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2023年2月16日
この間、みなさんと集めてきた「子どもの医療費助成の拡充を求める署名」を市長あてに提出しました。前回提出とあわせ、2740筆となりました。
金沢市は石川県内で唯一対象年齢が18歳になっておらず、窓口でも一部負担があります。
18歳まで対象拡大、窓口で完全無料化を求めてきました。
わたしは、日本共産党市議員団を代表し討論いたします。
ただいま上程されました議案11件のうち、議案第45号「特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正の1件について反対します。
これは、市長や市議会議員の給与の引き上げに関する条例です。
市職員の給与の引き上げに関しては賛成ですが、市民生活に鑑み、特別職については反対です。
つぎに、請願陳情についてです。
請願第15号「国に対し消費税インボイス制度の実施中止を求める意見書の提出を求める請願」は、金沢民主商工会から提出されたものです。
政府が来年10月から導入を狙うインボイス制度は、商品やサービスごとに消費税額と税率を記載した請求書をやりとりするものです。インボイスがないと買い手は納税額から仕入れで払った消費税を差し引けなくなります。売上高1000万円以下の免税業者も取引先からインボイスを発行できる課税業者になるよう迫られかねません。免税業者は課税業者にならなければ取引を断られるおそれがあり、課税業者になれば納税と課税事務の重い負担がのしかかります。
建設業界のひとり親方、居酒屋、個人タクシー、文房具店、フリーランスなどさまざまな分野の免税事業者に影響しますが、中でも、日本がほこるアニメや声優、演劇、漫画の業界を支える個人事業主・フリーランスの人たちの多くも免税事業者であり、インボイスが実施されたら「廃業」「廃業を検討」と答えた人が2~3割というアンケート結果もあります。インボイス制度は、こうした文化や芸術分野でフリーランスとして働く人たちをも標的に、容赦なく総額2480億円の消費税を搾り取り廃業に追い込む危険のある制度なのです。
政府・与党は各業界団体からの反対の声を受け、インボイス制度の導入に、経過措置を検討しています。しかし、検討されている経過措置は免税業者から転換した課税業者の納税額軽減や、少額取引ならインボイスを不要とすることなどです。しかし、いずれも期間限定です。
インボイス制度の中止を求める税理士の会は、この二つの「激変緩和措置」は、一時的に納税額を減らして免税事業者を課税事業者に誘導しようとする手段で、消費税の仕組みをいたずらに複雑にして「中小事業者にとって根本的な解決策にほど遠いものであり断固反対」だと指摘しています。
現役世代、そして未来の働き手が安心して仕事と生活を維持するため、『緩和』ではなく、インボイス制度の実施中止が必要です。よって、この請願に賛成です。
請願第16号「小中学校の給食費の無償化を求める請願書」は新日本婦人の会金沢支部から提出されたものです。
長引くコロナ禍と深刻な物価高騰が暮らしを直撃しています。とくに、低所得世帯やひとり親世帯、子育て世帯に重くのしかかっています。
その中で、学校給食費は、保護者が負担するさまざまな費用の中で最も重い負担となっています。今年度、本市の給食費は、小学校・年間およそ50,000円、中学校・年間およそ58600円です。
本市が2018年度に行った「子どもの生活実態調査」では、毎月の収支について、保護者全体でも約28%が赤字と答え、さらに、どの年齢の子の保護者でも、「今必要とすること」について「教育にかかる負担の軽減」が断トツで選ばれています。
生活困窮世帯やひとり親世帯はさらに、その割合が増えるわけですが、子育て世帯全体の大変さが滲み出る調査結果です。
政府は少子化対策を言いながらも、若い世代に長時間労働・サービス残業など過酷な労働を強いることで子育てに困難をもたらしています。正社員を非正規雇用に置き換え、若い世代の雇用を不安定にし低賃金に抑え込んだことは、子育ての基盤を掘り崩しています。子どもを産んだ方々の自己責任とは到底言えません。そして、そのしわ寄せが子どもの学ぶ権利に大きな影響を及ぼし、貧困の連鎖につながるのです。
子どもの学びを保障するため、全国で12月初旬時点で小・中学校とも給食費が無償の自治体は254にのぼり、小学校のみは6、中学校のみは11でした。
