一員として以下数点にわたり質問を致します。

①土砂災害対策について
まずは本市の土砂災害対策についてです。
先月発生しました鈴見台2丁目住宅地での土砂崩れに続いて、同月下旬には津幡町山間部でも県道をふさぐ土砂崩れが起き、さらに先週は浅野川沿いでも発生と、市内や周辺あちらこちらで土砂災害が相次いでいます。本市ではこれらの土砂崩れを受け、危険箇所のパトロールを行ったところ、新たに土砂崩れや亀裂が見つかった地域もあり応急処置がされていると聴いています。
一連の土砂災害については、住民の機敏な対応や自主避難、そして消防や行政の立ち回りにより、さいわいにもけが人も出ず、復旧工事が行われているところです。
しかし、あともう少し被害が拡大していれば人命に関わる災害です。避難所や住民説明会に伺った際も、住民のみなさんから不安の声や抜本的な対策を求める要望があがっていました。
 日本の自然災害による被害者全体のうち、土砂災害による被害者の割合は42%と高く、国や行政が住民の命と安全を守るために力を注ぐことが求められています。
まずは、本市内で土砂災害警戒区域に指定されている地域がどれほどあるのかお聞きします。そして、土砂災害警戒区域の指定をされた場合、どのような対策や対応がなされるのかあわせて、お答えください。
また、地元紙によると、本市での土砂災害対策工事完了は27%にとどまり、「市は整備費用の地元負担が対策遅れの一因とみている。」と報じられていました。
土砂災害警戒区域が民有地の場合、対策を講ずる工事費用は原則として所有者が負担しなければなりません。県施行の工事だと平均2億円と聴いています。その場合地元負担は5%ですが、規模が大きいので1000万円と高額です。
市長!本市の3割弱にとどまる対策工事の完了率と地元負担が高額であることについてどう思われるでしょうか。
危険だと指定されておきながら、対策が講じられず人命が危険にさらされているとすれば放置しておくことはできません。地元負担の軽減をさらに行うお考えはないでしょうか。
また、危険を知らせる災害警報については、雨は対象となっていますが、雪は対象外となっていることも問題視されています。今回の鈴見台をはじめ県内で起きた災害のどれもが、大雪後の発生であったり、雪の重みや雪解け水が一因であると、専門家も認めています。雪を考慮した、北陸ならではの独自のパトロールや避難呼びかけの工夫が必要ではないかと思いますがいかがでしょうか。

②マナー条例
次は、「金沢市におけるポイ捨て等のない快適で美しいまちづくりの推進条例」の制定に関してです。
「市民ひとりひとりが、自分の住むまちに愛着をもち、周囲の人々を思いやる心をはぐくむ社会的気運を醸成しながら、市と市民や地域、事業者とが協働して美しいまちづくりをめざす」。この基本理念には賛同するものではありますが、方法については市民からも疑問の声が寄せられています。
まずは、過料いわゆる罰金についてです。
重点区域での、喫煙、ぽい捨て、ふんの放置に対し、注意・指導、勧告し、命令しても従わない場合は1万円以下の過料をとることが条例に盛り込まれています。しかし、路上喫煙もポイ捨てもモラルの問題であり、市民に対する罰ではなく、違反しにくい環境を整え、基本理念の通り、気運を盛り上げることを優先すべきです。
また市民同士が監視し合う空気を助長するのは好ましいとは思えませんし、既に実施している都市の現状を見て来ましたが、駅前で市から雇われ巡回されている方は、注意しただけで逃げられたり、胸ぐらを捕まれ、大変怖い思いをしたこともあると話されました。そのうえ過料のことまで言い出すとしたら、危険をはらんだ業務になると言わざるを得ません。
また、初めて金沢にいらした観光客や外国の方にもわかるように条例の中身が表示されなくてはなりません。他都市のように「「過料」の文字が書かれた看板などがあちこちに設置されることになるのでしょうか。
景観条例もつくり、歴史と文化のまちとして景観を大切にしてきた金沢にふさわしいものなのか、市民から疑問の声が寄せられています。
以上のことから、条例には過料について盛り込む必要はないと考えますがいかがでしょうか。
2点目は、市民や地域の理解と合意をどのように得ていくかという点です。パブリックコメントも行われ、新聞などでも条例の文字が見受けられますが、まだまだ市民に知られていない現状です。
この条例の目的は、市、市民、事業者が一体となって行うことが明示されています。市民の理解と合意なくしては、目的は達成できません。よりよいものにするために市民や地域、事業者の理解と合意を得つつ、意識を高めていくにはどうするのか、過料よりもそのことに重点をおくべきだと思います。
どのように市民や地域、事業者の理解と合意、意識の高揚を促すのかお答えください。

