トピックス

-森尾議員
 私は、日本共産党市議員団の一人として質問します。
 最初の質問は、米の品薄状況と価格高騰への対策についてです。
 今、店頭では米が品切れか品薄状態で、市民もお店も悲鳴の声が上がっています。金沢市内のスーパーでは「お米は、一家族一点限りでお願いします」との張り紙がはられ、品物によっては売り切れ状態となっています。坂本農水相は、こうした事態にも関わらず「新米が月内に出回り、品薄は順次回復する」と述べ、政府はなんらの対策もしようとしていません。店頭に十分なお米が出回るよう緊急対策が求められています。市長。国や県をはじめ関係機関に対し、必要な手立てを講ずるよう求める考えはないか伺います。

-村山市長
 米の流通に関しては、国において出荷・在庫等の状況を把握し、関係団体への働きかけや情報発信をしていくこととしておりますので、市としてはその状況を注視してまいります。

-森尾議員
 去る8月23日、わが党国会議員団が政府に対し、緊急対策についての申し入れを行いました。この中で、今回の事態は「安定して十分な生産量を確保し、価格保障・所得補償によって農家の収入を支えるという、多くの国々でおこなわれている政策をとっていれば防げた事態」と指摘し、「かつて1000万㌧以上あった米の生産量は661万㌧にまで減少し、今年は需要量が上回ったため、民間の在庫量が6月末時点で156万㌧と過去最低水準となった」と指摘しました。1ヶ月の消費量は50万トンから60万トンですから、米が不足する水準となっています。そして申し入れとして、政府として実態・実情を把握し関係者の声を聞くこと。農家と米の小売業者への支援、フードバンク・こども食堂への備蓄米の支給制度の充実などを求めました。市長。農協や農家、米の小売業者の実情をお聞きし、実態を把握することが求められています。見解を伺います。

-紙谷農林水産局長
 米が品薄になっている状況につきまして、国は6年産米の生育が全国的に順調に進んでおり、順次回復していくと見込んでおりますことから、今のところ市として実情を把握する必要はないと考えています。

-森尾議員
 県内産の「ゆめみずほ」の新米が販売されています。10キロ当たり、昨年は3500円でしたが、今年は4580円と1080円の値上がりとなっています。消費者だけでなく、米の小売業者にも影響をもたらしています。コメ価格の安定した供給が図られるよう政府に求めると共に、米の小売業者に対して資金確保のために融資や支援策を講ずるよう求めたいと思います。見解を伺います。

-村山市長
 本市の施策についてでありますが、これまでも米の小売業者も含めて物価高騰の影響を受けた中小企業の資金繰りを支援するため、融資制度に物価高騰対策分を創設するとともに、中小企業小規模事業者総合応援窓口において事業者からの融資制度等に対する相談に対応してきたところでございます。こうした支援の仕組みを活用いただけるということですので、現時点では新たな支援策を講ずることは考えておりません。

-森尾議員
 第二に、能登半島地震にともなう粟崎地区での液状化と浸水被害対策について伺います。
 今議会の補正予算において、液状化被害を受けた粟崎地区の復旧工法を検証するために、1億2200万円が盛り込まれました。そこで、先に行われた15ヵ所のボーリング調査の結果について明らかにしていただきたいと思います。

-ヤマザキ危機管理監
 粟崎地内の15か所で実施しておりますボーリング調査につきましては、現在調査を概ね終了しておりまして、現在順次分析を行っているところでございます。今後はその結果をもとに、液状化の判定を行い、今後の対策工法に反映させてまいります。

-森尾議員
 今後の対策として「地下水位低下工法」による対策を実施するとしていますが、今後どのような復旧に向けた取り組みが行われるのか、明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長
 粟崎地区の地形や土質の両面から、地下水位を低下させるという工法が復旧に向けて最も効果的と考えております。この工法が周辺住宅・周辺宅地に与える影響などを確認するために、粟崎小学校の敷地の一部を利用して動態観測を行う実証実験を行うこととしてございます。こうした実証実験の結果から得られたものをもとに、最良の復旧工法を選定したいと存じます。

-森尾議員
 住民からは不安の声が寄せられています。液状化対策はどのような手順で行われるのか。どの程度の期間がかかるのか。そして、液状化対策は公費で行われるのか。こうした点についての見解を伺います。

-村山市長
 粟崎地区の液状化対策につきましては、将来の液状化リスクを低減させるため、国の宅地液状化防止事業を活用しまして、公費にて対策工事を行う予定であります。今後、地域住民の方々との合意形成を図りながら最良の復旧工法を選定したうえで、明年度に実施設計を行い、令和8年度から本格的な工事に取り掛かりたいと存じます。

-森尾議員
 今議会の追加議案の中で、宅地等の復旧にかかる支援の拡充が打ち出されました。対象や補助金額、申請期間などについて明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長
 被災宅地等復旧支援事業につきましては、能登半島地震により被害を受けた宅地の地盤改良や、住宅基礎の沈下・傾斜等の修復を支援するものであります。今回県から示された、能登半島地震復興基金の枠配分を活用して、補助率を3分の2から6分の5に、また補助限度額は958万3千円に引き上げまして、被災者の負担軽減を図ります。引き続き、被災者に寄り添った対応に努めていくため、宅地復旧の進捗が見通せるまでの間は、期限を設定せずに申請を受け付けたいと存じます。

-森尾議員
 大野川護岸沿いの水管橋(すいかんきょう)から新川橋(あらかわばし)に至る粟崎地区の10数軒で浸水被害が発生しています。隣接する金沢市が管理する木谷(きや)公園にも影響が及んでいます。浸水被害が発生したのは、護岸の地盤沈下と今回の地震によるものです。市として実情調査を行うと共に、河川管理者である県に対して早急に護岸の改良を行うよう求めていただきたいと思います。市長の見解を伺います。

-高木都市整備局長
 木谷公園に隣接する大野川では、管理用通路が20センチ程度沈下して浸水被害を受けたことから、先般、河川管理者であります石川県に対して周辺の管理用通路の被害状況の確認と、早期の改修を求めたところでございます。なお県からは、明年度以降、改修工事に着手する予定であるとお聞きをしております。また管理用通路沿いの宅地につきましては、亀裂が入ったり建物が傾くなどの被害があったことは把握しておりまして、復旧に当たりましては被災宅地等復旧支援制度など補助制度の利用を促してまいります。

-森尾議員
 第三に、金沢市中央卸売市場の現在地建て替えについて伺います。
 昨年令和5年1月、この市場再整備基本計画が明らかにされ、現在地建て替えの方針が打ち出されました。この計画に基づき、基本設計、実施設計と具体化されるとしています。そこで、この基本設計は、計画通りこの9月中に市場関係者との合意を得てまとめることができますか。所管の局長に伺います。

-紙谷農林水産局長
 令和5年4月に、市場事業者で構成する青果部・水産部の両部会を立ち上げまして、これまで基本計画に基づいて現地で営業しながら工事の安全性を確保することや、全体工期を10年以内とすることについて、協議を重ねながら基本設計の策定に取り組んでいるところでございます。一方で、現地で建設・引越し・解体を繰り返す建設工程計画の策定など、市場事業者との調整に時間を要しますことから、基本設計の工期を来年2月末まで延長したいと考えております。

-森尾議員
 この8月1日、市場再整備代表者会議が開かれました。市場関係者から意見が相次ぎ、建設工程計画について合意できませんでした。市長。基本設計について合意を得られないまま、実施設計へと突き進むのですか。どうされるのですか。明快な答弁を求めます。

-村山市長
 市場代表者会議においては、再整備中も市場全体での取扱高を確保するため、建設工程計画について引き続き青果部・水産部、合同での検討が必要であるとの見解が示されたところであります。このことを踏まえて、市としても市場事業者とひとつひとつの課題を解決しながら、合意を得て設計作業を進めていくこととしております。こうした「合意を得る」ということも含めて、基本設計を来年2月末まで延長することで、実施設計については令和7年度から取り組むこととなりますが、建設工事については予定通りの令和8年度中の着手を目指していきたいと存じます。

-森尾議員
 現在地建て替えのために、規模の縮小、ローリング計画と称して、現在地で仮店舗営業を続けながら建物を壊し、新築し、次に建物を壊し、新築していくという方向を打ち出しました。その結果、完成するのが、令和17年度となります。11年間を要するんです。市長に届けられた市場関係者からの要望とはどんな内容ですか。明らかにしていただきたいと思います。

-村山市長
 市場事業者からの主な要望については、供用時期の早期化、また仮設営業期間の短期化、その他使用料の算定方法や売上高割使用料の廃止、また将来的な情勢変化に合わせた予備スペースの確保、市場会計余剰金の活用、管理費の圧縮、再整備にかかる費用への支援、といったことでございます。こうした要望を踏まえまして基本計画を策定したものでありまして、施設整備に関するものについては基本設計に反映したいと存じます。

-森尾議員
 市長。市場関係者からの要望について、真摯に応えていく責任があると思います。現在地建て替えという基本計画について、あらゆる可能性を探りながら、見直しをはかること。その決断が求められていませんか。見解を伺います。

-村山市長
 金沢市中央卸売市場再整備基本計画については、有識者や市場関係者で構成する検討委員会での意見を踏まえて策定したものであります。また、現地建て替えで10年以内を工期とする基本計画、工事については令和8年度からということですので工事は10年以内となります。市場事業者の合意を得ながら基本設計を進めているということから、見直しは考えておりません。

-森尾議員
 市長は先ほど、市場関係者からの要望は真摯に受け止めて守っていきたいと表明されました。しかしすでに、市の方針は市場関係者との合意づくりもできず、計画を延長せざるを得ないという事態に追い込まれています。そのうえ、基本計画は変えないというならば、当初考えた基本計画と、市場関係者の声と現実を考えれば、これは内容を検討せざるを得ないんじゃないですか。市長、改めて見解を伺いたいと思います。

-村山市長
 本市としては市場事業者との間で合意を得たうえで来年2月末までに基本設計を行いたいと考えております。そして建設工事あるいは工事の終了期間については変更がないということから、従来の計画通り建設を進めたいと考えております。

-森尾議員
 担当する副市長が、文書で次のような見解を述べています。「今後基本設計に向けてみなさんがこれでいきましょうというところまで、私自身も含め一生懸命皆さんの意見を集約していきたい」と。担当の副市長がこう述べています。市長はあくまでも市場関係者との約束や意見は十分承ると言いながら、基本計画の内容については方針通りだと。これは相矛盾するんです。したがって、今回9月末までの計画が来年の2月まで延ばさざるを得なかった。この状況を考えると、これまで取ってきた市の方針そのものが問われる事態になっているんじゃないですか。改めて市長、これは決断が必要だというふうに私は考えますがどうでしょうか。

-村山市長
 市場事業者の合意を得ることに努めていきたいというように思いますし、なるべく早くこの老朽化した市場の建て替えが進むように努力してまいりたいと存じます。

-森尾議員
 第四に、金沢駅から片町に至る都心軸沿線の「都市再生緊急整備地域」指定について伺います。
 この指定に向けて第2回準備協議会が、去る8月21日開かれ、整備方針の素案の中に金沢駅周辺のエリアでの高さ制限を除外することを明記するよう求める意見が交わされたとのことです。金沢市のまちづくりの方針として、市内地域ごとに高さ制限を示し市民の理解を得てきました。金沢駅周辺エリアの高さ制限は60mとなっています。市長。今回の「都市再生緊急整備地域」指定への取り組みは、金沢駅周辺エリアの高さ制限をなくすことにあるのですか。見解を伺います。

-村山市長
 都心軸については、都ホテル跡地や日本銀行金沢支店跡地だけでなく、民間老朽ビルの再整備が課題となっております。このほか、北陸新幹線の開業やコロナ禍の影響などによって、エリア一帯を取り巻く環境に大きな変化が生じております。こうしたことから、魅力と活力のあるエリアとして都市の求心力が高められるように、民間の開発気運を醸成し、また面的整備を進めるために、この都市再生緊急整備地域の指定を目指しているものであります。既存の高さ制限を変更するということを目的にしているものではありません。

-森尾議員
 金沢市では、昭和43年(1968年)に金沢市伝統環境保存条例を制定し、市内中心部で伝統的まちなみと環境を守る施策を進めてきました。平成元年(1989年)にいわゆる景観条例が制定され、高さ制限など景観の保全と育成が図られてきました。2003年、大手町にあったNHK金沢放送局が旧県庁跡地への移転計画が持ち上がった際に、金沢市は「高さ50mのアンテナ」が景観上ふさわしくないとしました。この地域が風致地区として、高さ15メートルまでとしていたからです。結局、NHK金沢放送局は駅西地域に移転となりました。市民の理解と合意を得て、金沢市の景観が守られてきました。行政は、市民と共にまちなみを守り、推進してきたことに誇りを持ってきました。市長は、こうした金沢市の歴史と取り組みについてどのように受けとめておられますか。伺います。

-村山市長
 これまでまちづくりの分野におきましては、保全すべきエリアと開発すべきエリア、これを区分けして、都心軸においては市街地再開発事業などを推進してくる一方で、郊外地には歴史文化遺産や豊かな自然が存在し、金沢らしい景観を維持・継承するなど、保全と開発の調和を図りながら多面的・重層的な施策を展開してきたと認識しております。現在も谷口吉郎・吉生記念金沢建築館の方でこの金沢診断の展示を行っておりますけれども、そちらの中でもこうした歴史について詳しく紹介をしております。これは世界に通じる金沢らしさの源泉と捉えておりまして、先人たちのレガシーと受け止めております。