中核市では、2020年4月に中核市初となる中学校給食無償化が明石市ではじまり、今年度は人口27万人の中核市である青森市がこの10月から、小中学校両方とも無償化が始まりました。市川市は来年度から実施の予定です。さらに、今週12日は水戸市が中学校の無償化を来年度から行うと発表するなど、中核市でも無償化の動きが広がっています。
本来、義務教育は無償であり学校給食もその一環として無償であることが必要です。
よって、子どもの学ぶ権利を保障するために、本市が小中学校の給食費の無償化を行うべきと考え、この請願に賛成です。
陳情第21号「金沢市におけるコミュニティバスの導入促進に関する陳情書」は、金沢市にコミュニティバスを走らせる会から提出されました。
住民の主要な地域交通である路線バスについては、運転手不足やコロナ禍の乗客減による経営難などで、廃止・減便が立て続けに行われています。この7月からは本市5地域でJRバスの路線見直しの影響を受け、住民のみなさんも大変お困りです。
本市には地域運営交通費補助制度もありますが、住民負担も多く、利用が進んでいません。
抜本的な公共交通への国を主体とした支援が必要なのは言うまでもありませんが、住民がどこに住んでいても安心してくらすことができる。その責任は金沢市にもあります。
多くの市民のみなさんから求められている、ふらっとバスのような、地域の負担がなく、金沢市が主体となって走らせるコミュニティバスを交通不便地域はじめ各地域に導入する必要があると考えます。
よって、この陳情に賛成です。
陳情第20号「政務活動費の条例改正についての陳情」は市民オンブズマン石川から提出されたもので、
政務活動費の透明化をはかるうえで、検討を要すると判断し賛成します。
これらの請願・陳情は所管の委員会でいずれも不採択となり、その決定に反対するものです。
以上で討論を終わります。
議会議案第20号「マイナンバーカード取得義務化につながる健康保険証廃止の撤回を求める意見書」について、提案理由説明を行います。
今年10月中旬、河野デジタル大臣が「マイナンバーカードと健康保険証の一体化」を前倒しするため、2024年度秋に現在の健康保険証の廃止を目指すと表明しました。
これまでの政府方針とは異なる「一律廃止」に市民も現場も混乱しています。
その理由は、まず、マイナンバー法ではカードの取得は任意とされ強制されるべきものではないにもかかわらず、健康保険証を廃止とすればカードを持たないと医療機関にかかることができなくなる。つまり取得が強制され、法律と矛盾が起きるのです。
さらに、この制度変更によって、大きな困難に直面する人々がいます。
それは、要介護者、長期入院者などです。こうした人々にとって、マイナンバーカードを取得するのは簡単なことではありません。
まず写真を撮る必要がありますが、在宅で寝たきりの方がこれを行えるでしょうか。
写真を撮ったあとは、申請のために市役所に出向く必要があります。出向くこと自体も大変ですが、パスワードを考え入力をする必要があります。
しかも、それだけでは終わらず、電子証明書の期限は5年なので、5年ごとに市役所窓口に出向く必要があります。そして10年に1回は、写真を取り替える必要があるのです。
「申請は代理人でもできる」と言われるかもしれませんが、身寄りのない人は、代理人もいません。そのため、行政では介護福祉関係の職員にも支援を求めているようですが、本来の
業務ではありませんし、忙しい現場でできるはずがないとお声があります。
現在は、何もしなくても健康保険証が届きますが、マイナンバーカードとなると、こうした過酷な行程が必要になるのです。
さらに、この超高齢化社会においては、たとえマイナンバーカードを取得できても、利活用より不安のほうが大きい状況です。たとえば、マイナポイントの取得ですが、これは原則本人が行うものとされています。なぜなら、マイナンバーカードは第3者に安易に見せてはいけませんし、暗証番号なども必要だからです。しかし、高齢者をはじめできない方が多いため、あらたに予算をかけて臨時窓口が開設されています。マイナポイントをためることができない段階の方が、マイナポータルやマイナ保険証の利用は可能だという制度設計なのでしょうか。
さらに、健康保険証の枠内で、やるべきことは山ほどあります。
