お知らせ |日本共産党 金沢市議員団 |16ページ

お知らせ

6月15日の議会質問の質問と答弁全文です。

質問項目
①新型コロナウイルスワクチン接種について
②コロナ禍での市民のくらしについて
③東京オリンピック開催と本市の関連事業について
④金沢市パートナーシップ宣誓制度について
⑤有名店のまちなかからの撤退について

6月議会質問中の広田みよ

-広田議員

 質問の機会を得ましたので、日本共産党の市議団の一員として質問致します。

①新型コロナウイルスワクチン接種について

 まず、新型コロナウイルスワクチン接種について伺います。日本のコロナワクチンの接種回数は5月下旬時点で、人口当たり世界の国・地域で130位。東京五輪を目前に、世界からの遅れに焦る菅首相は、「高齢者接種を7月末完了」「1日100万回接種」など現場の実態を無視した目標を強制し、自治体や医療機関に負担と混乱を招いてきました。全国知事会が実施したアンケートでは、7月末完了の課題として、全都道府県が「医療従事者の不足」を挙げ、多くの自治体が「通常診療への支障」も懸念。さらに、「自治体のマンパワーの不足」についても半数以上が課題としました。本市でも対策本部や健康政策課など現場のみなさんを拝見するにつけ、大変な状況だと実感しています。現状の様子を教えてください。そして、充足を求めたいと思いますがいかがでしょうか。

-山野市長

 本市は1月8日、全国でも最も早く実施本部を立ち上げて準備を進めてきました。今おっしゃったように、計画が変更になることによって、その都度対応を余儀なくされました。職員は本当にがんばってくれました。今これもご指摘いただきましたように、これまでも充足をしてきましたけれども、64歳以下が始まりますとこれまで以上の多くの方の接種が広がってきますので、さらに人数も増やしていきながら充実をしていかなければならないというふうに思っています。予約のことにつきましても、医療機関であったり65歳以上の方にご迷惑もおかけいたしました。お詫びを申し上げたいと思いますし、いくつかご指摘もいただきましたので、64歳以下のときにはそのご指摘に対応することによって少しでもスムーズな対応に取り組んでいきたいと思います。

-広田議員

本市では、64歳以下のワクチン接種計画について、今月中にはあきらかにすると午前中も述べられております。しかしワクチンの供給量については、65歳以上のときも未定の中で計画が進んできたということがあります。この64歳以下のワクチンの供給量については見通しが立っているのか、教えてください。

-山野市長

 各方面に連絡を取りながら情報を収集しているところであります。ただ先般、菅総理が「全国11月までには終えたい」というふうにおっしゃられました。必要なワクチンは、私は供給されるものだというふうに考えています。引き続き、国・県と連絡を取り合いながら、少しでも早くにワクチンを確保して接種に努めてまいりたいと考えてます。

-広田議員

 11月までにという全体像ですけれども、64歳以下のワクチン供給量についてはまだ具体的に示されていないと思います。そしてこの間、ワクチンが供給されないのに計画を進めていることによって混乱や負担を招いているということがわかっていますので、ぜひ市長には国に忖度せず、焦って進めないように、求めておきたいと思います。ワクチンの供給と現場の状況をよく踏まえ、計画を練って進めて頂きたいと思いますがいかがでしょうか。

-山野市長

 現場、医師会や薬剤師会、また看護師のみなさんの声をきちんとお聞きをしながら、ワクチンの状況を確認しながら計画を進めていきたいと考えています。

-広田議員

 つぎに、高齢者接種について伺います。集団接種の予約が昨日14日で締め切られましたが、どのような申し込み状況なのかあきらかにしてください。当初は7,500としていた枠を、2,520の枠として用意されたわけですが、どのような状況に至っているのか教えてください。

-高柳福祉健康局長

 ご指摘がありました通り、昨日6月14日で市役所第二本庁舎等の3つの集団接種会場の予約受付を締め切っておりまして、2,404件の申し込みがございました。定員の合計であります2,520人を下回ってはおりますけれども、予約受付の際には接種の希望日もあわせて申し込んでいただいておりまして、接種日ごとの結果につきましては現在集計中でございます。

-広田議員

 お昼休みにLINEが届いておりましたけれども、今のところ全体の定員は満たすことはなかったけれども、希望にかなわなかった人がいるだろうということなのかと思いますが、LINEでももう情報が届いている通り、次の集団接種の予約枠など見通しは立っているのでしょうか。