-森尾議員
 金沢駅前にある旧都ホテル跡地をめぐって、金沢駅周辺エリアの高さ制限をなくし、再開発事業を進めることが打ち出されました。それが、昨年の10月31日市長が馳知事を訪ね、近鉄グループと特措法を活用して開発を進める方針で合意したと報告されたことでした。市長はこうした経緯について、議会答弁でお認めになられました。市長に伺います。近鉄グループとの合意文書はありますか。伺います。

-村山市長
 近鉄不動産に対しては、この特別措置法を活用した開発の意向を確認したものでありまして、書面による合意はありません。

-森尾議員
 重要な合意内容にもかかわらず、口頭で済まさざるを得なかった理由があるのですか。市長の独断を持って、金沢市が市民と共に作り上げてきたまちづくりとその施策方針を変更することは、あってはならないと考えます。見解を求めます。

-村山市長
 答弁が繰り返しになってしまいます。近鉄不動産に対しては開発の意向を確認したものであります。

-森尾議員
 特措法を活用し、開発を進めるという方針で、合意したということじゃないんですか。

-村山市長
 特措法を活用した開発の意向を確認したものであります。

-森尾議員
 現行の金沢市の景観条例に基づく方針では、あの駅前のエリアは高さ60mという制限がある。しかし特措法を活用して手続きをとれば、この60mを超えて建設が可能だということを踏まえて、特措法に基づく開発について、いわば近鉄グループと合意をし、その方針に基づいて進めてきたということではないんですか。

-村山市長
 特措法を活用してということについては、その開発の意向を確認をいたしました。一方で、この特措法に基づく整備方針についてはまだ定まっておりません。そのうえで、近鉄不動産は特措法を活用した開発の意向を確認したというものになります。

-森尾議員
 金沢市は、年度内に整備方針の素案を作成し、国に提出し、金沢駅から片町に至る都心軸沿線の「都市再生緊急整備地域」指定を求めるとしています。そのため、駅周辺とそれ以外の地域に分けて整備方針を求めるということを打ち出しています。今後の取り組みと基本方針について伺います。

-村山市長
 先般の第2回準備協議会におきまして、金沢駅周辺区域と都心軸区域では、景観計画の位置付けや都市機能に違いがあるということから、区域を分けて地域整備方針を作成することで了承を得ました。金沢駅周辺区域は、県と金沢の玄関口として、広域交通の結節点の特性を生かし、町全体の賑わい創出に期する多様な都市機能を集積することが重要でありますし、他方、都心軸区域は周辺の歴史文化遺産や良好な住環境に十分留意するとともに、武蔵が辻・南町・香林坊・片町といった各地区の特徴に配慮した都市開発を誘導することが重要であります。今後、11月頃にも開催する次回の準備協議会におきまして、エリアと地域整備方針の素案を取りまとめまして、年度内には国へ申請したいと考えております。

-森尾議員
 最後に、学校給食について伺います。
 学校給食費無償化を求める声が広がり、県内11ある市では、無償化をしていないのは、野々市市と金沢市だけとなっています。この間、早期の無償化実施を求め本会議でたびたび取り上げてきました。市長の答弁は「国の指導の下で全国一律で実施されることが望ましい」そして、金沢市は「考えておりません」というものです。無償化は必要なことだが、国でやるべきで、金沢市はやりません。これは、地方自治体は、そこに住む住民の福祉向上に向けその役割を発揮するということを投げ捨てるものです。無償化は、国がやるべきで金沢市がやるべきことではないと、あくまでも言い続けるのですか。市長の見解を伺います。

-村山市長
 答弁を繰り返すことになります。学校給食費の無償化については、自治体間での格差が生じないよう、国の指導により全国一律かつ恒久的に実施されることが望ましく、加えて多額の財源を要することから、現時点では学校給食費の無償化は考えておりません。なお本市では経済的な理由で就学が困難な場合については、就学援助制度によって給食費の全額を支援しております。

-森尾議員
 一方、学校給食の食材費が値上がりし、一般会計から年間4億2700万円を投入している。これを保護者が負担すべきだというのが、金沢市の考えですか。全額保護者負担とすると年間1万2千円から3千円の負担が増えます。半分の負担だとすると年間6千円から7千円の負担増となります。無償化はやらない。食材料費の値上がりによる一般会計からの負担は保護者が持つべきだというのが市長の考えですか。見解を伺います。

-村山市長
 本市では学校給食法に定められる給食の実施に必要な経費の分担の原則に基づいて、経費の適切な負担の観点から、食材費のみを保護者に負担していただいております。しかしながら、食材費の高騰が続く状況下において、保護者の負担を軽減するため、令和4年度以降、食材費の不足分を全額公費で補填しているというところであります。現在こうした学校給食費を取り巻く情勢を踏まえて、教育委員会において学校給食費懇話会を開催し、今後の給食費のあり方について意見を求めているところであります。懇話会で取りまとめられた提言を踏まえて、明年度以降の予算に反映させていきたいと考えております。

-森尾議員
 学校給食費の無償化はやりません、こう明言する市長。食材費の値上げによる一般会計からの持ち出しは保護者が負担するべきだと言って値上げを実施しようとするんですか。市長の言葉でご説明を願いたいと思うんです。

-村山市長
 大変申し訳ないんですけれども、今議員が指摘するような表現はしていなかったというように思います。値上げ分については、これまで市の方で支出してきたということの事実を申し上げたまでであります。

-森尾議員
 金沢市南部共同調理場(仮称)建設事業が行われ、令和7年2学期から供用開始とのことです。用地費、建設事業費そして設備費など総額はどの程度か。市教育次長から明らかにしてください。

-堀場教育次長
 金沢市南部共同調理場(仮称)の建設にかかる概算事業費でございますが、用地費は約7億円、建設事業費は約20億3千万円、設備費は約15億8千万円であり、外構工事や洗浄、消毒、保管システム機器などの備品購入費を加えた総額は、約53億5千万円を見込んでおります。

-森尾議員
 この調理場は、一日8千食という大規模なものです。その結果、4か所の単独校調理場が集約され、市内から単独校調理場がなくなります。また、鞍月、扇台共同調理場が集約されます。この共同調理場は、調理部門を民間に委託し、学校への配送も民間に委託するとしています。共同調理場に民間から人が派遣され、調理するというのが委託契約として成立するのですか。派遣ではないですか。また、調理場から小中学校への配送時間が、概ね20分を超えないようにするというのが教育委員会の方針となっています。果たして実現可能ですか。答弁を求めたいと思います。

-堀場教育次長
 まず学校給食の調理業務委託につきましては、平成20年の石川労働局の見解では労働者派遣事業に該当するとの指摘は受けておりません。請負の区分を明確にするよう助言等もあったことから、委託契約書の文言を整理するなどの改善を図りまして、適切に執行しております。なお、令和7年9月に供用開始を予定しております南部共同調理場(仮称)につきましても、他の共同調理場と同じく適切に執行してまいりたいと考えています。
 あわせまして、調理場から小中学校への配送時間についてのお尋ねがございました。南部共同調理場(仮称)から配送する学校は、小学校12校を計画しております。いずれの学校にも概ね20分以内での配送が可能であります。

-森尾議員
 続いて、駅西地区での1万1千食の巨大共同調理場を建設するとしています。金沢市が打ち出している学校給食調理場再整備計画は、単独校を廃止し鞍月共同調理場と学校併設の小規模・中規模調理場をなくすという方針となっています。結局、17施設ある学校給食施設を6施設に集約するという内容となっています。金沢市行政改革大綱に基づき調理業務を民間委託するとの方針も打ち出しています。全国的には単独校と共同調理場が半分半分という状況からすると、すべて共同調理場となる金沢市は際立っています。どう説明されるんでしょうか。

-堀場教育次長
 より安全な給食を安定して継続提供していくためには、調理場の衛生基準や施設設備等の機能性をこれまで以上に高めていく必要がございます。本市の単独校調理場は老朽化が進んでおります。施設面積が小さいことから、改修等による調理能力の向上が難しく、効果的に運営を行うことが困難であることや、児童生徒数の減少及び偏在化に対応するため、令和2年2月に策定いたしました新たな学校給食調理場再整備計画に基づきまして、近代的な施設設備を導入し、衛生管理及び労働安全の面にも配慮した共同調理場方式を採用して、施設の集約化を図ることとしております。また、調理業務につきましては、金沢市行政改革大綱、現在の金沢市行政経営プランや、金沢市中期人事計画に基づき、調理場の施設規模や業務の遂行状況、調理職員の状況など、様々な変化等に注視しつつ委託化を図っていくこととしております。

-森尾議員
 学校給食の無償化実施のために、一般会計1千8百億円の規模のわずか1%の財源で実施可能です。学校給食無償化を強く求めて、質問を終わります。

2024能登半島地震被災者支援について

-広田議員

 質問の機会を得ましたので、日本共産党金沢市議員団の一員として以下質問いたします。

 まずは能登半島地震被災者支援についてです。震災発生から8カ月ですが、金沢市内でもそして能登からの避難者についても支援が必要な方々が未だ多数おり、本市も引き続き取り組みが必要です。

支援の打ち切りについて

 しかしながら金沢市の災害救助法の適用期間が8月末で終了したとのことです。市独自の支援や県から依頼された支援の多くが8月末で打ち切りとなりました。このことによって、金沢市で被災された方はどうなるのか、また広域避難で市内にいらっしゃる以北の方の現状と今後の支援はどうなるのか伺います。

-村山市長

 今般、すべての避難者の仮設住宅への入居が決まったということから、先月末をもって広域避難所は閉鎖いたしました。また、災害救助法に基づく支援や、本市が独自に実施する支援の一部も終了となりました。一方、被災した方の中には、震災前の暮らしを取り戻すまでにまだしばらく時間を要する場合もありますことから、今補正予算にも各種の支援制度の増額等をお諮りしております。引き続き、生活再建の段階に応じた切れ目のない支援を継続したいと考えています。

 一方で、能登地域で被災して市内に避難されている方のうち、ホテルや旅館にいらっしゃる方が約100名、そして約180世帯については公営住宅で生活をしております。また、賃貸型応急住宅(みなし仮設住宅)の申し込みについては、これまでに約1600件ありました。被災された方が一日も早く平穏な日常生活に戻れるよう、引き続き寄り添った支援に務めたいと存じます。

-広田議員

 引き続きお願いします。

 市が行ってきた支援の中に、今おっしゃったホテルなどへの2次避難の方に、これまで食事提供を意図したプリペイドカードの配布がありました。プリペイドカードが最善かどうかは別としましても、2次避難者の方々は9月から食事はどうなっているのか、食に関する保障は続けるべきではないですか。

-村山市長

 今回、ホテル・旅館等にいらっしゃる方に対するプリペイドカードでの支援、これは金沢市独自で行ったものであり、他の自治体では行っていない特別なものでございました。ただ、この食事支援につきましては、8月に入ってから大幅に対象者が減少いたしました。県からは食事提供のある施設へ対象者全員が宿泊できると連絡がございましたので、8月末で終了したところであります。対象者の状況ですが、今月8日現在で食事提供のない宿泊施設には5世帯14名が宿泊をしております。これは県の方で食事提供のある施設への移動について対象者全員に希望を確認した際に、それぞれのご判断で移動しなかったというように県から聞いております。なお8月最終週にプリペイドカードを配布した際に、受け取りに来られた方全員から、本市の支援に対する感謝の言葉をいただいたところであります。

-広田議員

 現在5世帯14名の方がまだ食事提供のないホテル・旅館にいらっしゃるということですけれども、今はいいとおっしゃっているかもしれませんが、もし仮に今後困窮された事態に陥りそうなときは、ぜひ臨機応変に県と協力して支援を求めたいと思います。

 もう一つ、生活必需品については、現ホテル避難者以外は打ち切るというふうに聞いていますが、まだ支援を一度も受けていない方はいないのか、続けるべきではありませんか。

-村山市長

 生活必需品給与については、災害救助法に基づいて実施しているものです。本市への災害救助法の適用が8月末で終了しております。一方で、二次避難先としてホテル等に避難されている方について、避難後の居住先がまだ決まっていないということから、県との協議も踏まえ引き続き支援を行うこととしてしております。

-広田議員

 まだ続けられる方がいらっしゃることを周知していただきたいと思います。

医療・介護の一部負担金・利用料について

 つぎに、医療や介護の現場、そして避難者からも、医療費や介護利用料の免除が9月末で終わるのはどうなんだという声が寄せられています。県とともに国へ延長を求めるべきですがいかがですか。

-村山市長

 先般、国から期限の延長について意向調査がありました。それに対して延長を希望するという旨回答を行ったところであります。改めて国に対しての要望は考えてはおりません。

-広田議員

 市としては求めたということですので、ぜひ実現できるようにまた力を尽くしていただきたいと思います。

 

市民の命と生活を守る対策について

熱中症対策について

-広田議員

 つぎに、市民の命と生活を守る対策について伺います。この猛暑で熱中症の搬送が相次いでいます。今年は7月から前年を大きく上回り、7月に県内過去5年で最多の4名が死亡、そのうち金沢市内で80代の方が亡くなりました。お悔やみ申し上げたいと思いますが、市長、まずは重大なケースとして受け止めたのか、状況把握と今夏の対策をどのように考えたのか伺います。特に、県内死亡者のうち3名はエアコンを使用しておらず、金沢市の方も搬送時室内は高温状態だったとの報道です。その点も含めどのように考えているのか伺います。

-山口福祉健康局長

 この7月に高齢者が死亡した事例につきましては、地域包括支援センターの職員が本人宅を訪問した際に、呼び鈴を鳴らしても応答がなく、新聞受けにも2日分の新聞が残っていましたから、そういったことから別居親族のご了承を得て入室し、中で倒れている本人を発見したというふうに聞いております。この事例であったり、熱中症での救急搬送が増加しているといった状況を踏まえまして、やはり高齢者の方は熱中症で重症化する可能性が高いことから、引き続き民生委員の方であったり地域包括支援センターと連携しながら、より細やかな訪問、声かけに努めていきたいと思っております。