政府は、異なる医療機関間の診療・薬剤情報の共有化がなされれば、「より良い医療が可能」になるとしています。しかし、この情報の共有化はオンライン資格確認のシステムを使っているのであって、マイナンバーカードなしに行なうことも技術的には可能なのではないでしょうか。そして、たとえカルテを見ることができても2か月前の情報であり、使えない場合も多々あります。
医療現場からも多くの反対の声があがっています。マインナンバーカードのシステムに切り替えれば、専用機材の購入やスタッフの配置、セキュリティの管理など、このコロナ禍でさらなる負担がかかり、パソコンなど不慣れな事業所では廃業するしかないというお声もあり、地域の身近な医療に重大な影響を及ぼします。
さらに昨今、医療機関でのサイバー攻撃などセキュリティ上の問題が起きており、今後マイナンバーとの連携を本格化することに支障はないのでしょうか。
個人情報保護委員会の年次報告でも21年度までの5年間で5万6千人のマイナンバー情報が紛失し、不正アクセスの被害もあったとのことです。
これらのことから、さまざまな団体から反対の声があがっており、石川県の開業医などで構成する石川県保険医協会からは、「保険証廃止とオンライン資格確認体制整備の義務化の撤回を求める」声明が出されました。
マイナンバーカード交付が進まない根底にあるのは、政府に対する国民の不信感です。アジャイル型で、最終目標も示さないまま、預金も成績も連携しようかと言ってみて、国民の批判があれば、いったん取り下げ、無難なところからはじめている。個人情報の一元化や紐づけはしませんと言いながら、もともとこの制度の発端は経団連からの共通番号制の導入です。個人の負担と給付を国が一元化して比較することができるように、それを根拠に社会保障を削減できるように、そんな提案がされてきたのです。国民にとっては、どこまでなにを連携し、なにがしたいのか将来設計も示されず、2万円のアメと保険証の廃止というムチ、自治体にとっては交付金をもらう基準にまでされ、自治体間の競争があおられ続けています。そのようななんでもアリのやり方に国民は不安と疑問だらけです。
それが解決されないかぎり、マイナンバーカードの保有者がいくら増えても、本当に便利なシステムを構築することは不可能ではないでしょうか。 改めて、健康保険証廃止の撤回を求めるこの意見書に対し、みなさまのご賛同を求め提案理由の説明といたします。
私は、日本共産党市議員団を代表いたしまして、ただいま上程されました議会議案第19号コロナ危機と物価高騰に見合う水準に生活保護の引き上げを求める意見書について提案理由を述べます。
生活保護は、憲法25条で明記された健康で文化的な最低限度の生活を送る権利に基づいた制度です。
しかし、急激な物価高が国民の暮らしを直撃し、所得の低い人ほど深刻な影響を受けています。とりわけ生活保護を利用する人たちは2013年からの保護基準引き下げなどによって、苦しい生活を強いられています。止まらない物価高騰に生活保護利用者は「これ以上どこを節約したらいいのか」と悲鳴を上げています。
物価高騰以前から生活保護利用者は、2013年に安倍晋三政権が同年から2015年までに段階的に強行された保護基準の引き下げによって苦しめられてきました。これは食費や光熱水費にあてられる生活扶助基準を平均6・5%、最大で10%引き下げ、利用世帯の96%に影響が及ぶ大規模な削減でした。
しかし、基準引き下げについては、政府決定を違法とする司法判断が相次いでいます。
10月19日、横浜地裁は基準引き下げ決定を違法とし、減額取り消しを命じる判決を言い渡しました。判決は、客観的な統計を見れば引き下げに根拠はなく、専門家の検討も経ていないと批判しました。これまでの判決と合わせ4件で、減額を違法と断罪したことになります。国は誤りを認め、生活扶助、住宅扶助や、冬季加算、などの生活保護基準を元の水準に回復することが不可欠です。激しい物価高騰が続いた1973年~1974年には、生活保護基準引き上げなどの特別措置は6回行われています。当時の政府内には「被保護者に対して安心して年を越せるようにする」などの議論があったとされます。
この間に廃止された老齢加算の復活、夏季加算の新設などを検討することも重要です。
