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-森尾議員
 私は、日本共産党市議員団として、議案第37号 令和5年度金沢市一般会計補正予算(第4号)について、質疑いたします。
 国は新たな経済対策として、所得税と住民税の定額減税を打ち出ました。減税による還元を受けられない方に対して、住民税非課税世帯に対して、1世帯7万円の給付を行うとして、一昨日、国の補正予算が成立しました。この補正予算13兆円のうち、「物価高から国民生活を守る」項目は、2兆7千億円で2割に過ぎません。税金の無駄遣いが多数指摘されました。物価高騰の中で、国民生活を守るものとは程遠い内容となっています。この経済対策は、現段階では一回限りで、税収が増えた分を還元するとの説明に国民は怒りすら表明するに至りました。世論調査では「評価しない」人が7割近くに上っています。今回、7万円の給付について、国の方針に基づき、金沢市一般会計補正予算が計上されました。この住民税非課税世帯緊急支援給付金事業費の趣旨について伺います。

-村山市長
 今回お諮りしている住民税非課税世帯緊急支援給付金につきましては、国の総合経済対策を受け、物価高に最も切実に苦しんでいる低所得者を支援するため、今年6月以降に支給した1世帯あたり3万円の支援を拡大し、1世帯当たり7万円を追加することで、住民税非課税世帯1世帯当たり10万円を支給するものであります。あわせて、できるかぎり早期に支給するため、通常の補正予算とは別建てで提案をさせていただきました。

-森尾議員
 国は新たな経済対策として、所得税3万円と住民税1万円を合わせて1人あたり4万円の減税を打ち出しました。過去2年間の税収が増えた分を還元するという説明です。対象は9千万人です。一方、減税による還元を受けられない方については、1世帯あたり7万円を給付するというものです。対象は1500万世帯です。なぜ、地方自治体が7万円の給付を行うのか。伺います。

-村山市長
 今般、国が総合経済対策に盛り込んだ低所得世帯への支援、それを迅速に行うためには、住民と密接にかかわる基礎自治体である市町村が行うことが必要ということで、本市としてもそれに呼応したものでございます。

-森尾議員
 この政府の経済対策、その柱となる所得税と住民税の減税というのは来年6月の実施です。払う税金を減らすというもので、果たして効果が得られるのかとの指摘があります。一方、7万円は給付となっています。減税と給付という異なる対策が果たして、急激な物価高騰から国民生活を守るという経済対策として有効なものなのか。疑問が広がっています。国民が求める物価対策について、多くが消費税減税の実施を望んでいます。今回の補正予算の中での住民税非課税世帯緊急支援給付金事業費の実施にあたって、市民へどのように説明されるのか。伺います。

-村山市長
 物価高に最も切実に苦しんでいる低所得者に迅速に支援を届けることが必要であると考えております。そのため今回、本補正予算をお諮りしたところであります。なお、国の方では今般の総合経済対策において令和6年度の税制改正による定額減税も盛り込んでおりまして、今後詳細が明らかになると考えております。市民生活や地域経済の安定に向けて、本市として対応が必要なことがあればしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。

-森尾議員 
 今回の支給対象は約5万3千世帯で、市内21万世帯の25%です。所得税と住民税の定額減税が実施されたとしても、恩恵を受けられない方が全国で1000万人にのぼると指摘されています。では、今回の世帯への対策以外に、国から示された施策があるなら示していただきたいと思います。

-村山市長
 国において、定額減税と住民税非課税世帯への支援の間にある方々に対しては、物価高騰対策のための重点支援地方交付金などによる対応を令和6年度税制改正とあわせて年内にも固めるとしておりますので、まずはその動向を注視してまいりたいと考えております。

-森尾議員
 今回の1世帯7万円の給付について、その支給方法と支給時期について、明らかにしていただきたいと思います。

-山口福祉健康局長
 今回の補正予算をお認めいただいた後に、まずは今年6月以降に支給した住民税非課税世帯等緊急支援給付金の対象世帯のうち、令和5年度の非課税で世帯構成に変更のない世帯に対しまして、今月の下旬から申請の要らないプッシュ型で支給することとしたいと考えております。なお、前回の給付金支給以降に世帯構成に変更があった場合であったり市外から転入してきた世帯等に対しましては、来月の中旬以降、順次確認書を発送し、その返送受付後に支給をする予定でございます。

-森尾議員
 これまでも、給付にあたって現場では様々な問題が発生し、第一線の職場での現状が大変な課題を抱えるという事態に直面しました。今回の給付にあたってはどのような体制と対策を講ずるのか。伺います。

-山口福祉健康局長
 今回の緊急支援給付金の支給対象世帯も5万世帯を超えると見込んでおります。前回の給付金のときと同様に、福祉健康局以外の職員も含めた専任職員、これらによる実施本部を設置いたしまして、支給の事務を行っていきたいというふうに考えております。また、コールセンターを設置いたしまして市民からの問い合わせ等にも丁寧に対応していきたいというふうに考えております。

-森尾議員
 最後に市長に伺います。今回の給付にあたって、市役所も含めて万全の体制をもって実施する必要があるかと思います。改めて、今回の施策の実施にあたっての見解を伺っておきたいと思います。

-村山市長
 今般の低所得世帯に対する7万円の支給に対しましては、市としても体制を速やかに整え、そして年内でのプッシュ型支給に向けて全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。

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9月議会最終討論

私は、日本共産党市議員団を代表して、今議会に提出されました議案および、請願、陳情についての討論を行います。
議案については全部で17件ありますが、そのうち議案第23号から26号、議案第28号および議案第29号の6件に反対です。

その主な理由です。
まず、議案第23号から26号、議案第28号については、金沢市南部共同調理場の新築工事に関わる費用です。
あらたな南部共同調理場は、市内泉本町地内で8000食規模の共同調理場として整備され令和7年8月に完成予定としています。事業費は土地代も入れ総額56億7千万円にのぼりました。
開設されますと、3400食の鞍月共同調理場、2000食の扇台共同調理場、そして4か所残っていた単独校調理場が吸収され、金沢市の学校給食はすべて共同調理場となります。

さらに今後の計画では、駅西・臨海地区に1万1千食の大規模共同調理場を新たに建設し、これにより8つある学校併設の小中規模の調理場を廃止するとしています。単独校調理場がなく、巨大な共同調理場ばかりの自治体は全国でもまれとなります。

食育や労働環境、地産地消、災害時の対応など、単独校調理場を増やすことがのぞましいと考え、これらの議案については反対です。

次に、議案第29号は、金沢スタジアムの指定管理者を金沢スタジアム共同事業体に指定するという議案です。指定管理料は今年度は半年で4700万円計上され、来年はおよそ2倍になるとのことです。

わが会派は、金沢スタジアムへの移転再整備にはかねてから問題点を指摘してきました。
まず、もともとこの計画は、現在の市民サッカー場を1万席に現地で改修すると打ち出されていたものが、Jリーグ基準にあわないとのことで議会に報告もなく、改修ではなく移転再整備にとスポーツ推進審議会での承認を得た経過があります。
現在の市民サッカー場は2040年まで使えた施設であり、市民のための施設でした。それが、移転再整備により、ツエーゲン金沢のホームスタジアムとなり、年間30日ほどしか一般利用できない施設になります。ジュニア用サッカーコートも解体移転となり、4年間ほど使えないことが判明しました。
さらに、金沢スタジアムだけで82億4千万円に事業費は膨れあがり、南駐車場建設費や周辺整備費、現在の市民サッカー場とジュニア用コートの移転・新築費用で総事業費はおよそ120億円に膨らもうとしています。コロナ禍、物価高騰で大変なときに、およそ市民のための整備とは言えず、理解も得られていません。

そして今回、その金沢スタジアムの指定管理者に、金沢スタジアム共同事業体を指定するというものです。しかし、その共同体の中には金沢スタジアムをホームスタジアムとするツエーゲンを運営する株式会社石川ツエーゲンが入っています。この会社は以前からわが会派が追及したように、石川県知事はじめ、金沢市の村山市長が取締役になっていました。この指定管理者の公募の直前に村山市長は取締役を降りたとのことですが、これまでの経緯から市民の理解が得られるものではありません。また、公共施設の運営は指定管理ではなく直営を基本にし、市民のための運営をすべきです。ネーミングライツも含め、金沢スタジアムが本当に市民のための施設なのか問われています。よって、この指定管理には反対です。

請願、陳情についてです。
請願第3号、請願第5号、陳情第4号に賛成であり、付託された各常任委員会での不採択に反対するものです。
主な理由を述べます。

請願第5号「健康保険証の中止・延期を求める意見書の提出を求める請願」は、石川県社会保障推進協議会の代表委員から出されたものです。
政府がマイナンバーカードと保険証を一体化し、来年秋には健康保険証を廃止するとしていますが、現場では問題が相次いでいます。別人へのひもづけは、あらたに増え8441件となりました。これは情報漏洩であり、かつ患者さんの命に係わる重大事案です。また、紐づけなどが間に合わず71万件がマイナ保険証として利用できないということも明らかとなりました。そして、医療現場ではあらたに患者さん本人の負担割合が間違って表示されるトラブルもここ石川県でも起きており、それらの解明も解決もできていない状況です。
当然のごとく、国民からは信頼を失い、健康保険証の延期や撤回を求める声が7割以上にのぼっています。それでも岸田内閣は健康保険証の廃止方針を変えず、あらたな代替案として「資格確認証」を発行するという方針を打ち出しています。しかし、具体的な対象者や運用方針など詳細はなにも示されていませんし、現場にしてみればあらたな健康保険証を発行するのと同じことであり、さらなる負担です。さらに、マイナンバーカードのオンライン資格確認が使えない医療機関向けに、「資格情報のお知らせ」というものを発行する方針も出されました。つまり、来年の秋からは、マイナ保険証とさいごに発行する既存の健康保険証、そして資格確認証、さらに「資格情報のお知らせ」などが各保険者ごとに発行され各医療機関で運用されることになります。保険者はおよそ3,300にのぼります。現場の混乱と負担はあきらかです。
また、高齢者施設等への影響調査では、9割以上の施設で利用者のマイナンバーカード、すなわちマイナ保険証の管理ができないとしています。
健康保険証の廃止は、医療機関や行政の負担と混乱を招き、ひいては患者さんの命や健康をおびやかします。そして国民皆保険制度の根幹を破壊する重大な問題に発展しかねません。従来の健康保険証を残すことがいちばんの解決策と言えます。よって、この請願に賛成です。

陳情第4号「政務活動費の金沢市条例改正について」の陳情に賛成です。
これは市民オンブズマン石川の代表幹事から出されたものです。
政務活動費をめぐっては、透明化を図り、市民の理解をすすめていくうえで求められる対応だと考え、この陳情に賛成です。討論は以上です。

私は、日本共産党市議員団を代表して、議会議案第12号 消費税インボイス制度の延期・中止を求める意見書について、提案理由説明を行います。

インボイスとは、取引金額や取引年月日、品目、消費税額などに加え、新たに税務署から割りふられた事業所番号を記載した請求書や領収書のことです。

これまで、年間売上高1000万円以下の小規模事業者や個人事業主は、免税事業者として、消費税納入の義務はありませんでした。しかし、インボイスの発行を求められれば、インボイス発行事業者として登録し、課税事業者になる必要があります。課税事業者になれば、売上高に関係なく、どんなに赤字経営でも、消費税を納めなければなりません。煩雑な納税事務にも悩まされます。一方で、免税事業者のままでいた場合、取引から除外される可能性や、消費税の納税額が増える取引先から、値引きを強要されることが懸念されます。