-広田議員

 私は昨年の9月議会で、高齢者宅のエアコン設置や使用状況の把握を求めました。しかし市は、市民の財産に関することなので把握しないとの答弁でした。しかし、今年度から消防現場では、熱中症搬送の際にエアコンの設置・使用状況を調査しています。7月末で搬送者の半数以上が65歳以上である中、屋内48件中エアコン設置なしが15件、あっても使用していない方が21件という状況でした。エアコンの使用が生死をわける状況で、大変貴重なデータであり、市の施策にいかすべきですがいかがですか。そして改めて、いろんな機会をとらまえ、市内の特にご高齢の方のエアコンの設置状況と、設置できない理由や使用できていない理由の調査が必要だと考えますがいかがですか。

-山口福祉健康局長

 やはりエアコンの使用につきましては、熱中症の予防対策に非常に有効であるというふうに認識しております。今後は本市が毎年作成しております熱中症予防のリーフレット、これに今回消防局が調査した「熱中症搬送件数のうち、エアコンを使用していなかった件数が21件」と、そういうようなことをリーフレットにも記載するなど、適正なエアコン使用に関する注意喚起に活用していきたいというふうに考えております。また、エアコンの設置状況、使用していない理由の調査ですけれども、やはり調査までは考えておりませんけれども、民生委員であったり地域包括支援センターの職員が訪問を行った際にエアコンの利用であったり、今般金沢市が設置いたしましたクーリングシェルターの利用、こういったことをご説明することや、こまめな水分補給・塩分の補給、こういったものの注意点を記載した熱中症予防のリーフレットを配布し、この夏の暑さに対する注意をしっかりと促していきたいというふうに思っております。

-広田議員

 私の方には、「エアコンが苦手」「電気代が心配でつけられない」というお声もある一方、「エアコンを設置するお金がない」「壊れても買い換えられない」というお声もあります。かねてから求めている生活保護世帯や低所得者世帯のエアコン設置の補助拡充を求めたいと思いますがいかがですか。

-村山市長

 生活保護世帯のエアコン設置につきましては国の法令・通知に基づいて判断しております。保護開始時において高齢者・障がい者など特に熱中症予防の必要性がある世帯に限られておりまして、市独自に支援することは考えてはおりません。また低所得世帯につきましては、効果的な支援のあり方や市民間の公平性などを考慮する必要があります。現時点でエアコン設置に対する補助制度を設けることは考えてはおりません。

駅西むつみ体育館について

-広田議員

 次に、障がい者高齢者体育館である駅西むつみ体育館について伺います。ご利用者からエアコン設置のご要望があがっています。市は体育館の室温34度以上で利用を中止しており、7月は開館25日のうち11日体育館の使用ができませんでした。さらに私も体感しましたが、34度以下でも決して涼しいわけではありません。特に気温の変化に注意が必要な障がい者、高齢者の方の施設ですから特段の配慮が必要です。利用者の命を守り、生きがいの場を提供するためにもエアコン設置が急務だと考えますがいかがですか。

-村山市長

 駅西むつみ体育館の空調設備につきましては、体育館部分については維持管理・費用等の課題から設置しておりませんけれども、多目的室等にはすでに設置しているところでもあります。一方でこの体育館についてでありますが、今年度は移動式空調設備を試験的に設置し、その効果を検証しているところであります。その検証結果を踏まえまして、より効果的な対応について検討したいと存じます。

-広田議員

 古い体育館なので設備として難しいというお声もこれまでありましたけれども、今、移動式空調機をモデル的に導入していると。これが有効であるならば、ぜひしっかり予算化していただきたいと求めておきます。

学校給食費(保護者負担分)について

 最後に生活面で、学校給食費(保護者負担分)については現在、今後の給食費のあり方をめぐって学校給食費懇話会が開かれています。私のほうには現役の保護者やスクールサポータ―の方からも「こんな物価高騰で生活大変な中、値上げなんてとんでもない」というお声が大半です。午前中の答弁で、懇話会の提言を受けて検討するとのことですが、すでにこの議場で私を含め危惧する市民のお声が出されています。市長には市民のお声が届いていないでしょうか。市長自身はどうお考えなのか、伺います。そして今こそ私は無償化すべきだと考えますがいかがですか。

-村山市長

 給食費のあり方について、今教育委員会において現在学校給食費懇話会で検討していただいております。いただいておる中で、私がどうすべきということを申し上げるのは議論に口をはさむことになりますので、この議論の結果を待ちたいと思います。そしてその提言を踏まえて、明年度以降の予算に反映させていきたいと考えております。

-広田議員

 無償化については全国一律でやった方が良いということなんでしょうけれども(先に質問を行った議員への答弁から)、この値上げについては、議場から意見が出たということも重く受け止めて、最後は市長の決断ですから、ぜひ市民の声を聞いていただきたいという要望です。

金沢方式について

-広田議員

 つぎに、金沢方式について伺います。現在、地元負担の軽減などをめぐり金沢方式あり方検討懇話会が開かれています。本市の資料では、金沢方式とは「地域が一定の負担をしながら自主的運営を行う方式」と記述されました。しかし町会長アンケートではこの金沢方式の認知度はおよそ30%。これでは「地元の総意で地元負担している」という市の認識も揺らいでいるのではないでしょうか。金沢方式は先人たちが作り上げてきたものと理解しますが、現代においては法令や市の規定、合理的な予算計上がなければ、市民の理解を得ることは困難です。今一度、金沢方式について整理をしたいと思います。

施設の現状や地元住民の負担に関する他都市との比較について

まずは、施設の現状や地元住民の負担に関する他都市との比較についてです。

 公民館・児童館について。懇話会では、これらの施設が中核市平均より多いと報告されましたが、資料をご覧ください。全国では自治公民館や民間の児童館という種類もあります。例えば、本市に似た、人口40万6千人、一般会計予算1750億である富山市の公民館は、市立直営で84施設、地元負担ももちろんありません。一方、補助制度がある自治公民館は695。類似施設も含め1000前後とのことです。一方、金沢市は公民館61以外に地域の集会所が314という現状です。果たして本市は地域のコミュニティの場が多いと言えるのかどうか、明らかにしてください。

 そして、本市とおなじく条例設置の公立公民館、児童館の施設整備や設備で地元負担のある自治体はほかにあるのか。公民館については運営費についてもお答えください。

 同じく消防分団についても中核市とくらべての傾向や地元負担があるのか伺います。

金沢方式あり方懇第1回目資料から抜粋 ※画像タップで全体をご覧いただけます

-堀場教育次長

 まず公民館についてお答えしたいと思います。本市では昭和27年、新たな公民館の設置に際しまして、多少の地元負担を伴っても校下ごとに公民館が欲しいという地域住民の強い要望を受けて、1校下に1公民館の設置を目指してまいりました。これにより本市の地区公民館数は中核市平均31館を大きく上回る61館となっております。なお、他の中核市の公民館におきまして、本市と同様な地元負担の取り扱いを行っていることまでは把握しておりません。

-安宅こども未来局長

 市立の児童館数の中核市平均が10館に対しまして、本市には33館ございます。また民設・民営の児童館は本市には存在しておりませんが、関連団体の調査によりますと、全体の約3%しかない(設置は問わず民営だともっと多い、本市も民営)ことから、民間設置を含めても本市の児童館数は他の中核市に比べて多いのではないかと考えられます。なお、他の中核市の児童館において、本市と同様な地元負担の取り扱いを行っていることまでは把握はしておりません。

-蔵消防局長

 消防団についてお答えいたします。本市の消防分団数は49分団であり、中核市の平均は35分団となっております。また消防団員の定員数は、本市が1,248人であるのに対し、中核市平均は1,514人となっております。地元負担を求めて消防施設の整備を行っている中核市は現在5都市となっております。

-広田議員

 児童館については、私が調べたところでは公立児童館2,323、民間児童館1,978(公営、民営という意味でした)というふうに国が調査結果を示しております。ちょっと先ほどの3%が、もう一度私も考えたいと思います。

 さらに消防の方は中核市で照会をかけているにも関わらず、公民館と児童館はこの重要なことであるのに把握をしていないと。これから照会をかけるということでよろしいですか、市長。

-村山市長

 照会をかける予定は今のところないんですけれども、その必要性がある場合には照会をかけることになると思います。

-広田議員

 この公式な議会で質問をしているんですよ。62市に照会をかければ答えが返ってくる。政策を聞いているんじゃない、難しい質問ではないと思います。やっていただくよう求めます。

-村山市長

 他の中核市と成り立ちが違うということから、その必要性を現在では考えてはおりません。

-広田議員

 成り立ちどうこうの問題ではなくて、現状どうなのかという話をお聞きしているんです。それぞれ成り立ちはバラバラです。消防だってバラバラかもしれない、でもやっているんですから。ぜひ求めていきたいと思います。委員会でも求めます。(調べても同様の自治体は出てこない予想だから調べたくないのでは?)

地元住民の負担の仕組み、法的根拠と市の規定について

 つぎに、地元住民の負担の仕組み、法的根拠と市の規定について伺います。

 まず公民館・児童館について伺います。公民館や児童館の建設事業は、市が事業を行ってから地元が集めた現金を市に寄付するというやり方ですが、なぜそのような方法をとっているのか。そして寄附金に入れる意味もあきらかにしてください。

-村山市長

 先ほどの答弁と重なるところになりますけれども、本市における公民館や児童館等の整備については、建設工事等に地元負担が生じることを了承のうえで設置を望む地域の総意に基づいて要望を受け止めて、それで進めているというものであります。ですので、歴史的な成り立ちも違うということであります。こうしたことから、地元負担相当分については、整備完了後、地元からの寄付申し出に基づいて寄附金として採納しております。

-広田議員

 それは地元負担を前提に要望している地元がいるという意味でおっしゃっているのだと思いますけれども、私ちょっと仕組みをなぜそうしたのかというふうに聞いています。あとで要綱が出てくるので、そのときにまたお聞きします。

 また、市民からは素朴に、社会教育法や児童福祉法に照らして、公立の施設であっても地元負担を入れてもよい意味がわからないというふうによく伺いますが、この見解を伺います。

-村山市長

 繰り返しになってしまいますけれども、本市における公民館・児童館の整備については、建設工事等に地元負担が生じることを了承のうえで地域の方々と協議しながら、本市独自の方式でこれまで進めてきておりました。地域が一定の負担をしながら自主的運営を行うということは、活動の自主性・自立性を担保することで地域の連帯・連携を強めて協同をはぐくむためにこれまで大きな役割を果たしてきたと認識しております。

-広田議員

 私は「法律に照らして」と言っているので、今の答弁は答えになっていないと思います。再度考えを整理していただきたいと思います。今繰り返しおっしゃられたことは、地元負担を前提に地元が要望してくる、そういう事業だということだと理解します。

 それでは、こうした金沢方式の仕組みや地元負担割合に関する法律や条例、要綱などがあるのでしょうか。先日の総務常任委員会では「ない」という答弁があったんですけれども、そしてひとつひとつの予算が根拠だとのことでした。市長、それはその通りでよろしいですか。

-村山市長

 金沢方式について明記した条例はありません。また、それに基づく要綱もないと理解しております。

-広田議員

 しかしその後、市立の地区公民館において別の建物を改修するときの要綱を見つけました。参考資料につけましたのでご覧ください。(資料ご参照ください)それは紛れもなく、私は金沢方式だと思うんですけれども、改修には要綱があるのに、児童館もふくめ、建て替え・新築などの事業にはなぜ要綱が作られていないのか、伺います。 

-堀場教育次長

 原則、本市の地区公民館は地元負担を受けながら市が必要な予算を講じ、公共施設として整備しております。ただ一部の地域におきましては民間施設を活用し、公民館に改修する場合があり、その場合は地区公民館整備事業補助金交付要綱に基づきまして補助金を交付することとしております。

-広田議員

 改修だって公共事業(公共施設と言ってるつもりだった)だと思うんですよ。同じ公共事業(公共施設)でありながら、なぜ片方は要綱があり、新築は要綱がないのかということを聞いています。もう一度お願いします。

-堀場教育次長

 地区公民館の建設におきましては、市が主体となって公共施設として整備するものですから要綱はございません。

-広田議員

 では、かつてこの要綱に基づいて行った事業は市の事業ではなかったという理解でよろしいんですか。

-堀場教育次長

 民間施設の改修におきましては、公共施設ではございません。市が主体となって工事をするものではなく、地元主体で工事を行っているものでございますので、要綱に基づいて補助をするということでございます。

-広田議員

 いや、歴史を遡りましたけれども明らかに地区公民館の事業でしたよ。地区公民館を廃止したわけでもなんでもない、地区公民館としてやられた事業。しかもお金を出しているわけですからね、補助として。この資料も、実は総務常任委員会では「ない」とされて後から見つかった。なので私は、市民にも知らされてなければ市の内部でもこの金沢方式が整理できていないんじゃないかというふうに思っているわけです。

 次に移ります。全体として法令や要綱などの根拠はなく、個別の予算で議論すると答弁されてきたわけですが、ではなぜ今検討会を開いて負担割合を決めるのか。なぜ検討会の資料では負担割合の表が「制度」と書かれて出されているのか。私は矛盾すると思うんですけれども、懇話会がおわったら何か要綱か条例かにするおつもりなのでしょうか、伺います。