③国民健康保険料について
次は国民健康保険についてです。24年度予算では国民健康保険・介護保健・後期高齢者医療保険を併せて前年度より14億円多い市民負担を強いるものです。
国民健康保険については、特別に12億円を一般会計から繰り入れたというものの、4億円分の値上げです。40歳以上では年間6646円の大幅な値上げとなり、市民の生活と健康をゆるがすものですし、今でさえ65000世帯のうち12614世帯が滞納している現状で、更に値上げすればどうなるかは明白です。
全国の医療介護施設でつくられている全日本民主医療機関連合が6年連続で行っている「国保などの死亡事例調査」の昨年分について先日記者発表がありました。22県からの報告で、42名が国保料の滞納などで、無保険もしくは短期保険証、資格証明書発行により病状が悪化し死に至ったと考えられるという結果。また、25名が、保険証をもっていても窓口負担金などが払えず受診が遅れ死に至ったと考えられるというものです。
 石川からも1件の報告がありました。
お聞き致しますが、本市で2割の方が国民健康保険料が払えず、保険証のとりあげなどで命に関わるケースが起きている現状で、なぜ値上げをするのですか?
国民健康保険は、国民皆保険制度を担う医療保険であり、大切な社会保障制度です。したがって全ての加入者に保険証を届けること。そしてどなたでも支払える保険料とし、その運営は国と地方自治体が責任をもってすすめることが重要です。払えない方にペナルティなんてとんでもないことです。保険料や税金の支払いは応能負担が原則であり、社会保障の給付は必要に応じてというのが原則です。能力に応じて支払い、必要に応じて給付する。この原則のもとで、保険料は値上げどころかむしろ引き下げ、誰にでも払える額にすることが今やるべきことです。併せて国庫負担を引き続き国に要求し、市民の命を守ることこそぜひやっていただきたい。地方自治体の役割は、払えない方にペナルティを課すことではなく、そこに住む住民のくらし・いのちを守ることです。
平成25年度には旧ただし書き方式が実施されようとしています。値上がりは必至で到底受け入れられませんが、市民の意見はお聴きになったのでしょうか?残念ながら、市民には「旧ただし書き方式に移行すること」は伝わっていないのが現状ではないでしょうか。
今回の保険料改訂で保険料が値上がりすることや旧ただし書きの周知や説明をどのように行っていくのですか。今までのやり方では、納付書が届いた時に混乱と不満がつのるのみです。
市民にとって見えやすい、わかりやすい制度にする必要があるのではないでしょうか。
国保運営協議会の公開、市民フォーラムの開催やパブリックコメント、わかりやすい通知など、すぐにでも行うべきと考えますがいかがですか。

④子育て支援
次は本市の子育て支援についてです。
子育て世代を取り巻く環境は大変です。2012年度国の予算案では保育・子育て支援関係の予算は前年度比24.3%のマイナスです。多くは子ども手当の廃止・制度改定にともなう分であり、政権公約の看板だった子ども手当は廃止・大幅減額と所得制限が導入されました。
また、子ども手当の財源として強行された年少扶養控除廃止による住民税・所得税の増税の実施、さらにはひとり親に対する児童扶養手当の削減など、あいつぐ給付の削減と増税が計画されています。   
本市の子育て世代、ひとり親世代にも大変な負担をもたらすものです。市として国へ声をあげるのはもちろんのことですが、子育て支援や若い世代への支援を重点課題とする本市独自の対策をどうするのか、大きな課題がつきつけられていますがどのようにお考えかお聞きします。
妊婦健診の支援基金や子宮頸がん、ヒブ、小児用肺炎球菌ワクチン接種の促進のための国の緊急促進臨時特例基金は、国民の要望から1年延長となりました。本市では独自にワクチンの助成券を導入するなど、お子さんの命と健康を守る予算も計上されました。
しかし、肝心の子どもの医療費については前向きの改善がありません。市長が市民に示した大事な公約でありながら、来年度予算では盛り込まれていません。他自治体が次々と対象年齢を引き上げる中、本市の「通院助成小学校3年生まで」という制度は、県内19ある自治体のうち下から2番目の水準となってしまいました。能美市ではすでに高校卒業まで拡大し、県内で中学校卒業まで対象としているのは13の自治体にまで拡がっています。
中学校卒業まで医療費無料化になることをお母さんお父さんは、今か今かと待ち望んでいます。
公約を掲げて市長になった以上、いつまでに公約実現するのかおっしゃっていただきたい。
また、医療機関窓口での無料化が実施されているのは、37都道府県にまで拡がっています。本市でも早急に実施すべきです。そのお考えはありませんか。
 また働きながら安心して子育てするための保育所についても伺います。
全国では待機児童が問題となっていますが、金沢でも4月の入所が決まっていない方がいると聴きます。定員を15%割り増ししてなんとかやりくりしている状態であり、地域によっては希望しても入れず、あきらめる方もいると聴いています。
 4月に向けて入所の状況をお聞かせください。また、希望通りに入所申し込みができていない方々は、不安な中必死で別の保育所を探すか、別の手段を考えていらっしゃると思います。こうした方々へはどのように支援しているのか教えてください。
 現状でさえ、まだまだ充実が必要な状況の保育制度が、国によって変えられようとしています。今月はじめに「子育て新システム」の骨子が決定しました。 
市町村が保育の実施に責任をもつという現行の公的保育制度を解体し、保育を市場化・産業化することが柱であり、保育関係者、保護者から不安の声が拡がっています。
市長としては、この新システムをどのように受け止めていらっしゃいますか?
また、地域主権改革によって保育の制度も例外ではなく、国の責任が後退し、自治体の裁量に任されていきます。今後の条例制定についてはどのように対応されるのでしょうか?
 施設基準や給食など規制緩和しないように、保育関係者からも保護者からも声があがっています。
給食についてですが、12月議会でも発言した3歳以上児の主食を自宅から持参しなければならないという件につい、子育て中以外の方からも「こどもに冷たいご飯を食べさせているなんて知らなかった」と驚きの声が上がっています。ことの他、食の金沢であるならば、子どもの頃から温かいごはんを提供することは教育や健康にとって言うまでもないことですし、保護者の負担を減らすのが保育行政の役目です。金沢でも主食を提供して完全給食を実施すべきと考えますがいかがですか?
 さて、お子さんの安全を確保するという観点から、今回の予算で学童保育の耐震化補助制度が新たに盛り込まれほか、小中学校の耐震化も引き続き行われるのは市民の要望に応えるものです。併せて保育所の耐震化の進捗状況はいかがでしょうか?