インボイス制度の導入で大きく影響を受けるのは、年間売上高1000万円以下の小規模事業者、個人事業主やフリーランスなどです。農家、個人タクシー運転手、一人親方、声優、アニメーター、シルバー人材センターで働く高齢者、日雇い労働者なども、新たに消費税を負担する可能性が生じます。これまで地域に根差した産業や文化を支えてきた事業者に不利益をもたらし、地域経済のさらなる疲弊を招きかねません。

そして、インボイス制度は小規模事業者だけの問題ではありません。資源エネルギー庁は、インボイス制度の導入により、大手電力会社などに生まれる損失分を、一般家庭の電気料金値上げで補填する方針であることを明らかにしました。物価、電気料金が高騰している中で、さらなる家計への負担となります。インボイス制度の導入は、すべての国民にかかわる問題です。

消費税のインボイス制度の導入を予定する10月1日まで、1か月を切りました。実施が近づくなか、インボイス制度で負担を強いられる小規模事業者やフリーランスなどから「廃業する可能性がある」との不安が一層強まり、導入の延期や中止を求める声が相次いでいます。民意を無視して強行することは許されません。

この意見書は、国に対して、コロナ禍や急激な物価高騰が続く中、地域経済を支えている年間売上高1000万円以下の免税事業者が事業を継続するためにも、消費税インボイス制度実施の延期・中止を強く要望するものです。議員各位のご賛同をお願いいたしまして、提案理由説明といたします。

-森尾議員
 私は、日本共産党市議員団の一人として以下、質問いたします。
 最初の質問は、浅野川線・石川線の存続と公共交通をめぐる課題と対策について伺います。先の8月30日に行われた本市市長を含めた首長会議において、引き続き鉄道として浅野川線・石川線の存続が確認されたとのことです。これまでの議論の中で、鉄道存続の3つの方向が示されました。第一は、現行スキームの継続。第二に、上下分離方式により用地のみ自治体等へ譲渡した場合。第三に、上下分離方式により用地、線路、電路、車両、施設を自治体等へ譲渡した場合。この3つが想定されていましたが、いずれの方向が示されたのでしょうか。説明を求めます。

-村山市長
 先日の沿線自治体の首長会議では、特に厳しい状況に置かれている石川線について、鉄道としての存続か、またはBRT化するのかについて議論し、鉄道としての存続が合意されたものであります。どのような形態で存続するかについては、今後、沿線自治体や北陸鉄道と特定事業計画の策定作業を進める中で検討していくこととなります。

-森尾議員
 浅野川線・石川線を鉄道として存続した場合の自治体負担についてです。令和7年度~17年度の11年間にわたる自治体負担が示されました。国の補助率3分の1とした現行スキームの継続では、県、本市、白山市、野々市市、内灘町の自治体負担の合計は89億円です。一方、北陸鉄道は22億円の赤字との予想です。上下分離方式の場合の2つのケースでは、どのような負担が予想されますか。伺います。

-村山市長
 7月の法定協議会では、国の新たな支援制度を活用した場合の施設整備などに要する費用の試算が示されております。用地のみ自治体等へ譲渡する場合の自治体負担は約67億円。公設型上下分離の場合は約91億円となっております。一方で鉄道線の持続可能性を確保するためには、維持運営費や利便性向上策の支援が別途必要となるものと想定しております。そのことに対する行政のかかわり方については、特定事業計画策定に向けた議論に合わせて検討してまいります。

-森尾議員
 自治体負担が伴うだけに、それぞれの自治体の住民の理解と合意なくして進めることはできません。その点での努力を求めておきたいと思います。
 この議論の中で、今後の検討課題として、JR線へのアクセスや香林坊までの延伸などの意見が表明されたとのことです。金沢港から金沢駅、香林坊から片町、野町・有松までのLRT構想は、当面の課題としては遠のきました。野町から香林坊への軌道敷設可能性について、現段階で想定される課題について、見解を伺います。

-村山市長
 北陸本線への乗り入れや香林坊延伸については、石川線の公共交通としての存在価値を高める取り組みのうちで、中長期的な検討をする必要があるひとつの選択肢として示されたものであります。あわせて課題も提示されておりまして、犀川大橋には単線でしか軌道が敷設できないこと、あるいは軌道の敷設によって路線バスや一般車両の走行空間が制約を受けることなどが挙げられているところであります。課題につきましては、現時点で必ずしも解決策が見いだせていない論点もございますことから、沿線自治体などとの合意のもと、必要に応じて研究することになると考えています。

-森尾議員
 この項の最後に、ふらっとバスの拡充についてです。現在、市内中心部に4つのルートのふらっとバスが運行されています。駅西地区をはじめ、市内各地域からふらっとバス導入の要望が出されています。今後、検討会などを設置し、議論をはじめることが求められています。市長の見解を伺います。

-村山市長
 ふらっとバスについては、街中の公共交通不便地域を巡り高齢者等の生活の足となるとともに、来街者の移動手段にもなることで、中心市街地の活性化や自動車の流入抑制にも寄与しております。他方、街中以外の地域における公共交通不便地域では、住民の移動手段の確保という目的に特化し、地域の実情に応じた公共交通として地域運営交通の活用を促進しているところであります。ふらっとバスに関しての要望をたくさんいただいていることは承知しておりますけれども、限られた財源の中で、先に述べた考えのもとで、公共交通環境を整備・支援しているということをご理解いただければと思います。

-森尾議員
 ふらっとバスへの市民の要望にしっかり応えて、具体的な検討を進めることを強く求めておきたいと思います。
 質問の第二に、整備中の金沢スタジアムを視察し、その課題・対策について伺います。去る8月24日整備中の金沢スタジアムの見学会に参加いたしました。9月末には完成し、来年2月にはオープンするとのことですが、このスタジアムは未完成のままオープンしてしまうのかと危惧するものです。Jリーグスタジアム基準2023年度用では入場可能数について、J1は15,000人以上、J2は10,000人以上とのことです。現在、ツエーゲン金沢がかろうじてJ2に留まっています。金沢スタジアムは10,000人規模としてスタートし、5,000人のスタンドを追加するということです。したがって金沢スタジアムは未完成のスタジアムとしてスタートすることとなります。いったいなぜ、こうした未完成のスタジアム建設に至ったのか。伺います。

-村山市長
 ツエーゲン金沢は現在J2でございまして、10,000人規模のスタジアムで足りるという中でありますが、J1に昇格をした場合15,000人の収容能力が必要となります。その際、北側のスペースに観客席の増設を検討できるよう、限られたスペースと予算の中で、将来を見据え最も効果的なレイアウトとしたものであります。北側には現在、300席程度の立見席の設定が可能であります。アウェーサポーターエリアとすることも検討していることから、スタジアムの一体感を損なわないで運用できると考えております。

-森尾議員
 5,000人のスタンド増設計画の場所が空いたままとなっており、ここに大型ビジョンを設置するという計画です。したがって、スタジアムの一体感が損なわれています。アウェーチームのゴールポストの後ろにこの大型ビジョンが位置しています。シュートによる損壊の危険があります。また、ネットが低く、ボールが施設の外に出てしまわないか危惧されます。見解を伺います。

-東文化スポーツ局長
 大型映像装置につきましては、サッカーボールが当たった際の破損の可能性は低いと聞いております。またネットの高さが低いことは認識しており、ボールがネットを超えた場合は隣接するスポーツ交流広場などに落ちることから、利用者への注意喚起などの対策を検討していきたいと存じます。

-森尾議員
 観客席についてです。屋根付きのメインスタンドは約3,000席、バックスタンドが約5,000席、合計で8,000席は座席が整備されています。ところが、南スタンド約2,000席は立見席となっています。座席がありません。しかも鉄製のパイプとなっており、雨や雪の場合、冷たくて素手では触れません。サッカーの試合は1時間半から2時間に及びます。試合の最後までずっと立っていなければなりません。子どもたちは、選手のプレイを見ることが困難になることも予想されます。改善が必要だと考えますが、見解を伺います。

-東文化スポーツ局長
 ホームサポーターは試合中立ち上がって応援することから、座席の有効的な配置を検討する中で、南側のスタンドを立見席といたしました。また、立見席にはハーフタイム等の休憩時に座ること、腰掛けることができる手すりを設置するなど、利用者に配慮したスペースとしているものでございます。

-森尾議員
 もうひとつあります。バックススタンド側のグラウンド・ピッチと観客席との間に幅約4m、長さ119mにわたって通路があり、コンクリートのような固い素材で整備されています。選手とサポーターとの交流が行われることもあります。選手のスパイクに対応するためにも陸上競技場のグラウンド使用の素材にかえていただきたいと思います。見解を伺います。

-東文化スポーツ局長
 フィールド内のアスファルト舗装部分につきましては、金沢市サッカー協会からサッカー用具等を台車で運搬する際の舗装仕様の整備が必要とのご意見をいただきまして、ツエーゲン金沢とも協議したうえで設置したものであります。使用目的を考慮した場合、現状の仕様でも問題はないと考えております。

-森尾議員
 金沢スタジアムは、本体事業費として約82億2千万円を投じて建設される施設です。よって本市の施設であることから、本市が直接運営に責任を持つべきです。指定管理者制度を導入し第三者に任せるべきではありません。本市の責任を明確にすべきと考えます。市長の見解を伺います。

-村山市長
 本市では、地方自治法の「公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図るとともに、経費の節減等を図ることを目的とする」という趣旨を踏まえまして、公の施設の管理・運営は原則、指定管理者制度により行うこととしております。金沢スタジアムにつきましても他のスポーツ施設と同様、民間の創意工夫が発揮されやすい施設であると考えておりまして、この方針には変わりはありません。

-森尾議員
 金沢スタジアムが選手にとっても観客の方々にとっても安全・安心の施設として整備される必要があると考えていますし、問題点を指摘しました。並びに本議場でも、これからの運用にかかわる交通問題、周辺の環境問題など、重要な問題が提起されていると思っています。そして指定管理にかかわっても問題を提起しました。市長、さいごに、この施設について、市の施設なんです。しっかりした整備と運用方針を貫くと、責任は市長にあります。改めて見解を求めておきたいと思います。

-村山市長
 市として整備した金沢スタジアムであります。この運用にあたりましては遺漏のないよう指定管理者あるいは大会の実施者とともに考えていきたいというふうに思います。また民間の創意工夫が生かされて、より金沢市民に愛されるようなスタジアムとなるように、市としても努力をしていきたいというように思います。