金沢方式あり方懇第1回目資料から抜粋 ※画像タップで全体をご覧いただけます

-村山市長

 今回議論するに至った経緯といたしましては、人口減少・少子高齢化の進展とともに、町会加入率も減少した、そういった地域を取り巻く環境が変化している中で、地元負担の見直しが必要との声をお聞きしたところでもあります。これは地域コミュニティを支える基盤を強化するという意味でも、持続可能な金沢方式への見直しが必要と考えて、検討を進めたところであります。11月中に第3回懇話会を開催する予定でありますが、その中で金沢方式の見直しに向けて取り組むべき事項などについてご意見をいただいて上で、改めて金沢方式の意義や目的などについても整理し、今後取りまとめる提言の中に反映していただきたいと思いますし、また市民にも広く周知していきたいと考えております。

-広田議員

 私はどこにも規定がないのに突然「制度」と書かれて出てきて、さらにまた決めたことも条例や要綱に規定するわけでもなく、今「周知」っておっしゃいましたけれども、現状と変わらないわけですよね。ではお聞きしますけれども、検討会で決めたこともそのときだけの話で、結局は個別の予算の事業、地元と話し合うことに基づくということに今後もなりませんか。

-村山市長

 今回検討会で議論した内容をもとに、その運用をしていきたいと考えています。

-広田議員

 いや、なので、なんの規定に基づいて運用をされていくおつもりかということを聞いています。一旦「制度」というふうに紹介し、検討会を堂々と開いて、そこで議論するわけですよね。何割にするかということを。それが検討されたというだけでどこにも規定されなければ、今と変わらないのではないかというふうに思うわけですけれども、もう一度お願いします。

-村山市長

 今回のあり方検討懇話会での議論を踏まえて、その後それぞれの予算で個別に対応するということになります。

-広田議員

 結局は個別に議論するっていうのが答えで堂々巡りなんですよ。それはやっぱり元々法令や法律・条例・要綱・要領、何の根拠もない中でやっているからこうなっている。でもそれをもし作ってしまえば私は、後で議論しますけれども「割当的寄附金」を明らかに市が最初から形作ることになるので、しないのではないかというふうに考えています。

 一方、消防分団は補助取り扱い要領というものに、ポンプ車や機材置き場について補助割合が明記されています。歴史上、地域の自主組織からはじまり、後に補助がされるようになったからというふうに聞いています。しかし現在、消防組織法では明確に、施設整備や設備について、第8条で「当該市町村が負担しなければならない」と書かれています。これは要領と矛盾するのではないでしょうか、伺います。

蔵消防局長

 地元負担を求める事業につきましては、その予算を議会にお諮りし、お認めいただき実施しているところであります。

-広田議員

 結局、法律との矛盾までをも私たち議会は背負っているというふうなご答弁なのかと思ってしまいますけれども、もちろん、議会での議決は重いことは承知しています。ただ市長、私は法律と矛盾しないかということを伺っているんですけれどいかがですか。

-村山市長

 矛盾していないと考えています。(その根拠を次に確認する)

-広田議員

 誰か顧問弁護士さんなど、法律の専門家に見解はお聞きになったんでしょうか。伺います。

-村山市長

 私が個人的に聞いたことはないのですが、これは各局のところで聞いたかどうかは把握していません。

-広田議員

 なんのための顧問弁護士なのか。確か莫大な年間予算を払っていますから、ぜひ聞くように求めておきたいと思います。

割当的寄附金かという議論について 

 つぎに、基本的に公の事業は応能負担の税金でまかなっており、地方財政法第4条の5では「寄附金を割り当てて強制的に徴収してはならない」とあります。しかし金沢方式は寄附金としながら、あらかじめ地元負担が決まっており、地財法に反するのではないかとの見方があります。市は「地元が負担を前提に総意のもとで要望を出して寄付が納められており違法ではない」と主張していますけれども、実態はそうなっているかという問題です。

 まずは、地元負担はさかのぼれば、町会加入世帯からの負担です。しかし、町会からの出し方、集め方、決め方も含めさまざまです。違法でないとするならば、金沢市は地元住民誰もが自発的に、そして任意性が担保された中で負担しているという確認をどのように行っているのか伺います。

-村山市長

 公民館等の建設にかかる地元負担資金計画や、地元負担の集め方については、通常それぞれの校下地区の町会連合会等において決定されると聞いております。地域によって様々な方法があるというように考えております。地域住民のひとりひとりが自発的に任意性を持って負担しているという確認をとるということは必要ないと考えています。

-広田議員

 それでは市として確認できていないということですよね。さらに、違法でないとすれば、地元や住民にとっては負担、寄附をしないことで不利益になるという心理的圧迫もないという前提が必要ですので、最終的に地元から寄附が行われなくても、事業は成立するという解釈でよいですか。

-村山市長

 本市における公民館・児童館の整備については、設置を望んでいる地域の総意と言いますけれども、最大限にそれを尊重して建設工事等に地元負担が生じることを了承していただいたうえで事業を進めておりますので、その了承がない限りは市は事業に着手することはありません。建設工事に着手してからも地域の意見をお聞きして、協議を重ねながら進めておりますので、これまで寄付が行われなかったということもありません。 

-広田議員

 先ほどの見解ですと、あくまで地元組織に自発的か任意的かの確認は任せているけれども、了承をもとに事業を進めていると。ちょっと矛盾すると思うんです。やはり市として、本当に住民ひとりひとりが自発的・任意性があるかということを確認する必要があると考えます。

 つぎに、公民館建設に関する寄附を受け入れる際、市で積算し、かつ備品に関して控除をしているということが情報公開でわかりました。備品は地元で購入してもらうので、表記は助成というふうになっています。であるならば補助金制度に当たるはずですが、その要綱や要領は見つかりません。歳出もありません。このような処理は財務規則上問題ではないですか。 

-堀場教育次長

 公民館整備に伴います地元負担につきましては、地域で準備をいただく備品の購入費を市の建設費から差し引いて積算しているものでございます。補助金には該当いたしません。

-広田議員

 本当におかしいんですよね。地元が買って補助金として助成しているはず。「助成」という言葉で表現してある。さらに先ほどの改修のときの要綱の表の中には、補助金についてはあくまで「補助制度」なんですよ。そこでは明確に規定をしておいて、新築のときは控除みたいなことにしているというのは、本当にこれちょっと、市民から見ても説明がつかないというふうに思います。これも多分、内部でやっと今知られてきたことかと思うので、ぜひ議論を深めていただきたいというふうに思います。

 なぜ寄附金の割り当てを禁止するかと言えば、応能負担の原則があるからです。しかし金沢方式では、地元負担は誰もが同じ金額で負担する仕組みで、一人親世帯や年金世帯で低所得の方も何万円もの負担となります。本市は懇話会の中で最近「負担感」と表現していますがあきらかな「負担」です。市長、そういった現状に対してはどう思われますか。

-村山市長

 すべてのご家庭が均等に負担するということについて定めているわけではありません。公民館等の建設にかかる地元負担資金計画や、地元の集め方によりましては地域によって様々な方法があるというように捉えております。高齢者世帯等に対する軽減を行ったり、あるいは積立金を活用するといった例もあると聞いています。

-広田議員

 積み立てだって町会費から積み立てられるんで、同じ負担割合なんですよね。そして今、均等に負担してとは定めていないとおっしゃいましたけれども、それも定めていないですけれども、割合だってどこにも定めていないんです。ぜひ、一度お考えいただきたい。

 金沢市は、地元のことに立ち居らないという態度ですが、実際地域にとっては要綱などがなくても最初から負担割合が決まっており、町会加入の住民には結果的に個人の負担能力を超えて負担させることになっている。私はこれは割当的寄附に該当するんじゃないかというふうに考えます。ぜひこうした議論も懇話会でも行っていただきたいと思います。

シミュレーション

最後にシミュレーションについてですけれども、懇話会では町会加入率の低下も示されました。本市は持続可能な金沢方式のための議論と言いますが、住民の合意で町会を維持するために、金沢方式がどうあるべきかも問われています。

 検討懇話会では「住民負担がゼロならどうなるのか。財政的なシミュレーションを示してほしい」とご意見がありました。これは今後、懇話会で示されると思っていますけれども、明らかにしてください。

あわせて、公民館において市が出している運営費は予算で現在7億4千万円ほどですが、地元の負担がなくなるといくらに増えるのか、伺います。

-村山市長

 第二回懇話会では、地元負担についての議論を深めるために施設整備等にかかる今後のシミュレーションを示してほしいとご意見をいただきました。そちらにつきまして、次回の懇話会で想定できる範囲でお示ししたいと考えております。

 公民館につきましては教育委員会からお答えいたします。

-堀場教育次長

 令和6年度当初予算案における公民館運営費の総額は、地元負担を控除し約7億4千万円となっております。仮に全額を市が負担することとした場合は、約9億8千万円となる見込みでございます。

-広田議員

 2億4千万円を今市民が税の他に負担しているということです。

さいごに、今のような課題整理や議論を関係者だけではなく、一般の市民を交えることや、アンケートをとるなど広く議論すべきですがいかがですか。

-村山市長

 まちづくりミーティングや様々な機会を通じて市民のお声をお聞きしております。また、懇話会、本会議等を通じて議論を重ねているというように把握しております。

-広田議員

 さっき市長もおっしゃったように、地域のお金の集め方とか実態が本当に様々です。みなさんいろんな意見を持っていらっしゃいます。そして集める方も本当にご苦労されているというお声を聞いています。(タイムオーバー)

本会議の答弁をもとに総務でも詳しく確認していきます。

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6月議会広田みよ

市営住宅について

能登地震被災者の受け入れについて

-広田議員

 質問の機会を得ましたので、共産党市議員団の一員として質問いたします。

 まずは市営住宅について伺います。住まいは基本的生存権の土台であり、能登半島地震を通し、安心して豊かに住める環境がどれほど大切か痛感しています。

 まずは、能登被災者受け入れについて伺います。金沢市では80戸を用意し、現在35戸に被災者の方が住まわれています。大変重要な役割を果たしていますが、目的外利用として原則1年の入居となっています。しかし、1月4日に国から「被災者の実情に照らし、適切な入居期限とすること」と連絡が来ており、県もそのように行う方針だそうです。本市でも被災者の実情にあわせ、状況に応じて更新をするよう求めますがいかがでしょうか。

-高木都市整備局長

 地震により被災された方に応急的な住宅として一時的に使用を認めているものでございまして、使用期間の延長につきましては国や県と協議したうえで検討していきたいと考えております。

-広田議員

 もう県の方ではホームページに「状況により延長する」と最初から書かれていますので、ぜひ「延長する」というふうに言明していただけると被災者も安心すると思います。市長、いかがですか。

-村山市長

 使用期限の延長につきまして、前向きに検討していきたいというように思いますが、その際、国や県と協議して、検討したいと存じます。

-広田議員

 前向きに、いち早くお願いいたします。

現状と今後の整備方針について

 この地震で金沢市民からも市営住宅についてお声がありました。お住いの高齢者からは「耐震性がありひとりで逃げられないけど安心だった」と、若い方からは「ローンを組んで家を買っても被害にあったらほとんど補償もない。安全な公営住宅に住みたい」など公営住宅の評価が上がっています。また、実質賃金が下がり続ける中、セーフティーネットの役割が試されています。

 しかしながらグラフの通り、政府の住宅政策もあり、全国的にも本市でも管理戸数が減らされています。また、所得基準の引き下げや整備不足などで、申し込み数・入居戸数が大幅に減っています。市長、現在みどり団地の建て替え工事が令和13年度まで続く予定ですが、そのほかの耐震化や建て替えなどの整備方針は決まっているのか、あきらかにしてください。

金沢市市営住宅の状況

-村山市長

 現在耐震化されていない7棟につきましては、令和13年度に全て耐震基準を満たす予定であります。老朽化した建物については計画的な修繕や設備更新を行っているところであります。今後は建物の状況を考慮しながら、セーフティネットの役割を果たしていけるよう整備方針を策定してまいります。

-広田議員

 本当に今重要な役割を果たしておりますので、ぜひとも建て替えについて早めの検討をお願いします。そして管理戸数は減らさず、市民のニーズに沿ったものとなるよう求めておきます。

入居要件について

所得基準について

 次に入居要件に関してうかがいます。先ほどのグラフでは、申込者数の減少が顕著です。2011年、所得基準が政令で月額20万円から15万8千円に引き下げられたのが主な要因です。当時の本市は「前年の応募者から1割程度が基準を超える」としていましたが、もっと大幅な減少です。応募倍率は当時2.9倍ですが、現在は0.93倍と低下しています。必要な方が入れていると言われるのかもしれませんが、随時募集を見ますと0.64倍と低い状況ですし、申し込み数や入居戸数が減りすぎていると考えます。本市ではどのように分析しているでしょうか。

-高木都市整備局長

 入居者が減少している原因としましては、交通の便があまり良くない郊外にあるということ、それから老朽化が進んでいることなどが考えられるほか、民間賃貸住宅の水準が向上したことも要因であると推測をしております。

-広田議員

 グラフを見ますと引き下げ直後に減っていますから、私は基準引き下げの影響はとても大きいと考えます。実質賃金は減り続け、生活実態からみて現在の所得基準では必要な方が入居できない状況です。2012年には地方分権一括法により、入居基準などを各自治体が条例で定めることになりました。つまり、条例で独自に所得基準を引き上げることは可能です。検討が必要ではないですか。

-高木都市整備局長

 入居基準としております収入の基準ですが、国の基準に基づくものでありまして、現時点で引き上げは考えておりませんが、引き続き国の動向は注視してまいります。

-広田議員

 あくまで参酌基準ですので、ぜひ市として、建て替え方針も含めですけれども、いろんな困っている世帯、そして全国的に若い世帯も含めて検討が始まっています。ぜひ早めの検討をお願いしておきたいと思います。