-山野市長

 2,500人には行きませんでしたけれども、まだ情報に気付かない方もいらっしゃるかもしれません。LINEであったり様々な機会をとらまえてさらに情報をお伝えしていきたい。この議会で議論していることもその機会だと思いますけれども、そういうことをやっていきたい。今局長も申し上げましたけれども、人数は下回ってはいますけれども今から集計していく中で、同じ日・同じ時間帯に重なることも考えられますので、その場合は抽選をさせていただきたいと思っています。ただ抽選で当たった方はそれでいいんですが、外れた方には折り返しのハガキも入れてお送りをして、また希望の日を送り返していただくというかたちにすることによって、確実に接種をしていただけるように取り組んでいきたいと考えています。

-広田議員

 6月15日からの申し込み分があるということをちょっと確認したいのと、それはどのくらいの人数枠を予定しており、抽選で漏れた方がしっかり受けられる環境にあるのか、お願いします。

-高柳福祉健康局長

 昨日締め切りましたのは第1回の申し込みということで、実は日程的にはまだ予定を立てております。次の時期につきまして、今回予約に漏れた方についてはそちらをご案内して、ダメでしたという結果通知の中に申し込みの案内といいますか次の日程はここだということと、申し込み用のハガキも同封させていただいて再度の申し込みをしていただくということでございます。枠の方はずっと押さえてありますので、状況によってはまた引きつづき続けるということも考えております。とりあえず第1回の昨日で締め切った分については一旦これでかためてということにしているところでございます。

-広田議員

 5月下旬から高齢者の予約が始まり、いろんな混乱の中「ずっと取れない」という方がいて、この集団接種は最後の頼みの綱と言っても過言ではないほどみなさん求めていたものですので、ぜひ今回漏れても明日からの予約でしっかり取れるようにサポートも含めてお願いをしたいと思います。

※質問の前には、65歳以上の予約がまだとれていない方への「第2弾集団接種のご案内」が公表されていたのですが、答弁の中でそれを言って頂けず噛み合わない感じになってしまいました。

②コロナ禍での市民のくらし

 次に、コロナ禍での市民のくらしに関わって、特例貸付制度とあらたな給付制度について伺います。石川県労働力調査の令和2年度の平均値では、就業者数は613万3千人であり、前年度に比べ19万6千人の減少です。完全失業者数は13万8千人で前年度比2万2千人の増加、休業者数も15,800人で前年度比5,200人の増加です。1月から3月はやや改善しましたが、今年度に入り5・6月の石川緊急事態宣言等によって大きな影響がまた出ているのではないでしょうか。コロナで収入が途絶える、減少することで受けられる、社会福祉協議会の特例貸付制度は、昨年4月から今年5月までで緊急小口が4,335件、総合貸付の初回が3,646件に達したということです。お聞きしましたところ、20歳から50歳代の稼働年齢層がおよそ8割を占め、40歳代が最も多い状況です。そして、この3月の再支給申請が急増しているというものです。生活困窮者の現状と見通しについてあきらかにしてください。

-山野市長

 総合支援資金の再貸付のほか、緊急小口資金特例貸付や住居確保給付金の申請も増加傾向にあります。大変厳しい方が多いと思っています。感染症の影響により雇用経済情勢の改善が見られない場合はこの状況が続くと、大変懸念をしているところであります。

-広田議員

 市長がおっしゃったように、新型コロナウイルスの影響が長期化し、再支給を申請し、貸し付けの限度額に達している方も多くいます。その方々に対し、国があらたに給付制度を創設し、今議会でも追加上程されたところです。3か月で最大30万円の給付金とのことですが、受けられる条件は「特例貸付を上限まで借り終わっていること」や「求職活動をしている」など厳しいものです。まずは、貸付限度額に達している方、および、その中で制度の対象となる方がどれほどいらっしゃるのか、あきらかにしてください。

-高柳福祉健康局長

 総合支援資金特例貸付の再貸付を終了し、本年5月末までに貸付限度額に達した方は1,369人でありまして、申請期限である8月末までに限度額に達すると思われる方は458人、合わせて1,827人が限度額に達すると考えております。今回の新しい国の制度であります新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金の給付にあたりましては、議員がご指摘の通り収入や預貯金が基準額を下回っていることと、かつ求職活動を行うという要件が必要でございまして、対象となる方は900人くらいというふうに見込んでいるところでございます。