-森尾議員
 質問の第三に、森本地区新保育所建設事業についてです。薬師谷、双葉、宮野保育所を廃止し、新しい保育所を塚崎町地内の森本こどもグラウンド地内に建設することを打ち出しました。市長は昨年の9月議会において、次のように説明されました。「森本地域の市立保育所の再整備は、土砂災害警戒区域にある立地を解消するとともに将来の保育需要を見据え、薬師谷、双葉、宮野を統合して、安全な場所で新たに建設する」と述べました。しかし、新しい保育所を建設する場所は安全な場所ではありません。予定地は森下川に近く、ハザードマップによると0.5mから3mの浸水被害地域にあります。市長の説明とは異なります。住民と議会に虚偽の説明をしたこととなりませんか。見解を求めます。

-村山市長
 新しい保育所の建設予定地は、浸水想定が1000年に1回の降雨で最大3mの区域にございます。2階建てであれば、避難階への浸水を回避できると判断いたしました。垂直避難により児童の安全を確保することに加え、地震や風水害などの災害が発生した場合は、救援基準に基づき救援等の措置をとることとしております。こどもたちの命・安全を最優先に取り組んでまいります。

-森尾議員
 この問題の指摘は、担当する委員会でもやり取りがあったと聞いています。そこで、市長の答弁には十分な説明がないと思いますので、改めて伺います。子ども未来局は、昨年6月15日市民福祉常任委員会において、新しい保育所の移転候補地として森本こどもグランドであることを報告しました。では市長に対して、この移転候補地が浸水被害想定地域にあることを伝えましたか。答弁をお願いします。

-藤木こども未来局長
 委員会報告の前に市長の方には報告をしております。

-森尾議員
 では市長に伺います。報告を受けたのが6月前。9月の議会で安全な場所だと言ったのはどういう真意なのですか。

-村山市長
 地域の近くに存在する土地の実情、そして浸水被害の状況について、それを回避するためにはどのようにすればよいかということも考えたうえで、立地が可能というふうに判断しました。

-森尾議員
 市長にもうひとつ。薬師谷保育所は不動寺小学校に隣接し、現在52名の子どもさんが通っています。双葉保育所は森本駅前商店街や近くの住宅街からなる吉原町に位置し、現在61名の子どもたちが通っています。宮野保育所は三谷小学校に隣接し、現在は利用する子どもさんがいないとのことですが、森本地区の山間部を形成する地域の文教施設の中心に位置しています。欠かすことができない施設となっています。森本地区が本市に編入する際に、森本地区の将来を見据え、保育所の設置と運営に本市が責任を持つということでこれまで運営されてきました。市長。こうした歴史的な経過と今回の方針について、地域住民にどのように説明されましたか。新しい保育所の役割や機能、さらには周辺の道路、雪対策など環境整備について、一体どのように説明されましたか。伺います。

-村山市長
 今回の保育所の統合再整備につきましては、森本地区町会長全員協議会からの要望を踏まえるとともに、保護者や地域の方々からは1日も早い保育所の開設とあわせて森本地区の活性化に期待する声も寄せられております。新しい保育所は森本地区を中心とした北部地区の子育て家庭を支援するため、保護者同士の交流や保育士による育児相談ができる環境を整備するなど、地域の子育て拠点施設としての機能も加えることとしています。また周辺道路につきましては除雪の対応を検討していることや、渋滞防止のために保護者の送迎ルートを指定するほか、十分な台数の駐車場を確保することなどを丁寧に説明してまいりました。

-森尾議員
 地域の方々、とりわけて移転先の周辺の方々は、十分な説明を受けて理解していない、様々な疑問や意見があるというふうに聞いています。こうした現状にしっかり向き合って対応を求めたいと思っています。同時に、私は改めて市長に伺いたいと思っているのですが、「将来の保育需要を見据えて」3つの保育所を廃止し、新しい保育所を建設すると市長は述べたんです。しかし振り返ってみると、森本地域の山間部の4つの小学校を廃止し、新しい三谷小学校を建設しました。次々に山間部の小学校廃校としてきました。市長。森本地区の人口減少と過疎化は住民に責任があるのですか。行政としてそこに住む住民の福祉向上に責任を果たさなければならないと考えます。地元スーパーが閉店に追い込まれ、地域交通も次々に廃止・縮小し、農協の統廃合が続き、農業の衰退が深刻となっています。森本地区への希望と未来へのビジョンが必要だと考えています。森本支所を拠点とする施設づくり、森本駅前でのまちづくりにあたって、図書館や複合的福祉施設、保育や介護などの施設づくりなど具体的提案が求められていると考えますが、市長の見解を伺います。

-村山市長
 今般の保育所あるいは小学校等の統合・再編につきましては、人口減少・少子高齢化が急速に進展する中にあって、こどもたちの適正な保育・教育環境を確保するために必要な取り組みであるというように考えております。一方で森本地区、特に森本駅近くの地域につきましては、金沢駅までのアクセスも非常に便利であり、そして公共交通を用いたこれからの社会にとって必要な地域であるというようにも思っております。森本地区などの郊外部を含む地域の活性化についてという大きな括りで申し上げると、移住の促進や関係人口の増加に取り組むとともに、民間事業者や高等教育機関、学生・若い世代の視点や活力を生かしたまちづくりを進めるということで、活力ある地域の未来を創っていきたいと考えております。今般提言を受けた新たな都市像の中でも、その基本方針の中で人と活力の還流による地域の再生、あるいは跡地等の有効活用も掲げられております。今後策定する行動計画の中でそうした視点も反映してまいりたいと考えております。

-森尾議員
 質問の最後に、水道施設再整備基本構想と民営化について伺います。本市企業局は人口減少社会をみすえ、今後の水道施設再整備基本構想について、この12月までには打ち出そうとしています。そこで、本市の水道事業の現状と課題について伺いたいと思います。本市水道事業の水源は、末・犀川浄水場での自己水と手取ダムからの県水を額配水場で受水し、利用しています。ところが、末・犀川浄水場では、一日20万5千トンの配水量の能力がありながら、30%しか使われていません。なぜ、こうした事態となったのか伺います。

-松田公営企業管理者
 本市の水道水でございますが、末浄水場と犀川浄水場、県営水道によってまかなっておりまして、このうち責任水量制により受水量が決まっている県営水道分を除きますと、昨年度の浄水場の平均稼働率は37%で、最大稼働率は74%でございました。節水機器の普及などから年々水道の使用料が減少していることが、平均稼働率が低くなっている理由であると考えております。

-森尾議員
 県水受水を始めた昭和55年度を見ますと、ほとんどが自己水でまかなわれていたものが、現況は半分半分になりました。この原因は、自己水の単価に比べ4倍も高い県水を膨大に受け入れ、安くておいしい自己水を減らし続け、市民が利用している水の半分が自己水、半分が県水となったわけです。その上に、この県水受水契約により県水受水量が膨大な上に、その6割を支払うという責任水量制が今日の時代を生んでまいりました。これからどうなるか。仮に県水受水契約が変更されないとすると、8年後(令和17年)には自己水が2割、県水が8割という事態になろうかと思います。本市企業局は、本市水道事業について、県水を基軸としていかれるのですか。それとも、末・犀川浄水場の自己水を引き続き重要な水源として位置付けていくのか。見解を伺います。

-松田公営企業管理者
 まず県営水道のことですけれども、これまで他の受水市・町と連携し、県に対しまして機会あるごとに受水負担の軽減を求めており、その成果として受水単価や責任水量の引き下げが行われたほか、平成8年度以降、1日最大受水水量、いわゆる協定水量ですが、この引き上げは凍結されております。今令和2年度の数値が出ておりますけれども、これは凍結された、変更になった後の数値でございます。今後とも他の受水市・町と連携を図り、さらなる受水軽減の要望を継続して行ってまいりたいと思います。加えまして、この夏の犀川ダムの貯水量の大幅な減少がございました。報道等にもございました。これを踏まえますと、改めて県営水道の必要性を認識したところでございます。現在策定しております水道施設再整備基本構想におきましては、災害等のリスク、それから今年の夏のような状況、こういったことに備える観点から、引き続き末浄水場・犀川浄水場、県営水道の3水源を確保するとともに、人口減少社会の進行を見据えた水需要予測に基づき、施設規模の適正化を図っていきたいと考えております。

-森尾議員
 平成8年から9年にかけて本市の「水道地震対策計画策定調査」が実施されました。27年前です。震度6の地震が発生した場合を想定し、耐震一次診断では「末浄水場は壊滅的打撃をこうむる」とし、末浄水場は機能停止するとの判断がされました。その結果、緩速ろ過施設は、耐震化事業から除外されてきました。本市企業局は、緩速ろ過施設についてどのように耐震化されるのか、伺っておきたいと思います。

-松田公営企業管理者
 末浄水場の緩速ろ過施設は、建設より92年以上が経過しております。水道地震対策計画におきましても、耐震化ではなく更新することが適当と判断されたものでございます。一方で、平成13年に登録有形文化財に登録され、平成22年には国指定名勝に指定されております。こうしたことから、大規模の改変には文化庁の許可が必要であり、また著しい外観の変更は文化的価値を損ねる恐れがありますことから、現在策定しております水道施設再整備基本構想におきまして今後の方向性を検討することとしております。

-森尾議員
 末浄水場には急速ろ過と緩速ろ過の施設がございます。この緩速ろ過が極めて重要な施設として、平成22年に国の名勝に指定されました。緩速ろ過施設は、薬品に頼らない浄水機能を持つ施設として歴史的・文化的価値あるということで、本市の誇るべき場所となっています。では市長に伺いたいと思いますが、これを引き続き本市として守っていくという基本方針が、平成22年に名勝に指定され、翌年3月に本市と本市企業局が末浄水場園地の保存管理計画書を作成しました。ここに、本市としてこの施設は守っていくんだということが示されたと思います。では、末浄水場一帯の価値保全と浄水施設機能の調和をどのように進めていくかということになろうかと思います。現状の変更は認めないというのがこの計画書の基本方針ですが、浄水施設の機能維持・向上を目的とした行為は認めるものとしています。末浄水場の緩速ろ過施設を更新することと、この保存管理計画との調整はどのように考えていらっしゃるのか伺います。

-村山市長
 末浄水場園地保存管理計画の中では、抜本的な修理を行う際には名勝としての価値を損なわないように行うとしています。これに基づいて現在策定している水道施設再整備基本構想におきまして、今後の方向性を検討してまいります。

-森尾議員
 この末浄水場の緩速ろ過施設を象徴するように、本市企業局はおいしい金沢の水を象徴するペットボトル『金沢の水』を製造販売されてきました。本市企業局は、販売減少を理由にこの『金沢の水』の製造販売を打ち切るということを表明しました。おいしい金沢の水を内外にアピールする、そして末浄水場の緩速ろ過の施設が極めて重要な施設だということをアピールするためにも、この『金沢の水』を存続することこそ、企業局は果たすべきではないでしょうか。伺います。

-松田公営企業管理者
 昨今のプラスチックごみ問題、それから本市が推進するゼロカーボンシティかなざわに向けた取り組みなど、事業を取り巻く環境が大きく変化してきたこと、また販売本数がピーク時の2割程度まで減少している現状を踏まえまして、今回販売を終了することとしたものでございます。ご理解を賜りたいと存じます。