⑤市営住宅 
最後に市営住宅についてです。地域主権改革により、市営住宅の整備基準および入居基準の制定が国から市に委ねられることになります。国の責任は後退し、財源もままならない中で地方がやりくりしていかなければならなくなります。本市は、現状でさえ、人気のある住戸の倍率は10倍にものぼり、毎回の抽選で100人以上が入居できない状況です。条例化に伴い入居収入基準が引き下げられたり入居資格が変更されれば、入居の門はさらに狭くなります。
また整備についても、本市の現状では、例えば緑団地のバリアフリーは39.4%の到達率と低く、抽選の際も倍率が低い状態が続いています。
整備基準が変わったり、財政的に困難となれば、このような浴室整備やバリアフリーなどの修復や改修についても、進まなくなります。
 また市営住宅の条例委任については、建設分野からも「地方に回る財源の総額抑制が意図され、一括交付金化によって生活関連の公共事業がおろそかになり、地域建設業の振興を阻む」と警告が発せられています。
「地域主権」の掛け声のもとに安易に条例に委任することで、住民の安全性や居住の権利を奪うことは許されません。
お聴きします。金沢市は条例委任に向けて、今後どのように対応していくのですか?
今、本市の市営住宅が、市民に求められていることは、増築などで入りたくても入れない方々を解消し、古くて危険な建物を整備し快適な生活環境にいち早くしていくことです。
既存住宅の整備や、新増設などについては、どのような方針でのぞまれるのか最後にお聞きして質問を終わります。