-広田議員

 貸付限度額に達していてもおよそ半分の方がこの制度を利用できないということになります。こういった、貸付は限度額に達しているのに給付制度を利用できない方々への対応が必要だと考えます。また、特例貸付を受けてからという厳しい条件があるわけですが、私の相談の中でもすでに民間やご親戚から借金もし、あらたに借りても返す見通しが立たないのでこうした貸付制度を利用できないと方がたくさんいらっしゃいます。これら、貸付も給付も受けられない方には、稼働年齢層であっても積極的に生活保護制度の利用を促すべきです。この間、コロナ禍での車の処分指導の留保などの特例があります。また、国から扶養調査について本人の意向を尊重する取扱いが示されました。本市ではこれらの取扱いをどのように活かし、生活保護を受けてもらうのか、教えてください。

-山野市長

 生活保護の申請におきましては、自動車の処分、親戚の扶養調査について個々の世帯の状況に即した柔軟な対応を行ってきているところでありまして、生活に本当に困窮されている方も増えてきている状況であります。そういう方たちが生活保護を受けられるよう、今後も丁寧な対応と支援に努めてまいります。

-広田議員

 ぜひとも柔軟な対応をお願いします。

③東京オリンピックの開催と本市のオリンピック関連事業事前について

 つぎに、コロナ禍での東京オリンピックの開催と本市の関連事業についてです。東京オリンピックの開催について、多くの専門家が、感染拡大や医療体制ひっ迫の危険を指摘しています。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長も「今の状況でやるというのは普通はない」と国会で答弁しました。にもかかわらず菅政権は警告を無視し、感染症専門家にリスク評価を諮問することもなく開催に突き進んでいます。一方、組織委員会は11日、観客や大会関係者など来訪者が1日最大約34万人となることを公表。大会を開催した場合、都内では新規感染者が開催しない場合より200人も増える試算も明らかにしました。これらの状況から圧倒的多数の世論は延期や中止を求めています。リスクが指摘されている今、国民の命を危うくしてオリンピック開催を強行することは許されません。いま我が国が総力をあげて取り組むべきは、感染拡大の防止徹底による医療崩壊の回避やワクチン接種の早期完了、さきほどもあきらかになった生活困窮者や経営不振に苦しむ事業者等への支援です。市長の見解はいかがでしょうか。

-山野市長

 後段おっしゃったコロナ対策、そして困った方への支援が最大の眼目だということは同じであります。ただ一方では、国・東京都・大会組織委員会等でのみなさんが様々なリスクヘッジをしながら準備をされていらっしゃるところであります。自治体としては開催の是非に言及するのではなく、これらの施策をしっかりと支えていきながら、市としてできうる限りの対応をとっていくことに尽きるんだと思っております。

-広田議員

 本市のオリンピック関連事業について伺います。様々な事業が用意されていますが大まかにまとめますと、事前合宿についてはフランスとロシアから8チームの外国人選手やスタッフ、総勢200名ほどを受け入れ、7月10日を皮切りに、それぞれ10日間ほど滞在されるということです。一部は白山市での合宿です。そして、ライブサイトについては、総合体育館で飲食を伴うイベントと聞いています。また、若手選手を東京に派遣してオリンピック選手と交流する事業や、競技後東京から戻ってきたオリンピック選手と市民との交流などがあります。これらの事業に関して、オリンピック関連推進事業室のみなさんも日々準備に取り組んでおられるかと思います。しかしその一方で、全国同様、本市でも緊張感の中、日々対応する医療機関やエッセンシャルワーカーの方々がいます。理解が得られるでしょうか。また、今回の合宿中になにかあれば、本市の保健所も対応を迫られ、医療については市立病院が担うと聞いています。本市の業務にも多大な影響が予想されます。

 そこで、感染対策について伺います。組織委員会や政府は、「開催地を大きな泡で包むように囲い、選手やコーチ・関係者を隔離。外部の人達と接触を遮断する」バブル方式を採用する、と言いますが、事前合宿やホストタウン事業は開催地の東京都内では完結しません。日本についてから、まず本市へ移動・滞在、その後東京へ行き、試合後は東京から戻ってきて交流し帰国する。しかも日本についてから公共交通は使わないとプレイブックにはありますが、国内航空は認められ、一般の空の便で小松空港までおいでるチームもあるとのことです。また、本市側で対応する職員や通訳の方々のワクチン接種は間に合わないと思われます。本当に政府のいうバブル方式が成立するのでしょうか。