市町村税滞納について

 次に、本市では入居資格に条例第6条「市町村税の滞納をしていないこと」とあります。今の家賃が高くて市営住宅に移りたいというご高齢の方からの相談です。所得基準内なのに、ご病気で失業したときの住民税滞納があります。高齢なのであらたな民間の受け入れはきびしい。このままでは家賃で生活が圧迫され滞納も減らせないという悪循環なんです。本来はこうした方々を救うのが市営住宅ではないでしょうか。石川県の県営住宅には滞納規定はありません。本来のセーフティネットの役割を発揮するためにも、本市も滞納規定はなくすべきではないでしょうか。

-高木都市整備局長

 公共の施設であります市営住宅に入居するためには、市町村税を滞納していないということは必要な条件であるというように考えております。

-広田議員

 具体的な理由は何ですか。

-高木都市整備局長

 限られた数の市営住宅に対しまして、入居希望者に公平に入居していただくために、市町村税の滞納の有無というのは公正な入居選考を行うための客観的な基準の一つだというように考えております。

-広田議員

 空き家が今、576戸です。応募倍率も1をどんどん下回っている状況で、倍率が本当にいっぱいでしようがないというのならばやむを得ませんけれども、こうした状況でそしてセーフティネットという役割ということであれば、私は滞納規定をなくすべきだと考えます。

 市長、生活保護の方でも、滞納があると入れないんです。おかしいと思いませんか。野々市市は条例で、ただし書きを設けていて「市長が特別な事情があると認める場合は、この限りでない」として、個別の事情を考慮しています。せめて今すぐにでも、それは行うべきではないですか、市長。

-村山市長

 それぞれのご事情があるというように思います。現在の公営住宅の入居率であったり、あるいは困難な悩みを抱えている方々のご事情は伺いたいというように思っておりますけれども、その中でどのようなことができるかということを研究すべきかというように思っております。

-広田議員

 市営住宅課は都市整備局、国交省ですけれども、かつては厚生労働省が最初の法律案を考えていたという流れもあり、相互に国交省と厚労省が向き合って今検討も始めているんですよね。やっぱり福祉施策でもあるんです。ですから今事情があるということは市長もお認めになりましたから、じゃあその事情を客観的にみて、この方だったら受け入れられるということを、野々市市ではそのような感じでやっていましたので、ぜひ研究を進めて、滞納規定、特別事情を考慮かなくすかを求めたいと思いますが、もう一度お願いします。

-村山市長

 ただ今国土交通省・厚生労働省の国の動きの話、そして他自治体のご紹介もございました。そういったことも含めましての検討を進めていきたいというように思います。

-広田議員

 ぜひとも検討をお願いします。

浴室の整備について 

 次に浴室の整備について伺います。随時募集の倍率はここ3年の平均だけみても0.64倍と低く、先ほど見たように入居戸数は右肩下がりです。浴室の設備が追いついていない物件が多いことも大きな要因です。浴室の設備である浴槽と給湯器を自費で設置すると20万円もの負担です。表にもありますが、浴室整備が完了しているのはおよそ40%に過ぎないんです。本市は年に3,40件ほど整備していますが、年間40件としても完了までに51年かかるんです。この地震で80戸の浴室整備を3カ月でやれたと聞いています。やろうと思えばもっと進められるのではないでしょうか。

-村山市長

 この能登半島地震対応として緊急的な整備を進めさせていただきました。住戸改善事業や浴室改善事業については、国の補助金を活用して進めているところであります。引き続き財源確保に努めて、住居環境の向上を図ってまいりたいと存じます。

-広田議員

 今回の地震は単費でやられたんですよね。ぜひ市の施策として、市営住宅の空き家もこんなに増えているわけですから、財源確保して進めるように求めていきたいと思います。

まとめ

 まとめとして、政策空き家374戸を除く空き戸数は先ほども言いましたが576戸にのもぼります。民間ではありえない状況です。所得基準の引き下げ、滞納要件の緩和、これまでも求めてきた連帯保証人規定の廃止、そして浴室整備促進など課題を払しょくし、空き家を有効活用してセーフティネットとしての役割を果たす、これを早急に行うべきではないか、再度になりますがお願いします。

-村山市長

 繰り返しになるところもございますけれども、国や他の自治体の状況について注視しながら、住環境の向上も含めて検討・研究していきたいというように思います。

-広田議員

 個別案件については検討だったと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

福祉部局等との連携を

 次に、本市は直営方式を堅持しており、庁内で連携が行いやすい状況だと考えます。しかし高齢化率61.3%、多様な世帯の増加で、市営住宅町会役員の中からは、住民の安否確認やごみ出し、ご近所トラブル、生活相談などたくさんの役割を担っており、もっと市も関わってほしいというお声をよくいただきます。福祉部局をはじめ他部署と連携し、集会所などで定期的に生活相談会を行うなど、積極的に関わるよう求めますがいかがですか。そのためにも市営住宅担当の職員をもっと増やすよう求めますがいかがですか。

-村山市長

 生活相談については、これまでもその内容を確認して、関係する部局と連携して対応してきております。引き続き今後も入居者に寄り添ってまいりたいと存じます。また職員の配置についてご質問がございましたが、これまでも市勢をとりまく状況の変化、また行政需要の増減など、状況を勘案しながら配置をしております。引き続き適正な人員配置に努めてまいります。

-広田議員

 今すぐにでもやれることとして、例えば人事交流とかですね、そういうことも含めてぜひ前向きに検討を行っていただきたいと思います。

学生や若年世帯の入居について

 さいごに、若年者や子育て世帯からも市営住宅に期待するお声が届いています。しかし所得制限などがネックであり、私はこれは緩和すべきと考えます。また別の要因としては若い単身者については特定の条件がないと入れず、セーフティーネットの役割が果たされていないと考えます。しかしその点で本市は今年度から、学生入居モデル事業を行います。単身若年世帯でも可能とした大きな変化だと捉えています。学生にも今後ぜひ金沢市に定着してもらいたいと考えますが、入居の期限は学生の間だけです。その後、社会人になっても住み続けられる保障が必要だと考えます。若年単身世帯の受け入れを検討するよう求めますがいかがですか。

-高木都市整備局長

 モデル事業であります学生入居につきましては、地域コミュニティの活性化を目的として取り組むものでありまして、コミュニティになじんだ学生が卒業後も入居を望んだ場合、入居資格要件を満たせば一般入居として住み続けることが可能でございます。このモデル事業を進める中でその効果も検証しながら、この継続的な居住に向けてどういったことができるかということは研究していきたいと考えています。

-広田議員

 ぜひ検討をお願いいたします。

自衛隊への個人情報の提供について

 続いて、自衛隊への個人情報の提供について伺います。

 金沢市内の子どもや保護者から、子どもの個人情報が、本人・親にも知らされず自衛隊へ提供されている。情報管理が厳しいこの時代に、自衛隊が勧誘活動を行うために、なぜ子どもたちの情報が勝手に提供されるのか、やめてほしいとお声が寄せられています。

 奈良市では、高校3年生の当事者がこの3月に違憲訴訟を起こしました。当事者としてはじめてのことです。

 本市ではこれまで、目的外利用として自衛隊に対し個人4情報を閲覧を許可し、2019年には山野前市長が、それまでの閲覧許可ではなく、電子媒体で提供すると表明し、市民の反対のお声がある中で毎年実施されてきました。

村山市長の考え方

 村山市政になってからは2回、提供が行われています。これまで本市が実施理由としてきた自衛隊法97条や同施行令120条は、資料を「求めることができる」とあるだけで、自治体が協力する義務や強制力はありません。よって閲覧許可も提供もしていない自治体も存在します。つまり自治体の裁量権がある中で、市長はどのようなお考えで情報提供しているのか伺います。

-村山市長

 提供している対象者の基本情報につきましては、住民基本台帳法11条に基づいて閲覧ができるとされています。そして自衛官等の募集事務につきましては、自衛隊法第97条において、市町村の法定受託事務と定められておりますので、名簿の提供を行っております。

-広田議員

 市長は「できる」という中でやっているということですね。

法的根拠について

 次に、住民基本台帳法ではその4情報の「閲覧」を可能としているものの、「提供」については規定がありません。閣議決定で可能としたようですが、その際もなぜ「提供」可能となったのか政府は全く議論していません。よって閲覧にとどめている自治体もあります。提供の法的根拠というのは金沢市としては見出したのでしょうか

-村山市長

 先ほど申し上げました通り、法令で法定受託事務と定められております。平成31年4月3日付の防衛大臣からの自衛官募集等の推進という通知文の中で、紙媒体や電子媒体での提出に関する旨の依頼を受けましたので、提供しているものでございます。

-広田議員

 法定受託事務としている自衛隊法や施行令、これは個人情報の「提供」について定めた条文ではありません。さらに、今おっしゃられたすべては閣議決定で可能としているだけで、なんの根拠もないんですよね。市長のお考えとしては提供できるということとして受け止めたいと思います。

周知や除外規定について

 市長、こうした法的根拠もなく、市民からも批判がある中で、ホームページなどで周知、また除外規定を設けている自治体が年々増えています。中核市を調べると表のとおりです。金沢市ではこのような検討をしているのでしょうか。

ホームページでの記載

-村山市長

 ご紹介いただきました通り、複数の市町村で除外申請を導入しているということは承知をしております。名簿提供の周知については法令等に特段の規定がないということから、実施はしておりません。また個人情報の保護に関する法律におきまして、法令に基づく場合は情報提供できるという旨規定しておりまして、本人同意の必要はないというように考えており、名簿提供の周知、除外申請についての検討は考えてはおりません

-広田議員

 提供すること自体にも確固たる法令・根拠はないのに、こちらの周知や除外規定については法令・根拠がないからやらないというのは、ちょっとダブルスタンダードではないかと思うんです。調べた中核市ではやはり、市民からの批判や法的根拠の無さに耐えられずに、せめてものということでこういうことをされているのだと私は思います。

 市長、個人情報保護管理、これは大変きびしくなってきております。DMが送られてくるのは自分で情報提供した場合に限られてきました。なので私の元には、どこから情報が洩れているのですか?学校ですか?というお問い合わせが本当によくあります。こうしたお声にどうお答えになるのですか。

-村山市長

 学校ではありません、というようにお答えいたします。

-広田議員

 お尋ねになった方については誤解を払しょくできるかもしれませんけれども、学校だと思い込んでもう20歳になった、ということも聞きますので、本当に大変だと思います。重く受け止めていただきたいと思います。

直近の情報提供について

 つぎに、直近では、今年度18歳に到達する方、4,075名分の4情報が自衛隊に提供されました。これまでは早くても年を越してから、昨年度は5月下旬に行われたとのことです。しかし今回は昨年の11月と早まり、年に2回も行った形となっています。個人情報を提供する側として、早まった理由やDMの郵送時期について、自衛隊に確認されたのか伺います。

-山下市民局長

 石川地方協力本部からは、これまでの5月の提供ではダイレクトメールを発送するまでの期間が短いこと、そのことによりまして県内の自治体の名簿整理や宛名シールの作成といった外部委託ができない事務が輻輳していることから、これまでよりも前倒しして提供を依頼したと聞いております。またDMの発送の時期のお話かと思いますが、これにつきましてはこれまで通り7月1日に発送すると確認をいたしております。

-広田議員

 あくまで自衛隊側の都合なんですよね、早めに出したのは。私は個人情報というのは最低限のものを出すという法律の原則があると理解しておりますが、この場合4月前に転居する方の情報など、より余分に渡してしまうわけですので、私は個人情報管理側としては慎重な検討が必要だと考えておりますが、慎重な検討をしたのでしょうか。伺います。

-山下市民局長

 提供にあたりましては、石川地方協力本部と協定も結んでおりまして、個人情報の外部提供もできないことになっていることを考えますと、今回の提供は必要なことと考えております。

-広田議員

 覚書を交わしているわけですけれども、やはりその中に必要最低限の情報ということも書き込む、というか法律の原則ですので、書き込むもしくはやはり毎度毎度慎重な検討をするように私は求めておきたいと思います。元々、出すなという立場ですけれども。

未成年者への配慮について

 さらに、11月の情報提供ということになると、全員が18歳未満で要保護性の高い未成年です。自衛隊への名簿提供は他の情報提供とは異なり、未成年者に対し直接の就職勧誘につながることから、なにか特別な配慮が必要だと考えますがいかがでしょうか。

-村山市長

 この名簿提供については法的根拠に基づくものであります。自衛隊においても関係法令に基づいて適正に執行されていると認識しておりまして、検討したことはありません

-広田議員

 民法5条では、未成年者が法律行為をする際には、その法定代理人の許可を得なければならないと定めています。よって未成年者を雇用する際は、親権者など法定代理人の同意を得なければならないということもあるんですね。ぜひここの点も慎重な検討を求めたいと思います。

教育的配慮について

 つぎに、高校生に対する就職勧誘活動については厳格な規制があります。

 厚生労働省は、新規学校卒業者の職業紹介について、「その就職は、その将来を左右する重要な問題であり、学校教育や、家庭、地域社会における社会的啓蒙の過程において十分な配慮や、計画的な職業指導が必要」などとし、現場では教育的配慮が実際行われています。

 実際、金沢市立工業高校では、生徒本人が直接企業とやりとりができないようになっていること。いわゆる解禁日に企業が求人票を出し始めますが、学校に自由には持参できず、まずはハローワークで審査を受ける必要があること。さらに学校では、3年生になる前から本人と、もしくは3者面談で生徒にふさわしい就職にむけて丁寧に話し合い、指導されていること。これをお聞きしました。そのような教育的配慮が行われている。教育長、間違いないですか。