金沢市議会3月議会 代表質問の全文

日本共産党金沢市議会議員 升きよみ

 市長就任初めての本格予算が計上された今議会、日本共産党を代表して質問致します。
 先ず市長に、めざすべき市政とは、市民のくらし安定をどの様に進めるのか所信の程伺います。
市民生活の暮らしぶりはかつてない状況下にあり、身近な企業の倒産・廃業が相次ぎ、その影響は市税収入の落ち込みや、昭和29年給付以後、過去最高の生活保護受給者3,184人の数となっていることをはじめ、賃下げ、雇用悪化の今日、生活の糧を奪われ、人間らしい生活を取り戻せない人々が多数生まれる等深刻化しています。
最もこうした実態にある、国民生活を安定させるべき政府が提案された国の予算案は、こともあろうに、全く国民を無視するもので衆議院可決となりましたが、怒り心頭に達します。
野田政権は国民に示したマニフェストを反古にして持ち出してきたのが、「税と社会保障の一体改革」とする消費税増税方針であり、既に先取り的に交付国債を発行し、先喰い的増税前提で、年金給付や子ども手当の削減をする一方で八ッ場ダム建設再開、原発推進予算維持、軍事費増額などの浪費拡大予算を提案しております。
消費税増税13兆5千億円を押しつける一方、社会保障財源を口実に子ども手当の削減4400億円、年少扶養控除廃止で4千億円、健康保険料や介護保険料の引き上げで今年だけで負担1兆円、復興増税で3600億円、年金支給開始年齢の引き上げ4年間で2兆4千億円など、国民に20兆1千億円の負担増をおしつけています。これで財政再建をはかるとしていますが、とんでもありません。
かつて消費税5%への増税が大不況の引き金となった事実からも、今、消費税増税をしたならば、ただでさえ落ち込んでいる内需を更に落ち込ませ、国内投資を更に減らし、産業空洞化、雇用減を深刻化させる悪循環の引き金となることは必至です。
我が党は、消費税に頼らなくても18兆円から21兆円の財源があることを具体的に提案しています。それは、浪費型の巨大開発、原発推進や、米軍への思いやり予算、政党助成金などのムダづかいをなくすと共に、富裕層・大企業への減税をやめ、また、証券優遇税制の最高税率引き上げ、富裕税の創設などです。
市長!「税と社会保障の一体改革」が自治体はもとより、何より市民生活の負担増をもたらすもので、こうした国の悪政に対して、その防波堤となり金沢市民のいのちとくらしを守り、市民の福祉の向上を行うには、明快に反対表明を行うべきではありませんか。市長の見解を求めます。
 ところで、今度の提案が、生活の困難と厳しさを有す特に年金者、若年子育て世帯、シングル世帯等、最も弱者である方々を直撃していますが、そこに加えて、こともあろうに本市が、国民健康保険料・介護保険料・後期高齢者医療保険料の引き上げを提案したのですから大変です。
 「一生懸命働いて、40年間年金納めてきて、手にする額は月65,700円の老齢年金でやっと生活している。この10年間(受け取る)年金は下がり、(支払う)国保料や介護保険料等は上がる。私らにとっては今度の(保険料の)引き上げは本当、年寄りは死ねと言われるような仕打ちだ。」と言われた高齢者の方々の声は市長に届いていませんか。どれ程に当局が国保会計に一般会計より12億円、介護保険会計に介護給付費準備基金から1億円の繰入れをしている。後期高齢者医療制度は、広域連合によるもので応分負担しているとおっしゃっても通りません。市長(14億2,300万円にわたる)市民への新たなる負担増をさせないという確たる思いがあるならば、引き上げを回避することが可能であったと思います。市長はそうした考えをお持ちになりませんでしたか。生活弱者の方への思いを何処におきましたか。
市長、貴方が「市民の政治への閉塞感や不安を払拭する」とおっしゃるのなら、安心してくらし、安心して住み続けられるまちの主人公である市民の生活を守ることではありませんか。どれ程に市民に負担増とされるのか伺っておきます。

質問の第2点、市民の安全・安心に備え、防災計画のみなおしに当たって、原発対応、震災がれきの受け入れの可能性調査に関してです。
 3.11から1年、福島原発事故を踏まえて、ようやく、地震、津波、原発災害への備えが本格化されようとしています。
 今も福島から80km圏内の上空に放射性セシウムがあるとのニュースや北陸電力のストレステストの評価結果からも心配が拡がっています。
能登半島地震の4倍の揺れや15mの津波に耐えるとしていますが地震の長さや揺れの想定、そして活断層の影響、そのものに、問題があることが指摘されるなど、ストレステストが安全の保障でないことも明白で依然と原発の不安に強いものがあります。国がストレステストを原発稼働の条件として新たな安全基準を出しておりますが、原発立地地域や国民の間では、とても受け入られないとしており、ますますその声は広まっております。
 本市は志賀原発から50km圏内、いわゆるPPZ(放射性ヨウ素防護区域)に入りますが、石川県は本気で志賀原発から県民の安全を守り危機管理に備えていただけるのか、率直に言って谷本知事の国の対応待ち姿勢にいらだちを憶えながら、山野市長が原発災害にどう備え、どう市民の生命を守る先頭に立たれるのかに注目をしております。
①市長!なによりも最大の防災は志賀原発の再稼働を許さないこと。この立場を表明されることではありませんか。又北陸電力に強力に働きかけて下さい。決意を伺うものです。
②いよいよ危機管理体制を強化され防災計画の策定に入りますが、地震・津波の専門家にとどまらず、放射能汚染に備えた専門家や市民参加のもとで策定されるべきです。
③最悪事態に備え、ヨウ素剤の備えがようやくされることになりました。広く市民に配置場所、服用方法等知らせるべきです。
④放射能測定器も購入され、大気汚染調査を年1回実施することにしましたが、回数増を含めきめ細かく行うこと。また、市民がのぞむ場所や土壌や食品などの調査も実施すること。そして市民の要望の強い学校給食の放射能検査を行い、安全確保、食材の産地公表、情報収集と提供、などがなされるべきと考えます。