-山野市長

 選手団は母国から出国する直前に発行された陰性証明の提出に加え、出国前14日間の体温測定と体調管理が義務づけられています。入国する際も抗原検査をされて、陰性でなければ日本への入国は認められないとお聞きしています。入国後ですが、本市職員が選手団に随行し、一般客と分離した動線を案内し、飛行機では一般客と2席以上離れた座席となり、バスはご指摘のように専用車両であります。市内におきましては宿泊施設と練習会場以外の行動は禁止とし、宿泊施設ではフロアを貸し切り、練習施設では占有利用とするなど、市民との接触は徹底して排除することとしています。以上のことから、事前合宿などの際の市内での感染リスクは極力抑えこまれると理解をしています。

-広田議員

 バスは貸し切りですけど、飛行機が2席空けるという対策であることがわかりました。
これらの考え方は、国のプレイブックや本市が作られた非公開の分厚いマニュアルに沿って行われるということはわかっています。しかし、国でも追及があるように、本市の現状を理解しているような感染の専門家のリスク評価やご助言・ご指導は受けているのか、それをあきらかにしてください。

-山野市長

 何度かご指摘いただいておりますプレイブックのほかに、各種競技団体が作成したガイドライン等を参考にしており、本市の個別的な状況につきましては金沢市保健所に相談をしながら作成しているところであります。

-広田議員

 保健所がこの大変な中関わっていらっしゃるということなんですね。
つぎに、尾身会長も感染リスクが高いとし中止が必要だとしている、ライブサイトや選手との交流事業、これはいろんな自治体がすでに中止の判断をしております。本市も早めのご決断をするように求めたいと思いますし、現時点で保健所から何か指導などがあるのか教えてください。

-山野市長

 他の自治体の動向も承知をしています。国も一定の方針をお示しになっていらっしゃいます。市内・県内・近隣県の感染状況に注視をしながら、慎重に検討をしていきたいというふうに思っています。その検討の過程の中で、当然、金沢市保健所だとか競技団体のみなさん、多くの方たちに相談をしながら判断しなければならないと思っています。

-広田議員

 早めの、保健所からの指導であるとか検討をお願いしたいと思います。最後に、苦渋の決断かとは思いますが、保健所とも相談をし、市民や選手の安全が確保されない、感染状況を悪化させる可能性が少しでもあれば、今後、中止の判断をくだすよう求めておきたいと思います。

④金沢市パートナーシップ宣誓制度について 

 次にいよいよ7月1日施行となる金沢市パートナーシップ宣誓制度について伺います。まずはLGBT法案について。これは、LGBTなど性的少数者への理解をすすめ差別をなくすため、当事者の後押しで、超党派の議員連盟が今国会で成立をめざしてきた法案です。明日で国会を閉じるとしていますが、今国会での成立を願いたいと思います。本市のパートナーシップ制度も、当事者のみなさんの声で進められてきました。パブリックコメントにも多数の前向きなご意見が寄せられたところですが、改善や発展を求める声もありました。その中で、情報開示の点で問題があります。基本方針の中で、パートナーシップ宣誓の書類やカードについて、「交付番号毎に交付日及び返還、紛失又は無効となった日を市ホームページに掲載し、その有効性をサービス提供者が随時確認可能とする」とあり、誰もが見られる状態が想定されます。しかし、これは重要な個人情報ですし、アウティングに繋がる可能性も否定できません。交付番号等の公表をやめるよう求めますがいかがでしょうか。

-山野市長

 宣誓したパートナーがサービスを受ける際、提供者が有効性を随時確認する必要があるため、紛失または無効となったものについてのみホームページに掲載することとしたいと考えています。

-広田議員

 当初は交付日から掲載するということでしたけれども、方針を変えられるということで確認ができました。ぜひ、躊躇なく多くの方が受けられるように求めておきたいと思います。