生活と権利を守るために生活保護の申請をためらわせる要因になっている親族などへの扶養照会は廃止が必要です。また、生活保護利用者の大学・専門学校への進学を認め学ぶ権利を保障すること。社会福祉などケースワーカーの増員や職員研修などを行い、憲法25条にのっとった運用を促進することをつよく要望します。
議員各位の賛同を求め、意見書の提案理由説明を終わります。
陳情第23号 金沢市が浅野町校下にある世界平和統一家庭連合金沢家庭教会と交わした本市公園等里親事業による合意書の解除を求める陳情書は、佐藤清・陳情人から提出されたものです。。
この陳情書の中で、述べられているように世界平和統一家庭連合・旧統一教会は、霊感商法、高額献金、集団結婚式、さらに、信者二世や、信者間の養子縁組などによる被害など社会的問題を引き起こしてきた反社会的集団です。
政府は、この旧統一教会に対して、宗教法人法に基づく解散命令請求を視野に、質問権の行使を行っています。
行政が社会的奉仕活動をもって、この旧統一教会の活動を容認することは、この団体があたかも社会的に認められ問題のない団体であるという言わば「お墨付き」与え、さらなる被害拡大につながるものです。
本市公園等里親事業実施要綱の第5条には、合意の解除を明記し、市長の判断で合意の解除ができるとしています。 よって、本市がこの団体と交わした本市公園里親事業による合意書の解除を求めるこの陳情に賛成です。
私は認定第1号令和3年度金沢市歳入歳出決算認定について、認定できない事を表明し、その主な理由をのべ討論いたします。
令和3年度は、新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」が猛威を振るい、観光、飲食産業をはじめ、多様な職種で休業や、時短などが余儀なくされ、市民生活に大きな影響をもたらしました。
また、コロナ禍に加え、急激な物価上昇も、多くの市民の生活を、直撃しました。
今回上程された令和3年度の決算は、一般会計及び10の特別会計を合わせた総計決算額では、歳入が3210億9千万円で歳出が3115億7500万円、新年度に繰り越すべき財源39億9300万円を控除した実質収支は、55億2200万円の黒字となっています。
決算に反対する第一の理由は不用不急の大型公共事業を推進しようとしている事です。
金沢港建設事業では、大手企業であるコマツの工場を誘致するとして大浜岸壁では大水深岸壁の事業が進められてきました。また、クルーズ船誘致のためとして無量寺岸壁改良事業と施設整備などの事業が行われ令和3年度決算では、6億2200万円余が投入されています。しかし、新型コロナウイルスの感染は終息が見通せず、クルーズ船誘致は困難な状況が続いています。このような巨額の税金投入は即刻やめるべきです。
城北市民運動公園整備事業では、市民サッカー場の再整備の周辺実施設計等で9億5721万円が含まれています。
このサッカー場は、現在地で改築予定だったにもかかわらず、公園敷地内にあるジュニアスポーツコートとクライフコートの敷地に移転するものです。、当初事業費が75億円だったものが80億円に増額となり、さらにジュニアスポーツコートとクライフコートなどの移転新築を含めると総額100億円規模となろうとしています。コロナ禍のもと市民生活の状況から考えても、巨額の費用を投じてのサッカー場の整備事業は再検討すべきです。
学校給食の共同調理場にかかわる点です。
新共同調理場建設事業費として市内泉本町地内に8000食の新共同調理場建設事業として、基本設計費1441万円が決算に含まれています。今後、新たな学校給食調理場整備計画に基づき、泉本町地内のほか駅西・臨海に11000食と大規模共同調理場を新たに建設し、4つある単独調理場をなくし、鞍月共同調理場と8つある学校併設の調理場を廃止するとしています。大規模化して業務の効率化を優先するのではなく、本市がほこる食の教育、地産地消、直接雇用、災害からのリスクを減らすなど、子どもたちにあたたかく、おいしい学校給食を提供する責任や地域経済にとってよりよい給食にするため、単独方式こそ増やすべきです。
反対する第二の理由は災害級とも言えるコロナ禍の緊急事態に一番対策が求められる社会的弱者や地域経済の要である市内の中小業者への支援策が十分実施されなかったという事です。