次に、震災がれき受け入れ可能性調査についてです。
 輪島市のがれき受け入れ表明から一気に県民の関心が高まると同時に本市も受け入れ可能性調査を実施すると表明がされました。
 被災地の災害廃棄物の処理が進まず、復興を遅らせている事は紛れもなく、今も宮城県では通常の約11年分、福島県では約3年分等、岩手県を含む3県の合計推定では日本全国の約半年分があるのですからことは深刻です。環境省は災害廃棄物の広域処理推進ガイドラインを策定し、搬出側が事前に測定し、焼却処理した場合の放射線セシウム濃度の濃縮率を計算して1kg当たり、8000ベクレル以下であれば受け入れ良し、としましたが、しかしこれまで原子炉等規正法では100ベクレルと言ったり、その数値が如何にあいまいか。国民が納得できるものではなく放射性物質への不安から当初受け入れ表明していた自治体も再検討する所が増え続け、あらためて国は地方自治体に受け入れ協力を求めております。
 被災地の復興のためには災害廃棄物の処理は不可欠でありますがしかし、放射性物質に汚染された廃棄物については、安全性や環境面で様々な懸念を持つのは当たり前で、それこそ実際の受け入れとなると不安を持つのは当然です。今日の事態を招いた最大の責任は東電や国にあり、そこがなんらの責任も負わず解決策を示さないことにも不満が募っています。政府はそうした国民の不安に応えることです。市長!市長も政府に対し、国が責任を持って処理する解決策を行うことを真っ先に求めるべきではありませんか。
 市長!市長は今回の受け入れの可能性調査に当たって、オールジャパンで対処とのことですが、積極的に受け入れやに、見受けますが、それにより輪島市などからも働きかけがある様ですが、放射線量等の影響などにどう対応されるか、市民への十分な説明と理解を得られると判断されているのですか。
がれきの処理に当たっては分別から始まり、埋立場処分、焼却、焼却灰や汚泥処理に至る全ての施設周辺地域に至り、又、線量基準値の考え方、正確な測定、運搬時の安全性の確保等々課題山積みですが、そうした問題への検討をどのように考えておられるのか。
 本市の新環境エネルギーセンターや戸室埋立場等での受け入れをした場合、住民の合意を得られると判断されますか。伺います。
 市長、少なくとも、市民の合意なき状況下では一方的に強行すべきでないと考えますが、御所見をお聞かせ下さい。

質問の第3は、地域経済の活性化にむけて――地元の企業を如何に守り、企業呼び込み型から地元企業応援型に力を注ぐか、その立場から伺います。
住みよい都市でこそ経済は発展し、都市の力と経済を豊かにしようとするなら、内需拡大をはかり、コンパクトシティをめざし、安心してくらし住み続けられる街であることは、言うまでもありません。本市は企業誘致の工業団地として金沢テクノパークを、又、地元企業を中心にした企業立地の為の安原異業種工業団地、いなほ、かたつ工業団地を造成し、分譲してきました。今回新たに河原市流通工業団地の造成事業に着手し、(24億4,255万円)をもって用地取得、造成工事に入ろうとしています。しかし、ご承知の様にこれまでの工業団地が、いまだに売れ残っております。安原工業団地は97%とほぼ完売に至っていますが、テクノパークは残り25%、いなほ工業団地は21%、かたづ工業団地については、昨年度、分譲価格引き下げしながらも、まだ53%が売れ残っております。
河原市流通工業団地造成事業は、新たに物流・卸売・運輸・商業関係企業を対象に行うとしていますが、現在の景気低迷、経済情勢下にあって、果たして分譲、売却の見通しがあるのでしょうか。前市長がテクノパークに併せて計画をした事業ですが、今一度、立ち止まって事業開始を見合わせるべきではありませんか。伺うものです。
さて、公共投資は生活密着型へと進めることが肝要です。今日、住宅建設の落ち込みがあるだけに地元企業の元気を呼ぶ一助に地域経済の活性化をめざし、住宅支援制度の拡充、住宅リフォーム制度があります。本市には各種住宅支援制度がありますが、区域、目的等が限定されています。市長は現行住宅支援制度の検証をし、研究したい旨御答弁されていますが、気軽に助成制度が活用できるよう住宅リフォーム制度充実を求める声にどうお応えになりますか。(検証した結果は)如何ですか。