⑤有名店の街中からの撤退について

 さいごに、有名店のまちなかからの撤退について伺います。来月頭、大手有名雑貨店が片町きららから撤退し、駅前のフォーラスへ移転すると話題になっています。しかし、これはただの移転ではなく、市民の税金が費やされてきた経緯があり、検証が必要です。まず「片町きらら」は2015年に開業しました。単純なラブロの立替えではなく再開発によって、建設費54億に対し、34億円の税金が投入されました。そこへ、キーテナントとしてこの大手有名雑貨店とアパレル店が、本市から各々5,000万円の補助を受けてきました。核店舗誘致促進事業補助金という、片町きらら開業の前年度に創設された本市の制度です。その目的は「北陸新幹線の金沢開業にあたり、本市の都心軸線の拠点性をさらに高め、中心市街地の賑わいと魅力の向上を図るために、広域にわたる集客力と発信力を兼ね備えた核店舗の新設に要する経費に対する補助金」というものです。わたしは当時、議会で見直しを求めました。「この補助金は大手でなければ対象にならない。中心市街地の賑わいづくりというが、大手企業の本社は首都圏であり、そちらに儲けが吸い上げられるのではないか。大手なら自力で市場を拡げる資本があるのに、お金を出して誘致しなければ採算が合わないのか。補助金の期間5年が過ぎてからも末永く、金沢の発展のために残っていただけるのか。」というものです。結果、この2店舗は、補助金返還を求める期間5年をすぎ、きららとは更新をせず撤退となったそうです。市長、5,000万円もの補助金を受けた店舗が短期間で撤退しましたが、補助金の目的に照らして成果があったと言えるのでしょうか。

-山野市長

 本市の都心軸の拠点性を高めるということ、中心地の賑わい・魅力の向上を図ることを目的とした制度が、今ほどご指摘がありました制度であります。多くの来店者があり、中心市街地の集客・賑わいに貢献をいただいたものだというふうに思っています。きららとの再契約ができなかったことは大変残念なことではありますけれども、私は一定の効果はあったというふうに理解をしています。

-広田議員

 市長は最低限5年いればよかったと、それで賑わい創出・市に貢献したと、そういうふうに受け止めます。当時、片町きららは本市の目玉施策であり、そのキーテナントとして長らく活躍してほしいと期待したからこそ、市は多額の税金を投入したのだと私は考えます。2017年の経済環境常任委員会で「もし、あの大きなスペースが空いたら金沢の中心市街地にとって損失なので、税金である補助金を出した意味をしっかり業者に伝えてほしいが、どうか。」と私は尋ね、市は「当然、退店する場合には6カ月前なり1年前に施設管理者に意向を示すことになっているので、そうならないようまちなかの商店街とも情報共有しながらしっかりと取り組んでいきたい。」と答えています。今回、商店街や施設管理者との情報共有や、また、ひきとめるような活動は行われてきたのか伺います。

-山野市長

 民間の契約でありますので市が交渉の矢面に立つということはありませんが、運営会社からは引き続き営業を継続していただくようテナント側と何度も話し合いが持たれ交渉が行われたということをお聞きしているところであります。大変残念なことではありますけれども、最終的には企業の経営判断だというふうに思っています。

-広田議員

 駅前の都ホテルにはまだ何ら契約も結んでいないのに、市長自ら足を運ばれたと聞いています。一方で、5,000万円の補助金を出し、この大手有名店は直営店です。市長がしっかりと引き留めるということがあっても良かったのではないかというふうに思います。
 一方で、まちなか商店街の小規模事業者は、商店街の存続、従業員の生活を守るため、このコロナ禍でも必死でがんばっています。大手企業の撤退は、この実態と比較するとあまりにもむごい現実です。今回、コロナ禍だから仕方ないと捉える人もいるかもしれませんが、きらら開業前から、市内中心部は近隣都市や市郊外の大型ショッピングモール、駅前の商業施設におされ、厳しい中にありました。そして2017年にはイオン小松の開業、2019年には近隣ビルに競合相手とも言える大手雑貨店が開業、しかもその店舗にも本市は同じ補助金を出しています。そして、この7月には白山イオンの開業です。市長、今後も多額の補助金を税金から出し、大企業店舗誘致をまちなかに繰り返していくつもりでしょうか。あきらかにしてください。