コロナ禍で立ちいかなくなった中小業者、市民の方は生活の為に、社会福祉協議会が実施した特例貸付事業や、住居確保給付金事業などを頼りにしました。住居確保給付金事業は、昨年より大幅に減りましたが2283件と依然家賃の支払いも、困難な状況は続いています。度重なる新型コロナウイルスの影響で経営難に直面している事業者に対し持続化給付金や家賃支援給付金など、今回限りの支援ではなく、本市独自の直接支援もさらに強化し、事業と雇用が継続できるよう施策の転換が求められます。
医療機関や介護事業所でも新型コロナウイルス感染拡大で深刻な影響を受けました。こうした状況下にあって、受診抑制、事業の縮小、休止などにより、大きな減収が生じました。医療機関、事業所などからは、減収による補填の実施を求める声が上がっています。医療や介護水準を低下させないためにも財政支援、従事者への待遇の抜本的改善、検査体制の拡大、拡充が求められます。
本市の新型コロナウイルス感染症が広がる中で、対策の最前線に立ってきた保健所の体制強化が求められてきました。もともと保健師の定数が少ないことから、相次ぐクラスター発生に医療や保健所の現場がひっ迫する状態が続き、感染への市民の不安が広がりました。わが党は、保健所の体制強化、医療や介護施設への補填、PCR検査を広く定期的に実施することなど具体的な提案を行ってきました。その具現化として、正規保健師や会計年度職員、合わせて5名の保健所職員の増員が行われましたが、抜本的な改善こそ必要です。
市営住宅についても触れておきます。
市営住宅の修繕が遅れ、空き部屋解消が進んでいません。保証人要件の廃止や、給湯器、風呂釜の設置などの改善が必要です。また、若年世帯の入居要望に応えるためにも、入居条件の緩和や、給湯器、浴槽の設置をスピード感もって進めるべきです。
個人番号カード、いわゆるマイナンバーカードの交付事業の推進に反対です。制度開始から令和3年度までの8年間のマイナンバーシステム整備費とマイナンバーカード交付事務事業費の累計は9億2千万円に上ります。この事業の狙いは、政府が国民一人一人に生涯変わらない番号を付けて資産、医療、教育などの個人情報を一元化して、連携・活用しようとするものです。これ自体、プライバシー権侵害の危険を持つ重大な問題です。
政府は22年度末までにすべての国民にマイナンバーカードを行き渡らせることを目標とし、健康保険利用、マイナポイントなど、国民がカードを使わざるを得ない状況を作り出しています。こうしたなか政府は、新設されたデジタル庁に旗を振らせてさらなるデジタル化を推進しようとしていますが、高齢者や障害のある方々など、デジタルに対応できない住民が置き去りにされるのではないか、個人データが企業間での取引の対象とならないのか、個人情報がどこまで守れるのか、などといった問題が指摘されています。今後、市民の目線に立ち、しっかりした検討が求められます。
次に介護保険特別会計決算認定について反対です。令和3年度は、保険料が据え置かれたものの基本月額6590円は、介護保険制度が始まった当初に比べて2倍となっています。基金を投入したものの結果として、6億9198万円の黒字になり、介護給付費準備基金へ4億9320万円余を積み立てています。基金の残高は29億一千万円に膨れ上がっています。高すぎる保険料の引き下げを求める声は切実です。こうした声にこたえる立場からも反対です。
令和3年度金沢市国民健康保険特別会計決算認定について反対です。
令和3年度末の国保財政調整基金は31億1,885万円となっています。国保の加入者は、非正規や年金生活者などの低所得者が約8割を占めている実態からも基金を使い、国保料の引き下げを決断すべきです。
高過ぎる国保料の原因となっている均等割の廃止を国に要請するとともに、 本市独自に未就学児の均等割りの全額減免を実施することを決断すべきです。また、国保料が高過ぎて、払いたくても払えず滞納した人に対する資格証明書の発行は609件で、短期保険証の発行は1,907件でした。これは医療にかかる機会を奪うもので、病気の重症化、命を失うことにもなりかねません。資格証明書、短期保険証の発行はやめるべきです。
私は、日本共産党市議員団を代表して、認定第2号令和3年度金沢市公営企業特別会計決算認定について、認定できないことを表明し、その主な理由について以下述べます。
第一は、本市ガス事業・発電事業についてです。この二つの事業は、令和4年4月1日をもって、金沢エナジー(株)へ売却されました。従って、この二つの会計決算は、これが最後となります。決算から見てもこの二つの事業を売却する必要は見当たりません。