質問の第4点は商業環境形成指針と大友・大河端・直江等の区画整理事業についてです。
11年前に、本市は大型店の出店ラッシュが続く中で、『金沢市における良好な商業環境形成によるまちづくりの推進に関する条例』が制定されました。我が党は、国の大店舗等の野放し路線の中での自治体条例であり、自ずと限度がある上、大型店を規制するものではなく、抜け穴となって、ゾーンによる集積可能にし、大型専門店誘導であることを指摘してきました。その後のまちづくり三法も真に有効な規制となりきれず、本市の街は大型店出店が相次ぎ、今や、小売業に占める占有率は66%、7割近い状況下、そして大型店同士のつぶしあい、その上、全国チェーンのコンビニエンスストアーが増え、結局、地元スーパーがどんどん廃業に追いやられ、買い物難民が出るほどの事態にあります。
今回ようやくにして本市は「指針」の店舗面積の上限についての考え方を従来の公共の道路を隔てることにより店舗面積の上限も各々の区画で考える即ちゾーンによる集積可能であったものを、今後、公共の道路に面する店舗面積を上限とする改訂案として、これまで例えば7,000㎡の大型店舗であったものは3,000㎡になる)提案がなされました。商店街がつぶされた後での市当局の提案は、「今更、遅すぎる。」と率直な思いを致します。ところがそこへ、本市の土地区画整理組合連合会が、直江、大河端、大友の区画整理事業に限り、店舗面積の集積の上限は5000㎡とすることを求めております。
 区画整理事業側からすれば、分譲を促進したい思いから「指針みなおし」を求めてきたものといえます。
 ところで、大友・大河端・直江の区画整理事業は、三地区とも進捗率は、約46%にとどまっています。そもそもこの地区の区画整理の事業はいずれも海側環状線道路建設と併せて進められてきました。我が党は海側幹線道路を取りこんでのこの区画整理事業は、人口減少期に入り、地球温暖化防止、車社会からの脱却が言われ、農業再生をめざすとき、農地をつぶして、市街化促進を行うべきではないと指摘をしてきましたが紛れもなく、この事業の破綻ともいうべき諸矛盾が色々生じてきております。
① 市長、国県市と行政が地方を誘導してきた区画整理事業のこの実態に、どのように責任を取られるのか伺っておきます。併せて全体総事業費及び保留地処分、全体事業達成の見通しについてお示しください。
②区画整理組合が、用地分譲に苦戦しているとしても真に良好な商業環境を守るかが問われています。三地区のみ適用除外となれば、結局この指針が有効に働かず形骸化(死文化)するものではありませんか。少なくともこれ以上、大型店誘致はさせないという姿勢を示すことが大切ではありませんか。市長の御答弁を求めます。
③次に、今回地域貢献の促進に当たって、雇用問題等について計画提出にとどまらず、結果報告を求めることになったことを歓迎するものですが、更に中間的に行政がチェック出来る仕組みも必要ではないかと考えます。
④ところで4年前、商業環境形成まちづくり条例に記載すべきとなっていた集客施設の定義の勝馬投票発売所、場外車券売場、船券販売所のいずれもが除外されましたが、こうした施設の取り扱いについても明確にすべきではありませんか。

質問の第5点は、新幹線開業前に公共交通運輸に関してです。
1,600億円をかけての国の予算による北陸新幹線は、金沢市区間分50億7,100万円で事業が行われようとしています。いよいよ並行在来線を能登と加賀地域を結び、存続させるとして、他の公共交通機関と連携した一体的な地域交通ネットワークを形成し、石川県と県内市町等が出資して第三セクターである単独株式会社を設立し、24年度中に準備会社を設立していくことになります。今回その為の出資金が6,750万円計上され、来年度も引き続き出資し、1億4,000万円の出資による本格会社になるとのことです。
ところで、県並行在来線対策協議会の在来線経営計画を見ますと、JR鉄道資産の無償譲渡の展望や安全性について、又、採算計画について多くの疑問や問題を感じます。現在のJR資産をそのままにして、当初から利用客減を見込み採算性が全くとれない経費になることが必至の内容で、結局、重い荷物を利用者と県民への過大な負担、押しつけを前提になっております。
設備投資計画の基本的な考え方に現行資産を活用し、JRから譲渡を受けるとし、可能な限り低廉な価格とありますが、本来無償譲渡を求めるべきです。又、初期投資を90億円から100億円と想定していますが、JRは鉄道資産の簿価を明らかにしていますか。並行在来線について採算路線はJRが維持し、不採算路線は、経営判断として、切り捨てるやり方は到底納得いくものではありません。市長、当然のことながら、出資する金沢市としてもJR側に無償譲渡は勿論、施設の修繕・新型車輌の先行導入など、財政負担をしっかり求めて下さい。
JR西日本は、昨年の決算でも経常利益689億円、内部留保9,538億円等々、体力充分の大企業です。市長にその決意の程を伺います。
次に二次交通として新年度より、石川線及び浅野川線をつなげ、市民の利用促進のため北陸鉄道に対して鉄道施設整備支援に8,810万円が計上されています。
公共交通が独立採算の経営では確保できないとして、生活に必要な交通の存続が危機に達する状況の中で、白山、野々市、金沢の3市と内灘町で支援策がとられていくことになりますが、今後の北陸鉄道への協議の場に金沢市としてどのように臨まれるのか伺うものです。
財政支援だけが求められ、市民の利便性には腰重い状況では困ります。先日私は、九州 佐賀~熊本に視察に行きました。九州新幹線に接続する在来線はもとより、私鉄の電車・バス運賃の安さ、利便性から見て、金沢の更なるの改善の必要を感じました。
この際、北陸鉄道には、均一料金の拡大、又、路線の拡充等、きめ細かな運行等はかられる様、強く求めるべきではありませんか。近年、『まちなかふらっとバス』や『まちバス』と中心市街地の利便性に比べ、郊外や中心部から離れている地域から、公共交通の利便性が悪く、「是非『ふらっとバス』の様な公共バスが欲しい」と切実に求められています。
こうした要望にこたえ、地域間格差の解消を図るべきではありませんか。市長の御所見を伺うものです。