-野口教育長

 市立工業高等学校におきましては、日頃から生徒や保護者に対しましてガイダンスや懇談会を実施し、公共職業安定所の職業紹介、業務取扱要領に基づいて、就職に係る確認事項及び申し合わせ事項を遵守した公正な就職活動を進めております。

-広田議員

 しかし実際は、生徒も保護者も知らない間に個人情報が自衛隊に提供され、学校を通さず、保護者も介さず、直接高校生に勧誘文書が届いているわけです。市長、市が情報提供を行うことで、教育的配慮が損なわれているということについてどうお考えでしょうか。

-村山市長

 自衛官等の募集事務につきましては、自衛隊法等の法令に基づいて適正に行われていると認識しておりまして、教育的配慮が損なわれているとは考えてはおりません。市立工業高等学校におきましても、就職ガイダンス等を通じて求人票受理開始日などの日程も伝えながら、就職を希望する生徒に対して丁寧な説明と指導が行われていると認識をしております。

-広田議員

 ですから、その丁寧な説明の外で、自衛隊が直接勧誘を行っているということなんですね。市長、重く受け止めるべきだと思うんです。

 文科省と厚労省は、防衛相に対して「高校新規卒業者に係る自衛官の募集について、教育的観点から民間事業者と同様に、所定の時期に学校を通じて学校の協力のもとに行われることが適当と考えるので、募集活動について行き過ぎないよう特段の理解と協力を願いたい」旨申し入れ、防衛相はこれを通達として周知しています。実態は異なっているんですよね。ぜひ重く受け止めていただきたいと思います。 

憲法13条に照らして

 さいごに、プライバシー権や情報コントロール権は憲法13条によって保障される基本的人権です。最高裁はこの13条について、国民の私生活上の自由が公権力の行使に対しても保護されるべきことを規定しているとし「何人も、その承諾なく、個人に関する情報を第三者に取得ないし公表されない自由を有する」と判断しています。市長、繰り返しますけれども、奈良市で高校3年生の当事者が、はじめて原告となり違憲訴訟を起こしました。当事者がやめてほしいと直接訴え出しているのです。本市でも情報提供は直ちにやめるべきですがいかがですか。

-村山市長

 その訴訟の結果が出たということは承知しておりません。繰り返しの答弁になります。自衛隊への名簿提供は法令に基づく適正な取り扱いであることから、提供をやめることは考えてはおりません。

-広田議員

 当事者が直接訴えだしたということが、私は重要なことだと思います。引き続き求めていきたいと思います。

金沢方式について

 さいごに金沢方式についてうかがいます。

 基本的に公共施設は、自治体が住民から納められた税金で建設・運営をするはずですので、地元から負担を求めるのは税金の二重取りとも考えられます。

 山野前市長は先日「金沢方式をなくしたら金沢でなくなる」とおっしゃったようですが、これは裏返せば、全国で金沢でしか行っていない方式ということにもなります。

法的根拠について

 3月議会で地元負担を求める法的根拠をお聞きしたところ、市長答弁では「地元負担が生じることを了承の上、地元からの要望で地元と協議しながら本市独自の方式で進めてきた」との答弁でした。これはつまり、金沢市独自のやり方であり「法的根拠はない」と、そういう理解でよろしいでしょうか。

-村山市長

 こちらについては3月議会と同じ答弁で恐縮ですけれども、本市における公民館・児童館等の整備にあたっては、建設工事等に地元負担が生じることを了承のうえ、地元からの要望書に従い、地域の方々と協議しながら本市独自の方式で進めてきたものであります。

-広田議員

 すごく難しいのでその解釈をお聞きしているのですけれども。あくまで本市独自だということだと捉えます。

 一方、施設や団体側には法律の定めがあります。

 公民館については、社会教育法第21条「公民館は、市町村が設置する」とあり、消防分団については、消防組織法第8条「市町村の消防に要する費用は、当該市町村がこれを負担しなければならない」とあり、消防分団も含まれます。児童館については明確ではないんですけれども、全国では民間の児童館も建設されている中で、金沢市の児童館はあくまで金沢市立であり設置は金沢市が行っているところです。

 こうした法律との乖離について、金沢市独自のやり方が妥当なのか見解を総務省などに求めたことはあるのでしょうか。

-村山市長

 この金沢方式は、独自の方式というように申し上げました。昭和27年、新たな公民館の設置に対して多少の事務負担を伴っても校下ごとに公民館がほしいという地域住民の強い要望を受け生まれたものであります。地元負担は伴うが、地域が主体となって公民館等の建設を進めてきたという経緯があります。また建設にあたりましては、予算をその都度議会にお諮りし、認めていただいておりますので、国に見解を求めるという必要はないと考えております。

-広田議員

 あり方検討会をこれから行ううえで、おそらくこうした質問は出ると思うんですね。確認をしておいてほしいと思います。

寄付金や協力金について

 また寄付金については地方財政法の第4条5「地方公共団体は住民に対し、寄付金を割り当てて強制的に徴収してはならない」に抵触するのではないかとの質問に、市長は「地元負担分は、寄付申出書に基づき、本市の要綱に沿って、地元の合意によって行っている」としています。

 これは、地元から寄付したいと申し出ているのであって市が求めているのではない。そして、市が直接住民に負担を求めているのではなく、あくまで地元の任意団体が住民に対して求めているから、地財法には抵触しない、そう理解してよろしいでしょうか。もし答弁を読み上げるならば結構ですので。解釈のことをお願いいたします。

-村山市長

 地域の総意で負担をしていただいていると認識しております。

-広田議員

 知財法には抵触せず、地域の総意でという理解で捉えます。

 一方、地元の側では、建設委員会等と町会、そして住民の間には負担の強制などは成立し得ないでしょうから、住民が負担に応じるのは任意であると、そういう理解でよろしいでしょうか。

-村山市長

 公民館の整備については、建設工事等に地元負担が生じることを前提に総意に基づき行われるということです。負担について地域の皆様の総意というようにお答えしたのは、その意味でございます。

-広田議員

 総意にどこまで法的根拠があるのか、おそらくそこらへんも難しいと思うので任意だということなんだと捉えます。

寄付金控除について

 また寄付についてですけれども、一般的に税金の控除が可能です。これまで金沢方式ではできないとも聞いてきましたが、再度確認しますができるのではないですか。

-川畑総務局長

 通常、個人が都道府県や市区町村に直接寄附を行った場合は、その個人の確定申告等により寄付金の税額控除を受けられます。

 市に対する直接の寄付ではなくても、寄付を受けた建設期成同盟会等が市に寄付する分について事前に国税当局に申請し、様々な要件を審査した結果、税法上の寄付金として認められた場合は個人住民税の税額控除の対象となります。実際に控除を受けようとするときは個人ごとに確定申告等を行う必要がございます。

-広田議員

 市が控除証明を出すことはできないけれども、その間に入る団体が行うことは可能だということですね。ぜひ地元にも知らせていただきたいと思います。

あり方検討会での議論について

 まとめますと、金沢方式というのは法的な根拠がない中で、あくまで建設委員会などの任意団体が、町会などの任意団体つまり住民に負担の協力を求め、集金まで行う仕組みであるということ。

 そして実際、事業の説明をし負担金や協力金を集めるのは住民、さらに拠出するのも住民であり、大変な労力と経済的負担がかかっています。

 本市はそのすべてをご存じなのに、法律の外、地元の合意、あくまで任意というようなことで、私は議論から逃げているようにしか見えません。

 今のところあり方検討会では、金沢方式そのものというより、地元の金銭的負担の軽減に向けた議論を行うとしています。先ほど市長も述べた歴史の変遷の中で、金沢方式が構築されてきたことは理解しますが、この時代、法的根拠がはっきりしない仕組みには納得できない方もいて当然です

 そして市長、住民の中には生活保護やひとり親の方、障がいを持った方などさまざまな方がいます。だからこそ公共施設や公共サービスは受益者負担ではなく、応能負担を原則とした税の仕組みで成り立っているとも言えるんです。

 よって検討会では、その点を踏まえ、公共施設は市が財政的に責任をもつ議論をおこなうべきと考えますがいかがでしょうか。

-村山市長

 私の個人の話にもなっていきますけれども、住まいする地区の児童館・公民館をこの度建て替えたというところ、その中にあって金沢方式がどのような働きがあるのかということを考える、そのよいきっかけになりました。

 実際には児童館・公民館を私たちの地区の中で利用している方が非常に少ないような町会ではありましたけれども、我々にとって児童館・公民館がどのように必要なのかということを考える、そしてそこに対して意見を言う機会になったというように認識しております。

 この金沢方式は、これまで地域の連帯を強め、協同を育むために大きな役割を果たしてきたというような認識をしております。これを本市におけるまちづくりの文化として将来にわたって継承すべきものというように捉えております。

 一方で今回の検討では、人口減少・少子高齢化、また町会の加入率の低下、そういった中で地域を取り巻く環境が変化する中で、これまで我々が受けてきた、そして歴史的な経緯も含めて継承してきたまちづくりの文化を、どのようにしたら持続可能なものとできるかというような検討をしていっているところであります。

 来月開催する懇話会におきましては、地域課題等についてのご意見も改めてお聞きしたうえで、地元負担の軽減等を含めたあり方について検討をしてまいります。

-広田議員

 地元が財政的に負担をしなければ、地域(地元)は口を出してはいけないのか。そうではないと思うんです。市が財政的にしっかり出したうえで、地元がいくらだって意見を言う。自分たちの地域のものとして意見を言うことは、これはまちづくりとして市政運営として可能なことです。今までだっていっぱいやってます、公園なり児童館なり、なんでもやっています。

 私はそのことを議論しているんであって、まずは市がしっかり財政的に保障をする。それが公共施設・公共サービスの土台ではないかということ。むしろ、こうした地元に労力をかけ、経済的負担をかけることで、本当に地元が仲良くまちづくりを進めることができるのかという岐路にも今立たされているかと思うんです。

 なので、いろんな歴史をずっとわかっている方、新しく越されてきた方、いろんな方がいると思うんです。そうしたことも踏まえ、すべてあり方検討会の中で議論をしていただきたい。ただその根本の柱になるのは、私は公共施設・公共サービスはあくまで市が財政的負担を行うべきだということを求めて、質問を終わりたいと思います。

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 私は、日本共産党市議員団を代表して反対討論を行います。

 私どもは、議案第1号 令和6年度金沢市一般会計補正予算、議案第7号 金沢市本社機能立地促進のための金沢市税賦課徴収条例の特例を定める条例の一部改正につい 議案第18号 石川県後期高齢者医療広域連合規約の変更について 以上3件に反対です。

その主な理由を述べます。

 金沢港建設事業として、3億8130万円が計上されました。

2006年度~2026年度計画としてこの事業の全体事業費は464億円を投ずる大規模なものです。そのうち、金沢市の負担は88億円に上っています。

この事業の一つが大浜ふ頭を深さ10mから13mにする事業です。

これは、大手企業コマツが工場を建設し、大型土木機械を東南アジアなどに輸出するため大深水岸壁として整備する事業となっています。

もう一つが、クルーズ船寄港のための無量寺ふ頭と戸水ふ頭改良事業、そして、物流関連・拠点としての御供田ふ頭と戸水ふ頭の改良事業が行われています。

わが党は、大手企業などのためにこうした巨額の税金を投じて行われてきた金沢港建設事業に反対してきました。

さらに今回の補正予算には、金沢港に関して、二つの新しい事業が計上されています。金沢港利用促進連携強化事業費と金沢港コンテナラウンドユース推進事業費です。

ところで、石川県はこの3月「金沢港将来ビジョン」を作成しました。今後20年から30年の金沢港発展を目指すものだとしています。

めざすべき将来像は3つ。一つは、北陸の経済振興に寄与する金沢港、二つは、賑わい、個性、美しさを兼ね備え、次世代に受け継がれる金沢港、三つは、安全安心で持続可能な社会を形成する金沢港。この三つをめざし、基本理念として『物流の未来を牽引し、賑わいを奏でる強くしなやかな金沢港』を掲げています。

これに基づき、今年度金沢港湾計画の改定を行い、当面10年から15年の実施方針を打ち出していくとしています。

 金沢港将来ビジョンとその計画は、さらなる巨額の事業費を投ずる内容となっています。

 わが党は、これからさらなる税金を投じて進められようとする金沢港将来ビジョンと具体化には反対です。

 議案第7号 金沢市本社機能立地促進のための金沢市税賦課徴収条例の特例を定める条例の一部改正について反対です。

 東京から金沢市へ本社機能を移転させると固定資産税が減免するというものについて、その期間を延長するものです。また、特定業務児童福祉施設を設置した際に特例措置が適用されることを加えたものです。これは一部の大手企業に対して利便を図るものとなっています。東京一極集中の解消を進め、大都市と地方の格差是正を進めるとして打ち出されましたが、現実はますます格差が拡大し、地方の衰退が広がっています。地域経済を支える中小企業への支援策こそ求められています。

 議案第18号 石川県後期高齢者医療広域連合規約の変更については、マイナ保険証を強行し、これまでの保険証を今年12月2日から廃止するという国の方針に基づいて、後期高齢者医療制度にも具体化するというもので反対です。

 マイナ保険証の利用状況は、この4月6.56%、5月7.73%にとどまっています。厚生労働省は、新たにマイナ保険証の利用拡大のために医療機関と薬局に対し、支援金を設けていますが、さらに、その上限を倍増するなど躍起になっています。