-森尾議員
 ペットボトル『金沢の水』は本市のおいしい水を象徴するものとして好評をいただいてきたと聞いています。市内のホテル・スーパーでの利用が7割近くを占め、市役所本庁舎、企業局庁舎での自動販売機でも好評いただいていると聞いています。本市と企業局が協同し、その利用と活用を今後とも積極的に行う方向こそ必要だと考えます。その知恵と方向性を企業局として集めて検討すすめるべきだと思いますが、再度伺います。

-松田公営企業管理者
 今ほどおっしゃられましたように、宿泊施設等でウェルカムドリンクとして活用していただいておりました施設がございました。そういった、たくさん利用していただいていた施設につきましては、職員が1件1件すべて回りまして、回ったうえで、これまでのご利用に深く感謝を申し上げますとともに、先ほど説明しましたように今回廃止に至りました事情を説明したうえでご理解を賜ったところでございます。繰り返しになりますが、昨今のプラスチックごみ問題や本市が推進するゼロカーボンシティかなざわに向けた取り組みなど、取り巻く環境が大きく変化しております。そうしたことを踏まえての廃止ということをご理解いただきたいと思います。

-森尾議員
 おいしい水の活用を、ぜひ知恵を集め工夫もし、取り組んでいただきたいと思っています。
 県水は、本市をはじめ9市4町に対し水需要にあわせ、一日24万4千トンを供給するとして施設整備が行われてきました。本市は、水道施設再整備基本構想の内容として、県水について利用している周辺の自治体との共同利用・運営を進めることは検討されているんですか。また、施設管理と運営について、民間企業への委託化ということも検討しているんでしょうか。伺います。

-松田公営企業管理者
 広域化ということに関しましては、現在石川中央都市圏の4市2町におきまして上下水道事業広域連携推進協議会を設置し、これまで合同災害訓練や広域職員の研修の実施、給排水設備施工業者指定等事務の一元化など、経営基盤の強化に向けた取り組みを進めてきたところでございます。ただご指摘のありました県水受水の9市4町による共同利用や運営、施設管理における指定管理者制度の導入や民間への業務委託につきましては考えてはおりません。

-森尾議員
 市長に最後に伺います。今年3月議会で私の質問に対し「水道事業の民営化については考えてはおりません」と答弁されました。現在の企業局による水道事業を継続していくとの見解だと受け止めております。改めて、その見解は変わらないか、伺っておきたいと思います。

-村山市長
 水道事業の民営化は考えておりません。

-森尾議員
 以上で質問を終わります。

山下あき議員

-山下議員
 質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として質問いたします。
 1点目は、建設中の「金沢スタジアム」についておたずねします。まず、端的にお伺いします。来年2月に供用開始となる金沢スタジアムは、誰のためのスタジアムでしょうか。市長、明確にお答えください。

-東文化スポーツ局長
 金沢スタジアムは市民のためのスタジアムであります。アマチュアの全国大会等、一般市民の利用のほか、ツエーゲン金沢のホームスタジアムとしての利用を想定しているところでございます。
 
-山下議員
 市長にも見解をお伺いしたかったのですが、市民のためのスタジアムだということでお伺いできましたので安心をしております。
 では、金沢スタジアムが建設に至った経緯から、改めて質問いたします。「市民サッカー場」は当初、改修の計画でしたが、この改修計画が移設再整備になったのはなぜでしょうか。

-東文化スポーツ局長
 当初は現在の市民サッカー場での改修を予定しておりましたが、観客等へのおもてなし空間の確保やJリーグ基準にも対応するため、スポーツ推進審議会での審議を経て施設整備計画を変更し、城北市民運動公園内での移転再整備としたものでございます。

-山下議員
 スポーツ審議会の審議を経てということでしたが、当時、常任委員には口頭での報告であり、議会での十分な議論や、市民的な合意形成がたいへん不十分であったと感じております。ツエーゲン金沢は、石川県全域をホームタウンとしています。現在、ツエーゲン金沢のホームグラウンドは、県西部緑地公園陸上競技場です。その陸上競技場は、観客席は2万席あり、芝のはり替えや大型映像装置などの更新工事を行なっています。こうした環境があったなかで、金沢市が単独で、J リーグ基準を満たすスタジアムをつくる必要があったのでしょうか?県や周辺市町との協議は十分に行われたのか、お聞かせください。

-東文化スポーツ局長
 Jリーグ基準に適合したサッカー場の建設にあたりまして、県西部緑地公園陸上競技場は、本来の用途が陸上競技であり、観客席を覆う屋根がないなど、Jリーグの基準を満たさない部分もあることから、県や県・市のサッカー協会、ツエーゲン金沢とも協議を重ねるとともに、議会および市民の皆様の理解を得ながら進めてきたところであります。

-山下議員
 Jリーグ基準を満たすという前提があることから、やはりこの金沢スタジアムの建設にあたって、市民を置き去りにしてきた事業の進め方だと指摘をしなければなりません。金沢市スポーツ文化推進条例第4条には、「基本理念にのっとり、スポーツ文化の推進に関する総合的かつ計画的な施策を策定、実施し、その施策の実施にあたっては市民、事業者及びスポーツ関係団体の意見を十分に反映させることに努める」と市の役割としてあります。ここに市民が含まれるということを十分念頭に置いて、今後の駐車場整備やジュニア用サッカーコートの移転新築もありますので、大きな事業費が110億円から120億円に膨らむ予定です。ぜひこの一連の事業を市民の合意のもと進めていただきたいと思います。
 次に、指定管理についてお伺いします。金沢スタジアムの指定管理者の募集は、2023年4月3日から始まり、応募締切は6月9日でありました。5月10日には応募者説明会が行われています。説明会には何団体参加され、応募は何団体あったのでしょうか?

-東文化スポーツ局長
 説明会には12者が参加し、そのうち1者の応募がございました。

-山下議員
 この間、指定管理を募集しても応募が1団体しかないという状況が続いています。選定会でもこれは課題とされてきましたが、今回も1団体だったというわけです。今議会で指定管理者の指定について、市長から提案がされていますが、選定された共同事業体の構成団体をお聞かせください。

-東文化スポーツ局長
 株式会社石川ツエーゲン、株式会社ケィ・シィ・エス、公益財団法人金沢市スポーツ事業団の3社による共同事業体でございます。

-山下議員
 ツエーゲン金沢を運営する「株式会社石川ツエーゲン」も構成団体ということです。株式会社石川ツエーゲンというと、市長は2022年4月から取締役に就任されていましたが、現在は退任されています。いつ退任されたのでしょうか。そして、退任した理由をお聞かせください。

-村山市長
 ただいま、2022年4月からということでおっしゃりましたけれども、その前、副市長だった時代にも株式会社石川ツエーゲンの取締役となっておりました。その後、市長に就任してから再度取締役に就任したわけですけれども、今年4月19日に辞任届を株式会社石川ツエーゲンに提出いたしまして、4月25日の定時株主総会で承認されました。市長が取締役である株式会社石川ツエーゲンが指定管理者公募に参加を希望する場合、取締役を継続すべきではないと判断し、退任いたしました。

-山下議員
 市長が直前まで取締役を務めていた会社が含まれる共同事業体が、応募1者という状態で選定されました。透明性を疑われかねない状況ではないでしょうか。公平性、中立性の確保という視点で見ると、たいへん歪な選定とはいえませんか。市長、いかがでしょうか。

-村山市長
 金沢スタジアム共同事業体の応募資格については、指定申し入れ書の提出日にすべて応募者が満たされているということを事務局が確認し、外部員を含めた指定管理者選定会でも了承されております。選定会におきましては書類審査と面接審査の2段階で厳正に審査が行われ、その結果を受けて選定しているということから、過程を含めて問題があったとは考えておりません。

-山下議員
 過程を含めて問題がないということでしたが、指定管理で応募された方が1団体ということは、評価はできても比較はできないという状況があると思います。やはり応募される方が増えるという状況も金沢市は作っていかなければならないかと思います。今回の指定管理は、ツエーゲン金沢によるツエーゲン金沢のための運用にならないかと思っております。公共性を保ち、利用者、そして市民の声が反映される公平、中立な運営が担保されるのか懸念されます。指定管理制度には様々な問題が指摘されていますので、公共施設の管理運営は行政が責任を持って行うことを求めます。
 次に、ネーミングライツの導入についておたずねします。近年、全国の自治体において、公共施設の名称に、企業や団体等が愛称の命名権を購入するネーミングライツが導入されています。本市においては、金沢スタジアムへのネーミングライツが初の導入となりますが、何を目的に導入されたのかお聞かせください。

-東文化スポーツ局長
 新サッカー場の完成を契機に、ホームタウンチームの支援や応援気運を高めるとともに、新たな財源を確保し施設の良好な管理・運営を維持することを目的としております。

-山下議員
 先行自治体では、ガイドラインを作成している自治体や、個別条例を制定していたり、議会基本条例でネーミングライツに議会の承認を必要としている自治体もあります。本市では、何を基準に進めているのでしょうか。

-東文化スポーツ局長
 昨年12月にネーミングライツの導入可能性調査をした際に、すでにネーミングライツを導入しているスタジアムのうち、ガイドライン等が策定されていない施設が7割の状況であり、導入済みの自治体の募集要項等を参考に進めたものであります。

-山下議員
 ガイドラインも作成せずに進めているということは、大変大きな問題かと思います。先行自治体では、市民や議会の合意を得ていないと市民が反対署名を提出した事例や、裁判となり自治体が損害賠償を支払ったという事例もあります。また、命名権を取得した企業に不祥事があり、愛称が次々と変更になった施設もあります。先日、ネーミングライツの優先交渉者が、株式会社ゴーゴーカレーグループに決定しましたが、決定後、神戸市にある日本製麻という会社が、同社の取締役がインサイダー取引規制に違反した疑いがあるとして特別調査委員会を設置したと報道がありました。その取締役は、株式会社ゴーゴーカレーグループの会長だということです。本市は、この報道の事実確認はされたのでしょうか。

-東文化スポーツ局長
 現時点では報道以外の情報はなく、ゴーゴーカレーグループからの報告も受けておりません。

-山下議員
 事実確認せずに、交渉・契約をすすめていかれるのでしょうか。

-東文化スポーツ局長
 ネーミングライツの契約の交渉にあたりましては、今議会で指定管理者のお諮りをしております。それがご承認いただけましたら、まずは指定管理者との協議をはじめ、そのあとネーミングライツの優先交渉者との協議に入るかというふうに思っておりますので、現在の状況では状況を注視したいというふうに思っております。

-山下議員
 ガイドラインを作成していないという弊害が今表れているのではないかと思います。本市が不利益を被らないように、交渉を進めずにまずは事実確認を行っていただきたいと思います。
 市長は、記者会見で金沢スタジアムの愛称について、「正直、カレーなのか」と感想をのべていました。同じような感想を持った市民は少なくないと思います。ゴーゴーカレーグループには、店舗の名前に「スタジアム」とつく店舗が全国で50店舗以上あります。近隣では「ゴーゴーカレー金沢県庁前スタジアム」があります。「金沢ゴーゴーカレースタジアム」という金沢スタジアムの愛称に対して、市民から「新しいカレーの店舗ができたみたいだ」という声もあります。金沢市民の財産が、このような広告扱いでいいのでしょうか。市長いかがですか。