質問の最後に「参与」の起用についてです。
この度、市長から新たに官房機能を強化するためトップマネジメントを補佐する政策担当の参与を配置することが表明されました。市長ご自身がマニフェストで民間から副市長を登用することや市民ブレインで政策を決定するとおっしゃっておられましたが、今回の提案はご自身のマニフェストで掲げられたこととどのように違いがあるのですか。仙台市、富山市等を除き余り例がなく、身分や処遇はどうなるのか。行政改革が叫ばれ、人員削減を進めている中で金沢市政にこれまで例のない配置までして、政策決定の重要なポストを置かれるのですが、結局、市民からのチェックや議会のチェックを受けないポストではありませんか。
仄聞するところによりますと、市長ご自身の後援会々長の方との事、仮にそうだとしますと、市長の恩顧と言われる人事で、公正公平性が保たれず、市政運営がゆがめられ偏向的になりかねないのではありませんか。今日、市民全体がこの街をどうするか、市民のくらし全体を考え、将来未来像を創造する重要な時に、適切を欠くのではありませんか。市長の見解を求めて質問を終わります。

12月議会の意見書採択結果と会派ごとの態度表

  意見書内容 採択結果 自民 みらい 金沢保守 公明 共産 清風金沢 自由クラブ 自民議員会
1 消費税増税に反対する意見書 × × × × × × ×
2 TPP交渉への参加表明を撤回し、日本農業の再生と地域経済の発展を求める意見書 × × × × × × ×
3 原発災害からの復興と原発ゼロを求める意見書 × × × × × × ×
4 公立学校の土曜日の授業実施に関する意見書 × × ×
5 原子力発電所の警備に関する意見書 ×
6 私有林の整備への支援充実を求める意見書
7 サイバー攻撃からの情報保全対策を求める意見書
8 看護職の労働条件・環境改善を求める意見書
9 障害者基本法改正に基づくインクルーシブ教育に関する意見書
10 運転停止中の原発の再稼働に関する意見書
11 子どもに対する手当にについて全額国庫負担を求める意見書
12 防災会議に女性の視点を取り入れることを求める意見書
13 円高から中小企業を守る政策を求める意見書
14 再生可能エネルギーによる電力供給を普及させるための電力買い取り基準の明確化を求める意見書
15 介護職員処遇改善交付金制度の延長及び改善を求める意見書

議 案 提 出 に つ い て
議案「消費税増税に反対する意見書」を次のとおり会議規則第13条の規定により提出します。

平成23年12月20日

金沢市議会議長 上 田  章  様

提 出 者
                                                      金沢市議会議員    広 田 美 代
                          〃     森 尾 嘉 昭
                          〃     升   きよみ

議会議案第1号                       

消費税増税に反対する意見書

野田内閣総理大臣は、次期通常国会で消費税増税法案を提出し、成立させる方針を打ち出しているが、そもそも消費税は、所得の低い人ほど負担が重い税金である。そのため、ヨーロッパなどでは税収全体に占める消費税の割合は日本とほぼ同じであるが、食料品や生活必需品については、非課税か低い税率とし、負担の軽減を図っている。しかし、日本の消費税は、水や米にも高級品と同じ税率がかかり、重い負担が低所得世帯の生活を直撃している。
また、消費税増税は、震災から生活再建を目指す被災者にとっても過酷な増税であり、復興財源として最も不適切なものである。しかも震災の影響で日本経済の低迷が続く中での消費税増税は、今後の景気回復に致命的な打撃を与えるものであり、税率を3%から5%に上げた際には、景気が急速に冷え込み、倒産や失業者、自殺者の増加を招いたことは過去の教訓となっている。
よって、国におかれては、不要不急の予算を見直し、大企業への行き過ぎた減税を是正するなど、国民の立場に立った財源見直しを追求し、消費税増税を行わないよう強く要望する。
ここに、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