 しかし、これまでの保険証を今年12月2日から廃止し、資格確認書を発行するとの方針を変えようとしていません。国民からも医療機関などからも批判の声は広がっており、こうした方針をやめるよう求めたいと思います。  以上で討論を終わります。

私は、日本共産党市議員団を代表して、議会議案第2号 共同親権を導入する改定民法の根本的な見直しを求める意見書について、提案理由説明を行います。

当事者から不安と怒りが寄せられる中、本年5月、離婚後も父母の双方が子どもの親権者となる共同親権の導入を柱とする改定民法が成立しました。国会審議でも問題点が次々と指摘され、当事者だけでなく、その支援者、弁護士、医療、教育、福祉の現場からも懸念の声があがっています。

改定民法の最大の問題は、離婚する父母の双方が合意していなくても、裁判所が離婚後の共同親権を決めることができる点です。DVや虐待のおそれがあると家庭裁判所が判断した場合は単独親権にできますが、DVや虐待を立証することは容易でなく、家庭裁判所が的確に判断するという保証はありません。

親権とは、親の権利ではなく、子どもの利益のために監護・教育を行い、子どもの財産を管理するなど、子どもに対する養育の義務・責任のことです。本来親権者は、子どもの居所、教育、医療、財産などの重要事項を子どもの利益にそって決めることになりますが、離婚後共同親権となった場合、子どもに関する重要事項について速やかに決定できないことや、父母の争いが長期化し子どもにストレスを与えること、別居している親による干渉や支配が復活し継続する手段となり、子どもの福祉や権利が損なわれてしまうおそれも出てきます。家庭裁判所で不本意な共同親権が強制されることで、立場の弱い方を追い詰め、子どもの利益が害される危険を否定できません。

当事者間に合意のない「共同」の強制は、「個人の尊重」を最も大切な価値とする憲法にも反します。あるべき法改正は、「合意のない共同親権を認めない」と条文を改めること、問題の根本にある親権の再定義をすることです。あわせて、家庭裁判所の業務負担に対応するため、裁判官、調査官の大幅増員など、家庭裁判所の体制強化も不可欠です。

この意見書は、憲法24条が定めている家庭内での個人の尊厳と両性の平等を実現する民法となるよう、国に対して、改定民法の2年後の施行までに根本的な見直しを行うよう強く求めるものです。議員各位のご賛同をお願いしまして、提案理由説明といたします。

山下明希 議員

-山下議員
 質問の機会を得ましたので、日本共産党市議員団の一員として、質問いたします。
 はじめに、子育て施策についておたずねします。今月、厚生労働省が1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数を示す合計特殊出生率を発表しました。全国は1.20、石川県は1.34と、どちらも過去最低となり、8年連続の減少です。経済的不安で子育てに希望が持てない、子どもを産み育てられないという訴えは、本市が取り組んだ「次期かなざわ子育て夢プラン策定」の市民アンケートの結果にも同じように表れています。物価高騰のなか実質賃金が減り、子育てにかかる経済的な負担はさらに重くなっています。本市においても、子育て施策の拡充が強く求められているのではないでしょうか。そこで「次期かなざわ子育て夢プラン策定」における市民アンケート調査結果は、本市の子育て施策にどのように活かされていくのか、お聞かせください。

-村山市長
 本市のアンケート調査結果では、子育てにかかる経済的な負担に加えて、育児と仕事の両立に伴う精神的・体力的な負担などを感じている人の割合が増加していると認識しております。子どもを持ちたいと考える人にとって、経済的な不安や仕事との両立が支障とならないように、妊娠・出産から子どもの成長に合わせた切れ目のない子ども子育て施策の充実を、新たにかなざわ子育て夢プランに盛り込まなければならないと考えております。

-山下議員
 市民アンケートでは「行政が行っている子育て支援の満足度」について保護者にたずねています。就学前児童の保護者で「不満」「やや不満」を合わせると57.1%と半数を超えています。小学生の保護者では54.7%、中学生・高校生の保護者では56.7%と、子どもの年齢に関わらず、行政が行っている子育て支援を「不満」「やや不満」と感じる保護者が半数以上です。前回のアンケート結果より割合が増加しています。市長、この調査結果をどのように受け止めますか。

-村山市長
 アンケートにご協力いただいた子育て当事者の声として真摯に受け止めたいと存じます。そのためにも、新たなかなざわ子育て夢プランでは、今回のアンケート調査結果はもちろんのこと、これまで以上に未来を担う若者や子育て当事者の意見を取り入れて、市民ニーズに沿ったサービスの拡充や金沢の特徴を生かした施策を盛り込んで、国の施策と一体となった施策を充実していきたいと考えております。

-山下議員
 ぜひ子育て世帯の実態を、施策に忠実に生かしていただきたいと思います。
 「子育て支援策として、どのような取り組みが重要だと考えるか」という問いに対しては、子どもの年齢に関わらず「子育て世帯に対する経済的支援全般」との回答が7割を超えています。先ほどの満足度を踏まえて考えると、金沢市で子育てをするみなさんは経済的支援が十分でないと感じているとも考えられます。アンケート調査の自由意見の中には、調査をした6つの対象区分のどの保護者、どの年齢層にも「子どもの医療費を18歳まで無償化してほしい」というご意見がありました。これまでも子育て世帯、子どもたち自身からも医療費の負担をなくしてほしいとの声は多く寄せられています。本市が2021年に行った「子どもの生活実態調査」において、「子どもを医療機関に受診させた方がよいと思ったが、実際にはさせられなかった」という問いに「あった」と回答したその理由について、「公的医療保険に加入していたが、医療機関で自己負担金を支払うことができないと思ったため」と回答した割合を年齢別にみてみます。4歳から5歳、小学2年生の保護者で1.0%、小学5年生、中学2年生の保護者で1.7%という割合に対して、16歳から17歳の保護者では10.2%と、高い割合になっています。この差は、16歳から17歳には医療費の自己負担金がかかっていることが影響していると見てとれるのではないでしょうか。3月議会の答弁で、18歳までの完全無償化まであと4億8千万円でできると明らかになりました。本市の一般会計予算規模は1900億円余りです。子どもの受療権を保障するためにも、市長、子どもの医療費助成制度、18歳まで完全無償化することを今、決断するときではないでしょうか。

-村山市長
 なんらかの施策を行うためには、なんらかの施策を削らなければならない、あるいは他のところに財源を求めなければならないということは当然のことかというように思っております。子どもの医療費の助成はこれまでも、予算の選択と集中による施策の重点化を図っていく中で、順次対象年齢の拡大を行ってまいりました。子育て支援については医療費の助成以外にも福祉・保健・教育・文化・スポーツまで多様な施策があります。今年度も新たにこども家庭センターの運営を開始する、あるいは拠点型子ども宅食の本格実施、児童クラブの新設などにかかる経費の助成の拡充など、鋭意取り組んできております。こども医療費の助成のさらなる拡充、現時点では考えておりません。

-山下議員
 ぜひ子育て世帯の経済的支援をというふうに求める声と、子ども医療費の助成制度を拡充してほしいという声にぜひ応えていただきたいと思います。

 次に、保育施設等の整備についておうかがいします。就労についてのアンケートでも「子どもがうまれた場合でも仕事はそのまま続けたい」との回答が圧倒的に多いことをみても、保育施設等の整備は重要です。先月、保育所や認定こども園等の改築・改修費を国が2分の1補助する「就学前教育・保育施設整備交付金」の予算が、第1次申請分で想定の予算に達したということで、第2次以降の申請が打ち切られました。本市では、第2次以降に9施設で申請を予定していたということです。国会の内閣委員会の中で「特に優先すべき一定の案件を対象として、予算執行残額の範囲内で第2回の追加協議をすると各自治体に通知をした」と大臣政務官の答弁がありましたが、追加協議にあたって、申請基準にどのような変更があったのか。その変更によって本市は追加協議ができたのか、現状をお聞かせください。

-安宅こども未来局長
 少し経緯も含めて答弁させていただきます。就学前保育施設整備交付金につきましては、例年複数回の申請協議があります。3月末に国から申請額が予算の上限に達したため、2回目以降の協議を中止する旨の通知がございました。本市では法人の準備期間等を考慮しまして、例年3月末の2回目に申請協議を行っていることになります。この通知を受けまして、協議予定の施設に対しまして速やかに説明を行うとともに、追加予算の確保に向けまして全国市長会等を通じて要望するほか、本市でも国に対しまして直接要望してきたところでございます。それを踏まえまして、5月中旬の追加申請協議の通知におきましては、令和8年4月1日以前の開園予定で、令和6年12月までに着手予定の事業などが対象となる旨が示されておりまして、この条件に該当する施設について協議書を提出したところでございます。

-山下議員
 内示・交付決定されなかった場合、該当の保育所や認定こども園等がこうむる影響、どんなことが考えられるかお聞かせください。

-村山市長
 国からは、協議額通りに内示できないことがあるが、不足額については追加財源の確保に向けて全力で取り組む旨の通知を受けております。今回の追加申請協議で内示がない場合、スケジュール等の変更など施設の整備計画に影響が出ることになりますが、本市としては個別に丁寧に相談に応じていくこととしております。今後の国の追加財源の動向を注視するとともに、次年度以降の施設整備の需要に対応できるよう、国に対して強く要望してまいります。

-山下議員
 第2次申請で内示がでる予定だった園は今、全てがストップしていると聞いています。来年度改築で申請予定をしている園からも「予定通り建て替えができるのだろうか」と心配の声があがっています。今市長から答弁もあったように、ぜひ該当の9施設やこれから申請を予定する園に対しても、丁寧な説明に努めていただきたいと思います。
 市長が予算確保の要望に出向かれて、また中核市市長会も緊急要望しているというとおり、国が責任をもって予算確保を行って内示・交付決定すべきだと考えます。改築・改修を予定していた保育所や認定こども園等が計画を中断しなくてもいいように努めなければなりません。交付決定が得られなかった場合、本市独自での財源確保を求めますがいかがですか。

-村山市長
 本市の保育施設整備につきましては、中長期的な観点に立って計画的に進めております。整備費用については国・市・施設が一定のルールに基づいて負担してきております。建築年数が建て替えの目安を経過している施設が多く、今後も建て替えの要望が見込まれますことから、これまでの費用負担のルールで対応することとして、市独自の財源措置は考えておりません。繰り返しになりますけれども、今後の国の追加財源の動向を注視するとともに、次年度以降の施設整備の需要に対応できるように国に対して強く要望してまいります。
 
-山下議員
 今後、改築や改修・整備を予定している保育所や認定こども園にとっては、改築等の補助をつける元が国なのか金沢市なのかということはそんなに関係ないことです。なので、出来得る限りの方策をとっていただくように求めたいと思います。

 次に、金沢市の女性支援についておたずねします。「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」、いわゆる女性支援新法が、本年4月から施行されました。女性支援新法の目的は、生活困窮、DV被害、性的搾取などに苦しむ女性を公的な枠組みで包括的に支援していくというものです。女性の困難や生きづらさを、個人だけの問題にとどめず、社会の課題として位置づけて支援がすすめられていくことになります。この女性支援新法を受けて、今後金沢市において、女性支援をどのように拡充し取り組んでいかれるのかお聞かせください。

-村山市長
 本市では法律の制定を受けまして、昨年度オンラインによる相談を開始いたしましたほか、女性支援を実践する民間団体との共同で居場所の提供などを行うといった、経済的な不安や孤独・孤立感を抱える女性への相談機能の強化に努めてきております。今後とも困難な問題を抱える女性に寄り添った支援を進めてまいりたいと存じます。

-山下議員
 女性の意思が尊重され、最適な支援を受けることができるよう、福祉と人権の視点にたった公的支援の拡充をぜひお願いしたいと思います。
 法律の施行と新たな女性支援の枠組みにおいて、困難を抱える女性の相談に応じる女性相談支援員は、重要な役割を担います。しかし厚生労働省の報告でも、女性相談支援員の配置状況は約8割が非正規雇用です。本市においては、女性相談支援室の相談員全員が非正規雇用という現状です。労働時間や仕事内容に見合う報酬を得ていないという声もあります。新法では、女性相談支援員の適切な処遇の確保、資質向上のための研修の実施に努めることとしていますが、本市の状況をお聞かせください。

-山下市民局長
 相談員の処遇についてですが、今年度から正規職員に準じて勤勉手当を支給することとしております。このことによりまして、前年度と比べ約30万円の増となるなど、給与面で一定の改善が図られていると考えております。また相談員の資質向上に向けてでございますけれども、国や県等が実施する研修に積極的に参加するほか、関係機関との連絡会議に出席等しております。

-山下議員
 勤勉手当等で給与が上がったということですが、そうした処遇改善にとどまらず、相談員の正規雇用化を求めますが、見解をうかがいます。

-川畑総務局長
 本市では個別分野の相談業務や支援業務に、その分野毎にさまざまな社会経験を積み重ねてきた人材を配置し、こうした経験を活用することが有効と考えておりまして、会計年度任用職員を配置しております。正規化は考えておりません。

-山下議員
 昨年、東京大学大学院の研究グループが「公的部門の最前線で女性支援を行う婦人相談員の全国調査」を行いました。調査によると、DVや貧困などの相談に対して、相談員が心理的な負担を抱えているということが明らかになりました。業務の影響により心身の不調を経験したことがある相談員が、約5割にのぼります。本市の女性相談支援室の相談件数は年間1300件を超えていますし、オンライン相談を開始して新たな業務も増えています。相談員が感じる業務上の負担、また心身の状況を把握しフォローする体制が必要ですが、そうした体制があるのかお聞かせください。