-村山市長
 ネーミングライツというものは、企業にとっては地域貢献によるイメージアップと、もちろん宣伝効果があるというように思っています。施設にとっては維持費の軽減効果という、双方にとってメリットのあるものと考えています。金沢スタジアムにおきましてはホームタウンチームの支援や応援気運を高めることを目的としておりまして、公共性の高い事業と認識をしております。

-山下議員
 施設維持管理への新たな収入源の確保といいますが、そのことで本市におけるスポーツ推進事業に本来必要な予算が削減されることがあってはなりません。そして本市のネーミングライツは、特定企業が提案をした愛称に対して、議会の議決も必要とせず、市民的な合意形成をはかる手立てもない状況であることは、重大な問題だと考えます。今回の導入を前例に、ネーミングライツを本市で推進していくおつもりでしょうか。今回の導入の見直しも求めますが、いかがでしょうか。

-村山市長
 現在、ネーミングライツの導入を検討している施設は他にはありません。今後、金沢スタジアムのように建て替えあるいは大規模改修などをきっかけにして機能や位置付けが大きく変わるような施設については、効果等を今回も検証いたしましたけれども、改めてその施設について効果等を検証したうえで、導入の可否を検討したいと考えております。

-山下議員
 これまで、金沢のスポーツ文化を応援してきた企業や市民の皆さんは多数いらっしゃいます。税金を使用して建設している公共施設を、特定の企業が広告・宣伝に使用することは、公共性に大きく反します。再度、ネーミングライツ導入の見直しを求めて、次の質問に移ります。

 2点目は、介護保険制度についておたずねします。「介護の社会化」を掲げて2000年にスタートした介護保険制度は、3年ごとの改正を繰り返すなかで、保険料は2倍以上になり市民の負担が増えてきました。そのうえ、介護費用が個人の負担能力をおおきく超え、経済的な事情によってサービスの利用が困難になっているケースが後をたちません。昨年末、岸田政権は、2024年の第9期改定に向けて結論を先送りしましたが、見直しを検討していた中身といえば、利用料2割負担の対象拡大や、一定所得のある65歳以上の方の保険料の引き上げ、多床室の有料化、ケアプラン作成の有料化などです。これらが実施されることになれば、物価高騰に苦しむ高齢者やその家族は、さらに負担を強いられ、利用控えや、重度化を招くことが懸念されます。市長、政府のこうした介護保険制度の改悪に対して、「市民への負担増とサービス削減を押しつける見直しではなく、誰もが安心して介護を受けられる制度に」と、国の財政負担の拡充も含めて国へ求めるべきと考えますが、市長の見解をお聞かせください。

-村山市長
 介護保険制度につきましては、サービスを必要とする高齢者の方が心身の状況に応じて必要なサービスを適切に受けられるということが大切であると考えています。制度改正につきましては、国に対して全国市長会を通じて自治体への情報提供や意見聴取を十分に行うことと、そして利用者の負担増やサービスの見直しは慎重に検討することなどについて要望しているところであります。引き続き国の動向を注視してまいりたいと考えています。

-山下議員
 ぜひ国への要望を引き続き求めていただきたいと思います。
 来年度から実施予定である第9期介護保険事業計画「長寿安心プラン2024」において、基本指針を策定するにあたり、やはり利用者や介護現場の実態、要求を反映させて、市民が安心して年を重ね、尊厳ある高齢期を過ごすことができる計画にすることが求められます。本市の長寿安心プラン2024策定にあたり、利用者や介護現場の実態、要求を反映できる仕組みになってるのかお聞かせください。

-山口福祉健康局長
 長寿安心プラン2024の策定にあたりましては、今年の2月から有識者や公募委員などからなるワーキング会議を設置しておりまして、概ね月1回、そうした会議を開催しております。これまで実施してきた具体的な取り組みであったり、次期計画に向けての取り組むべき課題につきまして、様々な方からご意見をお伺いしているところでございます。また、今後開催を予定しております市民フォーラムであったり市民アンケートでは、利用者の方のご意見を直接伺う場も設けていきたいというふうに思っておりますほか、新たなプランにつきましてウェブを使った動画による説明であったり、もちろんパブリックコメント、そういったことを実施するなど、市民の意見を幅広くお聞きする予定をしております。

-山下議員
 ぜひ十分に実態や要求を組み入れて策定をしていただきたいと思います。
 介護事業所はこの間、恒常的な人員不足のうえに、新型コロナ感染症の対応も含め、すでに限界を超え、たいへん深刻な状況です。介護職員の確保は、制度を維持する上でも重要な課題です。第8期事業計画での、介護職員の確保における計画とその実施状況はどうなっていますか?それを踏まえ、第9期事業計画でどのように組み入れていくのかお聞かせください。

-山口福祉健康局長
 第8期(2021)の計画では、団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据えまして、新規介護人材の確保を図るため、介護の仕事の魅力向上を発信する金沢介護ラボの取り組みであったり、UJIターンを支援する制度の創設、人材の定着支援を図るためにケアメンターの派遣やキャリアアップ研修の支援を行うなどの多様な取り組みを実施してまいりました。2024からの第9期の計画におきましても、介護人材の確保に向け引き続き人材育成の支援や介護職の魅力向上の推進に努めますとともに、国においては今後介護人材確保や介護現場の生産性向上に向けた取り組みを総合的に実施する、そういうふうにもされておりますので、国や県とも連携しながら人材の確保に努めてまいりたいと思います。

-山下議員
 介護職員の離職の要因のひとつに、やはり賃金が安いという点もあると思います。保険料や利用料に跳ね返らない公的責任での介護職員への賃上げと、事業所任せにしない人員配置を、ぜひ自治体の責任で進めていただきたいと思います。
 そして、本市の介護給付費準備基金の今年度末残高は、見込みで24億円余りあります。6月議会で市長は「市民の負担が過大にならないよう有効に活用する」と答弁されました。第9期事業計画では、高すぎる介護保険料の引き下げこそ検討すべきだと考えますが、見解をお聞かせください。

-村山市長
 前回の議会の答弁と同じになって大変恐縮ですけれども、第9期介護保険事業計画における令和6年度からの介護保険料につきましては、今後3年間に必要なサービスの給付量を適切に見込み、その費用に合った額を設定することとしております。基金につきましては市民の負担が過大にならないように有効に活用していきたいと考えています。

-山下議員
 市民の負担が軽減されるよう十分な検討をお願いしたいと思います。
 3点目は、配食サービスについてです。厚生労働省は2017年に、適切な配食を通じた地域高齢者等の健康支援を推進するガイドランを国として初めて公表しました。「高齢になるほど低栄養になりやすく、死亡や健康余命の短縮のリスクとなる」「良質な食事が安定的に提供されるよう体制の整備に努めること」などを指摘し、様々な支援の整備を強調しています。このことからも、本市の配食サービス事業は、たいへん重要な事業だと考えます。そこで、本市における配食サービス事業の現状についてお聞かせください。

-山口福祉健康局長
 配食サービス事業につきまして、まず利用の状況ですけれども、令和5年7月末現在事業者数が15ございまして、実利用人数は867名となっております。サービスの内容でございますけれども、高齢者世帯等を対象に定期的に訪問して食事を提供するとともに、利用者の安否を確認する、そういったものになっております。

-山下議員
 委託料についてもお伺いしてよいですか。

-山口福祉健康局長
 委託料につきましては、1世帯あたり150円となっております。それ以外に利用者の負担といたしまして基本食で510円の利用料をいただいております。

-山下議員
 金沢市の委託料は見守りに対してというふうに伺っています。県内の市町と比較しても本市の助成金額は最低の金額です。配食サービス事業者から、長引く物価の高騰、ガソリン代の値上がりの中で、事業の維持が大変厳しいと伺っています。1食あたりの食材単価を、消費税増税後もなんとか230~250円程度におさえてきたものが、今は350円~380円にまで上がっているとのことです。そこに電気料金、ガソリン代の値上がりが加わり、さらに事業を圧迫しています。配食サービスを、高齢者の食の社会的保障と捉えて、配食事業委託料の見直しや、物価高騰に対する公的支援が必要と考えますが、いかがでしょうか。

-山口福祉健康局長
 本市の配食サービス事業でございますけれども、安否確認に要する人件費等の経費を市が負担して、食費等にかかる経費を利用料として負担していただいております。食材の物価高騰等に伴う利用料などの見直しにつきましては、利用者の負担感に配慮する必要もありますことから、国の物価高騰対策であったり他都市の状況等も注視しながら、慎重に検討していきたいと考えております。

-山下議員
 高齢者の健康と生活を支えている事業を存続するためにも、金沢市が公的役割を果たしていただきたいと思います。

 4点目は、教科用図書の採択についてです。6月議会でも教科書採択会議の公開を求めたところですが、教科書採択会議非公開の決定が発表されました。「教育委員と真摯に話し合っていく」という教育長の答弁だったと思います。どのような話し合いの中で非公開の決定に至ったのかお伺いいたします。

-野口教育長
 7月末までに開催いたしました教育委員会議におきまして、先の教科書採択にかかります文部科学省からの通知、また6月市議会での請願に対する審議結果、また公開を求める団体からの要望、そしたものを事務局の方から説明がありました。そうしたものを踏まえながら、教科書採択にかかる会議を公開するかどうか、このことについて真摯に話し合いをさせていただきました。その結果、教科書採択にかかる教育委員会議は意思形成過程であること、また静謐な採択環境の中で自由闊達な議論を行うこと、また公平性・中立性を保つ必要があること、こうしたことから会議は非公開とすることとしたものでございます。

-山下議員
 6月議会に提出された採択会議の公開を求める市民からの請願は、付託された文教消防常任委員会で採択すべきという決定がされました。この決定は、民主主義の根幹でもある市民の知る権利を保障した、実に意義のある決定だといえます。常任委員会での決定を、教育委員の中でどのように受け止め判断されたのか、お聞かせください。

-野口教育長
 会議の公開か非公開かを話し合う教育委員会議におきましては、今ほども触れましたけれども協議に入る前に6月市議会における教科書採択の質問とそれに対する答弁、仰せの請願に対する文教消防常任委員会と本会議との採択結果、そして教科書採択に関する国からの通知、また他の中核市の状況について事務局の方から説明を行いました。教育委員会議におきましては、教育委員個々人がこれらの事実を踏まえたうえで公開か非公開について真摯に話し合ったものでございます。なお、議事録等につきましてはなるべく早く公開できるようにこれから準備を進めてまいりたいと思っております。

-山下議員
 会議の公開という点でいうと、不登校対策をテーマに開かれた先日の総合教育会議では、傍聴席15席が満席になり、傍聴できず帰られた方も出るほどでした。傍聴した方に聞くと「不登校対策についてどんな話し合いがされているか知れてよかった」と話されていました。まさに会議の公開というのは、市民の知る権利を保障し、市政への参加を保障する貴重な機会だというふうに考えます。教科書採択会議にもこうした姿勢が求められていると考えますが、教育長の見解をうかがいます。