-山野市長

 今お話しています店舗は、大変魅力的な品ぞろえをすることによって集客効果も期待できますし、中心市街地の賑わいにも大きく貢献していただきました。退店されるのは大変残念なことではありますけれども、市といたしましては引き続き商店街のみなさんと連携をしながら、まちなかの活性化に努めていきたいというふうに思っています。テナントの誘致ももちろん大切なことではありますけれでも、様々なソフト的な事業もまちなか商店街と協力することによって、ソフト的な視点からも活性化に寄与していくということもこれからしっかりしていきたいと考えています。

-広田議員

 わたしは、この店舗が出ていくとか出ていかないとかいう話だけではなく、県内や近隣都市の開業状況を見ながら、本当に今の金沢市のまちなかの補助金のありかた、商店街との連携の仕方がどうなのかというふうに思っています。大手のテナント誘致に頼る施策ではなく、地元の業者を応援すること、そして郊外の大型店舗の進出に対して市や県、一体で取り組むことが必要かと思いますがその点はいかがでしょうか。

-山野市長

 もちろん、キーテナントの誘致だけに取り組んでいるわけではありません。それぞれの店舗の、まさに広田議員がおっしゃるところの地元の店舗のみなさんが活動しやすい環境を作っていくためにも様々な施策に取り組んできているところであります。郊外の大型店舗のことについてもご指摘がありました。これまでにも県をはじめ関係機関の方にも強く働きかけをしてきているところであります。商工会議所の方でもこのことについて大変危機感をお持ちでして、市長室にお越しになるときに会長自らそのことについて問題提起もなされて、県の方でも問題提起をなされていらっしゃるということをお聞きをしています。引き続き商工会議所と連携をしながら、県ともこれはどうしても力をお借りしなければなりませんので、連携をしながら取り組んでいかなければいけないと思っています。

-広田議員

 以上で終わります。

熊野盛夫議員、玉野 道議員、相川副市長、森尾嘉昭議員、広田美代議員、大桑初枝議員

令和3年5月28日

金沢市長       山野 之義 様
金沢市公営企業管理者 平嶋 正実 様

本市ガス・発電事業譲渡へのスケジュールを再検討・見直しに関する

                要 請 書

本市ガス・発電事業譲渡方針をめぐって、去る4月30日本市は、決定された優先交渉権者と基本協定の締結を行ったところです。今後、新会社が設立され、本市は、これとの仮契約締結を経て、6月議会で譲渡のための関係条例の改定など議案を提出し、審議に付すことを予定しています。こうした中、新型コロナウイルス感染拡大が、県内市内で広がり、去る5月9日石川緊急事態宣言が発出され、5月12日から5月31日までをその期間としました。引き続き、14日、政府は、「まんえん防止等重点措置」の適用対象に石川県を追加、その期間を5月16日から6月13日とし、県内では、金沢市が適用地域となりました。また、石川緊急事態宣言も6月13日まで延長されました。

こうした状況下では、市民説明会の開催が困難となっています。(5回の開催予定で、2回実施)他方、優先交渉権者の有力企業である東邦ガスが4月13日公正取引委員会から独占禁止法違反の疑いで、立ち入り検査を受けました。ガス料金の価格について他の企業と協定を結んでいたとするもので、今後、公正取引委員会によりその解明が進められていきます。

2回の市民説明会でも市民から表明されたように100年間にわたって市営事業として運営されてきた本市ガスと発電事業を民間に売却する事について、十分な議論と慎重な対応を求める市民の声があることから、本市ガス・発電事業譲渡方針について市民的理解も道半ばであり、議会での議論も引き続き行われているところです。

こうした状況の下では、本市が打ち出した当初の両事業譲渡へのスケジュールは、再検討・見直しする事が適切な判断だと考えます。

よって、市長並びに、本市公営企業管理者がこうした点を十分踏まえ、適切な対応をしていただくよう申し入れます。

 なお、この要請書について、議員各位の賛同をいただくよう取り組んでおり、今回、5名の議員連名で提出いたします。

2021年2月18日の「政務活動費の調査を求める申入れ」に対し、金沢市議会議長より返答をいただきました。

5月9日に、「石川緊急事態宣言」が発出されたのを受け、5月10日、5人の議員で市長あてに申し入れを行いました。
この間、みなさんから寄せられたお声や現場の実態を反映しました。
対応した副市長からは、「本市としては現在、資料収集を行い対応を協議している」「いただいたご意見はしっかり受けとめ、できることをやっていく」というような回答でした。
引き続き、みなさんのお声を伝え、改善を求めていきます。