議 案 提 出 に つ い て

 議案「TPP交渉への参加表明を撤回し、日本農業の再生と地域経済の発展を求める意見書」を次のとおり会議規則第13条の規定により提出します。

  平成23年12月20日

 金沢市議会議長 上 田  章  様

 提 出 者
                                                       金沢市議会議員   広 田 美 代
                          〃     森 尾 嘉 昭
                          〃     升   きよみ

議会議案第2号                       

TPP交渉への参加表明を撤回し、日本農業の再生と地域経済の発展を求める意見書

政府は、都道府県・市町村議会の圧倒的多数の慎重・反対決議を無視し、例外なしの関税撤廃を原則とするTPPへの交渉参加に向けて、関係国との協議に入る方針を表明した。
日本がTPPに参加することになれば、農業大国であるアメリカやオーストラリアからの農産物輸入も完全自由化されるのは避けられず、それによって米の生産は9割減少、食料自給率は40%から13%へ低下する(農水省試算)など、我が国の農林水産業や地域社会は壊滅的な打撃を受けることとなり、国土や環境の荒廃が懸念されている。
さらに、非関税障壁撤廃の名のもとに、国民生活のあらゆる分野で変更を余儀なくされ、食の安全や医療、保険、官公需・公共事業の発注など、国民の暮らし、命を守ってきた我が国の制度や基準の無秩序な開放を迫られる危険性も明らかになってきた。
21世紀は「食料は金さえ出せば輸入できる」世界ではなく、地球環境の保全や食の安全・安心も切実に求められる時代であり、我が国に求められていることは、崩壊の危機が広がる農業を立て直し、食料自給率を向上させることである。
農家が安心して生産に励める条件を政府の責任で整え、各国の食料主権を尊重した貿易ルールの確立を目指すとともに、国民が望む安全・安心な食料・エネルギー等の安定供給、持続可能な農林水産業の育成、地域経済の振興と発展、環境保全を図ることが不可欠である。
よって、国におかれては、日本の国益と安全な食料、国民の命と暮らしを守るため、TPP交渉への参加表明を撤回し、日本の農業再生と地域経済の発展に力を尽くすよう強く要望する。
ここに、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

                        議 案 提 出 に つ い て

 議案「原発災害からの復興と原発ゼロを求める意見書」を次のとおり会議規則第13条の規定により提出します。

  平成23年12月20日

 金沢市議会議長 上 田  章  様

                    提 出 者
                                                       金沢市議会議員   広 田 美 代
                          〃     森 尾 嘉 昭
                          〃     升   きよみ

議会議案第3号                          

原発災害からの復興と原発ゼロを求める意見書

  東日本大震災と福島原発事故から9カ月がたち、原発事故被害地域の除染と被災者への損害賠償が大きな課題となっている。石川県内には、500名以上の被災者が身を寄せているが、安心して住み続けられる故郷を取り戻せず、生活不安に脅かされている。子どもたちの健康が心配で、離ればなれに暮らす家族の心痛な思いを一刻も早く解消するために、国の除染支援などが強く望まれている。
  また、福島原発事故災害により、経済的・精神的な被害を受けたすべての被害者に等しく、速やかに損害賠償を行うことは東京電力の責任であり、その実現を図るために、損害賠償手続の簡素化が強く求められる。
  さらに、原発の危険から命と健康を守るため、原発事故の原因究明と対策、まともな規制機関がないままに再稼働を行わず、原発から速やかに撤退し「原発ゼロの日本」を目指す必要がある。
  よって、国におかれては、下記の事項を実現するよう強く要望する。
                                        記
1 除染廃棄物の仮置き場の期限と費用は国が全面的に責任を持ち、東京電力へ賠償を求 めること。
2 賠償の支払い方法の簡素化を図り、精神的苦痛や風評被害者への全面賠償を行うこと。
3 志賀原発など運転中止の原発については、福島原発事故の原因究明と今後の対策やま ともな規制機関なしの再稼働は行わないこと。
4 エネルギー政策を転換し「原発ゼロの日本」を目指すため、再生可能エネルギーの開 発、利用、普及を進めること。
  ここに、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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