-野口教育長
 山下議員もご存じだと思っておりますけれども、地方教育行政の組織及び運営に関する法律という法律がございます。その第1条の4第6項には「総合教育会議は、公開する。ただし、個人の秘密を保つため必要があると認めるとき、又は会議の公正が害されるおそれがあると認めるときその他公益上必要があると認めるときは、この限りでない」とうたわれています。また同じようにこの第14条には「教育委員会の会議は、公開する。ただし、人事に関する事件その他の事件について、教育長又は委員の発議により、出席者の三分の二以上の多数で議決したときは、これを公開しないことができる」となっています。総合教育会議と教育委員会議は法律上公開が原則とされておりますが、一方で双方とも一定の要件の下で非公開とすることが認められております。今般の教科書採択にかかる教育委員会議につきましては、繰り返しになりますけれども先の教科書採択にかかる文部科学省の通知等を踏まえ、教科書採択にかかる会議を公開するかどうかを教育委員会議で真摯に話し合いを行った結果、意思形成過程であり、静謐な採択環境の中で自由闊達な議論を行うことや公平性・中立性を保つ必要があることから、非公開とすることに決定したものでございます。

-山下議員
 昨日、採択会議での発言者名を議事録に明記すると、教育長の答弁がありました。市民の要望でもありましたし、透明性ある採択に向けて一歩前進だというふうに評価をしているところです。ただ、教育委員会は、議事録を公開しているから説明責任を果たしているいうふうにいっていますが、説明責任と、公正で透明性のある会議の運営とは同一ではありません。来年は中学生の教科書採択も予定されていますので、採択会議公開への前向きな検討を再度求めて、次の質問に移ります。
 最後は、学校給食についておたずねします。学校給食法では、食を通じた子どもの心身の健全な発達を目的として「食育」の推進をうたっています。保護者の労働状況や経済的な理由によって、給食が唯一の栄養源という子どもたちもいます。成長期の子どもたちの健康と人間的発達を保障する学校給食はたいへん重要であり、教育としての学校給食の充実が求められると考えますが、学校給食の役割について、教育長はどのようにお考えですか。お聞かせください。

-野口教育長
 今山下議員がおっしゃいました通り、私も学校給食はとても重要なものだと思っています。学校給食は、児童生徒の心身の健全な発達に資するほか、栄養教諭による各教科等の指導を一体として推進することで、食に関する正しい理解と適切な判断力を養うことを目的としておりまして、学校給食において、繰り返しになりますが重要な役割を果たしていると考えております。

-山下議員
 子どもたちにとっても、社会的にも、大変大きな役割を担う学校給食ですので、本市としても教育の一環にとどまらず「教育の中心」におく気概で、ぜひ取り組みをしていただきたいと思います。
 次に、共同調理場の整備についておたずねします。2021年文科省の調査状況では、学校給食における調理方式は、全国の小学校では、単独調理場が46.3%、共同調理場が52.3%とおおよそ半数の割合です。そこで、本市における調理方式の現状をお聞かせください。

-上寺教育次長
 本市の学校給食は現在、学校内に調理場を設置する単独調理場4施設と、共同調理場13施設で業務を行っております。

-山下議員
 全国的に見ても、本市は極端に単独調理場が少なく、4校ある単独調理場も、現在の新共同調理場建設計画にある、泉本町地内での1日8000食規模の共同調理場建設の中に集約化され、本市から単独調理場がなくなってしまうという現状です。一方全国では、食と地域を支えるという観点から、共同調理場から単独調理場へ転換をすすめる自治体も見受けられます。本市は、この建設計画をすすめるにあたって、単独調理場であった4校の保護者や児童、給食調理員、教員等からの意見を集約し反映させ、計画をすすめてきたのでしょうか。

-上寺教育次長
 泉本町地内に設置する新たな共同調理場へ4校の単独調理場を統合することは、令和2年に策定した新たな学校給食調理場再整備計画に盛り込まれております。この計画の策定にあたり、有識者や調理場関係者、保護者、学校関係者からなる懇話会を設置いたしまして、再整備の具体的な方向性等について検討を行いました。

-山下議員
 本市はさらにもう1ヵ所、駅西・臨海地区に1日1万1000食規模の巨大な調理場建設を打ち出しています。共同調理場は、食中毒発生時などの被害が大きく、道路事情や災害があった場合にも、給食提供に大きく影響します。1万食を超える共同調理場では、前日に野菜をカットして水につけておくなど、栄養面で課題があることも指摘されています。食品ロスなどの環境問題や、地産地消の食材を利用する地域経済の観点、学校が避難所となる防災の観点からも、単独調理場の役割に、いま注目がおかれているなかで、単なる経済的効率を最優先に共同調理場計画を進めてしまっては、給食だけでなく学校教育、地域そのものが貧しくなるのではないでしょうか。新共同調理場建設計画の見直しを求めますが、見解を伺います。

-野口教育長
 本市におきましては、単独調理場の老朽化が進み、敷地等の制約から改修等による調理能力の向上が難しく、効率的な運営を行うことが困難でありますことから、近代的な整備を導入し、衛生管理及び労働安全の面に考慮した共同調理場を採用いたしております。年間献立による給食を通じた計画的学習の推進や、特色ある給食を通じた地元食材、食文化の理解など、栄養教諭を中心に児童生徒教職員が一体となって食品ロス対策や食育の推進に取り組んでおりますことから、調理場の方式に関係なく学校給食の充実が図られると考えています。なお、災害時のリスクについてお触れになりましたので、今回工事請負契約等をお諮りしております南部共同調理場(仮称)におきましても、豪雨災害等でも調理機能が停止しないように様々な工夫を行って、災害時でも給食を止めない工夫をしております。また、様々な食中毒等にもお触れになりました。しっかりとモニタリングなどで食材の温度や調理状況等をしっかりと検査できる機器も導入したいと思っておりますので、そうした点でもこの共同調理場方式についてはこのまま進めていきたいと考えております。

-山下議員
 単独調理場・共同調理場、それぞれメリットはあるかと思いますが、ぜひ共同調理場ありきではなく、共同調理場から単独調理場への切り替えを行った自治体の状況をよく調査研究していただいて、新共同調理場建設計画の見直しを再度求めて、私からのすべての質問をおわります。

広田みよ議員

※一括質問形式でしたが、便宜上、質問のあとに各答弁を配置しました。

猛暑と物価高騰対策の実行を!

-広田議員

 わたしは、日本共産党金沢市議員団の一員として以下質問いたします。

 猛暑と物価・光熱費高騰が市民の命とくらしに大きな影響をあたえています。気象庁は、日本の6月から8月の平均気温が観測史上最高になったと発表しました。熱中症の搬送は全国で、5月から9月3日までで昨年が66,508人のところ、今年は82,854人と大幅に増加、そのうち金沢市は228人で、昨年度から1.43倍となりました。とくに65歳以上がおよそ58%、屋外ばかりではなく屋内での搬送が46.5%を占めています。熱中症の予防には水分摂取や、室内ではエアコンの利用が不可欠ですが、相次ぐ電気代の値上げや物価高騰により、経済的理由で利用できない市民も多くいます。市営住宅に住む高齢者は、「低年金でエアコンを設置できない。浴槽に水を溜め、日に何度も浸かってこの猛暑をしのいでいる」と言います。また、「電気代が心配でエアコンをつけないどころか部屋中真っ暗で過ごしている」という方もいます。この猛暑と物価・光熱費高騰は、もともと生活が大変な方を中心に、市民を生命の危機に近づけます。金沢市では、データ公表済の7月分までで「熱中症疑い」で高齢の方がおひとり亡くなられています。猛暑は来年もさらに気温をあげてやってきます。政治とくらし、生命は地続きであり、今後を見通し、さらなる対策が必要です。そこで伺います。

 金沢市がこれまで行ってきた福祉光熱費は、今回の冬季分について助成額を増やす案が出されましたが、対象は7400世帯です。金沢市21万1千世帯のおよそ3.5%であり、一方で住民税非課税世帯はおよそ58000世帯に及びます。こうした方々にも夏季分、冬季分とも給付対象を広げるよう求めますがいかがですか。

福祉光熱費助成について
-村山市長

 物価高騰等に対する今回の福祉光熱費助成金は、令和3年度の福祉暖房費助成金以降の支援と同様、自宅で生活し光熱費を負担している生活困窮世帯への支援を目的としておりまして、支給対象世帯を拡大することは考えておりません。

エアコン設置補助について
-広田議員

 屋内での熱中症搬送は半数近くであり、搬送現場ではエアコンがついてない高齢者宅もあったそうです。金沢市はこのような状況を把握していますか。そして、経済的にエアコン設置が困難な方々に対し、エアコンの設置や修理・買い替えの補助制度など検討するよう求めますがいかがですか。

高齢者の実態把握について
-山口福祉健康局長

 高齢者世帯に対しては高齢者福祉保健台帳の作成などの際に民生委員が訪問する機会がありますが、エアコンの設置など財産に関する調査を行うことまでは困難であるというふうに考えておりまして、把握はしておりません。続いて、エアコンの設置等への補助制度についてでございますけれども、熱中症対策におきましては室内の適切な温度管理が必要であることは理解しております。効果的な支援の在り方や市民間の公平性などを考慮する必要がありますので、補助制度につきましては現時点では考えておりません。

上下水道料金の減免について
-広田議員 

 白山市なども9月議会で予算案を盛り込みましたが、上下水道料金の減免は幅広く市民にいきわたる施策です。実施を求めますがいかがですか?

-松田公営企業管理者

 白山市では物価高騰対策として国の地方創生臨時交付金を充当して水道料金の減免を実施するとお聞きしております。本市におきましては市長部局におきまして交付金を活用し経済的な負担が大きい世帯等に対する物価高騰対策を切れ目なく講じていることから、ご提案のあった減免は考えておりません。

税の軽減について
-広田議員

 政府はガソリン代や電気代などの補助を当面続けるとのことですが、市民や中小企業の実態を踏まえ、消費税減税やインボイスの中止、トリガー条項の発動など踏み込んだ対策を市長としても求めるべきではないでしょうか。

-村山市長

 消費税の減税や揮発油税等に対するトリガー条項の発動は、国の税収だけでなく地方交付税や地方消費税交付金、地方揮発油税といった地方自治体の財源にも大きな影響を及ぼすことになります。またインボイス制度は、売り手と買い手が消費税の税率や税額を正確に把握することでミスの防止につながる制度であると理解しております。いずれにしても国が判断することであり、市として減税等を国に求めるつもりはありません。

コロナ感染拡大と対策について
感染状況は

-広田議員

 コロナ感染拡大の現状と対策について伺います。第9波で、現在増えてきたエリス株は、これまでのものより感染力がやや強いと言われています。石川県の定点観測は全国平均を超え、金沢市でも8月27日からの週報は21.76人となり、5類に移行して最高値を更新しました。高校クラスターなど報道もありますが、金沢市の具体的な感染状況をあきらかにしてください。

-山口福祉健康局長

 市内の定点医療機関からの感染者の報告数は、8月中旬以降1定点あたり20人を超えており、全国平均を上回る状況となっております。感染者の年代別の内訳では、10歳未満と10歳代の割合が非常に増加しておる状況でございます。

感染対策を求める
-広田議員

 5類化以降、各地域、分野の行事がさかんですが、今一度、発熱や咳など体調不良時の外出を控えること、手洗い・換気、人が多い場所でのマスク着用など、個人任せではなく、指標を示して呼びかけるよう求めますがいかがですか。  