相川副市長に申入れを渡す森尾議員

以下、申し入れ中身です。

2021年5月10日

金沢市長 山野 之義 様

県独自の「石川緊急事態宣言」が発出された事を受け申し入れ (16回目の申し入れ)

金沢市議会議員
森尾 嘉昭
広田 美代
大桑 初枝
玉野  道
熊野 盛夫

 新型コロナウイルスによる感染拡大が全国をはじめ、県内、市内で急速に広がってきています。5月9日には、石川県独自の「緊急事態宣言」が発出され、実施期間が5月12日~5月31日までとし、飲食店や集客施設への時短要請、県有施設等の閉園、閉館、県主催のイベントの中止・延期が打ち出されました。今後の対策強化について以下の点について、申し入れます。                     

1 「石川緊急事態宣言」の発出を受け、本市の対策方針を明らかにし、直ちに、議会と市民に説明すること。本市の公共施設の閉鎖・時間短縮など市民生活に関する方針については、十分な説明と理解を求めること。

2 新型コロナウイルスのワクチン接種について(65歳以上の高齢者を対象に5月15日から接種開始が予定されています)、5月6日の予約開始以降、医療機関やコールセンターでは、問い合わせ、予約が殺到し、医療機関では通常診療に支障を来しています。

今後の対策として、

① 市として市民にわかりやすい情報提供を行うと共に、全庁あげて接種がスムーズにいくよう医療機関への支援、ワクチンの確保など万全の対策を行うこと。

② 予約するためのコールセンターの体制をさらに強化すること。

③ 予約アプリについて、高齢者、障がいのある方からは、使いこなせないなど苦情が寄せられています。誰もがわかりやすく使えるよう改善が求められます。

④ 接種会場について、市内の医療機関だけでなく、身近な場所での集団接種の拡大や、介護福祉施設通所者、在宅療養者などへの巡回接種も早急に検討すること。また、医療従事者へのワクチン接種が遅れています。県に対して、対策を申し入れること。

3 県が、県内の医療機関や福祉施設約760ヵ所の職員4万1600人を対象に5月中旬からPCR検査を始めることを明らかにしました。入院、入所者などにも対象を広げると共に、クラスター(感染者集団)発生を防ぐため、飲食店、スポーツ施設などにも実施すること。又、本市として、「幅広いPCR検査」の実施を検討すること。

4 変異株による感染拡大が広がっています。PCR検査において、変異株に対応するとしていますが、その結果など適切な情報提供を行うこと。

5 医療機関における感染者の受け入れ体制強化や支援体制の構築など医療体制強化に全力を挙げること。また、全ての医療・介護施設に対する財政的支援を実施すること。また。保育所での感染が発生しており、対策への支援を行うこと。

6 県独自の「非常事態宣言」に基づき、飲食店への営業時間を午後8時まで市とする協力要請が5月12日から31日まで行うとしています。次の点について、対応を求めます。

① 各種支援事業の実施をスムーズに行うと共に、市内全ての飲食業など事業所への支援を検討すること。市としての支援策を実施すること。

② 国に対して、持続化給付金の再度の実施等支援策の強化を求めること。               

以上

(クリックするとPDFが表示されます。)

2021年4月8日

金沢市長 山野 之義 様

コロナ感染拡大を防ぐための対策に関する申し入れ (15回目の申し入れ)

金沢市議会議員
森尾 嘉昭
広田 美代
大桑 初枝
玉野  道
熊野 盛夫

 全国で、新たなコロナ感染拡大が急速に広がっています。春を迎え、新しい年度が始まり、観光客の増加、入社や転勤、新入学など人の移動が始まっており、県内市内での感染拡大を防ぐ対策が求められています。以下の点について、申し入れます。

                     記

1 新型コロナウイルスのワクチン接種について、65歳以上の高齢者を対象とする接種(金沢市は高齢者施設から)は、その開始を4月19日の週としているとのことですが、接種券はいつ発行し、接種がいつから始まるのか。どこで接種できるのか。その効果と安全性についてなど市民にしっかりした情報提供を行い、安全の確保に万全を期すること。