ガス事業です。
令和3年度ガス事業の黒字額は、10億2900万円となり、11年連続の黒字が計上されました、従って、累積欠損金は、約120億円まで増加しましたが、令和3年度決算では、27億円まで減少となりました。
発電事業です。
令和3年度発電事業の黒字額は、3億6900万円となりました。この間、毎年の黒字で、累積欠損金はゼロ、今年度末の未処分利益剰余金は、8億9400万円にのぼりました。
5つの発電所によって生み出された電力は、一般家庭の4万戸分に相当し、これを北陸電力に売電してきました。その電力料収益は、令和3年度決算で11億9043万円となりました。
発電事業は、水力発電によるクリーなエネルギーとして本市が誇るべき事業であり、ガス事業と共に100年間にわたって、運営されてきた市民の財産であります。二つの事業は、この10年来、黒字経営となっていることからしても、民間に売却する理由は見当たりません。
本市企業局は、2016年、今後10年間の経営戦略方針の中で、ガス、発電など5つの市営事業を継続していくことを打ち出しながら、市民と議会との約束を破り、強引にガス事業・発電事業譲渡方針へと突き進んできました。その譲渡方針をめぐって、この間市民からも議会からも数々の問題が指摘されてきました。
今回、決算審査の中で、問題が指摘されたのは、本市ガス事業・発電事業譲渡に係わって、本市が、北陸電力との電力受給契約の途中解約についてです。
令和3年度内に覚え書きを交わし、令和4年度に入った4月28日本市は、北陸電力に解約補償金として12億3720万円を支払いました。
この解約補償金について、本市は、国のガイドラインに基づいて行ったと説明してきました。しかし、国のガイドラインは、あくまでも、発電事業を継続運営することを前提とし、発電事業による電力の売電契約について、随意契約から一般競争入札に切り替えるよう促したのが、このガイドラインです。したがって、本市の発電事業譲渡の場合は、適用するものではありません。しかも、今回の補償について、国のガイドラインに基づいて行うことは、国の了解を得ていると述べてきましたが、そうした事実は、ありませんでした。
本市企業局が、北陸電力に解約補償金として12億3720万円を支払った説明と根拠はことごとく崩れ去りました。
では、どのような話し合いが行われたのか。説明が求められました。ところが、北陸電力との話し合いについて、記録も報告書もないとしてきました。これは、重大な問題であり、市民と議会に対する背信行為とも言えるもので許されることではありません。文書作成が明記されいる本市公文書等の管理に関する条例に違反していることが取り上げられました。しかし、本市企業局はあくまでも、問題は無いとの見解を押し通しました。
話し合いの記録も、報告書もないというのは、市民と議会に対しての説明責任を放棄するもので、許されることではありません。この解約補償金の支払いの正当性がないことが明白となったものです。
前代未聞の対応を厳しく批判すると共に、公営企業管理者の責任が問われていることを指摘しておきます。
第二に、水道事業は、令和3年度決算で、7億9600万円余の黒字となりました。県水の契約水量や責任水量制が引き下げられたことによるものです。本来、水道料金の引き下げを実施し、市民に還元すべきであり、引き続き、県水受水契約の見直しに向けてとり組むよう求めておきます。
本市水道事業は、自己水に比べ4倍も高い県水を契約水量の6割を受け入れる責任水量制によって受け入れる一方、安くておいしい自己水を配水能力の3割しか使っていません。膨大な県水を受け入れる現状を改め、安くておいしい自己水を基本とする水道行政に切り替えれば大幅に水道料金を引き下げることは可能です。
第三に、工業用水道事業についてです。
先端産業を立地するとして造成された工業用地・金沢テクノパークは、平成4年着工・造成が始まって、30年が経過しています。現在、用地の2割にあたる3区画・6.1haが立地されないままとなっています。これは、東京ドーム1.3個に相当します。
参入した企業への工業用水道事業は、実質3社が利用していますが、毎年赤字。その赤字を一般会計で補填し続けています。令和3年度決算では、3186万円に上っています。
市政の失敗ともいうべき事業に対して、市民の税金をもって補填し続けることは許されることではありません。このことを述べ、討論とします。