-村山市長

 新型コロナの感染拡大防止に向けてでありますが、先月、市長定例記者会見がございました。その場において市民の皆様に対して基本的感染対策に努めていただくようお願いをしたほか、ホームページやSNSにおいて注意喚起を行っているところであります。今後も発熱等の体調不良時は外出を控えることや、手洗いや換気などの基本的感染対策の強化、医療機関の受診時や高齢者施設等への訪問時にはマスクの着用を徹底することなど、感染状況に応じて注意喚起を行っていきたいと考えております。

-広田議員

 一方、5類化以降、検査は有料となりました。医療機関では検査を受けずに帰られる方がいらっしゃるそうです。抗原キットは薬局では2000円弱、医療機関では保険適応でも、診察代などいれて4000円ほどかかります。検査のハードルを下げるため無料の検査の実施を検討できないか伺います。

-山口福祉健康局長 

 現在新型コロナの検査につきましては薬局で検査キットの購入が可能でありますし、また医療機関におきましても検査を受けることができる状況になっておりますことから、本市で独自に無料検査を実施することは考えておりません。なお、高齢者施設等の従事者に対する検査につきましては検査キットの無料送付を継続していくこととしております。

若い世代・子育て世帯への支援を!
-広田議員 

 次に若い世代、子育て世帯についてです。日本では、大企業の内部留保が511兆円と過去最高を更新する中、実質賃金は30年以上も下がり続けており、その中でもっとも苦境に立たされているのは、実額給料自体が低い若者たちです。そして、若い世代は非正規雇用が多く総所得も少ないこと、非正規雇用者が加入する国保などは所得が少ないほど負担が重いことなどで可処分所得も低くなっています。さらに、大学の奨学金返済が30代40代になっても続いている状況です。若い世代は、子育てどころか、恋愛や結婚など考える余裕もないというのが実態です。「労働政策研究・研修機構」の資料では、男性の若い世代の有配偶率については、正規雇用に比べ非正規雇用の男性が顕著に低い現状だとしています。子育て費用に関しては、2021年の「出生動向基本調査」で、理想の数の子を持たない理由として複数回答のうち「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」を選ぶ夫婦の割合は総数で最多の52.6%、35歳未満の妻では、8割近くにのぼります。こうした就労や実質賃金、子育て費用面で、若い世代が婚姻・子育てに踏み込めないのはあきらかです。市長はどのように考えますか。

-村山市長

 少子化に関しまして、国の機関が令和3年に行った出生動向基本調査によりますと、夫婦が理想の数の子どもを持たない理由として最も多いのは「子育てや教育にお金がかかりすぎる」という経済的理由であり、子育てにかかる金銭的負担が少子化の要因のひとつになっているということは私も認識をしております。このことから国は、こども未来戦略方針において、子育てにかかる経済的支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取り組みを打ち出しております。市としても今後の国の動向を注視しながら、新たな「かなざわ子育て夢プラン」の検討過程において、これまで以上に将来を担う若者や子育て世代の意見を聞きながら、施策の推進を議論していきたいと考えております。

県内市町への転出について
-広田議員

 こうした中、金沢市の自然動態ですが、出生数はここ10年をみても減少の一途であり、子どもの数が減るのは必然です。要因は社会動態にもあるとされています。そこで、移住や定住を決めるタイミングとされる0から5歳児のいる世帯の金沢市の社会動態を調べたところ、転出が転入よりも多く、県内外あわせて年間およそ800世帯から900世帯が転出しており、そのうち4割から半分近くは県内自治体への転出であることがわかりました。ここ10年間で、実におよそ3473世帯が県内自治体へ転出しています。4市2町では2679世帯、小松と能美市を含めると3051世帯です。市長、こうした近隣市町への転出理由はなんだと考えますか。

-坪田都市整備局長

 子育て世帯の転出超過となる理由についてのお尋ねですが、子育て世帯が限られた資金で希望する住宅を建設するためには土地の価格は重要な要素であると想定され、比較的地価の安い近隣の市町に建設地を求める傾向にあると考えております。

住宅支援について
-広田議員

 子育て世帯は、非常に厳しい家計の中で子どもを育てていけるのかという不安を抱えており、居住する自治体を比較・選択するのは当然です。もちろん、どこに住んでも子育てを保障するという国の役割が果たされていない結果です。日本は、家庭予算も教育予算も、GDP比でOECD加盟国の平均以下となっているのです。しかし、地方自治体にも、出産・子育ての保障を行う責任があります。県内で子どもが増えている自治体では、若い方や子育て世帯の移住・定住促進のための住宅補助と、子育て支援とをセットで行っています。本市の場合は、近隣市町にくらべ住まいにお金がかかることはあきらかです。にもかかわらず、若い方や子育て世帯への住宅支援はほぼありませんが、どのように考えているのか伺います。

-村山市長

 本市では定住・移住を促進するため、充実した住宅取得支援制度を設けております。まちなか区域では若い世代に対する加算を設けているほか、移住者に対しては郊外にも対象を広げるなど、手厚い支援を講じております。また安心して子育てできる環境の充実に向けて、かなざわ子育て夢プランの実践に全力で取り組んでおり、今後も金沢の将来を担う若い世代や子育て家庭に本市に住み続けてもらえるよう様々な施策の充実を図っていきたいと考えております。

子育て支援について
-広田議員

 子育て支援においても、市長のおっしゃっている「福祉の金沢」と言えるでしょうか。子どもの医療費助成は県内で金沢市だけが遅れをとっています。学校給食の無償化も進んでいません。子ども医療費の18歳まで窓口無料化、学校給食費の無償化、そしてかねてから求めている第2子保育料無償化など早急に取り組むよう求めますがいかがですか。

-村山市長

 子育て世帯の支援につきまして、これまで本市では本市の有する文化資産などを活用した本市ならではの子育て施策を展開してきております。決して、県内の他市町と比べて遅れているとは考えておりません。その中で、経済的な支援につきましては予算の選択と集中による重点化を図っていく中で順次拡大を行ってきたところであります。子育て支援医療費助成につきましては、今年度医療費以外にも費用がかかる入院分について対象年齢を拡大するとともに自己負担を無料化したところであり、現時点でこれ以上の拡充は考えてはおりません。第2子の保育料につきましては、保護者の所得制限を撤廃するとともに、きょうだいの年齢や生計同一に関わらず半額とした負担軽減制度の大幅な拡充をすでに実施しております。現時点でこれ以上の引き下げは考えておりません。また、学校給食費については就学援助制度があることから、現時点で無償化を実施する予定はありませんが、国はこども未来戦略方針の中で学校給食費の無償化の実現に向けた具体的方策を検討するとしております。その動向を注視してまいりたいと考えています。

重要土地等調査法(土地利用規制法)について
国からの意見聴取について

-広田議員

 つぎに、「重要土地等調査法」いわゆる「土地利用規制法」が2021年6月に強行採決され、昨年9月20日全面施行されたことについてです。この法律は、米軍・自衛隊基地や原発などの周辺1キロメートルを「注視区域」などに指定し、所有者や使用者を監視・情報収集して、「機能阻害行為」があれば使用中止を勧告・命令できるというものです。しかし、何が「機能阻害行為」に該当するのか法律上の規定もなく、首相の判断や政令に委ねられています。わが党は、国民を監視し、国民の権利を著しく制約するなど問題を指摘し廃止を求めています。しかしながら、注視区域が8月15日に金沢市でも指定されました。指定区域は、野田の陸上自衛隊金沢駐屯地の周囲およそ1000mの区域内です。そこで伺います。市長は金沢市での区域指定や内容について、直接国から説明を受けたのですか。また、法律の付帯決議にある、地方公共団体への意見聴取が金沢市にもあったと聞きましたが、いつ、どのような意見を述べたのか、あきらかにしてください。

金沢市の注視区域の指定範囲
-川畑総務局長

 重要土地等調査法につきまして、国からの説明、意見聴取についてお尋ねがございました。市町村や都道府県の担当者を対象としましたオンライン説明会が5月19日に開催されまして、法律の概要や区域指定の考え方のほか、金沢駐屯地が区域指定の候補地である旨の説明がございました。また国からは5月12日付で区域の実情を把握するとして区域の範囲についての案が示されまして、本市からは区域線にかかる実情と開発行為等の有無に関する情報提供を行ったところでございます。

対象数や情報提供について
-広田議員

 つぎに、指定区域内の、調査対象となる世帯数や事業所数、公共施設の数などあきらかにしてください。そしてその対象に対し、国は土地や建物の謄本、住民票、戸籍なども調べ、現地調査も行うとしています。しかし、この調査の開始と終わりはいつなのか。また金沢市や住民には情報提供や調査にあたりどのような通知等があるのか。さらに、住民はそれらを拒むことができるものなのか伺います。

-川畑総務局長

 区域の指定がされているのみで調査対象となる世帯や事業所等の数は把握しておりません。国の基本方針では調査は公簿等の収集を基本とし、必要に応じて現地調査や報告の聴取等を行うこととされておりますが、時期や具体の手続等については不明でございます。なお、報告の聴取等に違反した場合は、法の罰則の対象となっております。

市民への説明を求める
-広田議員

 国会の審議をみると、住民は以前からその場所で生活や営業をしているだけなのに、一方的に情報を収集され調査されるものです。それは住民にとっては人権侵害ですし、とても不安です。市も意見聴取や情報提供で関与しており、説明責任があります。住民に対し市として説明を行うよう求めますがいかがですか。

-村山市長

 区域の指定については、国の安全保障のための措置であり、土地等利用状況審議会の意見を聞いたうえで国が責任をもって判断し実施するものであります。本市では国からの協力依頼に基づいて、国が作成したリーフレットを本庁舎内に置いておりますほか、新聞広報やSNS、ホームページを活用し広く情報を発信しているところであります。また市民や事業者からの問い合わせにつきましては、国が開設したコールセンターが一元的に対応するとされております。市として住民に対して説明を行う考えはありません。

マイナ保険証について
トラブル続出

-広田議員

 つぎに、マイナ保険証についてです。マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」の問題が底なしの様相です。6月議会でも医療機関でのトラブルや紐づけ間違いに対し市長から懸念の表明がありました。その後政府の総点検中間報告でも、紐づけ間違いがあらたに1069件確認され、8441件に膨らみました。さらに、マイナ保険証として使用しても紐づけがなく、医療機関で使えないケースが少なくとも77万件以上あることも判明しました。あげくは、保険証に記載された負担割合とオンライン資格確認の負担割合が食い違う現象も起こっています。その不信からか金沢市国保でも、保険証との紐づけをしている方は半数にとどまっている状況です。市長、マイナ保険証で続々問題が起きている現状をどのように思われますか。

-村山市長

 全国で様々な問題があったことは承知しております。市民の信頼を傷つけるとともに、場合によっては健康を脅かす恐れのある重大な事案であると捉えております。国の動向を十分に注視し、保険者として適切に対応を心得てまいります。

事務負担が重いことについて
-広田議員

 さらに、行政においては負担があらわです。共同通信が実施したアンケートでは、全国で90%の首長がマイナンバーカードに関する事務負担が重いと答え、村山市長も「重い」と回答しました。また、「資格確認証の発行について事務負担が不安である」とも回答されています。市長、どのような具体的な負担や不安からお答えになったものかあきらかにしてください。