-山下市民局長
 相談員が所属いたしております女性相談支援室には正規職員も兼務いたしておりまして、日頃からコミュニケーションを密にするなど、必要に応じて協議を行いながら相談員をサポートすることで、負担の軽減を図っているところでございます。また相談員を含む全職員を対象に、心身に不安を感じる職員には、心のケアを呼び掛けておりまして、疲労度のチェックや保健室内にある職員相談室の利用を促しております。メンタルヘルスの不調に至らないよう、引き続き対策を講じてまいります。

-山下議員
 相談業務を継続していくためには、ケアに当たっている人をケアするということも重要ですので、引き続きの取り組みをお願いいたします。

 女性支援の最後に、女性安心生活支え合い支援事業についておたずねします。コロナ禍のもとで、不安を抱える女性をサポートするため事業が開始されました。そこで、事業の1つである生理用品の無償配布についておたずねします。2021年の事業開始からこれまでの取り組みの経過と現状をお聞かせください。

-山下市民局長
 生理用品の無償配布につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大長期化によりまして、特に女性の経済的な困難が問題となりました令和3年6月から、本庁舎、福祉健康センターや女性センターなどで配布を実施いたしております。この事業につきましては防災備蓄品を活用していますことから、現在は駅西福祉健康センターのみの配布となっております。

-山下議員
 生理の貧困は単なる経済的な問題にとどまらず、社会の風潮やジェンダー格差などあらゆる問題に関連してきます。女性の健康や尊厳に関わる重要な課題であり、本市がおこなっている生理用品の無償配布は重要な事業のひとつだと思います。新型コロナウイルス感染症が5類へ移行したあとも、女性の困難はなくなったわけではなく、長引く物価高騰や能登半島地震の影響もあるなかで、事業の継続が求められます。ただ、防災備蓄を活用しているということで、備蓄の入れ替えがなければ在庫が不足するという事態が生じていることや、HPでしか周知をされていない状況には課題があると考えます。配布日・配布場所についても、さらに利用しやすくしてほしいとの声も聞いています。防災備蓄の活用だけでなく、生理用品購入費の予算化や、配布日・配布場所の拡充を求めますが、見解を伺います。

-村山市長
 当初、コロナ禍における女性の経済的困難に寄り添うという観点で生理用品を配布しておったものであります。今後についてでありますけれども、単なる生理用品の配布にとどまらない、困難を抱える女性の相談支援と合わせた事業としての手続きの見直しを含めて、検討していきたいと考えております。

-山下議員
 ぜひ検討をよろしくお願いいたします。

 次に、教科用図書の採択についておたずねします。2025年度から中学校で使用される教科書の検定結果が公表されました。小学校教科書の検定と同様、QRコードを読み取るデジタル教材が大幅に増えています。しかしデジタル教材は検定の対象にはなっておらず、「問題のあるコンテンツが生徒の目に触れる可能性がありうる」と文部科学省も認めています。QRコードが多いから子どもの学びが深まるという単純な話ではないと思います。本来の紙の教科書全体で子どもたちに何を伝え、どのような学びを保障しているのか、そうした判断も採択においては必要だと考えますが、見解を伺います。

-野口教育長
 私も採択の委員を担っている一人として、現在教科書を時間を見つけながら読み進めさせていただいて、調査研究を行っているところであります。今ほどありましたけれども、今回採択を進めている教科書は、まさに二次元コードを1人1台学習用端末で読み取り利用できるデジタル教材が、前回に比べて大幅に増えているなということを実感をしています。また加えて、実際にそのQRコード(二次元コード)を読み取ってみますと、例えば英語の音声とか書写の運筆を確かめることができる動画など、紙の教科書では表現しにくい多様な教材が利用できるようになっているなということを感じております。しかしながらデジタル教材につきましては、今おっしゃったとおり教科書の補助としての位置付けでありますので、あくまでも教科書に記載されている内容を元に判断すべきものと考えています。ただ、1点だけ。今回の国からの通知によりますと、中学校の英語の教科書採択におきましては、中学校英語のデジタル教科書を調査し、考慮の一事項とすることができるという通知がありましたので、英語の教科書の研究にあたりましては英語のデジタル教科書において聞くこと・読むこと・話すこと・書くことの基本的な技能を身に着けられるよう、工夫が図られていることについても綿密な調査研究を行い、答申するように選定委員会の方にお願いしているところでございます。

-山下議員
 歴史教科書採択についてお話をします。歴史教科書の採択にあたって、やはりなぜ歴史を学ぶのかということを押さえる必要があると考えます。「どんな日本人をつくるのか」とか、態度や思想を押しつけるような学びでいいのかと。学術的な史実に基づく歴史から、ヘイトやデマが飛びかう現代社会を生きる子どもたちが、多角的・多面的な視野をもち、自分自身も他者も尊重しながら共に生き合うために、歴史から学ぶことは大いにあると思います。教育長は昨年の6月議会で、日本国憲法そして教育基本法の2つが戦後教育の原点であると答弁されました。教育は「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の三原則に基づき、そして不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものであると理解をしています。その上にたって、どのような歴史教科書で子どもたちに学んでほしいとお考えか、お聞かせください。

-野口教育長
 今ほど山下議員がお触れになられたこと、今でもその通りだと思っています。そのうえで、もうひとつ大事なことは、金沢市の子どもの実態、この子どものことを真ん中において、教科書を選ばないといけないと僕は思っています。金沢市の子どもたちには、日本や世界における各時代の政治・経済・文化などが理解しやすく記載されていることに加え、学習を通して歴史上起こった出来事や登場する多くの人物に触れることなどによって、歴史を身近に感じ、意欲的に学習に取り組むことができる歴史教科書で学んでほしいと考えております。

-山下議員
 本市では2016年から2024年で育鵬社の歴史教科書を使用していますが、採択された教科書を実際に使用して、教員や生徒がどのように感じているか、どのように評価をしているか、把握されていますか。

-野口教育長
 現在使用している教科書につきましては、学校訪問の機会などに直接先生方から伺うようにしています。私は誰よりもきっと学校を回って教職員や子どもたちと話しているんじゃないかなと思っておりますけれども、そうした中で、例えば段階的に難易度が上がるにつれて活動例や例題が提示されているため、教科書に沿って進めることで無理なく学習を進めることができる。それから生徒の思考の流れに沿って授業を進めることができるなどの声を、これは先生方からお伺いしています。またたくさん授業を見させていただいています。そうした授業の中では、生徒から意見が出にくいときや自分の言葉でうまくまとめられないなというときには、先生方が教科書の記述や図表、資料などを上手に活用しながら、生徒の思考の一助とするなど、効果的に教科書を活用している様子を多く目にすることができているところでございます。

-山下議員
評価などきちんと把握して、また次の採択にも生かしていただきたいと思います。
 2020年、前回の教科書採択における教科用図書研究委員会の調査研究報告書では、調査研究項目に対し出版社ごとに意見数が表記されています。選定委員会では、保護者や市民が教科書をみることができる展示会場で出された意見書についてほとんど触れられていません。現場の教職員の意見、保護者・住民の声が届いているのか疑問です。教科書採択において、教職員や保護者・市民の意見が尊重されているのかお聞かせください。

-野口教育長
 採択の権限等につきましては教育委員会にあります。採択にあたりましてですが、選定委員会の答申に縛られることなく、やはりきちんと教育委員会の中で議論しながらこれを決定していく、このことがやっぱり大事なことなんだと思っています。教科書採択に際しましては、各教科の専門性の高い教員で構成いたしております教科用図書調査委員会及び各学校の教員で構成する教科用図書研究委員会が調査研究して報告書を作成していただいております。現在行われております教育プラザ富樫の常設展示会や、全市立中学校を会場とした移動展示会では、事前に保護者や地域の方にホームページ・おたより・メール配信等で開設期間を周知しておりまして、すでに様々な意見が集まってきていると報告を受けております。教科用図書選定委員会が教育委員会に答申する報告書は、これらの調査研究結果や市民の方々のご意見、また採択にかかる様々な要望書を踏まえて審議してまとめられており、その答申をもとに教育委員会が採択を行っており、現場の教員の意見や保護者また市民の方々の声は反映されていると捉えております。なお、採択にあたられる教育委員の方々にも、こうした市民の方々のご意見も見ていただいております。また様々な要望書を頂戴しておりますが、それについても見ていただいています。すべてを全部ひっくるめて、我々は審議に臨んでおりますことを申し添えておきます。

-山下議員
 そうしたすべてをひっくるめて考えられているその教育委員会の採択会議について、やはり今、公開を求める署名が先日も教育委員会に提出をされました。小学校の教科書採択においては、発言者名を記載して議事録を公開することとなりました。教育長は「説明責任を果たす観点から」と答弁されていましたが、発言者名がわかるのになぜ会議の公開を渋るのか、非公開にする理由がないとの声があがっています。発言と採択への責任は果たせていないのではないでしょうか。公正で透明性のある会議の運営について市民の要望は、採択会議を傍聴可能な公開にすることです。中学校の教科書採択の教育委員会会議を公開するよう求めますが、見解をうかがいます。

-野口教育長
 今から答弁いたしますが、その中にも触れてございます。教科書採択にかかる会議を公開するかどうかにつきましては、今ほど山下議員がお触れになりましたが、昨年7月の教育委員会議において議論した結果、教科書採択の審議経過については意思形成過程であること、また、ここが一番大事であるんです、静ひつな採択環境の中で自由闊達な議論を行うこと、そして公平性・中立性を保つ必要があること、こうしたことから非公開とすることに決定した次第であります。しかしながら、こうしたこれまでの経緯と国からの通知に示されている静ひつな審議環境の確保等の観点から検討を行い、会議の公開・非公開を適切に判断することや、公表の時期・方法等について不断の改善を図ることを踏まえて、昨年度の小学校用教科書採択時に議事録に発言者名を記載し、公表をするよう改善を図ったところでございます。したがいまして今回の中学校教科用図書の採択にかかる教育委員会議の公開については、公開することは考えてはおりません。

-山下議員
 公開を求める市民の声は引き続いてありますので、ぜひ再度検討を求めます。

 最後に、改定地方自治法についておたずねします。「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」と判断すれば、地方自治体に対して指示ができる「指示権」の枠組みを新たに導入する地方自治法改定案が、昨日の参議院本会議で、私たち日本共産党は反対をしましたが、賛成多数で可決されました。有識者や全国知事会からも懸念が示され、金沢市議会も3月議会において全会一致で「地方自治法改正案の閣議決定を受け、重大事象発生時の運用の明確化と慎重な審議を求める意見書」を国に提出しています。国会の審議の中でも立法事実すら明らかにならず、「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態である災害や感染症以外の「その他の事態」について、具体的な想定が示されず曖昧なままです。3月議会において市長は「適切な改正案であると考えている」と答弁されましたが、現在もその見解に変わりはないですか?

-村山市長
 昨日可決された地方自治法の改正については、国民の安全保護の観点から、感染症や災害などあくまで想定外の重大な事態が発生した場合に限って、国が自治体に対し補助的な指示が行えるとするものであります。想定外の事態ですので、どのようなことを想定したらよいか、我々もこの答弁作成のときに考えました。事態としては映画の中であるような事態しか想定できません。たとえば、今まで見たことのないような生物が現れて、その生物を天然記念物とするのかあるいは保護すべきなのか、殺傷していいのか、そういった事態がある、所管にすらわからないという中にあって、その破壊的な生物に対してどう対応するかということを、我々は実際には決めきれません。そういったことなどもおそらく議論するにも難しい話だというように思います。国・地方を通じて的確かつ迅速な対応を万全期すとの観点からの見直しと捉えております。想定が明示されないということを理由にしてこの仕組み自体を否定するものではないと考えております。

-山下議員
 政府は法改定の理由にコロナなどをあげています。しかし能登半島地震に見るように、災害時に対応がすすまない大きな要因は、地方公務員を減らし地方の財源を削ってきたことです。必要なのは、迅速な対応ができる権限、財源、人を国が自治体に保障することですし、住民に最も近い自治体が、国と対等に協議をし、住民の命や財産、暮らしを守る最善の解決策を見いだすことではないでしょうか。国が「必要だ」と判断すれば、個別の法律に規定がなくても閣議決定で自治体に指示を出し、国の関与を最大限抑制すべき自治事務にまで指示することを可能とすることは、地方自治の侵害です。ときの政府の恣意的判断によって地方自治を侵害するこの改定地方自治法は廃止を、と求めるべきと考えますが、市長いかがですか。

-村山市長
 指示権の発動については、国と地方公共団体が事前に適切な協議・調整を行うということ、また目的達成のために必要最小限の範囲とすることなど、地方として兼ねて要請してきたところであります。法の運用にあたっても地方分権の原則のもと、国において具体の案件ごとに適切な対応がされるものと考えておりまして、制度の廃止について国に求めるつもりはありません。

-山下議員
 参議院委員会の参考人発言でも「指示権」に関する慎重意見が目立ちました。なぜ指示が必要なのか、そして改定の本当の狙いはどこにあるのか明確にするよう、自治体の長として求めるべきだと考えます。現法制下であっても、沖縄県では県民の意思を無視し、米軍辺野古新基地建設が国による「代執行」で強行されています。必ず、国が地方の意思を尊重した運用をすると言えるのか、必要最小限の措置が守られるのか、市長、もっと危機感をもつべきではないですか。

-村山市長
 今回の法改正にあたっては、これは想定し得ない事態を自治体が想定しなければならないということの事務負担をなくすという意味からも、より地方分権を進めるために大切な法案であるというように認識をしております。地方を無視した運用は想定されていないように思いますし、運用面が明らかになる中で、必要があれば引き続き地方六団体等を通じて地方自治の本質に沿った対応を求めてまいりたいと考えております。

-山下議員
 改定地方自治法は廃止と改めて求めて、私の質問を終わります。

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