  ※ワクチン接種について、発症を押さえる効果があるとの報告がある一方、感染予防効果は不明だとしています。又、ワクチン接種によって、免疫をつくる作用以外の副反応が起きることがあるとしています。変異株への効果についても、「一般論として、ウイルスは絶えず変異をおこしていくもので、小さな変異でワクチンの効果がなくなるというわけではありません」(厚生労働省)としています。

2 ワクチン接種に頼ることなく、無症状の感染者を早期に発見し、感染拡大を防止する対策が求められています。そのために、「幅広いPCR検査」の実施が必要です。中でも、高齢者施設、医療機関等の入院患者、入所者、医療介護従事者に対する定期的なPCR検査を実施すること。

3 変異株による感染拡大が指摘されおり、PCR検査において、国は変異株に対応する検査を40%まで引き上げるよう指示していますが、実施の拡大を図るよう体制を整えること。

4 全ての医療・介護施設に対する財政的支援を実施すること。なかでも、医療機関では、コロナ感染の影響が深刻になっている下で、さらに、ワクチン接種の実施が求められ、厳しい状況となっており、その支援策を早急に実施すること。

5 市民生活と営業の継続がきびしい状況となっており、次の点について、対応を求めます。

 ①各種支援事業の実施をスムーズに行うと共に、市内全ての飲食業など事業所への支援を検討すること。

②総合支援事業、緊急小口資金、住宅確保給付金について、6月末まで延長されたことから、その利用がスムーズに実施されるよう対応すること。

③生活保護に関する相談・申請にあたっては、ためらうことなく、申請が行われるよう対応を行うこと。

④所得の少ない子育て世帯に対し、子ども1人に5万円の給付金支給が決定されたことを受け、その実施を早急に行うこと。 6 新年度に入り、本市において、新しい体制がスタートしています。しっかりした引き継ぎを行うと共に、各部署の連携を強化し、市民の期待にこたえるよう市長はじめ幹部職員が一丸となって取り組むよう要請いたします。又、必要な対策と財政措置が求められる場合には、補正予算と緊急議会を開催するなど対策を行うことを求めます。  

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ただいま上程されました、議会議案第35号「看護師の日雇派遣を可能とする政令の中止を求める意見書」の提案理由説明を行います。

さる1月下旬、厚生労働大臣の諮問機関にあたる労働政策審議会の部会で、介護・障害福祉施設への看護師の日雇い派遣を認める労働者派遣法の政令改正案が了承されました。その理由として、介護施設等では、看護師の確保が困難な状況があり、「突発的な欠員」への対応として「日雇い派遣」に一定のニーズがあることなどを挙げています。しかし、15日の参議院審議では、厚労省の調査結果で介護福祉施設について「活用するつもりがない」が6~8割。看護師側も「働くつもりはない」が最多であることなど明らかとなりました。

そもそも、「日雇い派遣」は 2012 年の労働者派遣法の改正によって原則禁止とされました。その背景には、適正な雇用管理が行われず、労働災害が多発していたことや、低賃金で不安定な雇用の原因となっていたことなどが挙げられ、そうした問題を解消し、労働者を救済することを目的として法改正が行われたのです。

しかし、今回の解禁にあたって提案されている対応策は、派遣元による就業条件の明示と派遣先への労働者派遣法上求められている責務の履行といったことのみであり、これをもって過去にあった問題を解消するに足りるものとは到底言えません。ましてや、低賃金・不安定雇用の問題については一切の対応策は示されておらず、議論のすすめ方としておよそ適正とは言えません。

また、介護施設等で看護師の確保が困難となっているのは、過酷な労働環境と低廉な賃金が根本的な原因であり、「日雇い派遣」の解禁で対応することは根本原因を漫然と放置することに他なりません。

何より、利用者の個別性を尊重し、多職種によるチームケアを重視しなければならない介護の現場に短期雇用の派遣労働を導入することは、利用者や派遣される看護師、その他の職員に混乱と負担をもたらすことにもなりかねません。

昨今、介護・福祉現場の人材確保をめぐって、さまざまな形で対策が打ち出されていますが、いずれも、人材不足の根本的原因である労働環境と処遇改善から目を背けるもので、同時に労働者や利用者に一方的な負担を強いるものです。

よって、介護現場などの看護師の確保については、直接雇用が可能となるような労働環境や処遇改善こそ必要であり、看護師の日雇い派遣は解禁するべきではありません。

各議員みなさまのご賛同をお願いし、提案理由といたします。

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