-村山市長

 先般のアンケートにおきましては資格確認証発行対象者の選定や有効期限の設定、さらにシステム改修のほか、制度の周知広報など新たな業務が数多く発生するということから、率直に事務負担が重いと回答いたしました。国民健康保険の保険者として、国の示す方針通り対応できるよう、準備を進めてまいりたいと考えています。

健康保険証廃止の延期、中止を!
-広田議員

 政府は、地方自治体の現状も顧みずオンライン資格確認が使えない医療機関があるとして、「資格確認証」でもない、「資格情報のお知らせ」なるものを配布するとまでしており、さらなる負担と混乱をもたらすものです。そしてそのツケは、医療機関や患者さんの命に係わるのです。市長、健康険証の廃止には、メリットどころかもはや問題しかありません。国民健康保険の保険者であり、市民の命と健康を守る市長として、政府へ健康保険証廃止の中止や延期を求めるべきではありませんか。

-村山市長

 マイナンバーカードの保険証利用によりまして、メリットとしては診療時に過去の健診結果や調剤情報が共有できること、そしてそれによって適切な医療につながるなど、市民の利便性は非常に高まると考えております。国においてはこうしたメリットなどを考慮して、健康保険証を廃止することとしたものと認識しております。国に対して保険証廃止の中止や延期を求めていくことは考えておりません。

玉川図書館・子ども図書館の駐車場の有料は見直しを!
市民の意見を聴くべき

-広田議員

 つぎに、昨年の本会議でもとりあげました玉川図書館・こども図書館駐車場について伺います。今議会の市長提案説明で、両図書館駐車場の料金において、10/1から無料時間を30分から1時間にすると報告がありました。記者会見で市長は「30分の無料だと、子連れのお母さんが図書館で本を選んで借りる時間が短くなるなどの意見があった」としています。しかしそのようなお声は、昨年4月に有料化を開始する前からお声が多く寄せられ、わたしもこの議場で質問しましたが、なぜそのとき検討されなかったのでしょうか。

-上寺教育次長

 玉川図書館と玉川こども図書館の駐車場使用料の設定につきましては、無料を求めるなどの声があることは承知しておりましたが、一方で商業地や観光地に近接していることから、図書館利用者以外の駐車によって利用者の駐車が妨げられ、長時間にわたる駐車によって順番待ちの車両による渋滞が頻繁に発生し、利用者や周辺住民から改善を求める声が多く寄せられていました。こうしたことを踏まえ、駐車場の利用の適正化と周辺の良好な交通環境の確保を図るとともに、限りがある駐車スペースをできるだけ多くの図書館利用者にお使いいただくために、使用料を設定することとしたものでございます。

-広田議員

 昨年の議会質問であきらかになったのは、駐車場有料化の際に、図書館利用者や市民に説明やアンケートもせず、市の図書館協議会に対し議題にもしていなかったことです。しっかり市民の意見を聴くべきです。市長は、記者会見でさらなる無料時間の延長に対し「利用者の声を聴きながら考えたい」とおっしゃいましたが、今後どのように意見集約するのですか。

意見集約について
-上寺教育次長

 今後とも毎年実施しております利用者アンケートの結果や随時寄せられる市民の方々からのご意見を踏まえ、図書館サービスの向上に役立ててまいりますが、駐車場の使用料につきましては駐車場の利用の適正化や周辺の良好な交通環境の確保、図書館利用者の利便性などの観点から設定したものでありまして、全ての方々のご意見を反映することができないことをご理解願います。

両図書館・駐車場の現状について
-広田議員

 市民の思いはすでに現状にも表れています。駐車場を有料化した昨年度から両図書館や駐車場利用者の減少が顕著です。入館者数について、令和3年度と昨年度を比較すると、他の金沢市図書館は増えるか横ばいの中で、玉川図書館は85%に減少、子ども図書館では改築があったため平成30年度から昨年度比較で47%に減少しています。駐車場の利用についても、昨年度、玉川図書館の駐車場については22台設置のところ1日117台の利用ですが、地下の子ども図書館駐車場では、73台設置のところ、1日63台と1回転もしていません。駐車場有料化によって市民、特に子ども図書館利用者が離れています。この現状をどう考えるのかあきらかにしてください。

-上寺教育次長

 駐車場使用料の設定の影響による入館者数につきまして、旧玉川こども図書館閉館前の平成30年度と比較した場合、入館者数の減少は新型コロナウイルス感染症と石川県立図書館の開館が大きく影響したものと考えておりまして、必ずしも駐車場の使用料の設定が入館者数の減少に繋がっているとは考えておりません。

駐車場有料化は見直しを
-広田議員

 市民の知る権利、学ぶ権利を保障するため、図書館法には「図書館は無料の原則」があります。

金沢市は有料化の目的に、近隣の渋滞緩和や目的外利用をなくすことをあげていましたが、私は昨年の議会で、まずは予定している車の動線変更や駐車場利用者への声かけなど、有料化前にするべきことがあると求めました。目的外利用ついては、その利用をなくす責任は行政側にあり、適正に利用する市民に負担を負わすのはおかしいと述べてきました。市長、「図書館は無料の原則」を貫き、問題解決については行政がまず責任をもつべきです。金沢市が文化都市と標ぼうするのであれば、図書館サービスの縮小はその名に恥じる行為です。有料化を見直すべきですがいかがですか。教育長にも伺います。

-野口教育長

 図書館法第17条入館料等につきましては、「公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない」と規定されております。駐車場使用料につきましては、入館料その他図書館資料の利用の対価ではないことから、その原則に反してはおりません。今回、近隣の渋滞状況や駐車場の利用実態を勘案し、来月1日から図書館利用者に対して使用料を無料とする時間を30分から1時間に延長することとしたものでございます。

除排雪の拡充を!
オペレーター育成支援について

-広田議員

 さいごに、除排雪の拡充についてです。6月議会で示された第3次路線の出動基準の緩和検討に続き、今回の予算でも前向きな取り組みに期待を寄せるものです。まずは、オペレーターの育成支援事業についてですが、当初予定の年間10名、10年で100名の計画が増強されることになるのでしょうか。

-坂本土木局長

 除雪オペレーター育成支援補助は、本年7月1日から申し込みを開始したところでございまして、7月末時点において当初想定していた人数を超えましたことから、今議会に補正予算として計上させていただいたものでございます。なお、10年間で100人という目標につきましては、今年度の状況をとらまえましてもまずは早期の目標達成に向けて引き続き育成支援に取り組んでいきたいと考えております。

排雪場について
-広田議員

 また、排雪場を大桑町と田上町に常設で増設をしますが、これにより排雪の受け入れ量が増やせるのでしょうか、あきらかにしてください。

-坂本土木局長

 今年度開設する2か所の排雪場は、河川敷や大学の敷地であり、廃止となった住宅地内にあります2か所の排雪場よりも広い面積が確保できますことから、受け入れ可能量は増加する見込みでございます。

除雪計画路線の拡充を
-広田議員

 第3次路線の出動基準緩和の検討は、市民の要望が届き大変評価をするものです。しかしながら、それにより金沢市の除雪計画路線の現在4割という数値が増えるものではありません。市民たっての願いである、除雪計画路線の拡大については今年度検討しているのか、あきらかにしてください。

-村山市長

 除雪計画路線は、作業を行っている各除雪業者と除雪体制などについて意見交換を行い、市内全域の路線調整を図りながら決めております。路線を拡大するには除雪業者の確保とオペレーターの育成が必要になります。今般、除雪の出動基準を緩和いたしました。これによってどういった状況になるかということは、確認をしていかなければならないという中でありますが、現在は今冬の除雪計画を策定している中であります。地域の実情に合わせて路線の追加や変更を検討しておりますが、こういった実情の中で大幅な路線の拡大は難しい状況にあります。引き続き除雪業者の掘り起こしやオペレーターの育成支援を行い、除雪体制の維持強化に努めてまいりたいと考えております。

-坂本土木局長

 今冬の除雪に向けまして現在計画を策定中でございます。しっかりとした体制で臨むよう計画を策定していきたいと思います。

-広田議員

 除排雪のさらなる拡充を求め質問を終わります。

<再質問>
高齢者の実態把握について
子ども医療費窓口無料化について

-広田議員

 市長の姿勢はあくまでも国判断、国任せというものが多いように感じます。何点か再質問しますが、まず子どもの医療費ですが入院まで予算を増やしましたが、この発言通告をしてから土日の間に新たな報道がありまして、自治体への罰則を廃止するということが明らかとなってきました。その中で財源的には出てくるわけですから、市長のお考えを求めたいと思います。

 もう一つは、高齢者のエアコンについてですけれども、民生委員さんがそうやって調査する背景にはお声かけみたいなものも含まれています。エアコンをつけてくださいねと言った背景にエアコンがなかったら話にならないわけですよね。財産云々の話がありますけれども、まずは実態を把握すべきだと思いますがいかがですか。

-村山市長

 子ども医療費についてのご質問をいただきました。予算がどのくらいかかるかということの分析とともに、それを恒常的にしなければならないという恒常的な財源の確保が必要となります。そういった中で優先順位をつけながらその対策を行っているところであります。より効果の高いものを検討しながら、財源がうまれたとすればそのより有効な施策の検討をしてまいりたいと考えております。

 エアコンについてのご質問をいただきました。先ほど局長の方から答弁した通りではありますけれども、まず設置をされているかどうかという調査まで民生委員等にしていただくということの労力がかかっていくということもありますけれども、仮にこの制度を設けたときにどのような形になるか、そんなことも検討しなければならないというように思います。これがまた有効な施策なのかどうか判断したうえでの決断になると思いますけれども、ご要望をいただいたことは承知をしております。すべての施策の中で優先順位をつけていくべきものだというように思っております。

〈再々質問〉※質問は全部で3回まで
土地利用規制法について
図書館駐車場について

-広田議員

 高齢者のエアコンについては、もし制度の検討を始めたら確かに調査が必要だという視点だと思います。踏み込んだご回答をありがとうございます。

 あと2点、土地利用規制法の話ですが住民には市として説明しないということですが、沖縄などでは県として強い反対意見があるということで11項目にわたって国に意見を出しているんですよね。金沢市からもたくさんの情報を提供します。そして金沢市に住んでいる市民に関わる問題ですから、もうちょっと主体性を持っていただきたいと思いますがいかがですか。

 そして図書館ですが、先ほど県立図書館の利用のこと、そしてコロナで図書館利用・駐車場利用が減っているんじゃないかということでしたけれども、確かに県立図書館の件はアンケートにも表れています。だけれども駐車場についてはアンケートに項目もないんですよね。まず項目に駐車場についての意見をくださいと書くべきではないですか。

-村山市長

 重要土地等調査法につきまして、自衛隊との関係、そしてそれぞれの土地との関係、様々あると思います。国防を担う国の方でどのように考えられるか、また地域との調整としても自衛隊の方も協力をいただいている部分もあります。今回の件につきましては国の方で一元的に説明を行う、また質問の受付も行うということですので、国の方の動きに任せたいと考えております。

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